平成17(ハ)2936 解雇予告手当請求

裁判年月日・裁判所
平成18年3月29日 東京簡易裁判所 その他
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判決文本文1,803 文字)

-1-平成18年3月29日判決言渡同日原本領収裁判所書記官平成17年(少コ)第2936号(通常手続移行)解雇予告手当請求事件口頭弁論終結日平成18年3月8日判決主文 被告は,原告に対し,14万2170円及びこれに対する平成17年9月3日から支払済みまで年5パーセントの割合による金員を支払え。 訴訟費用は被告の負担とする。 この判決は仮に執行することができる。 事実及び理由 第1請求主文と同旨第2事案の概要 請求原因の要旨原告と被告との間で平成17年2月16日に締結した労働契約について,平成17年9月2日に被告がなした即時解雇に基づく解雇予告手当金14万2170円及びこれに対する平成17年9月3日から支払済みまで年5パーセントの割合による遅延損害金の支払請求 被告の主張原告は,平成17年7月11日携帯電話へのメール(以下「本件メール」という)によって上司である現場責任者A(以下「A」という)に対し,平成17年8月末で退職する旨申し出ており,解雇にはあたらない。 争点 本件メールが退職届としての効力を有するか否か,すなわち原告の退社が解雇であるか自主退職であるかが中心的争点である。 第3当裁判所の判断-2- 証拠(証人B,原告本人)によれば,原告は,平成17年9月2日に出社したとき,同僚のB,Cとともに上司Dに呼ばれ,会社の経営が苦しいので仕事は辞めてもらう旨告げられたこと,多いときは250人くらいいた被告の従業員もこの当時は10人前後のアルバイトがいたのみで,残務処理にあたっていたこと,原告は,この時点では仕事を続ける意思があり,他の社員と9月分の仕事のシフトについて連絡を取るなどしていたところであったことが認められる。 原告は,平成17年6月に交通事故にあって体調が悪く,会社の上 ,この時点では仕事を続ける意思があり,他の社員と9月分の仕事のシフトについて連絡を取るなどしていたところであったことが認められる。 原告は,平成17年6月に交通事故にあって体調が悪く,会社の上司であったAに対して携帯電話でのメールのやりとりを何回かしていたが,平成17年7月11日午前8時26分に交信された本件メール(その内容については争いがない)では,当日は体調を崩して休むこととあわせて「保険関係が解決。 ,する来月下旬までは会社においてください。解決したら退職しますので,もう少し我慢してください。よろしくお願いいたします」との記述がある(証人。 A,原告本人。 ) 本件メールは「解決したら退職する」という条件が付せられており,その,結果「来月下旬まで」という期限についても不確定な内容となっていることが認められる。したがって,本件メールをもって原告の被告に対する明確な退職の意思表示若しくはその申込みとしての効力を認めることはできないものというべきである。 また,本件メールの交信の後,原告とA若しくは他の被告会社の社員等との間で,原告の退職について,その条件が整ったか否か,時期は確定したのか否か等についてもやりとりがなされた形跡は一切ないのである(原告本人。 )一般に,労働者から辞めるとの意思表示がなされた場合,それが使用者に対する一方的な意思表示としての労働契約の解約の告知であると認めることができるのは極めて例外的な場合にとどまり,通常は,使用者の承認を得た上で継続的な契約である労働契約を円満に終了させる合意解約の申込みであると解す-3-ることが相当であるが,原告からの合意解約の申込みに対して被告からの承諾の意思表示にあたる対応,行為等は全くなされていない。したがって,本件メールの内容が仮に退職の意思表示(申込み)とし す-3-ることが相当であるが,原告からの合意解約の申込みに対して被告からの承諾の意思表示にあたる対応,行為等は全くなされていない。したがって,本件メールの内容が仮に退職の意思表示(申込み)として確定的に明確な内容を有しているとした場合でも合意解約の成立を認定することはできない。 ,, 以上のところから原告の退社は被告の解雇によるものと認めることができ解雇予告手当に関する要件を定めた労働基準法20条1項の規定に該当することとなり,原告の請求は理由があるので主文のとおり判決する。 東京簡易裁判所少額訴訟7係裁判官安田弘光

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