平成24年7月30日判決言渡同日原本交付裁判所書記官平成22年(ワ)第42141号不正競争行為差止請求事件口頭弁論終結日平成24年5月18日判決東京都港区<以下略>原告プリヴェAG株式会社同訴訟代理人弁護士大野聖二同井上義隆同小林英了埼玉県川越市<以下略>被告株式会社サクサン埼玉県上尾市<以下略>被告有限会社リバティフィールド被告ら訴訟代理人弁護士長谷川 純同金谷 良同補佐人弁理士鹿又弘子同奥野貴男同岡田貴子 主文 1 原告の請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 事実 及び理由第1 請求被告らは,別紙被告商品目録記載の物件を製造し,譲渡し,引き渡し,譲渡若しくは引渡しのために展示し,輸出し,輸入し,又は電気通信回線を通じて提供してはならない。 第2 事案の概要本件は,原告が,被告らに対し,原告が販売する別紙原告商品目録記載1ないし3の商品(以下,「原告商品1」などといい,これらを併せて「原告商品」という。)に共通する形態は,原告の商品等表示として需要者の間に広く認識されているものであるところ,被告株式会社サクサン(以下「被告サクサン」という 告商品1」などといい,これらを併せて「原告商品」という。)に共通する形態は,原告の商品等表示として需要者の間に広く認識されているものであるところ,被告株式会社サクサン(以下「被告サクサン」という。)が被告株式会社リバティフィールド(以下「被告リバティフィールド」という。)が運営するショッピングサイトを通じて販売する別紙被告商品目録記載の商品(以下「被告商品」という。)の形態はこれと類似するものであるから,被告らが被告商品を販売することは,原告商品との混同を生じさせるものであり,不正競争防止法2条1項1号の不正競争に該当すると主張して,同法3条1項に基づき,被告商品の製造,販売等の差止めを求める事案である。 1 前提事実(争いのない事実以外は,証拠等を末尾に記載する。)(1) 当事者ア原告は,玩具・娯楽用品及び日用雑貨の販売等を業とする株式会社であり,平成22年7月20日に,「株式会社エー・ジー」から現商号へ商号を変更した(甲1)。 イ被告サクサンは,眼鏡枠,サングラス,レンズ等の製造販売を行う株式会社であり,「ふれあいメガネ」の名称で埼玉県内にて眼鏡店を展開している。 ウ被告リバティフィールドは,国内商品の開発・販売及び海外商品の輸入販売を行うとともに,「面白生活」の名称で通信販売を行う有限会社である。 (2) 原告商品の販売原告は,平成2年頃から原告商品1を,平成10年頃から原告商品2を,平成22年2月頃から原告商品3を販売している(甲2の1・2,3,4, 弁論の全趣旨)。 (3) 被告商品の販売等被告サクサンは,平成22年7月頃から,被告リバティフィールドが運営するオンラインショッピングサイト「面白生活」を通じて,被告商品の販売を行って 弁論の全趣旨)。 (3) 被告商品の販売等被告サクサンは,平成22年7月頃から,被告リバティフィールドが運営するオンラインショッピングサイト「面白生活」を通じて,被告商品の販売を行っている。 なお,被告商品の商品名は,当初「見えルーペ」であったが,その後,「見えグラス」に変更された。 2 争点(1) 原告商品の商品形態の商品等表示性の有無(争点1)(2) 原告商品の商品形態の周知性の有無(争点2)(3) 原告商品と被告商品の商品形態の類似性の有無(争点3)(4) 混同の可能性の有無(争点4)第3 争点に対する当事者の主張 1 争点1(原告商品の商品形態の商品等表示性の有無)(原告の主張)(1) 商品の形態は,必ずしも商品の出所を表示することを目的として選択されるものではないが,商品の形態が他の商品と識別し得る独特の特徴を有し,かつ,商品の形態が,長期間継続的かつ独占的に使用されるか,又は,短期間であっても商品形態について強力な宣伝等が伴って使用されたような場合には,商品の形態が商品表示として需要者の間で広く認識されることがあり得るものであり,これは,複数の商品に共通する特徴的形態についても同様である。 (2) 原告商品の特徴的形態が商品等表示として周知性を獲得していることア原告商品に共通する特徴的形態原告商品は,いずれも,①耳と鼻に掛ける眼鏡タイプの形態からなるルーペであり(以下「特徴①」という。),②そのレンズ部分が眼鏡の重 ね掛けができる程度に十分大きい一対のレンズを並べた略長方形状の形態(以下「特徴②」という。)を備えるルーペという構成を備えており,原告商品に共通する上記形態は,虫眼鏡タイプのルーペに代表される手持 ね掛けができる程度に十分大きい一対のレンズを並べた略長方形状の形態(以下「特徴②」という。)を備えるルーペという構成を備えており,原告商品に共通する上記形態は,虫眼鏡タイプのルーペに代表される手持ちルーペ等の従来のルーペの形態とは全く異なる,独特の特徴ということができる。 イ販売期間・販売本数原告は,上記のとおり独特の形態的特徴を有する原告商品を,以下のとおり,長期間にわたり,独占的に,多数販売してきた。 