平成16年11月10日判決言渡平成15年(ワ)第2624号貸金返還請求事件判決 主文 1 被告は原告Aに対し,335万9281円及びこれに対する平成15年1月8日から,同Bに対し,167万9640円及びこれに対する前同日から,同Cに対し,167万9640円及びこれに対する前同日から,各支払済みまで年6分の割合による金員を支払え。 2 訴訟費用は被告の負担とする。 3 この判決は,仮に執行することができる。ただし,被告が原告Aに対し200万円の,同Bに対し100万円の,同Cに対し100万円の,各担保を供するときは,同仮執行を免れることができる。 事実及び理由 第1 請求 1 主位的請求主文1項と同旨 2 予備的請求被告は原告Aに対し,331万5943円及びこれに対する平成12年9月25日から,同Bに対し,165万7972円及びこれに対する前同日から,同Cに対し,165万7972円及びこれに対する前同日から,各支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 第2 事案の概要 1 本件は,被告との間で保険契約を締結していた保険契約者の相続人である原告らが保険契約の解約に基づく解約返戻金を請求したのに対して,被告が解約返戻金からいわゆる契約者貸付制度に基づく貸付金を控除して支払ったところ,原告らは被告に対し,主位的請求として,前記貸付金は損害保険代理店を通じて返済済みであるか,債権の準占有者(損害保険代理店)に対する弁済として有効であるから前記貸付金を控除することは許されないとして控除された解約返戻金及びこれに対する遅延損害金の支払を求め,予備的請求として,損害保険代理店の不法行為について被告に使用者責任があるとして,原告らの被った損害賠償及びこれに対する 許されないとして控除された解約返戻金及びこれに対する遅延損害金の支払を求め,予備的請求として,損害保険代理店の不法行為について被告に使用者責任があるとして,原告らの被った損害賠償及びこれに対する遅延損害金の支払を求めた事案である。 2 前提事実(1) 被告はDとの間で,Dを保険契約者兼被保険者,保険期間19年間とする年金払積立傷害保険契約(証券番号abcdefghij)(以下「本件保険契約」という。)を締結していたところ,平成11年11月2日,Dの申出に基づき,被告はDに対し,いわゆる契約者貸付制度に基づいて本件保険を担保として600万円を貸し付けた(以下「本件貸付」という。)(甲6,7)。 (2) Dは,平成12年9月25日,後記株式会社Eが開設している銀行口座に623万1887円を送金した(以下「本件送金」という。)(甲8ないし11)。 (3) Fは,昭和61年頃から,「E」の名称で被告の損害保険代理店として業務を行っていたが,平成12年4月4日,株式会社E(以下「E」という)を設立して代表取締役に就任し,その後は,Eが被告の損害保険代理店として業務を行っていたものであり,本件保険契約の締結,本件貸付及び本件送金については,いずれもFないしEが損害保険代理店として関与した(弁論の全趣旨)。 (4) Dは平成14年7月12日死亡し,妻である原告A,子である同B及び同Cが,Dの本件保険契約に基づく権利を法定相続分の割合で相続した(甲5の1ないし4)。 (5) 原告らは被告に対し,平成14年12月25日,本件保険契約を解約したところ,被告は原告らに対し,平成15年1月7日,解約返戻金1274万4690円から本件貸付にかかる元利金671万8561円を控除した602万6129円のみ支払った(甲4,8,11)。 (6) Eは被告から,平成15年6 対し,平成15年1月7日,解約返戻金1274万4690円から本件貸付にかかる元利金671万8561円を控除した602万6129円のみ支払った(甲4,8,11)。 (6) Eは被告から,平成15年6月14日,損害保険代理店委託契約を解除された(乙4)。 3 原告らの主張(1) 被告はFないしEに対し,契約者貸付締結の代理権限を与えていたというべきであるから,それに付随してその貸付返済金の受領権限も与えていたというべきである。