令和4(ネ)3422 損害賠償請求控訴事件

裁判年月日・裁判所
令和6年1月19日 東京高等裁判所 東京地方裁判所 令和2(ワ)12735
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判決文本文52,141 文字)

主文 1 第1審原告の控訴について⑴ 第1審原告の控訴を棄却する。 ⑵ 第1審原告の当審における選択的追加請求を棄却する。 2 第1審被告の控訴について⑴ 原判決中第1審被告敗訴部分を取り消す。 ⑵ 上記取消部分につき、第1審原告の請求を棄却する。 3 訴訟費用は、第1、2審とも第1審原告の負担とする。 事実及び理由 第1 控訴の趣旨 1 第1審原告⑴ 原判決を次のとおり変更する。 ⑵ 第1審被告は、第1審被告が運営する飲食店ポータルサイト「食べログ」(以下「食べログ」という。)の原判決別紙1「飲食店一覧」の「食べログ掲載ページのURL」欄記載のページに掲載されている「飲食店名」欄記載の第1審原告が運営している各飲食店の食べログにおける点数(以下「評点」という。)の算出に当たり、同一運営主体が複数店舗を運営している飲食店(以下「チェーン店」という。)であることを理由に、当該評点をチェーン店ではない飲食店(以下「非チェーン店」という。)の評点に比して下方修正して設定するアルゴリズムを使用してはならない。 ⑶ 第1審被告は、第1審原告に対し、6億3905万4422円及びこれに対する令和元年5月21日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 (なお、第1審原告は、当審において、上記⑶の請求につき、債務不履行に基づく損害賠償請求権による請求を選択的に追加した。) 2 第1審被告 主文第2項同旨第2 事案の概要等本件は、焼き肉チェーン店を運営する第1審原告が、①第1審被告において、その運営する飲食店ポータルサイト(食べログ)において飲食店ごとに掲載される評点を算出するためのアルゴリズム(以下「本件アルゴリズム」という。)について、 営する第1審原告が、①第1審被告において、その運営する飲食店ポータルサイト(食べログ)において飲食店ごとに掲載される評点を算出するためのアルゴリズム(以下「本件アルゴリズム」という。)について、令和元年5月21日(以下「本件基準日」という。)、第1審被告が運営する飲食店を含むチェーン店の評点を下方修正するような変更を実施し、現在までこれを継続しているところ、本件アルゴリズムを変更する上記行為(以下「本件行為」又は「本件変更等」ということがある。)は私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(以下「独禁法」という。)に違反する行為(取引条件等の差別取扱い(独禁法2条9項6号イ、不公正な取引方法(昭和57年公正取引委員会告示第15号。以下「一般指定」という。)4項)又は優越的地位の濫用(同条9項5号ハ)に該当し、独禁法19条に違反するもの。以下、これらを一括して「独禁法違反行為」という。)に当たり、これにより著しい損害を生ずるおそれがあるなどと主張して、第1審被告に対し、独禁法24条に基づき、本件アルゴリズムにおいて、第1審原告が運営するチェーン店の評点を算出するに当たり、チェーン店であることを理由に当該評点を、非チェーン店の評点に比して下方修正して設定するアルゴリズムを使用することの差止めを求めるとともに、②第1審被告の本件行為は不法行為を構成し、これによって、第1審原告が運営する飲食店の食べログにおける評点が下落し、来店者数及び売上げが減少するなどの損害を被ったと主張して、第1審被告に対し、不法行為に基づく損害賠償として9億3195万6952円の一部である6億3905万4422円及びこれに対する不法行為の日である令和元年5月21日(本件基準日)から支払済みまで平成29年法律第44号による改正前の民法所定の年5分の割合による遅延損 52円の一部である6億3905万4422円及びこれに対する不法行為の日である令和元年5月21日(本件基準日)から支払済みまで平成29年法律第44号による改正前の民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求めた事案である。 原審は、第1審被告の本件行為が優越的地位の濫用に該当し、独禁法違反行 為に当たると認められるなどとして、第1審原告の各請求のうち不法行為に基づく損害賠償請求(上記②)については、3840万円及びこれに対する遅延損害金の支払を求める限度で認容してその余の請求を棄却したが、独禁法24条所定の要件があるとは認められないとして同条に基づく差止請求(上記①)については棄却する判決をしたところ、当事者双方がいずれも敗訴部分を不服として各控訴をした。 なお、第1審原告は、当審において、第1審被告の本件行為が第1審原告に対する債務の不履行に当たるとして、債務不履行に基づく損害賠償請求に係る訴えを、不法行為に基づく損害賠償請求とは選択的併合の関係に立つ請求として追加したほか、独禁法違反行為に当たる第1審被告の本件行為の内容について、当審における第1審被告の主張を踏まえた主張を予備的に追加した。 第3 前提事実(当事者間に争いがない事実並びに後掲証拠及び弁論の全趣旨により認められる事実)次のとおり補正するほかは、原判決「事実及び理由」中の「第3 前提事実」1から7までに記載のとおりであるから、これを引用する。 1 原判決3頁19行目の「食べログは、」の次に「ユーザーから寄せられた飲食店に対するレビュー(採点・コメント・写真)及び採点者であるユーザーのプロフィールやレビュー履歴を共有することで、自分の嗜好に合った飲食店を、より高い確率で見つけることができるグルメコミュニティサイトであることを標ぼ コメント・写真)及び採点者であるユーザーのプロフィールやレビュー履歴を共有することで、自分の嗜好に合った飲食店を、より高い確率で見つけることができるグルメコミュニティサイトであることを標ぼうし(乙93)、いわば消費者(飲食店利用者)の視点に立って」を、同頁25行目の「令和元年5月20日」の次に「(本件基準日の前日)」をそれぞれ加え、同4頁2行目の「この」を「以下、」と改める。 2 原判決4頁4行目の末尾を改行して次のとおり加える。 「 ア食べログは、前記⑴のとおり、もともとは飲食店利用者の視点に立って飲食店の情報を提供する飲食店ポータルサイトとして発足したものであるが、飲食店からの「自らも情報を発信することができる機能が欲しい」と の要望に応えるため、店舗会員制度が設けられた(弁論の全趣旨)。」 3 原判決4頁5行目の「ア」を「イ」と、同頁10行目の「イ」を「ウ」とそれぞれ改め、同頁11行目の「無料の」の前に「以下、」を加え、同頁12行目の「といい、」を「とそれぞれいい、」と改め、同行目から同頁13行目にかけての「という。」の次に「また、これらの会員についての第1審被告との間の会員登録を「店舗会員契約」などということがある。」を加え、同頁14行目の「ウ」を「エ」と、同頁17行目及び同頁22行目の各「別紙2」をいずれも「原判決別紙2」と、同頁23行目の「エ」を「オ」と、同頁24行目の「当該飲食店は食べログに掲載された状態にある。」を「従前の当該飲食店のページは食べログに掲載されたままの状態にある。」と、同頁25行目の「オ」を「カ」とそれぞれ改める。 4 原判決5頁5行目の「評点」の次に「・5点満点」を加え、同頁12行目の「であるほど」を「である投稿者ほど」と、同頁13行目の「設定している。」を「設定してお を「カ」とそれぞれ改める。 4 原判決5頁5行目の「評点」の次に「・5点満点」を加え、同頁12行目の「であるほど」を「である投稿者ほど」と、同頁13行目の「設定している。」を「設定しており、影響度を持つ投稿者からより高い評価が多数集まることで評点が上がるような仕組みを設計することを目指している(乙4)。」とそれぞれ改め、同頁14行目の「ステルスマーケティング」の次に「(以下「ステマ」という。)」を、同頁19行目の「被告は、」の次に「食べログが前記⑴のとおり消費者の視点に立った飲食店ポータルサイトであることから、評点が一般消費者の感覚と大きくずれるようなことがあれば、評点に対する消費者からの信頼を失うことになりかねないため、」を、同頁23行目の「47」の次に「、95、110」をそれぞれ加える。 5 原判決6頁7行目の「別紙2」を「原判決別紙2」と、同頁16行目の「利用者は」を「食べログ利用者は」とそれぞれ改める。 6 原判決7頁4行目の末尾を改行して次のとおり加える。 「3 本件基準日における本件アルゴリズムの変更等⑴ 第1審被告は、令和元年5月21日(本件基準日)に本件アルゴリズム を多岐にわたり大幅に変更した(以下、この変更を「本件変更等」という。)。 この本件変更等には、●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●という認知度の調整(以下「本件変更」という。)及び②投稿者の影響度の調整(以下「本件影響度調整」という。)が含まれていた(乙41)。 (なお、第1審被告は、原審において、本件変更等において、従来のアルゴリズムの見直し及び新たなアルゴリズムの導入として、本件変更及び本件影響度調整がされたことを明らかにしていたが、そのほかに (なお、第1審被告は、原審において、本件変更等において、従来のアルゴリズムの見直し及び新たなアルゴリズムの導入として、本件変更及び本件影響度調整がされたことを明らかにしていたが、そのほかに、本件変更を実施する前提として、●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●というロジック(以下「新ロジック」という。)の導入がなされたことについて、当審において初めて主張するに至った。これに対して、第1審原告は、第1審被告による新ロジックの導入を否認しており、本件変更等に新ロジックの導入が含まれるか否かについては当事者間に争いがある。)⑵ 食べログ上において、チェーン店は、その「飲食チェーン一覧」(甲25)に掲載されているところ、これに掲載されるか否かは、当該飲食店につき、①同一屋号かつ同一運営主体であること、②最低2店舗以上が運営されていることの2点を要件として判断されており、上記①の要件の該当性については、第1次的には当該店舗が飲食店運営会社の公式ホームページに関連店舗として掲載されているか否かを基準としていた(乙66)。そして、本件変更においては、チェーン店のうち、いわゆるフランチャイズチェーン店はその対象とされる一方、ファミリーレストランやファストフード店はその対象とされなかった(弁論の全趣旨)。 ⑶ 第1審被告は、本件変更の対象となった店舗会員である飲食店に対し、本件基準日において本件変更を行った事実を、本件変更の前後を通じて通知しなかった。」 7 原判決7頁5行目の「3」を「4」と、同頁8行目、同頁11行目及び同8頁9行目の各「別表1」をいずれも「原判決別表1」と、同7頁10行目の「令和元年5月21日(以下「本件基準日」という。)」を「本件基準日 5行目の「3」を「4」と、同頁8行目、同頁11行目及び同8頁9行目の各「別表1」をいずれも「原判決別表1」と、同7頁10行目の「令和元年5月21日(以下「本件基準日」という。)」を「本件基準日」と、同頁15行目の「別表2」を「原判決別表2」とそれぞれ改め、同頁16行目の冒頭から同8頁8行目の末尾までを削り、同頁9行目の「⑹」を「⑶」と、同頁11行目の「前記⑶」を「前記3⑴(補正後のもの)」と、同頁13行目の「⑺」を「⑷」とそれぞれ改める。 8 原判決8頁16行目の「4」を「5」と、同頁17行目の各「別表3及び別表4」をいずれも「原判決別表3及び原判決別表4」と、同行目の「チェーン店」を「第1審原告以外のチェーン店」とそれぞれ改める。 9 原判決8頁19行目の「5」を「6」と改める。 原判決9頁12行目の「6 本件21店舗」を「7 第1審原告が運営する店舗」と、同頁13行目の「別表2」を「原判決別表2」と、同頁15行目から同頁16行目にかけての「別表5」を「原判決別表5」と、同頁22行目の「別表6」を「原判決別表6」とそれぞれ改める。 11 原判決9頁24行目の「7」を「8」と改める。 12 原判決10頁4行目の末尾を改行して次のとおり加える。 「9 一般指定4項独禁法2条9項6号イは、同法19条が事業者に禁じている「不公正な取引方法」の一類型として、「不当に他の事業者を差別的に取り扱う行為であって、公正な競争を阻害するおそれがあるもののうち、公正取引委員会が指定するもの」を定めており、これを受けて、一般指定4項は、「不当に、ある事業者に対し取引の条件又は実施について有利な又は不利な取扱いをすること。」と定めている。」第4 前提事実に係る争点(本件変更等の内容。具体的には、第1審 を受けて、一般指定4項は、「不当に、ある事業者に対し取引の条件又は実施について有利な又は不利な取扱いをすること。」と定めている。」第4 前提事実に係る争点(本件変更等の内容。具体的には、第1審被告による新ロジックの導入の有無及びその内容並びに本件変更及び本件影響度調整との関 係等)に関する当事者の主張並びに当裁判所の判断第1審原告は、第1審被告による違法な本件アルゴリズムの変更(本件変更等)の結果、本件21店舗の各評点を下落させられて多大な営業上の損害を被ったとして独禁法上の差止請求及び不法行為等を理由とする損害賠償請求をするものであるが、本件変更等の内容については、本件変更及び本件影響度調整を主張している。これに対して、第1審被告は、当審において、本件変更を実施する前提として、新ロジックを導入した事実を新たに主張し、第1審原告は、この事実の存在を争っているので、本件訴訟における争点を確定する前提として、第1審被告による新ロジックの導入の事実の有無、したがって、新ロジックの導入が本件変更等に含まれるものであるかについて検討する。 1 第1審被告の主張⑴ 第1審被告は、従前の本件アルゴリズムにおける評点システムについて、●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●との課題を抱えていた。 ⑵ そこで、第1審被告は、前記⑴の課題を克服するため、新ロジックとして、●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●という仕組み(なお、その具体的な方式は、別紙「新ロジックの概要」に記載のとおりである。)