平成10(行コ)9 損害賠償等請求控訴事件

裁判年月日・裁判所
平成15年3月20日 札幌高等裁判所 棄却 札幌地方裁判所
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判決文本文14,297 文字)

主文 1 本件控訴をいずれも棄却する。 2 控訴人らの当審で拡張した請求をいずれも棄却する。 3 控訴費用は控訴人らの負担とする。 事実及び理由 第1 当事者の求めた裁判 1 控訴人ら(1) 原判決を取り消す。 (2) 被控訴人A,小樽市に対し,84億3288万円及びうち22億6977万5780円に対する平成8年12月20日から,うち43億6756万4220円に対する平成10年3月17日から,うち17億9554万円に対する平成15年1月20日から各支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 (なお,控訴人らは,当審において,上記のとおり請求を拡張した。)(3) 被控訴人小樽市長は,小樽市都市計画事業小樽築港駅周辺地区土地区画整理事業及び同関連事業に関し,公金を支出し,契約を締結若しくは履行し,債務その他の義務を負担してはならない。 (4) 訴訟費用は,第1,2審とも被控訴人らの負担とする。 2 被控訴人ら主文同旨第2 事案の概要次のとおり補正するほか,原判決「事実」の「二原告らの主張」及び「三被告らの主張」に記載されたとおりであるから,これを引用する。 1 原判決3頁末行の「被告」から同行末尾までを「被控訴人Aは,昭和六二年四月三〇日から平成一一年四月三〇日まで小樽市長の職にあったもので,Bは現在小樽市長の職にある。」と,4頁4行目から5行目にかけての「の合計六六億三七三四万円を支出した」を「、平成一三年度までに一七億九五五四万円の合計八四億三二八八万円を支出した」と,5頁6行目の「投じる」を「投じた」と改め,5頁7行目の「ものであり、」の次に「施行区域のインフラ整備による利益や土地の価値の増加が特定の私人や私法人に帰属する以上、」を加える。 を支出した」と,5頁6行目の「投じる」を「投じた」と改め,5頁7行目の「ものであり、」の次に「施行区域のインフラ整備による利益や土地の価値の増加が特定の私人や私法人に帰属する以上、」を加える。 2 同5頁8行目の次に改行して,次のとおり加える。 「 補助金は、一般的には公財政資金の負担を伴い、受ける者とそうでない者との公平が問題となり、しかも私企業の自己責任に基づく公正かつ自由な競争秩序と何らかの程度において対立関係に立つ。したがって、そのような犠牲を償うに足りるものでなければならない。このような視点からは、特定の事業活動への補助が公益上必要であるかどうかの判断基準として、次のようなものが考えられる。 ① 補助金支出の目的、趣旨② 他の行政支出目的との関連での当該補助金の目的の重要性・緊急性③ 補助が公益目的に適切かつ有効な効果を期待できるか④ 補助金を受ける個人または団体の性格(団体の場合には、目的・構成員・役員等の状況)、活動状況⑤ 他の用途に流用される危険がないか⑥ 支出手続、事後の検査体制等がきちんとしているか⑦ 目的違反、動機の不正、平等原則違反、比例原則(当該目的と補助の程度、補助を受けた者に期待する行動と補助の程度)違反など裁量権の濫用・逸脱にならないか」 3 同6頁4行目の「本件事業」の前に「被控訴人らは,」を加え,7頁10行目の「駅舎は、無償譲渡され」を「橋上駅として新設された駅舎は、JR北海道に無償譲渡され」と,10頁5行目の「公共負担率である」を「公共負担率であり、特定の営利企業に利益を与えるものとなっているから、本件事業の公益性は否定されるべきである」とそれぞれ改める。 4 同11頁1行目の「事業者の負担が増えている」を次のとおり改める。 「小樽市が負担する事業費の割合を増加させることになる。このよ から、本件事業の公益性は否定されるべきである」とそれぞれ改める。 4 同11頁1行目の「事業者の負担が増えている」を次のとおり改める。 「小樽市が負担する事業費の割合を増加させることになる。