令和5年(ネ)第914号建物明渡等・損害賠償反訴請求控訴事件令和6年6月5日大阪高等裁判所第10民事部判決 主文 1 控訴人TCM及び同ホテルの本件各控訴に基づき、原判決主文第1項(5)及び(6)中、控訴人TCM及び同ホテルに関する部分を次のとおり変更する。 (1) 控訴人TCMは、被控訴人に対し、控訴人ホテル開発及び同ホテルと連帯して8億0160万7663円及びうち7億7618万3378円に対する令和4年12月27日から支払済みまで年3%の割合による金員を支払え。 (2) 控訴人TCMは、被控訴人に対し、控訴人ホテル開発及び同ホテルと連帯して令和4年12月1日から原判決別紙賃貸借占有部分目録記載2の部分の明渡済みまで1か月当たり2556万8650円を支払え。 (3) 控訴人ホテルは、被控訴人に対し、控訴人ホテル開発及び同TCMと連帯して8億0160万7663円及びうち7億7618万3378円に対する令和4年12月27日から支払済みまで年3%の割合による金員を支払え。 (4) 控訴人ホテルは、被控訴人に対し、控訴人ホテル開発及び同TCMと連帯して令和4年12月1日から原判決別紙賃貸借占有部分目録記載2の部分の明渡済みまで1か月当たり2556万8650円を支払え。 (5) 被控訴人の控訴人TCM及び同ホテルに対するその余の請求をいずれも棄却する。 2 控訴人TCM及び同ホテルのその余の本件各控訴をいずれも棄却する。 3 控訴人ホテル開発及び同Aの本件各控訴をいずれも棄却する。 4 訴訟費用は、被控訴人と控訴人TCMとの関係では、第1、2審(第1事件本訴)を通じてこれを11分し、その3を被控訴人の負担とし、その余を同控訴人の負担とし、被控訴人と控訴人ホテルとの関係では、 4 訴訟費用は、被控訴人と控訴人TCMとの関係では、第1、2審(第1事件本訴)を通じてこれを11分し、その3を被控訴人の負担とし、その余を同控訴人の負担とし、被控訴人と控訴人ホテルとの関係では、第1、2審(第1事件本訴及び第2事件)とも同控訴人の負担とし、被控訴人と控訴人ホテル開発及び 同Aとの関係では、控訴費用を上記控訴人らの負担とする。 5 この判決は、第1項(1)から(4)までに限り、仮に執行することができる。 事実及び理由 第1 控訴の趣旨 1 控訴人ホテル開発、同ホテル及び同A(以下「控訴人ホテル開発ら」という。)の控訴(1) 原判決中、控訴人ホテル開発らに関する各敗訴部分を取り消す。 (2) 上記取消部分に係る被控訴人の控訴人ホテル開発らに対する請求をいずれも棄却する。 (3) 被控訴人は、控訴人ホテル開発に対し、7000万円及びこれに対する令和3年2月19日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 2 控訴人TCMの控訴(1) 原判決中、控訴人TCMに関する部分を取り消す。 (2) 被控訴人の控訴人TCMに対する請求をいずれも棄却する。 第2 事案の概要(以下、略称は、原判決の表記に従う。) 1 本件建物全体の所有者である被控訴人は、控訴人ホテル開発に対し、本件建物のうち7階から9階までと10階から17階までの各専有部分である本物件1及び本物件2(本件賃貸借部分)についてホテル経営を目的として賃貸した。 控訴人Aは、控訴人ホテル開発の債務を連帯保証した(本件保証契約)。控訴人ホテル開発は、被控訴人の承諾を得て、本件賃貸借部分のうち本物件2を控訴人TCMに転貸し、控訴人TCMは、本物件2を控訴人ホテルに再転貸した。 また、被控訴人は、本件建物のうち、ホテルの運営や開業 ホテル開発は、被控訴人の承諾を得て、本件賃貸借部分のうち本物件2を控訴人TCMに転貸し、控訴人TCMは、本物件2を控訴人ホテルに再転貸した。 また、被控訴人は、本件建物のうち、ホテルの運営や開業準備に必要となる共用部分(行政財産)である本物件3及び本物件4(本件各使用許可部分)について、本物件3については控訴人ホテル開発に対し、本物件4については控訴人ホテルに対し、それぞれ地方自治法238条の4第7項に基づく行政財産目的外使用許可をした(本件各使用許可)。 (1) 第1事件ア本訴請求被控訴人は、本件賃貸借部分(本物件1及び本物件2)に関し、控訴人らに対し、以下のとおり請求する。 ① 本件賃貸借部分の明渡請求被控訴人は、令和2年7月31日(以下「本件解除日」という。)、控訴人ホテル開発との間の賃貸借契約(本件賃貸借契約)を賃料不払により解除した(以下「本件解除」といい、原判決引用部分の「本件賃貸借契約の解除」をいずれも「本件解除」と改める。)と主張して、本件賃貸借部分のうち、本物件1については、直接占有者である控訴人ホテル開発に対し、本物件2については、直接占有者である控訴人ホテル並びに間接占有者である控訴人ホテル開発及び同TCM(以下、これらを総称して「控訴人会社ら」という。)に対し、それぞれ所有権に基づく返還請求権としての明渡しを求める。 ② 滞納賃料等・約定違約金の請求被控訴人は、控訴人ホテル開発に対しては、本件賃貸借契約及び本物件3の使用許可処分に基づき、控訴人Aに対しては、本件保証契約に基づき、Ⓐ本件解除日(令和2年7月31日)までの滞納賃料と滞納管理費等(本物件3に係る滞納管理費等の一部を含む。合計3億2622万3484円。以下、前記滞納賃料と併せて「本件解除日までの滞納賃料等」とい Ⓐ本件解除日(令和2年7月31日)までの滞納賃料と滞納管理費等(本物件3に係る滞納管理費等の一部を含む。合計3億2622万3484円。以下、前記滞納賃料と併せて「本件解除日までの滞納賃料等」という。)及びこれらについての各納期限の翌日から原審口頭弁論終結日(令和4年12月26日)までの確定遅延損害金に加え、令和元年10月分の賃料の支払が遅れたことに対する遅延損害金の合計3億6496万5929円並びにうち本件解除日までの滞納賃料等に対する前記終結日の翌日(令和4年12月27日)から支払済みまで民法所定の年3%の割合による遅延損害金の連帯支払を求め、Ⓑ本件賃貸借契約が 賃料不払を理由に解除された場合の約定の違約金として賃料3か月分相当額である1億0545万7260円及びこれに対する本件解除日の翌日(令和2年8月1日)から支払済みまで民法所定の年3%の割合による遅延損害金の連帯支払を求める。 ③ 賃料相当損害金等の請求被控訴人は、控訴人会社らが共同して本件賃貸借部分を不法に占有することにより被控訴人の所有権を侵害していると主張して、控訴人ホテル開発が、本件賃貸借契約の終了時までに、本件賃貸借部分を明け渡さないときは、賃料の2倍相当額及び明渡しを遅延したことにより被控訴人が被った損害を賠償する旨約していることを根拠に、控訴人ホテル開発に対しては本件賃貸借契約又は不法行為に基づき(選択的併合)、控訴人Aに対しては本件保証契約に基づき、控訴人TCM及び同ホテルに対しては、控訴人ホテル開発との共同不法行為(民法719条1項)に基づき、Ⓐ本件解除日の翌日(令和2年8月1日)から令和4年11月30日までの賃料相当損害金等(賃料の2倍相当額及び管理費等相当額)及びこれについての各納期限の翌日から原審口頭弁論終結日(令和4年12月26 本件解除日の翌日(令和2年8月1日)から令和4年11月30日までの賃料相当損害金等(賃料の2倍相当額及び管理費等相当額)及びこれについての各納期限の翌日から原審口頭弁論終結日(令和4年12月26日)までの確定遅延損害金の合計20億9591万6406円並びにうち20億2880万9865円に対する令和4年12月27日から支払済みまで民法所定の年3%の割合による遅延損害金の連帯支払を求め、Ⓑ令和4年12月1日から本件賃貸借部分の明渡済みまで、賃料相当損害金(賃料の2倍相当額)として1か月当たり7030万4840円の連帯支払を求める。 