すなわち,原告は,原告商品1の販売を平成2年頃に開始した後,約20年にわたり,原告商品1と同様の上記形態を有する原告商品1ないし3を販売し続けている上,平成15年4月から平成22年7月までの期間(7年4か月)に限っても,原告商品の累積販売台数は,約19万台にも及んでいる。 原告商品は,眼鏡タイプのルーペというカテゴリーにおいてほぼ100%のシェアを占めている上,若干出回っている他社製の眼鏡タイプのルーペの形態は,特徴②を備えるものではなかった。すなわち,原告商品は,眼鏡タイプのルーペというカテゴリーにおいて,ほぼ独占的に販売されてきたものであり,かつ,その特徴的形態を備えるルーペは他に全く存在していないのである。 ウ宣伝広告原告が原告商品について行った宣伝広告のうち,平成21年4月末頃までに行われたものは以下のとおりである。 (ア) テレビ番組原告商品は,例えば,テレビショッピング「いいな!いいわ!イチオシ百貨店」,平成20年1月29日放送の「評判!なかむら屋」,平成21年4月13日放送の「ちい散歩」で紹介され,また,CM(30 秒)も繰り返し放送されるなど,最も強力な宣伝媒体であるテレビを通じて,多数回にわたり紹介された。 (イ) 通信販売カタログ 13日放送の「ちい散歩」で紹介され,また,CM(30 秒)も繰り返し放送されるなど,最も強力な宣伝媒体であるテレビを通じて,多数回にわたり紹介された。 (イ) 通信販売カタログ原告商品は,「通販生活」や「ピカイチ事典」(いずれも発行部数は100万部以上)等の通信販売カタログを通じ,繰り返し宣伝広告された。 (ウ) 情報誌原告商品は,情報誌である「明日の友」(発行部数約7万部),「NHKテレビテキスト今日の健康10月号」(発行部数約22万7000部)においても宣伝広告された。 (エ) ポスター原告は,平成21年4月27日から同年5月10日までの間,「母の日」キャンペーンとして,日比谷線,半蔵門線,東武東上線,東武野田線の各車両内に原告商品のポスター合計2760枚を掲示し,極めて強力に原告商品の宣伝広告を行った。 (オ) パンフレット原告は,原告商品に関するパンフレットを約3万枚作成し,頒布した。 エ以上のとおり,原告商品に共通する特徴的形態(特徴①及び②)は,長期間継続的かつ独占的に使用され,又は強力な宣伝等を伴って使用されたことにより,遅くとも平成21年4月末頃には,商品等表示性を獲得した。 (3) 被告らの主張についてア原告は,本件訴訟において,原告商品に共通する特徴的形態(特徴①及び②)の保護を求めているのであり,保護を求める商品形態が明確となっている以上,原告商品が特定されていないとして非難を受けるいわれはない。 複数の商品であっても,これらに共通する特徴的形態には商品等表示性 が認められることに何らの問題もなく,「商品の形態」を単一の商品の形態に限定しなければならないものではない。 イ原告商品は,その中央部分に「スジ」が 共通する特徴的形態には商品等表示性 が認められることに何らの問題もなく,「商品の形態」を単一の商品の形態に限定しなければならないものではない。 イ原告商品は,その中央部分に「スジ」が見えていることから明らかなとおり,2つのレンズの曲面が同部において合わさっており,また,パンフレットにおいても「2つのメガネ型レンズを組み合わせた」,「ペアルーペは2つのレンズを1つに合わせたルーペです。」と記載されているとおり,原告商品は右眼及び左眼用の2枚のレンズを備えており,「一対のレンズを並べた」形態である。 ウ商品の形態に商品等表示性が認められるのは,その形態が周知であることを前提としており,そうであれば,「独自の特徴」とは,商品の形態だけで「標章等と同様の非常に印象的・特徴的なもの」であることまで必要なものではなく,他の同種商品と識別できる程度の特徴的なものであれば足りる。 原告商品の形態は,「他の商品と識別し得る独特の特徴」を備えている。 被告らが指摘する株式会社エッシェンバッハ光学ジャパン(以下「エッシェンバッハ」という。)の商品は,一見すれば明らかなとおり,特徴①,②を備える原告商品の商品形態とは全く異なっている。 仮に,特徴①又は②のいずれかを備える他の商品が存在したとしても,原告商品が「他の商品と識別し得る独特の特徴」を備えていることを否定する根拠となるものではない。 エ一般的な老眼鏡が当然に特徴②を備えているという被告らの主張は,単なる被告らの願望にすぎない。 この点を措くとしても,原告商品は老眼鏡から明確に区別されたルーペとして販売されている。 オ原告商品の構成は具体的であり,抽象的であるとする被告らの批判は当たらない。 カ耳に掛けないタイプの眼鏡型ルーペが存在するよう から明確に区別されたルーペとして販売されている。 オ原告商品の構成は具体的であり,抽象的であるとする被告らの批判は当たらない。 カ耳に掛けないタイプの眼鏡型ルーペが存在するように,特徴①は,両手を自由にするための機能と必然的に結びつくものではない。 