を導 入することによって、上記①及び③に対応した。 ⑶ ところで、●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●⑷ 他方、本件影響度調整は、従来行っていた投稿者 ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●⑷ 他方、本件影響度調整は、従来行っていた投稿者の影響度調整では手口の巧妙化するステマの全てを捕捉しきれなかったため、●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●という調整を、新ロジックの導入とは独立して行うことを目的としたものである。 2 第1審原告の主張⑴ 第1審被告は、原審で第1審原告の請求が一部認容されたことから、当審に至って、突如新ロジックの導入を主張し始めたものである。このような経緯に照らすと、新ロジックなるものが実際に導入されたのかは信用することができないというべきである。また、仮にその内容自体は信用することができるとしても、第1審被告は、本件アルゴリズムについて、原審からできる限り開示するようにという要請を受けたことに対して、一部のみを開示する ことを決めた後、原判決で敗訴するや、いわば後出しで本件アルゴリズムの内容に関する主張を追加変更したものであり、このような第1審被告の訴訟態度は、訴訟上の信義則(民訴法2条)に反し許されないというべきである。 ⑵ 第1審被告の主張によれば、新ロジックは、影響度を持つ投稿者からの口コミを重視するものであるが、新ロジックの導入の目的が一般消費者の感覚とのずれを防ぐことにあるというのであれば、むしろ影響度を持つ投稿者からの高評価が得られなければ高い評点を得られないという本件アルゴリズムの内容自体が適当ではない。また、そもそも「一般消費者の感覚」なるもの自体が客観的に定義できない、あいまいな概念であり、そのようなあいまいな概念を なければ高い評点を得られないという本件アルゴリズムの内容自体が適当ではない。また、そもそも「一般消費者の感覚」なるもの自体が客観的に定義できない、あいまいな概念であり、そのようなあいまいな概念を持ち出して新ロジックを導入したという第1審被告の主張は、少なくとも独禁法に関する法的な主張としては認められない。さらに、仮に第1審被告が飲食店の評点に大きな変動を生じさせてまでも一般消費者の感覚とのずれを小さくすることを重視して新ロジックを導入したのであれば、そのことを一般消費者に向けて積極的に広報するはずであるところ、一切公表していないから、新ロジックを導入したとの第1審被告の主張自体が大いに疑わしい。 3 当裁判所の判断⑴ 証拠(乙41、96)によれば、食べログにおいては、本件基準日の前において、影響度を持つ利用者が飲食店に付した点数に、評価の重みを加味して平均値を割り出す方法(加重平均方式)によって評点を算出していたこと、しかし、このような算出方法では、●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●などして、どの程度の調整であれば、一般消費者の感覚とのずれが生じないことになるのかなどを検討した上で、本件変更を実施することにしたこと、他方、第1審被告は、評点が一般消費者からより一層信頼されるものとなることを目指して、従前からいわゆるやらせ投稿などの不正行為を排除する対策に意を用いてきたものの、手口の巧妙化により全ての不正行為を捕捉するには至っていなかったため、●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●という調整として本件影響度調整を行うこととしたこと、そして、本件基準日において、新ロジックの導入及び本件変更 ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●という調整として本件影響度調整を行うこととしたこと、そして、本件基準日において、新ロジックの導入及び本件変更が行われるとともに、本件影響度調整も行われたことが認められ、これを覆 すに足りる証拠はない。 ⑵ 第1審原告は、前記2のとおり、新ロジックを導入した事実の存在自体が認められないとして、本件変更、本件影響度調整又はその両者が独禁法違反行為に当たるか否かについての判断を求めるが、第1審被告が導入したと主張する新ロジックの内容及びその導入の経過について不自然・不合理な点は認められず、その内容も実際には導入をしていなかった新ロジックを、本件訴訟における反論のために急きょ考案して、当審において主張したものであるとは考え難いもので、上記⑴のとおり、第1審被告が本件基準日において新ロジックを導入した事実は、これを認めることができるというべきである。 ⑶ また、第1審原告は、前記2⑴のとおり、原審において本件アルゴリズムの任意開示を求められていたにもかかわらず、これを拒んでいた第1審被告が、当審に至って新ロジックの導入を主張するのは、訴訟上の信義則に反し許されない旨主張する。 しかしながら、そもそも、原審の審理の段階において、被告の立場に置かれた第1審被告が、防御のためにいかなる内容について主張立証を行うかは、その判断に委ねられるべきものであるし、本件アルゴリズムは、食べログ上の評点を算出する上で核となる重要な要素であるところ、その内容をみだりに公開すれば、飲食店を経営する事業者の中には、食べログ上の評点をできる限り高くするための方策をとる者が現れることが容易に想定され、消費者である食べログ利用者から信頼を得られる評点とはかけ離れたものにな 開すれば、飲食店を経営する事業者の中には、食べログ上の評点をできる限り高くするための方策をとる者が現れることが容易に想定され、消費者である食べログ利用者から信頼を得られる評点とはかけ離れたものになってしまうおそれがあることから、第1審被告としても、訴訟上の防御方法として自己に不利な結果を招かないと考えられる範囲で本件アルゴリズムの一部開示に応ずることとした結果、原審では本件変更及び本件影響度調整のみを明らかにしたものと考えられるところ、第1審被告は、原審の判決の内容を踏まえて、本件変更の正確な位置付けを明らかにする必要があると考えて、その前提となる新ロジックの導入を当審において新たに主張するに至ったも のと認められ、このような経緯に照らせば、当審における第1審被告による新ロジックの導入の主張が、訴訟上の信義則に反するものとは認められないというべきである。 ⑷ さらに、第1審原告は、新ロジックの導入の事実が認められるとしても、この事実を除外して、本件変更、本件影響度調整又はその両者を対象として、独禁法違反行為に当たるか否かの判断を求めると主張する。 しかしながら、以上に判断したとおり、第1審被告は、新ロジックの導入によって生ずる問題点を想定して本件変更を実施することにしたことが認められ、前提事実を総合すれば、新ロジックの導入、本件変更及び本件影響度調整は一連の行為として有機的・一体的に適用されるものであり、これら一連の本件アルゴリズムの変更によって、第1審原告が運営する本件21店舗の各評点が下落するという結果を生じたものというべきであるから、その一部のみを取り出して個々の行為について独禁法違反行為等に該当するか否かを判断すべきであるとする上記の第1審原告の争点に関する主張は採用することができない。 4 小括 であるから、その一部のみを取り出して個々の行為について独禁法違反行為等に該当するか否かを判断すべきであるとする上記の第1審原告の争点に関する主張は採用することができない。 4 小括以上のとおりであるから、以下においては、「本件変更等」に新ロジックの導入、本件変更及び本件影響度調整が有機的・一体的に含まれるものとして、そのような第1審被告の行為(本件変更等)を全体として独禁法違反行為等の違法な行為に当たるか否かについて検討することとする。 そうすると、本件訴訟における争点は、後記第5に記載のとおりである。 第5 争点 1 独禁法24条に基づく差止請求及び独禁法違反行為を理由とする民法上の不法行為に基づく損害賠償請求に関する争点⑴ 本件変更等が独禁法上の取引条件等の差別取扱い(独禁法2条9項6号イ、一般指定4項)に当たるか(争点1) ⑵ 本件変更等が独禁法上の優越的地位の濫用(独禁法2条9項5号ハ)に当たるか(争点2)⑶ 第1審原告に独禁法24条にいう「著しい損害を生じ、又は生ずるおそれ」があるか(争点3)⑷ 第1審被告の不法行為責任の有無及び性質(争点4-当審における新たな争点) 2 独禁法違反行為以外を理由とする不法行為に基づく損害賠償請求及び債務不履行に基づく損害賠償請求に関する争点⑴ア第1審原告は、食べログ上の評点を下げられることになる本件アルゴリズムの変更がされないことについて、権利又は法律上保護される利益を有するか(争点5-1。不法行為に基づく損害賠償請求に関する争点)イ第1審被告は、第1審原告に対し、チェーン店のみの評点を下げられることになる本件アルゴリズムの変更をしてはならない契約上の義務を負っているか(争点5-2。当審において追加された債務不履行に基づく損害賠 審被告は、第1審原告に対し、チェーン店のみの評点を下げられることになる本件アルゴリズムの変更をしてはならない契約上の義務を負っているか(争点5-2。当審において追加された債務不履行に基づく損害賠償請求に関する争点)⑵ 第1審被告は、第1審原告に対し、有料店舗会員である第1審原告の運営する飲食店の評点が下がることになる本件アルゴリズムの変更をする場合においては、その事実を事前に公表し、又は有料店舗会員に対して通知し、その損害の回避措置又は軽減措置をとり得るよう配慮すべき契約上又は信義則上の義務を負っているか(争点6-当審における新たな争点) 3 不法行為に基づく損害賠償請求及び債務不履行に基づく損害賠償請求に共通する争点⑴ 第1審被告の違法行為と相当因果関係を有する第1審原告の損害の有無及びその額(争点7)⑵ 第1審被告の第1審原告に対する損害賠償責任が本件規約11条により免責されるか(争点8) 第6 争点に関する当事者の主張 1 争点1(本件変更等が独禁法上の取引条件等の差別取扱い(独禁法2条9項6号イ、一般指定4項)に当たるか)について(第1審原告の主張)⑴ 「取引の実施」に当たるか原判決別紙3「争点に関する当事者の主張」⑴(原告の主張)ア及びイに記載のとおりであるから、これを引用する。ただし、原判決36頁15行目の「本件変更の対象である評点」を「本件変更等が実施されることによって付されることになる評点」と改める。 ⑵ 「不利な取扱い」に当たるか第1審被告は、本件基準日に本件変更等を実施してチェーン店の評点のみを引き下げてこれを食べログに掲載したのであり、これによって当該チェーン店のランキング検索における表示順位を下落させ、広告効果を大幅に低下さ は、本件基準日に本件変更等を実施してチェーン店の評点のみを引き下げてこれを食べログに掲載したのであり、これによって当該チェーン店のランキング検索における表示順位を下落させ、広告効果を大幅に低下させる点で、評点を引き下げられなかった非チェーン店との対比において「不利な取扱い」に当たる。 ⑶ 「不当に」又は「公正な競争を阻害するおそれがある」に当たるか本件のように、差別者(第1審被告)と被差別者(第1審原告)が競争関係にない場合において、不当な差別取扱いの規定は、被差別者が事業活動を行う市場(食べログ上における飲食店間の競争市場(以下「飲食店市場」という。))における公正な競争が阻害されるおそれがある場合に適用される。 これを本件についてみるに、消費者の84%が利用し、かつ、平成31年4月時点における月間利用者数が1億1806万人と国内最大級の飲食店ポータルサイトである食べログの飲食店情報に掲載される評点は、食べログ利用者が飲食店を選ぶ際の指標として、飲食店の競争機能に直接かつ重大な影響を及ぼすものである。評点は、味・価格・サービス・雰囲気といった飲食店間の公正な競争における主要な事項についての投稿者による評価を考慮し て算定されるものと第1審被告は説明し、食べログに掲載されている飲食店もそのように理解して競争行動をとっているにもかかわらず、本件基準日以降、第1審被告は、飲食店間の公正な競争に関係するとは、食べログ利用者も飲食店も認識していない「チェーン店であるか否か」という考慮事項を、本件アルゴリズムの変更において、事前に何らの説明・公表もせずに秘密裡に追加し、結果として、味・価格・サービス・雰囲気についての投稿者による評価が同等であったとしても、チェーン店であることによって非チェーン店よりも低い評 おいて、事前に何らの説明・公表もせずに秘密裡に追加し、結果として、味・価格・サービス・雰囲気についての投稿者による評価が同等であったとしても、チェーン店であることによって非チェーン店よりも低い評点を付した。これは、チェーン店を合理的な範囲を超えて差別的に取り扱い、競争上著しく不利にするものであり、飲食店市場におけるチェーン店の事業活動を困難にさせ、もってチェーン店の競争機能に直接かつ重大な影響を及ぼすものであり、飲食店間の公正な競争を阻害する。 以上のとおり、第1審被告による本件変更等は、「不当に他の事業者を差別的に取り扱う」行為であって、「公正な競争を阻害するおそれがある」ものである。 ⑷ 小括以上によれば、本件変更等は、独禁法2条9項6号イ(一般指定4項)が禁ずる取引条件等の差別取扱いに当たる。 (第1審被告の主張)⑴ 「取引の実施」に当たるか「取引の条件又は実施について」とは、取引において又は取引に関連してという意味であり、取引の過程において実施される行為をいう。 食べログの評点制度は、「食べログ利用者に対して」情報を提供しているのであって、有料店舗会員制度に関するサービスとして「飲食店に対して」提供しているものではないため、本件アルゴリズムによって算出される評点は、第1審原告と第1審被告との間の有料店舗会員に係る取引の過程において付されたものではないことから、本件変更等は、「取引の条件又は実施」に当た らない。 ⑵ 「不利な取扱い」に当たるか本件変更等は、店舗会員であるか否かを問わず、対象となる飲食店には一律に適用されている上、本件変更等があった後も、各飲食店の評点が本件アルゴリズムによって算出されることに変わりはないのであって、食べログに 等は、店舗会員であるか否かを問わず、対象となる飲食店には一律に適用されている上、本件変更等があった後も、各飲食店の評点が本件アルゴリズムによって算出されることに変わりはないのであって、食べログに掲載されている飲食店間の有利・不利は存在しない。