したがって,Dが本件貸付の返済としてなした本件送金により本件貸付債務は既に消滅している。よって,被告が本件解約返戻金から本件貸付にかかる元利金を控除できる理由はないから,671万8561円を原告らに支払うべきである。 (2) 仮に,FないしEに本件貸付の返済金の受領権限がなかったとしても,以下の理由により,本件送金は債権の準占有者に対する弁済として有効である。 ① FないしEは被告との損害保険代理店契約に基づいて,保険契約の締結・維持・管理,保険料の徴収その他保険契約に関連する権限全般を与えられ,継続的にその業務を行っていた。但し,FないしEの代理権の範囲については,対外的に明示されていないため,第三者がその代理権の範囲を明確に知ることは困難である。契約者貸付は保険契約と一体不可分,若しくは密接な関連のある契約であるから,第三者にしてみれば,損害保険代理店の代理権の範囲が対外的に明示されていないことと相俟って,保険契約の締結や保険料領収の権限が損害保険代理店にあるのであれば,これに付随して契約者貸付の締結権限及びその返済金の受領権限も損害保険代理店にあると考えるのは自然なことである。 ② Dは被告の代理人であるFないしEとの間で,本件保険を締結し,全期前納の保険料を本件送金と同じE名義の銀行口座宛てに送金して支払って 受領権限も損害保険代理店にあると考えるのは自然なことである。 ② Dは被告の代理人であるFないしEとの間で,本件保険を締結し,全期前納の保険料を本件送金と同じE名義の銀行口座宛てに送金して支払っている。 ③ Dは被告から契約者貸付を受ける際,FないしEを通じてその申込みをし,その貸付の実行をされているところ,被告はDに対して,貸付実行の際,損害保険代理店に契約者貸付の権限がないとか返済金の受領権限がないという注意喚起を一切していない。それゆえ,損害保険代理店を通じて保険契約の締結及び契約者貸付を受けた者としては,貸付の返済についても損害保険代理店に受領権限があると信じるのは自然なことである。 ④ よって,DはEに契約者貸付の返済金受領権限があると信じており,かつ信じたことに過失はなく,民法478条の要件を満たしているというべきである。 (3) 被告の使用者責任について① 仮に,Eに契約者貸付の返済金受領権限がなく,かつ債権の準占有者に対する弁済としても認められないとすれば,EはDから,契約者貸付の返済名下に,本件送金に係る623万1887円を詐取したか,若しくは着服横領したことになる。Eの上記不法行為により,Dが被った損害は,本件送金額及び弁護士費用40万円の合計663万1887円となる。 ② Eは被告との損害保険代理店契約に基づいて,保険契約の締結・維持・管理,保険料の徴収その他保険契約に関連する権限全般を与えられていたから,契約者貸付をする際に代理をしたり,貸付返済金を受領したり保管したりする行為も,職務に密接に関連する行為か,少なくとも外形的にはその職務の範囲内の行為といえる。それゆえ,Eの上記不法行為は「事業の執行につき」なされたものということができる。 ③ Eは,被告との損害保険代理店契約に基づいて独立して事業を営む会社である 的にはその職務の範囲内の行為といえる。それゆえ,Eの上記不法行為は「事業の執行につき」なされたものということができる。 ③ Eは,被告との損害保険代理店契約に基づいて独立して事業を営む会社であるが,以下の事情からすると,実質的に被告の指揮監督下にあるというべきである。 すなわち,Eは,被告との損害保険代理店契約に基づき,委託業務の遂行に関して,被告が定めた定型の委託契約や諸規定に従わなければならず,保険契約の締結,変更,解除について被告に報告しなければならず,保険料の領収方法,領収書の発行方法,領収した保険料の保管方法につき,被告が定めた方法によらなければならず,業務に関する諸記録を作成・保管し,被告から閲覧・説明を求められた場合,いつでもこれに応じなければならない等,業務の方法,結果その他全般にわたって広範かつ強力な支配を及ぼすことができること,顧客から受領した保険料は被告に帰属し,Eは出来高に応じて被告から手数料を受け取ること,委託業務に関する業務用物品の一部