また,特徴②も,かかる形態的特徴を備えないルーペが存在することから明らかなように,眼鏡の重ね掛けをするという機能と必然的に結びつくものではない。 (被告らの主張)(1) 原告商品が特定されていないこと原告は,原告商品1,2及び3の3種類の商品を合わせて「原告商品」としているが,原告商品1は,原告商品2及び3と比較して,レンズ部分の枠組みの形態,及びレンズ上部のフレーム部分の形態が明らかに異なるものであり,これら3種類の商品は同一の商品ではない。 したがって,原告商品自体,特定されていないのであるから,不正競争防止法2条1項1号の「商品」となし得ない。 (2) 原告商品の形態に関する原告の主張に問題があること原告は,原告商品に共通する形態として,「一対のレンズを並べた」形態(特徴②)を主張しているところ,原告商品のレンズは,「一体成形」の方法で製造された1枚のレンズであるから,レンズが2枚であることを前提とした「一対のレンズを並べた」との表現は不適切である。 (3) 原告商品の形態はルーペとしての独自の特徴を有しないことア商品の形態が「商品等表示」に当たるためには,「特定の商品形態が同種の商品と識別し得る独自の特徴を有」することが必要であり,「独自の特徴」とは,「その形態が,標章等と同様の非常に印象的・特徴的なもの」であることが必要である。 イ眼鏡タイプのルーペは,ルーペの一般的な形状として認知されており,原告以外 が必要であり,「独自の特徴」とは,「その形態が,標章等と同様の非常に印象的・特徴的なもの」であることが必要である。 イ眼鏡タイプのルーペは,ルーペの一般的な形状として認知されており,原告以外の会社(例えばエッシェンバッハ)からも販売されている。 ウ眼鏡との重ね掛けができるルーペを販売しようとする場合,焦点距離と の関係で,一対のレンズを並べた形状にならざるを得ない。 したがって,一対のレンズを並べることは機能上当然のことであり,全く独自性を有しない。 略長方形とは「およそ長方形」という意味であるが,「およそ長方形」という形態は独自性を有しない。 エ眼鏡タイプのルーペは一般的な形状の一つとして認知されており,眼鏡と重ね掛けができる眼鏡タイプのルーペを販売する以上,一対のレンズを並べた形態にならざるを得ないのであるから,特徴①及び②を組み合わせたとしても,その形態に独自性はない。 オ原告が主張する原告商品の特徴は,ありふれた,一般的な形状に,機能上必要な形状を組み合わせたものにすぎず,「標章等と同様の非常に印象的・特徴的なもの」に当たらない。 (4) 原告商品の需要者からみて老眼鏡と認識される原告商品は独自の特徴を有しないことア原告商品は,楽天市場において「リーディンググラス」(老眼鏡)としてカテゴライズされるなど,需要者に老眼鏡として認識されている。 イ原告の主張する原告商品の特徴①及び②は,老眼鏡の一般的な形態そのものであって,「標章等と同様の非常に印象的・特徴的なもの」に当たらない。 (5) そもそも不正競争防止法上保護される商品形態に当たらないことア特徴①のうち,眼鏡タイプのルーペであることは,具体的な商品の形態を離れた抽象的なアイデア(ルーペを眼鏡の形にしたという抽象的なアイデ もそも不正競争防止法上保護される商品形態に当たらないことア特徴①のうち,眼鏡タイプのルーペであることは,具体的な商品の形態を離れた抽象的なアイデア(ルーペを眼鏡の形にしたという抽象的なアイデア)にすぎない。 また,特徴①のうち耳と鼻に掛ける形状であること,及び特徴②は,商品の形態に関する抽象的な特徴にすぎない。 イしたがって,原告が主張する原告商品の特徴は,いずれも不正競争防止 法上保護される商品の形態にそもそも該当しない。 (6) 原告商品の形態は技術的機能に由来することア原告商品の形態のうち,特徴①は,両手を自由にするためにルーペを眼鏡型にしたものであって,原告商品の機能に由来する形態である。 また,特徴②は,眼鏡を重ね掛けできる機能に由来する形態である。 イすなわち,原告商品の形態は,結局,両手を自由にできること,及び眼鏡と重ね掛けできること,といった原告商品の各機能を導くための必然的な形態であり,「商品の技術的機能に由来する必然的な結果」であって,商品等表示に当たらない。 2 争点2(原告商品の商品形態の周知性の有無)(原告の主張)(1) 争点1に関する原告の主張(2)イのとおり,原告は,他のルーペとは明確に異なる独特の特徴を有する原告商品を,約20年間という長期にわたり,独占的かつ大量に販売してきたものである上,同様の特徴的形態を備えるルーペがほぼ存在しない中において,同ウのとおり,各種媒体を通じて,原告商品の宣伝広告を強力に行ってきたものであるから,原告商品の独特の特徴からなる形態は,遅くとも平成21年4月末頃,周知性を獲得したものである。 (2) 原告は,平成21年4月末以降も,多数回にわたるテレビショッピングでの宣伝広告,通信販売カタログへの掲載,週刊 らなる形態は,遅くとも平成21年4月末頃,周知性を獲得したものである。 (2) 原告は,平成21年4月末以降も,多数回にわたるテレビショッピングでの宣伝広告,通信販売カタログへの掲載,週刊誌及び情報誌への掲載,第22回メガネの国際総合展への出品,パンフレットやポスターの配布・掲示等の強力な宣伝広告を現在に至るまで継続しており,原告商品の周知性は維持されている。 (被告らの主張)原告商品の需要者は,ルーペの需要者ではなく老眼鏡の需要者であるところ,7年間で約19万台(年当たり約2万7000台)という原告商品の販売数は, ①平成21年度の出来合いの老眼鏡の輸入台数3695万0891台と比較した場合の市場占有率約0.07%,②平成20年度における老眼鏡用眼鏡の出荷台数895万3400台と比較した場合の市場占有率約0.30%,③平成16年度の視力に合わせて調整した老眼鏡の購入人口規模580万5000名と比較した場合の市場占有率約0.46%にすぎず,市場占有率からみれば,原告商品が周知性を獲得しているとは到底いえない。 3 争点3(原告商品と被告商品の商品形態の類似性の有無)(原告の主張)被告商品は,特徴①及び②を備えており,原告商品と類似する。 (被告らの主張)(1) レンズの並べ方が異なること原告商品のレンズには真ん中に線が入っているだけであるのに対し,被告商品のレンズはフレームによって完全に分断されて並んでおり,被告商品と原告商品のレンズの並べ方は全く異なるのであり,類似していない。 (2) 具体的な特徴を比較しても,類似性は認められないことア原告商品に係る商品形態の具体的特徴(ア) リム(レンズ枠)を有しない所謂リムレスであ るのであり,類似していない。 (2) 具体的な特徴を比較しても,類似性は認められないことア原告商品に係る商品形態の具体的特徴(ア) リム(レンズ枠)を有しない所謂リムレスであり,レンズの周囲全体が枠に囲まれている通常のリム(レンズ枠)とは異なる。 (イ) メガネの両側のつる(テンプル)が,レンズに直接つながっている。 (ウ) メガネの両側のつる(テンプル)が金属部材,耳掛け部分(モダン)が樹脂部材であり,複合部材からなるフレームである。 (エ) レンズ全体を囲むリム(メガネ枠)がないため,長方形のレンズが分割されていない。 イ被告商品に係る商品形態の具体的特徴(ア) 樹脂製のリム(レンズ枠)によりレンズが囲まれている。 (イ) メガネの両側のつる(テンプル)が,リム(レンズ枠)につながっ ている。 (ウ) 全て透明の樹脂部材により構成される,単一部材からなるフレームである。 (エ) 左右のリム(レンズ枠)により,長方形のレンズが中央で左右に分割されている。 ウ両商品形態の具体的特徴の比較(ア) リムレスの原告商品は,モダンな眼鏡に近い印象を与える。その一方,樹脂製のリムによりレンズが囲まれた被告商品は,オーソドックスな眼鏡に近い印象を与える。 (イ) 眼鏡の両側のつるがレンズに直接つながった原告商品は華奢なイメージを与える。その一方,通常の眼鏡フレームのように,つるがリム(レンズ枠)につながっている被告商品は,剛健なイメージである。 (ウ) 金属を含む複合部材からなるフレームの原告商品はゴージャスな外観である。その一方,透明樹脂の単一部材からなるフレームの被告商品はシンプルな外観である。 (エ) レンズが左右に分割されていない原告商品はフレームの存在を意識させず,軽やか 商品はゴージャスな外観である。その一方,透明樹脂の単一部材からなるフレームの被告商品はシンプルな外観である。 (エ) レンズが左右に分割されていない原告商品はフレームの存在を意識させず,軽やかなイメージを与える。その一方,レンズがリム(レンズ枠)により左右に分割された被告商品はフレームの存在が強調され,重厚なイメージを与える。 エ類否判断以上のとおり,両商品形態の具体的特徴の相違点,特に需要者が着目するフレームに関する相違点により,両商品形態が需要者に与える印象は決定的に異なる。 したがって,両商品形態は非類似である。 (3) 意匠登録の存在被告サクサンは,その商品に係る意匠登録(意匠登録第1392198 号)を受けている。 当該登録意匠は,原告が出願した公開実用新案公報(実開昭63-38120)に係る意匠(原告商品と酷似する意匠)を審査において確認した上で,それとは非類似とされたものである。 当該事実は,被告商品が原告商品と非類似と考えるべき合理的な資料として考慮されるべきものである。 4 争点4(混同の可能性の有無)(原告の主張)原告商品は,特徴①及び②という形態が原告の商品等表示として需要者の間に極めて広く認識されているものであることから,被告らにおいて,原告商品と形態が酷似する被告商品を販売することによって,需要者に誤認混同を生じさせることは明らかである。 (被告らの主張)(1) 争点3に関する被告らの主張のとおり,原告商品と被告商品は類似していないのであるから,両商品が混同されるおそれもない。 (2) 被告商品では3種類のレンズを選べること原告商品のレンズは,倍率1.6倍のレンズのみであるのに対し,被告商品は,レンズ 類似していないのであるから,両商品が混同されるおそれもない。 (2) 被告商品では3種類のレンズを選べること原告商品のレンズは,倍率1.6倍のレンズのみであるのに対し,被告商品は,レンズの倍率を1.60倍,1.75倍及び2.00倍の3種類から選ぶことができる。 度数の選択の余地があるか否かは,需要者にとって極めて関心の高い事項である。 したがって,需要者が,度数を選択できない原告商品と,度数を選択できる被告商品とを混同することはあり得ない。 (3) レンズの素材が異なること原告商品のレンズはアクリル製であるのに対し,被告商品のレンズはプラスチック製で非球面ハードマルチ仕様である。 眼鏡を購入する場合,レンズの素材によって眼鏡の値段は大きく異なるため,需要者にとって,レンズの素材は非常に関心の高い事項である。 したがって,需要者が,アクリルレンズのルーペである原告商品と,プラスチック製非球面ハードマルチレンズの眼鏡である被告商品とを混同することはあり得ない。 第4 当裁判所の判断 1 争点1(原告商品の商品形態の商品等表示性の有無)について(1) 証拠(甲2の1・2,3,4)及び弁論の全趣旨によれば,原告商品の形態について,以下の事実を認めることができる。 ア原告商品は,いずれも,透明のレンズ部分(ただし,原告商品2・3については,無色〔クリア〕,パープル,ブラウンの3種類があり,パープル及びブラウンについては,レンズが淡い紫色又は茶色に着色されていることが認められる。)の左右に,耳に掛けて使用するためのつる(テンプル)を取り付けるための部分(つる取付け部分)を有し,つる取付け部分に,折り畳み自在に連結された銀色のつる(テンプル)が取り付けられており,さらに,レン 左右に,耳に掛けて使用するためのつる(テンプル)を取り付けるための部分(つる取付け部分)を有し,つる取付け部分に,折り畳み自在に連結された銀色のつる(テンプル)が取り付けられており,さらに,レンズ部分の上部中央に,鼻パッド保持部材を介して,鼻に掛けて使用するための透明の鼻パッドが取り付けられている。レンズ部分は,いずれも,その中央に,線状のスジとして看取される縦方向の谷状の窪みを有し,上記窪みを挟んで,その左右に,表面を凸状,裏面を凹状とするレンズがそれぞれ形成されている。レンズ部分の左右のつる取付け部分は,いずれも,レンズ部分と同じ透明の素材で形成されている。 イ原告商品1において,レンズ部分は,上下辺が直線状,左右辺が曲線状の長方形に近い形状であり,その全体の大きさは縦約47mm,横約106mmである。レンズ部分の左右のつる取付け部分は,レンズ部分とほぼ同一の幅をもって,そのまま横方向に伸びるようにして形成されており,レンズ部分とつる取付け部分は,全体として,ほぼ長方形状となっている。 ウ原告商品2において,レンズ部分は,左右下隅部分が丸みを帯びるよう角を切り落としたような形状となって,丸みを帯びた左右辺につながっている。その全体の大きさは,縦約41mm,横約106mmである。レンズ左右のつる取付け部分は,レンズ部分の左右辺の上隅部に,左右に凸状に形成されている。 エ原告商品3において,レンズ部分は,下辺中央部分が浅い半円状に切り欠かれた形状となっており,下辺部分は,上記切欠き部分から左右に向けてやや斜め上方向に持ち上がっており,左右下隅はやや丸みを帯びた形状となって,丸みを帯びた左右辺につながっている。その全体の大きさは,縦約42mm,横約106mmである。レンズ左右のつる取付け部分は, やや斜め上方向に持ち上がっており,左右下隅はやや丸みを帯びた形状となって,丸みを帯びた左右辺につながっている。その全体の大きさは,縦約42mm,横約106mmである。レンズ左右のつる取付け部分は,レンズ部分の左右辺の上側に,左右に凸状に形成されている。 オ原告商品は,いずれも,左右のつる(テンプル)を耳に,鼻パッドを鼻に掛けることにより,掛けて使用することができる。原告商品を掛けて使用すると,右眼及び左眼は,左右の各レンズを通じ,物を拡大して見ることが可能となる。また,原告商品は,鼻パッドが鼻の先端付近に当たるよう下にずらして使用することで,眼鏡の上に重ね掛けすることが可能なものとされている。 (2) 原告商品の共通形態ア上記(1)でみた原告商品1,2及び3の形態によれば,原告商品は,いずれも,①2本のつる(テンプル)と鼻パッドが設けられ,つる(テンプル)を耳に,鼻パッドを鼻に掛けて使用する眼鏡型の形態を有する,物を拡大して見るために使用される拡大鏡(ルーペ)であり,②レンズ部分の中央の縦線状のスジ(窪み)の左右にレンズがそれぞれ設けられ,レンズ部分全体の大きさは,横約106mm,縦約41~47mmで,眼鏡の上に重ね掛けして使用可能なものであるというのであるから,原告が原告商品の共通形態として主張する点のうち,①耳と鼻に掛ける眼鏡タイプの形 態からなるルーペであり,②そのレンズ部分が眼鏡の重ね掛けができる程度に十分に大きい一対のレンズを並べた形態であることについては,原告商品がいずれも共通して備える形態であるということができる。 