また、本件変更等は、食べログのサービスの信頼性の確保に資することを目的としたものであり、第1審原告を狙い撃ちにして評点を下げることを目的としたものではない。 したがって、本件変更等は、第1審原告に対し「不利な取扱い」をするものではない。 ⑶ 「不当に」又は「公正な競争を阻害するおそれがある」に当たるかこの点については、「排除型私的独占に係る独占禁止法上の指針」に関する記載を参考にすべきところ、同指針によれば、①食べログの有料店舗会員制度が、第1審原告が「事業活動を行うために必要な」サービスであるか、②本件変更等が「合理的な範囲」のものであるか、③本件変更等が第1審原告の「事業活動を困難にさせ」るものであるかの観点から判断されるべきである。 これを本件についてみるに、食べログの有料店舗会員制度は、飲食店にとって「標準検索の表示順位を上げる」等の食べログ上でPRをするための手段にすぎないもので、実際に、有料店舗会員でなくなった飲食店も、当該飲食店に関する情報は食べログ上に引き続き掲載され、自らの判断により店舗情報やメニュー情報を編集することが可能であるし、このような情報は、Gооgleなどの検索エンジンや他のグルメサイト上のリンクからアクセスされ続けることができること、インターネット上には、食べログ以外の飲食店ポータルサイトが多数存在する上、売上高、今後も利用したい飲食店口コミサイトの順位、予約機能の利用数などの指標に鑑みれば、少なくとも食べ ログに比肩す ーネット上には、食べログ以外の飲食店ポータルサイトが多数存在する上、売上高、今後も利用したい飲食店口コミサイトの順位、予約機能の利用数などの指標に鑑みれば、少なくとも食べ ログに比肩する飲食店ポータルサイトが複数存在すること、飲食店は、食べログ以外の飲食店ポータルサイトを利用したり、その他のPR手段を利用したりするなど代替手段を利用して集客を図ることができること、食べログの有料店舗会員になっていない飲食店は数多く存在することからすれば、食べログの有料店舗会員制度は、第1審原告が「事業活動を行うために必要な」サービスであるとはいえない(①)。 また、変更された本件アルゴリズムを適用した結果、いずれかの飲食店の評点が下落しただけで当該変更が違法であるとされることは、あらゆる変更を違法と評価するに等しく、極めて不合理であるし、客観的に正しい評点など存在しないから、ある観点から見て不適切と評価される評点が付されたからといって、当該変更が直ちに違法と判断されるものではない。そうすると、違法と判断される場合は、自由競争の限界を超えて公正な競争秩序を阻害する行為と評価される場合に限られ、当該変更の目的が正当であり、手段として合理的で相当性もあるため、明らかに不合理と認められない限り、公正競争阻害性は認められないというべきである。本件変更等は、全体として、消費者の感覚とのずれを補正するとともに、「自分の嗜好にあったお店を、より高い確率で見つけることができるグルメコミュニティサイト」である食べログのコンセプトにより一層適合したアルゴリズムを目指すことで、食べログ利用者の利便性を向上させるために行ったものであるから、当該目的は正当であり、また、本件変更等の内容は、その目的に合致したものとなっており、かつ、相当な手段で行われているから、明ら ことで、食べログ利用者の利便性を向上させるために行ったものであるから、当該目的は正当であり、また、本件変更等の内容は、その目的に合致したものとなっており、かつ、相当な手段で行われているから、明らかに不合理なものとはいえず、「合理的な範囲」のものである(②)。 さらに、本件変更等により本件21店舗における評点の下落が第1審原告の売上げに与えた影響は限定的であること、本件変更等による評点の変動によってブランド価値や経済的信用の毀損は生じないことから、本件変更等が第1審原告の事業活動を困難にさせる余地はない(③)。 以上によれば、本件変更等が「不当に」又は「公正な競争を阻害するおそれがある」行為として行われたものであるとはいえない。 ⑷ 小括以上のとおりであるから、本件変更等は、取引条件等の差別取扱いには当たらない。 2 争点2(本件変更等が独禁法上の優越的地位の濫用(独禁法2条9項5号ハ)に当たるか)について(第1審原告の主張)⑴ 第1審被告の「取引上の地位が」第1審原告に「優越している」か「自己の取引上の地位が相手方に優越している」とは、当該取引の相手方にとって当該行為者との取引の継続が困難になることが事業経営上大きな支障を来すため、当該行為者が当該取引の相手方にとって著しく不利益な要請等を行っても、当該取引の相手方がこれを受け入れざるを得ないような場合をいい、具体的には、①当該取引の相手方の当該行為者に対する取引依存度、②当該行為者の市場における地位、③当該取引の相手方にとっての取引先変更の可能性、④その他当該行為者と取引することの必要性、重要性を示す具体的事実を総合考慮して判断すべきものである。 本件では、①については、第1審原告は、食べログの有 手方にとっての取引先変更の可能性、④その他当該行為者と取引することの必要性、重要性を示す具体的事実を総合考慮して判断すべきものである。 本件では、①については、第1審原告は、食べログの有料店舗会員として、第1審被告が食べログ上で提供する有料店舗会員向けサービスプランであるアクセスアップ機能やゴールデンタイム強化機能を利用して継続的に広告宣伝活動を行い、さらに、インターネット予約機能を利用して集客につなげることにより、安定的な売上げを確保するという飲食店ビジネスを行っているといえ、各月の売上げに占める食べログ経由の売上げは平均約31%になっており、売上げの相当程度を食べログの有料店舗会員であることに依存している。 また、②については、食べログは、消費者の約84%が利用し、かつ、平 成31年4月時点での月間利用者が1億人を超える国内最大級の飲食店ポータルサイトであり、その掲載飲食店数や有料店舗会員数において、他の飲食店ポータルサイトを上回るか、それと並んで上位を占めていたこと等を考慮すると、食べログを運営する第1審被告は、飲食店ポータルサイトを運営する事業者の中で有力な地位を占めている。 さらに、③及び④については、第1審被告が有料店舗会員に対し、アクセスアップ機能やゴールデンタイム強化機能等のサービスを提供しているところ、第1審原告は、本件基準日前から、有料店舗会員として第1審被告に広告料を支払い、食べログの標準検索上で食べログ利用者への高い露出度を維持し、食べログ経由の来店による売上げが平均31%を占めることにより継続的・安定的な売上げを確保してきたもので、本件基準日以降も、食べログの有料店舗会員であることの必要性・重要性は高いといえ、他の飲食店ポータルサイトの併用によって、食べログの店舗会員 ることにより継続的・安定的な売上げを確保してきたもので、本件基準日以降も、食べログの有料店舗会員であることの必要性・重要性は高いといえ、他の飲食店ポータルサイトの併用によって、食べログの店舗会員をやめ、食べログに代わり得る他の取引先を容易に見つけ出すことができるとはいえない。また、食べログ上の飲食店情報及び評点は、店舗会員でなくなった後も、掲載され続ける一方、自ら飲食店情報を更新することもできなくなるため、情報内容の陳腐化、食べログ利用者による閲覧の減少及び口コミの減少の結果として、評点の大幅な下落は避けられず、このことも、第1審原告にとって取引先変更の可能性がなく、第1審被告との取引を継続する必要性・重要性が高いといえる。 これらのことから、第1審被告は、第1審原告に対して優越的地位にあるといえる。 ⑵ 本件変更等が優越的地位を「利用して」されたものか上記⑴のとおり、第1審原告に対して優越的地位にある第1審被告が、取引の相手方である第1審原告に対し不利益となるように取引(本件変更等)を実施したのであるから、優越的地位を「利用して」の要件に当たる。 ⑶ 本件変更等が「正常な商慣習に照らして不当に」に当たるかこの要件に当たるか否かは、対象となる行為の意図・目的、不利益の内容・程度(①取引の相手方にあらかじめ計算できない不利益を与えることとなるか否か、②取引の相手方が得る直接の利益等を勘案して合理的であると認められる範囲を超えた負担となり、不利益を与えることとなるか否か)等を総合考慮し、専ら公正な競争秩序の維持、促進の観点から是認される商慣習に照らして不当であるか否かという見地から判断するのが相当である。 本件では、新ロジックの導入の目的が第1審被告の主張するとおりであるとすれ な競争秩序の維持、促進の観点から是認される商慣習に照らして不当であるか否かという見地から判断するのが相当である。 本件では、新ロジックの導入の目的が第1審被告の主張するとおりであるとすれば、その限りにおいて事業上の目的としての合理性は否定できない。 もっとも、新ロジックの内容が第1審被告の主張するとおりであるとすれば、食べログ利用者からの口コミの数や評価内容が、新ロジックが導入されたという本件基準日の前後で、評点が変動する事態が発生したと考えられるところ、第1審被告は、食べログ掲載の飲食店及び食べログ利用者に対し、本件基準日の前後を問わず、新ロジックの導入及びそれに伴う評点の変動について一切説明していないため、本件基準日を境にして評点が大きく下がった飲食店は、当該評点を見た食べログ利用者の当該飲食店に対する評価の低下、閲覧数の減少、さらには来店客数の減少・売上げの減少といった、飲食店に「あらかじめ計算できない不利益を与え」たといえる(①)。この点は、チェーン店の評点を引き下げた本件変更及びその適用対象となる飲食店のほとんどがチェーン店であった本件影響度調整についても、同様である(①)。 また、本件変更等による評点の引下げは、第1審原告を含めたチェーン店にとっては、合理的範囲を超える不利益変更であったといえる(②)。 ⑷ 本件変更等が第1審原告に「不利益となるように」「取引を実施すること」に当たるか原判決別紙3「争点に関する当事者の主張」⑵(原告の主張)イに記載のとおりであるから、これを引用する。ただし、原判決41頁17行目の「強 いられたり」を「強いたり」と改める。 ⑸ 小括以上によれば、第1審原告が運営する本件21店舗を含むチェーン店の評点を引き下げる本件変更等は、第 判決41頁17行目の「強 いられたり」を「強いたり」と改める。 ⑸ 小括以上によれば、第1審原告が運営する本件21店舗を含むチェーン店の評点を引き下げる本件変更等は、第1審被告による優越的地位の濫用に当たる。 (第1審被告の主張)⑴ 第1審被告の「取引上の地位が」第1審原告に「優越している」か第1審原告は、たとえ有料店舗会員でなくなったとしても引き続き食べログ上での情報発信ができる上、食べログよりも優位な、又は食べログに比肩する複数の飲食店ポータルサイトが存在するから、このような食べログの有料店舗会員以外の効果的なPR手段を利用することは容易である。そうすると、第1審原告が第1審被告とは別の取引先から提供される代替的サービスに変更することは極めて容易であるといえるから、第1審原告が第1審被告との取引を継続する必要性・重要性があるとも認められない。以上によれば、第1審被告が第1審原告に対して優越的地位にあるとは到底認められない。 ⑵ 本件変更等が優越的地位を「利用して」されたものか上記⑴のとおり、第1審被告は第1審原告に対して優越的地位にないから、第1審被告が優越的地位を「利用」する余地はない。 その点をおくとしても、上記要件は、優越的地位とは無関係な事情による行為について優越的地位の濫用が成立しないようにする趣旨であると考えられ、少なくとも優越的地位と濫用行為との間に因果関係が必要である。 本件変更等は、食べログ上の評点を算出する本件アルゴリズムの内容を変更するものであるから、そもそも「取引の条件又は実施」には当たらないし、有料店舗会員であるか無料店舗会員であるか非会員であるかを区別せずに適用されたものであって、第1審被告が第1審原告との関係において優越 ものであるから、そもそも「取引の条件又は実施」には当たらないし、有料店舗会員であるか無料店舗会員であるか非会員であるかを区別せずに適用されたものであって、第1審被告が第1審原告との関係において優越的地位にあることを利用して本件変更等を行ったものではなく、優越的地位になかったとしても行うことができる行為であるから、両者の間には因果関係は ない。また、本件変更等は、有料店舗会員に係る取引関係が第1審原告との間で存在することを根拠として適用されたものではなく、有料店舗会員に係る取引関係がなければ適用できなかったものでもない。 したがって、仮に第1審被告が第1審原告に対し優越的地位にあると認められるとしても、当該優越的地位と本件変更等との間には因果関係が認められないから、本件変更等が優越的地位を「利用して」されたものではない。 ⑶ 本件変更等が「正常な商慣習に照らして不当に」に当たるか事業者の行為がこの要件に当たるか否かについては、第1審原告の主張する諸般の事情を総合考慮した上で、公正取引委員会の「優越的地位の濫用に関する独占禁止法上の考え方」に示されているとおり、当該行為が「当該取引の相手方の自由かつ自主的な判断による取引を阻害するとともに、当該取引の相手方はその競争者との関係において競争上不利となる一方で、行為者はその競争者との関係において競争上有利となるおそれがあるものである」といえるかを検討すべきである。 本件変更等の目的は正当であり、手段の合理性・相当性もある。また、本件変更等により第1審原告の運営する飲食店の評点に変動が生じたことによって第1審原告の売上げが受けた影響は限定的であるから、本件変更等が第1審原告の営業利益に影響を及ぼした程度も限定的である。したがって、本件変更等が第1審原告に対し 食店の評点に変動が生じたことによって第1審原告の売上げが受けた影響は限定的であるから、本件変更等が第1審原告の営業利益に影響を及ぼした程度も限定的である。したがって、本件変更等が第1審原告に対して合理的な範囲を超える不利益を与えていない。 また、本件変更等について事前公表すべきか否かや公表の範囲については、一事業者としての第1審被告の事業上の判断が尊重されるべきであり、評点自体が法的に保護されるべきものではなく、本件アルゴリズムの変更により評点の変動が生ずることは制度上当然であり、第1審被告は、評点に変動が生ずるからといって本件アルゴリズムの具体的な変更内容を事前に公表すべき義務など負っていない。第1審原告も、過去の本件アルゴリズムの変更によってある程度の評点下落があり得ることを認識していた。