平成17(ハ)19961 時間外手当請求

裁判年月日・裁判所
平成18年6月21日 東京簡易裁判所 棄却
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判決文本文3,532 文字)

-1-平成18年6月21日判決言渡同日原本領収裁判所書記官平成17年(ハ)第19961号時間外手当請求事件平成18年5月31日口頭弁論終結判決原告X被告株式会社ソーエイ同訴訟代理人弁護士小澤富雄主文 原告の請求を棄却する。 訴訟費用は,原告の負担とする。 事実及び理由 第1請求 請求の趣旨被告は,原告に対し,79万8346円を支払え。 第2事案の概要 請求原因の要旨(1) 時間外手当【67万4710円】原告は,平成17年4月18日,被告との間で,平成17年4月から6月までは基本給36万円,同年7月から10月までは基本給40万円,諸手当月額1万9300円,毎月末日締め,翌月15日払いとの約定で雇用契約を締結したが,原告は,同年10月31日退職した。 ,,()。 この間原告は別紙超過勤務一覧表掲載省略のとおり労働している(2) 未消化の有給休暇2日分【3万3636円】1万6818円(1日分)×2日(3) 未払給与【9万円】-2-平成17年8月分から10月分まで,基本給40万円であるところ,37万円しか支給されていない。 被告の主張(1)請求棄却申立て(2)雇用契約日は,平成17年4月21日である。 ,,基本給については平成17年4月分は日割計算により13万8182円5月ないし10月は基本給36万円であり,諸手当額及び給与の支払時期は認める。 (3)時間外手当について原告は,以下の事実から明らかなように,労働基準法41条2号に該当する管理者であり,時間外労働の規定の適用を受けない労働者である。 ア原告は,被告が総務管理幹部を募集したところ,これに応募して採用された者である。 イ原告は,外部的にはマネージャーの肩書の名刺を使用し,また,会社内部 労働の規定の適用を受けない労働者である。 ア原告は,被告が総務管理幹部を募集したところ,これに応募して採用された者である。 イ原告は,外部的にはマネージャーの肩書の名刺を使用し,また,会社内部では,人事に関する年間スケジュールの立案作成等企画部門のスタッフであり,かつ,固定資産の管理等の主担当者として日常の職務を行うなど経営者と一体的立場にあって職務を遂行してきた。原告の仕事は,被告の専務から直接命ぜられ,その報告もすべて直接専務にしていた。 ウ原告は,被告に雇用された当初から1か月35万円から38万円の給与,「」。 の支給を受けており総支給額で言えば給与規定のB-1に該当する原告は,被告の給与規定の整備に関わってきた者であり,その過程で原告自身が作成した「位置分布シミュレーション」(乙7号証)では,原告は管理職である「Bー1」にランクされている。 なお,被告は原告に対し,平成17年9月以降,管理職手当に相当する手当金5万円を支給している。 (4)有給休暇の買取りについて-3-原告と被告は,平成17年4月21日に雇用契約を結んでおり,本来労働基準法39条により同年10月20日まで継続勤務しなければ有給休暇が与えられないのにもかかわらず,その前に有給休暇を取りたいとの申入れがあったので8日間の有給休暇を与えたものであって,未消化の2日を残して退職したからといってその分を金銭に換算して請求できるものではない。 (5)未払給与について平成17年8月分から10月分までの基本給が40万円であることは,否認する。 第3当裁判所の判断 時間外手当について時間外労働についての規定の適用が除外される労働基準法41条2号の「管理監督者」とは,労働条件の決定その他労務管理について経営者と一体的立場にあるものをいい,名称にとらわ 断 時間外手当について時間外労働についての規定の適用が除外される労働基準法41条2号の「管理監督者」とは,労働条件の決定その他労務管理について経営者と一体的立場にあるものをいい,名称にとらわれず実態に即して判断すべきであるとされているので,以下検討する。 (1)採用の経過証拠によれば,被告は,正社員40人,パート,アルバイトを含めると550人ほどの会社で,社長,専務らの役員のほか部長と課長が各1名いること,被告は原告を採用するにあたり,総務経理の責任者がC課長1名でそ,,の業務が膨大であっため総務の責任者の採用を希望していたことそのため「」,ハローワークへの求人票の職種欄に総務管理幹部と記載してあったこと原告も入社に際し「総務管理幹部」なる立場について被告に照会し「通常であれば部長である」という被告からの返事を得て被告に履歴書を送付した経緯があることが認められる。 原告が採用時に被告から渡された採用通知書(甲5号証)の職種欄には,「総務経理」とだけ記載され「総務管理幹部」という記載はないが,前記,の経緯に照らせば,原告が総務管理の幹部社員として採用されたことは明ら-4-かである。 そこで,さらに,採用後の実態が「管理監督者」に相応しいものであったかについて検討する。 (2)給与について証拠によれば,原告を採用した時の被告の求人票には「毎月の賃金,,」基本給20万円から30万円「役職手当」10万円から15万円と記載さ,れていたこと,被告の賃金規定では「役職手当は職務上,責任の重い管理的地位にある者に対し別に定める金額を支給する」とされていること,原告。 は平成17年5月から同年10月までの間,総額で35万円から37万円の給与の支払を受けていたこと,給与規定の見直し作業の中で検討された「給与規定(平成17 金額を支給する」とされていること,原告。 は平成17年5月から同年10月までの間,総額で35万円から37万円の給与の支払を受けていたこと,給与規定の見直し作業の中で検討された「給与規定(平成17年8月31日付けのもの)では総支給額が37万円の者」は管理職に位置づけられ,また,基準給の内訳として管理職手当が5万円とされていたこと,給与規定の見直しにより被告会社では,平成17年9月分から管理職手当として5万円が支給されるようになったこと,原告も9月以降この5万円の手当を受けていたこと,社員が給与上どのように位置づけられるかについて定めた「位置分布シミュレーション」の作成には原告も関与したこと,同シミュレーション上では原告は「管理者」に位置づけられていたこと,同原告は,在職中,時間外手当が支給されないことについて被告に異議を述べたことは一度もなかったこと,の各事実が認められる。 以上の事実によれば,原告は,平成17年9月以降は管理職手当の支給をを受け,また,それ以前も,被告会社の基準では管理職手当相当額を含むものとしての総支給額を受けていたものと認められる。 (3)職務内容について証拠によれば,求人票には仕事の内容として「総務・法務・人事関連の統括管理」と記載されていたこと,採用後,原告は総務の仕事を担当し,就業規則の整備,社会保険加入手続等に関することを主に行っていたこと,これ-5-らの仕事は社長や専務から命ぜられたものであったこと,被告会社ではほぼ毎朝8時から経営会議が開かれていたが,この会議に常時出席していた者は社長,専務,A部長,C課長と原告であったこと,の各事実が認められる。 以上の事実によれば,原告はいわゆる監督的な業務はしていなかったものの被告会社における総務の責任者としての仕事をしていたと認められる。 (4)勤務時 課長と原告であったこと,の各事実が認められる。 以上の事実によれば,原告はいわゆる監督的な業務はしていなかったものの被告会社における総務の責任者としての仕事をしていたと認められる。 (4)勤務時間証拠によれば,原告の勤務時間は9時から18時までで,原告もタイムカードによって勤務時間を管理されていたことが認められる。 (5)まとめ以上の事実を総合すると,原告は,勤務時間に関しては出退勤の自由はなかったものの,給与面や仕事内容で管理者としての処遇を受けていたと認められるから労働基準法41条2号の「管理監督者」にあたる。 有給休暇の買い取りについて原被告間の労働契約で,有給休暇の買い取りについて定めた事項はなく,かつ,C課長がそのような約束をしたと認めるに足りる証拠はない。 未払給与について甲3号証によれば,毎月の賃金が40万円から50万円との記載があるが,具体的に原被告間で平成17年7月分以降の基本給を40万円とする旨の合意をした事実を認めるに足りる証拠はない。 以上によれば,原告の請求はいずれも理由がない。 東京簡易裁判所民事第1室裁判官深田英夫

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