イこの点,原告は,上記共通形態に加え,レンズ部分が略長方形状であることも原告商品に共通する形態であると主張する。 しかし,上記(1)イないしエのとおり,原告商品2 ということができる。 イこの点,原告は,上記共通形態に加え,レンズ部分が略長方形状であることも原告商品に共通する形態であると主張する。 しかし,上記(1)イないしエのとおり,原告商品2及び3は,レンズ部分の左右下隅が丸みを有する形状となっており,また,原告商品3は,下辺中央部に半円状の切り欠き部分を有するところ,とりわけ,上記(1)エでみた原告商品3のレンズ部分の形状は,略長方形状とはいい難いものであるというべきである。また,上記(1)アのとおり,原告商品は,レンズ部分とつる取付け部分が,同一の透明素材で形成されていることから,レンズ部分とつる取付け部分とは一体のものとして看取されるところ,上記(1)イないしエでみたとおり,レンズ部分とつる取付け部分とを併せた部分の形状は,原告商品1と原告商品2及び3との間で大きく異なるものということができる。 そうすると,原告商品に接した一般消費者が,つる取付け部分を除いたレンズ部分の形状のみに着目し,これを,「略長方形状の形態」であると捉えた上で,この点で,原告商品が形態上共通するものと認識するとは解することができず,この点を原告商品の共通形態と捉えて,商品等表示性を検討するのは相当ではないものというべきである。 ウ他方,被告らは,原告商品のレンズは「一体成形」の方法で製造された1枚のレンズであるから,「一対のレンズを並べた」と表現することは不適切であると主張する。 しかし,上記(1)アでみたとおり,原告商品のレンズ部分は,中央の縦線状のスジを挟んで,その左側部分は左眼用に,右側部分は右眼用に,各別にレンズとして形成されていることは明らかであるから,これを「一対 のレンズを並べた」と表現することに問題はなく,上記レンズが一体成形品であるか否かは,原告商 ,右側部分は右眼用に,各別にレンズとして形成されていることは明らかであるから,これを「一対 のレンズを並べた」と表現することに問題はなく,上記レンズが一体成形品であるか否かは,原告商品の形態の把握に当たり問題となるものではないというべきである。 エ原告商品の共通形態は以上のとおり把握できるものであるが,原告は,原告商品の共通形態について,レンズの大きさや形態については主張しているものの,つるや鼻パッドとレンズとの位置関係については具体的に特定して主張していない。その結果,原告が原告商品の共通形態として主張する点のうち,「①耳と鼻に掛ける眼鏡タイプの形態からなるルーペ」との点に関し,レンズとつるや鼻パッドの位置関係をどのように主張するものかについては,必ずしも明らかではない。そこで,以下では,原告がレンズとつるや鼻パッドの位置関係について,市場において広く眼鏡タイプとされるルーペを含むものと主張しているものとした場合と,通常の眼鏡の形態のもの(すなわち,正面からみたレンズのほぼ横外側に折り畳み自在のつるが設けられ,鼻パッドは一対のレンズの中央部分にレンズに近接して設けられることにより,つるを折り畳んだときに,レンズとつると鼻パッドが平面的な形状となり,ケースに収納しやすい形態としたもの)に限定して主張している場合とに分けて検討することとする。 (3) 上記(2)アでみた原告商品の共通形態に商品等表示性を認めることができるかどうかについて検討する。 ア商品の形態は,一次的には商品の特性そのものであるが,二次的には商品の出所を表示する機能をも併有し得るというべきであり,商品の形態が他の同種商品と識別し得る独特の特徴を有するものである場合には,商品の出所表示機能を有し不正競争防止法2条1項1号所定の商品等表示に該 出所を表示する機能をも併有し得るというべきであり,商品の形態が他の同種商品と識別し得る独特の特徴を有するものである場合には,商品の出所表示機能を有し不正競争防止法2条1項1号所定の商品等表示に該当する場合がある。そして,商品等表示に該当する商品形態が長期間,継続的かつ独占的に使用されるか,又は,短期間であっても商品の形態について強力な宣伝広告等により大量に販売されるなどすることにより,商品 等表示として周知性を獲得した場合には,当該商品形態は同号による保護を受けることができるが,他方,当該商品形態が他の同種商品と比べありふれたものである場合には,商品等表示として周知性を獲得することはできないものと解される。 イそこで,上記(2)アでみた原告商品の共通形態が他の同種商品と識別し得る独特の形態的特徴を有するものであるかについて検討する。 その際,前記のとおり,原告が原告商品の共通形態であると主張するものが,市場において広く眼鏡タイプとされるルーペを含むものか,通常の眼鏡の形態のものに限定するものかは必ずしも明らかでないので,以下では,この2つの場合を分けて検討する。 