平成15(わ)3275 あっせん収賄被告事件

裁判年月日・裁判所
平成16年6月22日 名古屋地方裁判所
ファイル
hanrei-pdf-7548.txt

判決文本文1,809 文字)

平成15年(わ)第3275号あっせん収賄被告事件判決 主文 被告人を懲役2年6箇月に処する。 この判決が確定した日から3年間上記の刑の執行を猶予する。 被告人から金100万円を追徴する。 理由 (罪となるべき事実)被告人は,昭和46年から地方自治法に基づいて選出された名古屋市議会議員として特別職の地方公務員たる地位にあった者であるが,その間の平成14年10月28日,名古屋市a区bc丁目d番e所在のGホテルH2階にある「B」において,道路清掃業等を営むC株式会社の代表取締役であったDから,同社を含む道路清掃を業とする企業11社で組織するA協会加盟企業の利益のため,名古屋市が指名競争入札の方法により発注する道路清掃業務に関し,同業務についての指名業者の選定及び発注価格の設定等の事務を掌理していた同市緑政土木局理事E及び同局道路部職員に対して,今後実施される道路清掃業務請負のための指名競争入札の指名業者を上記協会の意向どおりに選定した上,同協会の事務を担当するFに予定価格に近い金額を漏らし教えるようあっせんしてもらいたい旨の請託を受け,その報酬として供与されるものであることを知りながら現金100万円の供与を受け,もって,職務に関連して賄賂を収受した。 (証拠の標目)(省略)(法令の適用) 1 罰条刑法197条の4 2 執行猶予同法25条1項 3 追徴同法197条の5後段(被告人が判示の犯行により収受した賄賂は没収することができないので,その価額金100万円を被告人から追徴する。)(量刑の理由) 1 本件は,当時名古屋市議会議員であった被告人が,以前からつながりのあった,名古屋市から道路清掃業務の委託を受けることを希望する民間業者の団体で,談合等により同 ら追徴する。)(量刑の理由) 1 本件は,当時名古屋市議会議員であった被告人が,以前からつながりのあった,名古屋市から道路清掃業務の委託を受けることを希望する民間業者の団体で,談合等により同業務の委託業者の選定に関する入札の公正を害する活動を行っていたA協会(以下「協会」という。)から,これまでと同様に,同業務の委託発注に当たって,指名業者の選定について協会の意向に従うこと及び予定価格を協会の世話役に教示すること等を,名古屋市の担当部局に働きかけることの請託を受け,その謝礼の趣旨で提供されるのを知りながら現金100万円の供与を受け, 賄賂を収受したというあっせん収賄の事案である。 名古屋市議会議員の地位にあった被告人は,名古屋市の業務執行を監督する立場にあるのを利用して,同市の担当職員に対し,同市の道路清掃業務の委託に関して協会の求めに応じて不正行為に及ぶようあっせんして,担当職員をしてこれを行わせており,請託と賄賂との結びつきは強く,公務員の職務の公正さとこれに対する社会の信頼を大きく損なった点において,本件犯行は悪質である。 被告人は,かねてから協会関係者と親しい関係にあって,協会の意を受けて担当部局への働きかけを行っていたことが認められるところ,本件犯行の際には, 不法であることを知りながら安易に100万円の供与を受けた上,その見返りとしてあっせんに及んだもので,そこには地域住民の信頼の下に,地方自治体の行政の公正な行使を監督する議員として求められる廉潔性は忘れられ,その規範意識は鈍麻していたといわざるを得ない。 そうすると,被告人の刑事責任は軽視できない。 しかしながら,被告人から本件賄賂を請求したものではなく,協会側から世話人の変更などに伴って提供されたものであること,被告人は当公判 を得ない。 そうすると,被告人の刑事責任は軽視できない。 しかしながら,被告人から本件賄賂を請求したものではなく,協会側から世話人の変更などに伴って提供されたものであること,被告人は当公判廷において反省の態度を示していること,これまで議員として地方自治に貢献してきた面も認められること,加えて,被告人が既に市議会議員を辞するなど一定の社会的制裁を受けていること等の酌むべき事情が認められる。 2 そこで,被告人について主文のとおり量刑した上で,その刑の執行を猶予し社会内において罪を償う機会を与えることとした。 (求刑懲役2年6月及び追徴金100万円)平成16年6月22日名古屋地方裁判所刑事第5部裁判官伊藤新一郎

▼ クリックして全文を表示

🔍 類似判例を検索𝕏 でシェア← 一覧に戻る