は被告が提供していること,損害保険代理店委託契約36条によれば形式上双方に契約解除権があるとされているものの,損害保険代理店は他の保険会社と委託契約を締結することが原則としてできないため,損害保険代理店からの解除は事業を自主的に廃業しようとする場合以外にはありえず,上記規定の意義は被告側からの広範かつ裁量的な解除権を認めたところにあること,パンフレット等の営業用の文書等は被告が定めた基準によらなければならず,看板についても被告からの貸与物件であること,被告は,その営業活動の大半を外部の独立業者に委託することによって企業の活動領域を拡大して利益をあげており,損害保険代理店の存在を抜きにして,被告の営業は考えられないという実態がある。このような社会的事実と経済的関係があるに を外部の独立業者に委託することによって企業の活動領域を拡大して利益をあげており,損害保険代理店の存在を抜きにして,被告の営業は考えられないという実態がある。このような社会的事実と経済的関係があるにもかかわらず,損害保険代理店が業務又はそれに関連付随する業務を遂行する過程でなした不法行為について,使用関係の不存在を理由に被告を免責するのは不当である。 ④ よって,被告は原告らに対し,民法715条1項に基づく使用者責任として,原告らが相続したDの被った損害について賠償すべき義務がある。 4 被告の主張(1) 損害保険会社の契約者貸付制度において,その希望のある保険契約者に対して,契約者貸付を実行するか否かの判断の権限が損害保険会社に専権的に留保されていることは,契約者貸付制度が一種の与信行為であることからして当然のことであり,その契約者貸付の締結権限が,単なる申出を取り次ぐ窓口に過ぎない損害保険代理店にあるなどということは,組織社会としておよそあり得ない。また,損害保険代理店であるEは損害保険会社である被告が行う契約者貸付の返済金受領権限を有しない。加えて,契約者貸付の貸付期間終了に際しては,被告は保険契約者に対し,文書でもって,返済希望の場合には直接被告の窓口に来店されたい旨通知している。したがって,本件貸付金の返済先がE名義の銀行口座となることはあり得ないのであり,本件送金をもって被告に対する本件貸付金の返済となることはないから,本件貸付債務は消滅していない。 (2) 契約者貸付の締結権限は損害保険会社に専権的に留保されており,その権限が単なる窓口に過ぎない損害保険代理店にないことは,通常人であれば認識・理解が可能なことである。そうであれば,FないしEが契約者貸付を取り次いだからといって,そのことをもって直ちにDがFないしEに契約者 なる窓口に過ぎない損害保険代理店にないことは,通常人であれば認識・理解が可能なことである。そうであれば,FないしEが契約者貸付を取り次いだからといって,そのことをもって直ちにDがFないしEに契約者貸付の返済受領権限があると信じたとは到底考えられないし,仮にこれを信じたとすれば,そのようなこと自体,一般人が通常の注意を払えば容易に気付くことであるから,到底無過失とはいえない。 よって,本件送金が債権の準占有者に対する弁済として有効となることはない。 (3) 本件送金は,EがDから借り受けたものであって,Eによる詐取ないし着服横領ではない。また,Eは被告の被用者ではない。 第3 当裁判所の判断 1 本件貸付は,貸付期間平成11年11月5日から1年間,利率年4.30%,貸付期間満了時の返済額625万8000円の約定である(甲7)ところ,平成12年9月25日付けの本件送金額623万1887円は,本件貸付金600万円及びこれに対する平成11年11月5日から平成12年9月25日までの利率年4.30%の割合による利息23万0432円の合計額623万0432円に近似していることからすると,Dにおいては本件貸付金の期間満了前の中途返済の意図で本件送金をしたものであると推認するのが相当である。 この点に関して,D死亡後の平成14年12月における原告らの問合わせに対するFの回答を録音したものの反訳書である甲20,F作成の被告に対する回答書である乙3には,本件送金は,EがDから借り受けたものであって,本件貸付金の返済ではないかのように理解できる部分がある。