イ反訴請求控訴人ホテル開発は、被控訴人が、本件賃貸借契約に基づき、走行時に著しい騒音を発生させている本件建物内のエレベーターの騒音を下げるために必要な改修工事を実施する義務を怠り、また、本件賃貸借部分には ホテルとしての遮音性能を満たさない瑕疵があるのに、被控訴人は、信義則上その騒音について控訴人ホテル開発に告知する義務を怠ったなどと主張して、被控訴人に対し、主位的に債務不履行責任に基づき、予備的に瑕疵担保責任(平成29年法律第44号による改正前の民法(改正前民法)559条、570条、566条1項)又は不法行為(民法709条)に基づき、損害賠償請求として、防音工事費用と工事期間中の休業損害の合計36億4227万0280円と、被控訴人に対する未払の賃料等合計4億8893万8230円とを対当額で相殺した後の残額31億5333万2050円の一部である7000万円及びこれに対する反訴状送達日の翌日(令和3年2月19日)から支払済みまで改正前民法所定の年5%の割合による遅延損害金の支払を求める。 (2) 第2事件被控訴人は、本件各使用許可部分(本物件3及び本物件4)に関し、控訴人ホテル開発及 年2月19日)から支払済みまで改正前民法所定の年5%の割合による遅延損害金の支払を求める。 (2) 第2事件被控訴人は、本件各使用許可部分(本物件3及び本物件4)に関し、控訴人ホテル開発及び同ホテルに対し、以下のとおり請求する。 ① 本件各使用許可部分の明渡請求被控訴人は、令和2年9月14日、控訴人ホテル開発及び同ホテルが、使用料等を滞納したことなどから本件各使用許可を取り消したと主張して、本件建物の所有権に基づき、控訴人ホテル開発に対しては本物件3の明渡しを、控訴人ホテルに対しては本物件4の明渡しをそれぞれ求める。 ② 滞納使用料の請求被控訴人は、本件各使用許可に基づき、Ⓐ控訴人ホテル開発に対し、令和2年5月分から同年9月分までの滞納使用料合計283万4750円及び上記各月分につき56万5000円に対する各納期限の翌日から支払済みまで原判決別表の番号①から同⑤までの各期間ごとの利率による遅延損害金の支払を求め、Ⓑ控訴人ホテルに対し、令和2年5月分から同年9月分までの滞納使用料合計366万2530円及び上記各月分につ き73万円に対する各納期限の翌日から支払済みまで原判決別表の番号①から同⑤までの各期間ごとの利率による遅延損害金の支払を求める。 ③ 本物件3の使用料及び管理費等相当損害金の請求被控訴人は、控訴人ホテル開発に対し、本物件3について、不法行為に基づき、Ⓐ本件各使用許可の取消後、原審口頭弁論終結日(令和4年12月26日)までに納期限が到来する令和2年10月分から令和4年11月分までの使用料相当損害金及び令和2年11月分から令和4年10月分までの管理費等相当損害金並びにこれらについての各納期限の翌日から原審口頭弁論終結日までの確定遅延損害金の合計1567万4135円並びにうち1520万760 及び令和2年11月分から令和4年10月分までの管理費等相当損害金並びにこれらについての各納期限の翌日から原審口頭弁論終結日までの確定遅延損害金の合計1567万4135円並びにうち1520万7603円に対する前記終結日の翌日(令和4年12月27日)から支払済みまで民法所定の年3%の割合による遅延損害金の支払を求め、令和4年12月1日から本物件3の明渡済みまでの使用料相当損害金として、Ⓑ令和5年3月31日までは1か月当たり59万3588円の支払を、Ⓒ同年4月1日以降は大阪府公有財産規則(本件公有財産規則)17条及び26条によって定まる損害金の支払を求める。 ④ 本物件4の使用料相当損害金の請求被控訴人は、控訴人ホテルに対し、本物件4について、不法行為に基づき、Ⓐ本件各使用許可の取消後、原審口頭弁論終結日(令和4年12月26日)までに納期限が到来する令和2年10月分から令和4年11月分までの使用料相当損害金及びこれについての各納期限の翌日から原審口頭弁論終結日までの確定遅延損害金の合計1988万7838円並びにうち1929万4870円に対する前記終結日の翌日(令和4年12月27日)から支払済みまで民法所定の年3%の割合による遅延損害金の支払を求め、令和4年12月1日から本物件4の明渡済みまでの使用料相当損害金として、Ⓑ令和5年3月31日までは1か月当たり76万6919円の支払を、Ⓒ同年4月1日以降は本件公有財産規則17条及び26条によっ て定まる損害金の支払を求める。 ⑤ 本物件3の使用料に係る遅延損害金の請求被控訴人は、控訴人ホテル開発が、本物件3の令和2年2月分及び同年3月分の使用料を各納期限に遅れて支払ったとして、控訴人ホテル開発に対し、本物件3の使用許可処分に基づき、上記使用料に対する各納期限の翌日から各支 訴人ホテル開発が、本物件3の令和2年2月分及び同年3月分の使用料を各納期限に遅れて支払ったとして、控訴人ホテル開発に対し、本物件3の使用許可処分に基づき、上記使用料に対する各納期限の翌日から各支払日までの遅延損害金合計1万3300円の支払を求める。 2 原審は、第2事件に係る被控訴人の訴えのうち、本件各使用許可部分についての令和5年4月1日以降の使用料相当損害金の支払を求める部分(前記1(2)③及び④の各Ⓒ)を却下し、第1事件に係る被控訴人の控訴人Aに対する本件解除日までの滞納管理費等の請求(前記1(1)ア②のⒶ)のうち、本物件3に係る滞納管理費等及びその遅延損害金の支払を求める部分を棄却し、第1事件のその余の本訴請求及び第2事件のその余の請求をいずれも認容し、控訴人ホテル開発の第1事件の反訴請求をいずれも棄却する旨の判決をした。 そこで、控訴人ホテル開発らは、原判決中、各敗訴部分を不服として、また、控訴人TCMは、原判決を不服としてそれぞれ控訴した。 当審における審判の対象は、第1事件本訴請求(ただし、被控訴人の控訴人Aに対する滞納管理費等の請求(前記1(1)ア②のⒶ)のうち本物件3に係る滞納管理費等及びその遅延損害金の支払を求める部分を除く。)、同反訴請求及び第2事件請求(ただし、前記1(2)③及び④の各Ⓒを除く。)の当否である。 3 前提事実、本件の争点及びこれに関する当事者の主張は、次のとおり補正し、後記4のとおり当審における当事者の補充主張を加えるほかは、原判決の「事実及び理由」中の「第2 事案の概要等」の3から5までに記載のとおりであるから、これを引用する。 (1) 原判決12頁12行目以降の「西辻工務店」をいずれも「西辻󠄀工務店」と改める。 (2) 原判決12頁18行目の「C」の次に「(以下「C」という。)」を とおりであるから、これを引用する。 (1) 原判決12頁12行目以降の「西辻工務店」をいずれも「西辻󠄀工務店」と改める。 (2) 原判決12頁18行目の「C」の次に「(以下「C」という。)」を加え る。 (3) 原判決13頁初行の「被告」を「被控訴人」と改め、20行目の「株式会社」の次に「大阪」を加え、14頁21行目の「募集」の次の「)」を削り、23行目の「という。」を「といい、本件募集要項と併せて「本件募集要項等」という。」と改めた上で、原判決引用部分の「本件募集要項及び本件仕様書」をいずれも「本件募集要項等」と改める。 (4) 原判決15頁末行から16頁初行にかけての「大阪府」を「被控訴人」と、10行目の「上記イ」を「上記ウ」と、17頁15行目の「5月分」を「6月分」と、24行目の「照明等」を「照明灯」とそれぞれ改め、18頁20行目の「原状回復(」の次に「本件契約書」を加え、24行目の「使用方法を」を「使用方法に」と、25行目の「消耗」を「損耗」とそれぞれ改める。 (5) 原判決20頁10行目の「完了」を「終了」と、11行目の「毎月末日までに翌月分」を「毎月1日から5営業日後の日までに当月分」と、14行目から15行目にかけての「引渡しした」を「引き渡した」とそれぞれ改め、21行目末尾の次に「。」を加える。 (6) 原判決21頁11行目から12行目にかけての「引渡しした」を「引き渡した」と、22行目の「第12条」を「第15条」とそれぞれ改め、24行目の「順調でない」の次の「と」を削り、25行目から末行にかけての「無催告解除できる」の次に「(第15条1項7号及び9号)」を加える。 (7) 原判決21頁末行末尾に行を改めて次のとおり加える。 「控訴人TCMの責めに帰すべき事由によらずして、控訴人TCMが本件賃貸借部分 できる」の次に「(第15条1項7号及び9号)」を加える。 (7) 原判決21頁末行末尾に行を改めて次のとおり加える。 「控訴人TCMの責めに帰すべき事由によらずして、控訴人TCMが本件賃貸借部分を賃借し控訴人ホテルに賃貸する権原を控訴人ホテル開発又は被控訴人に対抗できなくなった場合には、控訴人TCMは、控訴人ホテルに対する本件再転貸借契約に基づく責任を負うことなく、本件再転貸借契約は終了するものとする(第15条5項)。」(8) 原判決23頁7行目の「本物件2」を「10階から17階までの本物件2」 と、同行の「本件ホテルは」を「控訴人ホテルは」と、9行目の「同年」を「令和元年」とそれぞれ改め、10行目の「各フロアを」の次に「本件ホテルとして」を、11行目の「13、」の次に「14、15、」をそれぞれ加え、18行目の「ホテル」を「本件ホテル」と改める。 (9) 原判決24頁16行目の「本物件3」の次に「(ただし、本物件3のうち、17階の共用部(屋外機置場)0.32㎡(甲38)を除く。)」を加える。 (10) 原判決25頁7行目の「4月から」の次に「令和元年」を加え、21行目の「28日」を「27日」と、25行目の「管理料等」を「管理費等」とそれぞれ改め、末行の「原告に対し、」の次に「本件各使用許可部分について、」を、26頁初行から2行目にかけての「支払わなかった」の次に「(ただし、本物件3のうち、17階の共用部(屋外機置場)0.32㎡(甲38)に係る使用料1650円は、支払済みである。甲53)」をそれぞれ加える。 (11) 原判決26頁21行目の「賃料等」を「賃料及び管理費等」と、末行から27頁初行にかけての「賃料等」を「賃料」とそれぞれ改め、2行目の「令和2年4月分」の次に「(納期限同年6月30日)」を、9行目の「13条」の 21行目の「賃料等」を「賃料及び管理費等」と、末行から27頁初行にかけての「賃料等」を「賃料」とそれぞれ改め、2行目の「令和2年4月分」の次に「(納期限同年6月30日)」を、9行目の「13条」の次に「1項」を、16行目の「7」の次に「日」を、20行目の「取り消し(」の次に「ただし、本物件3のうち、17階の共用部(屋外機置場)0. 32㎡に関する使用許可は、本件解除を理由に取り消した(甲68)。」をそれぞれ加える。 (12) 原判決28頁23行目の「原告ホテル開発」を「控訴人ホテル開発及び同ホテル」と改め、24行目の「不許可処分」の次に「(以下「本件各取消処分等」という。)」を加え、29頁7行目の「取消処分」を「不許可処分」と改める。 (13) 原判決36頁2行目の「本件賃料支払等債務」を「本件賃料等支払債務」と、23行目の「上記(a)、(b)」を「上記a、b」とそれぞれ改める。 (14) 原判決37頁末行の「本件再転貸借契約」の次に「(以下「本件転貸借契 約等」という。)」を加え、原判決引用部分の「本件転貸借契約及び本件再転貸借契約」をいずれも「本件転貸借契約等」と改める。 (15) 原判決38頁14行目から15行目にかけての「本件転貸借契約及び本件転貸借契約」を「本件転貸借契約等」と改め、20行目の「本件再転貸借契約」の次に「(以下、これらを総称して「本件各契約」という。)」を、39頁5行目の「被告ホテル」の次に「の主張」をそれぞれ加え、10行目の「通り」を「とおり」と、21行目から22行目にかけての「被告ホテル開発」を「控訴人ホテル」とそれぞれ改める。 4 当審における当事者の補充主張(1) 争点1(本件損害賠償債務の有無)について(控訴人ホテル開発らの主張)ア改修工事実施義務違反被控訴人は、空室の 人ホテル」とそれぞれ改める。 