昭和32(ラ)315 労働組合法違反事件の決定に対する即時抗告事件

裁判年月日・裁判所
昭和32年7月20日 東京高等裁判所 却下
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【DRY-RUN】主    文      本件抗告を却下する。          理    由  本件抗告の要旨は、「原決定を取り消し、被審人Aの処罰を求める。」というに あり、その理由とするところは、末尾添附の準備書

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判決文本文1,053 文字)

主    文      本件抗告を却下する。          理    由  本件抗告の要旨は、「原決定を取り消し、被審人Aの処罰を求める。」というに あり、その理由とするところは、末尾添附の準備書面と題する書面記載のとおりで ある。  よつてまず抗告人に、原決定に対する抗告権があるか否かにつき考えるに、労働 組合法第二十七条第九項の規定は、戸籍法施行規則第六十五条、不動産登記法施行 細則第七十一条ノ四、商業登記規則第七十八条の諸規定と同様の規定であつて管轄 裁判所の職権発動を促す趣旨のものである。このような場合には、管轄裁判所、非 訟事件手続法第二百七条に則り裁判をなす前当事者の陳述を聴き、検察官の意見を 求めなければならないものであり、当事者及び検察官は過料の裁判に対しては即時 抗告を為すことができるのである。しかして前掲諸規定にいう市町村長、登記官吏 か非訟事件手続法第二百七条にいう当事者にふくまれないことは、久しきにわたつ て異論を見ないところであり、労働委員会のみをもつて、右規定にいう当事者であ ると解することは法の体系を誤まるものに外ならない。殊に労働組合法第二十七条 第九項においては、労働者にも通知権を認めているのであるから、労働委員会が非 訟事件手続法にいう当事者であるならば、ここにいう労働者もまた当事者であり、 その間区別する理由がない。しかもここにいう労働者をもつて当事者と解すること の誤つていることは、非訟事件手続法第二百七条の構造から考えても明らかであろ う。  それ故管轄裁判所が違法者として通知せられた者を処罰しない旨の決定をなした 場合は、非訟事件手続法第二百七条の趣旨に従い、公益の代表者として裁判所に法 の正当な適用を請求する権限を有する検察官において<要旨>抗告をなすことを得べ きものと解すべきである。この様な場合検察官以外の者に抗告権を認 手続法第二百七条の趣旨に従い、公益の代表者として裁判所に法 の正当な適用を請求する権限を有する検察官において<要旨>抗告をなすことを得べ きものと解すべきである。この様な場合検察官以外の者に抗告権を認めないのが法 の精</要旨>神である。本件の場合抗告人の抗告権を認めた明文の規定が存在しない 以上、非訟事件手続法第二百七条の原則に従うべきものと考える。よつて抗告人の 本件抗告は不適法であり、これを却下すべきものとし、主文のとおり決定する。  (裁判長判事 大江保直 判事 猪俣幸一 判事 古原勇雄)

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