平成18(ワ)892 損害賠償請求事件

裁判年月日・裁判所
平成22年9月22日 岐阜地方裁判所 その他
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判決文本文109,114 文字)

平成22年9月22日判決言渡同日原本交付裁判所書記官平成18年(ワ)第892号損害賠償請求事件 主文 被告市は,原告に対し,10万円及びこれに対する平成18年12月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 原告の被告市に対するその余の請求及び被告議員らに対する請求を棄却する。 訴訟費用は,原告に生じた費用の200分の199,被告市に生じた費用の100分の99及び被告議員らに生じた費用全部を原告の負担とし,その余を被告市の負担とする。 この判決は,1項に限り仮に執行することができる。 事実及び理由 第1請求 被告らは,原告に対し,連帯して1000万円及びこれに対する平成18年12月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 第2事案の概要 原告は,発声障害を負った被告市の議員であったところ,被告議員ら28名が,平成15年から平成19年までの4年間にわたり,本会議や委員会において原告の求める第三者による代読等の方法による発言を認めず,原告の議会における表現の自由,発声障害を有する障害者の議会での発言方法を決定する自己決定権,平等権及び市議会議員としての参政権等を侵害したとして,被告議員らに対して民法709条,719条1項に基づき,被告市に対し国家賠償法1条1項に基づき,連帯して,慰謝料1000万円及びこれに対する平成18年12月1日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求めた事案である。 前提事実(当事者間に争いがないか,証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる。)(1)当事者等ア まで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求めた事案である。 前提事実(当事者間に争いがないか,証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる。)(1)当事者等ア原告は,平成11年4月から平成19年4月29日までの2期,8年の間,中津川市議会議員(以下,単に「議員」という。)の職にあった者であり,日本共産党に所属し,中津川市議会(以下,単に「市議会」という。)において日本共産党中津川市議団(以下「共産党市議団」という。)という会派に所属していた。 イ被告市は,議事機関として市議会を置く普通地方公共団体であり,市議会は,地方自治法109条の2に基づき,条例により,議会運営委員会を設置している。 市議会には,共産党市議団,市議会公明党,市民クラブ,市民ネット21,社民クラブ,新政会等の会派がある。(甲14,76,131)ウ被告議員ら(ア)被告議員らのうち,被告A1,同A2,同A3,同A4,同A5,同A6,同A7,同A8,同A9,同A10,同A11,同A12,同A13,同A14,同A15及び同A16は,平成15年から平成19年の間,市議会議員の職にあった者である。(各被告議員らについては,「被告A1議員」のようにいい,同姓の者については,「被告A7議員」のようにいう。)(イ)被告議員らのうち,被告A17議員,同A18議員,同A19議員,同A20議員,同A21議員,同A22議員,同A23議員,同A24議員,同A25議員,同A26議員,同A27議員,同A28議員(以下,12名併せて「被告A17ら」という。)は,旧岐阜県恵那郡北部町村の各町村議会議員の職にあった者であり,各町村が,平成17年2月28日に市町村合併により中津川市に合併されたことにより,市議会 以下,12名併せて「被告A17ら」という。)は,旧岐阜県恵那郡北部町村の各町村議会議員の職にあった者であり,各町村が,平成17年2月28日に市町村合併により中津川市に合併されたことにより,市議会議員の職に就き,同日から平成19年4月までの間,市議会議員の職にあった者である。 (ウ)被告A10議員は,平成17年5月18日から平成19年3月までの間,市議会の議会運営委員会委員長(以下「委員長」といい,同委員会の委員を単に「委員」ともいう。)の職にあった者である。(各被告議員らが,議長等の役職に就いており,同役職として言動を行った場合には,「被告A10議長」,「被告A10委員長」,「被告A10委員」のようにいう。)(エ)被告A14議員は,平成13年5月23日から平成14年5月22日まで議会運営委員会副委員長(以下「副委員長」という。),平成14年5月24日から平成15年4月29日まで副議長,平成15年5月16日から平成17年5月17日までの委員長,平成18年5月18日から平成19年4月29日まで副委員長の職にあった者である。 (乙ロ17)(オ)被告A23議員は,平成18年4月ころから平成19年3月ころまでの間,市議会の議長の職にあった者である。 (カ)被告A3議員は,平成16年5月24日から平成17年5月17日までの間,副委員長の職にあった者である。 エa(以下「a議長」又は「a議員」という。)は,平成16年ころから平成18年3月ころまでの間,議長の職にあった者である。 オb,c及びd(以下,それぞれ「b議員」,「b委員」のようにいう。)は,平成14年から平成19年までの間,市議会議員の職にあった者であり,b議員及びc議員は,原告と同一会派である共産党市議団 オb,c及びd(以下,それぞれ「b議員」,「b委員」のようにいう。)は,平成14年から平成19年までの間,市議会議員の職にあった者であり,b議員及びc議員は,原告と同一会派である共産党市議団に所属していた者であり,d 議員は,市民ネット21に所属していた者である。 (甲131)(2)他の地方議会における障害を有する議員の議員活動保障の状況ア鎌倉市議会(甲33の2,甲85,98の1ないし4) 鎌倉市議会議員であるe(以下「e議員」という。)は,重度の脳性麻痺のため,全身麻痺の重度障害者でアテトーゼを伴っており,両手と右足が不自由で,かろうじて左足の指先は動かすことができるという状態であり,字を書くことはできず,発声については不明瞭で理解が難しい状態であるため,左足の指先で文字を指差すことで意思疎通を図っている状態である。 e議員は,当選後の平成13年5月1日に,議場内外を問わず,他の健常者議員と格差なく生活し,議員としての職務を果たすことに必要であるとして,週40時間以上の介助者を嘱託職員として雇用し,市費で賄うこと,及び,言葉を理解し,意思疎通ができる者が求められるので,介助者の人選はe議員にゆだねることを書面で要望した。同書面には,「言語障害のバリアフリーはハードのバリアフリーより人的な介助がもっとも有効である。」とも記載されていた。 鎌倉市議会は,各派代表者会議で検討した結果,地方自治法及び鎌倉市議会会議規則に基く発案権や表決権等の議員の公務における公的な権利行使は,当然尊重すべきとし,議会の会議が開催される本会議場及び委員会室内における議員としての権利行使,議員の公務出張及び市議会主催の公的行事については,議員活動の権利行使を保障するために,介助す 行使は,当然尊重すべきとし,議会の会議が開催される本会議場及び委員会室内における議員としての権利行使,議員の公務出張及び市議会主催の公的行事については,議員活動の権利行使を保障するために,介助することとし,本会議場及び委員会室内では,一般市民による介助対応はすべきでないとして,同市議会事務局職員が介助することと申し合わせた。 上記申し合わせにより,e議員は,平成13年5月15日から少なくとも平成17年6月22日まで,鎌倉市議会事務局職員が代読を行う方法により一般質問を行っており,再質問を行う場合は,議長が会議を休憩し,その間に,同議員が左足で音声キーボードを押して音声を発し,事務局職員がこれを聴き取った上で書き取り,同議員が確認の上,同職員がこれを代読するという方法によっている。 イ静岡市議会(甲34の2) 平成15年4月1日に旧清水市と合併する前の静岡市(旧静岡市)議会において,平成14年6月定例会から平成15年2月定例会まで,合併後の静岡市議会において,平成15年4月臨時会から平成17年3月末の任期終了前の同年2月定例会まで,本会議及び委員会で,パソコンによる音声変換の方法により発言をしている議員が存在した。 上記議員は,旧静岡市議会議員の任期途中に声帯切除をしたことにより,同議員の所属する会派選出の議会運営委員が,議会運営委員会において,「当該議員が手術により発声しにくいことから,本会議,常任委員会,特別委員会の会議でのパソコンのソフトを利用した代替音声システムの使用をお願いしたい。」との申し入れがあり,異議なく受け入れられた。 ウ岐阜県恵那郡蛭川村(以下「蛭川村」という。)村議会(甲36の1ないし甲36の4) 蛭川村村議会のう をお願いしたい。」との申し入れがあり,異議なく受け入れられた。 ウ岐阜県恵那郡蛭川村(以下「蛭川村」という。)村議会(甲36の1ないし甲36の4) 蛭川村村議会のうち,平成10年9月16日から同月25日まで開催された同年第3回定例会(甲36の1),同年12月15日から同月21日まで開催された同年第4回定例会(甲36の2),平成11年3月9日から同月19日まで開催された同年第1回定例会(甲36の3)及び同年12月15日から同月22日まで開催された同年第4回定例会(甲36の4)において,同村議会議員fは,同村議会事務局職員による代読の方法で,一般質問を行っていた。 エ岡崎市議会(甲35) 岡崎市議会議員gは,平成12年9月定例会において,病気が原因で発言が不自由であるため,同市議会事務局職員による代読の方法で発言を行い,一般質問を行っていた。 関連法令等(1)平成18年6月7日法律第53号による改正前の地方自治法(以下「法」という。)104条(議長の権限)普通地方公共団体の議会の議長は,議場の秩序を保持し,議事を整理し,議会の事務を統理し,議会を代表する。 105条(委員会への出席発言権) 普通地方公共団体の議会の議長は,委員会に出席し,発言することができる。 109条の2(議会運営委員会)1項普通地方公共団体の議会は,条例で議会運営委員会を置くことができる。 2項議会運営委員は,会期の始めに議会において選任し,条例に特別の定めがある場合を除くほか,議員の任期中在任する。 3項議会運営委員会は,次に掲げる事項に関する調査を行い,議案,陳情等を審 運営委員は,会期の始めに議会において選任し,条例に特別の定めがある場合を除くほか,議員の任期中在任する。 3項議会運営委員会は,次に掲げる事項に関する調査を行い,議案,陳情等を審査する。 1号議会の運営に関する事項2号議会の会議規則,委員会に関する条例等に関する事項3号議長の諮問に関する事項4項前条第4項から第6項までの規定は,議会運営委員会について準用する。 109条(常任委員会)1項ないし3項略 4項常任委員会は,予算その他重要な議案,陳情等について公聴会を開き,真に利害関係を有する者又は学識経験を有する者等から意見を聴くことができる。 5項常任委員会は,当該普通地方公共団体の事務に関する調査又は審査のため必要があると認めるときは,参考人の出頭を求め,その意見を聴くことができる。 6項常任委員会は,議会の議決により付議された特定の事件については,閉会中も,なお,これを審査することができる。 (2)中津川市議会委員会条例(乙イ1)4条(議会運営委員会の設置)1項議会に議会運営委員会を置く。 2項以下略18条(傍聴の取扱)1項委員会は議員のほか委員長の許可を得た者が傍聴することができる。 2項委員長は必要があると認めるときは,傍聴人の退場を命ずることができる。 (3)中津川市議会会議規則(以下「会議規則」という。) 47条(発言の許可等)1項発言は,すべて ると認めるときは,傍聴人の退場を命ずることができる。 (3)中津川市議会会議規則(以下「会議規則」という。) 47条(発言の許可等)1項発言は,すべて議長の許可を得た後,登壇してしなければならない。ただし,簡易な事項については,議席で発言することができる。 2項略48条(発言の通告及び順序)1項会議において発言しようとする者は,あらかじめ議長に発言通告書を提出しなければならない。ただし,議事進行及び一身上の弁明等についてはこの限りでない。 2項略3項発言の順序は,議長が定める。 4項略53条(質疑の回数) 質疑は,同一議員につき,同一議題について2回を超えることができない。ただし,特に議長の許可を得たときは,この限りでない。 54条(発言時間の制限)1項議長は,必要があると認めるときは,あらかじめ発言時間を制限することができる。 2項略59条(一般質問)1項議員は,市の一般事務について議長の許可を得て質問することができる。 2項質問者は,議長の定めた期間内に,議長にその要旨を文書で通告しなければならない。 61条(準用規定) 質問については,第53条(質疑の回数)及び第57条(質疑,討論の省略又は終結)の規定を準用する。 66条(委員の発言) 委員は,議題について自由に質疑し及び意見を述べることができる。 ただし,委員会において別 条(質疑,討論の省略又は終結)の規定を準用する。 66条(委員の発言) 委員は,議題について自由に質疑し及び意見を述べることができる。 ただし,委員会において別に発言の方法を決めたときは,この限りでない。 67条(委員外議員の発言)1項委員会は,審査又は調査中の事件について,必要があると認めるときは,委員でない議員に対し,その出席を求めて説明又は意見を聞くことができる。 2項委員会は,委員でない議員から発言の申し出があったときは,その許否を決める。 (4)中津川市議会議事運営要綱(乙ロ4)第4一般質問について(1)一般質問の順序は,多数会派からとし,同数の場合は協議のうえ決定し,輪番制により行うものとする。 (2)略(3)質問時間は,当初質問(壇上)40分以内,再質問(自席)10分以内の持ち時間で行うものとする。 (4)再質問は,答弁に対する質問とする。 (5)略第5討論及び質疑について(1)討論の通告は,直前開催の議会運営委員会終了までに発言通告書を提出することとする。但し,緊急やむを得ない場合は,議会運営委員会正副委員長で協議する。 (2)討論及び質疑の発言時間は,1人10分程度とする。 第6委員会の運営について(1)ないし(3)略(4)正・副議長は,委員会へ出席するものとする。 (5)ないし(7)略(8)委員会における発言は,委員長の許可を得て行うものとする。 (4)正・副議長は,委員会へ出席するものとする。 (5)ないし(7)略(8)委員会における発言は,委員長の許可を得て行うものとする。 (9)ないし(11)略(12)委員会傍聴はモニターによるものとし,委員長の許可を得た者が傍聴することができるが,許可に当たっては,以下(13)から(15)の事項に留意するものとする。 (13)傍聴の申し出は,文書をもって委員会開催前日の午後5時までに提出するものとし,委員長は締切り後,可否を決定し通知するものとする。但し,前日が休日の場合は,その前日までとする。 (14),(15)略第8陳情の取扱いについて(1)陳情は,本会議初日前の議会運営委員会で付託について協議をするものとする。 (2)付託された陳情は,委員会の審査のみ行い,陳情者に報告するものとする。 (5)議会運営委員会に関する申し合わせ(乙ロ4) 委員会の構成 委員会は,所属議員2人以上の会派から選出する委員をもって構成する。 正副議長の出席 正副議長は,委員会に出席するものとする。 委員に事故あるときの取扱い 委員に事故あるときは,当該会派から委員外議員として出席できるものとする。 委員会の意思決定 委員会の意思決定に当たっては,全会は一致を基本として協議調整に努めることとし,決定事項については,各会派においてこれを遵守するものとする。 (6)中津川市議会の運営に関する慣習議長は,議事進 っては,全会は一致を基本として協議調整に努めることとし,決定事項については,各会派においてこれを遵守するものとする。 (6)中津川市議会の運営に関する慣習議長は,議事進行権の行使にあたり,議会運営委員会に諮り,同委員会の決定に従って議事を進行するという慣習が存在した。(弁論の全趣旨)第3争点及び争点についての当事者の主張 争点 (1)本件訴えの適法性の存否(本案前の主張)(2)原告は,被告議員らの加害行為及び被告市の不作為により,違法に自己決定権等を侵害されたか。 (3)被告議員らの不法行為責任の成否(4)原告に生じた損害の有無,程度 争点1(本件訴えの適法性の存否(本案前の主張))について(被告らの主張)(1)地方議会は,地方公共団体の重要な案件に対する審議議決機関であり,憲法が定める議会制民主主義の理念及び住民自治という地方自治の本旨から当然に,同議会における議事運営については議会の自主性,自律性が尊重されなければならない。 地方自治法は,議会が自律的に行為,判断をし,議会の運営に関して議会の自主性を尊重する目的で,109条の2において「条例において議会運営委員会を設置することができる。」と規定しており,議員に対して,その身分を奪うが如き処置についてはともかく,議員の発言の手段,方法はもちろんのこと,委員会及び本会議における議事進行について広く議会の自主性に委ねられているのであって,司法審査の対象とはならない。 (2)原告は,被告議員らが議案に対する反対票を投じたことも一連一体の加害行為を構成すると主張するが,その当否について司法審査が及ぶとすれば,被告議員らの内心の自由及び政治的意思表明の自由に対する侵害となる。 (原告の主張) する反対票を投じたことも一連一体の加害行為を構成すると主張するが,その当否について司法審査が及ぶとすれば,被告議員らの内心の自由及び政治的意思表明の自由に対する侵害となる。 (原告の主張) 自律的法規範を持つ社会又は団体の内部の問題に司法審査が及ばない場合があるとしても,それは,一般市民法秩序と直接の関係を有しない内部的な問題にとどまる場合に限定される。 原告は,被告議員らによる一連の加害行為により,一市民として,また市民の代表としての表現の自由を侵害され,障害者が代替手段を自ら選ぶ権利,すなわち自らのあり方を決める権利(自己決定権)をも侵害された。被告議員らによるこれらの行為は,同時に,議員の自由な発言を前提とする議会制民主主義を脅かす行為であり,また市民の知る権利を侵害する行為でもある。 したがって,本件の被告らの行為が,一般市民法秩序と直接の関係を有しない内部的問題などとは到底いえず,司法審査が及ぶことが明らかである。 争点2(原告の自己決定権等に対する違法な侵害行為の有無)について(原告の主張) 原告は,被告議員らの行った,原告の求める代読という発言方法を認めず,音声変換装置を用いた発言方法を強制するという一連の発言妨害行為及び被告議員らで構成する市議会が原告が代読により発言する方法を講じないという不作為により,平成15年から平成19年までの約4年間,議会において一般質問をすることや各種委員会において発言することができなかった。被告らの一連の発言妨害行為及び市議会の不作為は,原告の自己決定権等を侵害するもので,憲法13条,14条1項,21条,市民的及び政治的権利に関する国際規約(以下「自由権規約」という。)19条2項,障害者の権利に関する条約(以下「障害者権利条約」という。 己決定権等を侵害するもので,憲法13条,14条1項,21条,市民的及び政治的権利に関する国際規約(以下「自由権規約」という。)19条2項,障害者の権利に関する条約(以下「障害者権利条約」という。)21条,障害者基本法3条1項,2項に違反し,国家賠償法1条1項の違法な加害行為又は民法709条の不法行為を構成する。 (1)被侵害利益ア障害者の障害補助手段についての自己決定権 障害者は,社会生活を営むため自己の障害を補完する補助手段を自ら選択する権利(自己決定権)を有している。これは,障害者の人格的生存に直結する重大な利益であり,憲法13条により保障され,同権利は,障害者基本法3条により具体的権利として保障されている。 (ア)障害者にとって生きることに直結する利益であること 障害者が,社会で生き,社会に主体的に参加していくためには,その障害を補う必要があり,何らかの補助手段を利用しなければならず,補助手段は,その時々の社会の条件により,いくつかの限られたものしかないため,健常者が生きる上で数多くの手段の中から意識的あるいは無意識的に選択しているのに対し,障害者は,限られた手段の中から意識的に選択していかざるを得ない。また,障害者は,障害を補完するために様々な工夫を凝らしており,そうすることでようやく生活することができるのであり,障害者の意見を無視して障害補助手段を強要されると,障害者は生きる希望を失い,人間らしく生きることができなくなってしまう。 したがって,障害者にとって,障害補助手段を選択することは生きることにも直結する重大事なのであり,人格的生存に不可欠であるといえる。 (イ)原告にとっての代読という表現手段選択の必要性 がって,障害者にとって,障害補助手段を選択することは生きることにも直結する重大事なのであり,人格的生存に不可欠であるといえる。 (イ)原告にとっての代読という表現手段選択の必要性 原告は,発声障害を有する者として2期目の選挙戦を戦う中,選挙演説を自分の息子や娘,支援者らに代読してもらい,人の声で話してもらうことで,あたかも自分の分身が話しているような感覚になり,代読による発言の良さ,すばらしさを実感した。人に自分の思いを伝えるためには,その言葉の意味内容だけではなく,言葉と言葉の間や声の調子,話し手の感情など,非言語的な要素が不可欠であるから,原告は,市議会においても,機械の音声ではなく人の声で発言をしたいという気持ちが強くなったのであり,原告のそのような思いも,障害者であっても人間らしくありたいという切実な願いなのである。 (ウ)社会的に見ても個人の自律的決定に委ねられてきた利益であることa障害者の権利確立の運動 昭和35年ころまでの障害者を巡る議論は,障害者を権利の主体ではなく保護の客体として捉えて進められてきたが,昭和35年ころ,このような従来の障害者観に異議を唱える形で,ヨーロッパでは,ノーマライゼーション運動が発展し,障害者であっても健常者が通常送る生活リズムやライフサイクルが確保されるべきだと考えられるに至った。また,アメリカでも自立支援運動が展開され,真の自立とは経済的自立や物理的自立ではなく,障害者の自己決定と生活の質を基礎にしたものであるべきだと考えられた。 これら二つの運動は,いずれも障害者に自ら障害補助手段を選ぶ自由があることを前提としており,障害者の自己決定の重要性を再認識するも 基礎にしたものであるべきだと考えられた。 これら二つの運動は,いずれも障害者に自ら障害補助手段を選ぶ自由があることを前提としており,障害者の自己決定の重要性を再認識するものであった。このように,二つの異なる運動のいずれもが,自己決定の許されない社会の不当性に目を向けたということは,障害者が自ら障害補助手段を選択することは障害者が人間らしく生きるために欠かすことのできない重大な利益であることを裏付けるものである。 b障害者の自己決定権の尊重は各法規の前提であること 上記の障害者運動の歴史の成果は,国際法上はもとより我が国の国内法上も制度として取り入れられており,障害補助手段を選択する自由は,もはや国際的にはもちろん,我が国の制度上も当然のこととされている。 昭和50年に障害者権利宣言が国連で採択され,その後我が国でも,平成5年に障害者基本法が制定され,これこれに基づき障害者基本計画が作成されるなど,障害者の自己決定を前提とした制度が制定されてきた。 これらの流れに加え,以下で詳述する国際社会や我が国の立法,行政の動向からすると,原告が主張する自己決定権は,社会が当然に障害者の自律的決定に委ねた利益である。 c障害者基本法の改正 障害者を取り巻く社会経済情勢の変化等に対応し,障害者の自立と社会参加の一層の促進を図るため,障害者基本法は,平成16年6月4日に大幅に改正された。 この改正により,改正前の障害者基本法6条は削除された。 同条は,1項において「障害者は,その有する能力を活用することにより,進んで社会経済活動に参加す この改正により,改正前の障害者基本法6条は削除された。 同条は,1項において「障害者は,その有する能力を活用することにより,進んで社会経済活動に参加するよう努めなければならない。」と定め,2項において「障害者の家庭にあっては,障害者の自立の促進に努めなければならない。」と規定していたが,そもそも,誰でも一市民として義務と権利を持っているのは当然であり,障害者だからとして,あるいは,障害者の家族だからとして,それ以上の義務や権利を持つものではなく,障害者やその家族の義務を法律に規定するのは不適切であるとして削除されたものである。 こうして,障害者が普通の市民として,普通の努力をすることによって社会参加できるような社会こそ我々の目指すべき社会であるという考え方が国会の承認するところとなった。 d障害者権利条約の成立 これまでの障害者の人権に関する運動の集大成ともいうべき障害者権利条約が平成18年12月に国連で採択された。 同条約では,「固有の尊厳,個人の自律(自ら選択する自由を含む。)及び個人の自立を尊重すること」が原則とされ(3条(a)),「障害を理由とするあらゆる差別」が禁止され(5条2項),締約国に対して,「障害者が,自らの選択する方法で,自らの選択する時に,かつ,妥当な費用で個人的に移動することを容易にすること」及び「障害者が質の高い移動補助具,装置,支援技術,生活支援及び仲介する者を利用することを容易にすること(これらを妥当な費用で利用可能なものとすることを含む。)」を求めており,特に,21条では,締約国は「表現及び意見の自由(他の者と平等に情報及び考えを求め,受け,及び伝える自由 ことを容易にすること(これらを妥当な費用で利用可能なものとすることを含む。)」を求めており,特に,21条では,締約国は「表現及び意見の自由(他の者と平等に情報及び考えを求め,受け,及び伝える自由を含む。)についての権利を行使することを確保するためのすべての適当な措置をとる」と規定され,締約国がかかる措置をするために,「公的な活動において,手話,点字,補助的及び代替的な意思疎通並びに障害者が自ら選択する他のすべての利用可能な意思疎通の手段,形態及び様式を用いることを受け入れ,及び容易にすること」を行うこととされている(21条(b))。 同条約の制定過程では,この条約が既存の人権条約では保障されていない「新しい人権」を創るものではないということが再三確認されており,上記の規定は,障害補助手段の選択を現実に保障するために,特に移動手段やコミュニケーションについて締約国に措置義務を課したものである。 障害者が障害補助手段を選択する権利については,すでに障害者権利宣言が採択されたときから国際社会では当然のこととされており,これを現実の社会の中で保障するためにこのような規定が障害者権利条約に盛り込まれたのである。 e障がい者制度改革推進会議の設置 障がい者制度改革推進本部が内閣に設置されることが平成21年12月8日に閣議決定された。 同本部は,障害者権利条約の締結に必要な国内法の整備を始めとする我が国の障害者に係る制度の集中的な改革を行い,関係行政機関相互間の緊密な連携を確保しつつ,障害者施策の総合的かつ効果的な推進を図るため,当面5年を障害者の制度に係る改革の集中期間と位置付けられ,障害者のことは障害者で決めるというこ 革を行い,関係行政機関相互間の緊密な連携を確保しつつ,障害者施策の総合的かつ効果的な推進を図るため,当面5年を障害者の制度に係る改革の集中期間と位置付けられ,障害者のことは障害者で決めるということを実現するため,構成員24人のうち14人を障害者団体の有識者(障害当事者とその家族)から選出しており,改革の推進に関する総合調整,改革推進の基本的な方針の案の作成及び推進並びに法令等における「障害」の表記の在り方に関する検討等を行うこととされている。 本部における審議は未だ基本方針案の策定に至っていないが,障害者議員の自己決定をより広く認めるような方向で討議がされている。平成22年3月19日開催の推進会議は,障害者の政治参加に関して討議しており,発声障害をもつ議員に代読により発言するのか否か選択する自由が保障されるということは,当然のこととして認識されていた。 f障害者基本法による具体的保障 障害者基本法3条の第1項は,「すべて障害者は,個人の尊厳が重んぜられ,その尊厳にふさわしい生活を保障される権利を有する。」と規定し,同条第2項は,「すべて障害者は,社会を構成する一員として社会,経済,文化その他あらゆる分野の活動に参加する機会が与えられる。」と規定しており,障害者の有する自己決定権は,同法により具体的権利として保障されている。 (エ)以上によれば,発声障害を有する障害者である原告が,市議会議員として議会における発言方法として代読という方法を選択する権利もまた原告の人格的生存に不可欠な利益であって,憲法13条,障害者基本法3条1項,2項により保障されているといえる。 イ障害を有する地方議会議員の議会における表現の自由(ア) もまた原告の人格的生存に不可欠な利益であって,憲法13条,障害者基本法3条1項,2項により保障されているといえる。 イ障害を有する地方議会議員の議会における表現の自由(ア)憲法上の保障 地方議会議員は住民の直接選挙により選出された代表者であり,憲法上,議員が議会において発言することは当然に保障されており,この発言は,政治的言論の最たるもので,民主主義の実現,運営に不可欠のものであるから憲法21条1項により保障される。 さらに,憲法21条は,「一切の表現の自由」と規定し,自己の意思を外界へ表現する手段又は方法を決定する自由をも当然に保障していると解すべきである。特に,意思表出手段に障害を持つ者にとっては,表現内容のみならず,表現手段をも保障しなければ,表現活動そのものが否定されることになる。 (イ)自由権規約及び障害者権利条約による保障 このことは,自由権規約19条2項が,「自ら選択する他の方法」で「あらゆる種類の情報及び考えを」「伝える自由」を保障しており,同規約の解釈指針というべき障害者権利条約が,21条において,障害者が,「第2条に定めるあらゆる形態の意思疎通」であって,「自ら選択するもの」により,表現する自由(他の者と平等に情報及び考えを求め,受け,及び伝える自由を含む。)についての権利を保障しており,同条約は,特に,「公的な活動」において,「障害者が自ら選択するすべての利用可能な意思疎通の手段,形態及び様式を用いることを受け入れ,及び容易にすること」を求めていることからも明らかである。 (ウ)したがって,議員であった原告が,市議会において代読の方法により発言する権利は,憲法21条1項,自由権規約19条2項 ,及び容易にすること」を求めていることからも明らかである。 (ウ)したがって,議員であった原告が,市議会において代読の方法により発言する権利は,憲法21条1項,自由権規約19条2項の保障する表現の自由によって保障されている。 ウ障害者の参政権 国民は,国民主権の原理から,当然に政治に参加する権利(参政権)を有し,憲法が国や地方自治体において議会制民主主義を採用している(憲法前文,93条)ことから,同権利には,国民が国民又は住民の代表者である議員を選挙する権利や立候補する権利,さらには,国民又は住民の信託に応えるための議員活動を行う権利も含まれる。