このようにして小樽市が負担することになった事業費は、小樽市の財政状況や他の喫緊の課題(市立病院の補修、建替え等)との比較において極めて膨大で、小樽市に過大な負担を負わせるものである」 5 同12頁7行目の次に改行して,次のとおり加える。 「③ 本件事業のような地方公共団体を施行者とする土地区画整理事業における土地評価は、単に保留地の算出の基準として問題になるのではなく、投じられる公共投資の額に影響をもたらすものとして、厳正に検討されなければならないものである。本件事業は、小樽築港ヤード跡地を高度商業地、住宅地に変えるものであり、港湾事業や都市計画事業等の関連事業と一体として行われたものであるから、これら関連事業による価値の増加を土地評価額に反映させなければならないのに、本件評価では、かえって区画整理前を高くし、区画整理後を安く評価したものである。 そして、その結果、本件事業に巨額の市費を投入して特定の地権者を利し、その反面においてその余の市民がその負担をかぶることになっているのであるから、そのような犠牲を償うに足りる公益上の必要性がなければならない。 ④ 本件事業の施行前後の土地評価において、小樽ベイシティ開発の投資や下水道事業等関連事業による増加を評価要因として考慮していないのは不当である。また、橋上駅化される小樽築港駅は、複合商業施設と一体として計画され、相互に有機的に関連するものとして建設され、本件事業の前後でその機能、性格が本質的に変化するのであるから、小樽築港駅の接近対象施設としてもたらす利益の大きさを本件事業の施行前後の土地評価において 、相互に有機的に関連するものとして建設され、本件事業の前後でその機能、性格が本質的に変化するのであるから、小樽築港駅の接近対象施設としてもたらす利益の大きさを本件事業の施行前後の土地評価において同一としている評価手法は、実質を反映していないものである。 ⑤ 本件換地計画は、区画整理評価額と固定資産税評価額の増進率を比較すれば、小樽ベイシティ開発及びJR北海道と秋津道路との間に前者に有利で後者に不利な、極端な不均衡・不公平があり、地権者間の「横の照応」を大きく欠く。 また、その結果、換地面積全体の約8割を占める小樽ベイシティ開発及びJR北海道に対し比率的に「水増し換地」をしたことになり、整理前後の「縦の照応」をも大きく欠く結果となっている。 かくして、土地区画整理評価と固定資産税評価の不整合を検討するだけでも、被控訴人による本件「換地計画」は、いわゆる「縦・横の照応」を大きく欠き、法89条1項が規定する「換地照応の原則」に違反する。」 6 同12頁末行の次に改行して,次のとおり加える。 「(6) 本件事業の公益性を判断するに当たっては、私的利益を受ける者とその反面の小樽市、小樽市民が受ける損害の軽重を比較して決すべきである。そして、小樽市の財政破綻、小樽市内の他の商店に与える壊滅的打撃、早急に着手すべき老朽化した市立病院、小中学校・文化施設の改築、補修等の福祉の後退等を考慮して判断すべきである。 (7) 本件事業は、大規模な本件事業地の用途変更であり、小樽市の都市構造そのものを大きく変える都市計画の変更決定にほかならない。したがって、小樽市は、都市計画に関する基本方針を定めた上、あらかじめ公聴会の開催等住民の意見を反映させるために必要な措置を講ずべきであった。しかしながら、本件事業においては、上記の手続が全くとられておらず、手 樽市は、都市計画に関する基本方針を定めた上、あらかじめ公聴会の開催等住民の意見を反映させるために必要な措置を講ずべきであった。しかしながら、本件事業においては、上記の手続が全くとられておらず、手続的瑕疵がある。」 7 同13頁2行目から3行目にかけての「施行しようとしている」を「施行した」と,6行目の「建設する計画である」を「建設した」とそれぞれ改める。 8 同14頁末行の次に改行して,次のとおり加える。 「(6) 法二条二項による「工作物の設置」は土地区画整理事業の付帯事業にふさわしいものに限定されるべきであり、駅舎建築の費用を土地区画整理事業費で賄うことは、同事業費を特定の地権者のために支出することを認めるもので、その財政処理に根本的に誤りがあることになるから、本件事業全体を違法とするものである。」 