主文 被告人を懲役2年に処する。 未決勾留日数中30日をその刑に算入する。 理由 (犯罪事実)被告人は,第1 平成16年3月14日午前5時4分ころ,長崎市a町1,274番地付近道路において,運転開始前に飲んだ酒の酔いの影響に より,前方注視及び運転操作が困難な状態で,普通乗用自動車を時速約40キロメートルで走行させ,もって,アルコールの影響により正常な運転が困難な状態で自車を走行させたことにより,同日午前5時5分ころ,同町1,502番地先路上に至って仮眠状態に陥り,そのまま自車を対向車線に進入させながら約84.6メートル進行させ,同町1,590番地23付近道路において,折から対向車線に普通貨物自動車(軽四)を駐車してその後部路上で洗車中のA(当時60歳)に気付かず,同人に自車右前部を衝突させた上,同人を自車もろとも前記駐車車両左後部に激突させ,同車とともに同人を同所付近路上に転倒させ,よって,同人に治癒見込みのない左下腿切断及び入院加療189日間を要する骨盤骨折等の傷害を負わせた。 第2 同日午前5時5分ころ,前記長崎市a町1,590番地23付近道路において,前記普通乗用自動車を運転中,前記第1記載のとおり,自車を前記Aに衝突させて路上に転倒させ,同人に傷害を負わせた上,前記駐車車両を路上に横転させる等の交 通事故を起こしたのに,直ちに同人を救護する等必要な措置を講ぜず,かつ,その事故発生の日時及び場所等法律の定める事項を,直ちに最寄りの警察署の警察官に報告しなかった。 (弁護人の主張に対する判断並びに補足説明) 1 弁護人の主張弁護人は,(1)判示第1につき,刑法211条1項が適用されるべき事案であり,そもそも同法208条の2は適用基準が明確ではないか た。 (弁護人の主張に対する判断並びに補足説明) 1 弁護人の主張弁護人は,(1)判示第1につき,刑法211条1項が適用されるべき事案であり,そもそも同法208条の2は適用基準が明確ではないから罪刑法定主義に違反しているし,被告人にはアルコールの影響により正常な運転が困難な状態にあることの認識がなかったから,無罪である,(2)被告人はアルコールの影響により心神耗弱の状態にあった,(3)判示第2のうち救護義務違反の点につき,被告人には交通事故の発生,物の損壊についての認識はあったが,人の負傷に気付かなかったから道路交通法117条の故意がない,(4)被告人には自首が成立するなどと主張するので,以下これらの点を中心に検討する。 なお,以下年月日につき,特に記載しない限り平成16年を意味する。 2 関係証拠によれば,次の事実が認められる。 (1)被告人は,3月14日午前5時5分ころ,長崎市a町1,590番地23付近道路上を普通乗用自動車で走行中,判示第1記載の事故を起こし,同記載のとおり,被害者が負傷した。事故の約1時間32分後である同日午前6時37分に行われた検査で被告人の呼気1リットル中0.66ミリグラムのアルコールが検出されたが,被告人は約10メートルを正常歩行し,10秒間直立でき,言語態度は普通であった。 (2)本件事故前日からの被告人の飲酒状況をみるに,被告人は本件事故の前日である3月13日午前自動車を運転して長崎市b町にあるパチンコ店甲へ行き,同店にいたところ,昼過ぎに同店で後輩のBと会い,同人に対して,今夜被告人は長崎市内の料理店乙へ行って食事をするので来ないかと誘い,午後8時30分ころ同パチンコ店を出て自動車を運転し,前記乙へ向かい,同店前の路上に自動車を止めて午後9時ころ同店内に入りビール(2杯位),焼酎の水割り(5 店乙へ行って食事をするので来ないかと誘い,午後8時30分ころ同パチンコ店を出て自動車を運転し,前記乙へ向かい,同店前の路上に自動車を止めて午後9時ころ同店内に入りビール(2杯位),焼酎の水割り(5杯位)を飲んだ。同店では次第に被告人の友人らの数が増えて5人程になったが,その中の1人であるCが約1週間後に結婚式を控えており,被告人もその結婚式に出席することになっていたため,途中からCの結婚祝いの会のようになった。