これらの事情か らすれば、本件変更等は、取引を行う者においてあらかじめ予見できない性質のものではなく、第1審原告に対してあらかじめ計算できない不利益など与えていない。 食べログの評点制度は、第1審被告の独自の本件アルゴリズムにより算出されるものであり、飲食店の判断が介在することは予定されていないし、食べログ利用者に対する情報提供の一環であって、有料店舗会員制度に関するサービスとして飲食店に提供されるものではないから、本件変更等の実施によって、評点が変動するだけで、第1審原告と第1審被告との間の取引関係に影響を与えるものではなく、第1審原告が第1審被告との自由かつ自主的な判断による取引を阻害する余地はない。 さらに、本件変更等によって第1審原告から第1審被告に対して経済的利益の移転が生じていないし、そもそも本件変更等は、事業者が提供するサービスの品質を向上させることによって顧客を獲得しようとする能率競争その 本件変更等によって第1審原告から第1審被告に対して経済的利益の移転が生じていないし、そもそも本件変更等は、事業者が提供するサービスの品質を向上させることによって顧客を獲得しようとする能率競争そのものであって、上記にみた事情を踏まえても、本件変更等は、第1審被告をその競争者との関係において競争上有利にする一方、第1審原告を競争上不利にするものではない。 したがって、本件変更等は、「正常な商慣習に照らして不当に」されたものではない。 ⑷ 本件変更等が第1審原告に「不利益となるように」「取引を実施すること」に当たるか食べログの有料店舗会員制度は食べログ上のPR手段にすぎないこと、評点制度は食べログ利用者のための制度であることから、評点の変動は有料店舗会員契約とは無関係である。 また、食べログ上の評点の表示が「取引の条件又は実施」に当たるとすると、それによって有料店舗会員の評点とそれ以外の掲載飲食店の評点との間で異なる取扱いをせざるを得なくなりかねず、食べログ利用者が評点を信頼 して利用することができず、不利益を被ることになるため妥当ではない。 したがって、本件アルゴリズムによって算出される評点は、第1審原告と第1審被告との間の「取引の条件又は実施」には当たらず、本件アルゴリズムの内容を変更するものである本件変更等も「取引の条件又は実施」には当たらない。 ⑸ 小括以上によれば、第1審被告による本件変更等は優越的地位の濫用には当たらない。 3 争点3(第1審原告に独禁法24条にいう「著しい損害を生じ、又は生ずるおそれ」があるか)について次のとおり補正するほかは、原判決別紙3「争点に関する当事者の主張」⑶(原判決45頁15行目から同46頁11行目まで)に記載の う「著しい損害を生じ、又は生ずるおそれ」があるか)について次のとおり補正するほかは、原判決別紙3「争点に関する当事者の主張」⑶(原判決45頁15行目から同46頁11行目まで)に記載のとおりであるから、これを引用する。 ⑴ 原判決45頁16行目の冒頭から同46頁1行目の末尾まで(第1審原告の主張)を次のとおり改める。 「ア 「著しい損害を生じ、又は生ずるおそれ」(独禁法24条)があるか否かは、独禁法違反行為による利益の侵害の態様及び程度並びにこれによる損害の性質、程度及び損害の回復の困難の程度等を総合考慮して判断される。 イこれを本件についてみるに、第1審原告の売上げの大部分を占める夜の来店人数は、平成31年2月までは3000人を下回ることなどなかったにもかかわらず、本件基準日以降は、2000人前後まで落ち込むなど、激減しているほか、電話予約数に至っては、これまで少ない月でも2000組前後を保っていたにもかかわらず、本件基準日後はほとんどの月で1000組を割るなど激減している。 そして、第1審原告は、実際に本件基準日後に3年以上も本件変更等が続いた影響で集客に苦しんだA店、B店、C店、D店、E店及びF店の各 閉店を余儀なくされ、また、本件21店舗以外にも同様の影響を受けたG店及びH店ほか、令和2年以降にその運営する店舗のうち合計8店舗を閉店せざるを得ない事態に追い込まれた。さらに、第1審原告は、令和5年4月29日にはI店を、同年5月14日にはJ店及びK店をそれぞれ閉店することを余儀なくされた。 このように、本件基準日後は評点が本件基準日前の水準に戻っておらず、その影響で店舗の閉店に追い込まれるという事態は、第1審原告が本来得られるはずの事業活動による利益が、第1審被告の一連の独禁法違反行 このように、本件基準日後は評点が本件基準日前の水準に戻っておらず、その影響で店舗の閉店に追い込まれるという事態は、第1審原告が本来得られるはずの事業活動による利益が、第1審被告の一連の独禁法違反行為の継続により根本から失われたものであることを意味する。 第1審原告においては、平成30年6月から令和2年2月までの各月の売上げに占める食べログ経由の来店客による売上げの割合が平均31%も占めていたことから、第1審原告の被った営業損害は甚大なもので、これを考慮すれば、本件変更を含む本件アルゴリズムの変更は、第1審原告の飲食店事業の継続を著しく困難にしているものと認められる。 ウ仮に第1審原告の飲食店事業の継続を著しく困難にしているとまでは認められないとしても、独禁法違反行為が第1審原告の飲食店事業活動を困難にしており、その程度も大きいことからすれば、十分に「著しい損害」があると認められる。 エ第1審被告の独禁法違反行為によって損害を被ったのは第1審原告だけではなく、5000を超える他のチェーン店もであり、第1審原告に対する金銭賠償だけでは回復し難い「独禁法違反行為による利益の侵害」が認められるのであり、それを含めて「著しい損害を生じ、又は生ずるおそれ」があるか否かが判断されるべきである。 オ以上によれば、「著しい損害を生じ、又は生ずるおそれ」が認められることは明らかである。」⑵ 原判決46頁11行目の末尾を改行して次のとおり加える。 「ウ食べログ経由の来店人数の減少は、それ自体が損害となるわけではない。 また、食べログ上の評点が低下したからといって当該飲食店の閉店が生ずることになるものではないのであって、第1審原告が閉店したと主張するC店、E店及びF店の本件基準日における各評点の下落 また、食べログ上の評点が低下したからといって当該飲食店の閉店が生ずることになるものではないのであって、第1審原告が閉店したと主張するC店、E店及びF店の本件基準日における各評点の下落幅は、それぞれ0.07点、0.07点、0.01点であることからすれば、評点の下落は閉店とは無関係である。I店、J店及びK店の各閉店に至っては、本件変更等から3年以上が経過していることからすれば、その間において生じた様々な事情を無視して閉店が本件変更等に起因するものということはできない。第1審原告は、個別の店舗の営業成績にかかわらず、経営戦略として店舗の開閉を繰り返すこともできるのであるから、個別の店舗の閉店が当該店舗の収益の悪化を必ずしも意味するものではない。 エ独禁法24条に基づく差止請求は、一般に、公正取引委員会による独禁法の法執行が公正かつ自由な競争の確保を主眼としてされるため、被害者の救済の観点からは不十分な対応になることもあることから、被害者の救済を図ることを趣旨として被害者が直接裁判所に差止を求めることをできるようにしたものと解されているのであり、公益的性格を有するとの解釈を前提とする第1審原告の上記主張は認められない。」 4 争点4(第1審被告の不法行為責任の有無及び性質)について(第1審原告の主張)⑴ 第1審被告は、食べログを一般消費者と飲食店事業者の双方に対して提供し、一般消費者向けの飲食店評価情報の提供市場を形成するとともに、飲食店事業者向けの集客・予約サービスの提供市場を形成しているのに対して、第1審原告は、食べログにおいて飲食店事業者の一つとして参加した上で、一般消費者に対する飲食の提供という場面で他の飲食店との間で競争を行っており、第1審被告と競争しているものではない。 もっとも、第1審 原告は、食べログにおいて飲食店事業者の一つとして参加した上で、一般消費者に対する飲食の提供という場面で他の飲食店との間で競争を行っており、第1審被告と競争しているものではない。 もっとも、第1審被告は、一般消費者に対する飲食店評価情報の提供市場 に参加する巨大な利用者群を通じて、第1審原告が所属する一般消費者に対する飲食の提供市場において巨大な影響力を持つに至っており、第1審原告は、当該市場において第1審被告の行使する影響力に大きく左右される存在であり、第1審被告に対して従属的な関係にあるといえるから、自由競争の保護という趣旨は全く当てはまらない。 第1審原告は、第1審被告に対し、食べログ上の評点を下げられるような違法な本件アルゴリズムの変更がされないことについて、権利又は法律上保護されるべき利益ないしは法的地位を有するものであり、このような権利等を侵害されたことを理由に損害賠償の請求をするものであるから、第1審被告の主張するように、第1審原告が本件21店舗の利用者との関係で取得し得る飲食代金債権の侵害を理由に損害の賠償を求める事案であると考えることは誤っている。 ⑵ また、仮に、本件を第1審被告が主張するような債権侵害の事案であると考えたとしても、上記⑴のとおり、第1審原告が第1審被告に対して従属的な関係にあるといえる以上、自由競争の範囲内の問題であるということにはならない。したがって、本件変更等について民法上の不法行為を構成するか否かの判断に当たっては、故意があることを要するものではなく、過失があれば足りると解すべきである。 ⑶ ところで、本件を飲食代金債権の侵害と捉えた場合、債権者・債務者以外の第三者からは、当該債権の存否は明らかではない場合が多いため、第三者による債権侵害について不法行為責任の成立を広く認 ある。 ⑶ ところで、本件を飲食代金債権の侵害と捉えた場合、債権者・債務者以外の第三者からは、当該債権の存否は明らかではない場合が多いため、第三者による債権侵害について不法行為責任の成立を広く認めるのは適切ではないとする考えがある。 しかしながら、第三者が債権の存在を認識できる状況にあるにもかかわらず、当該債権を侵害した場合には、当該第三者に過失、すなわち、予見可能性に基づく結果回避義務違反があったにすぎない場合であっても、債権の要保護性から不法行為責任が認められるべきである。 本件においては、第1審被告は、食べログ利用者が、食べログで提供されているインターネット予約機能等を利用して第1審原告を含む有料店舗会員との間で飲食物供給契約を締結するという一連のモデルを設定して食べログを運営しているところ、「有料店舗会員である飲食店の評点が低下する」→「有料店舗会員である飲食店の取得すべき飲食の提供によって得られる対価の減少」→「損害の発生」という機序が存在することは、第1審被告において熟知していたものといえるから、予見可能性の要件を満たしている。そして、第1審被告は、日本有数の飲食店評価サイトである食べログを運営していることから、有料店舗会員の評点の適正さを維持・管理することが求められ、不適切な評点となることを防ぐべき立場にあったと考えられること、食べログの運営によって収益を上げていること、本件変更等によって第1審原告に生ずる債権侵害においては、第1審原告が食べログ経由の来店者によって売上げの平均31%を得ていることから、その存立を脅かすほどの収益悪化といった莫大な損害を生じさせ得ることが明らかであったことなどを踏まえると、第1審被告は、本件変更等をしないことで第1審原告に生ずる損害を回避すべき義務を負っていた 、その存立を脅かすほどの収益悪化といった莫大な損害を生じさせ得ることが明らかであったことなどを踏まえると、第1審被告は、本件変更等をしないことで第1審原告に生ずる損害を回避すべき義務を負っていたというべきである。 ⑷ 民法とその特別法たる独禁法との間には、私人の権利・利益を保護するという共通の目的を持っているという性質がある。そうであるからこそ、裁判所においても、独禁法上違法と評価された行為について、民法709条の故意又は過失の要件を満たさないとしたものはない。それゆえ、民法の適用においてもその特別法たる独禁法の判断を尊重し、独禁法上の責任が肯定される場合は、民法の不法行為上の責任も肯定されるべきである。 (第1審被告の主張)第1審原告の主張する営業損害は、市場への情報発信という第1審被告の行為によって、第1審原告が、潜在的な顧客である第三者との間で行う将来の取引を減少させて得るはずであった債権の発生を阻害したことで発生するもので、 市場メカニズムが介在することになるところ、このような第三者(第1審被告)による債権侵害の中でも債務者(飲食店の顧客)の自由意思に働きかける類型の債権侵害においては、基本的に自由競争の世界の問題であるから、それが違法と評価されるのは、自由競争の範囲を逸脱した悪質な場合に限られ、不法行為の主観的要件としては特定の債権を侵害することについての故意、すなわち、損害を与える事業者との関係での故意が必要である。 本件において、第1審被告は、本件変更を含む本件変更等を行うことで有利になる事業者もあれば不利になる事業者もあるという程度の認識しか有していなかったのであり、チェーン店の評点を下方修正する本件変更に限ってみても、チェーン店が非チェーン店との関係で過度に有利になることを防止する意図があっ 利になる事業者もあるという程度の認識しか有していなかったのであり、チェーン店の評点を下方修正する本件変更に限ってみても、チェーン店が非チェーン店との関係で過度に有利になることを防止する意図があったにとどまり、本件21店舗を含む本件変更の適用を受けるチェーン店に対して損害を発生させようとする故意はなかった。 5 争点5について(第1審原告の主張)⑴ 争点5-1(第1審原告は、食べログ上の評点を下げられることになる本件アルゴリズムの変更がされないことについて、権利又は法律上保護される利益を有するか)について第1審被告は、飲食店について評点を付してそれを公表するとともに、それに基づきその高低を基礎としたランキングを付けてそれを公表しており、このような形で各飲食店の格付けを行い、かつ、これを公表しているとみることができる。また、食べログは、飲食店に関する口コミサイトの市場においてかなりの占有率を占めており、影響力を有している。このように、第1審被告は、多大な影響力を有する、社会的に定評のある「格付け提供事業者」としての地位を有しているといえる。 したがって、第1審原告は、第1審被告による格付け(評点)を違法に下げられることになる本件アルゴリズムの変更がされないことについて、権利 又は法律上保護される利益を有する。 ⑵ 争点5-2(第1審被告は、第1審原告に対し、チェーン店のみが評点を下げられることになる本件アルゴリズムの変更をしてはならない契約上の義務を負っているか)について第1審被告は、第1審原告との間で有料店舗会員契約を締結し、格付けの提供を核とした営業支援サービスを提供する契約当事者としての地位に基づき、有料店舗会員契約上の付随義務として、チェーン店のみの評点を下げられることになる本件アルゴリ 料店舗会員契約を締結し、格付けの提供を核とした営業支援サービスを提供する契約当事者としての地位に基づき、有料店舗会員契約上の付随義務として、チェーン店のみの評点を下げられることになる本件アルゴリズムの変更をしてはならない義務を負っている。 (第1審被告の主張)⑴ 争点5-1について食べログ上の評点は、投稿者が付けた点数を集約して掲載しているにすぎず、第1審被告は、何らかの基準に基づいて自らの判断で飲食店の評点を付けているものではないから、「格付け提供事業者」なる者ではない。また、飲食店ポータルサイトの利用状況に関する調査から、口コミサイト市場における食べログの占有率が高いといえるとしても、同調査は評点に関する調査ではない。食べログ利用者についてみても、食べログには評点以外にも、メニュー内容、価格帯、店舗の位置情報、予約の可否、店の写真からペット同伴の可否に至るまで様々な情報が掲載されており、このような情報を総合して、又は自身の重視する情報を参考に店選びを行うことを想定しているものであるし、そもそも他の飲食店ポータルサイトにもアクセスすることができることからして、他のサイトに掲載されている情報も参考にしながら、店選びを行っているものである。 したがって、第1審被告は社会的に定評のある格付け提供事業者ではないから、このことを根拠として、第1審原告は、食べログ上の評点を下げられることになる本件アルゴリズムの変更がされないことについて、権利又は法律上保護される利益を有するものではない。 ⑵ 争点5-2について食べログの有料店舗会員制度は、有料店舗会員に対して、食べログ利用者が「標準【会員店舗優先順】」検索をした際の優先的上位表示機能やインターネット予約機能等を提供するものであり、有料店舗会員として利用で べログの有料店舗会員制度は、有料店舗会員に対して、食べログ利用者が「標準【会員店舗優先順】」検索をした際の優先的上位表示機能やインターネット予約機能等を提供するものであり、有料店舗会員として利用できる機能に評点に関する機能は存在しない。そもそも評点は、無料店舗会員ですらない掲載店舗についても同じアルゴリズムを利用して算出されており、掲載店舗が有料店舗会員であるか否かによっていかなる影響も受けないものとされている。むしろ、評点は、食べログ利用者に対する情報提供と位置付けており、有料店舗会員である飲食店の収益を上げるために利用されることを前提として提供されている営業支援サービスというようなものではなく、掲載店舗が有料店舗会員であるか否か、有料店舗会員の中でもより月額料金が高いプランに加入しているか否かといった、食べログ利用者が飲食店を選ぶ際に参考としない要素が評点に影響を与えないようにして、有料店舗会員契約と評点とを厳格に切り離している。 したがって、有料店舗会員契約が評点を中核としたサービスを提供するものと理解する余地はないから、このことを根拠として第1審原告の主張する契約上の義務を導き出すことはできない。 6 争点6(第1審被告は、第1審原告に対し、有料店舗会員である第1審原告の運営する飲食店の評点が下がることになる本件アルゴリズムの変更をする場合においては、その事実を事前に公表し、又は有料店舗会員に対して通知し、その損害の回避措置又は軽減措置をとり得るよう配慮すべき契約上又は信義則上の義務を負っているか)について(第1審原告の主張)仮に本件変更等の内容が合理的であったとしても、第1審被告は、社会的に定評のある「格付け提供事業者」としての地位及び有料店舗会員契約の当事者としての地位に基づき、本件変更等の 審原告の主張)仮に本件変更等の内容が合理的であったとしても、第1審被告は、社会的に定評のある「格付け提供事業者」としての地位及び有料店舗会員契約の当事者としての地位に基づき、本件変更等の事実を事前に公表し、又は有料店舗会員 に対して通知し、それにより対象となる有料店舗会員たる飲食店において損害の回避や軽減のための措置を採り得るよう配慮すべき義務を負っている。このことは、次の⑴ないし⑹により基礎づけられる。 ⑴ 有料店舗会員契約の当事者としての地位⑵ 本件アルゴリズムの変更時にはより一層の配慮が必要であること⑶ 消費者が評点低下の理由を知らされなければ、判断を誤らせる可能性が高いこと⑷ 評点低下の理由が分からなければ、各飲食店が説明等の評価を回復するための措置を講ずることができないこと⑸ 評点の算出方法が変更される可能性があるという第1審被告の説明だけでは不十分であること⑹ 社会的に定評のある格付け提供事業者には、格付け方針等の公表及び変更の場合の公表が義務付けられることが、金融分野における信用格付け機関に関する規制からも導き得ること(第1審被告の主張)前記5(第1審被告の主張)に同じ。 7 争点7(第1審被告の違法行為と相当因果関係を有する第1審原告の損害の有無及びその額)について(第1審原告の主張)⑴ 消費者が飲食店として第1審原告の運営する飲食店を選ばず、その結果、第1審原告が、飲食を提供することの対価を得られなくなったという過程において、本件変更等による評点の下落という事象が介在しており、かつ、本件変更等が行われれば、第1審原告が上記対価を得られないという事象が一定の確率で確実に生ずることは、第1審被告は、その事業の性質上、熟知していたは による評点の下落という事象が介在しており、かつ、本件変更等が行われれば、第1審原告が上記対価を得られないという事象が一定の確率で確実に生ずることは、第1審被告は、その事業の性質上、熟知していたはずであり、それにもかかわらず、本件変更等を行ったものであるから、条件関係は優に認められる。 ⑵ 第1審原告は、本件変更等によって反復継続する営業活動により得られるはずであった営業利益を継続的に喪失していたといえるところ、このような営業利益の喪失が具体的な金額の形で生ずる場合にはそれが損害の基準とされ、そうでない場合であっても、具体的な金額を得る可能性があるのであれば、それをもとに抽象的な利益の価値を算定すべきである。この観点からすれば、後記⑶のとおり、食べログを経由した売上げの減少額の全部が相当因果関係のある損害として認められるべきである。 ブランド価値の毀損による損害については、被害者の属する合理人を基準としてその者がした費用の投下が必要なものであったか否かがメルクマールとなるところ、第1審原告が本件変更等への対抗措置として広告や予約対応の拡充等を行ったことは、必要な費用の投下であったと評価することができるから、第1審原告が支出した費用相当額は、第1審被告が賠償すべき損害といえる。 ⑶ 第1審原告に生じた損害の有無及びその額については、次のとおり補正するほか、原判決46頁14行目から同47頁20行目までに記載のとおりであるから、これを引用する。 ア原判決46頁14行目の「本件変更により、」から同47頁5行目の末尾までを次のとおり改める。 「 第1審被告の本件基準日における本件変更等により、次のア及びイの損害を被っており、その合計額は少なくとも6億3905万4422円を下回らない。 ア営業損害 までを次のとおり改める。 「 第1審被告の本件基準日における本件変更等により、次のア及びイの損害を被っており、その合計額は少なくとも6億3905万4422円を下回らない。 ア営業損害食べログを経由した売上げの減少額第1審被告の本件変更等により第1審原告の運営する飲食店の評点は下落し、評点の下落は来店客数の減少に直結し、来店客数の減少により必然的に食べログを経由した売上げの減少という被害が生じた。 このような被害を被った第1審原告が第1審被告に対し賠償を求める営業損害は、第1審被告の行為がなければ得られたはずの金銭を喪失したことによる損害であるから、売上げの減少額全部の賠償が認められるべきである。 食べログを経由した売上げの減少額は、本件基準日前の平成30年6月から平成31年2月までの9か月間における売上げ4億5789万2233円と本件基準日後と同じ9か月間である令和元年6月から令和2年2月までの売上げ2億1598万6342円との差額である2億4190万5891円から算出される1か月平均の売上げの減少額2687万8432円を基礎として、本件基準日から40か月間に係る10億7513万7280円であり、これと同額の賠償が認められるべきである。 限界利益の減少分仮に売上げの減少額全額が損害とは認められないとしても、少なくとも限界利益の減少分が第1審被告の行為と相当因果関係のある営業損害として認められるべきである。 限界利益とは、売上高から変動費(売上げが減少すると同時に支出を免れることのできる費用)を控除した利益概念を指すところ、第1審原告において、第1審被告の行為により被害が生ずる前の第10期(平成30年6月から令和元年5月まで)における変 が減少すると同時に支出を免れることのできる費用)を控除した利益概念を指すところ、第1審原告において、第1審被告の行為により被害が生ずる前の第10期(平成30年6月から令和元年5月まで)における変動費は売上高の30.76%であったから、上記の売上げの減少額を基礎とすると、限界利益の減少分は7億4442万5053円(=10億7513万7280円×(1-0.3076))となり、これと同額の賠償が認められるべきである。」イ原判決47頁8行目以下の各「本件変更」をいずれも「本件変更等」と改め、同頁19行目の「実施」を削る。 (第1審被告の主張)⑴ 前記4(第1審被告の主張)のとおり、第1審被告の行為と第1審原告の主張する損害との間には市場メカニズムが介在するから、本件変更等について不法行為が成立するというためには、本件変更等によって本件21店舗の食べログにおける評点が下落し、それが消費者の店舗選択行動に影響を及ぼし、その結果、消費者が当該店舗で消費する金額に影響し、それが第1審原告に生じた売上高の減少に寄与していることが立証される必要がある。 また、第1審原告に上記損害が生じたといえるためには、本件変更等がなければ得られていたであろう売上げよりも実際の売上げが減少したことが立証される必要があるところ、売上げの減少の原因としては、ほかに新型コロナウイルス感染症のまん延という事実が存在するから、同感染症のまん延による売上げの減少を超える売上げの減少があったことが認められる必要がある。 しかしながら、第1審原告は、これらを全く立証することができていない。 ⑵ 第1審原告に生じた損害の有無及びその額に関する第1審被告の反論は、次のとおり補正するほかは、原判決47頁22行目から同49頁3行目までに記載のとおりで を全く立証することができていない。 ⑵ 第1審原告に生じた損害の有無及びその額に関する第1審被告の反論は、次のとおり補正するほかは、原判決47頁22行目から同49頁3行目までに記載のとおりであるから、これを引用する。 ア原判決47頁22行目の「来客数の減少による損害」を「売上げの減少額」と改め、同48頁19行目の「すなわち、」の次に「政府から」を加える。 イ原判決48頁21行目の末尾を改行して次のとおり加える。 「 イ限界利益の減少分について第1審原告の主張する計算方法には、次のような誤りがある。 会計上変動費に当たるとされる費用以外の費用であっても、売上げの減少に伴って支出を免れたのであれば、逸失利益の算定に当たって考慮されるべきである。 第1審原告が固定費とした科目の中に売上げの増減に応じて変動し得るものが多数含まれているから、逸失利益の算定に当たって考慮されるべきである。 第1審原告は、その事業全体の平成30年6月から令和元年5月までの費用に関する会計データを用いて、本件基準日後における本件21店舗の変動費や変動費率を算出しているが、本件21店舗の費用に関する会計データを用いるべきであるし、損害が発生したと主張する期間と同じ期間における会計データを用いるべきである。 損害が生じたとする期間が不当に長く見積もられている。 本件変更等がなかったと想定した場合に得られたはずである売上げと実際の売上げの差の月平均が不当に多額に算定されている。」ウ原判決48頁22行目の「イ」を「ウ」と改める。 8 争点8(第1審被告の第1審原告に対する損害賠償責任が本件規約11条により免責されるか)について原判決別紙3「争点に関する当事者の主張」⑸(原判決49頁6行目 イ」を「ウ」と改める。 8 争点8(第1審被告の第1審原告に対する損害賠償責任が本件規約11条により免責されるか)について原判決別紙3「争点に関する当事者の主張」⑸(原判決49頁6行目から同51頁5行目まで)に記載のとおりであるから、これを引用する。ただし、原判決49頁10行目以下の各「本件変更」をいずれも「本件変更等」と、同頁13行目の「同法違反行為」を「同法に違反する行為」とそれぞれ改める。 第7 当裁判所の判断 1 当裁判所は、原審とは異なり、第1審被告による本件変更等(なお、原判決は、第1審被告による新ロジックの導入を含まない本件変更を対象として判断をしたものであるが、これを含む当審における本件変更等を対象とする判断との間には訴訟物の変動はない。)が独禁法の禁止する優越的地位の濫用に当たるとは認められず、また、取引条件等の差別取扱いに当たるとも認められないから、第1審原告による独禁法違反行為を理由とする差止請求及び不法行為に基づく損害賠償請求にはいずれも理由がなく、それ以外を理由する不法行為に基 づく損害賠償請求及び債務不履行に基づく損害賠償請求(当審において追加された選択的請求)についてもいずれも理由がないものと判断する。その理由は以下のとおりである。 2 評点の性質及びその算出方法としての本件アルゴリズムの変更の目的⑴ 本件において第1審原告は、本件アルゴリズムについて本件変更等が実施された結果、その運営する本件21店舗の食べログ上の各評点が大幅に下落し、食べログ経由の来客人数等が減少するなどして損害を被った旨を主張し、第1審被告による本件変更等が独禁法に違反し、不法行為法上保護されるべき第1審原告の権利又は利益を侵害する違法な行為であり、そうでないとしても第1審原告との契約上の義務に違反 害を被った旨を主張し、第1審被告による本件変更等が独禁法に違反し、不法行為法上保護されるべき第1審原告の権利又は利益を侵害する違法な行為であり、そうでないとしても第1審原告との契約上の義務に違反するものであるとして、第1審被告に対する損害賠償請求等をしている。