9 同15頁2行目の「無償譲渡される」を「無償譲渡された」と,16頁5行目の「除外されたが、」を「除外されたものの、その際国会において、」と,6行目の「を行っている」を「が行われている」とそれぞれ改める。 同16頁10行目の「認められないから」から同行末尾までを「認められないし、仮に、駅舎の無償譲渡について何らかの公益上の必要性が認められるとしても、被控訴人らは、有償譲渡の可能性あるいは費用の一部をJR北海道に負担させる努力を一切怠った状態でJR北海道に無償譲渡しており、再建法二四条二項の趣旨に反する。」と改め、18頁1行目の「権限について」の次に「は、本質的、根元的に代理になじまない行為であるから、」を加える。 11 同19頁9行目の「六六億三七三四万円」を「八四億三二八八万円」と改め,末行の「平成一〇年三月一七日から、」の次に「うち一七億九五五四万円に対する平成一五年一月二〇日から」を加える。 12 同 同19頁9行目の「六六億三七三四万円」を「八四億三二八八万円」と改め,末行の「平成一〇年三月一七日から、」の次に「うち一七億九五五四万円に対する平成一五年一月二〇日から」を加える。 12 同21頁3行目の次に改行して,「4 控訴人らの主張4の事実は認める。」を加え,4行目冒頭の「4」を「5」と,5行目の「主張1」を「主張2(一)」とそれぞれ改める。 13 同26頁10行目の「地方自治法二三二条の二に定める」を次のとおり改める。 「 地方自治法二三二条の二の「寄附又は補助」とは、一般に、私人、団体等に対してなされる反対給付を受けない無償の金銭的給付を指す。このような金銭的給付は、それが無限定に行われたならば、地方公共団体の財政の不健全さを招き、また私的活動に対する行政の不公正な介入あるいは不平等な取扱い等を生じさせる危険性があるので、法は、「公益上必要がある場合」という要件を設けているのである。控訴人らの主張2(一)(3)の支出は、小樽市が事業主体となり自ら施行する公共事業(土地区画整理事業)のための支出であって、上記「寄附又は補助」に該当しない。また、同支出は、小樽市の毎年度の予算において、市議会の議決を経て執行されているものであって、補助金とは全くその本質を異にする。 控訴人らは、本件事業は、施行区域における基盤整備による利益や土地の価額の増加が特定の私人や私法人に帰属する以上、補助金と同視できる旨主張するが、土地区画整理事業における公共施設の整備改善(法二条一項)とは、道路、河川、公園等の公共施設の整備そのものである。このような基盤整備自体、何ら特定人に対し特段の利益を得させるものではないから、補助金の交付と同視できるとはいえない。 仮に、本件事業につき地方自治法二三二条の二の規定が適用されるとしても、同条に定める」 盤整備自体、何ら特定人に対し特段の利益を得させるものではないから、補助金の交付と同視できるとはいえない。 仮に、本件事業につき地方自治法二三二条の二の規定が適用されるとしても、同条に定める」 14 同29頁7行目の「本件事業」の前に次のとおり加える。 「 土地区画整理事業における土地評価は、土地の売買の目的や課税のための評価とは異なり、土地区画整理事業により宅地の利用価値が施行前後でどのように変化するか、すなわち、宅地の利用価値の増進の度合を計測するためにある。したがって、土地の利用価値の変動が土地区画整理事業の施行以外の原因によって生じた場合にはこれを顧慮しないなど、取引市場における交換価値の把握を目的とし、個別的に評価する鑑定評価とは差異が生じるのは、むしろ当然のことである。土地評価は、事業の流れの中で大別すれば、保留地設定のため、減価補償金算定のため、換地設計における換地地積の計算のため及び清算金算定のためにそれぞれ必要となる。本件のような地方公共団体施行の土地区画整理事業においては、特に、保留地を設定するために土地評価を行う必要がある。すなわち、土地区画整理事業の事業計画書作成時にはその計画の概要において保留地の予定地積を、その資金計画書において事業費に充当する保留地処分金の概定をしなければならないことから土地評価を行うもので、施行前後の宅地価額の総額を求め、その差額を整理後宅地の平均単価で除することによって、保留地の予定地積を算定するものである。 