主文 原略式命令を破棄する。 本件公訴を棄却する。 理由 記録によれば,名古屋簡易裁判所は,平成14年3月20日,「被告人は,平成13年6月18日午前0時48分ころ,愛知県海部郡ab番地のc付近道路において,法令に定められた乗車定員(1名)を2名超えて乗車させて,原動機付自転車を運転した」との事実を認定した上,道路交通法120条1項10号の2,57条1項,同法施行令23条1号,少年法54条等の関係法条を適用して,「被告人を罰金5000円に処する。第1項の罰金を仮に納付することを命ずる。」旨の略式命令を発し,この略式命令は,同年4月10日確定したことが認められる。 しかしながら,本件違反行為は,罰金以下の刑に当たる罪であるから,少年法20条1項により検察官に送致することができない事案であったのに,名古屋家庭裁判所一宮支部は,本件を刑事処分相当として名古屋地方検察庁一宮支部検察官に送致し,同支部検察官から犬山区検察庁検察官を経て移送を受けた名古屋区検察庁検察官は,当時少年であった被告人に対し,本件について公訴を提起して略式命令を請求したことが認められる。 そうすると,本件公訴事実については刑事処分として公訴を提起することが許されないものであるから,公訴提起を受けた名古屋簡易裁判所としては,刑訴法463条1項により事件を通常の手続に移して審判した上,同法338条4号により公訴棄却の判決をすべきであった。しかるに,同裁判所は,上記公訴事実について有罪を認定して略式命令を発付したものであって,同略式命令は,法令に違反し,かつ,被告人のために不利益である。 よって,本件非常上告は理由があるから,刑訴法458条1号ただし書により同- 1 -略式命令を破棄し,同法338条4号により本件 ,同略式命令は,法令に違反し,かつ,被告人のために不利益である。 よって,本件非常上告は理由があるから,刑訴法458条1号ただし書により同- 1 -略式命令を破棄し,同法338条4号により本件公訴を棄却することとし,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。 検察官遠藤太嘉男公判出席(裁判長裁判官亀山継夫裁判官福田博裁判官北川弘治裁判官梶谷玄裁判官滝井繁男)- 2 -
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