昭和58(行ウ)2 裁決無効確認請求事件

裁判年月日・裁判所
昭和59年1月30日 名古屋地方裁判所 警察関係
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【DRY-RUN】○ 主文 一 原告の請求を棄却する。 二 訴訟費用は原告の負担とする。 ○ 事実 第一 当事者の求めた裁判 (原告) 原告が昭和五七年八月二八日提出した審査請求に対し、被告が同年一二月一三日付 でなし

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判決文本文3,805 文字)

○ 主文一原告の請求を棄却する。 二訴訟費用は原告の負担とする。 ○ 事実第一当事者の求めた裁判(原告)原告が昭和五七年八月二八日提出した審査請求に対し、被告が同年一二月一三日付でなした裁決(以下「本件裁決」という。)は無効であることを確認する。 (被告)主文一、二項と同旨第二当事者の主張(原告の請求原因)一原告は、昭和五七年八月二八日、被告に対し、名古屋市建築主事Aが同年三月一日付をもつて、建築主Bのなした建築工事の確認申請に対し確認の通知をした(以下、「本件確認処分」という。)ことは違法であるから、該処分を取消す旨の審査請求(以下、「本件審査請求」という。)をしたところ、被告は、同年一二月一三日付をもつて「本件請求を却下する。」旨の本件裁決をなした。 二しかし、本件裁決は、次の理由により無効である。 1 建築基準法九四条二項には、「建築審査会は、前項の規定による審隻請求を受理した場合においては、審査請求を受理した日から一月以内に裁決をしなければならない。」と規定され、同条三項には、「建築審査会は、前項の裁決を行う場合においては、あらかじめ、審査請求人、特定行政庁、建築監視員その他の関係人又はこれらの者の代理人の出頭を求めて、公開による口頭審理を行わなければならない。」と規定されている。 2 右各規定は、建築行政の迅速と公正を目的として制定されたものと解せられるから、建築審査会の自由裁量によつて無視または除外することはできないと解するのが相当である。 3 しかるに、被告は、審査請宋書を受理した日から三か月半経過した後、右公開による口頭審理を経ることなく突然本件裁決をなした。 4 したがつて、本件裁決は、前記法条を無視した裁決であるから無効である。 三よつて、被告に対し、本件裁決の無効確認を求める。 (請求原因に対する による口頭審理を経ることなく突然本件裁決をなした。 4 したがつて、本件裁決は、前記法条を無視した裁決であるから無効である。 三よつて、被告に対し、本件裁決の無効確認を求める。 (請求原因に対する被告の認否)一請求原因一項の事実は認める。 二同二項中、建築基準法九四条二項、三項に原告主張のとおり規定されていること、同法同条同項の各規定の趣旨が原告主張のとおりであること、被告が原告の審査請求を受理した三か月半後に公開による口頭審理を経ることなく本件裁決をなしたことは認めるが、その余は争う。 (被告の主張)一建築基準法九四条二項には、「審査請求を受理した日から一月以内に裁決をしなければならない。 」旨規定されているが、右規定は訓示規定であるから、仮に建築審査会の裁決が右規定に違反しても、違法となるものではない。 してみると、右規定に反してなされた本件裁決は違法ではないというべきである。 ニ1行政不服審査法一四条一項は、「審査請求は、処分があつたことを知つた日の翌日から起算して六〇日以内にしなければならない。」と規定しているところ、原告が本件確認処分のあつたことを知つたのは遅くとも昭和五七年四月二二日であり、また原告が審査請求をしたのは同年八月二八日であるから、原告の本件審査請求は前記処分があつたことを知つた日の翌日から六〇日以内という審査請求期間を徒過してなされたものであることが明らかである。しかも、右期間内に審査請求をしなかつたことについて、天災その他やむをえない理由も存在しない。 2 二本明が建築確認処分を受けた建物については、昭和五七年八月二八日の時点において、おおむね完成していたものであり、また本件裁決時においては既に完成していた。 3 したかつて、以上の理由により、本件審査請求は、その利益を欠いていたから、本案について判断する 二八日の時点において、おおむね完成していたものであり、また本件裁決時においては既に完成していた。 3 したかつて、以上の理由により、本件審査請求は、その利益を欠いていたから、本案について判断するまでもなく不適法なものであつた。 そして、審査請求が不適法なものであつて、補正できないことが明白である場合には、口頭審理を経ることなく、審査請求を却下できるものである。 