そして、」同30頁2行目の「宅地価額は、」の次に「地価公示価額を参考にするとともに、不動産鑑定評価を行うことが一般的であるところ、本件事案においても、」と改める。 16 同30頁9行目の末尾に次のとおり加える。 「路線価式評価法は、街路に沿接する標準的な間口、形状を るとともに、不動産鑑定評価を行うことが一般的であるところ、本件事案においても、」と改める。 16 同30頁9行目の末尾に次のとおり加える。 「路線価式評価法は、街路に沿接する標準的な間口、形状を有する画地を想定してその単位面積当たりの価格を求め、これをその街路に付して路線価とし、その路線価をもとに、各評価対象画地の奥行きの長短、道路の位置関係、形状の不整等個別性による修正を行って評価する方法で、相続税、固定資産税の評価にも用いられている。この評価方法には、短期間に大量の土地の評価ができる、担当者による評価額の偏差を生ずることが少ない、多くの係数や計算図の組み合わせにより算定されるので、理論的・科学的であり、多数の関係者の理解を得やすい、施行前・後の土地の価格を同一時点で把握しやすいという長所がある。 その際、一般的な地価上昇の影響や社会的変化、さらには将来の発展に対する期待値などを除いた事業内要因のみを計測し、施行後路線価を求めた。控訴人らは、土地の評価額算定において、小樽築港駅の橋上化、複合商業施設の建設等の要因を考慮すべきである旨主張するが、小樽築港駅は整備水準の高い鉄道駅として生まれ変わるものの、通勤駅としての機能に何ら変りはなく、複合商業施設も、民間開発者の施設建設によって惹起されるものであるから、これを土地評価に反映させることは、本件事業で計画されていない他の要因による宅地の利用価値の増進による地価上昇を、事業施行地内の権利者に負担させることとなり、むしろ不適切な評価となるというべきである。」 17 同30頁末行の次に改行して、次のとおり加える。 「④ 以上の本件事業の土地評価が妥当であることは、路線価をもとに算定された施行前後の平均指数単価から増進率を求めることによって検証することができる。 すなわち、本件における して、次のとおり加える。 「④ 以上の本件事業の土地評価が妥当であることは、路線価をもとに算定された施行前後の平均指数単価から増進率を求めることによって検証することができる。 すなわち、本件における増進率は、「九四一・八四(施行後の平均指数単価)÷六一五・八二(整理前の平均単価)」の計算により、一・五三となるところ、この増進率は、全国における平均的な増進率や道内他地区(本地区と同様の駅周辺地区を含む。)との比較においても平均的なものとなっている。 ⑤ 控訴人らは、区画整理評価額と固定資産税の増進率の比較によって、本件事業はいわゆる「縦・横の照応」を欠き、「換地照応の原則に違反する旨主張する。 しかしながら、控訴人らは、本件事業計画の公告の日を基準として、その固定された日の前後を整理前、整理後とする区画整理評価額の増進率と、任意に、平成9年度を整理前、平成12年度を整理後とした、前者とは価額時点の全く異なる固定資産税額の増進率とを比較して立論しているもので、その主張は意味がなく、失当である。」 18 同31頁1行目の「2」を「2(二)」と改める。 19 同32頁4行目の末尾に次のとおり加える。 「駅舎自体は民間施設であるとしても、その機能は当該地域全体の機能性、発展性に極めて重要な役割を担っているのであり、地区の都市交通基盤の整備を主眼とする本件土地区画整理事業において、これを付帯事業として実施することは、何ら付帯事業の範囲を逸脱するものではない。」 20 同32頁7行目の「法七七条は」から9行目の末尾までを次のとおり改める。 「 法七七条は、土地区画整理事業の中で、施行区域内の建築物等が障害となり、それを移転、除去する必要があるとき、一定の場合に限って移転・除去できる権限を施行者に対して付与したものである。同条に基づき旧小 法七七条は、土地区画整理事業の中で、施行区域内の建築物等が障害となり、それを移転、除去する必要があるとき、一定の場合に限って移転・除去できる権限を施行者に対して付与したものである。