議員活動を行う権利の中でも,議員が議会で発言する権利は多様な意見を国会又は地方議会での審議に反映するため,最大限尊重されなければならず,発言内容が議員に委ねられるだけでなく,発言の方法や手段についても可能な限り議員の希望する方法が尊重されなければならない。 特に,様々な障害を抱える議員に対しては,障害が様々であるから,その議員の希望する方法や手段が尊重されなければ,その議員が議員として住民から信託された議員としての発言権を行使するという参政権を行使することができなくなるので,健常者の議員よりも一層その希望が尊重されなければならない。 エ障害者の平等権 憲法14条1項にいう「平等」とは実質的な平等を意味し,国民各自における身体的,肉体的,社会的条件に基づく相違に対しては,当該差違に応じた合理的差別を許容するのみならず,進んで当該差違に応じた合理的差別的取扱いを命ずる原理でもあるから,発声障害を有する議員が,他の議員に保障されている発言権を通常の方法によっては行使し得ない場合,これに代わる手段を議会の側が提供する んで当該差違に応じた合理的差別的取扱いを命ずる原理でもあるから,発声障害を有する議員が,他の議員に保障されている発言権を通常の方法によっては行使し得ない場合,これに代わる手段を議会の側が提供することは,憲法14条1項によって当然に要求されているのである。 障害者基本法3条1項は,「すべて障害者は,個人の尊厳が重んぜられ,その尊厳にふさわしい生活を保障される権利を有する。」として障害者の人権保障を確認し,同条2項は,「すべて障害者は,社会を構成する一員として社会,経済,文化その他あらゆる分野の活動に参加する機会が与えられる。」と規定して障害者の社会参加を保障し,同条3項は,「何人も,障害者に対して,障害を理由として,差別することその他の権利利益を侵害する行為をしてはならない。」と規定し,障害を理由とする差別を禁止している。 このように,障害を理由として差別されない権利は,憲法14条1項により保障され,障害者基本法3条により権利の内容が具体化されている。 原告は,議員であり,市議会という社会を構成する一員であったのであるから,憲法14条1項,障害者基本法3条により,議員として,その地位にふさわしく議会活動に参加する機会が与えられ,他の議員らから発声障害を理由として差別されない権利を有していたものである。 (2)被告らによる加害行為は原告の権利,利益に対する違法な侵害であること 被告議員らによる加害行為は次のとおりであり,各加害行為は,原告の希望する発言方法を決して認めないという1つの加害意思に貫かれており,一連一体の加害行為を構成するが,個々の行為の違法性は次のとおりである。 なお,原告は,議会運営委員会等における被告議員らの発言それ自体を加害 ないという1つの加害意思に貫かれており,一連一体の加害行為を構成するが,個々の行為の違法性は次のとおりである。 なお,原告は,議会運営委員会等における被告議員らの発言それ自体を加害行為と主張するものではないが,別紙2に挙げた被告議員らの言動は,被告議員らの加害意思の徴表であり,これらの言動からすれば,被告議員らの,原告の希望をまったく聞かず,原告の希望する発言方法を認めないという一貫した加害意思の存在が認められる。 ア被告らによる各加害行為によって原告の権利,利益が侵害されたこと (ア)議会運営委員会の各委員(被告議員らの一部を含む。)は,平成15年5月から同年11月25日までの間,原告について,議会での発言は口頭が原則であるから,まずは治療に専念せよと結論付けて,原告の発言を認めないとの議会運営委員会の申し合わせをした。 (加害行為①) 議会運営委員会の各委員(被告議員らの一部を含む。)が,会議規則上,口頭が原則であるという定めは存在しないにもかかわらず,さもそれが原則であるかのように言い,原告が発声できないことを知った上で,自分の声が出せるよう治療に専念せよとして原告の発言を認めないとの申し合わせをしたことは,原告の議会での発言を妨害するものであり,前記の原告の権利,利益を侵害するものである。 (イ)議会運営委員会の各委員(被告議員らの一部を含む。)は,平成16年9月21日の議会運営委員会において,原告がパソコンを使用できないことを知りながら,議会での発言においてはパソコンを使用するよう申し合わせをし,その後も原告にパソコンの使用を押しつけた。 (加害行為②) 議会運営委員会の各委員(被告議員らの一部を含む。)が,議会運営委員会に いてはパソコンを使用するよう申し合わせをし,その後も原告にパソコンの使用を押しつけた。 (加害行為②) 議会運営委員会の各委員(被告議員らの一部を含む。)が,議会運営委員会において,代読発言をしたいという原告の要望に基づく陳情に対する審議において,原告自身の意思を確認しようともせず,原告が希望したことがなく,使用することもできないパソコンの使用を申し合わせで決めた上,原告に対し,パソコンを使用できるようになるよう自助努力を要求したことにより,原告は,原告の望む方法により議会で発言することを妨害された。 なお,平成16年9月21日開催の議会運営委員会では,原告に自助努力を求めるという議論で終始し,原告自身が入力することが,その当然の前提となっていたのであって,第三者が入力してもよいなどという決定はなされていなかった。 平成16年9月21日以降も,第三者が入力することについて,被告A10委員長の散発的な意見としては挙がっていたが,その議論が継続的になされていたわけではなく,折衷案が提案された平成17年11月28日までは原告が入力することが前提となっていた。 (ウ)a議長は,原告が食道発声で行うとして平成17年3月10日に提出した発言通告書(以下「第1回発言通告書」という。)を,議会運営委員会に諮った上で,食道発声による音声が聞き取れないという理由で受理を拒絶したほか,原告が平成17年6月定例会に向けて提出した発言通告書(以下「第2回発言通告書」という。)を,議会運営委員会による「代読は無理」との答申に基づき受理を拒絶した。(加害行為③) 議会運営委員会の各委員(被告議員らの一部を含む。)がパソコンを使用しない限り発言を認めないという態 委員会による「代読は無理」との答申に基づき受理を拒絶した。(加害行為③) 議会運営委員会の各委員(被告議員らの一部を含む。)がパソコンを使用しない限り発言を認めないという態度であるため,原告はやむなく食道発声の方法により発言するとした。すると,同委員らは,およそ聞き取れないとわかっていながら,あえて原告の食道発声をテストした。 これは,原告の障害を皆の前で晒させ,自身が発声障害を持つことを,ことさらに原告に突きつけるような,障害者を辱めるものであり,原告の発言を妨害することに関連して,原告の尊厳を害するものであった。 a議長は,議員の提出した発言通告書の受理を拒む権限など有しないにもかかわらず,原告の発言通告書を受理しなかったことにより,原告の望む方法により原告が発言することを妨害した。 (エ)議会運営委員会の各委員(被告議員らの一部を含む。)は,平成17年6月24日,c委員の次回同年7月12日に原告の傍聴を認めて欲しいという要望を拒絶した。また,同年9月定例会における原告の発言方法についても,あくまでも原告の代読発言を認めないという姿勢をとった。(加害行為④) 議会運営委員会の各委員(被告議員らの一部を含む。)は,議会運営委員会を傍聴したいという原告の申出を,場面を異にする農業委員の決定の場面と同列に論じて拒絶し,原告の発言方法を議論する場である議会運営委員会から当事者である原告を排除し,原告の意見を取り入れようとせず,原告が望む方法により原告が発言することを妨害した。 (オ)議会運営委員会の各委員(被告議員らの一部を含む。)が,「折衷案」の名のもとに一般質問についてパソコンの使用を強制し,当該折衷案をA10に り原告が発言することを妨害した。 (オ)議会運営委員会の各委員(被告議員らの一部を含む。)が,「折衷案」の名のもとに一般質問についてパソコンの使用を強制し,当該折衷案をA10に,その後の原告の発言通告書を受け付けなかった。(加害行為⑤) 市議会は,一般質問についてはパソコンを使用し,再質問については市議会事務局職員(以下「事務局職員」という。)による代読を行うという「折衷案」を採用し,原告の要望や弁護士会勧告に従ったかのように見せかけた。「折衷案」は,形式的には同勧告を一部受け入れたかのように見えるが,その本質は,原告の意見を聞かず,原告の希望しないパソコンの使用を強制するものであり,原告の望む方法により原告が議会で発言することを妨害するものであった。 (カ)被告A23議員を除く被告議員ら27名は,原告が平成18年12月定例会の本会議に提出した「市議会議員の発言保障に関する決議案」に対し,反対票を投じた。(加害行為⑥) 上記決議案は,原告が,市議会での一般質問を事務局職員の代読により実施することを求めるものであったが,被告議員らが反対票を投じたことにより,反対多数で否決された。これにより,原告は,自らの求める発言方法が実施される道を絶たれ,原告の望む方法により議会で発言することを妨害された。 (キ)被告市(市議会)の不作為による加害行為(加害行為⑦)a作為義務の存在 市議会は,被告市の機関として,その構成員である各議員が,議会において自由活発な討論をすることが可能な環境を整備する積極的な作為義務を負っており,議員の中に障害を有する者がいれば,議会側に存在するその議員に対するバリアを除去し,同 構成員である各議員が,議会において自由活発な討論をすることが可能な環境を整備する積極的な作為義務を負っており,議員の中に障害を有する者がいれば,議会側に存在するその議員に対するバリアを除去し,同議員が,自由活発な討論をすることが可能な環境を整備する積極的な作為義務(以下「環境整備義務」という。)を負っている。障害のある者に対するバリアの本質とは,社会が一方的に許容した範囲でしか,その者の自立性や社会参加を認めないという点にあるから,環境整備義務の履行にあたっては,障害者の意思を最大限尊重することが何よりも重要である。 したがって,被告市及びその議事機関である市議会は,原告に対して,環境整備義務を負っており,同義務の履行にあたっては,代読という代替手段を選択した原告の意思を最大限尊重すべき義務(以下「意思尊重義務」という。)があった。 b被告市(市議会)の作為義務の法的根拠は次のとおりである。 (a)被告市(市議会)が原告に対して積極的な作為義務を負っていること,その積極的な作為義務を履行するにあたっては,代読という障害補助手段を選択した原告の意思を最大限尊重したうえで,議会側に存在するバリアーを除去することが必要であることは,憲法やその趣旨を具体化した障害者基本法の下記の各規定から法的に根拠づけられる。 (b)障害者基本法は,障害者の自立及び社会参加の支援のための施策に関して,①障害者の個人の尊厳,②障害者の社会参加,③障害者の差別と権利利益侵害の禁止を基本理念とし,国及び地方公共団体に対して,障害者の自立及び社会参加を支援することなどにより,障害者の福祉を増進する責務を有すると定めており(同法1条),国や地方公共団体が障害者の福祉 侵害の禁止を基本理念とし,国及び地方公共団体に対して,障害者の自立及び社会参加を支援することなどにより,障害者の福祉を増進する責務を有すると定めており(同法1条),国や地方公共団体が障害者の福祉に関する施策を講じるに当たっては,障害者の自主性を十分に尊重し,自立した日常生活を営むことができるよう配慮することを要求している(同法8条)。 c被告市(市議会)の作為義務違反とそれによる原告の権利,利益の侵害 障害者が地方議会議員として健常者議員と同様に活動することは,その者の人格形成発展に寄与するものである。障害者基本法8条が認めるように,障害者に対しては,その自主性が尊重されるとともに,自立した日常生活ができるよう配慮されなければならない。障害者が,社会参加や日常生活をするにあたり,自己の障害補助手段を選択する自由が認められなければ,その者の自主性を尊重したことにならず,自立した日常生活ができるように配慮したことにもならない。 本件において,被告市(市議会)は,発声障害を有する原告の希望を全く聞かず,原告が選択した代読という方法による議会での発言を認めて,その実現のための方策を講じなかったのであって,被告市(市議会)の作為義務違反は明らかである。 この被告市(市議会)の不作為により,原告は二期目の4年間,一度も一般質問をすることができなかった。 イ被告らの加害行為が原告の自己決定権に対する違法な侵害であること 被告らによる一連の加害行為は,前記のとおり,原告の憲法上保障された権利である,自己の障害補助手段を選択するという自己決定権を侵害するものであり,同権利が,原告の人格的生存に不可欠なものであることからすれば, 一連の加害行為は,前記のとおり,原告の憲法上保障された権利である,自己の障害補助手段を選択するという自己決定権を侵害するものであり,同権利が,原告の人格的生存に不可欠なものであることからすれば,これに対する制約は,やむにやまれぬ目的によるものであり,かつその目的を達成するための必要最小限度のものでなければならない。 しかしながら,被告議員らが,原告の望む代読発言を拒否し,これを妨害することに正当といえるような目的は存せず,制約の手段としても,必要最小限などとは到底いえないものであった。 (ア)やむにやまれぬ目的など存在しない 被告議員らは,代読を認めない理由について議会運営委員会等で一切明らかにしておらず,被告らの加害行為には正当な目的など一切なく,被告らが本訴において主張する誤読のおそれなどというものは,下記のとおり原告の求める代読という発言方法を妨害する正当な理由とは到底いえない。 a誤読のおそれについて 被告らは,代読者の発言内容に誤りがあった場合にその訂正が不可能であることや,代読者の故意による発言内容の改変,趣旨のすり替え等のおそれがあることが,原告の求める代読発言を拒む理由であるかのような主張をする。しかし,代読者が誤って発言をした場合にはその場で訂正をすればよいだけのことであり,被告らの主張には何ら合理性がない。 bパフォーマンス,選挙活動への悪用のおそれについて 被告らは,代読者が代読に際し,何らかのパフォーマンス等をし,代読者によって直近の選挙に向けての選挙活動に悪用される恐れがあることが,原告の求める代読発言を拒む理由であるかのような主張もする。しかし,被告らの言う が代読に際し,何らかのパフォーマンス等をし,代読者によって直近の選挙に向けての選挙活動に悪用される恐れがあることが,原告の求める代読発言を拒む理由であるかのような主張もする。しかし,被告らの言う何らかのパフォーマンスとは,いかなる行為,事態を想定しているのか明らかでないし,仮にこのような恐れが想定できるのであっても,事務局職員等,政治色のない客観的立場にある第三者に代読をさせれば,そのような恐れは払拭できるのであって,原告の自己決定権を制約するためのやむにやまれぬ目的とはいえない。 c代読者の責任,精神的負担について 被告らは,事務局職員が誤読した場合に代読者の責任をいかに考えるかという問題があるとか,代読者の精神的負担等が,原告の求める代読発言を拒む理由であるかのような主張をする。しかし,前者は誤読した際に原告が発言を遮って訂正させれば足りることであり,後者は議会事務局の職務自体が精神的負担だというのとほぼ同旨の主張に過ぎず,被告らの主張するパソコンへの入力行為も同じように誤入力の精神的負担があるのであり,両者に違いがあるとしても,それは程度の差があるに過ぎない。 いずれにしても,代読者の責任や精神的負担なるものは,およそ権利,利益などとはいえないものなのであるから,これを根拠に憲法上保障される自己決定権の行使を制約することが許されるということはあり得ないし,その制約のためのやむにやまれぬ目的とはいえない。 (イ)必要最小限度の制約とも言えないa原告が求めた代読という発言方法は,代読者が原告の書いた文章を読み上げるというだけのものであり,極めて容易なものであり,広く社会一般で行われている方法であるし,この方法は経済的 a原告が求めた代読という発言方法は,代読者が原告の書いた文章を読み上げるというだけのものであり,極めて容易なものであり,広く社会一般で行われている方法であるし,この方法は経済的にも特別な負担を及ぼすものでもなく,他者の人権を制約するものではない。また,他の地方議会においては,代読による発言が支障なく行われた実績があることからしても,議会において議員が代読という発言方法により発言することに何らの支障もないことは明らかである。 b議会運営委員会の各委員(被告議員らの一部を含む。)は,平成17年11月28日開催の議会運営委員会において,折衷案を出したことで,あたかも原告に譲歩したかのような体裁を装ったが,この時も,同委員は原告の希望を聞こうともせず,一般質問についてはあくまでも音声変換装置による発言を原告に押しつけ,原告に発言方法を選択する機会を全く与えなかったのであって,この折衷案をもって必要最小限度の制約であるなどとは到底いえない。 ウ被告らの加害行為が原告の表現の自由に対する違法な侵害であること(ア)地方議会における議員の発言の自由は,上記のごとく重要な憲法上の意義を有しているうえに,個人の尊厳を実現するための根幹をなすものでもあるから,その制約については,極めて厳格な合理性が求められるものというべきである。具体的には,かかる発言の自由に対する制約は,発言の自由が持つ上記価値と比較してもなお保護すべき重要な目的があり,かつ,制約の程度は必要最小限でなければ,違憲,違法となるというべきである。 (イ)被告らは,議会制民主主義及び多数決原理を,議会における表現の自由の制約原理として主張する。 しかし,議会制民主主義及び多数決原理 るというべきである。 (イ)被告らは,議会制民主主義及び多数決原理を,議会における表現の自由の制約原理として主張する。 しかし,議会制民主主義及び多数決原理は,各人の自由な発言,意見表明がなされ,十分な議論が尽くされることを最低限の前提としており,少数者に対する十分な発言保障及びそれに基づいた議論を尽くすことにより,多数意見の正当性がチェックされ,これをもってはじめて多数決の結果が正当化されるのであるが,被告議員らの加害行為のように,原告の発言の機会そのものを奪うと,多数意見の正当性チェックの機会自体が奪われ,議会制民主主義,多数決原理を支える根本原理が決定的に否定されるため,各人の自由な発言,意見表明が保障されない中でなされた多数決の決定は,その正当性の根拠を失うものというほかない。また,司法府の役割は,立憲主義の下,憲法を頂点とした法秩序に照らし,民主主義によっても侵害し得ない権利を擁護する点にあり,本件は,多数決によって,少数者の意見表明の機会を奪うという事案であり,まさに,司法府による人権救済が必要不可欠な場面であることからも被告らのの主張は失当であることは明らかである。 (ウ)被告らは,被告議員らの加害行為による発言妨害は,表現の時,所,方法に関する規制に過ぎないなどと主張して正当化しようとする。 しかし,規制の態様が,時,所,方法に関する規制であり,内容中立的なものであるというのは,公権力側の視点で規制態様を分類したに過ぎず,結果として人権侵害がなされたのであれば,その結果自体には全く違いがないのであるから,規制態様が内容中立的であるということは,違憲審査基準を緩める根拠にはならない。 本件のように議会における議員の発言 れたのであれば,その結果自体には全く違いがないのであるから,規制態様が内容中立的であるということは,違憲審査基準を緩める根拠にはならない。 本件のように議会における議員の発言(特に最後まで被告らが認めなかった本会議での一般質問)は,他の時,他の場所で行える性格の言論ではなく,内容中立規制であることを根拠にしてその審査基準を緩めることはできない。 (エ)原告の二期目の4年間は,被告議員らによる原告の発言方法に対する対応により,①口頭以外の発言方法を認めず,原告に発声の努力を求めるという状態を一貫して保ち続け,原告の市議会における発言そのものを不可能にしてきた時期(平成15年4月23日から平成16年9月21日まで(以下,この項において「第1期」という。)),②議会運営委員会の各委員(被告議員らの一部を含む。)がパソコンを使えない原告に対して,パソコン使用による発言を求め続け,原告の市議会における発言を拒絶し,原告の市議会における発言そのものを不可能にしてきた時期(平成16年9月21日から平成18年2月21日まで(以下,この項において「第2期」という。)),③市議会執行部が,原告が原稿を持ってくれば入力は事務局職員が行うことを前提として,パソコンを使用して発言するように求めた時期(平成18年2月21日以降(以下,この項において「第3期」という。))に分けられる。 (オ)しかし,第1期,第2期及び第3期のいずれにおいても,(2)イ(ア)で述べたとおり,その制約を正当化しうる重要な目的は見あたらない。 (カ)また,仮に,被告らが主張する目的が,「発言の自由がもつ上記価値と比較してもなお保護すべき重要な目的」と認められるのだとしても,本件のように原告の発言の機会そのもの らない。 (カ)また,仮に,被告らが主張する目的が,「発言の自由がもつ上記価値と比較してもなお保護すべき重要な目的」と認められるのだとしても,本件のように原告の発言の機会そのものを奪う行為は,極めて大きな制約であって,代読者を事務局職員等,政治色のない客観的立場にある第三者にするなど,より制限的でない手段を十分にとり得たのであるから,被告らの上記代読発言拒否行為が,その目的達成のための必要最小限な制約でないことは明白である。 特に,自助努力と称して「発声」や「パソコン入力」を求め続けた第1期及び第2期においては,原告が市議会において発言する機会が一切奪われており,原告の表現の自由に対して,必要最小限どころか最大限の制約が加えられていたのである。 また,パソコン入力を事務局職員が行うことを前提とした第3期においても客観的立場にある第三者に代読させることは十分可能であったのであるから,必要最小限の制約でなかったことは明白である。 エ被告らの加害行為が原告の参政権に対する違法な侵害であること 参政権に対する制約は,民主主義の根幹にかかわる重大な権利侵害であるから,民主主義の理念に照らし,原則として不合理というべきであり,当該制約が,やむにやまれぬ必要不可欠な目的のためのものであり,かつ,その目的達成のために必要最小限度に留まるものであることが,制約を課す側によって立証されない限り,違法というべきである。 被告議員らの加害行為による発言妨害は,議会における発言方法を原告自らが選択する自由という広い意味での参政権を侵害するものであり,被告らの主張する制約目的は何ら合理性を有しないことは,前記(2)イ(ア)のとおりであり,やむにやまれぬ必要不可欠な制 発言方法を原告自らが選択する自由という広い意味での参政権を侵害するものであり,被告らの主張する制約目的は何ら合理性を有しないことは,前記(2)イ(ア)のとおりであり,やむにやまれぬ必要不可欠な制限目的など存しないのであるから,違法な侵害というべきである。 オ被告らの加害行為が原告の平等権に対する違法な侵害であること 議会が自主的に規則,規律を決定できるといっても,当該規則,規律も憲法による拘束を受けるのであるから,これにより,個人の権利,とりわけ少数者の権利を侵害することがあってはならず,前述のとおり,原告は,市議会における発言に際し,発声障害を理由として差別を受けない権利が保障されるから,かかる原告の権利が議会制民主主義又は議会の規則,規律の名の下に侵害されることは許されない。 議会における発言に関する差別的取扱いは,参政権及び表現の自由に対する差別であって,民主主義の根幹にかかわる重要な権利であるから,民主主義の理念に照らし,原則として不合理というべきであり,当該取扱いがやむにやまれぬ必要不可欠な目的のためのものであり,かつ,その目的達成ために必要最小限度にとどまるものであることが,当該取扱いを行う側により立証されない限り,原則どおり不合理な差別として違法となる。 被告議員らの加害行為による発言妨害による差別的取扱いについて,被告らの主張する目的は何ら合理性を有しないことは,前記(2)イ(ア)のとおりであり,やむにやまれぬ必要不可欠な制限目的など存しないのであるから,違法な侵害というべきである。 カ積極的な作為義務違反(不作為)の違法性 前記のとおり,被告市(市議会)に対する環境整備義務及び意思尊重義務は,いずれも法的に根拠づけられており,被告市(市議会)は,こ ある。 カ積極的な作為義務違反(不作為)の違法性 前記のとおり,被告市(市議会)に対する環境整備義務及び意思尊重義務は,いずれも法的に根拠づけられており,被告市(市議会)は,これらの義務の履行に支障がなかったにもかかわらず,この義務の履行を怠ったのであるから,その違法性は明らかである。 (3)被告議員らの故意,過失ア被告議員らによる加害行為は,原告の発言を妨害しようという一貫した加害意思に基づく一連の代読発言妨害行為である。 被告議員らは,原告に発言をさせまい,原告の希望する発言方法を許すまいという原告に対するいじめ,妨害の意図を持ち続け,そのためにこれらの行為を続けたのであるから当然に故意の要件を満たす。仮に被告議員らの加害行為を個別に見たとしても,被告議員らが各加害行為を行っていること及びこれにより原告の代読発言が封じられることを認識しつつ行為がなされたことは明らかである。仮に被告議員らがこれを認識していなかったとしても,各加害行為の加害性や損害は容易に認識し得たのであり,過失がある。 したがって,被告議員らには,各加害行為につき故意又は過失がある。 イ被告市(市議会)に課せられた原告が議会において自ら希望する方法で発言できるよう環境を整備する義務の内容は,より具体的にいえば,議会運営委員会において委員が原告の代読発言を認める意思決定を行うこと,又は議長が自らの権限において原告の代読発言を認めてそのように議事進行することであるが,これを怠ることにより原告の代読発言が封じられることは,被告らに十分に認識され,又は認識可能であったことが明らかである。 したがって,不作為についても故意又は過失がある。 ウ前記のとおり,被告議員らの各加害行為 封じられることは,被告らに十分に認識され,又は認識可能であったことが明らかである。 したがって,不作為についても故意又は過失がある。 ウ前記のとおり,被告議員らの各加害行為は違法と評価するほかなく,その違法性は,憲法上の重要な人権を何の必要もなく制限するという点で,いずれも明白なものであり,被告議員らがこれを認識していたことは明らかである。仮に,被告議員らが,これを認識していなかったとしても,このような明白な違法性については,地方議会議員はおろか通常人でさえ,容易に認識し得たことは明らかである。 したがって,被告議員らには,違法性の認識又は認識可能性も十分にある。 (被告市の主張)(1)被侵害利益についてア表現の自由 原告の議会において発言する権利は憲法21条1項が直接保障するが,議会において代読という方法に発言するという個別具体的な発言方法についてまで同条項が直接的に保障しているものではない。 イ平等権について 平等とは,常に他者との比較において問題となる性質のものであり,その意味では平等権は相対的な権利であって,それ自体としては無内容,無定型の権利である。すなわち,平等権は,平等権以外の権利などにかかわって,他との区別の合理性が問題となる性質のものなのである。その上で,平等に取り扱われるべき権利などが不平等に取り扱われたときに初めて平等権侵害が問題となるのであって,原告の,「代読による発言方法を要求する権利が平等権で保障される」との主張は,憲法の考え方を無視した独自の見解というほかはない。 (2)被告議員らの行為により原告の権利,利益が侵害されていないことア加害行為③について 議長は,原告 主張は,憲法の考え方を無視した独自の見解というほかはない。 (2)被告議員らの行為により原告の権利,利益が侵害されていないことア加害行為③について 議長は,原告の発言通告書を事実上預かっていたが,これは,原告が,平成16年9月21日に議会運営委員会の最終決定として決められた適式の方法による発言通告書ではなかったことから受け取れなかったのであり,当然のことながら,原告が同日の決定に基づいた適式の発言通告書を提出すれば受理していた。 イ加害行為⑥について 原告が加害行為⑥と主張するのは,地方議会における1つの決議案に対して反対票を投じたことが違法であるというものであるが,議員が議会内での議決に際して投じた票の当否は,当該議案に否決の票を入れることが憲法の文言に一義的に反するというような極めてまれな特段の事情がある場合は別論として,各議員の政治的責任によって担保されるべき問題である。 自らの声で発言できない議員が自らの声に代わって発言する方法は,科学技術の発達した現在では複数存在し,その中のどの方法によるべきとの案も,それぞれの議員らの政治的裁量判断の下に提案されているのであって,原告の提案した案が唯一無二のものでなく,他の案を完全に排斥しうるものではない。 ウ原告は発言する機会が十分に保障されており,原告の主張する権利侵害はない。 (3)加害行為の違法性について 発声障害を有する議員の市議会における発言方法は,市議会の自律に委ねられるべき事柄であり,議会運営委員会の各委員(被告議員らの一部を含む。)が,原告の求める代読という発言方法を採用しなかったことには下記のとおり合理性があり,「多数意見による発言方法」は合理的裁量の範囲にあ 事柄であり,議会運営委員会の各委員(被告議員らの一部を含む。)が,原告の求める代読という発言方法を採用しなかったことには下記のとおり合理性があり,「多数意見による発言方法」は合理的裁量の範囲にあることから,被告議員らの行為等が社会通念上著しく妥当を欠き裁量権を付与した目的を逸脱し,これを濫用したとは認められない。 ア議会運営委員会は,発声障害を有する議員の代替的な発言方法として,現実に採用できる方法の中から,議会制民主主義の根本である選挙によって選出された議員本人の発言が正確に表現できることが保障され,議員以外の人物が議会において事実上発言する結果を生ぜしめない方法を検討した上で,最終的にそれらの方法のうちの一つとして,平成16年9月21日に音声変換機能の付きパソコンを会話補助装置として使用する方法を全会一致で決定した。 パソコンへの入力方法は,予めこれを行うことができるため,原告自身が入力する方法に限られるものではなく,原告が,親族や第三者の力を借りることが可能であることは当初より明らかである。手書きの原稿を議会事務局に提出して,入力を事務局職員に任せ,その後原告が内容を確認するという方法もその一つであり,こういった方法についても議会運営委員会で議論されていた。 議会運営委員会での議論の内容は,その制度上,出席している会派の代表者から,会派所属の各議員に対して伝達されることとなっており,本件においても,原告が所属する共産党市議団の代表者であるb議員やc議員から,原告に伝達されている。 イ議会運営委員会は,平成17年11月28日に,原告の発言方法として,原則として発言には会話補助装置を使用し,例外的に,本会議では事務局職員等の第三者が,委員会では委員長又は副委員長が代読するという方 会運営委員会は,平成17年11月28日に,原告の発言方法として,原則として発言には会話補助装置を使用し,例外的に,本会議では事務局職員等の第三者が,委員会では委員長又は副委員長が代読するという方法を全員一致で定めた。