そこで、第1審被告による本件変更等の違法性の有無を判断する前提として、食べログ上の評点の性質及びその算出方法としての本件アルゴリズムの変更の目的(必要性)について検討する。 ⑵ 前提事実(前記第3)によれば、食べログ上の評点制度は、食べログが、一般消費者である食べログ利用者にとって、自分の嗜好に合った飲食店をより高い確率で見つけることができるコミュニティサイトであることを標ぼうしていることを踏まえ、第1審被告が、従業員等に一般消費者を装わせて飲食店で実際に飲食物等の提供を受けた上で、そこで体験した当該飲食店の提供する飲食物の味やサービス等の情報を基にして、独自の基準に基づいて評点を算出し、これを公開するというものではなく、飲食店で実際に飲食物等の提供を受けた投稿者からの口コミを基にして算出される数値とされている。 もっとも、このような算出方法は、一般的・抽象的には、他の投稿者の意見に左右されない口コミの数が多ければ多いほど客観性を帯びる結果、信頼性が高まるとはいえるが、実際には他の投稿者の口コミの影響を無意識に受けた口コミが投稿されることもあれば、投稿者の食べ歩き経験の深さによっても飲食店に対する評価が分かれ得る上、中には評点を故意に上げようとして いわゆるやらせによる口コミもあり得る一方、例えば、専ら地元の住民に繰り返し利用され、投稿者がほとんどいない飲食店も存在し得るから、当該飲食店に対する一般消費者の感覚とのずれを生じやすいという問題を内包するものであると コミもあり得る一方、例えば、専ら地元の住民に繰り返し利用され、投稿者がほとんどいない飲食店も存在し得るから、当該飲食店に対する一般消費者の感覚とのずれを生じやすいという問題を内包するものであるといえる。このため、第1審被告は、このような一般消費者の感覚とのずれを適切に是正する目的で本件アルゴリズムを適用することによって評点を算出することにし、その内容を時宜に応じて適切に管理し、本件アルゴリズムを定期的に変更することによって評点に対する一般消費者である食べログ利用者の信頼を確保することに努めており、そのような本件アルゴリズムの役割に照らして、これを当該飲食店が店舗会員であるか否かを問わず、食べログに掲載されている全ての飲食店に対して一律に適用し、必要な範囲で公開している。他方、飲食店は、店舗会員であると非店舗会員であるとを問わず、原則として食べログに掲載され(前提事実2⑴)、当該飲食店のページに評点が付されることになっており(前提事実2⑶)、たとえ店舗会員になったからといって、第1審被告との間の契約において、当該飲食店のページへの評点の掲載を拒んだり、算出された評点に不服を申し立てたりする権利は認められていない。このように、飲食店のページに掲載されている情報の中でも評点(その算出方法である本件アルゴリズムの変更を含む。)の算出については、飲食店が関与し、影響を与えることができないものとされている。 ところで、第1審被告が、評点の算出に関して、飲食店との関係で上記のような取扱いをしている理由は次のとおりである。すなわち、第1審被告は、食べログ利用者に対して、その視点に立った飲食店の情報を提供することを主たるサービスとして食べログを運営するものであり、一方で、一般消費者である食べログ利用者は、上記のようにして算出され、食べログ 食べログ利用者に対して、その視点に立った飲食店の情報を提供することを主たるサービスとして食べログを運営するものであり、一方で、一般消費者である食べログ利用者は、上記のようにして算出され、食べログ上に掲載された評点を飲食店選びの一つの情報として利用することで自らのニーズに合った飲食店を探すことができることを目的として食べログを利用するもので ある。したがって、仮に評点の算出過程に当該飲食店が関与し得る余地があるとなれば、自分と同じ消費者という立場からの口コミを基にして算出されているとされる評点が不当に歪められることになるから、評点に対する一般消費者の目は懐疑的なものとなり、評点に対する一般消費者の信頼を失うことになることは明らかであるといえる(ましてや、店舗会員の中でも、有料店舗会員に対し、自らの店舗に対する評点の算出に影響を与え得る地位を認めることは、その評点の信頼性を失わせることになる。一方で、評点が一般消費者の感覚とのずれを生じていることが合理的に認められる場合において、本件アルゴリズムの変更によって評点が下落することになる飲食店との関係から本件アルゴリズムの変更が許されず、評点を修正できないとすれば、本件アルゴリズムの変更によって、本来、高い評点を付されるべき飲食店との関係では、評点を上げられない結果、かえって不利益な取扱いをすることになるばかりか、一般消費者の評点に対する信用をも失うことになる。)。 この点、あくまで評点が一般消費者からの口コミを基にして算出されたものであるとの前提の下、一般消費者としては、初めて訪れる飲食店を選ぶ際には評点の高さが基準とされる場合も十分あり得るところであり、評点の高い飲食店ほどどのような味やサービスが提供されるのかについて消費者の高い関心を集める結果、来店人数が多くなる傾向があ 食店を選ぶ際には評点の高さが基準とされる場合も十分あり得るところであり、評点の高い飲食店ほどどのような味やサービスが提供されるのかについて消費者の高い関心を集める結果、来店人数が多くなる傾向があることは否定できない。 その意味で一部の飲食店が評点を少しでも高めようとすることにも相応の理由があるといえる。もっとも、評点は、上記のとおり、当該飲食店を訪れた投稿者からの口コミを基にして算出されるから、本来主観的なものということができ、このことを考慮すると、あくまで飲食店選びの一つの目安でしかないものといえるもので、当然のことながら、一般消費者がおしなべて食べログ上の評点に従って飲食店を選んでいるわけでは全くないし、飲食店が提供する飲食物の味やサービス、価格、訪れる客の雰囲気などを勘案して、高い評点が付された飲食店をあえて避ける消費者もいることも考えられ、また、 評点は下落していなくとも、提供される飲食物の味やサービスの低下を感じて、これまで利用していた消費者が当該飲食店を利用しなくなる場合も考えられる。 以上のような評点の性質、本件アルゴリズムの適用による評点の算出方法や評点に対する一般消費者の行動実態に照らせば、食べログ上に掲載された飲食店が、第1審被告に対し、当該飲食店に付された評点の算出過程において何らかの権利を有するものとすることは、上記の評点の性質上認め難いものであり、また、当該飲食店において、本件アルゴリズムを適用して算出された評点の元において得られた営業上の収益を法的に保護されるべき利益であるとして、本件アルゴリズムの変更による評点の下落後に生じた営業上の収益の減少分について損害賠償責任を認めないことを本件規約11条で定めることにも一応の合理性があるものと解される。 ⑶ そこで、以上を踏まえて、第1審被告が 更による評点の下落後に生じた営業上の収益の減少分について損害賠償責任を認めないことを本件規約11条で定めることにも一応の合理性があるものと解される。 ⑶ そこで、以上を踏まえて、第1審被告が本件アルゴリズムについて行った本件変更等が、第1審原告に対する違法行為と認められるか否かについて検討する。 3 争点1(本件変更等が独禁法上の取引条件等の差別取扱い(独禁法2条9項6号イ、一般指定4項)に当たるか)について⑴ 独禁法2条9項6号イ(一般指定4項)が不公正な取引方法の一つとして取引条件等の差別取扱いを規制している趣旨は、経済活動において価格その他の取引条件をどのように設定するかは、市場メカニズムを通じて、本来自由に行われるべきものであるから、商品・役務の取引条件等に差があることが正当なコスト差に基づくものである場合や、当該商品・役務の需給関係・市場性に対応したものである場合には問題とはならないが、差別取扱いを通じて市場における競争(行為者とその競争者の間の競争のほか、差別を受ける事業者とその競争者との間の競争も含まれる。)機能に直接かつ重大な影響を及ぼすなどの競争秩序に悪影響を及ぼす場合には、公正かつ自由な競争の 維持・促進の見地からこれを規制する必要が生ずることにあると解される。 そして、そのような規制の趣旨に照らせば、当該差別行為の競争に及ぼす影響を個別に判断する必要があり、規制を受けるべき行為に当たるか否かは、各種諸事情を総合的に検討した上で、公正な競争秩序に悪影響を及ぼすおそれがあるか否かによって判断するのが相当である。 このような見地に立って、本件変更等が、独禁法2条9項6号イ(一般指定4項)に当たるか否かを検討することとするが、具体的には、①本件変更等が「取引の条件又は実施について」行われたこと 相当である。 このような見地に立って、本件変更等が、独禁法2条9項6号イ(一般指定4項)に当たるか否かを検討することとするが、具体的には、①本件変更等が「取引の条件又は実施について」行われたこと、②本件変更等が「不利な取扱い」に当たること、③本件変更等が「不当に」行われたものであることの各要件を満たすことが必要である。 ⑵ 本件変更等が「取引の条件又は実施について」行われたか(上記①)ア 「取引の条件」とは、取引の対象となる商品等の品質、規格、取引数量、決済条件、支払条件、引渡条件、取引時期(時間)、運送条件、販売促進費、リベートなどを指し、また、「取引の実施」とは、取引の条件とはされていないが、取引をめぐる事実行為等として、配送の順序に差をつけること、売れ行きのよい商品を優先的に提供すること、商品の陳列を有利に取り扱うことなど、取引に関連して実際に行われる各種の取扱いを指すものと解される。 イこれを本件についてみるに、第1審原告が運営する本件基準日店舗は、いずれも食べログの有料店舗会員であった(補正後の前提事実4⑵)ところ、本件21店舗の各評点の下落の要因となった本件変更等は、上記有料店舗会員契約に関して行われたものではないが、食べログ上において飲食店に付されて公開されている評点は、当該飲食店に対する口コミによる評価がどのくらい集まっているかを示す指標となるものであるから、当該飲食店とすれば、店舗会員となって「プロフィール登録(当該飲食店に掲載されたメニューや写真等の各項目を飲食店用の管理画面において自由に設 定・登録・修正すること)」を利用することにより店舗情報のアップデートを行い、サービスプランを利用することで露出度を高めることを通じて多くの集客を図り、そうすることによって食べログ利用者の評価・口 定・登録・修正すること)」を利用することにより店舗情報のアップデートを行い、サービスプランを利用することで露出度を高めることを通じて多くの集客を図り、そうすることによって食べログ利用者の評価・口コミが増えることで当該飲食店の評点を上げて、更なる集客を図ることにつながるものであるから、取引に関連して行われている取扱いといえるもので、このような評点を変動させることになる本件変更等は、それ自体は第1審被告の内部で、かつ、店舗会員であると非店舗会員であるとにかかわらず行われたものではあるが、店舗会員である第1審原告との関係では少なくとも「取引の実施について」行われたものと認められる。 ⑶ 本件変更等が「不利な取扱い」に当たるか(上記②)前提事実(第3及び第4)によれば、第1審被告は、本件変更等において、新ロジックを導入することに伴い、●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●を内容とする本件変更を行ったことが認められ、本件変更等を行ったことによって本件21店舗の各評点が下落することが予想され、実際にもそうした結果を生じさせたものであるから、チェーン店を運営する第1審原告に対し、競争者である他の飲食店(ジャンルやエリア等の関係で利用者が競合する非チェーン店)との関係において「不利な取扱い」をしたものと認められる。また、本件影響度調整は、チェーン店にのみ適用されるものではないが、●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●というものであり 影響度調整は、チェーン店にのみ適用されるものではないが、●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●というものであり、この本件アルゴリズムの変更のみによっても、本件21店舗の各評点は下落したものと認められる(乙105、弁論の全趣旨)。 したがって、本件変更等は、全体として第1審原告にとって「不利な取扱 い」に当たるということができる。 ⑷ 本件変更等が「不当に」行われたものといえるか(上記③)ア 「不当に」とは「公正な競争を阻害するおそれ(公正競争阻害性)」と実質的に同義であり、事業者相互間の自由な競争が妨げられていることを内容とし、本件変更等が「不当に」行われたものであるかを判断するに当たっては、評点の算出に適用される本件アルゴリズムの全体的な内容及び変更の状況、本件アルゴリズムが、どのような目的で、いかなる範囲の飲食店を対象に、どのような内容で設定され、運用されているかを踏まえ、それが第1審原告を競争上著しく不利にさせるおそれがあると認められるかを考慮して判断すべきものと解される。 