その後,被告人は,翌14日午前1前後ころ自己の自動車を同店前の100円駐車場に駐車して乙から近いスナック丙へ行き焼酎の水割り(8杯位)を飲み,その後近くのラーメン店へ行ってラーメンを食べ,その後友人らと別れて,午前4時55分ころ前記駐車場を出発し,7キロメートル余走行して本件事故を起こした。 (3)事故の際,被告人車両は対向車線にはみ出し,道路右側にいた被害者に自車右前部を衝突させ,そのまま道路右側に停車していた被害車両(普通貨物自動車(軽四))の左後部に衝突させ被害車両は横転した。被告人は事故時の「ドーン」という衝撃で目を覚ました。事故直後被告人は前照灯をつけたままの状態で一旦自車を後退させ,交差点を右折して逃走し,約400メートル走行してa漁港に面する長崎市a町2,173番地6付近路上に停車して下車した。停車時に,助手席シート上に知らない野球帽子があることに気付き,下車後被告人車両を見て右前部が破損し,フロントガラスにひびが入っていることにも気づき,人を跳ねたことを確信してa漁港内の海にこの帽子を投棄し,近くにある自宅に帰宅した。 被告人は裏口から自宅に入り,2階で着替えをして救急車のサイレンを聞き,約400メートル離れた事故現場付近へ徒歩で戻ったところ,パトカー1台,約20人の野次馬がいた。被告人は,野次馬の中にい た。 被告人は裏口から自宅に入り,2階で着替えをして救急車のサイレンを聞き,約400メートル離れた事故現場付近へ徒歩で戻ったところ,パトカー1台,約20人の野次馬がいた。被告人は,野次馬の中にいた知人のDから,被害者の名前や被害者が重傷であることを聞いた。被告人はその場でDに対して自分が事故を起こしたことを話し,Dから警察へ出頭することを勧められてDの運転する自動車に同乗し,ほどなく,被告人の弟から警察官が被告人方へ来たことを聞き,そのままDの運転で長崎警察署へ行き,警察官に事故を起こしたことを話した。被告人は,3月14日午前9時5分,業務上過失傷害,道路交通法違反罪により緊急逮捕され,同月16日,これらの罪により勾留され,4月2日,危険運転致傷,道路交通法違反罪により起訴された。 3 被告人の飲酒状況及び被告人が運転を開始するまでの身体の状況(1)被告人と一緒に飲んだ者の供述乙を経営し,被告人と乙からラーメン店まで一緒だったEは,被告人につき,見た目にも酔っぱらいの状態であり,とても自動車を運転して帰れる様子ではなく,自動車を運転して帰れるとはとても想像できなかった旨供述する。 被告人と乙からラーメン店まで一緒だったBは,スナック丙を出たときの被告人の状況につき,ふらついており,何とか歩けはしていたが,次第に呂律が回らなくなっていた,「あれほどフラフラして真っ直ぐ歩けないくらいに酔っておりながら,自動車を運転して帰るとは思いもしなかった」旨述べている。 本件事故後,被告人が事故現場に戻ってきた際に,被告人と話したDは,その際の被告人の様子につき,被告人から酒臭がしており,被告人は体をふらつかせ,話す言葉がしどろもどろであった旨供述している。 (2)被告人の供述被告人は,乙で頭がくらくらして大分酔っていることを自覚し 被告人の様子につき,被告人から酒臭がしており,被告人は体をふらつかせ,話す言葉がしどろもどろであった旨供述している。 (2)被告人の供述被告人は,乙で頭がくらくらして大分酔っていることを自覚した,スナック丙を出て100円パーキングに戻っているが,戻る際ふらふらしながら歩いており,被告人車両の運転を開始する時点でも,頭がくらくらするのを感じた,同駐車場を出発する際,かなり酔っていることが分かっていたので,自動車内で寝てから帰ろうかとも思ったが,それまでも飲酒した後自動車を運転して帰宅したことがあり,事故を起こしたこともなかったので眠らないように注意すれば大丈夫と考えて自動車を運転して帰宅することにした旨述べている。 