同条に基づき旧小樽築港駅舎を建築物の移転として処理するためには、同条所定の様々な要件を満たす必要があり、施行者である小樽市が任意の判断でその適用の可否を決しうるものではない。旧小樽築港駅舎は、その要件を満たしておらず、同条によって建築物の移転として処理することは施行者としては元来不可能であった。」 21 同33頁4行目の「3」を「2(三)」と改める。 22 同34頁6行目から7行目までを次のとおり改める。 「 被控訴人小樽市は、平成一〇年一一月四日、本件事業によって建設された橋上駅舎(小樽築港駅)の引渡しを受けた。その後、同年一一月一八日、小樽市はJR北海道との間で、議会の議決を条件とする橋上駅舎の譲与仮契約を締結し、同年一二月二四日、小樽市議会で橋上駅舎譲与の議決がされたので、翌二五日、小樽市とJR北海道は、橋上駅舎譲与の正式契約を締結し、橋上駅舎の所有権は以上のとおり、適正な手続を経た上で、JR北海道に移転された。なお、JR北海道に無償譲渡されたのは、駅舎屋本体のみであり、これを鉄道駅として機能させるために、JR北海道は、その後関連施設、設備を自ら整備し、その費用として約六億二〇〇〇万円を費した。」 23 同34頁8行目の「4」を「2(四)」と改める。 24 同36頁5行目の末尾に「控訴人らは、審議会の委員は、公益の代表者として選出されるものである旨主張するが、上記のとおり、審議会の委員は、各地区内の地権者の中から選挙によって選ばれるのであるから、審議会においては、各地区内の地権者の立場で自由に意見を表明し得るものである。」を加える。 第3 当裁 するが、上記のとおり、審議会の委員は、各地区内の地権者の中から選挙によって選ばれるのであるから、審議会においては、各地区内の地権者の立場で自由に意見を表明し得るものである。」を加える。 第3 当裁判所の判断 1 当裁判所も,控訴人らの本訴請求はいずれも理由がないから棄却すべきものと判断する。その理由は,次のとおり補正するほか,原判決「理由」に説示されたとおりであるから,これを引用する。 (1) 原判決36頁末行の次に改行し,次のとおり加える。 「一控訴人らの主張4の事実(監査請求の前置)は、当事者間に争いがない。」(2) 同37頁1行目冒頭の「一」を「二」と,7行目の「一六」を「一八」とそれぞれ改める。 (3) 同38頁8行目の「小樽市は、」の次に「昭和五四年一〇月、市議会の議決を得て小樽市総合計画基本構想を定め、昭和五五年に前期一〇か年の基本計画を策定し、推進してきたところ、」を加え,同行の「平成元年」を「平成元年度」と改める。 (4) 同39頁末行の「観光促進」を「観光推進」と,同49頁10行目の「鉄道路線」を「鉄道線路」とそれぞれ改める。 (5) 同55頁4行目の「北海道開発庁」の前に「委員長、副委員長には学識経験者が就任したほかは、」を加える。 (6) 同62頁1行目の「平成五年年」を「平成五年」と改め,同68頁7行目の末尾の「等」を削除し,同70頁8行目の「自動車」を「自転車」と,同73頁8行目の「小樽市都市計画事業」を「小樽都市計画事業」と,9行目の「整理事業」を「整理補助事業の」とそれぞれ改める。 (7) 同86頁9行目冒頭の「二」を「三」と改める。 (8) 同88頁10行目から96頁2行目までを次のとおり改める。 「2 違法な補助金の支出(控訴人らの主張2(一))について(一) 控訴人ら ) 同86頁9行目冒頭の「二」を「三」と改める。 (8) 同88頁10行目から96頁2行目までを次のとおり改める。 「2 違法な補助金の支出(控訴人らの主張2(一))について(一) 控訴人らは、本件事業は、一私企業である小樽ベイシティ開発及びJR北海道の利益を図るため、土地区画整理法等を逸脱し、巨額の市費・国費を投じたものであり、企業が本来自ら行うべき営業施設等の整備・基盤整備等を、本件事業という手法をとって、公的資金を出捐させたものでり、実質的には、小樽ベイシティ開発及びJR北海道に対する補助であるから、地方自治法二三二条の二の適用を受け、公益上の必要がない本件事業に伴う公金の支出は違法となる旨主張する。 