ウまず,原告が原告商品の形態を市場において広く眼鏡タイプとされるルーペを含むようなものとして主張しているものとした場合に,原告商品が,他のルーペと比較して独特の形態的特徴を有するものということができるかどうか検討する。 (ア) 証拠(乙1,2)及び弁論の全趣旨によれば,原告が原告商品の形態が商品等表示としての周知性を獲得したと主張する平成21年4月末より前の平成20年4月の時点において,エッシェンバッハは「ラボフレーム」と題する商品を日本国内において販売していた。同商品において両眼レンズを備えた形態は,①耳と鼻に掛ける眼鏡タイプのルーペで より前の平成20年4月の時点において,エッシェンバッハは「ラボフレーム」と題する商品を日本国内において販売していた。同商品において両眼レンズを備えた形態は,①耳と鼻に掛ける眼鏡タイプのルーペであって,②そのレンズ部分は一対のレンズを並べた略長方形状の形態であり,その大きさは横約74mm,縦約28mmで,フレームとレンズを接続する長さ約50mmのアームにより,眼鏡に重ね掛け可能なものとなっている。 また,証拠(甲6)によれば,池田レンズ工業株式会社(以下「池田レンズ」という。)の販売する双眼メガネルーペの「メガネタイプ」(甲6の「Copyright <C> 2004 ikeda-lensCorporation.」との記載 に照らせば,平成16年には販売されていたものと認められる。)は,①耳と鼻に掛ける眼鏡タイプのルーペであって,②そのレンズ部分は一対のレンズを並べた略長方形状の形態を備えている。また,同社の双眼メガネルーペの「クリップタイプ」は,眼鏡にクリップで一対のレンズを取り付けることにより,眼鏡の上から重ね掛け可能なものとなっている。 なお,上記エッシェンバッハ及び池田レンズの商品は,いずれも,レンズが眼鏡型のフレームに直接取り付けられているものではなくフレームから前方に突出したアームに取り付けられているものであるが,エッシェンバッハの商品は「ルーペ(眼鏡タイプ)」,「両手を自由に使うことができる眼鏡タイプのルーペ」(乙2),池田レンズの商品は双眼メガネルーペ(甲6)として販売されており,市場においては眼鏡タイプのルーペとして販売されているものである。 (イ) 上記(ア)の事実によれば,原告商品の共通形態のうち,①耳と鼻に掛ける眼鏡タイプのルーペであって,②そのレンズ部分は一対のレンズ は眼鏡タイプのルーペとして販売されているものである。 (イ) 上記(ア)の事実によれば,原告商品の共通形態のうち,①耳と鼻に掛ける眼鏡タイプのルーペであって,②そのレンズ部分は一対のレンズを並べた形態であり,眼鏡に重ね掛け可能である点については,他の商品にもみられる周知のものであるということができ,他の商品と識別し得る独特のものとはいえない。 (ウ) 原告商品の共通形態のうち,②レンズ部分が「眼鏡の重ね掛けができる程度に十分に大きい」一対のレンズを並べた形態である点は,エッシェンバッハや池田レンズの商品にはない形態である。 しかし,一対のレンズを眼鏡の上から重ね掛けするという思想自体はエッシェンバッハや池田レンズの商品にもみられるものであることに加え,証拠(甲6,乙1,2)によれば,眼鏡タイプのルーペとして種々の形態のものが販売され,流通しており,そのレンズの大きさも様々であることが認められる。 これらの事情を考慮すると,原告商品のレンズが「眼鏡の重ね掛けができる程度に十分に大きい」一対のレンズを並べた形態であることによって,需要者において原告商品につき格段の強い印象が生じるものではなく,上記レンズの大きさの点が,他の同種商品と識別し得る独特の特徴であるとは認められないというべきである。 エ次に,原告が原告商品の形態を通常の眼鏡の形態のものに限定して主張しているものとした場合について検討する。 (ア) 楽天市場やビッダーズのウェブサイト等においては,商品型番「老眼鏡-ペアルーペ-PF-1」(乙3)や「品番:老眼鏡-ペアルーペ-PF-1ブラウン」(乙4)等,原告商品が老眼鏡の一種であるかのように分類しているものがあり,他にも原告商品を「老眼鏡」「リーディンググ ペアルーペ-PF-1」(乙3)や「品番:老眼鏡-ペアルーペ-PF-1ブラウン」(乙4)等,原告商品が老眼鏡の一種であるかのように分類しているものがあり,他にも原告商品を「老眼鏡」「リーディンググラス」「眼鏡」として分類しているウェブサイトが多数存在し(甲41ないし43,乙5,13ないし17,21など),「楽天市場」においては,老眼鏡とルーペは同じ「老眼鏡・ルーペ部門」として分類されている(乙22)。 他方,ウェブサイトにおける広告内容を子細にみれば,「ペア・ルーペは2枚の眼鏡型レンズを組み合わせた,革命的な拡大鏡です。」(乙3ないし5,14),「老眼鏡(シニアグラス)タイプの拡大鏡ルーペ」(乙16)など,原告商品のルーペとしての性質を明らかにして説明しているものもある。また,メガネの信栄堂のウェブサイトにおいては,原告商品について,大きな文字で,「老眼鏡ではありません!