H14.10.11東京地方裁判所平成14年(行ウ)170号損害賠償事件 主文 原告らの請求をいずれも棄却する。 訴訟費用は原告らの負担とする。 事実及び理由 第1 請求 1 被告Aは,東京都文京区に対し,5044万8036円及びこれに対する平成12年8月12日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 2 被告B及びCは,各自,東京都文京区に対し,5044万8036円及びこれに対する平成12年8月11日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 3 被告社会福祉法人Dは,東京都文京区に対し,3221万4642円及びこれに対する平成12年8月11日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 第2 事案の概要本件は,東京都文京区の住民である原告らが,① 被告C及びその代表者会長である被告Bが,文京区の公有財産であるE会館を不法に利用,占拠したとして,地方自治法242条の2第1項4号に基づき,文京区に代位して,被告B及び被告Cに対し,主位的に不法行為に基づく損害賠償金の支払を,予備的に不当利得金の返還を求め,② 被告社会福祉法人Dが,E会館の管理及び維持に関する善良な管理者としての注意義務(以下「善管注意義務」という。)に違反したとして,同法242条の2第1項4号に基づき,文京区に代位して,同被告に対し,債務不履行に基づく損害賠償金の支払を求め,③ 被告B及び被告Cが上記の不法利用,占拠をしていた当時,文京区長を務めていた被告Aが,E会館の管理を怠り,又は被告B,被告C及び被告社会福祉法人Dに対する損害賠償請求権等の行使を怠ったとして,同法242条の2第1項4号に基づき,文京区に代位して,被告Aに対し,損害賠償金の支払を求め,また,被告B及び被告CによるE会館の不法利用 会福祉法人Dに対する損害賠償請求権等の行使を怠ったとして,同法242条の2第1項4号に基づき,文京区に代位して,被告Aに対し,損害賠償金の支払を求め,また,被告B及び被告CによるE会館の不法利用,占拠が,被告Aとの共同不法行為であるとして,同法242条の2第1項4号に基づき,文京区に代位して,同被告に対し,損害賠償金の支払を求めた事案である。 1 前提となる事実(各項末尾掲記の証拠等により認められる。)(1) 当事者ア原告らは,いずれも文京区の住民である。 (当事者間に争いがない。)イ被告Cは,文京区在住の心身障害者の生活訓練等を通して,心身障害者の社会参加の促進及びその自立の助長を図り,もって心身障害者の福祉の向上を図ることを目的として,昭和52年に発足した法人格なき社団であり,知的障害者及び知的障害児(以下「知的障害者等」という。)の保護者により構成されている。 (弁論の全趣旨。ただし,原告ら及び被告Cの間では争いがない。)ウ被告Bは,被告Cの代表者会長であり,平成11年3月に被告社会福祉法人Dを懲戒免職されるまでの間,被告Dの理事を務めていたほか,Iの会長を務めていた者である。 (弁論の全趣旨。ただし,原告ら及び被告Bの間では争いがない。)エ被告Dは,心身障害者及び心身障害児(以下「心身障害者等」という。)が,その保護者の死亡後も文京区で生活を続けることができるよう,心身障害者等に対する自立訓練のための保護,援護等を目的として,平成3年3月29日に設立された社会福祉法人であり,法定事業として,知的障害者通所更生施設である「F」を運営し,法定外事業として,E会館における短期保護事業及び生活訓練保護事業(以下「本件保護事業」という。)を実施している。 (全論の全趣旨。ただし,原告ら及び被告Dの間では争いがない。)オ被告 を運営し,法定外事業として,E会館における短期保護事業及び生活訓練保護事業(以下「本件保護事業」という。)を実施している。 (全論の全趣旨。ただし,原告ら及び被告Dの間では争いがない。)オ被告Aは,平成3年7月1日から平成11年4月26日までの間,文京区長の職にあった者である。 (弁論の全趣旨。ただし,原告らと被告Aとの間では争いがない。)(2) E会館についてア E会館(文京区fg丁目h番i号所在)は,文京区が,文京区立福祉会館条例(昭和39年東京都文京区条例第19号。以下「本件条例」という。)により,区民の福祉の増進を図るとともに,心身障害者等の自立更生を援助することを目的として設立した行政財産であり,別紙平面図記載のとおり,地上3階,地下1階建ての建物である。 (当事者間に争いがない。)イ E会館の1階部分には,集会室及び保護室があり,集会室は,文京区在住者の利用に供されている。 また,E会館の2階には,訓練室があり,3階部分には,訓練室及び和室がある。 さらに,E会館の地下1階部分には,倉庫があるが,この倉庫は,本来,E会館の備品等の保管を目的として設置されている。 (甲10,丙9,証人G,被告B本人及び弁論の全趣旨)ウ文京区は,被告Cに対し,昭和60年度から平成11年度までの間,E会館1階の集会室の貸出受付を含む管理受付業務を委託していた。 (弁論の全趣旨。ただし,原告らと被告B及び被告Cの間には争いがない。)また,文京区は,被告Dに対し,平成3年7月1日から,E会館の2階及び3階部分並びに1階保護室を利用して,文京区在住の心身障害者等に対し,本件保護事業を実施することを委託している。 なお,上記心身障害者等は,昼間は被告Dが運営する知的障害者通所更生施設である「F」に通所し,夕方帰所するという生活を送っている。 の心身障害者等に対し,本件保護事業を実施することを委託している。 なお,上記心身障害者等は,昼間は被告Dが運営する知的障害者通所更生施設である「F」に通所し,夕方帰所するという生活を送っている。 (丁1,被告B本人。ただし,被告D以外の当事者間には争いがない。)(3) 監査請求について原告らは,平成12年3月28日,東京都文京区監査委員(以下「監査委員」という。)に対し,被告Cが,E会館の管理受付業務を委託されていた昭和60年から平成11年3月までの間,E会館1階の集会室を,被告Cのための施設のごとく使用し,被告Bが,E会館2階に家財道具を持ち込んで宿泊し,自己の住居として使用して,E会館を不法占拠しており,また,被告Dが,E会館の目的外使用許可に違反し,さらに,当時文京区長としてE会館の管理責任者の地位にあった被告Aが,上記の各事実を知りながら,文京区の財産の管理を怠り,区民に損害を与えたとして,被告らに対して2046万円の損害賠償請求を行うことを文京区長に勧告することを求めて,監査請求を行った(以下「本件監査請求」という。)。 これに対し,監査委員は,平成12年5月26日,原告らの上記請求は理由がない旨判断し,上記監査結果についての通知は,同月29日,原告らに到達した。 (監査結果通知の到達日につき弁論の全趣旨,その余につき甲5) 2 当事者双方の主張(原告らの主張)(1) 被告BによるE会館の不法占拠等ア被告Cの代表者である被告Bは,心身障害児等に対する体罰問題及び文京区からの受託事業費の不正受給問題により,平成11年3月に被告Dを懲戒免職されるまでの間,Iの会長等を務めるなど,文京区の障害者福祉の実力者であり,被告Aの有力支援者でもあった。被告Bは,被告Dにおいては,理事長ではなかったものの,事実上の最高意思決定権者と を懲戒免職されるまでの間,Iの会長等を務めるなど,文京区の障害者福祉の実力者であり,被告Aの有力支援者でもあった。被告Bは,被告Dにおいては,理事長ではなかったものの,事実上の最高意思決定権者というべき存在であった。 イそして,被告Bは,当時文京区長であった被告Aを後ろ盾として,次のとおり,行政財産であるE会館を私物化し,家財道具その他の私物を持ち込んで寝泊まりするなどして,生活の本拠として自宅代わりに利用,占拠した。 aE会館1階について(a) 1階の保護室は,被告B以外の人が立ち入ることが禁止され,同室内には,被告Bの私物が山ほど置かれていた。 (b) 1階の集会室には,被告Bが毎晩就寝しており,集会室の流し台には,同被告の歯磨き具が置かれていた。 (c) 1階の玄関外の駐車場は,実質的に被告Bの専用駐車場となっていた。 (d) 1階玄関については,被告Cが文京区から受付業務を受託していたにもかかわらず,同被告の代表者である被告Bは,上記集会室の利用者のない平日には,委託の趣旨に反して,受付業務をさせずに玄関を施錠させていた。 また,玄関には,被告Bが着物を着る際の草履や,同被告の履き物が置かれていた。 bE会館2階について2階の脱衣所に置かれていた棚の上段は,被告Bの肌着等を入れるスペースとなっていた。 cE会館3階について(a) 3階の倉庫隣の狭い方の和室には,被告Bが持ち込んだ桐の和タンスが置かれ,同被告は,着物を収納するためにこれを利用していた。また,この和室に入る手前の床の部分には,被告Bが持ち込んだ姿見が置かれていた。 (b) 3階の訓練室の入口付近には,折畳式のテーブル2台が置かれ,被告Bの事務机として利用されており,その脇には,同被告の私物,書類等が置かれていた。訓練室の大きい方の押入れの下の段にも,被告B (b) 3階の訓練室の入口付近には,折畳式のテーブル2台が置かれ,被告Bの事務机として利用されており,その脇には,同被告の私物,書類等が置かれていた。訓練室の大きい方の押入れの下の段にも,被告Bの私物が入っていた。 また,訓練室の入り口付近の電話機も,被告Bが個人的に使用している状況であった。 さらに,訓練室の大きい方の押入れの隣の板の間に置かれていた金庫には,被告Bが会議等に出席した際の日当等が保管されていた。 加えて,訓練室は,被告Bの個人的な接客のために頻繁に利用され,同被告は,接客に当たり,E会館の生活指導員を使用人のように使用していた。 (c) 3階の屋内階段昇降口付近のスペースに置かれていた木製の棚は,被告Bが自分の髪をパーマ,セットするための道具が置かれていた。 dE会館地下1階について地下1階の小さい方の倉庫には,被告Bが漬けていた梅酒が置かれていた。 ウa 被告Bは,E会館園長(被告Dにおける本件保護事業の責任者)でありながら,E会館の生活指導員としての仕事に従事することもなく,また,生活指導員としてE会館に泊まり込む必要がなかったにもかかわらず,生活指導員としての職務に仮託して,園長としての地位,権限を濫用する形で,上記イのとおり,E会館を私物化した上,自宅代わりに利用,占拠していたものである。 したがって,被告BによるE会館の利用,占拠について,職務上の必要性が認められないことは明らかであり,同被告は,E会館を正当な権原なく利用,占拠していたというべきである。 b これに対し,被告らは,被告Bが職務上E会館に宿泊する必要があり,そのために必要不可欠な範囲でE会館を利用していたとして,同被告によるE会館の利用につき,違法性がない旨主張するが,同被告には,職務上E会館に毎日宿泊する必要性はなく,仮に宿泊の必要性 必要があり,そのために必要不可欠な範囲でE会館を利用していたとして,同被告によるE会館の利用につき,違法性がない旨主張するが,同被告には,職務上E会館に毎日宿泊する必要性はなく,仮に宿泊の必要性があったとしても,同被告によるE会館の利用,占拠は,前記イのとおりであり,そのような必要性の限度を著しく超えたものであるから,被告らの上記主張は,失当といわざるを得ない。 エa 以上のとおり,被告Bは,正当な権原がないにもかかわらず,文京区の行政財産であるE会館を自宅代わりに利用していたのであるから,同被告は,同区の所有権を侵害し,同区に損害及び損失を与えたことが明らかである。 b これに対し,被告らは,被告BのE会館の利用により,文京区に損害又は損失が発生しない旨主張するが,E会館は,東京都文京区行政財産使用料条例の規律に服し,その使用に当たっては,原則として使用料を徴収すべきこととされている以上,E会館を使用することにより料金を徴収することが通常考えられないという理由で,損害が発生しなかったということはできない。 また,被告らは,E会館における他の利用を阻害していないことを,損害及び損失が発生しないことの根拠として主張するが,不法占拠における所有権侵害による損害及び損失の有無を検討するに当たり,他の利用を阻害したか否かを斟酌する必要はないし,仮に斟酌するとしても,被告BによるE会館の利用が,E会館における他の利用を阻害していたことは明らかである。 したがって,被告BのE会館の利用により,文京区に損害又は損失が発生しない旨の被告らの主張は,失当である。 オ以上のとおりであるから,文京区は,被告Bに対し,不法行為に基づく損害賠償請求権(又は不当利得返還請求権)に基づき,E会館全体についての使用料相当損害金の賠償(又は返還)を求めることができる 。 オ以上のとおりであるから,文京区は,被告Bに対し,不法行為に基づく損害賠償請求権(又は不当利得返還請求権)に基づき,E会館全体についての使用料相当損害金の賠償(又は返還)を求めることができる。 (2) 被告CによるE会館の不法占拠等ア被告Cは,次のとおり,E会館を同被告の施設であるかのように利用,占拠した。 aE会館1階について(a) 1階の集会室では,被告Cが,集会室の利用時間外の時間に,目的外使用許可を取得することなく同被告の総会を開いたり,会員のカラオケの練習のために使用していた。 また,集会室の玄関側の板の間には,被告Cの備品である鍋,釜等が置かれていた。 (b) 1階の身障者用トイレには,被告Cの会員がカラオケの練習をする際に利用していたカラオケセットが置かれ,トイレとしては利用されなかった。 (c) 1階玄関については,被告Cが文京区から受付業務を受託していたにもかかわらず,同被告の代表者である被告Bは,上記集会室の利用者のない平日には,委託の趣旨に反して,受付業務をさせずに玄関を施錠させていた。 bE会館2階について(a) 2階の狭い方の訓練室においては,被告Cの会員が,平日には毎日,午前8時30分ころから午後3時30分ころまで,H病院から受け取ったガーゼを干して折り畳む内職作業をしていた。 また,被告Cは,E会館の受付業務を受託していたことから,電話取次業務も,受付業務の一環として,1階事務室の電話機で行うべきところ,実際には,訓練室内の木製の勉強机の上にあった電話機で行っていた。 (b) 2階の広い方の訓練室には,被告Cの所有物と思われるテレビや移動カラオケが置かれていた。 cE会館3階についてE会館において,前記b(a)の内職作業に従事していた被告Cの会員は,昼食の準備を3階台所で行い,E会館で は,被告Cの所有物と思われるテレビや移動カラオケが置かれていた。 cE会館3階についてE会館において,前記b(a)の内職作業に従事していた被告Cの会員は,昼食の準備を3階台所で行い,E会館で昼食をしていた。 dE会館地下1階について(a) 地下1階の広い方の倉庫には,被告Cが,古着などのバザーのための商品を保管しており,これらは段ボールやビニール袋に入れられて,天井に届きかねないほどの高さで山積みにされ,上記倉庫にはほとんど空きスペースがない状況であった。これらのバザー商品は,年2,3回程度開かれるバザーの際に出品されていたものの,バザーの前後で保管状況に大きな変化はなく,年中相当量のバザー商品で上記倉庫は一杯の状態であった。 (b) また,地下室と1階の間の階段の踊り場には,被告C又は被告Dの物と思われる,被告Bが購入した約200キログラムの米が置かれていた。 e そして,被告Cは,E会館を活動の拠点としており,E会館を同被告の所在地として指定していたが,その目的外活動について,目的外使用許可を一切取得しておらず,電話にしても,独自の電話番号を有することなく,E会館の電話番号を許可なく利用していた。 また,被告Cは,従来より,E会館の訓練室等を,会合の場として使用していた。 イa 以上のとおり,被告Cは,同被告の会長である被告BがE会館園長であったことを奇貨として,文京区の許可を得ることなく,行政財産であるE会館全体を,被告Cの施設のように利用,占拠していたものであり,被告B及び被告Cは,E会館全体を私物化していたというべきである。 b これに対し,被告らは,被告CがE会館における他の利用を阻害していなかったこと,E会館における前記のガーゼの内職作業が親なき後の知的障害者施設建設基金積立てを目的とするものであって,営利目的でな b これに対し,被告らは,被告CがE会館における他の利用を阻害していなかったこと,E会館における前記のガーゼの内職作業が親なき後の知的障害者施設建設基金積立てを目的とするものであって,営利目的でなかったことから,同被告によるE会館の利用が違法でない旨主張する。 しかし,被告Cは,E会館を前記のとおり利用,占拠するに当たり,目的外使用許可を取得していなかったのであるから,その利用,占拠が違法であることは明らかであり,他の利用を阻害しなければ目的外許可を取得しなくても違法でないとすれば,行政財産の利用について使用許可を要求する地方自治法238条の4第4項の趣旨が没却されることは明らかである。加えて,被告CによるE会館の利用,占拠が,他の利用を阻害するものであったことも明らかである。 また,前記のガーゼの内職作業が,知的障害者施設建設基金の積立てを目的としていたとしても,行政財産であるE会館を無断で利用してはならないことは明らかであるし,そもそも,知的障害者施設建設基金の存在自体,疑わしいことにも照らせば,上記内職作業は,営利目的によるものというべきである。 したがって,被告らの上記各主張は,いずれも失当である。 ウa 被告Cは,以上のとおり,正当な権原がないにもかかわらず,文京区の行政財産であるE会館を同被告の施設代わりに利用していたのであって,同被告の会長である被告B個人によるE会館の利用,占拠とあいまって,E会館全体が両被告の意のままに私物化されていたことは明らかである。 したがって,被告Cが,文京区の所有権を侵害し,同区に損害及び損失を与えたことが明らかである。 b これに対し,被告らは,被告CによるE会館の利用により,文京区に損害又は損失が発生しない旨主張する。 しかし,不法占拠における所有権侵害による損害及び損失の有無を検討す たことが明らかである。 b これに対し,被告らは,被告CによるE会館の利用により,文京区に損害又は損失が発生しない旨主張する。 しかし,不法占拠における所有権侵害による損害及び損失の有無を検討するに当たり,他の利用を阻害したか否かを斟酌する必要はないし,仮に斟酌するとしても,被告CによるE会館の利用が,E会館全体における他の利用を阻害したことは明らかであるから,被告らの上記主張は理由がない。 エ以上のとおりであるから,文京区は,被告Cに対し,不法行為に基づく損害賠償請求権(又は不当利得返還請求権)に基づき,平成3年7月1日から平成11年3月31日までの間のE会館全体についての使用料相当損害金の賠償(又は返還)を求めることができる。 (3) 被告B及び被告Cに対する不法行為に基づく損害賠償請求権及び不当利得返還請求権ア被告B及び被告Cは,前記のとおり,共にE会館全体を不法に利用,占拠し,意のままに私物化していたものであるから,文京区は,被告B及び被告Cに対し,共同不法行為による損害賠償請求権に基づき,E会館全体についての使用料に相当する損害金の賠償を求め,また,不当利得返還請求権に基づき,上記使用料相当額の不当利得の返還を求めることができる。 イそして,被告Cは,平成3年7月1日から平成11年3月31日までの間,E会館を活動の拠点とし,また,ガーゼの内職を行っており,上記の期間において,E会館を前記(2)アのとおり不法に利用,占拠していたことが明らかである。 