4 被告人の運転開始後の運転状況被告人は長崎市c町の100円パーキングを出発後,約3.2キロメートル走行後下り坂の右カーブでガードレールに衝突しそうになり,更に約2.8キロメートル走行した平坦な道路上(長崎市a町1,274番地先)で飲酒の影響により強い眠気を覚え自動車を止めて仮眠をとろうかとも考えたが自宅が近いのでそのまま走行を続け,約900メートル走行して(同町1,502番地先)意識をなくし,更に約84.6メートル走行して本件事故を起こした。 5 被告人の公判供述について被告人は公判において,出発時においては,自動車を運転しても大丈夫と思っていたので,正常な運転が困難な状態にはなかった旨供述する。 刑法208条の2第1項に規定されている危険運転行為は,運転者の意思によっては的確に進行を制御することが困難な状態での走行であり,そのために重大な死傷事故を発生させる危険性の高い運転行為の類型であるところ,同条第1項前段にいう「正常な運転を行うことが困難な状態」とは,ハンドル,ブレーキ等の操作やその加減につき, 走行であり,そのために重大な死傷事故を発生させる危険性の高い運転行為の類型であるところ,同条第1項前段にいう「正常な運転を行うことが困難な状態」とは,ハンドル,ブレーキ等の操作やその加減につき,意図したとおりに行うことが困難になるといったような,道路及び交通の状況等に応じた運転操作を行うことが困難な心身の状態にあることを要するところ,運転の困難性を基礎づける事実を認識していることが必要である。 被告人は本件事故の前夜から本件当日にかけてかなりの量を飲酒していること,本件事故から約1時間32分後の検査における呼気1リットル中のアルコール濃度は0.66ミリグラムとかなり高いこと,飲酒当時及び飲酒後運転開始するまでの被告人の言動の状況及び事故後被告人が事故現場に戻ってきた時点での被告人の言動の状況についての目撃者の供述は前述したとおりであって,被告人の言動は呂律が回らなかったり,ふらつきなどがあり,自動車を運転して帰るとは思わなかった旨供述しており,被告人自身も,少なくとも頭がくらくらしていることを自覚している。 更に,運転開始後,約3.2キロメートル走行した下り坂の右カーブでガードレールに衝突しそうになるなど,ハンドル,ブレーキ操作が適切に行えない状況が現実化し,その後,約2.8キロメートル走行した平坦な道路上(長崎市a町1,274番地先)で飲酒の影響により強い眠気を覚え,更に約900メートル走行して(同町1,502番地先)意識をなくした直後本件事故を起こしている。 これらの事情を総合すると,被告人は刑法208条の2第1項にいう正常な運転が困難な状況にあったものといえる。なお,刑法208条の2の規定が罪刑法定主義に違反するという弁護人の非難は当たらない。 6 心神耗弱の主張について(1)飲酒当時における被告人の運転意思被告人 が困難な状況にあったものといえる。なお,刑法208条の2の規定が罪刑法定主義に違反するという弁護人の非難は当たらない。 6 心神耗弱の主張について(1)飲酒当時における被告人の運転意思被告人は,本件までの約2年間で100回位は自宅のある長崎市a町から自動車を運転して飲みに行き飲酒運転で帰宅したことがある。 被告人は,警察官調書において,パチンコ店でBと夕食の約束をした際,夕食時に飲酒する気持ちでいた,乙における飲酒につき,「その日は夕飯と少しの酒を飲んで帰るつもりだったのが途中から,Cの結婚式の前祝いの飲み会のようになった」旨述べている。したがって,被告人は乙で飲酒を始めた時点では自動車を運転して帰る考えでいたことが認められる。このことは,被告人が午後9時ころ乙へ来て,すぐ一人でビールを注文して飲み出したことからも明白である。その後の被告人の飲酒状況をみると,被告人は,自動車内で寝るなり,知人の女性(F)宅やサウナで泊まるつもりであったというが,前記ラーメン店を出て友人らと別れた後,サウナに泊まろうとした形跡はないし,タクシーを利用しようとした形跡もない。