しかしながら、同条の「寄附又は補助」とは、私人、団体等に対してなされる反対給付を受けない無償の金銭的給付を指すところ、このような金銭的給付は、それが無限定に行われたならば、地方公共団体の財政の不健全さを招き、また私的活動に対する行政の不公正な介入あるいは不平等な取扱い等を生じさせる危険性があるので、法は、「公益上必要がある場合」という要件を設けたものと解される。そうすると、控訴人らの主張する被控訴人小樽市の本件事業に関する支出は、小樽市が事業主体となって自ら施行する公共事業(土地区画整理事業)のための支出であって、私人、団体等に対して無償で金銭的給付をするものではないから、上記「寄附又は補助」に該当しないと解するのが相当である。 また、控訴人らは、被控訴人小樽市の本件事業に関する支出は、企業が本来自ら行うべき営業施設等の整備、基盤整備等を本件事業という手法をとって、公的資金を出捐したものであり、施行区域のインフラ整備による利益や土地の価値の増加が特定の私人や私法人に帰属する以上、実質的には小樽ベイシティ開発及びJR北海道 整備等を本件事業という手法をとって、公的資金を出捐したものであり、施行区域のインフラ整備による利益や土地の価値の増加が特定の私人や私法人に帰属する以上、実質的には小樽ベイシティ開発及びJR北海道に対する補助である旨主張する。しかし、上記のとおり、本件事業に伴う公金の支出は、補助金とは性質を異にし、区画整理事業に伴う公金の支出として、小樽市の毎年度の予算において、現実に市議会の議決を経て執行されていることが認められる(弁論の全趣旨)のであるから、上記法が要求する「公益上の必要がある場合」という要件の実質的な判断、すなわち、上記支出が地方公共団体の財政の不健全さを招くか否か、私的活動に対する行政の不公正な介入等の危険性はないか等については、既に議会による審議を経て審査済みのものであるといわなければならない。 そして、地方自治体がこのような事業を行うか否か、あるいはどのような規模でこれを行うかは、当該自治体の政策的判断の問題であるといわなければならない。 したがって、控訴人らの、本件事業に伴う公金の支出は公益上の必要が認められないから違法な補助金の支出に当たるとする主張は、その前提を欠き、理由がない。 (二) ところで、控訴人らの主張2(一)(4)の「宅地の評価・保留地の確保について」不当性があるとの主張は、補助金を支出する場合の公益上の必要性がないことを基礎付ける事実としてだけでなく、本件事業自体の違法性をもたらす主張とも解し得ないわけではないので、当審における審理の経過に鑑み、この点について検討する。 土地区画整理事業における土地評価は、土地の売買の目的や課税のための評価とは異なり、土地区画整理事業により宅地の利用価値が施行前後でどのように変化するか、すなわち、宅地の利用価値の増進の度合を計測するためにある。そして、本件のよう 、土地の売買の目的や課税のための評価とは異なり、土地区画整理事業により宅地の利用価値が施行前後でどのように変化するか、すなわち、宅地の利用価値の増進の度合を計測するためにある。そして、本件のような地方公共団体施行の土地区画整理事業においては、特に、保留地を設定するために土地評価を行う必要がある。すなわち、土地区画整理事業の事業計画書作成時には保留地の予定地積及び事業費に充当する保留地処分金の概定をしなければならないことから土地評価を行うものであり、施行前後の宅地価額の総額を求め、その差額を整理後宅地の平均単価で除することによって、保留地の予定地積を算定するのである。 本件事業において、施行前の宅地価額(平均単価三万三五三〇円)は六星不動産鑑定株式会社の鑑定評価によって基準を求めたもので、施行後の宅地価額(平均単価五万一二四〇円)は建設省の監修する区画整理土地評価基準案に準じた土地評価基準による路線価評価法によって算出し、相続税路線価等と比較検証もされたものである(甲一二、乙一三ないし一六、三六、証人C)。また、その結果、増進率を算出すると、「九四一・八四(施行後の平均指数単価)÷六一五・八二(整理前の平均単価)」の計算により一・五三となるところ、この増進率は、全国における平均的な増進率や北海道内他地区(本地区と同様の駅周辺地区を含む。)との比較においても平均的なものとなっており、控訴人らが主張する評価の不当性をうかがわせるものとはなっていない。 