また,被告Bは,少なくとも平成3年7月1日から平成10年9月1日までの期間,E会館に毎日泊まり込んでいたことに照らせば,少なくとも上記の期間において,同被告がE会館を前記のとおり自宅代わりに利用,占拠している状態が継続していたことは明らかであり,仮に同被告が平成11年3月3 館に毎日泊まり込んでいたことに照らせば,少なくとも上記の期間において,同被告がE会館を前記のとおり自宅代わりに利用,占拠している状態が継続していたことは明らかであり,仮に同被告が平成11年3月31日以前にE会館から退去していたとしても,その後の被告CによるE会館の不法利用,占拠が,同被告の代表者である被告Bが被告Dにおける最高実力者であったこと等に乗じて行われたものであり,被告Bの存在を抜きに考えられないことに照らせば,同被告は,同被告の退去後における被告Cの不法利用,占拠についても,共同不法行為者として責任を負うべきである。 ウ以上によれば,文京区は,被告B及び被告Cに対し,平成3年7月1日から平成11年3月31日までの間におけるE会館全体についての使用料に相当する損害賠償債務の支払又は不当利得の返還を請求することができるところ,その金額は,別紙使用料相当損害金計算書記載のとおり,合計5044万8036円となる。 (4) 被告B及び被告Cに対する請求ア主位的請求(不法行為に基づく損害賠償請求)被告B及び被告Cは,前記のとおり,平成3年7月1日から平成11年3月31日までの間,共同して,E会館全体を不法に利用,占拠したことにより,文京区に対し,合計5044万8036円相当の損害を与えたものである。 よって,原告らは,地方自治法242条の2第1項4号後段に基づき,文京区に代位して,被告B及び被告Cに対し,損害賠償金5044万8036円及びこれに対する両被告への訴状送達の日の翌日である平成12年8月11日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める。 イ予備的請求(不当利得返還請求)被告B及び被告Cは,前記のとおり,平成3年7月1日から平成11年3月31日までの間,法律上の権原なく,E会館全体を不法に利 割合による遅延損害金の支払を求める。 イ予備的請求(不当利得返還請求)被告B及び被告Cは,前記のとおり,平成3年7月1日から平成11年3月31日までの間,法律上の権原なく,E会館全体を不法に利用,占拠したことにより,上記期間におけるE会館の使用料合計5044万8036円に相当する利得を受け,文京区は,同額に相当する損失を被ったものである。 よって,原告らは,地方自治法242条の2第1項4号後段に基づき,文京区に代位して,被告B及び被告Cに対し,不当利得返還請求権に基づき,各自5044万8036円及びこれに対する両被告への訴状送達の日の翌日である平成12年8月11日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める。 (5) 被告Dの責任に対する請求ア被告Dは,文京区との間で,本件保護事業を実施することを内容とする業務委託契約を締結して,平成3年7月1日から,E会館の2階及び3階部分並びに1階保護室を利用して,上記契約に基づく事業を行っていたものであるから,文京区に対し,準委任契約である上記契約に基づき,E会館の2階及び3階部分並びに1階保護室の管理及び維持に関する善管注意義務を負っていた。 イしかるに,被告Dは,被告B及び被告Cが,前記のとおり,上記委託業務の開始の日である平成3年7月1日から平成11年3月31日に至るまでの間,E会館の2階及び3階部分並びに1階保護室を不法占拠し,被告Dが実施する本件保護事業等にも支障が生じていたにもかかわらず,何らの是正措置を講じることなく上記不法占拠を放置したものであるから,被告Dが,E会館の2階及び3階部分並びに1階保護室の管理及び維持に関する善管注意義務に違反したことは明白である。 ウそして,被告Dは,上記善管注意義務違反により,文京区に対し,上記期間におけるE会館2 が,E会館の2階及び3階部分並びに1階保護室の管理及び維持に関する善管注意義務に違反したことは明白である。 ウそして,被告Dは,上記善管注意義務違反により,文京区に対し,上記期間におけるE会館2階及び3階部分並びに1階保護室の使用料相当額の損害を与えたのであるから,同区に対し,債務不履行に基づき,上記損害を賠償すべき義務を負うところ,その金額は,別紙使用料相当損害金計算書記載のとおり,合計3221万4642円となる。 エよって,原告らは,地方自治法242条の2第1項4号後段に基づき,文京区に代位して,被告Dに対し,債務不履行による損害金3221万4642円及びこれに対する訴状送達の日の翌日である平成12年8月11日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める。 (6) 被告Aに対する請求ア被告Bと文京区及び被告Aの関係についてa 文京区障害者福祉課の職員は,E会館において,被告Bから,しばしば酒食のもてなしを受けたり,E会館に宿泊したりしていた。 また,被告Cの総会には,毎年文京区の福祉部長,課長等の職員が,来賓として出席していた。 b さらに,被告Bは,当時文京区長であった被告Aと強く癒着しており,その癒着ぶりは,区役所内で知らない者はないほどであった。被告Bは,被告Aの選挙運動の支援団体の有力支援者であり,Iの会長を務めていたことなどから,文京区の障害者福祉関係者を中心に顔が広く利いていたため,選挙の際の集票力には多大なものがあった。他方で,区役所の地下3階に2台分だけ存在した公用民間人向けの無料駐車スペースが,被告Bと被告DのJ理事長の専用とされるなど,被告Bは同区から便宜を受けていた。 このような被告Bと文京区及び被告Aの関係に照らせば,被告Aは,被告B及び被告CによるE会館の不法占拠の実態を知 が,被告Bと被告DのJ理事長の専用とされるなど,被告Bは同区から便宜を受けていた。 このような被告Bと文京区及び被告Aの関係に照らせば,被告Aは,被告B及び被告CによるE会館の不法占拠の実態を知っていたはずであり,少なくとも知り得る機会があったことは疑いがない。 イ被告Aの責任原因及び同被告に対する請求についてaE会館の管理を怠ったことによる地方自治法242条の2第1項4号前段に基づく請求文京区長は,地方自治法283条,149条6号及び238条の2により,同区の行政財産であるE会館の管理権限を有し,その義務を負うものである。もっとも,Lに関する不法占拠への対応などの保管業務については,東京都文京区公有財産管理規則4条,41条6号及び2条1号,東京都文京区会計事務規則2条1号及び2号,東京都文京区役所組織規則7条に基づき,福祉部長に分掌されており,文京区長は,地方自治法154条に基づき,E会館の保管業務を分掌された福祉部長を指揮監督すべき権限を有し,その義務を負うものである。 しかるところ,被告Aは,文京区長に在任していた平成3年7月1日から平成11年3月31日までの期間において,E会館の保管業務を分掌された福祉部長を指揮監督すべき義務を有していたにもかかわらず,被告Bが自己の有力支援者であったこと等から,被告B及び被告CによるE会館の不法利用,占拠を放置し続け,文京区の財産の管理を怠ることにより,同区に対し,上記期間におけるE会館の使用料相当額合計5044万8036円の損害を与えた。 よって,原告らは,地方自治法242条の2第1項4号前段に基づき,文京区に代位して,被告Aに対し,5044万8036円及びこれに対する訴状送達の日の翌日である平成12年8月12日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求め 号前段に基づき,文京区に代位して,被告Aに対し,5044万8036円及びこれに対する訴状送達の日の翌日である平成12年8月12日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める。 b 債権の管理を怠ったことによる地方自治法242条の2第1項4号前段に基づく請求文京区長は,地方自治法283条,240条2項及び同法施行令171条1項により,文京区の債権について履行の督促を行う法律上の権限を有し,かつ,その義務を負うものである。 しかるところ,被告Aは,文京区長であったにもかかわらず,被告Bが自己の有力支援者であったこと等から,文京区が同被告及び被告Cに対して取得していた前記(4)の損害賠償請求権及び不当利得返還請求権を行使せずに放置し続け,同区長としての財産の管理を怠り,同区に対し,E会館の使用料相当額合計5044万8036円の損害を与えた。 また,被告Aは,文京区が被告Dに対して取得していた前記(5)の損害賠償請求権を行使せずに放置し続け,文京区長としての財産の管理を怠り,同区に対し,E会館のうち被告Dが管理すべき部分の使用料相当額合計3221万4642円の損害を与えた。 よって,原告らは,地方自治法242条の2第1項4号前段に基づき,文京区に代位して,被告Aに対し,5044万8036円及びこれに対する訴状送達の日の翌日である平成12年8月12日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める。 c 地方自治法242条の2第1項4号後段に基づく請求被告Aは,平成3年7月1日から平成11年3月31日までの期間において,文京区長であったにもかかわらず,被告Bが自己の有力な支援者であったこと等から,同被告と意を通じ,同被告及び同被告が代表者を務める被告Cの便宜を図る目的で,同区長としての権限を までの期間において,文京区長であったにもかかわらず,被告Bが自己の有力な支援者であったこと等から,同被告と意を通じ,同被告及び同被告が代表者を務める被告Cの便宜を図る目的で,同区長としての権限を行使することなく,被告B及び被告CによるE会館の不法利用,占拠を故意に放置し続け,これを助長したことにより,文京区のE会館に対する所有権を侵害し,同区に対し,E会館の使用料相当額合計5044万8036円の損害を与えた。 