市議会も多数決により同方法を選択した。 議会運営委員会の決定した会話補助装置は,音声変換機能付きパソコンであり,予め文書をパソコンに入力するなどしてデータ化しておけば,同機能のソフトの入ったパソコンにそのデータを入力し,必要時にスタートボタンをクリックするだけで音声読み上げができるという極めて操作が簡易なものであり,同委員会は,会話補助装置へ入力するためのパソコンへの文章の打ち込みについては,第三者の力を借りることを認めており,手書きの文書を議会事務局に提出すれば,事務局職員がそれを入力し,原告に内容を確認してもらうことも認めており,非常に簡易な方法であった。 ウ音声変換機能付きパソコンは,入力した文章を,そのまま音声に変換するため,第三者による代読の場合に起こりうる読み違いのトラブルを防止でき,本人の意思が忠実に音声化され,議事録に記録することができる一方,人間が代読する場合は代読者の独自の判断で読み替えが可能であり,更には,音声の高低・強弱をつけることによって,代読者の感情が表現され議員本人の意図と異なる発言に変化してしまうこともあり得る。代読が選挙のためのパフォーマンスに悪用される恐れを否定できない一方で,同パソコンを用いた方法であれば,それらの危険性をいずれも排除できる。 エ有権者からの負託を受けた議員が発言を認められた場合に,当該議員以外の者による代読を無制限に認めれば,前述したような誤読のみならず,故意による発言内容の改変,趣旨のすり替え等の恐れがある。また,代読者が代読に 負託を受けた議員が発言を認められた場合に,当該議員以外の者による代読を無制限に認めれば,前述したような誤読のみならず,故意による発言内容の改変,趣旨のすり替え等の恐れがある。また,代読者が代読に際し,何らかのパフォーマンス等をし,代読者によって直近の選挙に向けての選挙活動に悪用される恐れも考えられる。そのようなことがなされた場合,議員本人が発言した場合と異なる影響を有権者に与えることになる。実際,平成17年12月定例会の本会議において,原告と同じ会派に所属するc議員によって原告の質疑の代読がなされたが,その際,c議員が,「この部分は読んではいけない」との判断を独断で行い,部分的に代読しなかったという事実があった。このように,代読による場合,代読者の独断によって議員の発言内容がゆがめられるという危険は常につきまとうものである(上記の事例は,その危険が現実化した場合である。)。そして,そのような危険が現実化してしまった場合,事後的に回復を図ることは困難である。したがって,代読は,議会制民主主義・間接民主制の根幹を揺るがすという重大な弊害を生じさせる恐れがある。 オ代読という発言方法を採用する場合,仮に代読者が誤読した場合,その代読者の責任をいかに考えるかという難しい問題も存在し,代読者が,議員以外の者であった場合,代読者は,壇上において,議員らの環視の中で,誤読のないように細心の注意を払いながら,数十分にわたって代読をしなくてはならないのであり,その精神的負担は極めて大きく,これに対しどのような対応をなすかも問題となる。 カ加えて,原告は,市議会の一員である議員としての職責を果たすことを市民に対して約束して選出された者である以上,民主的な手続きで決定された上記発言方法を試みるべく,可能な限りの努力を払うことは,議員と えて,原告は,市議会の一員である議員としての職責を果たすことを市民に対して約束して選出された者である以上,民主的な手続きで決定された上記発言方法を試みるべく,可能な限りの努力を払うことは,議員という公的地位に内在する義務というべきである。 (被告議員らの主張)(1)被告議員らの行為によって,原告の権利,利益が侵害されていないことア原告が主張する被侵害利益は,選択権という抽象的な言葉に凝縮されており,原告のいかなる権利が具体的に侵害されたか明らかでない。 イ原告の議員二期目において,原告が初めて発言通告書を出したのは平成17年3月10日であり,それまでは,原告は本会議において発言する意思すらなかったから,原告が発言を封ぜられたことによる権利侵害は生じていない。 ウ原告には,平成17年3月10日以降,パソコンによる会話補助装置による発言方法が認められており,原告が議会において壇上から一般質問を行うことについては,正確な記録の保存と,執行部から真摯に正確な答弁を求めるという技術的な課題があるのみであった。これは原告のみならず,等しく被告ら議員全員に対する課題であるから,被告市及び被告議員らは,平成17年3月10日以降も本会議や各種委員会における原告の発言を妨害していない。 エ平成16年9月21日開催の議会運営委員会が決定したのは,一般質問についてはパソコンによる会話補助装置により原告の発言権を保障するということのみであった。同装置への入力を原告本人が行わなければならないといったことまでは決定しておらず,原告が家族や支援者等の第三者による助力を得て行うことは当然の前提であり,事務局職員による入力等の助力もその予定の範ちゅうであった。 オ議会運営委員会が,陳情第5号の審議に際し,原告に対して 原告が家族や支援者等の第三者による助力を得て行うことは当然の前提であり,事務局職員による入力等の助力もその予定の範ちゅうであった。 オ議会運営委員会が,陳情第5号の審議に際し,原告に対してした質問の回答書は,すべて回答がパソコンで作成されたものであり,平成16年9月21日開催の議会運営委員会に参加していた委員及び原告を除く委員外議員の全員は,当然に原告はパソコンができるものと信じていたこと,同日の審議においては,原告を含め,誰からも異議が出なかったこと,一般質問は事前通告制で,第三者の助力が当然予想されたことから,同日の申し合わせ内容は原告にことさら不便を与えるものでなく,被告議員らに原告に対しことさらに不便を与える意図もなかったことは明らかである。 このことは,平成16年10月12日に,被告A14らが原告と面談をした際,被告A14が,原告に対し,「(パソコン)できる人が家族にいるでしょう。手伝ってもらったらどうですか。」,「フロッピーを事務局まで持ってきてくれれば,事務局でセットする。」と説明したことからも明らかである。 (2)不作為について 原告は,直接的な作為義務の法的根拠を示しておらず,独自の論理を展開するのみであり,主張自体失当である。 (3)違法性の認識について 議会運営については,議会運営委員会においてすべて全会一致で決定されており,原告の発言方法についても,共産党市議団の代表者を含めて全会一致で決定された。共産党市議団の代表者の,議会運営委員会及び議会での対応は,被告議員らと何ら変わるところはなく,被告議員らに違法性の認識はない。 争点3(被告議員らの不法行為責任の成否)(原告の主張)(1)個人責任の原則や平等原則からは, の対応は,被告議員らと何ら変わるところはなく,被告議員らに違法性の認識はない。 争点3(被告議員らの不法行為責任の成否)(原告の主張)(1)個人責任の原則や平等原則からは,国家賠償法1条1項の存在をもって,当然に,公務員個人の不法行為責任が否定される根拠とはならず,民間企業であれば,企業に民法上の使用者責任が成立する場合にも,被用者個人は不法行為責任を負うのであるから,公務員に対してのみ公務員個人の責任を負わないというのは,公務員に対する不当な優遇である。 (2)国家賠償法の存在意義を被害者救済だけで捉えるのは不十分であり,より積極的に公務の適正確保のための制度と捉えるべきである。このように捉えれば,本件のように,地方議会における議員の活動については,上司による指揮監督等はなく,民主主義のルートによる是正が期待できないのであるから,議員個人の不法行為責任を審理,判断することにより,地方議会の適正を確保すべき要請が極めて高い場合であるといえる。 (3)被告議員らは,それぞれ関与した各加害行為のみならず,自己が関与しなかった加害行為についても不法行為責任を負う。 被告議員らのうち被告A17ら12名は,市町村合併前の行為には関与していないとしても,原告に対する発言妨害行為は,4年間,市議会全体が一体となって行われてきたのであるから,その途中で市議会の構成員に変更があったとしても,新たに議員となった者は,それまでの経過を十分に認識したうえ,本件決議案に反対票を投じた以上,市議会と一体とみなすことができ,関与していない時期も含めて,4年間にわたり原告の議会での発言を妨害したものと同視できる。 (被告議員らの主張)(1)被告議員らは議員で,公務員であったが,公務員の公務に関する ができ,関与していない時期も含めて,4年間にわたり原告の議会での発言を妨害したものと同視できる。 (被告議員らの主張)(1)被告議員らは議員で,公務員であったが,公務員の公務に関する損害賠償につき公務員本人には請求し得ないというのが国家賠償法1条に関する確立した判例である。 (2)議員の職務行為と無関係な行為が不法行為を構成することは否定しないが,地方議会議員は住民の意思を議会に反映させるために様々な政策的観点から政治的意思決定,議員活動を行うのであり,その賠償責任を安易に認めることは議員の活動を萎縮せしめ,ひいては住民の意思を議会に反映させるという住民自治及び民主主義の理念に反することになるため,具体的な議員の活動が職務行為と無関係と判断されるのは極めて例外的な場合に限られるべきである。 (3)仮に,被告議員らの作為又は不作為について,不法行為責任が生じ得るとしても,被告議員らのうち,被告A17ら12名は,旧岐阜県恵那郡北部町村から選出された議員であって,同各町村が平成17年2月28日に市町村合併により中津川市に合併されたことにより,議員の職に就いた者であるから,同日より前に生じたことは無関係である。 争点4(原告に生じた損害の有無,程度)(原告の主張)(1)ア原告が代読による発言を求め続けてきたのは,声を失ったときの苦しみ,そして,声を取り戻したときの心からの喜びを原告自身が味わったことで,発言を通して自らの思いを表現するためには,代読,すなわち人間の肉声を用いる方法に勝る手段はないと強く実感したからである。 被告議員らは,このような原告の切なる要望を,わがままであるなどと切り捨て,原告の有する障害に対して配慮するどころか,障害者だから努力せよなどと,パソ いと強く実感したからである。 被告議員らは,このような原告の切なる要望を,わがままであるなどと切り捨て,原告の有する障害に対して配慮するどころか,障害者だから努力せよなどと,パソコンの使用という他の議員には課せられない不当な制約を課したのである。 このように,被告議員らは,血の通った人間の声によって自らの意思及び主張を伝えたいとの原告の思いを踏みにじり,原告に対し,筆舌に尽くしがたい精神的苦痛を与えてきた。 イ議員が議会において発言することは,議員の中核的活動であって,まさに議員の本分であるが,原告は,被告議員らによって,議会における発言を妨害され続け,議員活動を全うできなかった。このような被告議員らの発言妨害行為によって被った原告の屈辱,及び,障害者の生の声を届ける機会を奪われた原告の無念さは,計り知れず,原告が被ったこれら精神的苦痛は,原告が中津川市議会議員の職を退いた今となっては,もはや回復不可能である。 (2)以上のとおり,原告は,金銭で慰謝できないほどに重大な精神的苦痛を被ったのであり,その損害は,1000万円をはるかに上回る。 第4当裁判所の判断 本件の経緯等前掲前提となる事実及び後掲各証拠に弁論の全趣旨を併せると次の事実が認められる。 (1)原告の一期目における病状報告及び議員活動復帰後の発言方法についての審理の経過ア平成14年9月12日開催の議会運営委員会(乙ロ11) 議長は,「原告から,長期入院により議員の職務を休みたいとの申し出があった。」と報告した。b委員は,「1か月か2か月の入院が避けられない。」と報告した。 イ平成14年9月20日開催の議会運営委員会(乙ロ12) 委員長は みたいとの申し出があった。」と報告した。b委員は,「1か月か2か月の入院が避けられない。」と報告した。 イ平成14年9月20日開催の議会運営委員会(乙ロ12) 委員長は,「原告が9月9日に入院し,平成14年一杯の療養を必要とする旨の診断書が提出された。」と報告した。 ウ原告は,平成14年10月23日,下咽頭がんの治療のため声帯を切除して発声機能を失い,自らの声では誰もが聞き取れるような発声ができない状態となった。 エ平成14年12月2日開催の議会運営委員会(乙ロ13) b委員は,「原告の病状は,医師の指導により,家族以外の面会ができない状態が続いている。原告の家族によると,12月一杯の療養を必要とする旨の診断書が出ているため,今後は,経過を見ながら判断することになると思う。予想されていた声帯の手術は行わずに済んだので,経過に期待できる。声が出せないため,12月一杯は公務に復帰できない。」旨報告した。 オ平成15年1月17日開催の議会運営委員会(乙ロ14) 議長は,「平成15年1月15日に,原告から,同年3月末まで自宅療養を要するという医師の診断書が提出された。」と報告した。b委員は,「原告は声帯を除去して声が出ないため,食道を使った発声の訓練をしている。のどは感染症にかかりやすいために自宅療養という診断が医師からなされている。」と報告した。 カ平成15年2月25日開催の議会運営委員会(甲43) b委員は,「原告には,平成15年3月の定例会に出席し,一般質問を行いたいという意向があるが,口頭では発言できないため,他の方法でできないか伺いたいと言っていた。」旨報告し,文書質問という方法で行えないか検討してもらいたいと 5年3月の定例会に出席し,一般質問を行いたいという意向があるが,口頭では発言できないため,他の方法でできないか伺いたいと言っていた。」旨報告し,文書質問という方法で行えないか検討してもらいたいと申し入れた。 h委員及びi委員の提案により,発声障害を有する議員の発言方法として,全国ではどんな方法が採用されているのか,できる限り多数の例を調査の上で,原告の発言方法について次回の議会運営委員会にて決定するとされた。 キ平成15年2月28日開催の議会運営委員会(甲44)(ア)市議会事務局長(以下「事務局長」という。)は,同議会運営委員会において,「全国市議会議長会及び岐阜県下の議長会に問い合わせたところ,発声障害を有する議員が口頭以外の発言方法を採った例はない。仮にそのような議員がいる場合には,市町村議会の会議規則による運営となる。規則では口頭により行い,議長の整理権により口頭によることを促すべきであるとされている。」旨報告した。 (イ)同議会運営委員会では,上記の事務局長の報告にある会議規則を重視すべきであるという意見と,原告の意思を尊重すべきとする意見とが対立したが,委員長は,b委員に原告の希望を具体的に聴取してもらい,平成15年3月4日開催の議会運営委員会で,原告の具体的な希望を報告の上で検討すると決定した。 ク平成15年3月4日開催の議会運営委員会(甲45)b委員は,「原告は3月議会での一般質問は行わない意向である。」と報告した。 ケ日本共産党恵那地区委員会j及び共産同党市議団b議員は,平成15年3月20日付けで,当時議長であったkに対し,原告を含め,今後障害を有する者が議員に選出された場合に,市議会として,当該議員の ケ日本共産党恵那地区委員会j及び共産同党市議団b議員は,平成15年3月20日付けで,当時議長であったkに対し,原告を含め,今後障害を有する者が議員に選出された場合に,市議会として,当該議員の議会活動の困難に対し,ケースに応じてどう適切に保障していくのかという課題に早急に取り組むことを要望するという要望書(甲2)を提出した。 同要望書には,「原告議員が喉頭ガン治療のため声帯を切除しました。 この事により同市議は,現時点においては言葉を発することができない状況にあります。しかし,声帯を切除しても他の器官や補助器具により言葉をとりもどすことは十分可能です。そのため,同市議は現在主治医の指導のもとにボランティアの方たちの援助も受け,言葉を取り戻すための機能回復訓練に取り組んでいます。」との記載があった。 (2)原告は,平成15年4月23日,市議会議員選挙に立候補し,再選した。 (3)原告の二期目における発言方法についての審理経過(平成15年5月14日から平成15年11月25日まで)ア平成15年5月14日開催の各派代表者会議(甲46,131) 平成15年4月の市議会議員選挙から間もなく,議会運営委員が決まっていなかったため,各会派の代表者が本会議の議事進行について協議する代表者会議を開催した。 (ア)c議員は,「原告はまだ声が出ないため,臨時会ではb議員が原告の意見をb議員の意見として発言するかもしれないので承知願いたく,議会運営委員会が設置されたら同委員会に諮りたい。」旨述べた。 (イ)被告A11議員は,「代弁は許されていないので確認しておきたい。」と述べた。代表者会議の座長は,「あくまでもb議員の発言でないとまずいので,そのようにお願いし 。」旨述べた。 (イ)被告A11議員は,「代弁は許されていないので確認しておきたい。」と述べた。代表者会議の座長は,「あくまでもb議員の発言でないとまずいので,そのようにお願いします。」と述べた。 イ日本共産党恵那地区委員会l及び共産党市議団c議員は,平成15年5月26日付けで,被告A10議長宛に,市議会に対して次の3点について要望する旨の申入書(甲3)を提出した。 ①本会議における原告の発言については,用紙を用いた文書を適当だと認められた第三者が読み上げることによって同市議の発言として認めること。 ②常任委員会など各種委員会における同市議の発言については,用紙を用いた文書を適当だと認められた第三者が読み上げることによって同市議の発言として認めること。 ③本会議における一般質問については,同市議の事前の文書による通告を申告した質問時間の範囲で適当だと認められた第三者が読み上げることによって同市議の発言として認めること。 申入書には,要望書(甲2)と同様に,「現時点においてまだ言葉を十分に発することができない状況にあります。言葉をとりもどすことは十分可能です。言葉を取り戻すための機能回復訓練にとりくんでいます。」と記載されていた。 申入書についての審理経過は次のとおりである。 (ア)被告A10議長は,申入書の3つの要望事項について,原告の意に沿えることがいいが,そうすることで条例等に違反することのないよう,議会運営委員会に当該要望事項についての対応を諮問した。 (甲47)(イ)平成15年5月26日開催の議会運営委員会(甲47)a同委員会には,委員のほか,被告A10議 営委員会に当該要望事項についての対応を諮問した。 (甲47)(イ)平成15年5月26日開催の議会運営委員会(甲47)a同委員会には,委員のほか,被告A10議長,副議長が出席し,被告A11議員が傍聴した。 b事務局長は,「本会議や委員会等における議員の発言方法について法に規定はなく,会議規則上に定めがあるのが通例である。東京都と県の中には,文書による質問及び回答を認めているところがあり,会議録に載せることも議会運営委員会で認めているところもある。 市町村にはそのような例はない。被告市が会議規則を改正すれば,市議会においても同様の運用を行うことができる。第三者が読み上げることについては法や会議規則上に特別の定めはないが,録音テープ再生により質問に代えることはできない。質問当日に急病のため欠席を余儀なくされた議員が書面によって質問をしたり,他の議員に委任して質問することはできない。基本的には第三者が読み上げる方法により発言することはできない。」と報告した。 c被告A3委員は,c委員に対し,原告の完治や機能回復の見通しについて尋ねた。c委員は,「原告は木曜と土曜に名古屋大学まで出かけて発声訓練をしている。機能回復には個人差があり,半年から5,6年程度かかる。原告の発声が言葉として通じる程度にまでなるには2年くらいかかると聞いている。急速にしゃべれるようになることもあるが,あと1年くらいの見通しである。」と答えた。 d被告A11議員は,「これを認め規約を作ることができるのか。一人を対象として規則ができるのか。そこから出発しなければいけない。全員を対象にしたものが規則で,個人を理由に規則,規約を作ってはだめだと思う。それはできないと思う。「 規約を作ることができるのか。一人を対象として規則ができるのか。そこから出発しなければいけない。全員を対象にしたものが規則で,個人を理由に規則,規約を作ってはだめだと思う。それはできないと思う。「第三者」を認めますと,議員,執行部以外のものが議場で発言することになる。地方自治法では認められないことです。参考人として委員長が発言を求めることはできる。それ以外は議会における発言は認められないと思う。認めたら大変なことになると思う。」と述べた。 ec委員は,「申入書にある「第三者」とは,事務局職員を念頭に置いている。委員会では,原告の隣に同職員を配置して原告が書いたものを読んでもらう。本会議場でも同職員に読んでもらうことを考えている。」と説明した。 f副議長は,申入書を受理するにあたり,原告及び共産党市議団に対し,申入書の要望事項は臨時的な措置としての要望かどうかを確認した。共産党市議団は,普遍的に考えていただきたいと回答した。 gd 議員は,意思伝達の方法としてOHP等を持ち込むことはできないかと尋ねた。c委員は,発言機器としては,パソコン,反訳機等,色々な考えがあるが,今回は代読という方法のみを提案したと答えた。 h副議長は,「今回,代読ということだけですと,そのことだけの協議に終わり,代読がだめになってしまうと原告は発言できないということになってしまうので,いくつか道を考えないといけない。本人も努力してもらって,発言できるようにしてもらうことが一番であるが,だめだというときにどういうことができるか研究しないといけないと思う。代読だけでと言われても議会としてもえらい。」と述べた。 i被告A14委員長は,今回の申入書についての審議 ,だめだというときにどういうことができるか研究しないといけないと思う。代読だけでと言われても議会としてもえらい。」と述べた。 i被告A14委員長は,今回の申入書についての審議については,要望事項の3点に絞って,「第三者」の発言を認めない場合には,発言方法をなしとするのか,もう少し選択肢を広げて検討するのかどうか確認する必要がある旨述べた。 jc委員は,被告A10議長の要望事項は一時的なものかとの問いに対し,「原告が発言したいときのための暫定的な流れの中でお願いしたい。議運として原告の発言について,今の状態で認めていただくかということになる。ウエイトとして原告の発言の機会を認めてもらうことが中心です。」と答えた。 k被告A11議員は,「質疑をすることは個人の権限である。自分の都合で発言できない場合は放棄してもらわないといけない。一般質問だけが議員活動ではないので,そのほかのことでがんばればいい。」と述べた。 l被告A14委員長は,各委員に対し,同委員会での議論を踏まえて会派の意見をまとめるよう依頼するとともに,同委員会において忌たんない発言をしているため,外に伝える場合は気をつけるよう注意した。 (ウ)平成15年6月2日開催の議会運営委員会(甲4)a各派の検討結果として,次のような報告がなされた。 (a)被告A3委員は,「本人の事情はわかるが,個人の事情で条例を改正する必要はない。病気が完治するまで治療に努力してもらい,他の議会活動で頑張ってもらうようお願いする。」と報告した。 (b)被告A2委員は,「本人の肉声が原則でということで,第三者では問題ですので申入 るまで治療に努力してもらい,他の議会活動で頑張ってもらうようお願いする。」と報告した。 (b)被告A2委員は,「本人の肉声が原則でということで,第三者では問題ですので申入書は受け入れられない。治療中なので早い時期の原告の原告の回復を願い,他の議員活動を一生懸命にしていただくことで努力してもらう。」と報告した。 (c)被告A12委員は,「地方においても例がないということ。しゃべることができないことで活動範囲は狭くなるが,まず,声がでるように努力をしてもらいたい。申入れは受け入れられない。」と報告した。 (d)d 議員は,「結論は出ませんでした。自分がなった場合のことを考えると新たな例を作る必要もあるかと思うが,具体的にまとまらなかった。」と報告した。 b上記各派の検討結果を受け,被告A14委員長は,「事情はわかるが肉声に限られるということになるので,一刻も早く治してもらうことが先決で,早く結論を出してしまうと受け入れることが難しくなるので,引き続き検討をしていくことでお願いをしたい。」と発言して協議をまとめた。 cc委員は,「原告は,平成15年6月定例会での一般質問の準備はしていないので,原告が多く議会活動ができるような環境を作るため,継続して審議してもらいたい。委員会では,会派から出席する議員が一人だけになり,緊急に発言したいことも出てくるため,ボードを持ち込み,これに記載して発言するという方法を認めて欲しい。」と提案した。 dc委員の上記提案は,委員会当日に初めてなされたため,次回の議会運営委員会までに各会派で検討し,検討結果を報告の上,再審議することとなった。 (エ)平成1 dc委員の上記提案は,委員会当日に初めてなされたため,次回の議会運営委員会までに各会派で検討し,検討結果を報告の上,再審議することとなった。 (エ)平成15年6月23日開催の議会運営委員会(甲5)a同委員会は,委員のほか,被告A11議員及び被告A15議員が傍聴した。 bc委員による,各種委員会にボードを持ち込んで,これを用いて発言するという委員会における原告の発言方法について,各派の検討結果として,次のとおり報告がなされ,意見が述べられた。 (a)副委員長は,「1日も早く回復してもらうことにより,治療に専念してもらうことで一致しましたが,ホワイトボードの使用については認めないということになりました。」と報告した。 (b)被告A2委員は,「本人の肉声が基本であるということから,代弁は無理,ボードについてはもう少し議論が必要かと思われます。」と報告した。 (c)被告A12委員は,「ボードについては結論が出ておりませんが,代弁は認められないということになりました。」と報告した。 (d)d 議員は,「結論は出ておりません。」と報告した。 (e)被告A11議員は,「議会内での発言は口頭によることが権利であり,補足で使うことは認められてもすべてをそれですることは認められないので,議会としてのけじめとして慣例をきちんと守るべき。1日も早く口頭でできることを願って認めるわけにはいかない。」と意見を述べた。 c被告A14委員長は,上記各報告及び意見を受け,申入書の要望事項を認めるか否かの結論を出すのではなく,原告の経過を見なが とを願って認めるわけにはいかない。」と意見を述べた。 c被告A14委員長は,上記各報告及び意見を受け,申入書の要望事項を認めるか否かの結論を出すのではなく,原告の経過を見ながら同要望事項について継続して検討していくことと結論づけ,「治療に専念していただき,少しでも多くのリハビリに努力してもらいたい。」と述べた。 dc委員は,被告A14委員長の上記発言を受け,「突然しゃべり始めることがあるかもしれない。家族の協力でしゃべることについて頑張っていることを聞いている。しゃべり始めることは時間の限りがないが,委員会としては時間が限られている。」と述べた。同委員長は,「訓練であるので苦しいかと思うが,これを乗り越えないと声が出ないので頑張ってもらいたい。」と述べた。 (オ)平成15年10月20日開催の議会運営委員会(甲6)ac委員は,原告が,先の平成15年9月定例会の委員会において,自己が意思表示をする必要があると感じたとして,再度,原告の委員会での発言方法として,ボードを持ち込み,これに記載して発言することを許可するよう提案した。 bc委員は,被告A2委員から原告の発声状況を問われ,相手に伝えるだけの発言は,今の段階では難しいと答えた。 c被告A3委員は,「ボードについては大変無理があると思います。 この件はすでに議運で会派の話し合った結論が出ておるわけですから,改めてということになると問題である。治療に専念するべきだという意見があったように早く声を取り戻してもらうことに努力して欲しい。」と述べた。 d被告A14委員長は,「議事録を見てみますと,6月23日の議運の中では,各会派で検討結果として, 意見があったように早く声を取り戻してもらうことに努力して欲しい。」と述べた。 d被告A14委員長は,「議事録を見てみますと,6月23日の議運の中では,各会派で検討結果として,早く声を取り戻す努力をして欲しい,ボード,代弁者についてもだめだという議論が尽くされて結論が出ております。早く言葉を取り戻す努力をして欲しいということで,ボードはだめだということになっている。」と述べた。 ec委員からの改めて検討をお願いしたいとの訴えを受け,被告A14委員長は,「方向は出ていますが,もう一度会派へ持ち帰って,次回,意見を聞かせてもらうこと,本人がどの程度努力しているか何もわからないので,持ち帰っていただくことでお願いします。」と,c委員からの提案を再提案として,次回の議会運営委員会で審議することとした。 (カ)平成15年11月17日開催の議会運営委員会(甲48)aボードを持ち込み,これに記載するという原告の委員会における発言方法についてのc委員による再提案に対する各会派の検討結果として,次のとおり報告された。 (a)副委員長は,「6月と同様でした。治療に専念して欲しいということで,1日も早い復帰をお願いしたいということです。」と報告した。 (b)被告A2委員は,「ボードはまずいということで,治療最優先ということでした。」と報告した。 (c)被告A12委員は,「6月と一緒の結果でした。」と報告した。 (d)d 議員は,「ボードをやむなく使ってもよいということになりました。」と報告した。 b被告A14委員長は,c委員の「会派の結果はしょうがないが 。 (d)d 議員は,「ボードをやむなく使ってもよいということになりました。」と報告した。 b被告A14委員長は,c委員の「会派の結果はしょうがないが,持ち込むことに迷惑をかけるわけでない。」との発言を受け,「持ち込んでいけないということでなく,言葉で伝えないといけないといっていることなので,そこからおかしいことになっている。」と述べた。 cc委員は,被告A14委員長に対し,委員会にボードを持ち込むことに規則上規制があるのかを尋ねた。同委員長は,「規則の解釈の問題であるため,次回までにもう一度調べる。」と述べ,委員会へのボードを持ち込んでの発言方法について継続審議とした。 (キ)平成15年11月25日開催の議会運営委員会(甲7)a同委員会には,委員のほか,被告A10議長,副議長が出席し,被告A11議員が傍聴した。 b被告A14委員長は,「委員会へのボードの持込みについて」,会議規則上,「議場には持ち込めないものの記載はありますが,委員会にはありません。なければ持ち込んでいいということにはならないと思いますので,私は議場と同じ扱いでよいと思いますが,皆さんの意見をお聞きしたい。」と述べた。被告A3委員もこれに同意した。 c被告A11議員は,「原告に限ってということか。そういったことを認めていくことにより,何をやってもよいということになってしまう。議会は言論で決すべきと思う。自分の声でやるべきと思います。」と述べた。 dc委員は,「本来,議場に持ち込んでいけないものは,必要以上となる場合のもので,ボードといっても自分の机の範囲内のものであり,他人に迷惑がかかるものでもな す。」