平成11(行ケ)11 審決取消請求事件

裁判年月日・裁判所
平成11年10月28日 東京高等裁判所
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判決文本文3,507 文字)

平成11年(行ケ)第11号審決取消請求事件平成11年10月14日口頭弁論終結判決原告株式会社白興商会代表者代表取締役 A訴訟代理人弁理士 B同 C同 D同 E被告ワイエイシイ株式会社代表者代表取締役 F訴訟代理人弁理士 G 主文 特許庁が平成10年審判第35228号事件について平成10年12月14日にした審決を取り消す。 訴訟費用は被告の負担とする。 事実及び理由 第1 原告が求めた裁判主文同旨の判決第2 当事者間に争いのない事実 1 特許庁における手続の経緯原告は、発明の名称を「シャツ類を包装するためのハンガーを利用したシャツ類の包装方法と簡易包装装置」とする特許第2516866号の特許発明(平成4年3月9日に出願、平成8年4月30日に特許権設定登録、以下「本件発明」という。)の特許権者である。 被告は、平成10年5月27日に本件発明に係る特許の無効審判を請求し、特許庁は、同請求を平成10年審判第35228号事件として審理した結果、平成10年12月14日に「特許第2516866号発明の明細書の請求項第1項ないし第2項に記載された発明についての特許を無効とする。」との審決(以下「本件審決」という。)をし、その謄本を平成10年12月21日に原告に送達した。 2 本件審決の理由別紙本件審決書の理由の写しのとおり、本件発明に係る明細書(以下「本件明細書」という。)が平成8年審判第17658号事件の審決により別紙審決書の理由の写し「 に原告に送達した。 2 本件審決の理由別紙本件審決書の理由の写しのとおり、本件発明に係る明細書(以下「本件明細書」という。)が平成8年審判第17658号事件の審決により別紙審決書の理由の写し「Ⅰ 事実」「2、訂正の審判の請求」「(1)訂正の要旨」のとおり訂正されたことについて、①同「(1)訂正の要旨」(3)に係る特許請求の範囲の訂正は、当初訂正前の請求項1のハンガー(以下「訂正前ハンガー」という。)の「ガイド部」の構成である「シャツ類の側方を折り曲げるに足りる誘導高さをもつ細長形状」及び「細長形状のガイド部同志を、ガイド部の長さよりも長い補強部材で互いに一体的に連結した」という構成要件を削除するものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張したものである、②同「(1)訂正の要旨」(4)に係る特許請求の範囲の訂正は、訂正前ハンガーに好適に適合して使用される当初訂正前の請求項3の装置を、「ガイド部のシャツ類の側方を折り曲げるに足りる誘導高さについて何ら規定せず、ガイド部の長さよりも長い補強部材の構成を欠如したハンガー」に好適に適合して使用される包装装置に変更するものであるが、それは、願書に最初に添付した明細書又は図面(以下「原明細書等」という。)に記載した事項の範囲内においてしたものとすることはできず、また、実質上特許請求の範囲を変更したものであるから、特許請求の範囲請求項1、2に係る発明についての特許は、特許法123条1項8号の規定により無効とすべきものであると認定判断した。 3 訂正審決による特許請求の範囲の訂正(1) 本件発明の特許請求の範囲の請求項1、2の記載は、本件審決当時、次のとおりであった。 【請求項1】左右に水平に延設された肩部の中央に襟元保形部を介して懸吊部を形成したハンガーの懸吊部を、離脱自在にフックに懸吊するとともに、 の請求項1、2の記載は、本件審決当時、次のとおりであった。 【請求項1】左右に水平に延設された肩部の中央に襟元保形部を介して懸吊部を形成したハンガーの懸吊部を、離脱自在にフックに懸吊するとともに、このハンガーにシャツ類を着せ、その襟元をボタン等を利用して止めてから、この懸吊したシャツ類の袖部分と胴部分の側方を、前記ハンガーの左右両端のガイド部に沿って裏側に折り畳み、その折り畳み状態をストッパーで保持しながら、フックの上方に配置した、前記ハンガーの横幅よりもわずかに長い横幅をもつ筒状の包装袋を抜き取り、折り畳まれたシャツ類全体を上から被覆するとともに、前記ハンガーの懸吊部をこの包装袋の孔から突出させ、さらに、この懸吊部をフックより取り外してなるシャツ類の包装方法。 