よって,原告らは,地方自治法242条の2第1項4号後段に基づき,文京区に代位して,被告B及び被告Cとの共同不法行為者である被告Aに対し,不法行為による損害賠償金5044万8036円及びこれに対する同被告に対する訴状送達の日の翌日である平成12年8月12日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める。 (7) 被告らの本案前の主張についてア被告B及び被告Cの主張に対してa 被告B及び被告Cは,本件監査請求が,被告BがE会館から退去したこと,及び,被告Cが受託業務以外によるE会館の利用を中止したことにより,公の施設の違法な管理が終了した後,1年以上を経過して提起されたものであるから,両被告に対する訴えは,適法な監査請求を経ていないものとして,却下されるべきであると主張する。 b しかし,原告らは,被告B及び被告Cとの関係においては,文京区長が被告B及び被告CによるE会館の不法占拠等に関する損害賠償請求権及び不当利得返還請求権の行使を怠った事実について,本件監査請求を行ったものであるところ,被告B及び被告Cの上記主張は,「怠る事実」を対象とする住民監査請求であっても,当該「怠る事実」が終了した後に,これによって被った損害を補填するために必要な措置を求める場合には,当該「怠る事実」が終了した日から1年の期間 主張は,「怠る事実」を対象とする住民監査請求であっても,当該「怠る事実」が終了した後に,これによって被った損害を補填するために必要な措置を求める場合には,当該「怠る事実」が終了した日から1年の期間内に請求しなければならないとする見解に立脚するものと解される。 しかしながら,そもそも監査請求期間は,監査請求の要件であって,法による明文の規定がない場合に,条理によって監査請求の提起自体を許容しないことは相当でないから,条理によって財務会計上の「怠る事実」に係る監査請求に監査請求期間を適用し,当該請求が提起できないとする上記の見解は相当でない。 また,上記の見解を採用したとしても,これを本件監査請求のような,第三者に対する事実的侵害に基づく損害賠償請求権等の行使を求める本件監査請求にまで及ぼして,監査請求期間を適用することはできないというべきである。 さらに,そもそもE会館における管理を怠る事実が終了したのは,被告Cが退去した平成11年3月31日であるから,本件監査請求が,Eの管理を怠る事実が終了した日から1年以内に提起されたことは明らかである。 c したがって,被告B及び被告Cの前記aの主張は理由がない。 イ被告Aの主張に対してa 被告Aは,本件監査請求が,公の施設の管理の違法という,非財務会計行為の違法に基づいて発生する実体法上の請求権の不行使を対象とするものであるから,地方自治法242条1項の趣旨を没却する監査請求として許されない旨主張する。 しかしながら,原告らの前記(6)イaの請求(E会館の管理を怠る事実に関する地方自治法242条の2第1項4号前段に基づく請求)は,被告Aが,被告B及び被告CによるE会館の不法占拠等を放置した行為について,単なる行政上の管理の違法を主張するのではなく,公有財産の財務的な管理を怠る事実の違法を主張す 1項4号前段に基づく請求)は,被告Aが,被告B及び被告CによるE会館の不法占拠等を放置した行為について,単なる行政上の管理の違法を主張するのではなく,公有財産の財務的な管理を怠る事実の違法を主張するものであるから,上記請求が非財務会計行為の違法に基づく請求であることを前提として,住民監査請求の対象とならないとする被告Aの主張は,失当といわざるを得ない。 また,原告らの前記(6)イbの請求(債権の管理を怠る事実に関する地方自治法242条の2第1項4号前段に基づく請求)において,不行使が問題とされている実体法上の請求権たる損害賠償請求権等は,被告B及び被告CによるE会館の不法占拠等に基づいて発生しているものであって,公の施設の管理の違法に基づいて発生しているものではないし,非財務会計行為により生じた債権の不行使であっても,住民監査請求の対象とならないわけではないから,被告Aの上記主張は,上記請求に関する限り,失当である。 さらに,原告らの前記(6)イcの請求(共同不法行為に関する地方自治法242条の2第1項4号後段に基づく請求)についても,そもそも被告Aが,被告B及び被告CによるE会館の不法占拠等を放置した行為については,単なる行政上における管理の違法性にとどまらず,E会館を不法占拠されないように管理するという,公有財産の財務的な管理に関する違法性が問題とされているのであるから,上記請求が非財務会計行為の違法に基づく請求権であることを前提として,住民監査請求の対象とならないとする被告Aの主張は失当である。 この他にも,被告Aは,原告らの同被告に対する請求が,E会館の行政管理に係る行為又はその懈怠という,非財務会計行為に関する違法を主張するものであることを前提として,これらの請求に係る訴えが不適法である旨主張するが,被告Aが被告B及び被 対する請求が,E会館の行政管理に係る行為又はその懈怠という,非財務会計行為に関する違法を主張するものであることを前提として,これらの請求に係る訴えが不適法である旨主張するが,被告Aが被告B及び被告CによるE会館の不法占拠等を放置した行為は,公有財産の財務的な管理を怠るという,財務会計上の「怠る事実」であって,公の施設の行政的管理という非財務会計行為でないことは明らかであるから,被告Aの主張は,その前提を欠き,失当といわざるを得ない。 b 被告Aは,財務会計上の行為の違法等に基づく実体法上の請求権の不行使をもって財産の管理を怠る事実とする住民監査請求は,地方自治法242条2項の規定により,上記財務会計上の行為の日又は終わった日から1年以内に提起すべきであるとして,本件監査請求が行われた日の1年前である平成11年3月28日以前に発生した請求に係る訴えは,却下されるべきであると主張する。 しかし,原告らが本件訴えの対象としているのは,公有財産であるE会館の管理を怠る事実,並びに,損害賠償請求権及び不当利得返還請求権という債権の管理を怠る事実という,本来の「怠る事実」であって,公有財産の管理という,地方自治法242条の2第1項4号にいう「当該行為」の違法等に基づいて発生する実体法上の請求権の不行使をもって「怠る事実」と主張するものではない。 そして,住民訴訟の対象となる財務会計上の行為のうち,このような本来の「怠る事実」については,その不作為としての性質上,怠る事実が存する限り,監査請求期間の制限を受けないとされているのであるから,本件訴えについて,監査請求期間の徒過を理由として,その一部が却下されるべきであるとする原告らの上記主張は,理由がないといわざるを得ない。 (被告らの主張)(1) 本案前の主張ア被告B及び被告Cの主張地方自 監査請求期間の徒過を理由として,その一部が却下されるべきであるとする原告らの上記主張は,理由がないといわざるを得ない。 (被告らの主張)(1) 本案前の主張ア被告B及び被告Cの主張地方自治法242条2項によれば,住民監査請求は,当該行為のあった日又は終わった日から1年を経過したときは,これをすることができないとされている。 しかるに,被告Bは,遅くとも平成10年9月28日までに,E会館からの退去を完了しており,原告らが主張する公の施設の違法な管理は,遅くとも同日に終了したことが明らかなのに対し,本件監査請求が行われたのは,平成12年3月28日であり,本件監査請求は,当該行為の終わった日から1年を経過した後に行われた不適法なものであるから,これを前提とした被告Bに対する訴えは,訴訟要件を欠くものとして却下されるべきである。 また,被告Cは,遅くとも平成10年9月末日以降,E会館内で内職作業を行うことを自粛し,E会館を受託業務以外に利用することを中止しており,本件監査請求は,当該行為の終わった日から1年を経過した後に行われた不適法なものであるから,これを前提とした被告Cに対する訴えも,訴訟要件を欠くものとして却下されるべきである。 なお,原告らは,被告B及び被告Cの違法行為による損害を補填するために必要な是正措置として行使すべき請求権の不行使をもって,「財産上の管理を怠る事実」に該当すると主張しているところ,かかる主張を前提としても,当該請求権の行使が可能である以上,当該違法行為の日又は終わった日を基準として,監査請求期間の制限に関する地方自治法242条2項を適用すべきであるから,本件監査請求は,やはり監査請求期間を経過した後に行われた不適法なものというべきである。 イ被告Aの主張a 本件における実体法上の請求権である損害賠 る地方自治法242条2項を適用すべきであるから,本件監査請求は,やはり監査請求期間を経過した後に行われた不適法なものというべきである。 イ被告Aの主張a 本件における実体法上の請求権である損害賠償請求権は,E会館という公の施設の行政的管理における違法に基づいて発生したとされるものである。 そして,住民訴訟の制度は,専ら地方公共団体の財務会計上の違法行為又は怠る事実の是正を目的とするものであって,住民訴訟の対象とされる「違法な行為又は怠る事実」(地方自治法242条の2第1項)とは,公有財産の経済的価値に着目してその価値を維持管理する財務的管理についての違法な行為又は怠る事実をいうものと解すべきであって,公の施設の行政的管理は,財務会計上の行為に当たらないから,本来,住民監査請求の対象とすることができない行為である。 そうすると,本件監査請求は,財務会計上の行為に当たらない行為に違法があったとし,これに基づいて発生する実体法上の請求権の不行使をもって,文京区に違法に損害を与えたと構成するものであるから,地方自治法242条1項の趣旨を没却する監査請求として,許されないものと解される。 