と述べた。 dc委員は,「本来,議場に持ち込んでいけないものは,必要以上となる場合のもので,ボードといっても自分の机の範囲内のものであり,他人に迷惑がかかるものでもないものなので認めるべきだと思う。9月の民生委員会では,採決のほかに意思を表明しなくてはいけないときがあり,原告でいえば発言を補完できるものになり,委員会審議をスムーズにするためにも,審議する材料にすることも含めてお願いしたい。」と述べた。 e被告A3委員は,c委員に対し,「原告は地域の皆さんに6月議会までには回復すると言われており,c議員も見通しはあると言われた。現在はどの程度なのか。」と尋ねた。c委員は,わからないと答えた。 f被告A10議長は,「先ほど本会議場も一緒のようなことを言われたが,本会議場でボードに書いてやられても困る。本会議場の採決は別として,委員会においては挙手で採決しているので必要はない。 勝手にボードに書いて,見ても見なくてもいいでは議事録に残すことについても難しい。」と述べた。 gc委員が,「皆さんに認められないので,迷惑をかけない範囲の物を持ち込みたいと言っている。自分が審議に加わることを望んでいる。」と述べた。被告A10議長は,「議運で決まったことを通してもらいたい。」と述べた。 h被告A14委員長は,「結論がでません。本人には声を出すことに努力してもらえないか。」と述べた。c委員は,「党としても活動を制限して専念してもらっている。」と答えた。 i被告A14委員長は,「今の時代,パソコンに打ち込んで声が出るものがあるので,そういったものにもチャレンジしてもらったらどうか。それはそれで検討しなくてはいけないも 答えた。 i被告A14委員長は,「今の時代,パソコンに打ち込んで声が出るものがあるので,そういったものにもチャレンジしてもらったらどうか。それはそれで検討しなくてはいけないものになる。そういう努力もしてもらわないといけないところにきている。」と発言し,同委員会でのc委員による提案についての審理を終了させた。 (4)原告の二期目における発言方法についての審理経過(平成16年8月27日から平成16年12月6日まで)ア「中津川市議会におけるバリアフリーの推進に関する陳情」の陳情者代表m(以下「陳情者代表者m」という。)は,平成16年8月27日,a議長に対し,陳情書に1万4471人(うち8746人が中津川市民)の署名を添えて提出した。(甲8,9,49) 陳情書(甲8,以下「陳情第5号」という。)に記載された陳情要旨は次のとおりである。 「①心身に如何なる障害があっても,その議員が市議会議員としての職責が果せるように,市議会における活動を全面的に保障するよう最大限の配慮を行うことを中津川市議会として確認すること。 ②中津川市議会におけるバリアフリーの推進について現状ではどのような課題や問題点があるのかを具体的に協議され,その改善・解決に努めること。 ③さしあたって,原告市議の市議会における活動をどう保障していくのかということについて,然るべき場において協議されること。」 陳情第5号に対する審理経過は次のとおりである。 (ア)陳情者代表者m及びこぶしの会代表nは,平成16年9月2日,被告議員らを含むすべての議員に対し,「中津川市議会におけるバリアフリーの推進に関する陳情について」と題する文書 (ア)陳情者代表者m及びこぶしの会代表nは,平成16年9月2日,被告議員らを含むすべての議員に対し,「中津川市議会におけるバリアフリーの推進に関する陳情について」と題する文書を配布した。 (甲9) 同文書には,「神奈川県の鎌倉市議会において,脳性麻痺の障害を有し,手足が不自由で発声ができない議員がおり,同議員の議会活動支援として,同市議会では,議会運営委員会での協議の結果,議場における発言については,一般質問,質疑,討論等,事前に発言内容を文書で提出が可能なものについては事前に議長に提出し,再質問など事前に準備できないものは,本会議を休憩した後,改めて文書を作成して,議長に提出する。会議録上は,「e議員(代読)」と表記する。動議等の意思表明の方法についても,発言と同様の取扱いをする。同議員の所属する観光厚生常任委員会においても,本会議と同様の扱いとする。」と記載されていた。 (イ)陳情第5号に対する審査は,議会運営委員会に付託された。(甲49)(ウ)平成16年9月2日開催の議会運営委員会(甲49) 同委員会は,陳情第5号に対する審査は,原告の病気の進行経過等,プライバシーに関わる可能性があるため,公開になじまないとして,非公開での審議とすることとした。 (エ)平成16年9月6日開催の議会運営委員会(甲50)a議会運営委員会は,陳情第5号に対する審議を非公開とする決定を変更し,同月21日の議会運営委員会で公開で審議することとした。 b被告A3委員が,事前に原告に聞きたいことがあるがどうしたらよいかと尋ねたことに対し,次のようなやりとりがなされた。 (a 公開で審議することとした。 b被告A3委員が,事前に原告に聞きたいことがあるがどうしたらよいかと尋ねたことに対し,次のようなやりとりがなされた。 (a)被告A14委員長は,「A3さんが原告に事前に聞いたらどうか。」と述べた。 (b)b委員が,「委員会として聞くこともできる。」と述べた。 (c)被告A3委員は,「参考人というような形で来てもらったらどうか。」と述べた。 (d)副議長は,「来てもらうのではなく,先に本人から議運の方へ聞いて欲しいことがあれば言ってもらいたい。話が逆である。」と述べた。 (e)被告A10委員は,「原告はどう思っているか,過去の経過はどうか整理する必要がある。想像でものを言ってもいけないので,事実関係を調べた方がよい。」と述べた。 (f)被告A28委員は,「当日の原告の傍聴も含めて出席はまずい。 A3委員の提案については,前もって文書で委員会から投げかけをして,回答をもらってから議会運営委員会を開いたらどうか。」と提案した。 (g)被告A14委員長は,質問のある人は原告に対する質問内容を市議会事務局へ提出するよう言い,原告に対し,質問書を提出し,その回答を踏まえた上で審議することを決定した。 cd 委員は,上記のやりとりの最中に,「鎌倉市議会では議会が代読を認めているということを聞いた。事務局を通じて調べてもらったらどうか。どのように対処しているか資料の提供をお願いしたい。」と述べた。被告A14委員長は,「A3委員の提案に戻します。」と議論を戻した。 (オ)被告A14委員長は, もらったらどうか。どのように対処しているか資料の提供をお願いしたい。」と述べた。被告A14委員長は,「A3委員の提案に戻します。」と議論を戻した。 (オ)被告A14委員長は,平成16年9月14日,原告に対し,陳情第5号の審議の参考にするためとして,「陳情第5号における質問事項」と題する質問書を提出し,これに回答するよう求めた。(甲10) 上記質問書に記載された質問事項は,次のとおりである。 「①市議会議員選挙戦において,「リハビリ中であり,声が出るようになりますので,議会活動に支障ありません。」と街宣活動をされたと聞いていますが,それを信じた市民にどのように理解を得るつもりですか②市議会議員選挙立候補時点で声が出ないことに対して,当選後の議員活動をどのように進めていくおつもりだったのでしょうか③治療に専念された経過・現状について,医師の診断書に基づいて説明してください④昨年の議運でパソコンによる音声変換対応はできないかとの意見がありましたが,パソコン使用は検討しましたか⑤これまでの議会運営委員会で,この問題が議論された時,回復のためにもっと努力してほしいという強い要望がありました。それなりの努力はされていると思いますが,自助努力としてどんなことが実行されてきたのかお聞きします⑥日本共産党大会ではバリアフリーが確保されていますか。代読発言は認められていますか⑦今回の陳情について,議員からの要望ですか⑧前回の貴所属会派から議運への要望及び今回の陳情は,他力を頼りにしている感がしますが,自己で いますか⑦今回の陳情について,議員からの要望ですか⑧前回の貴所属会派から議運への要望及び今回の陳情は,他力を頼りにしている感がしますが,自己で説明・要望すべきだと考えますがいかがですか」(カ)原告は,平成16年9月14日付けで,議会運営委員会に対し,質問書に対する回答を書面で提出した。(以下「回答書」という。甲11) 回答書の回答欄には,ワープロ又はパソコン等により回答が印字されていた。 回答書に印字されていた原告の各質問に対する回答は次のとおりである。 「①現時点では,発言できるような発声に至っておりません。選挙戦では,支援者や息子が私に代わって訴えてきました。今回,陳情署名を行う中で,支援者の方々が「原告は,まだ発言できるまでに至っていないので」と話して署名をお願いし,また,9月6日の市内の全朝刊に市民の皆さんに御礼の気持を伝える折り込みをさせて頂きました。選挙での「市民・住民の皆さんの要望を受けとめて,その実現に努力します」と訴えたように,議員活動をすすめています。 尚,選挙戦で「~議会活動に支障ありません」と街宣したということは聞いておりません。 ②リハビリ指導員の方々の体験を踏まえた「食道発声」の可能性,同じ障害をもつ元佐世保市長の話などに励まされ,発声できるようリハビリに努力しながら,議員活動をすすめていこうと考えました。 ③私は退院後2~3ヶ月に1回の定期検診を受け,その都度「異常なし」と診断され,現在に至っています。今は声帯を失った「障害3級」(別紙)となった身体で,食道を使った発声の訓練中です。 ③私は退院後2~3ヶ月に1回の定期検診を受け,その都度「異常なし」と診断され,現在に至っています。今は声帯を失った「障害3級」(別紙)となった身体で,食道を使った発声の訓練中です。 この訓練は治療ではなく,体験者が指導員となっておこなわれているリハビリです。毎週土曜日に名古屋大学病院,木曜日に県立多治見病院での教室(各2時間)に通っています。名大では30~50人,県病院では10~20人が上級を目指して頑張っています。私は上級になりましたが「食道発声」は手術の部位・状態等から本人の努力だけではない問題もあって,まだ話ができるまでに至っていません。 付け加えて申し述べることは,自分が障害者になってみて,障害者の思い・人間の尊厳について改めて学んだし,日々学んでいるということです。 ④まずは現時点での状況を受け入れ,対応していただくのが妥当であると考えます。 ⑤前述のリハビリと,日常生活の中で①基本発声の練習②新聞や本は声に出して読むなどと心掛けています。 ⑥バリアフリーは確保されていますが,発声障害のある代議員は今までのところいなかったと聞いています。 ⑦私を支持してくださっている方々です。 ⑧陳情書に書いてありますように,さしあたっては私の問題ですが,市議会全体のバリアフリー化を推進していくことは,全ての市民の参政権を保障していくことでもあり,市民の力を合わせて取り組む問題であると考えます。」(キ)平成16年9月21日開催の議会運営委員会(甲12,乙イ4) 同委員会には,被告A14委員長,被告A10委員,被告A28委員,被告A3委 ると考えます。」(キ)平成16年9月21日開催の議会運営委員会(甲12,乙イ4) 同委員会には,被告A14委員長,被告A10委員,被告A28委員,被告A3委員,被告A1委員,d 委員,b委員,a議長,A6副議長,委員外議員として,被告A11議員,被告A12議員,被告A2議員,c議員及び原告が出席した。 同委員会は,審査の必要から委員外議員から意見を求めたいときは,委員長の指名により委員外議員の発言を許可すると申し合わせた。 被告A14委員長は,同委員会開催に先立ち,各委員対し,回答書と鎌倉市市議会,静岡市議会及び東久留米市議会における発声障害を有する議員に対する対応事例について事務局職員がまとめた資料を配付し,同委員会当日に,委員外議員らにも配布した。 同委員会における主な審議の経過は次のとおりである。 a陳情第5号の要望事項①について(a)被告A28委員は,「陳情第5号にある,全面的に保障するよう最大限の配慮を行うことは当然のことだと思うが,全面的に保障していく方策を講じる責任が市議会全体に課せられているという文言はあたかも市議会に義務があるかのような表現で納得がいかない。市議会におけるバリアフリーが推進されることについては何ら異議がないが,あまりにも権利の主張が目につく文章であり,義務,そこには努力もあるかと思います。」と述べた。 (b)被告A10委員は,「個人差があって,どこに,どういう配慮をしなければいけないのか難しい問題だと思っている。本人の意思が通じる形の中で,あらゆる想定をしながら,その場で配慮について議論して対応していくべきだと思います。全面的な って,どこに,どういう配慮をしなければいけないのか難しい問題だと思っている。本人の意思が通じる形の中で,あらゆる想定をしながら,その場で配慮について議論して対応していくべきだと思います。全面的な保障には問題があることを言ったつもり」と述べた。 (c)上記発言を受けて,被告A14委員長は,「全面的ということについて,言葉は難しいが,全部保障できるとは限らない。ケースによりますので,ケース・バイ・ケースで最大限努力するという確認に留めたいと思います。」と述べた。 (d)d 委員は,「文言にすると全面的に保障と書いてはあるが,一つの解釈として,可能な限りということが中身に入っている気がする。」と述べた。 (e)被告A14委員長が,「実現できるように最大限の努力をするという市議会としての姿勢を確認してよろしいか。」と提案した。 被告A28委員は,「配慮することは当然のことだと思います。障害者の方とのお互いの努力も含めてというものをなくして,ただ,権利の主張だけの最大限の努力,配慮はおかしいと思います。その辺があっての最大限の努力を行うことについては,何ら異議ありません。」と述べた。 (f)これを受け,被告A14委員長は,「最大限の配慮は当然のことながら,本人にも最大限の努力をしていただくことを確認いたします。ケース・バイ・ケースで配慮していくことで確認させていただきますが,よろしいですね。」と提案した。出席者は異議なく承認した。 b 陳情第5号の要望事項②について(a)被告A1委員は,障害といっても色々なものがあり,バリアにもソフトとハードのものがあるから,具体的な改善,解決方法も色々であり b 陳情第5号の要望事項②について(a)被告A1委員は,障害といっても色々なものがあり,バリアにもソフトとハードのものがあるから,具体的な改善,解決方法も色々であり,その場,その場で対応を考えざるを得ないとの意見を述べた。被告A28委員も,バリアフリーの内容については,状況によりケース・バイ・ケースであって,直面したとき具体的に詳細を決めていく必要があり,議会の中でもケースにおいては,十分な解決策を論議していくべきであるとの意見を述べた。 被告A12委員は,一口にバリアフリーといっても幅広く想定も無理なのでその都度考えるべき問題であると,上記被告A1委員らと同様の意見を述べた。 (b)被告A11議員は,バリアというものは,個人が目的を持って行動する場合に支障をきたすものであり,「最終的には個人の行動を保障してもらうためにバリアフリーをするわけで,最終的な行動というのは,本人がやるわけです。議会というのは,そういった意味ではバリアは一切ないはずです。議員活動については,本会議,委員会における発言だけではないわけですから,例えば,議案の採決,或いは,その途中における問題はできますし,また,議員として住民の要望を本会議や委員会を通じなくてもできるはずですから,そういう意味での議員活動はできるはずです。その点において,議員活動に対するバリアは市議会としては一切設けていないと思います。要は本人のバリアです。本人のバリアは本人がどうクリアしていけるのか,そのことでしか問題の解決はないと思います。そう思いますので,2番めの問題提起が不適当だと思っています。」と意見を述べた。 (c)被告A3委員は,今回,1万5千人近くの署名が集まった背 問題の解決はないと思います。そう思いますので,2番めの問題提起が不適当だと思っています。」と意見を述べた。 (c)被告A3委員は,今回,1万5千人近くの署名が集まった背景は,議会ということだけでなく世の中にバリアフリーの常識が高まっているからだと思うとの考えを述べ,2つめの項目については,認識を高めながら,ケースにあわせて理解を得ていくことでいいのではないかとの意見を述べた。 (f)上記の意見を受け,被告A14委員長は,2番目のバリアフリーについては,ケース・バイ・ケースであるので,その都度,その都度,ソフトもハードも積極的に前向きに検討していくことでいいのでないか,いくべきだという意見が大勢のようだとして,事例を挙げながらこういう場合はどうするか,他の自治体の事例を参考にしながら決めておくより,いつ発生するのかわからないので,1番め,2番め含めて,積極的に前向きに取り組んでいくことで,1番め,2番めをまとめさせていただきたいと提案した。 他の委員は異議なく承認した。 c 陳情第5号の要望事項③について(a)被告A14委員長は,「他市の例では,その方にあった配慮をしている中で,中津川市ではどこまで配慮できるのか。議会として最大限の配慮をし,本人も最大限の努力をしてもらう中で接点を見出していかなくてはいけないと思う。」と述べた上で,他の委員に対して意見を求めた。(b)b委員は,「市議会も自分も,原告が1日でも早くリハビリに努められ,自力で発声方法を身につけることに期待し,当面は症状の回復を願うという立場に立ってきたが,陳情書に対する取り組みをする中で,同じ時に同じ席に着いている議員が,障害のため不本意にも4 リに努められ,自力で発声方法を身につけることに期待し,当面は症状の回復を願うという立場に立ってきたが,陳情書に対する取り組みをする中で,同じ時に同じ席に着いている議員が,障害のため不本意にも4年間の任期内に1字の文字も議事録に記載することができないなどという事態は克服されなければならないと考えるようになった。議運の議論を通して,原告の障害による議会活動の困難が1日でも早く克服されることを議運の構成員の一人として強く願い,陳情の趣旨実現のために早急な対応が必要である。」との意見を述べた。 (c)被告A10委員は,「代理発声まで行かなくても,自分も努力する,議会も配慮することで議事録に残せるような対応ができるのではないか。」との意見を述べた。 (d)被告A1委員は,「最近,パソコンの音声変換機能というソフトもありますので,まずは自助努力をしていただいて,最新のもので対応したらどうか。同時に自らの声が出るようにご努力をいただいきたい。」との意見を述べた。 (f)d 委員は,「代弁を認めるかどうかをクリアできれば,至ってすっきりしていいのではないか。鎌倉市議会の事例で「規則等について,議会運営委員会の申し合わせで運用する。」となっていますから,代弁でクリアできる。パソコンは否定しないが,代弁の方がすっきりすると思います。」との意見を述べた。 (g)a議長は,「パソコンの音声変換機能によるのが今のところ最善ではないか。大きな工事も必要なく,そのままパソコンを持って行ってマイクを近づければ,全部録音ができます。音声もクリアです。家で打ってきて,それをクリックだけすれば,そのままきれいに読んでくれます。IT技術というものは,福祉とか障害者の パソコンを持って行ってマイクを近づければ,全部録音ができます。音声もクリアです。家で打ってきて,それをクリックだけすれば,そのままきれいに読んでくれます。IT技術というものは,福祉とか障害者の方にとっても人生における不便なことを改善してくれる社会的な文明機器だと思っておりますので,大いに活用することが必要ではないかと思っておりますし,大変使いやすくなっております。まず,それに取り組んでIT機器を活用されたらいかがか。」との意見を述べた。 (h)被告A28委員は,「私は,障害者の方は日常生活の中で努力していないということは一切思っておりません。原告については,1番,2番の問題と同じように議会として最大の配慮をしていくべきであり,原告の一般質問,本会議場での発言をどのように確保してあげることができるのかを考えていくべきで,方法論としては,音声変換機能付きパソコンを利用することがいいのではないか。土曜日に名古屋,木曜日に多治見とかなりの努力をされているわけですが,機械に頼ることもそれなりの努力が必要だと思いますので,あくまでも原告の力による音声変換の発言だと理解しますので,そんなことをお願いしたいと思います。」と述べた。 (i)b委員は,「パソコンでもよいと思います。そういう技術をどんどん活かせばいいと思います。原告はご承知のようにチラシでさえ手書きで書いてみえますが,僕も曲がりなりにもパソコンを使えるようになりましたので,年齢の差は少しありますが原告にも使えないということはないと思います。実物を見たことはありませんが,議長の言われるようにいいものがあるかもしれない。 食わず嫌いでということではなくて,原告が挑戦することも一つの方法だと思いますが,こういう問題を解決するときには,原告 実物を見たことはありませんが,議長の言われるようにいいものがあるかもしれない。 食わず嫌いでということではなくて,原告が挑戦することも一つの方法だと思いますが,こういう問題を解決するときには,原告の意向を聞いて1番いい方法を考えればいいと思います。代理で読むようにすればお金もかからないし,直ぐできることだと思いますので,できる限り早い時期に原告の状況を改善することを考えれば,代理で読むような方法を考えていくのが一番現実的だろう。」との意見を述べ,「しかし,今の提案のそれぞれについても非常にいい案だと思う。」と言い添えた。 (j)被告A3委員は,「前提に自助努力をお願いしたいことで,パソコンには,これからも進歩していく可能性があるので,パソコンを活用して発言に代えたらと思います。パソコン導入に賛成します。」との意見を述べた。 (k)被告A14委員長は,自己の意見として,「今,非常に便利になっておりまして,文書をもってくれば音声になるわけですから,システムも進んでおり,そんなに難しいことではない。私もコンピューターの声であれ,原告の発言にみなしてパソコンの音声変換機能付のものを持ち込んでやってもらってもいいと思います。 実現することになれば,それから運用していけばいいと思いますが,そういう方面で努力をお願ししたい。」と述べた。 (l)被告A12議員は,「代読ですと質問のみとなると思うのですが,パソコンであれば自分が質問したいことをその場で打ち込めば,多少時間がかかるにしても自分で質問が可能になるようなことが書いてありますので,原告が質問し,答弁をしていただいて,自分が再質問したいときにその場でできます。やり取りも可能になるので,パソコンの持ち込みを認めていただ ても自分で質問が可能になるようなことが書いてありますので,原告が質問し,答弁をしていただいて,自分が再質問したいときにその場でできます。やり取りも可能になるので,パソコンの持ち込みを認めていただいたほうがいい。」と意見を述べた。 (m)被告A11議員は,「本人の責任ではないですが,障害を抱えてから議員になられたのですから,議員になったという責任をもう少し考えていただきたい。質問書に回答されているものを見ても,人のせいにされているところがみえます。バリアフリーには異論ありませんので,前提は,本人がどこまで努力をし,行動に責任を持って対処していただけるかということになろうかと思いますので,そういう点で,全力で皆さんの出された結果には,自分の努力でやっていただきたい。そのことをお願いしておきたいと思います。機器の持ち込みについては,本来,議会は自分の声で議論するという場ですから,異例の取扱いとなるので,定着するということではなく,一つの措置であるということに限定していただきたい。皆さんのご意見の中で,代読については認められませんが,努力によるパソコンの音声変換装置という発言については認めていきたいと思っております。」との意見を述べた。 (n)c議員は,「当初は原告が努力して早く発声できるようにするとしていたが,機能回復には時間がかかり,実際に議会で周知できる発言まで至らないとういう状況であるから,原告自身の要望である代読という問題について協議してもらいたい。原告が努力してパソコンを習得していくとしても,習得するまでの間の発言をどう考えていくのかを協議してもらいたい。具体的には,再質問についてはその場で,自分で打たなくてはならないが,手で書いたものを職員に代読してもらう場合は,その場 くとしても,習得するまでの間の発言をどう考えていくのかを協議してもらいたい。具体的には,再質問についてはその場で,自分で打たなくてはならないが,手で書いたものを職員に代読してもらう場合は,その場で渡せば再質問できる。」と述べた。 (o)被告A14委員長は,陳情第5号には,原告の要望というのは書いておらず,質問に対する原告の回答にも,今回の陳情を行ったのは,「私を支持してくださっている方々」との回答があり,要望事項はバリアフリーを検討して欲しいということであり,原告の要望事項に対する審議ではないとc議員の発言を制した。 (p)b委員は,「パソコンというのは最新の技術なので,パソコン弱者もいるので押し付けるわけにいかない。将来的には原告が暮らしていかれる上で,常に代読で話をするよりはパソコンという技術を使ってやったほうが手っ取り早いし,非常に早くできることは間違いないことだから,その辺については,原告にも頑張ってやって欲しいと議会から言ってもらうこともいい。」,「是非,原告にも前向きに受け止めて欲しいという気持ちもありますが,やはり障害者問題を考えるときには,問題を客観的に捉えることが大事で,その時には本人の意思,状況を正確につかまないといけない。原告には皆さんの思いは伝わっていると思いますが,それを経て原告の思いを確認したうえで,方法については協議できればいい。」と述べた。 (q)被告A2委員は,「先ほどパソコン弱者という話がありましたが,健常者が使われているパソコンのイメージではだめだと思います。今,パソコン技術は発達しておりまして,障害者の方にあったパソコンができています。何もパソコンの知識がなくても音声変換できる,つまり電卓を使うという感覚です。「 コンのイメージではだめだと思います。今,パソコン技術は発達しておりまして,障害者の方にあったパソコンができています。何もパソコンの知識がなくても音声変換できる,つまり電卓を使うという感覚です。「あ」を押せば「あ」という発音ができ,「あい」と押せば「あい」と発音できるパソコンができておりまして,音声変換を調べましたら,そういったものも出ておりました。機能としては十分あると思います。原告の声という問題も,あるメーカに本人の声そっくりに出す音声交換ソフトがあります。日本に数社あります。過去にとられたテープで原告の声紋から同じような声が出せることができます。技術的には十分可能で,料金も安くなっています。それからキーボードという問題がありますが,キーボードを押さなくても手書きをそのまま音声変換できるものもあります。つまり,原告の字体をそのままコンピューターに登録すれば,そのまま発音するようにできます。今の技術は十分ありますから,逆に代読より早くでき,しかも正確であるということが言えます。そういう面で,今のIT技術を十分活用していただければ,この障害が全て克服できると私は思っています。」との意見を述べた。 (r)被告A14委員長は,「さしあたり原告のような,発声だけが難しいという議員がいたらどうするかということについて議論をしたが,パソコンの技術も進んでおりますので,パソコンの音声変換機能付きのものを持ち込んで,その議員の発言とみなすことで意見がまとまった。このようなケースについては,音声変換機能付のパソコンを持ち込んで対応できることで,今日の結論を出したい。」と提案した。他の委員は異議を述べなかった。 (s)b委員は,「A2議員が言われたようなことは知りませんので,是非,調べていけば原 対応できることで,今日の結論を出したい。」と提案した。他の委員は異議を述べなかった。 (s)b委員は,「A2議員が言われたようなことは知りませんので,是非,調べていけば原告も納得できるというか,そのほうが人に頼ることでなく自分の意思を表現できるという点でいいと思います。」と述べた。 d被告A14委員長は,陳情第5号に対する審議のまとめとして,「1項については,当然,本人の努力も最大限発揮してもらうわけですが,最大限の配慮をしていくということ。2項は,非常に広範なことが考えられるので,ケース・バイ・ケース,その都度,前向きに検討していくということ。3項のさしあたって原告については,本会議場への音声変換機能付のパソコンを持ち込むことを認めることで結論付けて,この陳情者の代表のmさんにその旨を回答して,そこから原告に伝わるものだと思います。その結果を受けて原告なり,会派の方から議会に要望などあるかもしれませんが,今日のところはこのようにまとめたいと思いますがよろしいですか。」と述べた。他の委員は,異議なく承認した。 e被告A3委員は,協議中に,原告の回復の見通しについて,c議員の代弁により説明をして欲しいと求めた。被告A14委員長は,「まだ代弁を認めて委員会を進めているわけではありませんので,それはまずい。」と述べ,他の委員に対応を諮った。被告A10委員は,「陳情書に基づいてそういうことをどうするのか議論しているところであり,たまたま本人がいるから聞くのだという話になろうかと思いますが,その辺をきちんとしていかないと議運とは何だということになる。」との意見を述べた。被告A14委員長は,「原告の回復の見通しについては昨年の議運でcが会派代表として出席した時にも議論を と思いますが,その辺をきちんとしていかないと議運とは何だということになる。」との意見を述べた。被告A14委員長は,「原告の回復の見通しについては昨年の議運でcが会派代表として出席した時にも議論をした経過があり,リハビリの努力をされたけどなかなか発声まで至っておらず,今後も難しいだろうという前提で,どう対応するのかというご意見をいただきたい。」と述べ,被告A3委員の要望を容れなかった。 イ原告は,平成16年10月2日,今後の議会における活動について協議の場を設けるようa議長に申し入れた。(甲120)ウ被告A14委員長は,平成16年10月12日,a議長,被告A6副議長,被告A3副委員長及びb議員と共に,原告と面談を行った。 (ア)被告A14委員長は,この面談時に,原告に対し,とりあえずパソコンを使って壇上から質問して欲しいと述べた。 (イ)原告は,この面談時に,被告A14委員長に対し,「パソコンは使えない。」といった内容を記載したメモを示した。 (ウ)被告A14委員長は,原告に対し,「フロッピーを事務局まで持ってくれば事務局でパソコンにセットする。パソコンができる人が家族にいるでしょう。家族や支援者に手伝ってもらったらどうか。」と述べた。 (以上,甲135,被告A14本人)エ共産党市議団(原告,c議員及びb議員)は,陳情第5号に対する議会運営委員会での審議結果を受け,平成16年10月25日付けで,a議長に対し,要望書を提出した。(甲13) 同要望書の要望事項は,原告の意向を確認した上で,中津川市身体障害者福祉法施行細則(2003年)第10条1項「障害者本人からの聴取」,同3項「身体障害者の意向」の趣旨を踏まえてなさ 同要望書の要望事項は,原告の意向を確認した上で,中津川市身体障害者福祉法施行細則(2003年)第10条1項「障害者本人からの聴取」,同3項「身体障害者の意向」の趣旨を踏まえてなされたものとして,次の2点が記載されていた。 