イこれを本件において検討するに、前提事実(前記第3)及び前記2のとおり、食べログにおける評点は、投稿者が口コミにおいて飲食店に付けた点数の平均値ではなく、上記点数と当該投稿者の影響度を踏まえた本件アルゴリズムによって算出される仕組みであり、第1審被告は、基本的には食べ歩きの経験が豊富な投稿者ほど影響度を大きくするという考え方に基づき、様々な要素を考慮して「影響度」を設定しており、投稿者がステマや実際の飲食体験に基づかない口コミを多数投稿するなどの方法によって影響度を不正に取得したり、悪用したりすることによって意図的に評点を操作することを防 慮して「影響度」を設定しており、投稿者がステマや実際の飲食体験に基づかない口コミを多数投稿するなどの方法によって影響度を不正に取得したり、悪用したりすることによって意図的に評点を操作することを防止するなどのため、毎月2回(第1及び第3火曜日)、新たに投稿された口コミにおける点数、投稿者の影響度の再評価、本件アルゴリズムの変更等を行って評点を算出し直し、これを公開していること、前提事実(前記第4)によれば、従前の本件アルゴリズムを適用して評点を算出する方法では、●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●という課題が生じていたこと、そこで、以上のような課題を修正するために新ロジックを導入することにしたが、●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●ことから本件変更を実施することとし、さらに、●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●という本件影響度調整を行うことにしたことが認められ、以上によれば、本件変更等のうち ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●という本件影響度調整を行うことにしたことが認められ、以上によれば、本件変更等のうち本件変更は、新ロジックの導入によって●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●これによって生ずる一般消費者の感覚とのずれを是正する目的で実施されたものであり、また、本件影響度調整も、手口が巧妙化する不正な口コミによる評点への影響を排除する目的で実施されたものであるから、いずれの目的も合理性があるといえること、前記2で認定したとおり、第1審被告による本件変更等は、上記のような評点の算出における問題を改善する目的と必要性に応じて、一般消費者である食べログ利用者の評点に対する信頼を確保するために行われたものであり、その変更内容も目的との関係で不合理なものとは認め難く、前記2で認定した評点の性質やその算出方法である本件アルゴリズムの変更の目的(必要性)及び内容等に照らせば、本件変更等によって、第1審原告の運営する本件21店舗の各評点を下落させる結果が生じたとしても、それだけでは第1審原告の飲食店市場における競争機能に直接かつ重大な影響を及ぼすとまでは認め 難く、その影響は限定的なものといえること(なお、第1審原告は、本件変更等によって生じた本件21店舗の各評点の下落の結果、多額の営業損害等が生じたものと主張しているが、本件において第1審被告の違法行為として主張されている行為は、本件21店舗について下落した評点を食べログ上に掲載したという第1審被告の行為ではなく、本件アルゴリズムについて本件変更等を行った行為であり、この行為の結果として評点が下落したことで、証拠上、本件21店舗との間で顧客を取り合うような関係があ に掲載したという第1審被告の行為ではなく、本件アルゴリズムについて本件変更等を行った行為であり、この行為の結果として評点が下落したことで、証拠上、本件21店舗との間で顧客を取り合うような関係がある競争店舗(ジャンルやエリア等の条件の下で利用者が競合する非チェーン店)の営業利益と対比して、第1審原告に多額の営業損失を生じ、あるいは生じるおそれがあったとまでは認められない。)など、以上のとおり、本件で認められる事実関係を総合すれば、本件変更等が「不当に」行われたものであるとまでは認められない。 ⑸ 以上のとおりであるから、第1審被告による本件変更等は、第1審原告の運営する本件21店舗を含むチェーン店について、取引の実施において不利な取扱いをするものであるとは認められるが、それが、独禁法2条9項6号イ(一般指定4項)が禁止する「不当に(公正競争阻害性)」ある事業者に対して取引の実施について不利な取扱いをするものであるとまでは認められない。 4 争点2(本件変更等が独禁法上の優越的地位の濫用(独禁法2条9項5号ハ)に当たるか)について⑴ 独禁法2条9項5号ハが不公正な取引方法の一つとして優越的地位の濫用を規制している趣旨は、自己の取引上の地位が相手方に優越している一方の当事者が、取引の相手方に対し、その地位を利用して、正常な商慣習に照らして不当に不利益を与えることは、当該取引の相手方の自由かつ自主的な判断による取引を阻害し、自由な競争基盤を侵害するとともに、当該取引の相手方はその競争者との関係において競争上不利となる一方で、行為者はその 競争者との関係において競争上有利となるおそれがある(公正競争阻害性)ことによるものと解される。 このような趣旨を踏まえて、本件変更等が、独禁法2条9項5号ハに当たるか否かを検 はその 競争者との関係において競争上有利となるおそれがある(公正競争阻害性)ことによるものと解される。 このような趣旨を踏まえて、本件変更等が、独禁法2条9項5号ハに当たるか否かを検討することとするが、具体的には、①第1審被告の「取引上の地位」が第1審原告に「優越している」こと、②本件変更等が①の地位を「利用して」されたものであること、③本件変更等が「正常な商慣習に照らして不当に」されたものであること及び④本件変更等が「取引の相手方(第1審原告)に不利益となるように取引の条件を設定し、若しくは変更し、又は取引を実施すること」に当たることが必要である。 ⑵ 本件変更等が第1審被告の第1審原告に対する「優越的地位を利用して」されたものであるか(上記①及び②)第1審被告による本件変更等が、第1審原告に対する「優越的地位を利用して」されたものと認められるかについては、次のとおり補正するほかは、原判決11頁17行目の「独禁法2条9項5号にいう」から同15頁18行目の末尾までに記載のとおりであるから、同部分を引用する。 ア原判決11頁17行目の冒頭に「ア」を加える。 イ原判決12頁6行目の「前提事実」の次に「(前記第3)」を加え、同頁19行目の「前提事実6」を「補正後の前提事実7」と、同頁26行目、同14頁6行目及び同頁8行目の各「前提事実3」をいずれも「補正後の前提事実4」と、同13頁9行目及び同頁11行目並びに同14頁12行目の各「前提事実5」をいずれも「補正後の前提事実6」と、同13頁20行目の「ゴールデンタイム機能」を「ゴールデンタイム強化機能」と、同頁23行目の「別紙2・2⑴」を「原判決別紙2・2⑴、⑸」と、同14頁2行目の「多くの料金」を「高額の料金」と、同頁21行目の「修正する」を「修正す タイム機能」を「ゴールデンタイム強化機能」と、同頁23行目の「別紙2・2⑴」を「原判決別紙2・2⑴、⑸」と、同14頁2行目の「多くの料金」を「高額の料金」と、同頁21行目の「修正する」を「修正することができる」と、同頁24行目の「当該飲食店のページが維持されること」を「単に当該飲食店のページが維持されることの み」とそれぞれ改める。 ウ原判決15頁9行目の「挙げる」を「上げる」と、同頁14行目の「あること依存して」を「あることに依存して」とそれぞれ改め、同頁16行目の末尾に次のとおり加える。 「 そして、前記のとおり、第1審被告は、本件基準日時点において、店舗会員であるかどうかを問わず、原則として、日本全国の飲食店を食べログ上に掲載しており、これらの掲載された飲食店を対象に口コミを基に本件アルゴリズムを適用して算出した評点を食べログ上の当該飲食店のページに掲載しているもので、本件アルゴリズムの内容を自らの判断だけで変更して適用することにより、当該飲食店の評点を上下させることのできる地位を有するものであるから、このような意味において、第1審被告は、これら飲食店との関係において取引上の優越的地位を有するものというべきである。」エ原判決15頁18行目の末尾を改行して次のとおり加える。 「エそうすると、第1審被告は、食べログ上に飲食店として掲載されている第1審原告に対し、その有する優越的地位を「利用して」、本件変更等を行ったものというべきである。」⑶ 本件変更等が「取引の相手方に不利益となるように」「取引を実施する」ものであるか(上記④)この点については、前記3⑵において、取引条件等の差別取扱いに関して判断したことと同様の理由により、これを認めることができる。 ⑷ 本件変更等が「正 取引を実施する」ものであるか(上記④)この点については、前記3⑵において、取引条件等の差別取扱いに関して判断したことと同様の理由により、これを認めることができる。 ⑷ 本件変更等が「正常な商慣習に照らして不当に」されたものであるか(上記③)ア優越的地位の濫用における「正常な商慣習に照らして不当に」とは、「公正な競争を阻害するおそれ(公正競争阻害性)」と実質的に同義と解され、前記⑴でみたとおり、優越的地位の濫用が不公正な取引方法として規制さ れる趣旨が取引主体の自由かつ自主的な判断による取引が行われるという自由競争の基盤が侵害されることを防止しようとする点にあることからすれば、「正常な商慣習に照らして不当に」に当たるか否かは、具体的な場合における独禁法2条9項5号イからハまで所定の行為の意図・目的、態様、不利益の内容・程度(例えば、①取引の相手方にあらかじめ計算できない不利益を与えることとなるか否か、②取引の相手方が得る直接の利益等を勘案して合理的であると認められる範囲を超えた負担となり、不利益を与えることとなるか否か)等を総合的に考慮して、取引の相手方の自主性を抑圧する行為であるか否かという見地から判断するのが相当である。 これを本件についてみるに、第1審原告においては、本件変更等が実施された結果、その運営する本件21店舗の各評点が下落した後、本件21店舗における食べログ経由の来店人数等が減少したこと(補正後の前提事実7⑴)が認められるが、前記第7の3⑷イで認定したとおり、本件21店舗とジャンルやエリア等の条件の下で利用者が競合する非チェーン店と比較して、どの程度来店人数等が減少しているのかに関しては証拠上必ずしも明らかではない。また、第1審被告は、前提事実(前記第4)のとおり、本件変更 エリア等の条件の下で利用者が競合する非チェーン店と比較して、どの程度来店人数等が減少しているのかに関しては証拠上必ずしも明らかではない。また、第1審被告は、前提事実(前記第4)のとおり、本件変更等は、従前の本件アルゴリズムを適用して評点を算出する方法では、●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●という課題が生じていたこと、そこで、以 上のような課題を修正するために新ロジックを導入することにしたが、●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●ことから本件変更を実施することとし、さらに、●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●という本件影響度調整を行うことにしたことが認められ、これらの本件変更等の実施は、一定の合理的目的の下で相当な範囲において行われたものと評価されること、加えて、本件変更等の実施によって、第1審原告において、本件21店舗の顧客に提供する飲食物の味やサービス、あるいは広告宣伝活動が従前よりも 目的の下で相当な範囲において行われたものと評価されること、加えて、本件変更等の実施によって、第1審原告において、本件21店舗の顧客に提供する飲食物の味やサービス、あるいは広告宣伝活動が従前よりも制限されたなどといった事実は認められないこと(本件変更等の結果、評点が下落したことによって、ランキング検索における上位に表示されなくなるなどの食べログ利用者に対する露出度(影響度)が低下する事態が発生することになることは認められるが、これは、もともとランキング検索等に内在する制約にすぎないのであって、他の広告宣伝活動によって一般消費者に対してアピールをすることは妨げられないといえる。)を総合的に考慮すると、本件変更等が第1審原告の取引主体としての自主性を抑圧する行為であるとまではいえないものというべきである。 イ第1審原告は、本件変更等の中でもチェーン店の評点の引下げを図った本件変更について、第1審被告が事前に本件21店舗を含むチェーン店に通告しなかったことをもって、第1審原告に「あらかじめ計算できない不利益を与える」こととなるから、③の要件を満たす旨主張する。 しかしながら、前記第4の3で判断したとおり、第1審被告は、単にチェーン店の評点を一方的に下落させることを意図して本件変更を実施することにしたものではなく、評点に対する一般消費者の感覚とのずれを是正 するために新ロジックを導入することにしたものの、●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●本件変更が実施されることになったこと、また、手口の巧妙化によって、評点の公平性に悪影響を及ぼすおそれのある不正な口コミの排除が困難になってきていることに鑑み、●●●●●●●●●● ●●●●●●●●本件変更が実施されることになったこと、また、手口の巧妙化によって、評点の公平性に悪影響を及ぼすおそれのある不正な口コミの排除が困難になってきていることに鑑み、●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●という調整として本件影響度調整を行うことにしたことが認められるから、これらを含む本件変更等が実施された結果として評点が下落することになったとしても、本件変更等の内容を全体としてみれば、第1審被告が追求する、一般消費者から信頼される公正な評点の算出により近づくことを目指したものであるといえるのであって、評点の下落による不利益が合理的な範囲を超えたと認められるほど大きいとまでは認められないこと(下落した評点が本来あるべき姿に近づいたもので、それまでの高い評点は、チェーン店に対する多数の口コミ等による過大評価の結果にすぎないとみることもできる。)や、本件アルゴリズムは定期的に見直されるものであることが予定されており、それに伴って評点が変動することは、食べログ上において既に公開されていたもので(前提事実2⑶オ)、消費者はもちろん、飲食店もこれを認識し得るものであった以上、上記の程度の不利益は「あらかじめ計算できない」程度のものであるとは認められない。なお、第1審原告が主張するように、飲食店において本件アルゴリズムの変更の結果として生ずるおそれのある不利益を防止するために、第1審被告が本件アルゴリズムの本件変更等の具体的内容を、これによって評点が下落する可能性のある飲食店に対して事前に通告することを要するとした場合には、事前の通告によって本件アルゴリズムの変更による評点の変動の可能性を事前に知った飲食店がこれに対応して対策をとることにより、本来、本件変更等 る飲食店に対して事前に通告することを要するとした場合には、事前の通告によって本件アルゴリズムの変更による評点の変動の可能性を事前に知った飲食店がこれに対応して対策をとることにより、本来、本件変更等に よって評点と一般消費者である食べログ利用者の感覚とのずれを是正するという目的を実現することができなくなることも考えられ、そうなると、本来飲食店が関与することなく付される評点が、飲食店の関与によって影響されることを許容するのと同様の事態を生じさせることになり、かえって評点に対する一般消費者からの信頼を損ない、第1審被告の経営の核である食べログの運営自体に重大な支障を生ずることになりかねないといえる。 