したがって,本件訴えは,適法な監査請求を経た訴えということはできないから,不適法な訴えとして却下されるべきである。 b また,前記「原告らの主張」(6)イaの請求(E会館の管理を怠る事実に関する地方自治法242条の2第1項4号前段に基づく請求)は,行政財産であるE会館をその目的に沿って管理する行為又は懈怠に係る違法があったとして,これに基づく損害賠償を請求するものであるところ,行政財産をその効用又は公共目的に沿って管理する行政管理に係る行為又はその管理の懈怠は,非財務会計行為であって,住民訴訟の対象とはなり得ないというべきであるから,上記請求に係る訴えは,不 あるところ,行政財産をその効用又は公共目的に沿って管理する行政管理に係る行為又はその管理の懈怠は,非財務会計行為であって,住民訴訟の対象とはなり得ないというべきであるから,上記請求に係る訴えは,不適法な訴えとして却下されるべきである。 c さらに,前記「原告らの主張」(6)イcの請求(共同不法行為に関する地方自治法242条の2第1項4号後段に基づく請求)は,被告Aに対し,E会館の不法占拠に関する共同不法行為を理由として,地方自治法242条の2第1項4号後段に基づき,損害賠償を請求するものである。 しかしながら,地方自治法242条の2第1項に基づく請求は,適法な住民監査請求を前提として認められるものであるから,これらの請求を行うには,違法な行為又は怠る事実に係る財務会計上の行為が存在しなければならないところ,原告らは,行政財産たるE会館の管理行為の違法を主張するものと解されるが,その性質は,行政財産をその行政目的に沿って管理する行政上の管理行為にすぎず,財務会計上の行為ということはできない。 したがって,原告らの上記請求に係る訴えは,その前提となる財務会計上の行為が存在しないから,不適法な訴えとして却下されるべきである。 d 他方,本件監査請求は,公の施設であるE会館の管理が違法であることに基づいて発生する実体法上の請求権の不行使をもって,文京区に損害を与えた行為とするものであるところ,財務会計上の行為が違法,無効であることに基づいて発生する実体法上の請求権の不行使をもって財産の管理を怠る事実とする住民監査請求においては,財務会計上の行為のあった日又は終わった日を基準として,監査請求期間の制限を定める地方自治法242条2項の規定を適用すべきであるから,同項による1年の監査請求期間については,公の施設の違法な管理が行われた日又は終了した日 た日又は終わった日を基準として,監査請求期間の制限を定める地方自治法242条2項の規定を適用すべきであるから,同項による1年の監査請求期間については,公の施設の違法な管理が行われた日又は終了した日を基準にして判断すべきである。 そうすると,本件監査請求が行われたのは,平成12年3月28日であるから,平成11年3月28日以前における公の施設の違法な管理に基づいて発生した実体法上の請求権を本件監査請求の対象とすることができない。 したがって,本件訴えのうち,平成11年3月28日以前に発生したとされる請求権に係る訴えは,適法な監査請求を経ずに提起されたものとして,却下されるべきである。 (2) 本案の主張ア被告B及び被告Ca 被告Bを会長とする被告Cは,昭和52年6月ころ,知的障害者の福祉の充実を図ることを目的として,知的障害者の保護者が集まって結成した任意団体であり,同時期ころから,文京区の委託事業として,E会館の一部を使用して,知的障害者の通所訓練事業を実施してきた。 また,被告Cの会員である保護者は,昭和52年ころから,知的障害者の養護学校卒業後対策と,障害者団体の運営基盤の安定及び福祉事業の持続性の確保等を目的として,バザー,内職等のボランティア活動によって得た資金を積み立ててきた。 そして,被告Cが行ってきた知的障害者の通所訓練事業は,平成3年3月に被告Dが設立されたことにより,同被告の運営する「F」に引き継がれることとなった。 また,被告Cは,被告Dの設立に際し,文京区からの委託事業費,バザーや内職により積み立てた基金等から,多額の寄付を行った。 その後も,被告Cの会員である保護者は,自分たちが知的障害者の日常生活の世話ができなくなった後も,文京区内で知的障害者が一生安心して暮らせるための,親なき後の施設を建設する基金を の寄付を行った。 その後も,被告Cの会員である保護者は,自分たちが知的障害者の日常生活の世話ができなくなった後も,文京区内で知的障害者が一生安心して暮らせるための,親なき後の施設を建設する基金を積み立てる目的で,E会館の受付業務,使用済みガーゼの再生の内職等を行っていたものである。 b 被告Bは,被告Dの職員として,その業務のために,E会館に宿泊していたことはあるが,E会館内に独自の占有部分を確立した事実はない。 被告Bは,他の職員とローテーションを組んで,交替でE会館に泊まり込むことになっていたが,実際は職員の手が足りなかったため,同被告の当番以外の夜も,E会館に泊まって障害者の世話をすることが多かった。しかし,被告Bを含む職員は,E会館に職員の部屋がなかったため,E会館の3階にある障害者の食事用の部屋で,夕食の後片付けをした後,空いたスペースに布団を敷いて寝ていたにすぎない。 さらに,被告BがE会館の3階にタンスを持ち込んだ事実はあったが,これは,職員用ロッカーが不足していたことから,宿泊業務に必要な着替えを入れるために,自己負担で購入して使用したものである。 以上のとおり,被告Bは,E会館を不法占拠したことはなく,文京区に損害を与えたり,何らかの利得をしたこともない。 c 被告Cの会員は,ボランティアとして,障害者が外出している時間帯に空いているE会館2階の障害者休憩室の一部を利用して,病院で使用されたガーゼを再使用できるようにする軽作業をしたことがあり,また,バザーのために寄付された物品を,バザーまでの間,一時E会館内に保管したこともある。 しかしながら,被告Cが,E会館における文京区民の利用や被告Dの占有を排除したり,E会館の一部を恒常的に占有したという事実はなく,E会館を不法に占拠したり利用したりして,文京区に損害を与 もある。 しかしながら,被告Cが,E会館における文京区民の利用や被告Dの占有を排除したり,E会館の一部を恒常的に占有したという事実はなく,E会館を不法に占拠したり利用したりして,文京区に損害を与えた事実もない。 イ被告Da 被告Dは,平成3年7月1日以降,E会館において,文京区との間の委託契約に基づき,本件保護事業を何らの支障もなく実施してきたのであって,仮に,被告BがE会館に宿泊し,そのために必要な荷物を持ち込んだとしても,被告Dが委託を受けた本件保護事業の遂行に何らの支障も生じていない以上,債務不履行の事実は存在しないというべきである。 b また,被告Dが本件保護事業を行うに当たって使用していた,E会館の3階部分,1階保護室及び2階部分の占有権は,文京区又は同区から管理受付業務を委託されてきた被告Cにあり,被告Dは,固有の占有権を有することなく,その場所において善管注意義務に従って本件保護事業を実施してきたにすぎない。 さらに,被告Dが本件保護事業に関する委託契約において委託されていたのは,①日常生活及び授産施設等への通所に必要な援護,指導,健康管理その他利用者の処遇に関すること,②E会館内の施設,付属設備及び物品の保全(軽易な修繕及び整備を含む。)に関すること並びに③施設内の清掃,整頓その他環境整備に関することであって,E会館の管理自体を被告Dが委託されていたわけではなく,E会館の管理権が同被告に与えられた事実はない。 したがって,仮に被告B及び被告CによるE会館の使用方法に問題があったとしても,E会館の管理権のない被告Dがこれを黙過することなく注意し,是正措置を講ずるまでの法的義務はないというべきである。 c 以上のとおり,被告Dには,文京区に対する債務不履行は認められないから,原告らの同被告に対する請求は棄却されるべきで 過することなく注意し,是正措置を講ずるまでの法的義務はないというべきである。 c 以上のとおり,被告Dには,文京区に対する債務不履行は認められないから,原告らの同被告に対する請求は棄却されるべきである。 ウ被告AaE会館は,文京区が,区民の福祉の増進を図るとともに,心身障害者等の自立更生を援助するために設置したものであり,心身障害者等の短期保護及び生活訓練保護に関する事業や区民の施設利用に関する事業を行い,これらの事業を行うために,E会館内に心身障害者等の短期保護室及び生活訓練室を,また,区民の団体使用のための集会室の各施設を設けているものである。 そして,文京区は,E会館の集会室の団体使用に係る受付業務と,集会室を含む1階,及びE会館1階から3階に至る階段部分に係る維持管理業務については,被告Cとの間に管理受付業務委託契約を締結していたのであるから,被告B及び被告Cが,受託業務を遂行する上でこれらの部分を占用,使用することは,上記契約の当然の内容とされていたものである。 b 被告Bは,E会館に連日宿泊し,E会館の3階に和タンス及び姿見を持ち込んでいたが,これは,被告Dが文京区から受託した本件事業の遂行上,心身障害者等への対処のために,少なくとも職員2名がE会館に宿泊することが必要であったところ,人員の確保が困難であったことなどの事情から,被告Bが,自身の家族も犠牲にして連日泊まり込んで仕事を行い,連日の宿泊に必要な着替え,着物を収容するために,職員用のロッカー2つでは足りないことから,上記和タンスを持ち込んだほか,宿泊に伴う身の回り品として,上記姿見を持ち込んだものである。 したがって,被告BによるE会館への宿泊は,被告Dによる本件保護事業の一環として当然是認されるべきものであり,そのために必要な範囲内での身の回り品の持ち込み して,上記姿見を持ち込んだものである。 