してみると、本件裁決は適法である第三証拠(省略)○ 理由一名古屋市建築主事Aが昭和五七年三月一日付で本件確認処分をなしたこと、原告が同年八月二八日、本件確認処分の取消を求めて被告に本件審査請求をなしたこと、これに対し、被告が同年一二月一三日付で本件審査請求を却下する旨の本件裁決をなしたことはいずれも当事者間に争いがない。 二原告は、本件裁決が(1)建築基準法九四条二項所定の「一月」以内になされず、(2)同法同条三項所定の「公開による口頭審理」を経なかつたから、無効である旨主張するので、以下検討する。 1 (1)について被告が原告からの審査請求書を受理した日から一か月以内に裁決をせず、三か月半後に裁決をしたことは当事者間に争いがない。 しかし、建築基準法九四条二項所定の「審査請求を受理した場合においては、審査請求を受理した日から一月以内に裁決をしなければならない」旨の規定は、効力規定ではなく訓示規定であると解するのが相当であるから、本件裁決が右期間内になされなかつたことは、本件裁決を無効とするものではをい。 したがつて、本件裁決が右期間内になされなかつたから無効である旨の原告の主張は理由がない。 2 (2)について被告が本件裁決をなすに当つて、公開による口頭審理を経なかつたことは当事者間に争いがない。 ところで、建築基準法九四条三項には原告主張のとおり口頭審理の手続が規定さ は理由がない。 2 (2)について被告が本件裁決をなすに当つて、公開による口頭審理を経なかつたことは当事者間に争いがない。 ところで、建築基準法九四条三項には原告主張のとおり口頭審理の手続が規定されており、右規定に照らすと、建築審査会は、審査請求を受理した以上、いかなる場合でも公開による口頭審理を経由しなければならないと解すべきであるかのようであるが、前同条同項において公開による口頭審という厳格な手続を採用したのは、審査請求の理由の有無を判断するに当つて、その審査手続の適正と当事者の権利利益の保護を図つたものと解されるから、審査請求が法定の期間経過後になされたものであるとき等不適法なしのであつて、その補正のできないことが明らかな場合には、公開による口頭審理という厳格な手続を経ることなく、審査請求を却下できると解するのが相当である。 そこで、本件審査請求が審査請求期間内になされたか否かについて審究するに、いずれも成立につき争いのない乙二ないし四号証によれば、原告所有の名古屋市<地名略>の土地は、Bの居住する同所<地名略>の土地の北側に隣接していること、Bは、昭和五七年三月八〇ごろ、有同番の二の土地上に存する一階建建物を解体し、同所に二階建建物(以下「本件建物」という。)の建築を始めたので、原告はそのころ本件建物によつて日照を妨害されるとして、右Bに対し、右建物の建築工事禁止の仮処分申請(名古屋地方裁判所昭和五七年(ヨ)第三八六号)をしたことそしてその審理の際に原告が提出した準備書面中には、本件建物に対して本件確認処分がなされていることを前提とする記載があり、またBから出された準備書面中には本件建物に対して本件確認処分がなされたことが明確に主張されていること、右仮処分事件は昭和五七年四月二二日に決定されたことが認められ、これに反する 証拠 る記載があり、またBから出された準備書面中には本件建物に対して本件確認処分がなされたことが明確に主張されていること、右仮処分事件は昭和五七年四月二二日に決定されたことが認められ、これに反する証拠はない。以上の事実によれば、原告は遅くとも右仮処分決定がなされた昭和五七年四月二二日までには、本件建物に対し本件確認処分がなされたことを知つたものと推認することができる。 また原告が本件審査請求をしたのが昭和五七年八月二八日であることは前記のとおり当事者間に争いがない。 したがつて、以上によれば、原告は、本件確認処分がなされたことを知つた日の翌日から六〇日以内に本件審査請求をしなかつたことが明らかであり、しかも右期間内に審査請求をしなかつたことについて天災その他審査請求をしなかつたことについてやむをえない理由があつたとは認められないから、原告の本件審査請求は、行政不服審査法一四条一項に違反し不適法であり、かかる違法は補正のできないことが明らかである。 そして、本件審査請求にかかる違法か存する以上、前記のとおり、被告は、公開による口頭審理を経ることなく、本件審査請求を却下できると解すべきであるから、被告がなした本件裁決には前同条同項の規定に何ら違反するものでないことは明らかである。 してみると、本件裁決が公開による口頭審理を経由しなかつたから無効である旨の原告の主張は理由がない。 三以上によれば、原告の本訴請求は理由がないから棄却することとし、訴訟費用の負担については民訴法八九条、行訴法七条を適用して主文のとおり判決する。 (裁判官加藤義則澤田経夫綿引穣) 引穣)

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