知人の女性(F)宅については,午後7時ころFに電話したときに宿泊を拒否されているし,スナック丙で飲んでいる途中で抜け出してFが勤務するスナックへ行ったがやはり宿泊を拒否され,その後スナック丙へ戻ったが,同店で更に飲酒している。被告人がスナック丙へ戻った後に更に飲酒しており,その後ラーメン店へ行き,友人らと別れた後,サウナへ宿泊しようとした形跡がないことや,自動車内で仮眠をとろうとした形跡もないこと,友人らと別れた後,直ちに自動車の駐車場へ行き運転を開始したことなどからすると,被告人は,スナック丙へ戻った後更に飲酒を続けた時点においても,自動車を運転する意思を有して ろうとした形跡もないこと,友人らと別れた後,直ちに自動車の駐車場へ行き運転を開始したことなどからすると,被告人は,スナック丙へ戻った後更に飲酒を続けた時点においても,自動車を運転する意思を有していたものと認められる。 (2)道路交通法は飲酒運転を禁じ,酩酊の度が大きいほど違法性が大であるとしており,刑法208条の2第1項の趣旨も,酩酊の度が大きく正常な運転が困難な度が大きいほど違法性が大であるとしているものと理解できる。しかるに,酩酊により心神耗弱の程度に達すればかえって刑を減軽するというように責任が逆に小さくなるというのでは,道路交通法,刑法208条の2の精神に反する。また,刑法208条の2第1項が,それ自体として心神耗弱を内包しているものと考えられる。 このような点から考えると,少なくとも,本件のように,飲酒時においても,自動車を運転する意思が認められる場合には,判示第1の犯行につき刑法39条2項は適用されないものと考えるべきであるから,同条項の適用を前提とする弁護人の主張は採用できない。 なお,被告人は,判示第1の事故により我に返っているから,判示第2の犯行につき,心神耗弱が成立する合理的な疑いはない。 7 轢き逃げについて本件事故の結果,被害車両は助手席側を下に向けた形に横転し,前部が事故直前の被告人車両の進行方向に向かって右側を向き,被告人車両側に裏側を向けた状態にあった。被害車両は道路左側にある食堂の入口を損壊した。 被告人は,事故直後道路上の右側に何か大きい物を見ているが,被告人も供述するとおり道路上にある大きな物としては自動車以外に考えられず,被告人はもしかして人がいるかもしれないと思いつつも,「物だけであってくれ」と願いつつ現場から逃走したというのであるから,この点は人間を負傷させた可能性を知って な物としては自動車以外に考えられず,被告人はもしかして人がいるかもしれないと思いつつも,「物だけであってくれ」と願いつつ現場から逃走したというのであるから,この点は人間を負傷させた可能性を知っていたことを裏付けている。 被告人は衝突の衝撃で目が覚め,道路上に何か大きな物を発見し(被告人は白っぽい大きいトラックのように見えた旨述べている。),自分が対向車か先行車両に衝突したのではないかと考えたが,飲酒していたので怖くなり逃走した,自動車の運転手等が負傷したのではないかと分かったが,逃走したというのであるから(Dは被告人から「道路に停まっていた自動車に衝突した」旨聞いたと供述している。),そうであれば,相手方自動車の運転手等が負傷した可能性があることを知りながら逃走したものといえる。 したがって,救護義務違反が成立し,弁護人の主張は採用できない。 8 自首の主張について弁護人は自首を主張するが,事故直後,通報を受けた捜査機関が現場付近を捜査中,事故当日の午前5時46分ころ,遺留された被告人車両(ナンバープレートが装着されている。)を発見しており,被告人車両は被告人が使用者として登録されており,被告人が出頭する前に警察官が被告人方へ来ていることから考えると,被告人が長崎警察署に出頭する前に犯人は被告人である可能性が高いものと捜査機関に判明している(被告人が長崎警察署に出頭したのは午前6時15分ころと思われる)。したがって,自首は成立しないので,弁護人の主張は採用できない。 (法令の適用)罰条判示第1の行為につき刑法208条の2第1項前段判示第2の行為のうち救護義務違反の点につき道路交通法117条,72条1項前段報告義務違反の点につき同法119条1項10号,72条1項後段科刑上一罪の処理判 2第1項前段判示第2の行為のうち救護義務違反の点につき道路交通法117条,72条1項前段報告義務違反の点につき同法119条1項10号,72条1項後段科刑上一罪の処理判示第2につき刑法54条1項前段,10条(重い救護義務違反の罪で処断する。)刑種の選択判示第2につき懲役刑併合罪の処理同法45条前段,47条本文,10条(重い判示第1の罪の刑に法定の加重)未決勾留日数の算入同法21条(量刑理由)被告人は,飲酒の影響により正常な運転ができないおそれがある状態で自動車を運転して被害者に衝突して片足切断の重傷を負わせ,しかも現場から逃走した。被告人は犯行前夜から相当量の飲酒を重ねた上で運転しており,運転行為自体危険性が高く,しかも,本件により被害者は片足切断の重傷を負い,それまでの魚の行商の仕事もできなくなるなど,被害者本人の今後の生活に重大な支障を生じさせる結果となったことはもとより,家族にも大きな負担,影響を与えた。被害者は半年以上入院しており,未だ症状は固定していない。本件事故の結果はまことに大きい。事故原因は,被告人の飲酒運転にあり,被告人は事故前夜から本件当日にかけて相当量のアルコールを摂取しており,事故の約1時間32分後に行われた飲酒検査で呼気1リットル中0.66ミリグラムという高濃度のアルコールが検出されていることからも,被告人の飲酒量が多かったことが明らかである。このような飲酒に起因する危険な運転行為を行った挙げ句人身事故を起こした場合の非難は極めて強くなる。しかも,本件事故の背景には,被告人が日頃から飲酒したにもかかわらず,自動車を運転して帰宅することを繰り返していたため,飲酒運転に対する抵抗感が薄弱なものとなり,交通ルールを遵守する精神に欠けていたというこ 件事故の背景には,被告人が日頃から飲酒したにもかかわらず,自動車を運転して帰宅することを繰り返していたため,飲酒運転に対する抵抗感が薄弱なものとなり,交通ルールを遵守する精神に欠けていたということがある。更に,被告人は,事故時に被告人車両から下車することもなく現場から逃走したものであって,この点も悪質である。したがって,被告人の刑事責任は重いといわざるを得ない。 他方,被害者との示談は未了であるが,被告人及び両親が被害者に対して謝罪し,被告人車両が対人賠償無制限の任意保険に加入しており,保険会社から被害者に対して,4月2日50万円,同月21日63万円(うち3万円は見舞金),その後毎月60万円の支払いが行われており,今後も相応の被害弁償が行われるものと予測でき,治療費についても,当初の入院先及び転院先(既に一部は支払われている。)に対して保険会社から支払われるものと予測でき,義肢の製作所に対しても支払いがなされていること,物損関係については保険会社から弁償金が支払われたこと,被告人は事故時に現場から逃走したが,被告人車両を運転した距離は約400メートルにとどまり,その足で近くの自宅に帰り着替えをしたものの,現場に戻り,そこにいた友人に自己が犯人である旨打ち明け,友人運転の自動車に乗って警察署へ行き出頭したこと,被告人が反省し,運転免許も取り消され,前科もないこと,今後は両親らによる指導監督が期待できることなど,被告人のために酌むべき事情もある。 そこで以上の諸事情を総合して考慮することになるが,被告人の刑事責任の重大さに鑑みると,本件は刑執行猶予の言い渡しをするのが相当な事案とはいえないから,主文の実刑に処するのが相当である。 よって,主文のとおり判決する。 (求刑懲役3年)平成16年11月4日長崎地方裁 件は刑執行猶予の言い渡しをするのが相当な事案とはいえないから,主文の実刑に処するのが相当である。 よって,主文のとおり判決する。 (求刑懲役3年)平成16年11月4日長崎地方裁判所刑事部裁判官林秀文
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