したがって,被告BによるE会館への宿泊は,被告Dによる本件保護事業の一環として当然是認されるべきものであり,そのために必要な範囲内での身の回り品の持ち込みについても,同様に是認されるべきものであるから,これらの事実をもって,被告BがE会館を不法占拠,利用したものということはできない。 また,被告BがE会館内の保護室を,交際等により受領した贈答品等の保管に利用したり,外出する際の着替えの場所として利用したとしても,被告Bが被告Cの会長等の地位にあったことにかんがみれば,いずれも被告Bの職務に付随する行為として是認されるべきであって,このような使用をもって,保護室を不法占拠したということはできない。 c 他方,被告Cは,E会館2階の訓練室において,午前8時半ころから午後3時半ころまで,使用済みガーゼを再生する作業を行っていたものである。しかし,被告Cは,本件保護事業の対象である訓練生が通所訓練中のため,上記訓練室が空いている時間帯を利用して,上記作業を行ったものであり,いわば一時的に使用させてもらったにすぎないのであって,このことをもって,同被告が上記訓練室における文京区又は被告Dの占有を排除して,独立の支配を確立したということはできないから,被告Cが上記訓練室を不法占拠したということはできず,これによって,文京区が財産上の損害又は損失を被った事実もない。 また,被告Cは,E会館地下1階の倉庫に,バザーに出品するための物品を保管していたが,同被告は,同被告及び被告Dが文京区から受託した事業を円滑に実施するために,上記倉庫を使用したものであって,被告Cがバザーのための物品を置いたことによって,同被告が被告D又は文京区の上記倉庫に対する占有を排除して独立の占有を確立したということはできないから,被告C ために,上記倉庫を使用したものであって,被告Cがバザーのための物品を置いたことによって,同被告が被告D又は文京区の上記倉庫に対する占有を排除して独立の占有を確立したということはできないから,被告Cが上記倉庫を不法占拠したということはできず,これによって,文京区が財産上の損害又は損失を被った事実もない。 このように,被告CによるE会館の上記訓練室の一時使用及び上記倉庫の使用されていない箇所の使用は,いずれも同被告又は被告Dが文京区から受託した事業を円滑に実施するために,空いている箇所を一時的に借用したにすぎず,このような使用形態は,社会通念上も相当なものとして許容ないし黙認されるべきであるから,この程度の使用をもって,被告Cが上記各箇所を不法に占拠したとはいうことはできない。 3 争点以上によれば,本件の争点は,次のとおりである。 (1) 本件訴えが,その全部又は一部について監査請求期間が経過したことにより,当該部分について適法な監査請求を経ていないこと,財務会計上の行為に当たらない行為の違法を対象とすること等の理由により,その全部又は一部について,不適法な訴えとなるか否か。 (争点1)(2) 被告B及び被告Cが,文京区に対し,E会館を違法に利用,占拠したものとして,不法行為責任を負うか否か。また,被告B及び被告Cが,文京区に対し,E会館を法律上の原因なく利用,占拠して損失を与えたものとして,不当利得返還義務を負うか否か。 (争点2)(3) 被告Dが,文京区に対し,E会館の管理,維持につき,善管注意義務に反したことによる債務不履行責任を負うか否か。 (争点3)(4) 被告Aが,E会館の管理を怠ったこと,又は,被告B及び被告Cに対する損害賠償請求権及び不当利得返還請求権の行使を怠ったことにより,文京区に対して賠償責任を負うか否か。 うか否か。 (争点3)(4) 被告Aが,E会館の管理を怠ったこと,又は,被告B及び被告Cに対する損害賠償請求権及び不当利得返還請求権の行使を怠ったことにより,文京区に対して賠償責任を負うか否か。また,被告Aが,被告B及び被告CによるE会館の違法な利用,占拠について,共同不法行為責任を負うか否か。 (争点4)第3 当裁判所の判断 1 争点1について(1) 被告B及び被告Cの本案前の主張について被告B及び被告Cは,本案前の主張として,被告Bが,遅くとも平成10年9月28日までには,E会館からの退去を完了させ,また,被告Cが,遅くとも同月30日までには,文京区からの受託業務以外でのE会館の利用を中止したことから,原告らの主張する公の施設の違法な管理は,遅くともこれらの日までに終了したものであるところ,本件監査請求は,1年以上を経過した平成12年3月28日に行われたものであるから,監査請求期間を徒過した不適法なものであり,原告らの被告B及び被告Cに対する訴えは,適法な監査請求を経ていないものとして却下されるべきであると主張する。 しかしながら,証拠(甲5)によれば,原告らは,被告B及び被告Cに対しては,E会館の不法占拠による損害賠償請求を文京区長に勧告することを求めて,本件監査請求を行ったことが認められ,本件監査請求は,被告B及び被告Cとの関係においては,文京区長がE会館の不法占拠を理由とする損害賠償請求権の行使を怠る事実が,地方自治法242条1項の「財産の管理を怠る事実」に該当するものとして,当該損害賠償請求権の行使を求めたものと解することができる。 そして,原告らは,本件訴えにおいて,被告B及び被告Cに対する損害賠償請求権及び住民監査請求の観点からこれと実質的同一性を有すると認められる不当利得返還請求権について,文京区の職員による できる。 そして,原告らは,本件訴えにおいて,被告B及び被告Cに対する損害賠償請求権及び住民監査請求の観点からこれと実質的同一性を有すると認められる不当利得返還請求権について,文京区の職員によるE会館の違法な管理という財務会計上の行為又はE会館の管理を怠る事実に基づいて発生したものと主張するのではなく,被告B及び被告Cによる所有権の事実的侵害に基づいて発生したものと主張して,その代位行使を求めているものである。 そうすると,原告らは,財務会計上の行為の違法等に基づいて発生した実体法上の請求権の不行使をもって「財産の管理を怠る事実」とするものでなく,当該地方公共団体の職員以外の第三者による財産権侵害による不法行為及び不当利得に基づく実体法上の請求権の不行使をもって「財産の管理を怠る事実」とするものであって,このような請求権の行使を怠ることを主張して行う監査請求については,地方自治法242条2項に規定する監査請求期間の制限を受けないものというべきである。 したがって,被告B及び被告Cの本案前の主張は,理由がない。 (2) 被告Aの本案前の主張についてア被告Aは,本件監査請求が,公の施設の管理の違法という,非財務会計行為の違法に基づいて発生する実体法上の請求権の不行使を対象とするものであるとした上で,このような監査請求は,地方自治法242条1項の趣旨を没却するものとして許されないものであるから,本件訴えは適法な監査請求を経ない訴えとして却下されるべきであると主張する。 しかしながら,地方公共団体が有する実体法上の金銭請求権が,非財務会計行為の違法に基づいて発生したものであったとしても,これを行使しないことが,地方自治法242条1項の「財産の管理を怠る事実」に該当し,住民監査請求の対象となることは明らかであるから,このような事実に関する 違法に基づいて発生したものであったとしても,これを行使しないことが,地方自治法242条1項の「財産の管理を怠る事実」に該当し,住民監査請求の対象となることは明らかであるから,このような事実に関する監査請求が許されないとする被告Aの見解は,採用することができない。 のみならず,証拠(甲5)によれば,本件監査請求は,被告Aとの関係では,同被告が被告B及び被告CによるE会館の不法占拠を放置したことをもって,文京区の財産の管理を怠るものとし,これによって生じた損害の賠償を求めたものであることが認められるところ,同区の公有財産であるE会館の不法占拠を放置することは,単にE会館の運営における行政上の管理を怠るにとどまらず,当該財産の財産的価値の維持,保存を怠るものというべきであって,このことは,東京都文京区公有財産管理規則41条6号において,財産保管責任者及び財産管理事務に従事する職員が特に注意しなければならない事項として,「財産は,不法占拠され,又は滅失若しくは損傷のおそれがないかどうか。」を挙げていることからも明らかというべきであるから,かかる不法占拠の放置は,地方自治法242条1項の「財産の管理を怠る事実」に該当するというべきである。 したがって,被告Aの上記主張は,理由がないといわざるを得ない。 イまた,被告Aは,前記「原告らの主張」(6)イaの請求(E会館の管理を怠る事実に関する地方自治法242条の2第1項4号前段に基づく請求)について,行政財産であるE会館の管理行為又は管理を怠る事実に係る違法が,非財務会計行為の違法にすぎず,住民訴訟の対象とはなり得ないとして,上記請求に係る訴えが不適法であると主張するほか,前記「原告らの主張」(6)イcの請求(共同不法行為に関する地方自治法242条の2第1項4号後段に基づく請求)も,被告Aに対し 象とはなり得ないとして,上記請求に係る訴えが不適法であると主張するほか,前記「原告らの主張」(6)イcの請求(共同不法行為に関する地方自治法242条の2第1項4号後段に基づく請求)も,被告Aに対し,E会館の管理行為の違法という,非財務会計行為の違法を主張するにすぎず,財務会計上の行為の違法を主張するものでないから,上記請求に係る訴えも不適法であると主張する。 しかしながら,これらの主張は,いずれも被告AによるE会館の管理又は管理の懈怠が,財務会計上の行為に当たらないことを前提とするものと解されるところ,文京区の公有財産であるE会館の不法占拠を放置することは,単にE会館の運営における行政上の管理を怠るにとどまらず,当該財産の財産的価値の維持,保存を怠るものであって,地方自治法242条1項の「財産の管理を怠る事実」に該当することは前記のとおりであるから,被告Aの上記主張は,その前提を欠くものであって,理由がないというべきである。 