しかしながら,DはFないしEに対して本件貸付金をそのまま転貸ししているのであり,その転貸しの約定では,年利5.33%,平成11年11月8日から平成16年11月8日までの5年間に毎年4月末日,10月末日に各 がら,DはFないしEに対して本件貸付金をそのまま転貸ししているのであり,その転貸しの約定では,年利5.33%,平成11年11月8日から平成16年11月8日までの5年間に毎年4月末日,10月末日に各36万円,平成16年11月8日に399万9000円を返済することになっているところ,FないしEは平成12年4月28日に36万円を返済したのみであり(甲1ないし3),本件送金日である平成12年9月25日当時,いまだ前記転貸しにかかる約定返済金がほとんど残っていた時期であることに照らすと,FないしEがDに対して,事前に借入れを申し出たとか,事前にDがこれを了解して,本件貸付の返済用としてではなく,FないしEに対する貸付金として,本件送金をしたとは到底考え難いというべきである。 そうすると,E名義の銀行口座に対する本件送金が本件貸付の返済として認められるかどうかが問題となる。 2 被告とFとの間の昭和61年5月31日付け損害保険代理店委託契約書(乙1),被告とEとの間の平成13年5月25日付け損害保険代理店委託契約書(甲11)には,被告の損害保険代理店に対する委託業務の範囲に関する約定がある(乙1の1条,甲11の第2章4条)が,前記約定をみても,損害保険代理店がいわゆる契約者貸付の締結権限及び貸付金返済の受領権限を有する旨の約定はなく,他にこれを認めるに足りる約定を前記各損害保険代理店委託契約書にみることはできない。なるほど,前記委託業務の範囲に関する約定によると,損害保険代理店は保険契約締結の代理権限や保険料の領収,保管,精算ならびに返還に関する業務権限を有することが認められるけれども,これをもって損害保険代理店がいわゆる契約者貸付の締結権限及び貸付金返済の受領権限を有するということはできない。 したがって,損害保険代理店であるEは本件貸付金 を有することが認められるけれども,これをもって損害保険代理店がいわゆる契約者貸付の締結権限及び貸付金返済の受領権限を有するということはできない。 したがって,損害保険代理店であるEは本件貸付金返済の受領権限を有しないから,本件送金をもって本件貸付の返済があったということはできない。 3 次に,本件送金をもって債権の準占有者に対する弁済(民法478条)として有効であるかどうかについて検討する。 (1) 一般に債権の準占有者とは,取引観念の上からみて真実の債権者であると信じさせるような外観を有する者であるが,債権者の代理人であるとして債権を行使する者も含まれると解されるところ,本件において,Fは被告の損害保険代理店としてDとの間で本件保険契約を締結したものであり,本件貸付においてはDによるいわゆる契約者貸付の申出を取り次いだこと,そして,FないしEは本件送金においてDによる本件貸付金の中途返済の意図を知って,これを受け入れたことが認められる(乙3,弁論の全趣旨)。そうすると,Eは債権者である被告の代理人として本件送金を受けた者であるというべきであるから,債権の準占有者であると認めることができる。 (2) そこで,本件送金について,DはEに弁済受領の代理権限があると信じ,かつそう信じたことに過失がないかどうかについてみる。 Dは本件保険契約の保険料をE名義の銀行口座に振り込んで支払い,これに対しEは保険料領収証を発行している(甲11,13,14,乙1,弁論の全趣旨)ところ,損害保険代理店の代理権の範囲は前記の損害保険代理店委託契約書(甲11,乙1)において定められているが,保険契約者は自ら損害保険代理店の経験を有するといった事情のない限りこれを知ることができないのが通常と考えられる。そして,いわゆる契約者貸付は,保険契約が有効に存続し,保 )において定められているが,保険契約者は自ら損害保険代理店の経験を有するといった事情のない限りこれを知ることができないのが通常と考えられる。