【請求項2】左右に水平に延設された肩部の中央に襟元保形部を介して懸吊部を形成したハンガーの懸吊部を、離脱自在に懸吊するフックの上方に、ハンガーの懸吊部が突出自在となる孔をもち、かつ、前記ハンガーの横幅よりもわずかに長い横幅をもつ筒状の包装袋を抜き取り自在に配置し、さらに、フックにより懸吊されたシャツ類の袖部分と胴部分の側方を、前記ハンガーの左右両端のガイド部に沿って裏側に折り畳んだ状態に保持でき、かつ、包装されたシャツ類を簡単に取り出すことができるストッパーを設けてなるシャツ類の簡易包装装置。 (2) 原告は、本件審決後に本件発明に係る明細書の訂正をすることについて審判を請求し、特許庁は、これを平成11年審判第39007号事件として審理した結果、平成11年4月6日に上記訂正を認める旨の審決(以下「本件訂正審決」という。)をし、本件訂正審決は確定した。 (3) 本件訂正審決による訂正後の特許請求の範囲請求項1、2の記載は、次のとおりである(下線部が訂正により追加ないし変更された箇 審決(以下「本件訂正審決」という。)をし、本件訂正審決は確定した。 (3) 本件訂正審決による訂正後の特許請求の範囲請求項1、2の記載は、次のとおりである(下線部が訂正により追加ないし変更された箇所である。)。 【請求項1】左右に水平に延設された肩部の中央に襟元保形部を介して懸吊部を形成し、左右に水平に延設された肩部の中央に襟元保形部を介して懸吊部を形成し、肩部の左右両端にはシャツ類の側方を折り曲げるに足りる誘導高さをもつ細長形状のガイド部を垂設するとともに、この細長形状のガイド部同志を、ガイド部の長さよりも長い補強部材で互いに一体的に連結してなるハンガーの懸吊部を、離脱自在にフックに懸吊するとともに、このハンガーにシャツ類を着せ、その襟元をボタン等を利用して止めてから、この懸吊したシャツ類の袖部分と胴部分の側方を、前記ハンガーの左右両端のガイド部に沿って裏側に折り畳み、その折り畳み状態をストッパーで保持しながら、フックの上方に配置した、前記ハンガーの横幅よりもわずかに長い横幅をもつ筒状の包装袋を抜き取り、折り畳まれたシャツ類全体を上から被覆するとともに、前記ハンガーの懸吊部をこの包装袋の孔から突出させ、さらに、この懸吊部をフックより取り外してなるシャツ類の包装方法。 【請求項2】左右に水平に延設された肩部の中央に襟元保形部を介して懸吊部を形成し、左右に水平に延設された肩部の中央に襟元保形部を介して懸吊部を形成し、肩部の左右両端にはシャツ類の側方を折り曲げるに足りる誘導高さをもつ細長形状のガイド部を垂設するとともに、この細長形状のガイド部同志を、ガイド部の長さよりも長い補強部材で互いに一体的に連結してなるハンガーの懸吊部を、離脱自在に懸吊するフックの上方に、ハンガーの懸吊部が突出自在となる孔をもち、かつ、前記ハンガーの横幅よりもわずかに ガイド部の長さよりも長い補強部材で互いに一体的に連結してなるハンガーの懸吊部を、離脱自在に懸吊するフックの上方に、ハンガーの懸吊部が突出自在となる孔をもち、かつ、前記ハンガーの横幅よりもわずかに長い横幅をもつ筒状の包装袋を抜き取り自在に配置し、さらに、フックにより懸吊されたシャツ類の袖部分と胴部分の側方を、前記ハンガーの左右両端のガイド部に沿って裏側に折り畳んだ状態に保持でき、かつ、包装されたシャツ類を簡単に取り出すことができるストッパーを設けてなるシャツ類の簡易包装装置。 第3 当裁判所の判断 1 以上の事実によれば、本件審決は、本件発明の特許請求の範囲請求項1、2について、結果的に誤った特許請求の範囲に基づき、特許請求の範囲についてされた訂正が特許請求の範囲を拡張し、また、原明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものではなく、特許請求の範囲を変更したと判断したものというべきであって、その誤りが審決の結論に影響を及ぼすことは明らかである。 2 よって、本訴請求を認容することとし、訴訟費用の負担について行政事件訴訟法7条、民事訴訟法61条を適用して、主文のとおり判決する。 東京高等裁判所第6民事部裁判長裁判官山下和明裁判官春日民雄裁判官山田知司

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