したがって、第1審原告の上記主張は採用することができない。 ウさらに、第1審原告は、本件変更等が実施された結果、本件21店舗の各評点が大幅に下落したことをもって、「合理的であると認められる範囲を超えた」「不利益を与える」ものであるから、③の要件を満たす旨主張する。 しかしながら、上記イのとおり、第1審被告は、単にチェーン店の評点を一方的に下落させることを意図して本件変更を実施したものではなく、評点に対する一般消費者の感覚とのずれを是正するために新ロジックを導入することにしたものの、●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●本件変更が実施されることになったこと、また、従来の対策では捕捉しきれない手口の巧妙化した不正な口コミの評点への影響を排除するために、●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●という調整とし ミの評点への影響を排除するために、●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●という調整として本件影響度調整をすることにしたことが認められるから、これらを含む本件変更等が実施された結果として評点が下落することになったとしても、本件変更等の内容を全体としてみれば、第1審被告が追求する、一般消費者から信頼される公正な評点の算出により近づくことを目指したものといえ、このことを踏まえれば、評点の下落による不利益が合理的であると認められる範囲を 超えたものとまではいえない。 したがって、第1審原告の上記主張は採用することができない。 ⑸ 以上のとおりであるから、第1審被告は、第1審原告との関係において独禁法上の優越的地位にあり、その地位を利用して本件変更等による取引の相手方に不利益となるように取引を実施したものであることが認められるが、本件変更等は「正常な商慣習に照らして不当に」行われたものであるとまでは認められない。 5 小括前記3及び4で判断したとおり、本件変更等は、「取引条件等の差別取扱い」(独禁法2条9項6号イ、一般指定4項)にも「優越的地位の濫用」(同法2条9項5号ハ)にも当たるとは認められないから、第1審被告に独禁法違反行為を認めることはできない。 そうである以上、第1審原告の独禁法24条に基づく差止請求及び独禁法違反行為を理由とする不法行為に基づく損害賠償請求は、その余の点を判断するまでもなく、いずれも理由がない。 6 争点5-1(第1審原告は、食べログ上の評点を下げられることになる本件アルゴリズムの変更がされないことについて、権利又は法律上保護される利益を有するか)(独禁法違反行為以外を理由 由がない。 6 争点5-1(第1審原告は、食べログ上の評点を下げられることになる本件アルゴリズムの変更がされないことについて、権利又は法律上保護される利益を有するか)(独禁法違反行為以外を理由とする不法行為に基づく損害賠償請求に関する争点)について⑴ 第1審原告は、第1審被告による本件変更等が独禁法違反行為とは認められないとしても、第1審原告に対する不法行為が認められると主張するが、前記2で判断したとおり、第1審原告は、食べログにおける店舗会員制度において、本件規約に基づき有料店舗会員としての地位を有するものではあるが、同地位に基づいて、食べログ上の本件21店舗に付された評点、すなわちその算出方法としての本件アルゴリズムの変更について、何らかの権利又は法律上保護される利益を有するものであるとは認められない。したがって、 第1審被告により第1審原告の運営する飲食店の評点を下落させることになる本件アルゴリズムの変更(本件変更等)がなされたとしても、このことから直ちに、第1審原告に対する不法行為を構成するものとはいえない。 ⑵ この点について第1審原告は、第1審被告は多大な影響力を有する社会的に定評のある「格付け提供事業者」であるから、このような地位に基づいて、評点を付した飲食店に対し、その評点を下げる結果となる不合理な本件アルゴリズムの変更をしてはならない法的義務があると主張する。 しかしながら、第1審被告が食べログ上に掲載している評点は、第1審被告が独自に各飲食店を実際に訪れて提供される飲食物の味やサービス、外観及び内装の状況等を調査した上で算出されたものではなく、あくまで投稿者からの口コミを基にしつつも、それのみでは点数に偏りが生じ、一般消費者の感覚とのずれが生ずることから、これを是正するために、合理性があると 状況等を調査した上で算出されたものではなく、あくまで投稿者からの口コミを基にしつつも、それのみでは点数に偏りが生じ、一般消費者の感覚とのずれが生ずることから、これを是正するために、合理性があると認められる基準を内容とする本件アルゴリズムを適用して算出されるものであることに照らせば、第1審被告が以上のような仕組みによって算出された飲食店の評点を食べログ上に掲載していることをもって、各飲食店の格付けを行っているものであるとはいえない。そうすると、たとえ第1審被告が飲食店に関する口コミサイトの市場で有力な地位を占めており、消費者に対する影響力が相応に認められるといえるとしても、「格付け提供事業者」としての地位を有しているものとはいえないから、その意味において第1審原告の主張は理由がない。 ⑶ なお、事案に鑑みて補足するに、以上に認められる事実関係によれば、第1審被告は、本件アルゴリズムについて、食べログ上の評点と一般消費者である食べログ利用者の感覚との間に不相当なずれが生じないように常に点検し、問題が認められた場合には、食べログを運営する事業者として、その意思のみに基づいて、その問題をできる限り是正するために必要かつ相当な本件アルゴリズムの変更を行うことができる地位を有するもので、前記3⑷イ でみたとおり、口コミを基にしつつ本件アルゴリズムを適用して算出された評点を食べログ上に掲載して、一般消費者である食べログ利用者に対して情報の提供をしているものである。そうすると、このようにして、第1審被告により、一度でも、食べログ上に自己の経営する飲食店に関する評点を掲載された事業者は、店舗会員であると否とにかかわらず、当該評点が当該飲食店の事業収益に一定程度影響することがあるという観点から、当該評点についての一定の利害関係を有するもの る飲食店に関する評点を掲載された事業者は、店舗会員であると否とにかかわらず、当該評点が当該飲食店の事業収益に一定程度影響することがあるという観点から、当該評点についての一定の利害関係を有するものであるということができ、食べログ上に掲載されている評点が、社会的にみて一般消費者の来店行動に与える影響が直接的で大きいものであると認め得る場合においては、このような評点に関する一定の利害関係の取得をもって、当該飲食店において、法的保護に値する利益を有すると認められる余地がある(なお、この利益は食べログ上に掲載された評点について認められるもので、本件で第1審原告が主張する本件アルゴリズムを不利益に変更されないことについての利益ではない。)。そして、そのような場合において、第1審被告による本件アルゴリズムの変更が不当な目的の下に行われ(例えば、特定の飲食店と意思を通じて、当該飲食店と競業関係にある飲食店の評点を低下させる目的で行われるなど、当該飲食店の営業を妨げる目的でされたなど)、あるいはその目的が、食べログ上の評点について一般消費者との感覚のずれを是正するという目的の下で行われたときであっても、その目的との関係で必要かつ合理的とはいえない内容で本件アルゴリズムの変更が行われた結果、特定の飲食店の評点が顕著に下落し、このようにして下落した評点が食べログ上に掲載されたという場合には、上記法的保護に値する利益を侵害するものといえる。もっとも、以上のような解釈を前提としたとしても、本件において、第1審原告は、第1審被告が不当に下落した評点を食べログ上に掲載した行為自体を不法行為として損害賠償を請求するものではなく、上記法的保護に値する利益を有するともいえないし、本件変更等の目的が正当性を欠くとか、そのために必要かつ合理的 とはいえない内 した行為自体を不法行為として損害賠償を請求するものではなく、上記法的保護に値する利益を有するともいえないし、本件変更等の目的が正当性を欠くとか、そのために必要かつ合理的 とはいえない内容で本件アルゴリズムが変更されたものであるとは認められないから、第1審被告による下落した評点の食べログ上への掲載が違法であるとは認められず、いずれにしても、第1審原告の不法行為に基づく損害賠償請求は認められない。 ⑷ 以上のとおりであるから、第1審原告の独禁法違反行為以外を理由とする不法行為に基づく損害賠償請求は、その余の点を判断するまでもなく理由がない。 7 争点5-2(第1審被告は、第1審原告に対し、チェーン店のみの評点を下げられることになる本件アルゴリズムの変更をしてはならない契約上の義務を負っているか)(債務不履行に基づく損害賠償請求に関する争点)について前記6でみたとおり、第1審原告が、本件規約に基づく有料店舗会員契約において、本件アルゴリズムの変更について何らかの権利を有するものとは認められないし、有料店舗会員であることを理由として、無料店舗会員や非店舗会員その他の飲食店と異なり、本件アルゴリズムの変更において評点の低下を生ずるような不利益な扱いを受けない法的地位を保証されているとは認められない。むしろ、前記2でみたとおり、食べログ上の評点が、一般消費者からの口コミを基にして算出されるものであるという食べログがうたっている建前に反して、評価の対象である飲食店自らが、評点の算出に適用される本件アルゴリズムの変更に関与することができる地位を有するものとすることは、評点の性質等に照らして認められないものであって、上記の有料店舗会員契約上の義務又はその点に関する付随義務が認められるとの第1審原告の主張は 更に関与することができる地位を有するものとすることは、評点の性質等に照らして認められないものであって、上記の有料店舗会員契約上の義務又はその点に関する付随義務が認められるとの第1審原告の主張は採用できるものではない。 そうである以上、第1審原告の債務不履行による損害賠償請求は、その余の点を判断するまでもなく理由がない。 8 争点6(第1審被告は、第1審原告に対し、有料店舗会員である第1審原告の運営する飲食店の評点が下がることになる本件アルゴリズムを変更する場合 においては、その事実を事前に公表し、又は有料店舗会員に対して通知し、その損害の回避措置又は軽減措置をとり得るよう配慮すべき契約上又は信義則上の義務を負っているか)について⑴ 第1審原告は、前記第6の6(第1審原告の主張)に記載のとおり主張する。 しかしながら、そもそも第1審原告が上記のとおり主張する第1審被告の配慮義務違反(具体的には事前公表義務及び通知義務違反)とその主張に係る損害の発生との間には相当因果関係があるとは認められないから(第1審被告が同義務を履行しなかったことによって、同損害が発生したとは認め難い。)、その意味において第1審原告の上記主張は採用できない。 ⑵ この点をおくとしても、有料店舗会員契約上、第1審被告が上記義務を負うべき根拠は見出し難い上、第1審原告の主張から明らかなように、第1審原告が求める本件アルゴリズムの変更の事実及びその変更内容の事前の公表及び通知は、同変更の結果として生ずる評点の下落による不利益の発生を防止するための機会を与えてもらうことを目的とするものであるから、一般消費者である食べログ利用者の立場から見ると、第1審被告と食べログ上に掲載されて評点を付されている飲食店との間で、評点について、口コミを るための機会を与えてもらうことを目的とするものであるから、一般消費者である食べログ利用者の立場から見ると、第1審被告と食べログ上に掲載されて評点を付されている飲食店との間で、評点について、口コミを基に算出しているとうたっていながら、実際には、本件アルゴリズムの変更を通じて、第1審被告が、飲食店との間で、当該飲食店の評点が下落しないような関係を構築しているものと受け止められかねないものである。そして、このような事態は、食べログ利用者から、食べログは、飲食店の営業上の利益を上げるために、実態とは異なる評点を掲載しているとの印象を持たれることにつながるのであって、口コミを基にして算出される評点であることをセールスポイントとしている食べログにとって、評点の信用性を損なうおそれがあるものであるから、このように食べログを運営する第1審被告にとって致命的な結果が生ずるおそれを生じさせるような義務を有料店舗会員との間 において有料店舗会員契約上の付随義務又は信義則上の義務として第1審被告に負わせることはできないというべきである(なお、一般消費者である食べログ利用者との関係においては、本件アルゴリズムの内容を変更する場合に、その変更の目的及びその内容を必要かつ相当な範囲で公開することは、評点の信頼性をより高めることになる場合があると思われるが、そのことが本件における上記判断に影響するものではない。)。 ⑶ したがって、この点に関する第1審原告の主張も採用することができない。 9 小括前記6から8までで判断したとおり、独禁法違反行為以外を理由とする不法行為及び債務不履行に基づく各損害賠償請求は、その余の点を判断するまでもなく、いずれも理由がない。 結論 以上によれば、第1審原告の各請求(当審で追加された選択的請求を含 由とする不法行為及び債務不履行に基づく各損害賠償請求は、その余の点を判断するまでもなく、いずれも理由がない。 結論 以上によれば、第1審原告の各請求(当審で追加された選択的請求を含む。)はいずれも理由がないから、これを棄却すべきところ、これと異なり、独禁法違反行為を理由とする不法行為に基づく損害賠償請求を一部認容した原判決は、その点において失当である。 よって、第1審被告の控訴は理由があるが、第1審原告の控訴は理由がなく、当審で追加された債務不履行に基づく損害賠償請求については棄却することとして、主文のとおり判決する。 東京高等裁判所第5民事部 裁判長裁判官木納敏和 裁判官真辺朋子 裁判官森剛 (別紙の掲載省略)

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