ルーペです!!」と注意を促しており(甲74),テレビショッピングや通信販売などでは,原告商品を老眼鏡と明示的に区別されたルーペとして販売しているところ(甲15ないし18,26の1ないし3,27の1ないし3,29,70,71の1・2),特に老眼鏡と関連づけず,ルーペとして販売しているところ(甲7の1・2,8の1ないし3,1 1,14,30,69の1・2)があり,同種のウェブサイトも存在する(甲54から58,66)。 小売店舗での販売状況をみると,丸善新宿京王店やれんず屋神保町店においては,原告商品はルーペのコーナーに陳列され,丸善日本橋店や東急ハンズ銀座店においては,原告商品が文房具売場に陳列されている。 しかし,他方,西武百貨店池袋店や東武百貨店池袋店においては,原告商品はメガネサロンの前に陳列され,眼鏡専門店において原告商品を取り扱っている 座店においては,原告商品が文房具売場に陳列されている。 しかし,他方,西武百貨店池袋店や東武百貨店池袋店においては,原告商品はメガネサロンの前に陳列され,眼鏡専門店において原告商品を取り扱っている例も多い(以上につき,甲53)。 (イ) ルーペは見るものを拡大する機能を有するのに対し,老眼鏡は加齢により網膜上からずれてくる像の位置を網膜上に戻しピント合わせをする機能を有するものであり(甲45),両者の機能は異なっている。需要者は,商品の機能を求めて商品を購入するものであるから,ルーペと老眼鏡の機能の相違を理解し,両者を区別して購入するのが通常であり,最終的に老眼鏡とルーペを混同したまま購入するケースが必ずしも多いとは考えられない。 (ウ) しかし,上記の市場における原告商品の取扱い状況によれば,多数の商品を不特定多数のアクセス者に対して広告するウェブサイト広告においては,広く同種商品を紹介する目的で,老眼鏡と原告商品を同種商品として取り上げている例があり,小売店等においては,眼鏡と原告商品を別の売場で販売しているところもあるものの,近接した場所で販売している例も多い。 また,老眼鏡とルーペはいずれも高齢者が近くの小さい文字等が見にくい場合に用いるという点では機能上の共通点がある。 これらの事情に照らせば,需要者が,原告商品が独特の形態的特徴を有するか否かを判断するについて,市場において同種商品とされることがある老眼鏡の形態との比較をすることがあり得ることも否定できない。 そして,原告が原告商品の共通形態であると主張する原告商品の特徴①,②は,同種商品である老眼鏡の形態(甲76,77,79,乙27)と比較して,これらと識別し得る独特の特徴といえるものではないと解される。 したがって,原告商品の形態 主張する原告商品の特徴①,②は,同種商品である老眼鏡の形態(甲76,77,79,乙27)と比較して,これらと識別し得る独特の特徴といえるものではないと解される。 したがって,原告商品の形態が独特の特徴的形態と認識されるためには,市場において,それが老眼鏡と同種商品ではなく,異なる種類の商品であることが明確に区別して販売され,需要者においてもそのように認識されていることが必要であり,そうでなければ,原告商品の形態は老眼鏡と同種の商品として,格別の形態的特徴を有しないものとして認識されることにならざるを得ない。 そこで検討するに,上記のような市場における原告商品の取扱い及び老眼鏡と原告商品との機能上の共通点に照らせば,原告商品が,需要者において老眼鏡と明確に区別され,独特の形態的特徴を有するものと認識されるまでには至ってはおらず,原告の主張する原告商品の共通形態に商品等表示性を認めることはできない。 オそうすると,いずれにせよ,原告商品の共通形態は,他の同種商品と識別し得る独特の特徴を有するものとはいえないから,その形態が不正競争防止法2条1項1号所定の商品等表示に該当するということはできない。 2 以上によれば,原告商品の共通形態に商品等表示性を認めることはできないから,その余の点について検討するまでもなく,原告の請求は理由がないことに帰着する。 第5 結論よって,原告の被告らに対する請求をいずれも棄却することとし,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第29部 裁判長裁判官大須賀滋 裁判官西村康夫 裁判官森川さつき 別紙原告商品目録 裁判長裁判官大須賀滋 裁判官西村康夫 裁判官森川さつき 別紙原告商品目録 1 原告商品1商品名ペアルーペ種類眼鏡タイプのルーペ発売日平成2年頃形態別紙原告商品写真目録1のとおり 2 原告商品2商品名ペアルーペ種類眼鏡タイプのルーペ発売日平成10年頃形態別紙原告商品写真目録2のとおり 3 原告商品3商品名ペアルーペ種類眼鏡タイプのルーペ発売日平成22年2月頃形態別紙原告商品写真目録3のとおり 別紙被告商品目録商品名 「見えルーペ」,「見えグラス」種類メガネ型拡大鏡形態別紙被告商品写真目録のとおり
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