「①毎週2回の発声訓練(名大病院・県立多治見病院),毎週1回のカイロプラクティック治療などの自助努力に対するご理解をお願いいたします。 ②約1年に渡る発声訓練により発声再生のレベルは「上級」の水準に達することができましたが,当面すぐに対応できることとして一般質問や各種委員会等での「代読による発言保障措置」をお願い致します。」と記載されていた。 また,原告は,約1年に渡るリハビリ(食道による発声訓練)を行っているが,第三者に発言内容を伝えられる水準までには機能回復はしていない,一刻も早い議会における発言が保障される措置が講じられることを強く望んでいると記載されていた。 要望書に対する審理経過は次のとおりである。 (ア)a議長は,平成16年10月25日,要望書につき,議会運営委員会に協議を付託した。(甲51)(イ)平成16年10月25日開催の議会運営委員会(甲51)a同委員会は,委員のほか,a議長が出席し,原告が傍聴した。 b被告A14委員長は,「要望書の要望事項が陳情第5号についての協議結果による音声変換機能ソフトを利用したパソコン使用という発言方法という内容でなく,代読という発言方法であるため,新たな要望である。要望書の要望事項についての対応を各会派で検討した上で,次回の議会運営委員会で協議したい。」と提案した。 c被告A3副 容でなく,代読という発言方法であるため,新たな要望である。要望書の要望事項についての対応を各会派で検討した上で,次回の議会運営委員会で協議したい。」と提案した。 c被告A3副委員長が,b委員に対し,陳情第5号に対してなされたパソコン使用という方法について検討したか質問した。b委員は,「共産党市議団で,議会事務局に依頼して議会応接室で音声変換機能付きパソコンの確認をした。」と答えた。 d被告A14委員長は,パソコン使用の確認は,会派間で行うこととして,各会派で要望事項について検討するよう依頼した。他の委員は,異議なく,次回の議会運営委員会までに各会派が検討することとなった。 (ウ)平成16年11月9日開催の議会運営委員会(甲14,甲14の2)a原告及び被告A11議員は委員外委員として同委員会に出席した。 b要望書の要望事項についての各会派の意見は次のとおりである。 (a)被告A1委員は,清新クラブの検討結果として,「代読による発言措置については,昨年の議会運営委員会において,代読やボード等を使うことを色々議論をした経過があり,その経過を踏まえて陳情第5号について,音声変換機能付きのパソコン使用を認めるとしたのであり,代読はだめだったということだったと思う。 清新クラブとしては,代読は認められず,音声変換機能付きのパソコンを使用しての発言を原告自ら努力してやっていただきたい。」と報告し,私的意見として,「重度障害者の方が実際に使用しているのを聞き,はっきりとした音声だったので,まずは利用していただくことが先決ではないか。」と述べた。 (b)被告A28委員は,会派の検討結果として,「陳情第 実際に使用しているのを聞き,はっきりとした音声だったので,まずは利用していただくことが先決ではないか。」と述べた。 (b)被告A28委員は,会派の検討結果として,「陳情第5号に対する検討として色々議論をした結果として,パソコンによる音声変換が一番よいのではないかということで決定したという経緯もあり,代読ではなくて音声変換機能付パソコンを利用していただきたい。」と報告し,「個人的には,第三者を介在させない方法がベターではないかという意見である。」と述べた。 (c)d 委員は,市民ネット21の意見として,「基本的には音声変換機能付きパソコンの使用には異議がないが,そこへいくまでは代読を認めるべきではないか。技術の習得ということもあるが,本人の意向を大切にするべきではないか。」と報告した。 (d)被告A12委員は,「会派での結論は出なかった。とりあえずパソコンを認めていただいたので,まず一度挑戦していただきたい。挑戦し努力をしたけれどできないということであれば,その時点で考えることはできるが,やってみていただきたい。」と報告した。 (e)被告A14委員長は,参考意見として被告A11議員に発言を促したところ,同議員は,「社民党の全国レベルの方針としては,いかなる障害のある議員でも政治活動は当然保障すべきという観点から代読という例があるので,そういう要望が出た場合にはその要望に賛成して欲しいという要望があった。中央の方針どおり代読でいきたいのですが,パソコンの音声変換から代読に変えたと言われると,おまえの主張はなんだと言われるので,党の方針は党の方針,私としては,前回の議運で決まった,とりあえず努力していただいてパソコンで対応していただ が,パソコンの音声変換から代読に変えたと言われると,おまえの主張はなんだと言われるので,党の方針は党の方針,私としては,前回の議運で決まった,とりあえず努力していただいてパソコンで対応していただくことの皆さんの意見にしかるべく従っていくことを思っております。代読を否定するわけではないが,今の段階では,前回の議運の決定に従ってパソコンで努力していただきたい。」と述べた。 c上記の各意見を踏まえ,被告A14委員長は,一度チャレンジをしてパソコンを使う努力をしてみて欲しいという意見がほとんどであり,市民ネット21はニュアンスが少し違うものの,音声変換は否定しないが代読がいいのではないかという意見だったとまとめ,こういった意見と要望事項とはかみ合わないのでこれに対する意見があるかとb委員に尋ねた。 db委員は,「パソコンや音声変換装置については自ら見聞した。第三者が介在することになり,本当に正確に伝わっているかどうか分からず,議会はできる限り自分の意思を伝えるときに直接的であった方がよいというのはよくわかるが,代読であればお金もかからず,全国的には実施している例もあるのに,なぜ代読がだめなのかわからない。」と述べた。 e被告A14委員長は,「代読が何故ダメか理解できないということであれば,私は,なぜパソコンを利用してチャレンジすることができないのか疑問になります。難しいことではないわけですので,皆さんが言われるように一度使えるように努力してチャレンジしていただいて,それでだめならまた検討すればよいのでないかという声もありましたが,どうして第三者を介さなければいけないのか,コンピューターが声を出してくれるのになぜだめなのか理解できないです。自分の要求していることはこうだか また検討すればよいのでないかという声もありましたが,どうして第三者を介さなければいけないのか,コンピューターが声を出してくれるのになぜだめなのか理解できないです。自分の要求していることはこうだから,それ以外はだめだ,聞けないということでは議論になりませんので,前回もしっかり議論していただいて,本来は自分の発言が大原則だけれど,コンピューターの声でも原告の声として認めようと,そして,過去の声紋からよく似た声が出る機械があることまで調べた人がいる中で,チャレンジをなぜしないのかわからない。」と述べた。 f被告A11議員は,参考意見として被告A14委員長から発言許可を得た上で,1時間から2時間くらいの時間で簡単に習得できるというトーキングエイドという電卓に似た機械があると報告した。 g被告A14委員長は,「記録には残らないが,発声するだけの会話補助装置なら色々あると思います。パソコンはフロッピーで入れて字がそのまま言葉になって出るものですから,そういうものを研究して,勉強してチャレンジして努力して欲しい。その結果,どうしても何ともならなければ考えればよいのでないか。まず決まったことをチャレンジしてみてはどうかと思います。」と述べた。 hb委員は,「中津川市身体障害者福祉施行細則では,障害者の自己選択権,自己決定権という基本方針を定められているので,そういう視点からもこの問題について認めて欲しい。」旨述べた。 id 委員も,「b委員と同様の意見である。体に障害があって,そのことを認めていくことが大事であると思います。今回,原告は声が出ないということで,そこをどう認めていくかということになると,原告の言いたいことをどう受け止めていくかだと思う。それが代読な て,そのことを認めていくことが大事であると思います。今回,原告は声が出ないということで,そこをどう認めていくかということになると,原告の言いたいことをどう受け止めていくかだと思う。それが代読なのかパソコンなのかだけであって,その意向をどう汲んでいくのかを考えればよいと思う。だから前回の議運で決めた音声変換装置の付いたパソコンを持ち込んでもいいし,それまでの間,代読なら代読を認めていってもよいのではないか,そこを大事にすべきでないか。」と述べた。 j被告A14委員長は,「私は原告がパソコンを使えないとは思っていない。質問事項の回答はパソコンであったから,本人が打ったのか家族が打ったのか分からないができるじゃないですか。音声変換するだけのことですので,できると判断しております。パソコンを使えるまでというような議論もありますが,違うと思います。少し慣れれば使えると思いますので,したがって努力するべきだと思います。」と発言し,各会派の検討結果につき,改めて,「代読を認めてもよいのではないかという会派が1会派ありましたが,音声変換によるパソコンの習得を努力して使えれば原告の音声として置き換えてもよいということは申し合わせておりますので,ここでパソコンを使わないと言ってしまうとその道は閉ざされてしまいますので,そんなことのないように,少し,機器についても,技術にしても勉強して努力していただきたいということを申し上げて本日の委員会を締めたいと思います。各会派の全会一定の意見ではないですが,努力してもらいたいというのが大勢の意見でしたので,要望どおりの結論にはならなかったと思いますが,この議運での議論は閉めたいと思いますが,よろしいですか。」と提案した。 jこれに対して,b委員は,「障害を持ってい 見でしたので,要望どおりの結論にはならなかったと思いますが,この議運での議論は閉めたいと思いますが,よろしいですか。」と提案した。 jこれに対して,b委員は,「障害を持っている人に特定の努力とか責任を負わせるのはまずいと思います。一見,そのことは当然のように思われますが,障害者運動の流れというものは,障害者の自己決定権というものを尊重するのが大きな流れだと思っておりますので,善意であっても特定の考え方を押しつける,あるいは一定の努力をするべきだということは非常に配慮が欠ける場合があるから議会としてやらない方がいいと思っております。」と述べた。 l被告A14委員長は,「まったく無理なことを言っているわけではないと思います。声が出ないので早くしゃべれるようにしなさいと言っているわけでない。自己決定権を主張するだけで,こうしたらどうですかということに耳を貸さないということではないですか。 押しつけていることではないと理解してもらわないと。自分たちが言ったことだけが正当であって,押しつけであるという理解はb議員らしくないと思います。できないことを言っているわけではないので,そういう風に理解してもらわないとおかしなことになってしまう。f議員も努力をしてみて,それでもだめなら検討しようと言ってくれているのに,押しつけと言われるのはここの委員の方々に失礼な言い方だと思います。」と述べた。 md 委員は,「障害がある人の意見をどう聞くか。意見を聞くことを前提としておけば,パソコンであれ,代読だって認めるべきだと思う。いかにこの人の意見を聞く場所を引き出せるのかが議運にかかっていると理解している。」と述べた。 o被告A1委員は,「一般的な障害者のバリアフリーと,議 だって認めるべきだと思う。いかにこの人の意見を聞く場所を引き出せるのかが議運にかかっていると理解している。」と述べた。 o被告A1委員は,「一般的な障害者のバリアフリーと,議会人,議会活動における障害者とは分けて考えるべき。議員というのはやはり制約がある。守秘義務もありますし,議員として色んなことが出てくるわけです。一般的に言われる障害者福祉と議員という身分の中での活動の部分は,多少制約があるということを理解しながら議論する必要があると思います。一般的な障害者は言われたとおりだと思いますが,多少区分けして考えながら議論していくべきだと思います。」と述べた。 p被告A28委員は,上記被告A1委員の意見に同調し,「議員ということですので,市民の付託にどう答えていくのかというところが,一般の障害の方よりもう少し上のところが必要ではないのかと思います。要望書の中の「当面すぐに対応できること」と代読を固定観念で結びつけすぎていると思います。我々は,「当面すぐ対応できること」として,音声変換によるパソコンの使用もすぐ対応できる方法だということで,どうですかと言っていると解釈している。「当面すぐ対応できること」のイコールというものを代読だけではなくて,音声変換もイコールだと思っております。」と述べた。 q被告A14委員長は,議論が平行線になっているとして,一度今回の議題を持ち帰り,各会派の意見を再検討するよう提案したところ,b委員は,「私ども具体的な要望として,原告の意思を確認した上で申し出たのは今回初めてで,そういう意味でいうと皆さんの議論をうかがいましたので,また持ち帰ってきます。」として再検討を承諾した。 オ平成16年12月6日開催の同年第7回定例会の本会議(甲 出たのは今回初めてで,そういう意味でいうと皆さんの議論をうかがいましたので,また持ち帰ってきます。」として再検討を承諾した。 オ平成16年12月6日開催の同年第7回定例会の本会議(甲52) 被告A14委員長は,「要望書について,平成16年11月9日開催の議会運営委員会の審議で,代読を認めてもいいではないかという会派は1会派あったが,同年9月21日の協議の結果を踏まえて,音声変換機能付きのパソコンで機器の技術,そういう操作を努力してほしいという形で終わった。代読ではなく,音声変換のパソコンシステムを使えるように努力してくださいという形に結論を出した。」と報告した。 (5)原告は,平成16年12月13日ころ,岐阜県弁護士会に対し,「当選後一年半にわたり,前例がないという理由で発言を許されず,陳情後は,議運で一方的に決めた方法(現在の私の障害の状態ではほとんど不可能な方法)により発言を許可するという対応は,参政権の制限,表現の自由を侵す人権侵害」ではないか調査して欲しいと人権救済の申立てをした。(甲15)(6)平成17年1月17日開催の議会運営委員会(甲53)委員らは,同議会運営委員会で,岐阜県弁護士会人権擁護委員会からの調査依頼に対する対応について協議した。被告A11議員及び被告A7議員は同委員会を傍聴した。 ア被告A14委員長は,「議会運営委員会で議論した結論は,パソコンの音声変換で発言してもらうという方法がよいのではないかということで,この方法を決定したのであって,これだけの人が集まって決めたことは尊重してもらいたい。自分の言うことが認められないのでけしからんという一点張りである。「原告の障害の状態ではほとんど不可能な方法」と書かれているが,どうなんでしょ これだけの人が集まって決めたことは尊重してもらいたい。自分の言うことが認められないのでけしからんという一点張りである。「原告の障害の状態ではほとんど不可能な方法」と書かれているが,どうなんでしょうか。」と疑問を呈した。被告A12委員は,「何で不可能かわからない。その辺がおかしい。」とこれに同調した。 イ被告A11議員は,「昨年11月にパソコンより簡単なトーキングエイドを個人的に原告へ照会してあげたが,検討してもらっているのか。」と述べた。 ウ被告A14委員長は,「足の悪い人が車いすを使うように,声の出せない人がパソコンを使えないのか。指も動くのでやってみて,やってみないのにこういうことを言われることについて皆同じ事を思っていると思う。」と述べた。 エ被告A14委員長は,人権委員会の調査について,議事録に基づいて調査を受けるため,正副議長と正副委員長とで対応することを提案した。 他の委員は,異議なく承認した。 (7)平成17年3月定例会における一般質問の発言通告書を巡る経緯(甲16,17,53~55)ア原告は,平成17年3月10日,a議長に対し,同年3月定例会において一般質問を行う旨の第1回発言通告書を提出した。 第1回発言通告書は,高レベル放射性廃棄物処分場問題について,市長に対して一般質問を行うというもので,発言所要時間は30分と記載されていた。 イa議長は,第1回発言通告書についての取扱いについて,議会運営委員会に諮問した。 第1回発言通告書に対する対応についての審理経過は以下のとおりである。(甲17,54,55)(ア)平成17年3月10日開催の議会運営委員会(甲54,55)a 第1回発言通告書に対する対応についての審理経過は以下のとおりである。(甲17,54,55)(ア)平成17年3月10日開催の議会運営委員会(甲54,55)a被告A11議員及び原告が同委員会を傍聴した。 b被告A14委員長は,「一般質問は壇上から,基本的には口頭での発言とされているが,原告については,平成16年9月21日開催の議会運営委員会において陳情に対する協議を経て,音声変換機能付きパソコンによる発言方法を認めていくという申し合わせになっている。議会運営委員会では傍聴議員に意見や事情を聴取するわけにはいかない。協議会に切り替えてどちらにするのか原告本人に確認しながら進める。」と述べ,議会運営委員会を暫時休憩とし,協議会に切り替えた。 (イ)平成17年3月10日開催の協議会(甲17,55,131)a被告A14委員長が,原告に対し,「一般質問について音声変換機能付きパソコンで行うのか,口頭で行うのか。」と質問したところ,原告は,食道発声の方法で口頭で行うと回答した。 b被告A14委員長は,食道発声の方法による音声で,発言内容を議事録に留めることができるかどうか,質問内容が執行部側に伝わるかどうかを確認するため,原告に食道発声の方法で第1回発言通告書の1ページ分を読み上げてもらい,その音声をカセットテープに録音して原告の発声状況を確認するというテストを行った。 c上記テストの結果,協議会に参加した委員の全員一致で,原告の食道発声による発言では聞き取ることができず,原告が平成17年3月の定例会に口頭で一般質問を行うことは無理であるとの判断をした。 d原告は,「今日は無理だが,体 一致で,原告の食道発声による発言では聞き取ることができず,原告が平成17年3月の定例会に口頭で一般質問を行うことは無理であるとの判断をした。 d原告は,「今日は無理だが,体調次第によっては聞き取れるような発声ができる可能性もある。一般質問を行う日まで1週間あるから,その間練習してできるようにする。」と述べた。b委員は,当日まで猶予期間が欲しいとの要望をした。被告A14委員長は,その要望について,今日決めなければいけないという理由で却下した。 (ウ)平成17年3月10日開催の議会運営委員会(甲54) 被告A14委員長は,協議会の内容については,議員活動報告等に記載しないよう注意の上,今回の内容では,口頭発言は無理であると判断せざるを得ないとa議長に答申した。 ウa議長は,上記答申を受け,今回は発言通告として受理できないとして原告に対し第1回発言通告書を返した。(甲54)エ平成17年3月17日開催の同年第2回定例会の本会議(甲55)(ア)被告A14委員長は,平成17年3月10日の議会運営委員会での協議及び答申の内容並びに同日に開催された協議会の内容について報告をした。 (イ)c議員は,上記委員長報告に対する質疑として,次回の6月定例会に向けて,今回聞き取れなかった部分について,機械によってわかりやすくなるよう介助するなど,原告の発言を保障するよう議会運営委員会や全員協議会で検討して欲しいと述べた。 (8)平成17年6月定例会における原告の一般質問の発言方法を巡る経緯ア平成17年5月23日開催の議会運営委員会(乙ロ16)(ア)d 委員が欠席し,o議員が同委員会を傍聴した。 6月定例会における原告の一般質問の発言方法を巡る経緯ア平成17年5月23日開催の議会運営委員会(乙ロ16)(ア)d 委員が欠席し,o議員が同委員会を傍聴した。 (イ)被告A10委員長は,「a議長から,今後の原告の発言通告について,前回議会運営委員会で決めた事項を守っていただきながら,会派の中でよく検討してもらい,その場その場の対応がないようにしていただきたいとの発言があった。」として,c委員の意見を求めた。 (ウ)c委員は,会派としては,議会運営がスムーズにいくように研究して,検討するなど努力すると述べた。 (エ)被告A10委員長は,c委員に対し,「口頭発言とすることはもちろんですが,パソコンの音声変換による発言という議会運営委員会の決定と原告のパソコンに対する障害を取っ払うことをしていただけますか。」と確認した。 (オ)これに対し,c委員は,「議会運営委員会では,パソコンによる発言を決めていることは承知しているが,そういう決め方自体が問題であると本人が認識を持っていることについて否定できない。議会内部で議会運営委員会の決定はおかしいということについては,本人の見解として言っていることで,議会運営委員会ということですから会派を含めた決定がおかしいと言われているので,それについては規制も強制もできない。委員会や議会運営にかかわったときには,決定どおりやるようにしている。」と答えた。 (カ)被告A10委員長が,「原告のチラシには,6月議会で私も質問しますと書いてあります。前の繰り返しはしたくないとの意味で会派の努力をお願いしたい。」と述べた。c委員は,「本人の意向を含めて,現時点で発言通告が出てくることを確認していないの 6月議会で私も質問しますと書いてあります。前の繰り返しはしたくないとの意味で会派の努力をお願いしたい。」と述べた。c委員は,「本人の意向を含めて,現時点で発言通告が出てくることを確認していないので,含めて会派で検討したい。平成17年6月2日の議会運営委員会で取扱いを協議していただきたい。」と提案した。 (キ)被告A10委員長は,上記提案を受け,「お願いに対して会派で努力をしていただいて,2日の議運で努力の結果をお聞きしながら議論していくことにいたします。」と述べた。 (ク)被告A10委員長は,今年の議会運営委員会はこういった方向で,これを重視していくという意味であるとして,「議会運営の実際」の「議会運営委員会」について書かれた箇所を読み上げた。当該読み上げ部分の主な内容は以下のとおりである。 a議会運営委員会は,議長の諮問に応じ,円滑な議会運営をするために,運営上の諸問題について腹蔵なく協議し,議員間の連絡調整をはかることを目的とします。 b必要によっては,議運で意見が一致した事項を議運申し合わせ,又は議運決定とし,各議員や各会派が紳士的,自主的に守ることによって,この申し合わせ等が議会に関する法令や先例と同様,準法的拘束力を持つようになります。議運での決定事項の遵守を議運設置要綱等で明示しているところもあります。 (ケ)被告A10委員長は,「議会運営委員会の決定事項については,中津川市でも「議会運営委員会に関する申し合わせ」4ページに6番として委員会の意思決定があります。「委員会の意思決定に当たっては,全会派一致を基本として協議調整に努めることとし,決定事項については,各会派においてこれを遵守するものとする。」という申し合わせができ て委員会の意思決定があります。「委員会の意思決定に当たっては,全会派一致を基本として協議調整に努めることとし,決定事項については,各会派においてこれを遵守するものとする。」という申し合わせができております。この申し合わせで拘束力がないのなら,条例等に記載する方法もあるわけですが,その辺は,各会派で検討していただくようにお願いをしたいがよろしいか。」と提案した。他の委員は,異議なく,各会派で検討することを承認した。 イa議長,副議長,被告A10委員長,副委員長,c議員及び原告による平成17年5月31日の懇談(甲56)(ア)当初,c議員は,口頭による発言の話をした。a議長は,これまでの議会運営委員会でパソコンを持ち込む話があった旨述べ,口頭でどの程度のことを聞き取れるか確認を求めた。原告は,その確認のため発言した。聞こえる単語もあったものの,発言内容を周囲にいる者が聞き取れるという程度には至っていなかった。 (イ)被告A10委員長は,パソコンを使うという議会運営委員会の決定がある中で,その運用をどうするのか,原告本人の希望である口頭での発言方法を,その運用の中でどう取り入れていくのかについて,懇談での協議のまとめとして,冒頭のあいさつ及び項目についてまでは原告に口頭で発言してもらい,その後は,議会運営委員会で認められた音声変換機能付きパソコンを用いることで原告本人の肉声に代えるという,原告自身の発声による発言とパソコンを用いた発言とを併用して質問するという方法を提案した。共産党市議団がこの案を持ち帰り検討するということで懇談は終了した。 ウ平成17年6月2日開催の議会運営委員会(甲56)(ア)原告は,同委員会の傍聴を希望し,同委員会を傍聴した。 ち帰り検討するということで懇談は終了した。 ウ平成17年6月2日開催の議会運営委員会(甲56)(ア)原告は,同委員会の傍聴を希望し,同委員会を傍聴した。 (イ)a議長は,平成17年5月31日に6者で懇談を行ったこと及びその内容について報告をした。 (ウ)c委員は,原告の問題について,共産党市議団内での議論の経過について次のとおり報告し,共産党市議団として,改めて原告の希望する代読の方法による発言を認めるよう,議会運営委員会の申し合わせの変更を求めた。 a原告の発言方法について原告本人の意思を最大限尊重していく。 b共産党市議団は,平成17年3月定例会の時と同様に,口頭で発言をすることを了承していき,その場合,ゆっくり40分でしゃべるようにして発言していくことを確認した。 c平成17年6月定例会の対応としては,原告本人が,リハビリの先生にも相談した結果,2週間の訓練で発言できることが無理と判断されたため,代読の方法で行いたいということなので,議会運営委員会での再検討をお願いし,原告の代読発言の許可及び発言通告書の受理をしていただきたい。 d平成16年9月21日開催の議会運営委員会での陳情第5号についての審議後,会派として代読を要望して,その後の議会運営委員会で音声変換付きパソコンが確認されたようだが,その後の原告本人の状況は,食道発声による口頭の発言は,皆さんに周知できる発言ができず,パソコンについては,原告本人も色々検討した結果,パソコンについて,触ったり考えたりすると体調が優れなくなることから,実際に使うことができないと判断したと原告本人が出した文書の中で言っており,原告本人はパソ ついては,原告本人も色々検討した結果,パソコンについて,触ったり考えたりすると体調が優れなくなることから,実際に使うことができないと判断したと原告本人が出した文書の中で言っており,原告本人はパソコンを使うことができない状態である。 (エ)被告A10委員長は,「原告の一般質問の発言方法については,平成16年10月25日に共産党市議団から代読の方法によることを認めて欲しい旨の要望書が提出されており,各会派検討の上,同年11月9日開催の議会運営委員会において,代読を認めてもよいという会派が1つあり,全会一致ではないものの,音声変換によるパソコンの習得を努力して使えれば,原告の音声として置き換えてもよいということは申し合わせており,パソコンを使う道を閉ざすことのないよう,原告に少し勉強して努力していただきたいということで結論が出ている。また同じ要望を各会派持ち帰っても同じ答えが出てくると思う。 今まで結論出してきたものをひっくり返すわけにいかないと思います。 原告の発言通告については,議長としても議運に諮問して決定したことに従いたいということですので,結論的なものを出して議長の困らないような対応にしていきたいと思います。議運の方向付けや決定については重みがあることを分かっておっていただきたいことをお願いしたいと思います。」と述べた。 また,被告A10委員長は,「パソコンに打ち込んでもらうことは,皆さん認めていただければ身内でなく自分でなく,事務局にお願いしても努力していただく形をやっていただいて,その後また議論するのなら話し合いの余地はあると思う。」と述べた。 (オ)被告A2委員は,「パソコンにこだわってみえると思いますが,声を出せない障害者のための音声変換装置があります。50音順に並 するのなら話し合いの余地はあると思う。」と述べた。 (オ)被告A2委員は,「パソコンにこだわってみえると思いますが,声を出せない障害者のための音声変換装置があります。50音順に並んでいて,「あ」と押せば「あ」と出ます。障害者認定されている装置ですので簡単に使えます。その装置はパソコンよりも安く買えますし,障害者の関係でリースという手がありますから利用されたらと思います。それもだめなのか検討されたらどうかと思います。必要なら次回の議運に借りてきます。障害者用にあるので実用してもらいたい。」と述べた。 (カ)被告A11委員は,「社民党に障害者の機関があり,パンフレットを取り寄せている。切換もついている。キーボードの配列は「あいうえお」になっており,パンフレットを渡してもらうようお願いしている。電卓や電話のボタンを押すことができれば使えるものです。」と述べた。 (キ)被告A1委員は,「アルファベットが難しいのであれば,50音の音声変換機のものがあるからということで,それも含めて議運で提案している。それでも体調が悪くなるということですので,その機器も含まれていると受け取っています。障害者の中で自立ということを考えた場合,これをマスターすることによって,原告にとって日常生活の会話にも役立つのではないかと思います。原告が音声発生装置を使って何とか障害者の自立ということを考えていただければ,他の障害を持っている方にとっても希望になるわけです。代読ですと介助が必要になりますが,一人で頑張っているのだということで,他の障害者の方にとってもいいのでないかなと思います。そういったことも考えていただけないものか。簡単にできるようですので,再度,チャレンジしていただいて,それがどうしても打てないことで いうことで,他の障害者の方にとってもいいのでないかなと思います。そういったことも考えていただけないものか。簡単にできるようですので,再度,チャレンジしていただいて,それがどうしても打てないことであれば,その時はその時で考えればよいのでないか。」と述べた。 (ク)c委員は,「リハビリが更に進めば代読は止められるので,当面,判読できるまでの間,代読を認めてもらいたい。6月議会までは時間が少ないことから,次善の策として,同議会に限り,共産党市議団のp議員の持ち時間40分の中で,p議員自身の発言通告部分のほか,原告の発言通告部分を併せて代読するという方法を認めてもらえないか。」と提案した。 (ケ)被告A10委員長は,被告A3委員から,このまま延々とやっていても時間だけがかかるとの指摘を受け,「3月議会では発言通告書が出てきて原告に口頭でできるか確認した経過があり,同じことをしていてもだめである。6月議会での原告の発言通告については,今の状況では,パソコン等音声変換装置を使うことなら認めてもよいが,代読の方法によることを認めるわけにはいかない。」と述べた。 (コ)d 委員は,「機械の使用についても否定しないが,肉声でできないのなら代読を含めて検討すべきであるし,当面のところ代弁を認めてもよいのではないか。」と述べた。 (サ)c委員は,「継続的に時間のあるときに審議,検討してもらいたい。 パソコン以外の検討も必要なので継続としてもらいたい。」と述べた。 (シ)被告A10委員長は,「同じ話を同じようにやって同じ答えを出ていてもまずい。