ウさらに,被告Aは,本件監査請求が,公の施設の管理が違法であることに基づいて発生する実体法上の請求権の不行使をもって文京区に損害を与えた行為とするものであるとした上で,財務会計上の行為の違法等に基づく実体法上の請求権の不行使をもって財産の管理を怠る事実とする住民監査請求は,当該行為の日又は終わった日を基準として,地方自治法242条2項の監査請求期間の制限を受けるとして,本件監査請求が行われた日の1年前である平成11年3月28日以前に発生した請求に係る訴えは,却下されるべきであると主張する。 しかし,本件訴えにおいて,原告らは,被告B,被告C及び被告Dに対する損害賠償請求権及び不当利得返還請求権の不行使をもって「財産の管理を怠る事実」に該当すると主張しているところ,これらの実体法上の請求権は,公の施設の管理行為 告らは,被告B,被告C及び被告Dに対する損害賠償請求権及び不当利得返還請求権の不行使をもって「財産の管理を怠る事実」に該当すると主張しているところ,これらの実体法上の請求権は,公の施設の管理行為が違法であることに基づいて発生したものとして主張されているのではなく,被告B及び被告Cによる不法行為及び不当利得,並びに,被告Dの債務不履行により発生したものとして主張されているのであって,これらの実体法上の請求権の不行使をもって財産の管理を怠る事実とする住民監査請求については,監査請求期間の制限を受けないものというべきである。 したがって,被告Aの上記主張は,理由がないというべきである。 2 争点2について(1) 前記「前提となる事実」,証拠(甲1,3,10,11,乙1ないし5,丙1,2,9,10,丁1,2,証人G,被告B本人)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実を認めることができる。 ア E会館についてE会館は,本件条例2条に基づき設立された文京区立福祉会館であり,文京区民の福祉の増進を図るとともに,心身障害者等の自立更生を援助するために設置されたものである。E会館は,心身障害者等の短期保護及び生活訓練保護に関する事業や,文京区民の施設利用に関する事業を行うものとされ,これらの事業を行うため,E会館内には,保護室,訓練室及び集会室が設けられている。なお,本件条例8条により,E会館の施設の使用料は,無料とされている。 そして,文京区立福祉会館条例施行規則(以下「本件規則」という。)2条,3条の別表第1・2によれば,心身障害者等の短期保護室,生活訓練保護室は,個人利用であり,その開館時間は終日とされており,集会室は,団体利用であり,その開館時間は,平日は午後6時から午後9時まで,日曜日は午前10時から午後9時までとされている。 イ本件保護 保護室は,個人利用であり,その開館時間は終日とされており,集会室は,団体利用であり,その開館時間は,平日は午後6時から午後9時まで,日曜日は午前10時から午後9時までとされている。 イ本件保護事業についてa 文京区心身障害者(児)短期保護事業実施要綱によれば,同事業は,日常,心身障害者等の介護を行うことが困難なとき,家族に代わって当該心身障害者等を保護し(これを「短期保護」という。),もってその家族の生活の安定を図ることを目的とするものであり,短期保護は,介護者又は家族(以下「介護者等」という。)が疾病,冠婚葬祭又は事故のため介護できないとき,介護者等が出産のため介護できないとき,介護者等が休養等のため介護できないとき及びその他文京区長が特に必要と認めたときに行うものとされている。 b また,文京区心身障害者(児)の生活訓練保護(親なき後)事業実施要綱によれば,同事業は,心身障害者等を保護し,日常生活における援護及び指導を行うことにより,その自立を促すことを目的とし,この事業を行う施設は,心身障害者等に対し,生活の場を提供するとともに,食事の提供,健康管理,金銭管理等,日常生活に必要な事項について,援護及び指導を行うものとされ,同施設の利用期間は,原則として6か月を単位とし,利用期間中は,原則として,同施設内に宿泊するものとされている。 c そして,文京区長は,心身障害者等の短期保護事業及び生活訓練保護(親なき後)事業の効率的運営を図るため,上記各要綱に基づき,被告Dとの間で,本件保護事業の業務委託契約を締結して,本件保護事業の運営を同被告に委託している。 上記契約によれば,本件保護事業の場所は,身体障害者(児)については,「K(E会館の2階及び3階における宿泊,保護施設を指す。)」,知的障害者等についてはE会館とされ,短期保護事業 に委託している。 上記契約によれば,本件保護事業の場所は,身体障害者(児)については,「K(E会館の2階及び3階における宿泊,保護施設を指す。)」,知的障害者等についてはE会館とされ,短期保護事業については,両施設で対応することとされている。 ウ被告Cの活動について被告Cは,昭和52年6月ころ,文京区在住の知的障害者等の保護者により,知的障害者等の福祉の向上を目的として結成された法人格なき社団であり,昭和49年からIの会長を務めていた被告Bが,設立当初から代表者会長を務めてきた。 被告Cは,昭和52年に,東京都から知的障害者等の通所訓練施設の運営に対して補助金の交付が開始されたことから,この補助金を受けて,E会館の2階を借りて,知的障害者等の通所訓練事業を開始し,2ないし3年後には,文京区から委託を受ける形で,通所訓練事業を行うようになった。 昭和58年ころ,被告Cの通所訓練の一つとして,H病院から,使用済みガーゼの再生の内職を委託されるようになり,障害者の仕事の確保と,将来における知的障害者等の親なき後の施設建設の基金とすることを目的として,障害者の親によるガーゼ再生の内職作業が開始された。この内職作業は,E会館2階の訓練室が知的障害者等の通所訓練のため空いている時間を利用して,同所において行われた。 そして,平成3年3月29日,被告Dが設立されたことから,被告Cが行ってきた知的障害者の通所訓練事業は,被告Dの「F」に引き継がれることとなった。 他方,被告Cは,昭和60年度から平成11年度までの間,文京区との間で,E会館の集会室の団体使用に係る受付業務並びに集会室を含むE会館の1階及び1階から3階に至る階段部分に係る管理維持業務について,管理受付業務委託契約を締結し,上記受付及び管理業務に従事していた。 エ被告Dにおける本件 使用に係る受付業務並びに集会室を含むE会館の1階及び1階から3階に至る階段部分に係る管理維持業務について,管理受付業務委託契約を締結し,上記受付及び管理業務に従事していた。 エ被告Dにおける本件保護事業の実情及び被告Bの活動被告Dは,平成3年3月29日の設立以来,文京区の委託を受けて,E会館において,本件保護事業を行ってきた。 また,被告Bは,被告Dの設立に伴い,同被告の理事に就任したほか,同年7月ころからは,同被告が運営する保護施設である「K」の園長として,知的障害者等の保護に従事するようになった。 ところで,本件保護事業は,E会館における心身障害者等の宿泊を伴うものであったことから,被告Dは,毎日職員2名を宿泊させて,夜間における心身障害者等への対応に当たらせることとしており,被告Bをはじめ各職員は,宿泊した日から中2日を空けて3日目に再度宿泊するという態勢を採っていた。しかし,被告Dの職員が次々と辞職したことなどから,宿泊する職員が不足するようになり,被告Bは,E会館にほとんど毎晩宿泊するようになった。 なお,被告Dは,平成10年9月ころ以降は,職員1名と,派遣に係る宿泊専門要員1名とをE会館に宿泊させて,心身障害者等への対応に当たらせている。 オ被告B及び被告CによるE会館の利用状況被告Bは,平成10年9月ころまで,E会館内に私物を置いて宿泊していたところ,同時期までの被告B及び被告CによるE会館の利用状況は,次のとおりであった。 aE会館1階について1階の集会室には,被告Bが毎晩就寝しており,集会室の流し台には,同被告の歯磨き具が置かれていた。 1階玄関については,集会室の利用者のない平日には,玄関を施錠していたことがあった。 1階の集会室では,被告Cが,集会室の利用時間外の時間に,総会を開催することがあっ 歯磨き具が置かれていた。 1階玄関については,集会室の利用者のない平日には,玄関を施錠していたことがあった。 1階の集会室では,被告Cが,集会室の利用時間外の時間に,総会を開催することがあったが,その際,目的外使用許可を取得していなかった。また,平成5年ないし6年ころ,被告Cの会員が,1か月に1,2回程度,集会室においてカラオケの練習をしたことがあった。 bE会館2階について2階の狭い方の訓練室においては,被告Cの会員が,平日の午前8時30分ころから午後3時30分ころまで,H病院から受け取ったガーゼを干して折り畳む内職作業をしていた。この作業は,E会館に宿泊している心身障害者等が,日中「F」において通所訓練をしている間,上記訓練室が空いている時間帯を利用して行われた。 cE会館3階について3階の狭い方の和室には,被告Bが持ち込んだ,高さ約160センチメートルの桐の和タンスが置かれ,同被告は,着物を収納するためにこれを利用していた。また,この和室に入る手前の床の部分には,被告Bが持ち込んだ,高さ約1メートルないし1・3メートル,幅約50センチメートルの姿見が置かれていた。さらに,3階には,この他にも,被告Bの私物が置かれていた。 また,被告Bは,個人的な接客のために訓練室を利用することがあった。 dE会館地下1階について地下1階の広い方の倉庫には,被告Cが,古着などのバザーのための商品を保管しており,これらは段ボールやビニール袋に入れられて山積みにされ,上記倉庫にはほとんど空きスペースがない状況であった。これらの商品は,年2,3回程度開かれるバザーの際に出品されていたが,バザーの前後で保管状況に大きな変化はなかった。