したがって、控訴人らが主張する、本件事業の土地評価が、施行前の地価を高く評価し、施行後の地価を低く評価することによって、地権者の事業負担を軽くし、保留地の確保を減らして小樽市の事業負担を増やしているとし、以上のような評価は小樽ベイシティ開発の利益保護を目的とすることを認めることはできな 価を低く評価することによって、地権者の事業負担を軽くし、保留地の確保を減らして小樽市の事業負担を増やしているとし、以上のような評価は小樽ベイシティ開発の利益保護を目的とすることを認めることはできない。 控訴人らは、土地の評価額算定において、本件事業が港湾事業や都市計画事業等の関連事業と一体として行われていること、小樽築港駅の橋上化、複合商業施設の建設等の要因を考慮すべきである旨主張する。しかしながら、上記のとおり、土地区画整理事業における土地評価は、あくまで同事業により宅地の利用価値が施行前後でどのように変化するかを把握するためのものであるから、同事業外の要因である港湾事業や都市計画事業等の関連事業による価値の増加は考慮しないとするのが相当である。また、小樽築港駅は橋上駅として新築されたことにより、整備水準の高い鉄道駅として生まれ変わり、旧小樽築港駅には存在しなかった北側出口が設けられた(弁論の全趣旨)ものの、通勤駅としての機能自体にほぼ変わりはなく、土地の評価額に直ちに大きな影響を及ぼすものとは認められないから、上記橋上駅の新築を土地の評価額として考慮しなかったことを著しく不当とまでいうことはできない。さらに、複合商業施設については、民間開発者の施設建設によってもたらされるものであるから、これを土地評価に反映させることは適切ではなく、これを土地評価に反映させるとすれば、かえって、本件事業で計画されていない他の要因による宅地の利用価値の増進による地価上昇を、事業施行地内の地権者に負担させる結果にもなりかねず、妥当ではない。 甲183(Dの意見書)は、施行前の土地評価額を1平方メートル当たり2万0578円とし、施行後の商業地部分の土地評価額を18万9000円、住宅地部分の評価額を9万0300円とするのが相当とする(証人Dの証言も同 の意見書)は、施行前の土地評価額を1平方メートル当たり2万0578円とし、施行後の商業地部分の土地評価額を18万9000円、住宅地部分の評価額を9万0300円とするのが相当とする(証人Dの証言も同旨の意見である。)が、同意見書は、これまでに説示した当裁判所の見解と異なる前提にたって施行前後の土地価格を算定したものであって、採用できない。 また、控訴人らの主張する「換地照応の原則」違反の点は、控訴人らは、本件事業計画の公告の日(平成7年12月14日)を基準として、その固定された日の前後を整理前、整理後とする区画整理評価額の増進率(弁論の全趣旨)と、それとは別個に、平成9年度を整理前、平成12年度を整理後とした、前者とは評価時点の全く異なる固定資産税額の増進率(弁論の全趣旨)とを比較して立論しているものであって、その主張は客観性を欠き、失当であるといわなければならない。 以上検討のとおり,控訴人らの上記主張は、いずれも採用できない。」(9) 同96頁3行目から5行目から6行目にかけての「明らかであり」までを次のとおり改める。 「3 付帯事業の範囲の逸脱(控訴人らの主張2(二)について(一) 法二条二項は、土地区画整理事業の施行にかかる土地の利用促進のために必要な工作物その他の物件の設置を、土地区画整理事業にあわせて行うことができる旨規定しているところ、上記認定事実のとおり、旧小樽築港駅の場合、その鉄道線路に並行してその南側に国道五号線が走っており、駅前広場の用地がなく、本件事業の計画対象地区である駅北側の乗降口もなかったので、計画対象地区側から小樽築港駅を利用しようとすれば、駅舎を移設して必要な規模を確保するとともに駅の南北を結ぶ意味から駅舎を改築して橋上駅化すること、駅前広場及び歩行者動線を確保することなどが必要であることが指摘さ ら小樽築港駅を利用しようとすれば、駅舎を移設して必要な規模を確保するとともに駅の南北を結ぶ意味から駅舎を改築して橋上駅化すること、駅前広場及び歩行者動線を確保することなどが必要であることが指摘されていたのであるから」(10) 同97頁10行目の「法七七条」から末行の末尾までを次のとおり改める。 