今回は,6月議会について,代読は無理であるがパソコンを使うことであれば直ぐ議運を開きます。そういったことでよろしいか。」と確認 10委員長は,「同じ話を同じようにやって同じ答えを出ていてもまずい。今回は,6月議会について,代読は無理であるがパソコンを使うことであれば直ぐ議運を開きます。そういったことでよろしいか。」と確認した。他の委員は異議を述べなかった。 (ス)議会運営委員会は,a議長に対し,被告A10委員長の確認した上記内容のとおり答申した。 (セ)a議長は,「代読ということで6日まで変わらないということであれば通告書は受け付けられないが,もうひとつの方法なら運用について協議する。」と確認した。 エ原告は,平成17年6月6日ころ,a議長に対し,中津川市の交通対策について被告市の市長,企画部長及び健康福祉部長に答弁を求める発言所要時間40分とし,発言内容が手書きでA4用紙4枚分が記載された一般質問の第2回発言通告書(甲100の1)を提出したが,a議長はこれを受理しなかった。 オ障害をもつ人の参政権保障連絡会は,平成17年6月20日付けで,a議長及び各会派に対して,原告の求める代読による発言方法を認めないことは,差別にあたるため,代読による発言を認めるよう求める「障害をもつ市議会議員の議員活動の保障に関する要望書」(以下「議員活動保障についての要望書」という。)を提出した。(甲18) 同要望書による要望事項は,①原告の要求する「議場での代読」を認めること,②中津川市議会と中津川市において,障害をもつ人に対する全面参加と平等を実現されるよう努力することの二点であった。 同要望書に対する取り扱いは,議会運営委員会に付託され,平成17年6月24日開催の議会運営委員会(甲57)において,上記要望事項に対して協議された。同委員会における協議の概要は次のとおりである。 書に対する取り扱いは,議会運営委員会に付託され,平成17年6月24日開催の議会運営委員会(甲57)において,上記要望事項に対して協議された。同委員会における協議の概要は次のとおりである。 (ア)議員活動保障についての要望書に,「パソコン再生のみしか認めないのは不当である。パソコンに習熟していない小池議員に音声機能付きパソコンのみを許可したのは不当である。」との記載があることに関して,被告A2委員は,「パソコン等ということで,VOCA,ボイスアウトコミュニケーションエイド,携帯用会話補助装置ということで,障害者でしゃべれない方がキーボードを持って音声に変える装置で福祉の規定された日常用具も使ってもらえないか議論していた。これは障害者のための給付事業対象のものであるから,給付制度を使えば車椅子などと同じ扱いになるもので,コミュニケーションを阻害するものではない。手段として使ったらどうですかということで,パソコン再生のみということはあまりにも狭い解釈なので,申し入れすべきだ。 パソコンや携帯用会話補助装置は本人の意思がないと発声しない。つまり本人が発声したと同じという解釈で進んできた。」と述べた。 (イ)被告A10委員長は,「一度,携帯用会話補助装置を各委員も使ってみて,実証してみてから結論を出したい。」と述べた。 (ウ)被告A1委員は,「議会運営委員会は,今まで紳士的に十分議論してきた。代表世話人にしっかりと議会運営委員会の見解と議論経過を伝えるべきではないか。音声変換の方で原告にご努力いただいて,まずテーブルに着いていただき,着いていただくことで次が見えてくるだろうと思います。頭から否定されていますが,原告の日常生活にとってもプラスになるだろうし,議員生活,個人生活,また障害者のため ,まずテーブルに着いていただき,着いていただくことで次が見えてくるだろうと思います。頭から否定されていますが,原告の日常生活にとってもプラスになるだろうし,議員生活,個人生活,また障害者のためにとっても励みになるのだろうと思います。」と述べた。 (エ)c委員は,「議員活動保障についての要望書は,議長宛と各会派宛に出されているため,次回の9月議会に向けて,一度,各会派へ持ち帰って審議してもらい別の機会に改めて審議してもらいたい。」と提案した。被告A10委員長は,7月12日の議員連絡協議会終了後,この問題について議会運営委員会を開催することを提案した。他の委員は,異議なく承認した。 (オ)被告A5委員は,「色々変わってくるので,ご本人の考えが変われば我々も変わらなくてはいけないけれど,ご本人の考えは変わらないので,我々の考えも変わらない。ご本人が変われば我々も変われると思いますが,変わらない限り平行線である。無理矢理突破しようという発想にはものすごく抵抗を感じますし,憤りを感じています。皆さんも一緒だと思います。どうするか議運の方は決めてしまっているので,ご本人の方がお考えを変えてもらうよりしょうがない。だけど,ある一定時間が経って見直しの時期が来たら見直さないと放っておいてはいけないが,1年も経っていないので,議運の決定事項として変わるということにはならない。」と述べた。 (カ)c委員が,被告A10委員長に対し,次回7月12日に開催される議会運営委員会への原告の傍聴を申し入れた。 aこの申入れに対し,被告A5委員は,「農業委員を決めるときに当事者が除斥するように,まったくの当事者であるので席を外してもらって議論を進めた方がよいと思っている。」と述べた。c委員は aこの申入れに対し,被告A5委員は,「農業委員を決めるときに当事者が除斥するように,まったくの当事者であるので席を外してもらって議論を進めた方がよいと思っている。」と述べた。c委員は,「なぜ代読がいけないか何回も説明しても,説明が悪いのか本人が理解されないことなので,そこが一番なので直接聞いてもらいたい。 そうしないと解決しない。」と述べた。 b被告A10委員長は,上記各発言を受け,「言われることは分からなくはないが,なぜ代読がいけないのか議論するつもりはなく,今までの経緯を振り返ってきちんと整理することでご理解を賜りたい。 本人には遠慮してもらいたい。」と述べた。 (9)平成17年9月定例会における原告の一般質問の発言方法を巡る経緯ア平成17年7月12日開催の議会運営委員会(甲58)(ア)音声変換装置についてのデモンストレーションを行い,原告及び被告A10委員長が実際に使用した。 (イ)被告A10委員長は,「パソコンのキーボードが大きな老人用のものがテレビで紹介されていた。パソコンにもそのようなものがあるので,今日のところはこのくらいにして,次回にしたいと思います。」と述べた。 (ウ)c委員は,「9月議会に向けて,時間の許す限り本人が納得できるようお願いしたい。今回の問題は9月議会までにお願いしたい。」と要望した。 イ平成17年8月24日開催の議会運営委員会(甲59)(ア)c委員は,「原告本人のことであり,参考人としてもよいと思うので,原告に委員会を傍聴させてもらいたい。」と申し入れた。被告A10委員長は,「事務局職員が原告についてのその後の経過の報告をし,それを委員会出席者に聞いてもらった上で,原告から してもよいと思うので,原告に委員会を傍聴させてもらいたい。」と申し入れた。被告A10委員長は,「事務局職員が原告についてのその後の経過の報告をし,それを委員会出席者に聞いてもらった上で,原告から聞きたいことも出てくると思うので,それから傍聴してもらうこととする。」と答えた。 (イ)q事務局長は,「岐阜県視覚障害者問題協議会から原告の希望する代読を認めていただくよう要請はがきが何通か届いている。」,「8月17日付けで,岐阜県弁護士会会長と同人権委員会委員長から,市議会における代読に関する人権救済申し立てについて,予備調査から本調査に入るための日程調整依頼がある。」,「8月21日付けの中日新聞に「理不尽な決定,市議会に疑問」という原告に関する投稿があった。」,「岐阜県障害福祉課のr課長が,8月23日に,のどの手術で声の出なくなった議員の議会での代読が認められていないので手だてをお願いしたいとの障害者団体からの依頼があったため,県としても障害者のバリアフリー化が支援できる環境作りに取り組んでいること,議会内部の問題と思うということを伝えるつもりである旨電話連絡してきた。」と報告した。 (ウ)d 委員は,岡崎市議会で二,三年前に代読が行われたと報告し,c議員及び被告A21委員は,蛭川村でも議長の許可を得て代読が行われたことがあると報告した。 (エ)被告A10委員長は,原告が平成17年9月定例会に向けて発言通告書を出すことも予想されるため,原告に対し,どのように考えているのかと確認したところ,原告は同定例会に発言通告書を出すことは考えているが断言できない旨の返答があったと報告し,同定例会での対応について審議することとなった。 原告が平成17年9月定例会に向けて発言 原告は同定例会に発言通告書を出すことは考えているが断言できない旨の返答があったと報告し,同定例会での対応について審議することとなった。 原告が平成17年9月定例会に向けて発言通告書を出した場合の対応についての審議内容は次のとおりである。 a被告A5委員は,「市民クラブとしては,議運で決められたとおり進めるべきだと思います。」と述べた。 b被告A10委員長は,「非公式に,c議員と議長と共に委員長という立場で原告と会い,原告に対し,事前に準備できる一般質問は,音声変換装置を使い壇上で行い,再質問については,慣れるまで会派の人に手伝ってもらうようにするという提案をし,音声変換装置でやってくれと頼んだ。」と報告し,「正式な議運での問いかけをするので,共産党市議団の中で話をしてもらえばありがたい。他の会派も,再質問については慣れるまでの間という条件もつくが譲歩できる話として会派に持ち帰り,理解してもらいたい。」旨提案した。 他の委員は,異議を述べなかった。 cd 委員は,「9月議会は機械で,12月議会は代読でやるという方法もある。被告A10委員長が提案した上記の方法について,前向きに検討した方がよい。」と述べた。 d被告A5委員は,「会派の考え方として,障害者についての考え方の中に,自己の努力に基づく自立型とそうでないものがあり得るが,自立型の方がよいのではないかという考えであり,自立へ向けての代読であればよいが,代読が目標で,その過程で機械を使うことは違うのではないかと思う。」旨述べた。 ec委員は,「原告は自分でしゃべるという自立に向かって目標を置いており,その過程の中で代読をしてもらいたいということを望んでい ことは違うのではないかと思う。」旨述べた。 ec委員は,「原告は自分でしゃべるという自立に向かって目標を置いており,その過程の中で代読をしてもらいたいということを望んでいる。」と述べた。 f被告A10委員長は,原告のホームページを出力したものを各委員に資料として配付した上で,当該ホームページに,「このホームページは原告私設応援団によって作成されています。」と記載されてあることを指摘して,「これだけのお力を貸してくださる方がおみえになれば,十分やれるという判断ができると思います。」と述べた。 gd 委員は,「自分にできないことを頼んで任せていくことに疑問に思う。本人にやる気のないものをやれというのは酷ではないか。どこかで妥協点を見いだすことが大事であると思う。」と述べた。 被告A2委員は,「妥協点について,一方的に議会側に求めているもので,本人にも妥協する部分がないとだめである。前々から,音声変換装置は障害者のための機械であり,障害者認定されているものである。それについて,少し努力していただければ,その中でどこまで使えてどうするかの話もできるわけです。それも拒否されており,どこで妥協するかである。」と述べた。 hd 委員は,「よその議会で認められている代読という方法がなぜ認められないのかという論議も出てくる。」旨述べた。 被告A5委員は,「それは立候補された経過だと思う。学歴詐称で立候補して当選した国会議員が,辞職しなければいけない事態があります。しゃべれるということを前提に立候補されて,予定されているようにいかなかったということは大変だと,そうは簡単にいかないと思っています。もうひとつは,選挙と が,辞職しなければいけない事態があります。しゃべれるということを前提に立候補されて,予定されているようにいかなかったということは大変だと,そうは簡単にいかないと思っています。もうひとつは,選挙という厳しい関門をくぐり抜けてきたわけです。選挙というものは,投票した人がどうして投票してくれたかまで考えないといけないと思っている。基本的にもともと障害が固定したものとして,そのことを前提として立候補し,それを前提として投票した過程がある場合と,そうではなく,変化をする障害の途中の段階で,変化を前提に立候補し当選された。 それを前提に投票した選挙とは基本的に違うと思います。そこまで遡らないといけないというところがある。基本的なことを言うと選挙そのものも問われるべきものだと思っている。なぜなら落選した人がいるからです。無投票選挙ならよいです。そういう問題もはらんでいるということです。だから他の議会がどう決めたかは参考になりますが,市議会の問題ではない。」と述べた。 i被告A10委員長は,「慣れてくるまでは他の人にお手伝いいただいても,まずやってみてくださいという意味で言っており,できないから譲歩するということで言っているわけではない。」と述べた。 j被告A5委員は,「前A14委員長のときに決めたことは,本来は,口頭,発声がないと議事録ができないから,当選されても一般質問できないことになってしまう。そういうことを承知していたわけです。それを妥協して産物としてあるわけです。人権を認めてこのようにやろうと決めた。」と述べた。 k被告A10委員長は,「議運でこういう議論をし,本人のために譲歩したという結果が議論として残ります。会派にお願いしたことはよろしいですね。」と確認した。他の委 。」と述べた。 k被告A10委員長は,「議運でこういう議論をし,本人のために譲歩したという結果が議論として残ります。会派にお願いしたことはよろしいですね。」と確認した。他の委員は異議を述べなかった。被告A10委員長は,「c委員には,会派内で頑張っていただいて30日の議運で協議します。」と締めくくった。 ウ平成17年9月26日開催の議会運営委員会(甲60)(ア)被告A10委員長は,「原告の件で,要約をまとめる作業をしており,その要約の中身として,会話補助装置(パソコン及びトーキングエイド等)による発言が優れている点は,読み違いがなく,本人の意思がきっちりと伝わること,代読による抑揚がなく,第三者の個人的な表現が省かれ,発言内容が相手に素直に伝達できること,職員が代読すると誤読,感情が出る場合があり,やり取りは人を使うとその人の考えが入るから,機械による変換装置がベターであることであり,原告の主張する代読で不十分な点としては,議会での発言は選挙で選ばれた人だけが持ち合わせているのが現状であるが,代読となると選挙で選ばれていない人が演説をすることになり,本人が意図する発言内容と異なった発言が行われる可能性があること,公選人以外の人が自分の意思で発言してしまうことはいかがなものかということ,職員が発言するとパフォーマンスはないが,議員の発言にふさわしくない迫力のものとなること,代読した人がパフォーマンスにより,次の選挙にその機会を利用して立候補することに利用される可能性もあること,誤読したことにより,代読者の責任が問われる可能性があることといったことを考えている。」と報告した。 (イ)被告A5委員は,「障害者のひとつの考え方としては,残された能力を生かして自立をしていくとい ,代読者の責任が問われる可能性があることといったことを考えている。」と報告した。 (イ)被告A5委員は,「障害者のひとつの考え方としては,残された能力を生かして自立をしていくという方法があります。議会のみでなく,ありとあらゆる日常生活において,発生できない方が補助具を使ってコミュニケーションを図っていくということ,そのことが大事である。 議会だけを限定して人権侵害だと言っているが,そうではなくて日常的に活動できるのが議員としての役目,立場ですから,それをどうするのか。すべて代読者がついて回るのかというと考え方がおかしくなるので,自分で自立してできるような形で努力をしてもらう。努力を拒否しているというわけではないが,嫌いだ,やったことがないという言葉で表現をしているが,ポイントはそこだと思います。」と述べた。 (ウ)被告A10委員長は,これまで,パソコンという表現を多く使っていたが,これからは会話補助装置という名称で統一することとし,今回の報告を中間報告とし,引き続き要約文書を検討することを各会派で徹底するよう求めた。 (10)人権擁護委員会による調査及び弁護士会勧告並びに公開質問書に関する経過ア平成17年10月24日開催の議会運営委員会(甲61)(ア)a議長は,平成17年10月12日に,人権擁護委員会の本審査を受けたこと及びその内容について報告した。 報告内容は大要次のとおりである。 a人権擁護委員会委員長s弁護士ほか2名の弁護士が審査に来て,発言は口頭に限るなら,何も認めないなら筋が通るが,パソコンを含めた補助具という例外を認めているならなぜ代読は認められないのかとの指摘を受け,補助具という機械を用いる場合と代読の 護士が審査に来て,発言は口頭に限るなら,何も認めないなら筋が通るが,パソコンを含めた補助具という例外を認めているならなぜ代読は認められないのかとの指摘を受け,補助具という機械を用いる場合と代読の場合とでメリットデメリットを比較検討したことがあるかといった質問を受けた。 bこれまでの議会運営委員会での経過についての確認と,それに対して説明をした。 c鎌倉市議会に対する調査の回答書を渡され,これを読んで回答があればいただきたいし,無回答でも構わないと言われた。 (イ)被告A10委員長は,人権擁護委員会に対する鎌倉市議会の回答書を全委員に配布した。 (ウ)q事務局長は,亀山市議会議員から抗議の電話があったこと及び京都府井手町議会議員から抗議のメールがあったことを報告し,被告A10委員長は,抗議は葉書が905通,点字が185通来ていると報告し,弁護士に相談することも検討している旨述べた。 (エ)被告A10委員長は,人権擁護委員会の調査に対し,議会運営委員会は,まず補助具を使ってみて欲しいと頼んでいるのであって,代読を認めないという結論は出しておらず,原告の人権を侵害しているつもりはないこと,補助具によることが一番によいことを話したが,勧告が出る可能性もあるのでないかという印象であると述べ,これに対する対応をどうするか,各委員から率直なご意見を出してもらい考えていきたいと提案し,各委員の意見から次のような意見が出された。 a被告A1委員は,市議会も本当に原告の人権を侵害しているか,議会活動を保障していないのか,法的見地から対応すべきだろうとの意見を述べた。 b被告A3委員は,議会運営委員会としては,会話補助 は,市議会も本当に原告の人権を侵害しているか,議会活動を保障していないのか,法的見地から対応すべきだろうとの意見を述べた。 b被告A3委員は,議会運営委員会としては,会話補助装置を導入し,それでもだめだったら次を考えるということで申し合わせてきたのであるから,簡単に譲歩するわけにはいかないとの意見を述べた。 c被告A5委員は,原告は医学的に機械の操作ができないのかどうか,きちんと診てもらって確認しておく必要があると述べた。 dd 委員は,「本人の肉声が原則だということから始まって,本人は発声できると思っている。未だ発声できないために,議運に来て発言することもできず,会派の代表を通すため,なかなか意思が通じず,色々法的手段も考えたのであろうから,どこかで両方できる方策を考えるべきだ。」との意見を述べた。 ec委員は,「代読を認めていくべきだ。原告が発言できなかったことで,執行部に対し直接質問事項を出したこともあるが,時間も掛かるため,本会議場で一般質問ができるようにするべきだ。」との意見を述べた。 f被告A21委員は,「原告は,議会運営委員会に対して,機械を使うことはできないという意思表示をしたことがなく,段階を踏んでいないのではないか。」と述べた。 gd 委員は,「本人は,機械を使うことを認めて練習しなさいということで捉えてみえるものですから,とりあえずやってみることに対してバツの意思を表示している。条件的なことを持ち込んでいくことに反発をしている。本人のいう代読,もしくは音声変換機器についてルールができあがればよいと思っているが,本人が納得しない問題は,機械を使えるかどうかを試しなさいということに対し を持ち込んでいくことに反発をしている。本人のいう代読,もしくは音声変換機器についてルールができあがればよいと思っているが,本人が納得しない問題は,機械を使えるかどうかを試しなさいということに対して,既に反発を持っている。」と述べた。 h被告A2委員は,「本人の障害を支援するという立場で補助具を勧めているわけです。本人のために一番よいことだと判断しているわけです。補助具を使うことは本人にとって体力的にもよいことだと思います。その時点で拒否されるということになると,議運のあり方として考えた場合,原理原則肉声でということで,原点に戻らないといけなくなる。」と述べた。 i被告A1委員は,「法的に対応を考えていく方法しかない。そもそも平成15年の選挙のあり方が問題であった。原告が声が出ない障害者として選挙戦を戦い市民の信任を受けて当選されていれば,違った結論が出せたかもしれないが,b委員は,当時,議会運営委員会において,リハビリをして,早ければ3か月ないし半年後には声が出ると説明し,その後,声は出ると市民に訴えて二期目に当選しているということを念頭に置かないと市議会は冷たいように捉えられてしまうのではないか。」との意見を述べた。 jd 委員は,「議会運営委員会として,一般質問の壇上では機械を使って,再質問の際には代読という方法もあるという含みを持って原告に示し,それでもだめなら私も原告におかしいと言うつもりだ。 壇上での発言,再質問,委員会を分けて考えた場合に一つの条件のようなものを議会運営委員会として提案できないかということを議論してもらえないか。」と述べた。 j被告A2委員は,「本人が使ってみてどうしてもだめだと言っているのなら分かるが,一度もトラ 議会運営委員会として提案できないかということを議論してもらえないか。」と述べた。 j被告A2委員は,「本人が使ってみてどうしてもだめだと言っているのなら分かるが,一度もトライせずに言っていることは,目が悪い人が眼鏡をかけずに手を引いてくださいと言っていることと同じだと思います。声が出ないことは,生活にかかわることであるから,補助具として眼鏡と同じようにあるわけです。一度もしないまま人権侵害だという考えは飛躍しすぎて,障害者に対する偏見になってしまうのではないか。だめだからステップできることで,前から議運で言っていることをやってみてくださいと,支援するからとうことで,その支援を断っていることは人権擁護の問題でないと思います。議会としてもなんとか支援する努力をするので,本人も支援を受ける努力をして欲しいということである。」と述べた。 (オ)被告A10委員長は,上記の議論に対し,両方の意見が出ており,無理に結論を出すことはできないとして,一旦,議論を切り上げ,議会運営委員会の議論及びその経過を市民に知ってもらう必要があるのではないかという意見もあると紹介し,これと併せて継続審議とすることとした。 イ原告の後援会であるこぶしの会及び原告中津川市議の市議会での代読を求める賛同者一同は,平成17年11月8日ころ,a議長及び被告A10委員長に対し,平成16年8月に提出された多数の署名を添えた陳情書の要望事項に対して議長としてどう応えようとしたのか,障害者議員について全国に例をみない議会活動の差別をしていることについてどう考えているのか,原告の発言通告書の受け取り拒否の根拠は何かといった内容の「発声障害を持つ原告市議の代読を求める公開質問書」(以下「公開質問書」という。)を提出した。(甲62 ていることについてどう考えているのか,原告の発言通告書の受け取り拒否の根拠は何かといった内容の「発声障害を持つ原告市議の代読を求める公開質問書」(以下「公開質問書」という。)を提出した。(甲62,116の1)ウ岐阜県弁護士会は,平成17年11月16日,市議会に対し,代読を認めるように勧告した。(甲19) 弁護士会勧告の要旨は次のとおりである。 (ア)勧告の趣旨 中津川市議会及び同議会運営委員会は,申立人(原告)が,市議会及びその所属する委員会において,事務局職員による代読による方法をもって発言することを認めるよう勧告する。 (イ)勧告の理由 申立人は,議員であるが,下咽頭がんのため自ら発声することができない状況にある。申立人は,本会議や所属委員会において,代読または申立人ができる方法により一般質問を許されるよう求めてきたが,議会運営委員会は,発言は口頭によるのが原則であるとして,申立人の希望する代読ではなく,まずはパソコンによる音声変換装置を利用しての発言を認めるとして,事実上代読による発言方法を認めない。 そのため,申立人は議員として本会議や各種委員会で,事実上発言することができない状況におかれている。これは申立人の参政権,表現の自由を不当に制限するものであるので,救済措置を求める。 エa議長は,平成17年11月22日,同日開催の議会運営委員会おいて,同委員会に対して,弁護士会勧告について検討するよう諮問した。 (甲62)オ平成17年11月22日開催の議会運営委員会(甲62) 被告A10委員長は,弁護士会勧告に対する処理を会派で持ち帰り協議してもらうことを提案し 諮問した。 (甲62)オ平成17年11月22日開催の議会運営委員会(甲62) 被告A10委員長は,弁護士会勧告に対する処理を会派で持ち帰り協議してもらうことを提案した。他の委員は,異議なく承認した。 カ平成17年11月28日開催の議会運営委員会(甲63) 弁護士会勧告に対する対応について各会派の意見が報告された。 (ア)各会派の意見の要旨は次のとおりである。 a新政会 今まで真剣に議会運営委員会で議論されてきており,原告に対し,議会ルールに従って活動していくことをお願いした経緯があること,原告は議会ルールを無視して障害者という立場で言われていたが,この状況は市議会として不名誉であり,心外であるため,お互い一歩踏み出して歩み寄りを模索していきたい。 b市民クラブ 平成16年9月21日の議会運営委員会で,総論として,障害がある議員が,職責を果たせるよう最大限の配慮を行うことを確認しており,弁護士会勧告では,人権について色々と書かれているが,議会運営委員会はさしあたり音声変換装置を使用するという決定であり,他の方法も模索していたのも事実であるから,人権を尊重するバリアフリーについては考えた範ちゅうであり,具体的な接点を見いだして折衷案を求めていくことがよい。 c共産党市議団(c委員) 弁護士会勧告どおり事務局職員による代読を認めるよう各会派にお願いしたい。 d社民クラブ(被告A11委員) 弁護士会勧告は,中津川市議会の対応について評価していない。 現状面だけ捉えて同勧告が出ているので不 派にお願いしたい。 d社民クラブ(被告A11委員) 弁護士会勧告は,中津川市議会の対応について評価していない。 現状面だけ捉えて同勧告が出ているので不満に思っている。議員として選出された重みと責任に触れようとしないことが残念で,本人にも熟慮してもらいたい。他人の力を借りるのは最後の手段で,原告が自分の力で打開していくということが見えない。それぞれの立場を考えて発言できるよう言っているのに,すべて悪意に捉えられていて残念である。議会としてはルールに従って結論を出したことを,弁護士会勧告が出たからといって,何らか努力したことが認められない限り,ひっくり返すことはできない。努力したことが分かればそれ以上のことはいけないが,我々の出した結論を取り入れてもらいたい。 e市民ネット21(d 委員) 今までの考えと変わっていない。音声変換装置も否定しないし,代読もよいと思っている。折衷案という意見もよいと思う。 f市議会公明党(被告A12委員) 弁護士会勧告については圧力をかけられているような気がする。 原告が議会活動できるよう全会派で決めたことを,原告は一度も実行することなく出された勧告である。今後のことについて,今回のことを契機に考えるべきである。 (イ)c委員は,障害者の介助については,障害者の希望を最優先することが大事であり,なぜ原告がパソコンを使えないのかを聞く必要があり,発声状態の確認もする必要があるため,原告を参考人として議会運営委員会に呼ぶことを提案した。同提案に対し,次のとおりの意見が出された。 a被告A10委員長は,各会派から,折衷案という意見が多数出て 必要があるため,原告を参考人として議会運営委員会に呼ぶことを提案した。同提案に対し,次のとおりの意見が出された。 a被告A10委員長は,各会派から,折衷案という意見が多数出ており,これについて会派で検討したことがあれば議論したいが,原告に入ってもらってパソコンを使えない理由を聞いても混乱するだけではないかと述べた。被告A1委員は,これに同調し,「議論の中で,もし使えなかったら第三者による入力をお願いしてある。」と述べた。 b被告A5委員は,「障害者である方を参考人で呼ぶことについては,申し合わせルールを決めていない。どういうルールで彼の意見を聞くのかを決めないといけない。先に弁護士会勧告を受けているので,それを決めておかないと原告を呼ぶことはできない。9月21日に決めた陳情の結論の重みも同じである。」と述べ,原告を参考人として同委員会に呼ぶことに反対した。 (ウ)被告A10委員長は,これらの発言を受け,「その辺も議論して精査していかないといけないと思いますが,歩み寄りもしながら進めていきたい。弁護士会勧告の中身に不服がありますが,これからの歩み寄りをどうするかであります。この議論の経過により歩み寄りができることがあればいいと思っております。」と述べた。 (エ)c委員は,共産党議員団として,原告が12月定例会に発言通告書を提出した場合の対応として,一般質問40分,再質問10分という申し合わせ時間の中で,登壇の一般質問については音声変換装置を利用し,再質問については原告のメモを見て事務局職員が代読するという折衷案を提案し,議会運営委員会がこれでよいのであれば,議会運営委員会を休憩してもらい,原告に伝えることはできると述べた。 各委員は は原告のメモを見て事務局職員が代読するという折衷案を提案し,議会運営委員会がこれでよいのであれば,議会運営委員会を休憩してもらい,原告に伝えることはできると述べた。 各委員は,上記折衷案について賛成した。 c委員は,原告を含めて共産党市議団で再度議論したが,人間の声による代読しかできないという結論になったとして,折衷案を取り下げ,11月30日に原告の発言通告書が出たら受理して議論してもらいたいと要望した。 (オ)被告A12副委員長は,c委員に対し,「純粋に一般質問をやらせて欲しいという気持ちなのか,その他に目的があるのでないか。議員団からの提案なのに受け入れられないのは目的が違うのでないか。」と尋ねた。c委員は,分からないので,原告を参考人として呼んで聞くよう提案した。 (カ)c委員は,「原告の発言を議運として抑えるわけでないので,発言通告書を受理して次を審議するということです。声が判読できなければどう広げて考えるべきで,そうしないと今回も発言を封じられたということになる。12月をどうするかですから,出てきて受理してどうするかである。」と述べた。 (キ)被告A10委員長は,「先ほど折衷案を議会運営委員会として了承したということを重要視しなければならない。」旨述べた。c委員は,「折衷案は審議の過程であり結論ではない。発言通告書を受理してもらい,議場での発言伝達方法を議運として考えるべき。