バザーの売上げは,被告Cによる親なき後施設の建設基金の積立てに充てられた。 (2) 以上の事実に基づいて 回程度開かれるバザーの際に出品されていたが,バザーの前後で保管状況に大きな変化はなかった。バザーの売上げは,被告Cによる親なき後施設の建設基金の積立てに充てられた。 (2) 以上の事実に基づいて,争点2について判断する。 ア被告Bの不法行為責任及び不当利得返還義務の有無についてa 原告らは,E会館の全部又は一部を不法に占有していたと主張する。 しかし,本件に顕れた証拠から認められる被告BによるE会館の利用状況は,上記(1)エ及びオのとおりであり,同被告による上記の利用によって,E会館の所有者である文京区並びに同区からの委託によりE会館の一部を使用していた被告C及び被告DによるE会館の占有ないし利用が排除されたり,1階集会室における一般の利用が排除されたりした事実が認められないことに照らしても,被告BのE会館の利用状況に関する上記認定事実をもって,同被告が,E会館の全部又は一部について,他者の占有を排除して,自己の排他的な支配を確立したものと認めることはできない。 また,他に,被告Bが,他者の占有を排除して,自己の排他的な支配を確立したものと認めるに足りる証拠はない。 そうであるとすれば,被告Bが,E会館の全部又は一部を,不法に占有したということはできず,他にこれを認めるに足りる証拠はない。 b また,原告らは,被告Bが文京区の行政財産であるE会館を不法に利用して文京区の所有権を侵害したと主張する。 そして,被告Bは,被告Dの職員としての宿泊当番に加え,宿泊する職員が不足したこと等から,E会館にほとんど毎晩宿泊する状況であったことは,前記(1)エのとおりである。 しかし,仮に原告らが主張するように,常時複数の職員がE会館に宿泊することが具体的に必要不可欠であったとまではいえず,また,被告Bが実際には1階集会室で就寝していたとして 1)エのとおりである。 しかし,仮に原告らが主張するように,常時複数の職員がE会館に宿泊することが具体的に必要不可欠であったとまではいえず,また,被告Bが実際には1階集会室で就寝していたとしても,E会館に宿泊していた心身障害者等への対応のために,少なくとも複数の職員がE会館に宿泊して待機することが望ましいことが認められる(丙9,10,被告B本人)ことからすれば,同被告によるE会館への宿泊が,少なくとも被告Dの業務の遂行と合理的な関連を有するものであることは否定できないから,被告Bの上記のようなE会館の利用状況をもって,E会館を不法に利用して文京区の所有権を侵害したということはできない。 さらに,E会館3階には,被告Bが持ち込んだ和タンスや姿見が置かれていたことは,前記(1)オcのとおりである。 しかし,被告Bは,職員用のロッカーが不足したために,自分の着替えや着物を収納する目的で,上記和タンスを自費で購入して持ち込んだ旨供述しており,同被告によるE会館への宿泊が,被告Dの業務の遂行に合理的な関連を有することにも照らせば,被告Bが上記和タンス及び姿見をE会館に搬入して利用したことも,これに随伴するものとして社会通念上許容される限度を逸脱してE会館の所有権を侵害するものとまではいうことはできず,このことをもって,同被告がE会館を不法に利用,占拠したと評価するのは相当でない。 そして,前記(1)オで認定したその他の事実をもっても,被告BによるE会館の利用が,社会通念上許容される限度を逸脱して,E会館の所有権を侵害したことを認めることはできず,他にこれを認めるに足りる証拠はない。 c したがって,被告BがE会館を不法に利用,占拠した事実が認められない以上,同被告の文京区に対する不法行為責任を認めることはできない。また,被告Bが,E会館を 他にこれを認めるに足りる証拠はない。 c したがって,被告BがE会館を不法に利用,占拠した事実が認められない以上,同被告の文京区に対する不法行為責任を認めることはできない。また,被告Bが,E会館を法律上の原因なく利用,占拠した事実が認められない以上,同被告の文京区に対する不当利得返還義務を認めることもできない。 イ被告Cの不法行為責任及び不当利得返還義務の有無についてa 被告Cは,前記(1)オのとおり,E会館2階の訓練室において,午前8時半ころから午後3時半ころまで,使用済みガーゼを再生する作業を行っていたものである。 しかしながら,被告Cは,通所訓練中のため上記訓練室が使用されていない時間帯を利用して上記作業を行っていたものであり,同被告が,被告Dの設立以前から,通所訓練と共に上記作業を行っており,同被告の設立に伴い,通所訓練を同被告に引き継いだものであること,上記作業が,知的障害者等の親なき後の施設の建設をも目的とするものであって,同被告の本件保護事業を補完する性格を有する面も否定できないことに照らせば,被告Cによる上記作業のための上記訓練室の使用は,文京区ないしは同区から同室の使用を認められた被告Dによる同室の占有を排除して,自己の排他的な支配を確立したものとは認められないから,これをもって,被告Cによる上記管理室の不法占有を認めることはできない。 また,被告Cの上記作業により,被告Dによる本件保護事業その他E会館の利用に支障が生じたことを認めるに足りる証拠はなく,かえって,上記作業は,その経緯,目的等にかんがみ,被告Dが上記訓練室において実施する本件保護事業を補完する性格を有することも否定できないことに照らせば,被告Cが上記作業のために上記訓練室を利用するに当たり,使用許可を受けていなかったとしても,このことをもって,同被告 いて実施する本件保護事業を補完する性格を有することも否定できないことに照らせば,被告Cが上記作業のために上記訓練室を利用するに当たり,使用許可を受けていなかったとしても,このことをもって,同被告による上記訓練室の利用が違法であるとまではいうことができない。 b また,被告Cは,E会館地下1階の倉庫に,バザーに出品するための物品を保管していたものであるが,上記倉庫は,本来,E会館の備品等の保管を目的として設置されているものの,その使用に関しては,本件条例及び本件規則に特段の規定がないことに照らせば,E会館を利用する権原を有する者において,その利用に随伴して上記倉庫に物の保管を行うことは許容されるものと解されるところ,同被告は,バザーの売上げを親なき後施設の建設基金の積立てに充てており,かかる活動は,E会館の設立目的である心身障害者等の自立更生の援助に資するものであり,被告DがE会館において実施する本件保護事業を補完する面を有すること,被告Cによる上記倉庫の使用によって,E会館の利用に支障が生じたことを認めるに足りる証拠がないことに照らせば,同被告が上記倉庫にバザーに出品するための物品を保管していたことをもって,上記倉庫を不法に利用,占拠したということはできない。 c さらに,被告Cは,E会館1階の集会室において,目的外使用許可を取得せずに,総会を開催していたものであるが,被告Bは,本人尋問において,総会の開催について文京区の職員に直接報告しており,同区の了解を得ているものと理解している旨の供述をしていることに照らせば,目的外使用許可を取得せずに総会を開催した一事をもって,被告Cが文京区のE会館に対する所有権を侵害したものということはできない。 この他,被告Cが,上記集会室においてカラオケの練習をした事実が存したとしても,そのことをも 総会を開催した一事をもって,被告Cが文京区のE会館に対する所有権を侵害したものということはできない。 この他,被告Cが,上記集会室においてカラオケの練習をした事実が存したとしても,そのことをもって,直ちにE会館の所有権を侵害したものとまではいうことができず,他に上記事実が文京区に対する不法行為を構成することを認めるに足りる証拠はない。 そして,前記(1)オで認定したその他の事実をもっても,被告CによるE会館の利用が,社会通念上許容される限度を逸脱して,E会館の所有権を侵害することを認めることはできず,他にこれを認めるに足りる証拠はない。 d したがって,被告CがE会館を不法に利用,占拠した事実が認められない以上,同被告の文京区に対する不法行為責任を認めることはできない。また,被告Cが,E会館を法律上の原因なく利用,占拠した事実が認められない以上,同被告の文京区に対する不当利得返還義務を認めることもできない。 3 争点3及び4について(1) 争点3について前記のとおり,被告B及び被告CがE会館を不法に利用,占拠した事実が認められないことからすれば,被告DがE会館について管理権限を有するか否かにかかわらず,同被告について,文京区に対する債務不履行の事実を認めることはできない。 (2) 争点4について前記のとおり,被告B及び被告CがE会館を不法に利用,占拠した事実が認められないことからすれば,文京区長であった被告Aにおいて,E会館の管理を怠ったことにより,文京区に損害を与えたということはできない。 また,前記のとおり,文京区の被告B及び被告Cに対する損害賠償請求権及び不当利得返還請求権並びに被告Dに対する損害賠償請求権が認められない以上,文京区長であった被告Aがこれらの債権の行使を怠ったということもできない。 さらに,被告B及 告Cに対する損害賠償請求権及び不当利得返還請求権並びに被告Dに対する損害賠償請求権が認められない以上,文京区長であった被告Aがこれらの債権の行使を怠ったということもできない。 さらに,被告B及び被告CがE会館を不法に利用,占拠した事実が認められないことからすれば,被告Aによる共同不法行為を認めることもできない。 第4 結論よって,原告らの請求は,いずれも理由がないというべきであるから,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第2部裁判長裁判官市村陽典裁判官森英明裁判官馬渡香津子
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