そして,いわゆる契約者貸付は,保険契約が有効に存続し,保険期間が満了するまでの間,保険契約者が保険を担保に保険会社の定める貸付金額を限度とし,その範囲内で反復して貸付金を請求することができる制度である(甲12の裏面)から,保険契約と密接な関連を有するものであるということができ,現にDはFないしEを通じて本件貸付を受けているのであり(甲12,乙3,弁論の全趣旨),保険契約者が,保険契約締結の代理権限や保険料領収の代理権限を有する損害保険代理店にはいわゆる契約者貸付締結の代理権限及び貸付金返済の代理受領権限をも有すると理解しても不自然ではない。 以上によると,Dにおいて,本件送金当時,Eに本件貸付金返済の代理受領権限を有すると信じ,かつそのように信じるについて過失はないというべきである。 (3) なるほど,被告のD宛の平成11年11月2日付け「『契約者貸付金』送金のご案内」と題する書面(甲7)には,「貸付期間の途中でご返済を希望される場合には,弊社取扱営業店までお問い合わせ下さい。」との記載があり,「お問い合わせ先」として取扱代理店であるEの電話番号とともに取扱営業店である被告・春日井支社の電話番号が併記されているけれども,このような書面を受け取った保険契約者が,損害保険代理店にはいわゆる契約者貸付金返済の代理受領権限がないと理解することは困難であり,Dにおいても同様であったものと推察される。そうすると,Dが本件送金の際に,被告の営業店である春日井支社に問合わせをしなかったとしても,これをもって過失があると断ずることはできない。 また,前掲乙3には,要旨として「FはDに対し,本件貸付の返済については被 本件送金の際に,被告の営業店である春日井支社に問合わせをしなかったとしても,これをもって過失があると断ずることはできない。 また,前掲乙3には,要旨として「FはDに対し,本件貸付の返済については被告に直接精算するように言ってきた。また,返済時点で一時的に融通してもらいたい旨申し込み,その承諾を得たため,被告の銀行口座ではなくEの銀行口座に振込送金してもらった。」との記載があり,前掲甲20にも,Fは前記と同様の発言をしており,本件送金は本件貸付の返済ではなくDのエージェンシーとなりに対する貸付であるかのように理解できる内容となっている。 しかしながら,一方で,原告Aの陳述書(甲21)によると,DはFに対し,本件送金後の平成14年5月頃に,電話で本件送金に関して「詐欺だぞ。犯罪だぞ。」と言っていたのを聞いたというのであり,また,甲20と同様,D死亡後の平成14年7月及び8月における原告らの問合わせに対するFの回答を録音したものの反訳書である甲18及び19には,「借りてる分を返済する予定で振り込んでいただいた。」,「振り込んでもらった後に,僕が引き落としちゃってるんですよね。報告して,Dさんにもわかったと,そういうことで早く払えと言ってくれておってたんです。」旨回答していることに照らすと,前掲乙3,甲20をもって,本件送金をもってDに本件貸付金の返済の意図がなかったとか,本件送金当時,DがEに本件貸付金返済の代理受領権限を有すると信じたことについて過失があったということもできない。 4 以上の検討によると,本件送金は債権の準占有者に対する弁済として有効であり,本件貸付債権は消滅していると認められるから,本件保険の解約返戻金から本件貸付金を控除することは許されないというべきである。 よって,原告らの被告に対する本件保険契約の解約返戻金請求権 有効であり,本件貸付債権は消滅していると認められるから,本件保険の解約返戻金から本件貸付金を控除することは許されないというべきである。 よって,原告らの被告に対する本件保険契約の解約返戻金請求権に基づく主位的請求(原告Aにつき335万9281円,同Bにつき167万9640円及び同Cにつき167万9640円並びに前記各金員に対する弁済期限後である平成15年1月8日から各支払済みまで商事法定利率年6分の割合による遅延損害金の支払)は理由がある。 5 以上の次第で,原告らの主位的請求は理由があるからこれを認容することとし,主文のとおり判決する。 名古屋地方裁判所民事第8部裁判官黒岩巳敏
▼ クリックして全文を表示