平成13(行ニ)5 訴訟参加申立て事件

裁判年月日・裁判所
平成14年9月26日 最高裁判所第一小法廷 決定 却下 最高裁判所 平成13(行ツ)59
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判決文本文1,843 文字)

主文 本件参加の申立てを却下する。 参加に関する費用は参加申立人の負担とする。 理由 1 本件は,参加申立人が,前文記載の事件について当裁判所に行政事件訴訟法22条1項の規定による参加を申し立てた事案である。 2 記録により認められる事実関係等の概要は,次のとおりである。 (1) 上告兼申立補助参加人C1組合,同C1組合東日本本部及び同C1組合仙台地方本部は,日本国有鉄道の分割・民営化に伴って設立された被上告人兼相手方B鉄道株式会社の職員採用に際し,所属組合員である参加申立人が採用されなかったのは不当労働行為に当たると主張して,宮城県地方労働委員会に対して救済を申し立てたところ,同委員会は,平成2年2月28日,参加申立人につき同被上告人兼相手方設立時(昭和62年4月1日)からの採用取扱い,同被上告人兼相手方に採用されていたならば得たであろう賃金相当額(以下「賃金相当額」という。)と日本国有鉄道清算事業団から実際に支払われた賃金額との差額の支払等を命じる救済命令(以下「初審命令」という。)を発した。なお,参加申立人は自ら救済を申し立てなかった。 (2) 被上告人兼相手方B鉄道株式会社は,上告人兼申立人に対し,初審命令を不服として再審査を申し立てたが,上告人兼申立人は,平成8年3月6日,初審命令を変更して,同被上告人兼相手方に対し,参加申立人につき同被上告人兼相手方設立時からの採用取扱い,同2年4月2日以降の賃金相当額の60%相当額の支払等を命じ,その余の救済申立てを棄却する旨の命令(以下「中労委命令」という。)を発した。 (3) 前文記載の事件は,被上告人兼相手方B鉄道株式会社が中労委命令のうち再- 1 -審査申立てを棄却して救済を命じた部分の取消しを求めて提起した訴え等 (以下「中労委命令」という。)を発した。 (3) 前文記載の事件は,被上告人兼相手方B鉄道株式会社が中労委命令のうち再- 1 -審査申立てを棄却して救済を命じた部分の取消しを求めて提起した訴え等に係る上告事件及び上告受理申立て事件である。 3 本件において,参加申立人は,中労委命令が取り消されると,これによって認められた参加申立人の職場復帰,賃金相当額の60%相当額の受領の権利等が害されるから,行政事件訴訟法22条1項に定める「訴訟の結果により権利を害される第三者」に該当する旨主張する。 4 労働組合法27条に定める労働委員会の救済命令制度は,不当労働行為につき一定の救済利益を有すると認められる労働組合及び労働者に対し,それぞれ独立の救済申立権を保障するものであるから,労働組合のみが労働委員会に救済を申し立てた場合に,その申立てに係る救済命令又は救済申立てを棄却する命令が確定したとしても,当該労働組合に所属する労働者が自ら救済申立てをする権利に何らかの法的影響が及ぶものではない。上記各命令の確定後に労働者が自ら救済申立てをしようとしても,救済申立期間の経過により,これを行うことができなくなっていることもあるが,それは自ら救済申立期間内に申立てをしなかったことの結果にすぎない。そして,労働組合の救済申立てに係る救済命令の内容が労働者個人の雇用関係上の権利にかかわるものである場合には,当該労働者は,使用者が公法上の義務としてこれを履行することにより利益を受けることになり,上記救済命令が判決により取り消されれば,その利益を受けられなくなるのであるが,当該労働者は上記の義務の履行を求める権利を有するものではないし,救済を申し立てなかった当該労働者の救済命令を求める権利が侵害されることもないのであるから,上記利益を受けられなくなることによりそ ,当該労働者は上記の義務の履行を求める権利を有するものではないし,救済を申し立てなかった当該労働者の救済命令を求める権利が侵害されることもないのであるから,上記利益を受けられなくなることによりその者の法律上の利益が害されたということはできない。以上によれば,【要旨】上記労働者は行政事件訴訟法22条1項にいう「訴訟の結果により権利を害される第三者」には当たらないというべきである。 したがって,参加申立人は上記第三者に当たらないから,本件参加の申立ては理- 2 -由がない。 よって,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり決定する。 (裁判長裁判官深澤武久裁判官井嶋一友裁判官藤井正雄裁判官町田顯裁判官横尾和子)- 3 -

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