12月議会に出た通告書を受理すれば,一般質問しようとする場合,口頭ではできないので,やろうとすれば議運の決めた方法でしかないわけである。 それが嫌ならやらないというだけで,発言を封じたことにはならない。」と述べた。これに対し,被告A1委員は,「同じことだと思う 頭ではできないので,やろうとすれば議運の決めた方法でしかないわけである。 それが嫌ならやらないというだけで,発言を封じたことにはならない。」と述べた。これに対し,被告A1委員は,「同じことだと思う。 受理して議運で提案したことを持って行っても発言を封じられたと言われるのではないか。」と述べた。 (ク)被告A1委員は,「今日の結論として出していただき,結果を確認していただいて原告にお伝えすることでいいのでないか。」と提案した。 被告A10委員長は,「説得する時間をとって,議運で確認したルールに従ってやっていただくことをお願いしたいと思います。そして,一度やっていただいて,不都合な点があれば見直していくことも申し合わせておりますので,是非,原告にはトライしていただきたい。」と述べた。 (ケ)d 委員は,「非公式でよいので,原告の意向を聞いてもらえないか。」と提案した。被告A10委員長は,「本日時間があれば対応する。」と答えた。 (11)平成17年12月定例会における一般質問の発言通告書を巡る経緯(甲64,65,100の2)ア原告は,平成17年11月30日ころ,a議長に対し,「発言通告書の提出にあたって,このたびの県弁護士会人権擁護委員会による勧告を受け入れ,私の代読による発言が,すべての議会活動(本会議,各種委員会)で保障されるよう特段のご配慮をお願い申し上げます。」と書き添えて,中津川市の障害者,高齢者の防災対策について中津川市長に答弁を求める発言所要時間30分とし,発言内容として手書きでA4用紙7枚分が記載された一般質問の発言通告書(甲100の2)を提出した。 イa議長は,市議会事務局預かりになっているとして,同発言通告書の取扱いについて,議会運営委員会に諮問し きでA4用紙7枚分が記載された一般質問の発言通告書(甲100の2)を提出した。 イa議長は,市議会事務局預かりになっているとして,同発言通告書の取扱いについて,議会運営委員会に諮問した。(甲64)ウ平成17年11月30日開催の議会運営委員会(甲64,65) 原告の提出した発言通告書の取扱いについてなされた審議の経過は次のとおりである。 (ア)午前9時30分から午前9時57分の間の審議(甲64)a被告A1委員は,「先の議会運営委員会において,原告の一般質問における発言方法については音声変換の補助装置による壇上での発言をし,再質問は代読でもよいとの結論及び補助装置の操作は本人ではなくても事前にできるので,市の職員が行うことも認めることが確認がされており,当該結論は原告本人にも伝わっていると認識しているので,それに従うのであれば原告の通告書を受け取ってもよいのではないかと思う。」と述べた。 b被告A2委員は,「前回の議運でルールを決めて,それを原告に申し入れた上で通告が来ているわけで,議運のルールに従ってやっていただければよいですが,それがいやなら仕方ない。今は,議運で決めたルールを遵守してもらうことで,原告に話をしてもらえればよい。」と述べた。 c被告A5委員は,「通告書を出したと言うことは,発言したいという意思表示ですが,我々が持っているルールは,議運で決めたルールしかないわけです。そのルールしかないので,従ってやることで発言通告書が出たのか,代読という主張だけで出したのか,そこを確認していただいて,受理できるかどうか決めたらどうでしょうか。 今,あれこれ言ってもそのルールしかないわけですから,今の時点で判断 とで発言通告書が出たのか,代読という主張だけで出したのか,そこを確認していただいて,受理できるかどうか決めたらどうでしょうか。 今,あれこれ言ってもそのルールしかないわけですから,今の時点で判断するには,それしかないと思っている。発言したいという意思が強いのなら,今ある方法に従ってもらうしかない。発言が目的でないのなら,代読が目的なら違う考えがあるだろうと思いますが,原告は議員なのですから,発言をしたいということを優先するべきだと思います。」と述べた。 dd 委員は,「弁護士会勧告が出たことについて,弁護士会から市議会に対して,あなた方の取扱いは間違っていることで来ている気がする。だったら,どちらを優先するかという話になるかと思いますが,各会派からの妥協点だけでなく,弁護士会勧告をどう受け止めるか論議しないといけない。」と述べた。被告A10委員長は,「そのことは22日の議会運営委員会で会派へ持ち帰りとして,28日に弁護士会勧告のことを含んで議論してきた。上記議論のまとめとして,議会運営委員会はルールを作ってきた経過があり,本日,議会において委員長報告をする方法に従ってやっていただければよいが,そうでなければだめだ。これから原告に確認する。」と述べた。 ec委員は,「本人が出したということは,当然,このルールに基づいてやるものだと思います。本人の希望の代読も含まれていても,パソコン等で変換することについて,発言しないということが出たとしても,通告した何パーセントを読まないというだけで,壇上に行って始めるということだけなんですよ。認めた上での発言通告だと解釈してもらわないと議論にならない。言葉を発しなくても再質問はできるわけですから,そのときの状態もあるわけですから。」と述べた。 始めるということだけなんですよ。認めた上での発言通告だと解釈してもらわないと議論にならない。言葉を発しなくても再質問はできるわけですから,そのときの状態もあるわけですから。」と述べた。 f被告A5委員は,「本会議の開会時間が迫っているため,発言通告は預かりという形で,本会議終了後開催される議会運営委員会において継続協議にするしかないのではないか。」と提案した。被告A10委員長がその旨他の委員に確認したところ,他の委員は異議なく承認した。 (イ)午後5時20分から午後6時55分までの間の審議(甲65)a被告A10委員長は,「午前中の審議結果として,議会運営委員会としては28日に決定した方法で発言するか原告に確認するということだったかと思う。」と述べた。d 委員は,「本人が代読という方法で示されたなら,代読の方がよいのでないかと思う。」との意見を述べた。被告A10委員長は,「28日に決定しておいて何をしているのだということになる。今日,委員長報告もいたしましたが,それが変わっていたとなれば,議会とはどういうところなんだろうということになる。」と述べた。 bc委員は,「本件は代読でということで本人の確認が取れており,本人の希望とされる代読が一番であり,今回に限っては原告の希望に沿った形の代読,音声変換をやったほうがよいと思う。」旨述べた。 d 委員は,「音声変換装置でも人でも代読ということを言われたが,代読を認めることが正しい選択だと思う。あえて変換機は否定しませんが,本人の希望を尊重したらどうですか。」と,28日に申し合わせた折衷案に反対する意見を述べた。被告A5委員,被告A11委員を始め他の委員は,28日の折衷案の方法により行っていただきたいとの意見 んが,本人の希望を尊重したらどうですか。」と,28日に申し合わせた折衷案に反対する意見を述べた。被告A5委員,被告A11委員を始め他の委員は,28日の折衷案の方法により行っていただきたいとの意見を相次いで述べた。被告A10委員長は,「28日の意見が多いようですので,28日の内容でやっていただけるか原告に確認をしたい。それに皆さん賛同してもらいたい。」と提案した。 他の委員は,異議なく承認した。 (ウ)a被告A11委員は,「代読は常に人を配置しなければいけないので,本人のやれる範囲でやるべきである。まったくできなければ別であるが,できないことを言っているわけではない。原告も自分のホームページを開設して扱えるということであるので,協力者にやってもらえばよいのに,なぜ,それができないのか。そこまで代読にこだわるのが分からない。」との意見を述べた。 bc委員は,上記の被告A11委員の発言を受け,そういう意見があるので,参考人として原告を呼び,意見を述べてもらうよう提案した。被告A10委員長もこれに同意した。これに対し,被告A5委員は,「原告を参考人として呼んだ場合,どのように意思表示を受けるのか,そのルールが確立されていないので,そのためにまたルールを作らないといけない。」と反対意見を述べ,「現時点では申し訳ないですが,議運の正副委員長がメモ書きでよいので,原告の意思を確認していただいて委員会へ報告してもらい,委員会としてこういう対応であると確認するほかないのではないか。」と提案した。 c被告A2委員は,「受理する受理しないということでなく,受理しますが,こういうルールに従ってもらえますかという確認をするだけである。」との意見を述べた。 被告A10委員長は,議 被告A2委員は,「受理する受理しないということでなく,受理しますが,こういうルールに従ってもらえますかという確認をするだけである。」との意見を述べた。 被告A10委員長は,議会運営委員会を休憩し,正副議長と副委員長の下,被告A10委員長が原告に確認するという方法をとることとした。 (エ)被告A10委員長は,議会運営委員会の会議の休憩の間,副委員長,正副議長の立会の下,原告に対し,「28日の議運で決めた,40分の壇上は会話補助装置を使用し,再質問10分はメモを市職員が代読するという形でやっていただけますか。」と尋ねた。原告は,「弁護士会勧告で言われているように代議による発言でお願いします。そうでないと同勧告で言う人権侵害を認めることになるからです。議会のルールは憲法違反と言われていますがよいのですか。」と答えた。 (オ)被告A10委員長は,上記の原告とのやりとりを議会運営委員会に報告した上で,「結論を原告にお伝えしないといけません。ルールに従ってやってもらえなければ,受け取れないとせざるを得ないですがよろしいですか。」と提案した。d 委員は「本人の希望を受け入れなければと思っている。」と述べたが,他の委員は異議を述べなかった。 (カ)被告A5委員は,「弁護士会勧告の論理展開は,音声変換装置を使うことは実用性に疑問があることと,やり取りに熟練が必要なことが書いてあり,本人はパソコンを使用したことがないので熟練がいることは困難である。したがって問題であると書いてある。我々が求めていることは,簡単に言えばスタートボタンを押してくださいということを求めているだけです。そうすれば熟練は必要ないことになり,弁護士会勧告に書いてある問題点はクリアされます。こ てある。我々が求めていることは,簡単に言えばスタートボタンを押してくださいということを求めているだけです。そうすれば熟練は必要ないことになり,弁護士会勧告に書いてある問題点はクリアされます。このことに立って憲法違反だと言っている内容は憲法違反ではないということになります。同勧告を何回と読んでもらうと分かりますが,やや変更された書き方で統一されているので,憲法違反だと結論付けていると思います。」との意見を述べた。 (キ)被告A10委員長は,「結論を出しますが,議運の出したルールに従ってやっていただけないということですので,受理できないということでよろしいですか。」と再度提案した。他の委員は,異議なく承認した。被告A10委員長は議会運営委員会を休憩した。 (ク)被告A10委員長は,休憩後,「原告に対し,再質問については代読を認めているが,一般質問は会話補助装置等を使っていただけないということであれば,通告書は受理するわけにいきませんと確認をし,発言通告書を原告に返した。」と報告した。 (ケ)被告A5委員は,「常任委員会及び特別委員会における原告の発言保障について,急にボイスエイドを使って発言せよと言っても不十分であるから,委員会の席においては,予め準備できるものは機械を使ってもらい,即時性を要する場合は当該委員会の委員長にメモを渡して同委員長が読み上げるという方法を提案する。」旨述べた。 被告A10委員長及び被告A3委員は,「当該委員会の委員長に限定するのでなく,副委員長が読み上げることもできるよう委員長裁量で行えばいいのではないか。」と提案した。他の委員は,これらの提案を異議なく承認した。 エ平成17年11月30日開催の同年第6回定例会の本会議(乙ロ1) げることもできるよう委員長裁量で行えばいいのではないか。」と提案した。他の委員は,これらの提案を異議なく承認した。 エ平成17年11月30日開催の同年第6回定例会の本会議(乙ロ1) 被告A10委員長は,原告に関する問題について,議会運営委員会での議論の経過の報告を行った。 オ原告は,a議長と被告A10委員長に対し,平成17年12月9日付けの手書きの書面及び同月14日付けのワープロソフトで作成された「「原告議員に関する議会運営委員会の経過報告」について」と題する書面を提出した。(甲127,乙イ7) 同書面は,12月定例会の本会議で行われた被告A10委員長の行った「原告議員に関する議会運営委員会の経過報告について」(以下「経過報告」という。)についての原告の意見と疑問点を記載したものであり,同経過報告の回収と,議事録からの削除を要求するものである。 カ原告は,平成17年12月15日,市議会の文教消防委員会において,同委員会副委員長が代読する方法で質問を行った。(甲22)キ平成17年12月20日開催の議会運営委員会(乙イ7)(ア)原告が提出した上記オの各書面の取扱いについて,協議がなされた。 a被告A1委員は,「議会運営委員会は市議会の円滑な運営のために各会派の代表が集まって調整する場であり,共産党市議団の代表であるc委員が議会運営委員会に出席しているのに,なぜ原告から直接このような文書が届くのか。共産党市議団内部ではどういう対応がされているのか。」と質問した。c委員は,「従来から議会運営委員会で決められたことは原告に報告しており,今回の件は,原告自身の意見であり,会派がこれを抑えることはできず,この原告の意見 いう対応がされているのか。」と質問した。c委員は,「従来から議会運営委員会で決められたことは原告に報告しており,今回の件は,原告自身の意見であり,会派がこれを抑えることはできず,この原告の意見については,共産党市議団としては,議会運営委員会で審議してもらいたいという意見になった。c委員自身も含め,市議会全体で確認した議会運営委員会の決定について覆す趣旨である。」と述べた。 b被告A10委員長,被告A11委員及び被告A5委員は,「本会議において,議員全員が承認したことであるから,簡単にこれを覆すことはできない。」旨の意見を相次いで述べた。 議会運営委員会は,経過報告中,「鎌倉市議会,静岡市議会,東久留米市議会の例を参考にして」と,表現を修正するに留まり,経過報告の回収や議事録からの削除は行わないとの決定をした。 (イ)被告市執行部のt部長は,議会運営委員会に対し,「原告は,一般質問以外の質疑等でも代読が許されるのか。これに対し,執行部として答弁すべきかを判断する必要がある。」と確認を求めた。議会運営委員会は,これについて協議した。 ac委員は,原告が作成した質疑のメモを読んで,これを質疑として取り扱ってもらいたいと述べた。 b被告A5委員は,「議会運営委員会での申し合わせは,予め用意できるものは委員会においても会話補助装置を使い,臨機応変にその場で判断しなくてはいけないものは,代読で行うほかないという折衷案であった。実際に原告の所属する各種委員会での運用状況については,原告が予め文書を用意し,これを代読するように求め,代読したと聞いた。議会運営委員会で申し合わせたルールと運用に齟齬があり,本来は,たとえ1分の言葉であったとしても予 委員会での運用状況については,原告が予め文書を用意し,これを代読するように求め,代読したと聞いた。議会運営委員会で申し合わせたルールと運用に齟齬があり,本来は,たとえ1分の言葉であったとしても予め用意できるのであれば,会話補助装置を使うべきであり,本会議においても,事前に作成した文書を渡して代読を求めることはルールに違反する。」旨の意見を述べた。 c被告A1委員は,「基本的には準備できないものは代読を認めているので,本会議場においてもやむを得ないが,各種委員会での原告の発言を傍聴したところ,明らかに長い内容のものがあったので,これは簡略化した端的な質問事項だけを代読してもらいたい。」と述べた。 d被告A2委員も,「原告は各種委員会で予め用意していた原稿を持っていた。発言のうち,原告の思い,意見を述べる部分が8割ぐらいで,質問は最後に一つ,二つ程度であり,事前に用意していたことが明らかであって,そのようなことが多数あった。採決の後に質問をする場面もあったので,すぐに取り消してもらうなど,議会運営委員会での申し合わせどおりに行われていなかった。」と報告した。 e被告A10委員長は,「平成17年12月定例会の最終日である同月22日開催の本会議では,討論は事前通告制になっているので,原告には会話補助装置を使用してもらう必要がある。本会議における質疑については,原告がその場で書いたメモを読むという方法によることになり,このメモを誰が代読するのかといった問題があるが,共産党市議団に行ってもらえれば互助の精神が発揮でき,事務局職員を使うためには,しっかり議論する必要がある。」と述べた。 f被告A2委員は,「原告の各種委員会での発言状況は,委員長,副委員 に行ってもらえれば互助の精神が発揮でき,事務局職員を使うためには,しっかり議論する必要がある。」と述べた。 f被告A2委員は,「原告の各種委員会での発言状況は,委員長,副委員長が,質問だけでよいのではないかと言っても,本人はすべて読めという強い姿勢であった。本会議における質疑については,c委員に共産党市議団の代表として,議会運営委員会が申し合わせたルールを分かっているので,原告の作成した文書を見て,質疑事項のみを代読してもらいたい。」と述べた。 g被告A10委員長も,「先の委員会の反省に立ってやっていかないといけない。」と述べた上で,重ねて,「共産党市議団で代読をお願いしたい。」と述べた。c委員は,これを承諾した。 ha議長は,原告の質疑については,メモを書く時間は間を取って書いてもらえばいいと述べた。 i被告A1委員は,c委員に対し,代読をする場所について確認した。c委員は,原告が手を挙げたら,c委員が原告のところまで行き,原告のマイクを使って行うと述べた。被告A2委員もこれに賛同した。 jq事務局長は,原告が質疑のため,挙手をした場合,議長が原告を指名して,c議員が代読することを言ってもらった方がいいかといった運用面についての確認を求めた。被告A2委員は,議長がc議員も指名して代読することでどうかという意見を述べた。 j被告A10委員長は,同委員会のまとめとして,原告が予め用意できるものは会話補助装置を使って発言してもらい,質疑については,その場でメモを書いてもらい,代読を行うこと,平成17年12月22日の本会議では,c議員が代読することとすると述べた。 他の委員はこれに異議を述べず,承認した。 言してもらい,質疑については,その場でメモを書いてもらい,代読を行うこと,平成17年12月22日の本会議では,c議員が代読することとすると述べた。 他の委員はこれに異議を述べず,承認した。 (12)c議員の代読による質疑とそれに関する経緯ア平成17年12月22日開催の同年第6回定例会の本会議(甲86,原告本人)(ア)c議員は,同本会議において,原告の質疑を代読した。その際,「この部分は読んではいけない。」との判断を独断で行い,部分的に代読をしなかった。原告は,その場で直ちにc議員に訂正を促すことができなかった。 (イ)原告の上記質疑の内容は本来会派で議論されているはずの問題であったため,a議長は本会議を休憩し,被告A10委員長が臨時に議会運営委員会を開き,原告の質疑内容について28分間審議した。 イ平成18年1月23日開催の議会運営委員会(甲87) c委員は,同委員会において,「平成17年12月22日開催の平成17年12月定例会の本会議で原告の質疑の代読を行った際に,原告から渡された文書のうち,一部分を自己の判断で読まなかった。原告から,正しいと思ってやったことでも,代読者が独自の解釈,判断で読まないというのは代読ではないと言われた。改めて臨時会では代読者を変えた方がいいと思う。私が行うのは12月限りの暫定的なものであり,次回からは事務局にお願いしたい。」旨申し出た。同委員会は,同申出について協議した。 各委員の意見は次のとおりである。 (ア)被告A5委員は,c議員による代読は,12月定例会だけの暫定的な措置ではなく継続性のあるものだと認識しており,原告の任期期間中はc議員にやってもらえればよいのではないかとい (ア)被告A5委員は,c議員による代読は,12月定例会だけの暫定的な措置ではなく継続性のあるものだと認識しており,原告の任期期間中はc議員にやってもらえればよいのではないかという意見を述べた。 (イ)d 委員は,本来事務局対応がよいかと思ったが,同一会派でやることで整理して,試験的に行われたものだと解釈したと述べた。 (ウ)被告A10委員長は,c議員が,一部代読しなかったことについて,「すばらしい判断をしてくださったと思います。」と述べた。被告A2は,「だからこそ事務局に任せることができない。発言が適正か判断できる人が代読しないといけない。何でもメモをもらって発言すればいいというものではない。ある程度判断ができる者がやらないと本人の意志が伝えられないし,議会の議事内容にあっているかの判断がいるので,職員では難しくおかしな方向に行ってしまう。逆な面で不備ができてしまう気がしますので,その辺を良く考えておかないとまずいと思う。」と述べた。 (エ)被告A11委員は,「事務局職員を巻き込みたくない。議員同士なら,特に同一会派ならあとはどうにでもなる。事務局が引き込まれたら困ってしまうので,議員団でやってもらいたい。」と述べた。 (オ)被告A3委員は,「争点になっている部分で,皆が心配していることなので,事務局がやることにならない。原告側では,第三者によって変えられることはだめだと言っているわけですから,きちんと議運で結論を出すべきだと思います。」と述べた。 (カ)被告A5委員は,「自助,共助,公助であります。自助はなかなかやらないということなので,共助でやってもらう。それができなくなったら公助でやるという順番であります。同一会派でもcさ (カ)被告A5委員は,「自助,共助,公助であります。自助はなかなかやらないということなので,共助でやってもらう。それができなくなったら公助でやるという順番であります。同一会派でもcさんがすべてやらなくても他にもいらっしゃいますので,順番にやってもらったらと思います。」と述べた。 (キ)被告A12副委員長は,「その議題にあっているかの判断について,職員は違っていると思っても議員から出されたものを読まないわけにはいかない。そこまで職員に負担をかけるのはいかがなものかということで,同僚議員であればということで出発しているか分かっているので,交替でやっていただけたらよいと思います。」と述べた。 (ク)c委員は,「代読という本人の意思を伝えるところが変わってくるということです。職員なら合わない発言であったとしても全部読んでいくことで,問題になる発言になるかもしれないが,発言そのものが場内に伝わっていく代読からすると僕らがやると伝われないので,ストレートに読む職員の方が正確でないかと思います。」と述べた。 (ケ)被告A10委員長は,上記の議論をまとめて,「自助,共助,公助の順番になります。議会の問題ですから,議員自ら助けるところは助けようということで結論を出してきたわけです。その辺のところで問題もあったかもしれませんが必ず定着すると思いますので,ぜひ,会派の中でご努力をお願いしたい。」と述べた。他の委員は,異議なく承諾した。 (コ)被告A10委員長は,「議運で確認しております会話補助装置について,議場でデモを準備しておりますので,この議運の最後にまず委員の皆さんに確認していただきたいと思っております。」と述べた。 (13)平成18年3月定例会における原告 ます会話補助装置について,議場でデモを準備しておりますので,この議運の最後にまず委員の皆さんに確認していただきたいと思っております。」と述べた。 (13)平成18年3月定例会における原告の一般質問の発言方法を巡る経緯ア平成18年2月14日,議場において,議会運営委員が出席の下,音声変換機能付きパソコンのデモンストレーションが行われた。 原告も,このデモンストレーションに参加し,同パソコンを試用した。 イ原告,c議員,b議員,被告A10委員長,被告A12副委員長,a議長及び被告A17副議長は,平成18年2月21日に非公式の話し合いをした。(甲128,乙イ8,9)ウ平成18年2月22日開催の議会運営委員会(甲67) 平成18年2月14日に行われたデモンストレーションを受けて協議がなされた。 エ平成18年3月はじめころ,「原告の食道発声はマイクを使えば聞き取れるはずである。原告は食道発声で一般質問を行うことを希望している。」旨の新聞,テレビ等の報道があった。 オ上記報道を受け,原告,c議員,b議員,被告A10委員長,被告A12副委員長,a議長及び被告A17副議長は議会運営委員会に先立ち話し合った。被告A10委員長は,原告に対し,議会運営委員会で申し合わせた会話補助装置と併せて行って欲しいと頼んだが,原告はこれを断った。 カ平成18年3月3日開催の議会運営委員会(甲70)(ア)被告A10委員長は,同委員会において,「新聞やテレビの報道を受け,上記オのとおり,原告らと話し合いをした。その話し合いの際に原告の発声を聞いたところ,壇上で発言した場合に全員に聞こえる可能性はないと思う。」旨述べた。a議長,被 いて,「新聞やテレビの報道を受け,上記オのとおり,原告らと話し合いをした。その話し合いの際に原告の発声を聞いたところ,壇上で発言した場合に全員に聞こえる可能性はないと思う。」旨述べた。a議長,被告A17副議長及び被告A12副委員長は,それぞれ,「短い時間でありましたが聞き取れなかった。はっきり言って聞き取れない。単語は2箇所くらい分かりましたが,聞き取れるところまではいきませんでした。」と述べ,原告の食道発声の音声が聞き取れる可能性についての被告A10委員長の意見に同意した。 (イ)被告A10委員長は,上記の原告の食道発声の状況から,議場が混乱を起こすおそれがあり,執行部が聞き取れず答弁ができない状況が起こりえるとして,議会運営委員会としては,原告の食道発声の方法による発言方法を認めるわけにはいかないと提案した。 (ウ)上記提案に対し,c委員は「受け取って発言させるべき。本人の選択を希望する方法でやったらと思います。」と述べ,被告A1委員は,「確認をしていただいたということでございますので,ルールどおり会話補助装置による代読以外ができないということであれば,聞き取れないということですので,受け取れないと思います。」と述べた。 (エ)被告A10委員長は,上記意見を踏まえ,食道発声は無理で,議会運営委員会で決めたルールどおりにやってもらうということで,受け取れないことに決めたいと提案した。c委員は退室し,その余の委員は異議を述べなかった。 キ原告は,平成18年3月6日,平成18年3月議会において,食道発声の方法で発言するとして,発言通告書を市議会事務局に持参した。 市議会事務局は,議会運営委員会では会話補助装置を使う方法により発言するよう協議で申し合わせ 3月議会において,食道発声の方法で発言するとして,発言通告書を市議会事務局に持参した。 市議会事務局は,議会運営委員会では会話補助装置を使う方法により発言するよう協議で申し合わせがなされており,同事務局では,それ以外の方法で発言する場合は発言通告書を受理できないと話し,発言通告書を受け取らなかった。(以上甲24,71)ク平成18年3月6日開催の議会運営委員会(甲71) 市議会事務局長qは,同委員会において,上記キの事実を報告した。 ケ平成18年3月13日開催の同年第2回定例会の本会議(甲72) 被告A10委員長は,議会運営委員会の報告をした。原告は,c議員の代読により,上記被告A10委員長の報告に対し,質疑を行った。 (14)平成18年6月定例会における一般質問の発言通告書を巡る経緯(甲74,75,100の4)ア原告は,平成18年6月2日,被告A23議長に対し,女子中学生殺害事件及び教育基本法改悪問題について,発言所要時間を20分として,発言内容として手書きでA4用紙8枚分が記載された中津川市長及び教育長に答弁を求める旨の一般質問の発言通告書(甲100の4)を提出した。 イ被告A23議長は,原告に対し,発言方法を尋ねた。原告は,事務局職員による代読で行うと答えた。被告A23議長は,議会運営委員会に諮って回答すると伝えて発言通告書を預った。 ウ被告A23議長は,「原告の一般質問の発言方法は,議会運営委員会の申し合わせで決まっており,議長だけでは良否の判断はできない。」と述べ,上記原告の発言通告書に対する取扱いについて議会運営委員会に諮問した。 エ平成18年6月2日開催の議会運営委員会(甲73) 決まっており,議長だけでは良否の判断はできない。」と述べ,上記原告の発言通告書に対する取扱いについて議会運営委員会に諮問した。 エ平成18年6月2日開催の議会運営委員会(甲73)(ア)議会運営委員会は,従来どおり決められた方法でやってもらいたいという結論を出し,その旨,被告A23議長に答申した。 (イ)b委員は,同一会派の議員が代読する方法を議会運営委員会に提案することについて原告に確認した。原告がこれを承諾したため,b委員は,同委員会において,共産党市議団のp議員が原告の一般質問を代読するという方法を提案した。 オ被告A23議長は,上記議会運営委員会の答申を受け,原告に対し,議会運営委員会への諮問結果に基づき,事務局職員がパソコンを打って入力し,音声変換装置を用いて発言する方法によって質問を行うのであれば受理するが,そうでなかったら受理できないとして,発言通告書を受理せず返した。(甲73)カ原告は,被告A23議長に対し,b委員が提案した,共産党市議団の議員が代読を行う方法について議会運営委員会で議論するよう求めた。 (甲73)キ平成18年6月26日午前9時開催の議会運営委員会(甲74) 同委員会は,陳情第8号「原告市議会議員の発言を事務局職員による代読による方法をもって認める事」について,被告A23議長から付託を受け,審議した。 ク平成18年6月26日開催の同年第4回定例会の本会議(甲75)(ア)原告は,被告A10委員長による,議会運営委員会での審議事項についての報告に対する質疑として,b議員による代読の方法により,「「原告市議の発言を事務局職員の代読による方法で認める事」に関する陳情について ,被告A10委員長による,議会運営委員会での審議事項についての報告に対する質疑として,b議員による代読の方法により,「「原告市議の発言を事務局職員の代読による方法で認める事」に関する陳情について質問します。弁護士会勧告どおり事務局職員による代読を認めるよう,陳情書が4300人の署名をつけて提出されています。署名数は6月23日現在4800人に増え続けていると聞いています。また,四十数団体からの署名も提出されたと聞きます。この陳情審議がどういうわけか非公開とされたということですが,賛成,反対,どのような討論があって非公開になったのか,多くの市民は本会議上での説明を求めておりますので,お答え願います。」と述べた。 (イ)被告A10委員長は,原告のいう陳情が議会運営委員会に付託されていることを認めた上で,陳情については各種委員会等が本会議で報告した事例がなく,非公開としたことは議会運営委員会全員で議論して決定されたのであるから,会派の代表者に聞いて欲しいと答えた。 (15)平成18年9月定例会における一般質問の発言通告書を巡る経緯(甲25,76,100の5)ア原告は,平成18年9月4日,被告A23議長に対し,障害者自立支援法について,発言所要時間15分として,中津川市長及び中津川市の健康福祉部長に答弁を求める旨の発言内容として手書きでA4用紙9枚分が記載された一般質問の発言通告書(甲100の5)を提出した。 イ被告A23議長は,原告に対し,現在示している音声変換装置を用いた方法で発言してもらえるか尋ねたところ,原告は,弁護士会勧告による方法で行う旨答えたため,議会運営委員会の決定した方法で発言するのでなければ受け取ることはできないとして,発言通告書を受理せず返した。 ウ被 か尋ねたところ,原告は,弁護士会勧告による方法で行う旨答えたため,議会運営委員会の決定した方法で発言するのでなければ受け取ることはできないとして,発言通告書を受理せず返した。 ウ被告A23議長は,上記経緯を平成18年9月4日開催の議会運営委員会において報告した。 エ平成18年9月4日開催の同年第5回定例会の本会議(甲77) 原告は,被告A10委員長の議会運営委員会報告に対し,事務局職員による代読の方法による発言保障を求める要請,抗議が団体署名を含めて1496通届いていることについて議会運営委員会で審議されたか否か,教育基本法改正に慎重を期するよう求める意見書採択への陳情について賛成,反対それぞれの理由は何かといった質疑を行うため,b議員による代読の方法で二度発言した。 (16)平成18年12月定例会における一般質問の発言通告書を巡る経緯(甲27,78,100の6)ア原告を含む共産党市議団の議員4名は,平成18年11月28日,被告A23議長に対し,「原告市議の発言補償問題についての申し入れ」と題する書面を提出して,平成18年12月定例会において,原告が,同人の意向を尊重した形での一般質問が認められるよう申入れをした。 同書面には,原告の平成18年12月定例会における市職員の代読を前提とした一般通告書が受理されなかった場合又は議会運営委員会において,従来どおり,「議運の決定に従った発言方法」でしか発言を認めないとした場合には,共産党市議団は,原告の意向を尊重した形での一般質問の実施を求める決議を同定例会の本会議で議員提案し,同本会議初日での採択を求めるつもりである旨記載されていた。(甲27)イ原告は,前同日,被告A23議長に対し,安全・安 形での一般質問の実施を求める決議を同定例会の本会議で議員提案し,同本会議初日での採択を求めるつもりである旨記載されていた。(甲27)イ原告は,前同日,被告A23議長に対し,安全・安心まちづくりについて,発言所要時間を20分とし,発言内容は,ワープロ打ちで,A4用紙6枚分が記載された一般質問の発言通告書(甲100の6)を提出した。 ウ被告A23議長は,再度議会運営委員会で協議するよう諮問するとして,原告の発言通告書を受理せず,預かった。 エ平成18年11月29日開催の議会運営委員会(甲78)(ア)被告A23議長は,原告の発言通告書に対する取扱いについて,再度協議するよう,議会運営委員会に諮問した。 ad 委員は,原告の選択を尊重すべきとの意見を述べた。 被告A26委員,同A6委員,同A11委員及び同A12委員は,「議会運営委員会で何度も議論し,結論が出ている。原告の一般質問については,従来の議会運営委員会の申し合わせどおりの方法で発言すべきである。」との意見を述べた。 b被告A10委員長は,ほとんどの会派は従前どおりの方法で行って欲しいとの意見であるため,そのように申し合わせたいと提案した。他の委員は,異議なく承認した。 (イ)原告を含む共産党市議団所属の議員4名は,被告A23議長に対し,「岐阜県弁護士会と同人権擁護委員会が,平成17年11月16日に中津川市議会に勧告した通り,原告の市議会一般質問の壇上における発言を,職員の代読による方法をもって今12月市議会より実施すること。」という「市議会議員の発言保障に関する決議」案(以下「本件決議案」という。甲28)を提出した。 (ウ) おける発言を,職員の代読による方法をもって今12月市議会より実施すること。」という「市議会議員の発言保障に関する決議」案(以下「本件決議案」という。甲28)を提出した。 (ウ)被告A23議長は,本件決議案についての取扱いについて,議会運営委員会に諮問した。 (エ)被告A10委員長及び被告A14副委員長は,議会運営委員会で決めてきたことに対し反対する旨の本件決議案を提出する者の中に,同委員会を構成していたb議員やc議員が含まれているのはおかしいと指摘した。そのため,共産党市議団所属議員のうちp議員が本件決議案を提案するということに修正し,平成18年12月1日の定例会の本会議において議題とすることに決まった。 オ原告は,平成18年11月30日,被告議員らを含む議員に対し,共産党市議団が翌日の定例会の本会議で提出する原告の代読発言を求める決議案に対し,賛成するよう求める書面(甲29)を送った。 同書面には,原告が障害者として障害者の生の声を市政に反映させていくためには,原告自身の声で発言することが一番いいと思って食道発声訓練に取り組んできたこと,今のところ,会話が十分できるまでには至っていないが,原告は,やがて健常者の中に溶け込んでコミュニケーションの場を広げることができると確信していること,原告が,議会での代読発言にこだわるのは,機器による音声では,声を失った者の本当の心の苦しみ,声を取り戻した時の心からの喜びを実感した原告の思いが通じないと思うためであり,いつでも,どこでもすぐ対応できる一番やりやすい,また他人の迷惑を最小限にできるやり方だと思うためであることなどが記載されていた。 カ平成18年12月1日開催の同年第6回定例会の本会議(甲28,79,88 対応できる一番やりやすい,また他人の迷惑を最小限にできるやり方だと思うためであることなどが記載されていた。 カ平成18年12月1日開催の同年第6回定例会の本会議(甲28,79,88,乙イ6)(ア)共産党市議団のp議員は,同本会議において,本件決議案を提出した。 (イ)記名投票の結果,賛成5,反対27で,本件決議案は否決された。 被告A23を除く被告議員らは,皆,反対票を投じた。 (17)議決後の経過ア原告は,平成19年1月22日ころ,被告A23議長に対し,「新聞報道(1/19中旬)によりますと恵那市で産婦人科医がゼロとなる可能性が出てきたといわれています。当市としても産婦人科医の不足解決のための対策が早急に求められていると思います。市長の見解をお聞かせ下さい。」という市長に対する緊急質問の発言通告書を提出した。被告A23議長は,緊急性がないということで原告の発言を認めなかった。(甲100の7)イ平成19年3月定例会における一般質問の発言通告書 原告は,平成19年3月5日ころ,被告A23議長に対し,安全・安心まちづくりについて,中津川市長及び市民病院部長に答弁を求める発言所要時間30分,発言内容は,手書きでA4用紙15枚分が記載されている一般質問の発言通告書を提出した。被告A23議長は,これを受理しなかった。(甲85,98の3,甲100の8)(18)原告の市議会議員二期目の任期は,平成19年4月29日に終了した。 争点1(本件訴えの適法性の存否(本案前の主張))及び争点2(原告の自己決定権等に対する違法な侵害行為の有無)について(1)司法裁判権が,憲法又は他の法律によってその権限に属す 。 争点1(本件訴えの適法性の存否(本案前の主張))及び争点2(原告の自己決定権等に対する違法な侵害行為の有無)について(1)司法裁判権が,憲法又は他の法律によってその権限に属するものとされているものの外,一切の法律上の争訟に及ぶことは,裁判所法3条の明定するところであるが,ここに一切の法律上の争訟とはあらゆる法律上の係争という意味ではない。一口に法律上の係争といっても,その範囲は広汎であり,その中には事柄の特質上司法裁判権の対象の外におくを相当とするものがある。なぜならば,自律的な法規範をもつ社会ないしは団体に在っては,当該規範の実現を内部規律の問題として自治的措置に任せ,必ずしも,裁判にまつを適当としないものがあるからである(最高裁判所昭和35年10月19日大法廷判決参照)。そして,一般に市議会の運営に関する事項は,まさにそれに該当すると解される。 もっとも,本件における原告の主張中には,原告が障害者である故に議会へ参加する権利(参政権)を害されたという趣旨のものがあり,これについては,憲法の採用する国民主権原理に照らし,単なる議会の内部規律の問題に留まるものとはいえないから,裁判所の審判権が及ぶものと解するのが相当である。 この点,原告は,「被告議員らが,原告の一市民として,また市民の代表としての表現の自由を侵害し,障害者が代替手段を自ら選ぶ権利,すなわち自らのあり方を決める権利(自己決定権)をも侵害したことは,一般市民法秩序と直接の関係を有しない団体の内部的な問題にとどまらないから,司法審査の対象となる。」旨主張し,確かに,原告は,表現の自由や自己決定権(障害補助手段を使用する自由や障害補助手段選択の自由を含む。)を有するものと解される。 しかし,地方議会は,憲法上に定め の対象となる。」旨主張し,確かに,原告は,表現の自由や自己決定権(障害補助手段を使用する自由や障害補助手段選択の自由を含む。)を有するものと解される。 しかし,地方議会は,憲法上に定められた地方公共団体の議事機関であり(憲法93条1項),憲法の採用する議会制民主主義の下においては,当該地方公共団体における住民の間に存する多元的な意見及び諸々の利益を,その構成員である地方議会議員の自由な討論を通して調整し,究極的には多数決原理によって統一的な地方自治体の意思を形成すべき役割を担うため,その内部の組織や運営に関する一定の事項について,他の機関等から関与を受けることなく,自律的に決定し,処理する権限(自律権)を有する。そして,議会の運営に関する事項は,議会の内部規律の問題として議会及び議長の裁量に委ねられ,議員の議会本会議や各種委員会における発言の方法等もまた,議会の運営に関する事項に含まれると解される。したがって,議会及び議長が議員の議会での発言方法等を制限することによって障害者である議員の表現の自由や自己決定権(障害補助手段を使用する自由や障害補助手段選択の自由を含む。)が制限されたとしても,同議員がこの発言方法等の制限によって障害者である故に議会へ参加する権利(参政権)を害されるなどの特段の事情のない限り,やむをえないものといわなければならない。 そこで,以下,本件訴えを適法とした上で,市議会議員である原告が発声障害者である故に議会へ参加する権利(参政権)を害されたか否かの限度で,本件訴えの当否を判断することとする。 (2)加害行為①(議会運営委員会の各委員(被告議員らの一部を含む。)が,平成15年5月から同年11月25日までの間,原告について,議会での発言は口頭が原則であるから,まずは治療に専念せよ (2)加害行為①(議会運営委員会の各委員(被告議員らの一部を含む。)が,平成15年5月から同年11月25日までの間,原告について,議会での発言は口頭が原則であるから,まずは治療に専念せよと結論付けて,原告の発言を認めないとの議会運営委員会の申し合わせをした)の有無及びその違法性について 前記1の認定事実によれば,c議員が平成15年5月14日の代表者会議で原告の意見を同一会派に所属するb議員の意見として発言することがあるかもしれないと述べたこと,lとc議員が同月26日に市議会に対し,原告の本会議及び委員会での発言方法として,第三者による代読を要望する旨の申入書を提出し,これについて議会運営委員会で審議がされたこと,c議員が同年6月2日の議会運営委員会で原告は同年6月定例会での一般質問は予定していない旨を報告したほか,委員会では,会派から出席する議員が一人だけになり,緊急に発言したいことも出てくるため,ボードを持ち込み,これに記載して発言するという方法を認めて欲しいと提案したこと,翌月23日の議会運営委員会の審議では,申入書の要望事項を認めるか否かは結論を出さず,原告の経過を見ながら,継続審議にするとされたこと,c議員が,同年10月20日の議会運営委員会で,原告が同年9月の議会において委員会で意思表示をする必要があると感じたとして,委員会においての発言方法としてボードを持ち込む方法を再提案したこと,翌月17日及び25日の各議会運営委員会において,c議員の再提案について審議されたが,各派で意見が分かれ,結論が出ないまま,審議が終了したことが認められる。 そうとすると,議会運営委員会の各委員(被告議員らの一部を含む。)が,平成15年5月から同年11月25日までの間,原告について,原告の発言を認めないと 議が終了したことが認められる。 そうとすると,議会運営委員会の各委員(被告議員らの一部を含む。)が,平成15年5月から同年11月25日までの間,原告について,原告の発言を認めないとの議会運営委員会の申し合わせをしたとは認められず,同委員会の審議によって,原告が発声障害者である故に議会へ参加する権利(参政権)を害されたとはいえない。 (3)加害行為②(議会運営委員会の各委員(被告議員らの一部を含む。)は,平成16年9月21日の議会運営委員会において,原告がパソコンを使用できないことを知りながら,議会での発言においてはパソコンを使用するよう申し合わせをし,その後も原告にパソコンの使用を押しつけた)及び加害行為③(a議長は,原告が食道発声で行うとして平成17年3月10日に提出した第1回発言通告書を,議会運営委員会に諮った上で,食道発声による音声が聞き取れないという理由で受理を拒絶したほか,原告が平成17年6月議会に向けて提出した第2回発言通告書を,議会運営委員会による「代読は無理」との答申に基づき受理を拒絶した)の有無及びその違法性についてア前記1の認定事実によれば,平成16年9月21日の議会運営委員会は,原告が委員外議員として出席の上,陳情第5号に基づく要望事項の審理をしたこと,同委員会は,同要望事項のうち「さしあたって,原告市議の市議会における活動をどう保障していくのかということについて,然るべき場において協議されること。」との部分につき,さしあたり原告が本会議場への音声変換機能付きパソコン(但し,発声障害者や高齢者向けの特殊なキーボードのものや,トーキングエイド等の会話補助装置全般を含む。以下,これらを含めて,単に「パソコン」という。)を持ち込むことを認めるという申し合わせをしたこと,議会運 障害者や高齢者向けの特殊なキーボードのものや,トーキングエイド等の会話補助装置全般を含む。以下,これらを含めて,単に「パソコン」という。)を持ち込むことを認めるという申し合わせをしたこと,議会運営委員会が陳情第5号の審議に際し原告に対してした質問の回答書が,すべて回答がパソコン又はワープロで作成されたものであったために,同委員会の各委員は,この申し合わせにあたり,原告がまったくパソコンを使用できないとは考えていなかったが,パソコンを未習熟であるとは知っていたこと,原告は,同年10月21日に被告A14委員長に,パソコンは使えない旨伝えたこと,原告,c議員及びb議員は,同年10月25日に,a議長に対し,原告に対する議会内での発言保障として当面すぐに対応できることとして,一般質問や各種委員会での「代読による発言保障措置」を要望したこと,議会運営委員会は,同年11月9日に代読による発言保障につき審理し,共産党市議団及び市民ネット21を除く各会派の意見に従って,同年9月21日の議会運営委員会での申し合わせがある以上,まずはこれに従って,パソコンを用いた発言を行って欲しいという結論に至ったこと,その際,同委員会の委員の多くは,原告がパソコンを使えるように努力すべきであるとの意見であったこと,この後も,平成16年11月9日まで,議会や議会運営委員会で同様の議論がなされたこと,a議長は,原告が平成17年3月10日に提出した第1回発言通告書について議会運営委員会に対応を諮ったこと,被告A14委員長が原告に対し,本会議での一般質問についてパソコンを使用するか,口頭で行うのかについて質問したところ,原告が食道発声の方法で口頭で行うと答えたこと,食道発声の音声が聞き取れるか否かについて議会運営委員会でテストをしたところ,共産党市議団を含む委員の全員一 か,口頭で行うのかについて質問したところ,原告が食道発声の方法で口頭で行うと答えたこと,食道発声の音声が聞き取れるか否かについて議会運営委員会でテストをしたところ,共産党市議団を含む委員の全員一致で,原告の食道発声による発言では聞き取ることができなかったこと,その結果,議会運営委員会は,a議長に対し,口頭発言は無理であると答申したこと,a議長は,この答申を受け,第1回発言通告書を受理しなかったことが認められる。 ところで,障害者に障害補助手段を使用するように勧めること自体は何らの不都合もないが,これを強制することは,それがいかに障害者にとって有益であるとしても,許されないというべきで,障害のある議員に対し,議会活動における障害補助手段の使用を強制することは,議会へ参加する権利(参政権)を害するものと認めるのが相当である。 議会運営委員会の各委員(被告議員らの一部を含む。)は,平成16年9月21日及び同年11月9日の議院運営委員会で,発声障害のある原告がパソコンを未習熟であることを知りながら,原告に,本会議での代読を認めず,自らがパソコンを使用して発言を行うよう要請し,そのため,原告は,平成17年3月10日に食道発声で行うことを前提とした第1回発言通告書を提出せざるを得なくなって,同発言通告書が受理されなくなったほか,各種委員会で発言する機会もなくなったという経緯に照らせば,同委員らが,発声障害があり,パソコンを未習熟の原告に対し,その障害補助手段であるパソコンを使用するように強制したものと認められる。 そうとすると,議会運営委員会の各委員(被告議員らの一部を含む。)による平成16年9月21日から平成17年3月10日までの間の議院運営委員会の申し合わせやa議長による第1回発言通告書の不 そうとすると,議会運営委員会の各委員(被告議員らの一部を含む。)による平成16年9月21日から平成17年3月10日までの間の議院運営委員会の申し合わせやa議長による第1回発言通告書の不受理によって,原告は発声障害者である故に議会へ参加する権利(参政権)を害されたと認められる。 イ前記1の認定事実によれば,原告が平成17年6月定例会での一般質問の第2回発言通告書を提出するに先立ち,共産党市議団は,同年5月23日,同年6月2日開催の各議会運営委員会において,「原告はパソコンについて触ったり,考えたりすると体調が悪くなるという理由から,パソコンを用いた方法ではなく,代読による方法で一般質問を行いたいと希望している。」として,この原告の希望する方法による発言を許可するよう議会運営委員会の申し合わせの変更を求めたこと,平成16年9月21日及び同年11月9日の議会運営委員会で原告がパソコンを使用する方法で発言することを申し合わせていたこと,平成17年6月2日の議会運営委員会では,被告A10委員長が「パソコンに打ち込んでもらうことは,皆さん認めていただければ身内でなく自分でなく,事務局にお願いしても努力していただく形をやっていただいて,その後また議論するのなら話し合いの余地はあると思う。」と発言し,事務局によって打ち込む方法についても提案したこと,被告A10委員長は,代読による発言は認められないが,パソコンを使うという意向であれば,すぐに議会運営委員会を開き,細かい運用について協議するとa議長に答申したこと,a議長はこの答申を受けて,代読を前提とする原告の第2回発言通告書の受理をしなかったことが認められる。 上記認定のとおり,平成17年6月定例会に向けての第2回発言通告書の受理の拒否に関する議会運営委 受けて,代読を前提とする原告の第2回発言通告書の受理をしなかったことが認められる。 上記認定のとおり,平成17年6月定例会に向けての第2回発言通告書の受理の拒否に関する議会運営委員会での審議において,被告A10委員長が,事務局職員を含む原告以外の第三者による入力も検討対象として提案していることは認められ,事務局職員がパソコンの入力をするというのであれば,パソコンを使用した発言方法をとるよう原告に求めること自体は,原告やその家族,後援者がパソコンを使用しなくともよいものであるから,原告にさほどの負担も強いるものではないといいうるが,被告A10委員長の上記提案も具体的なものではなく,議会運営委員会で決定されたものでもないことからすると,議会運営委員会の各委員(被告議員らの一部を含む。)による同年5月23日,同年6月2日の同委員会の申し合わせ,答申やa議長による第2回発言通告書の不受理によっても,原告は発声障害者である故に議会へ参加する権利(参政権)を害されたというべきである。 (4)加害行為④(議会運営委員会の各委員(被告議員らの一部を含む。)は,平成17年6月24日,c委員の次回同年7月12日に原告を傍聴を認めて欲しいという要望を拒絶した。また,同年9月定例会における原告の発言方法についても,あくまでも原告の代読発言を認めないという姿勢をとった)の有無及びその違法性についてア議会運営委員会の各委員(被告議員らの一部を含む。)が,平成17年6月24日,c委員の次回同年7月12日に原告を傍聴を認めて欲しいという要望を拒絶したとしても,これにより何ら原告の権利が害されるものではなく,この点につき何らの違法もない。 イ上記1の認定事実によれば,平成17年8月24日開催の議会運営委員会で,同年9月定 う要望を拒絶したとしても,これにより何ら原告の権利が害されるものではなく,この点につき何らの違法もない。 イ上記1の認定事実によれば,平成17年8月24日開催の議会運営委員会で,同年9月定例会における原告の発言方法が議論され,被告A10委員長の「事前に準備できる一般質問は,音声変換装置を使い壇上で行い,再質問については,慣れるまで会派の人に手伝ってもらうようにする。」との提案が了承されたことが認められる。 しかし,誰が一般質問の内容をパソコンに入力するかについて議論がされていないことからすると,議会運営委員会の各委員(被告議員らの一部を含む。)による平成17年8月24日の同委員会の申し合わせによっても,原告は発声障害者である故に議会へ参加する権利(参政権)を害されたというべきである。 (5)加害行為⑤(議会運営委員会の各委員(被告議員らの一部を含む。)が,「折衷案」の名のもとに一般質問についてパソコンの使用を強制し,当該折衷案をA10に,その後の原告の発言通告書を受け付けなかった)の有無及びその違法性について 前記1の認定事実によれば,平成17年11月28日開催の議会運営委員会で,c委員の提案による「登壇の一般質問については,音声変換装置を利用し,再質問については原告のメモを見て市の職員が代読するという折衷案」について,委員全員が賛成し,申し合わせがなされたこと,同申し合わせにあたっては,一般質問のパソコンへの入力については,事務局職員が打ち込むことが予定されたこと,c委員は,同提案に当たり,「議会運営委員会がこれでよいのであれば,原告に伝えることはできる。」旨述べたこと,c委員は,申し合わせ後に原告の意思を確認し,同提案を取り下げる旨申し入れたが,被告A10委員長は,既に申し合わせができてい 営委員会がこれでよいのであれば,原告に伝えることはできる。」旨述べたこと,c委員は,申し合わせ後に原告の意思を確認し,同提案を取り下げる旨申し入れたが,被告A10委員長は,既に申し合わせができていることを重視しなければいけないとして,これを容れず,上記申し合わせを議会運営委員会の決定としたこと,原告は,平成17年11月30日ころ,a議長に対し,代読の方法で行う旨書き添えた上で,同年12月定例会に向けての一般質問の発言通告書を提出し,これを受け議会運営委員会で同月30日に審議がなされ,原告に対し,上記折衷案による方法で質問を行うか否かを確認したところ,原告はこれを受け入れなかったこと,議会運営委員会は,同日,上記折衷案の方法によるのでなければ,発言通告書を受理できない旨答申し,a議長は同答申を受けて,原告の発言通告書を受理しなかったこと,平成18年3月3日開催の議会運営委員会において,原告の同年3月定例会に向けての一般質問の発言通告書が提出された場合の対応について協議され,現状の原告の状態では,食道発声による方法では,議場で全員が聞き取ることができないため,折衷案の方法によるのでなければ発言通告書は受理できないとの委員長提案をc委員を除く委員全員で申し合わせたこと,原告は,同月6日,食道発声の方法により発言するとして,発言通告書を市議会事務局に提出したが,同事務局は,折衷案の方法によるのでなければ受理できないとして受け取りを拒否したこと,原告は,同年6月2日,同月定例会に向けての一般質問の発言通告書を被告A23議長に提出したこと,被告A23議長は,原告に対し,その発言方法を確認したところ,原告は,事務局職員による代読で行うと答えたこと,A23議長は,議会運営委員会にその対応を諮り,同委員会は,折衷案によるのでなければ発言を認められ 議長は,原告に対し,その発言方法を確認したところ,原告は,事務局職員による代読で行うと答えたこと,A23議長は,議会運営委員会にその対応を諮り,同委員会は,折衷案によるのでなければ発言を認められない旨の答申をしたこと,被告A23議長は同答申を受けて,原告の発言通告書を受理せず,原告に対し返却したこと,平成17年11月30日の議院運営委員会で,各種委員会での原告の発言について,予め準備できるものはパソコンを使い,即時性を有する場合は当該委員会の委員長にメモを渡して,同委員長又は副委員長が読み上げるという申し合わせがなされたことが認められる。 上記のとおり,折衷案とは,一般質問自体については,事前に準備が可能であるから,事務局職員が打ち込む方法で入力し,再質問については,即時性を有するため,事務局職員による代読の方法によることとするものであって,原告やその家族,後援者はパソコンを使用しなくともよく,原告に対し,さほどの負担を強いるものでない。同様に,各種委員会で,予め準備できるものは事務局職員が打ち込む方法でパソコンに入力し,即時性を有する場合は当該委員会の委員長にメモを渡して,同委員長又は副委員長が読み上げるということも,原告に対し,さほどの負担を強いるものでない。したがって,議会運営委員会の各委員(被告議員らの一部を含む。)による平成17年11月28日,同月30日,平成18年3月3日開催の議会運営委員会の申し合わせや答申,a議長や被告A23議長,事務局職員による原告の発言通告書の不受理によって,原告が発声障害者である故に議会へ参加する権利(参政権)を害されたとはいえない。 (6)加害行為⑥(被告A23を除く被告議員ら27名は,原告が所属する共産党市議団が平成18年12月議会に提出した「市議会議員の発言保障に関 会へ参加する権利(参政権)を害されたとはいえない。 (6)加害行為⑥(被告A23を除く被告議員ら27名は,原告が所属する共産党市議団が平成18年12月議会に提出した「市議会議員の発言保障に関する決議案」に対し,反対票を投じた)の有無及びその違法性について 憲法の採用する議会制民主主義の下においては,地方議会は,当該地方公共団における住民の間に存する多元的な意見及び諸々の利益を,その構成員である地方議会議員の自由な討論を通して調整し,究極的には多数決原理によって統一的な地方自治体の意思を形成すべき役割を担うものであり,地方議会がこれらの権能を有効,適切に行使するために,地方議会議員は,多様な住民の意向をくみつつ,住民全体の福祉の実現を目指して行動することが要請されているのであって,地方議会における議決のごときものは,本質的には政治的なものであって,仮に当該議決により,個別の住民の権利を侵害するとしても,それは,その決議又は決議に反対することが,憲法の一義的な文言に違反しているにもかかわらず,あえて行うような例外的な場合でない限り,国家賠償法1条1項の適用上,違法とはならないというべきである。 (最高裁判所昭和60年11月21日第一小法廷判決,同平成9年9月9日第三小法廷判決参照) 本件決議案に反対することが,憲法の一義的な文言に違反していると認められないことは明らかであるので,被告議員らが本件決議案に反対票を投じたことは,国家賠償法上違法とはいえない。 (7)加害行為⑦(被告議員らが構成する中津川市議会の不作為)の有無及びその違法性について中津川市議会は公務員でないから,国家賠償法1条1項の適用がないことは明らかで,原告の同主張は主張自体失当である。 (8)上記(2)ないし 不作為)の有無及びその違法性について中津川市議会は公務員でないから,国家賠償法1条1項の適用がないことは明らかで,原告の同主張は主張自体失当である。 (8)上記(2)ないし(7)の認定事実からすると,原告は,議会運営委員会の各委員(被告議員らの一部を含む。)による平成16年9月21日から平成17年11月27日までの議会運営委員会の申し合わせや答申,a議長による第1,2回発言通告書の不受理によって,本会議での一般質問や各種委員会での発言ができず,発声障害者である故に議会へ参加する権利(参政権)を害されたこと,議会運営委員会の各委員(被告議員らの一部を含む。)による同議会運営委員会での申し合わせや答申,a議長による第1,2回発言通告書の不受理は,違法であることが認められる。 上記1の認定事実からすると,議会運営委員会の各委員(被告議員らの一部を含む。)やa議長は,上記議会運営委員会の申し合わせや答申,第1,2回発言通告書の不受理が違法でないとの認識であったことが窺えるが,障害者に障害補助手段を使用するように強制することが許されないことは条理上当然であるから,その違法であることを認識すべきであり,少なくとも,議会運営委員会の各委員(被告議員らの一部を含む。)及びa議長には過失があるということができる。 争点3(被告議員らの不法行為責任の成否)について 国又は公共団体の公権力の行使に当たる公務員が,その職務について不法行為を行った場合,当該公務員個人は損害賠償責任を負わないと解するのが相当である。 これに反する原告の主張はにわかに採用できない。 争点4(原告に生じた損害の有無,程度)について 議会運営委員会の各委員(被告議員らの一部を含む。)及びa議長による平成16年9月2 これに反する原告の主張はにわかに採用できない。 争点4(原告に生じた損害の有無,程度)について 議会運営委員会の各委員(被告議員らの一部を含む。)及びa議長による平成16年9月21日から平成17年11月27日までの間の違法行為により,原告が被った精神的苦痛を慰謝するには,議会へ参加する権利(参政権)は公的なものであること,原告と同一会派の議員も議会運営委員会の各申し合わせや答申を承諾していたこと,原告は,折衷案等により本会議での一般質問や各種委員会での発言の機会が保障されたのに,代読に固執し,これを容れなかったこと等,本件に現れた一切の事情を勘案し,10万円をもってするのが相当である。 結論 以上によれば,原告の被告市に対する請求は,10万円及びこれに対する平成18年12月1日から支払済みまで年5分の割合による金員の支払を求める限度で理由があるからこれを認容し,その余は棄却すべきである。 原告の被告議員らに対する請求は理由がないからこれを棄却すべきである。 よって,主文のとおり判決する。 岐阜地方裁判所民事第2部裁判長裁判官内田計一裁判官永山倫代裁判官山本菜有子

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