「法七七条は、土地区画整理事業の中で、施行区域内の建築物等が障害となり、それを移転、除去する必要があるとき、一定の場合に限って移転・除去できる権限を施行者に対して付与したものにすぎないから、本件事業に関して駅舎の移転を同条に基づいて行うべきであるとまではいえず、法七七条の規定は、法二条二項による付帯事業として駅舎を整備することを妨げるものとは認められない。」(11) 同98頁1行目から99頁6行目までを次のとおり改める。 「4 駅舎の無償譲渡(控訴人らの主張2(三)について)(一) 地方自治法九六条一項六号、二三七条二項、二三八条の五第一項等の規定により、地方公共団体が、議会の議決に基づき、その有する財産を無償で譲渡することが可能であることは、明らかである。そして、乙61ないし65及び弁論の全趣旨によって、小樽市議会において平成一〇年一二月二四日、本件事業によって建築された橋上駅舎(小樽築港駅)をJR北海道に対して譲与する旨の議決がされ、翌二五日、小樽市は、JR北海道との間で、橋上駅舎を譲与する旨の契約を締結したことが認められるから、橋上駅舎は、法律上の手続に則ってJR北海道に譲渡されたものというべきである。 したがって、建築された駅舎を無償譲渡することは、法に何らの規定がなく法が予定していないから違法であるとの控訴人らの主張は、理由がない。 (二) 控訴人らは、小樽築港駅舎のJR北海道に対する無償譲渡が再建法二四条二項 た駅舎を無償譲渡することは、法に何らの規定がなく法が予定していないから違法であるとの控訴人らの主張は、理由がない。 (二) 控訴人らは、小樽築港駅舎のJR北海道に対する無償譲渡が再建法二四条二項に違反する旨主張する。 しかしながら、いわゆる国鉄の分割民営化の過程で、国鉄自体が再建法二四条二項所定の寄付金等が禁止されている相手方から除外されるとともに、分割民営化されたいわゆるJR各社は同条項の規制対象とはならなかったことが明らかであるから、JR北海道に対する小樽築港駅舎の無償譲渡が同条項に違反するものではないというべきである。また、控訴人らが主張する国鉄民営化の際の国会における付帯決議及び自治省財政局長通知(甲9)も、同条項の趣旨に反する寄付等がJR各社に対してされることがないよう、自治体に慎重な対応を求めたものにすぎず、小樽築港駅舎の無償譲渡が同条項に違反し違法な寄付となると認め得るべき証拠はない。 また、本件において、小樽市から当時の自治省に対して上記無償譲渡の適否について問い合わせたのに対し、当時の自治省は、事前協議の必要がない旨回答をしていることが認められる(甲4、証人E、弁論の全趣旨)から、上記無償譲渡が、再建法二四条二項の趣旨や上記財政局長通知に反するとも認められない。」(12) 同99頁7行目の「代理出席」の次に「(控訴人らの主張2(四)」を加え,10行目から11行目にかけての「権利者の適正な意見を反映させるために」を「利害関係を有する地権者の意見を土地区画整理審議会を通じて区画整理事業に反映させるために」とそれぞれ改め,同100頁2行目の「法人について」の次に「は、法人の意見を表明することができる者が出席すれば足り、」を加える。 (13) 同100頁4行目から8行目までを次のとおり改める。 「 したがって、土地区画 00頁2行目の「法人について」の次に「は、法人の意見を表明することができる者が出席すれば足り、」を加える。 (13) 同100頁4行目から8行目までを次のとおり改める。 「 したがって、土地区画整理審議会において、法人の代理出席はできないという見解を前提として、本件事業の土地区画整理審議会の審議が不成立で、その決議が無効とする控訴人らの主張は、その前提となる見解を採用できないから、理由がない。」 2 よって,原判決は相当であって本件控訴はいずれも理由がなく,控訴人らが当審で拡張した請求も理由がないからこれらをいずれも棄却することとして,主文のとおり判決する。 札幌高等裁判所第3民事部裁判長裁判官坂本慶一裁判官甲斐哲彦裁判官石井浩

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