4 当審における当事者の補充主張(1) 争点1(本件損害賠償債務の有無)について(控訴人ホテル開発らの主張)ア改修工事実施義務違反被控訴人は、空室のまま持て余していた本件賃貸借部分への入居促進を至上命題とし、ホテル誘致のために控訴人ホテル開発らを強力に勧誘し、そのためにホテルへの用途変更が認められるよう地区計画の条例改正を大阪市に要望するなど、異例の条件整備までしていたのであるから、本件賃貸借契約には、ホテルとして使用するのに支障がない建物を賃貸するという黙示の合意を含むものであって、支障がある場合には、被控訴人は、その支障をなくすよう改修工事を実施すべき義務を負っていた。 本件賃貸借部分には、本件エレベーターの走行音によりホテルの客室に求められる水準である35dBを大幅に上回る騒音が発生し続けており、これは、第三者であり、かつ実績のある専門機関である株式会社オーティーオー技術研究所の測定結果(乙49)から明らかであるにもかかわらず、被控訴人は、騒音対策のための改修をしないのであるから、被控訴人には、改修工事実施義務違反がある。 イ隠れた瑕疵 (ア) 平成30年1月26日に本件賃貸借部分について被控訴人とリコジャパンらとの間で定期建物賃貸借契約が締結されるまで、控訴人ホテル開発らは、本件エレベーターの走行音による騒音が発生する時間帯に本件賃貸借部分に立ち入る機会がなく、上記契約締結前に上記騒音があることについて被控訴人から知らされていなかったため、上記契約締結後に定期的に開催されていた連絡調整会議でも議題に上っていなかった。 しかし、その後、平成30年6月以前に上記騒音問題が判明し、同年7月20日、エレベーター管理会社である日立ビルシステムの調査結果が被控訴人に 催されていた連絡調整会議でも議題に上っていなかった。 しかし、その後、平成30年6月以前に上記騒音問題が判明し、同年7月20日、エレベーター管理会社である日立ビルシステムの調査結果が被控訴人に報告された。同年10月30日、控訴人ホテル開発らは、連絡調整会議において、本件エレベーターのガイドローラーを交換するなど、開業に間に合うように早急な対応を求めたのである。 (イ) 控訴人ホテル開発らと被控訴人との上記契約締結に向けた打合せは、控訴人ホテル開発らの事務所や大阪府咲洲庁舎等で行われたが、大阪府咲洲庁舎での打合せは、いずれも本件建物43階の総務部庁舎管理課で行われており、本件賃貸借部分には立ち入っていない。 本件エレベーターも、1階から乗ってそのまま43階に向かうので、本件賃貸借部分における騒音を感知できる状況にはないし、本件賃貸借部分に入ったこともあったが、昼間の時間帯であったため、上記騒音に気づけなかった。現地説明会の時間帯も昼間に指定されていた。 本件エレベーターの音が時間帯によって異なってくるとは誰も考えないであろうから、控訴人ホテル開発らは、本件エレベーターの走行音による騒音に気づく機会がなかった。もっとも、被控訴人は、上記騒音を知らなかったはずはないが、控訴人ホテル開発らは、被控訴人から本件エレベーターの走行音による騒音を指摘されたことは一切なかった。 (ウ) 以上のとおり、本件においては、民間企業間の平均的な賃貸借契約の締結状況とは異なり、上記の特殊状況の下では、控訴人ホテル開発らは、 本件賃貸借部分について、普通の注意を用いても、遮音性能を満たさない瑕疵を容易に発見できなかった。したがって、上記騒音は、隠れた瑕疵に該当するから、被控訴人は瑕疵担保責任を負う。 (被控訴人の主張)いずれも否認又 、普通の注意を用いても、遮音性能を満たさない瑕疵を容易に発見できなかった。したがって、上記騒音は、隠れた瑕疵に該当するから、被控訴人は瑕疵担保責任を負う。 (被控訴人の主張)いずれも否認又は争う。 ア本件賃貸借部分は、事務所としての基本的な仕様で賃貸され、事務所の状態の現状有姿で引き渡された上、入居希望者(賃借人)は、自らが望む用途での営業をするための改修工事等の費用を自ら負担することとされていたのであるから、これと異なる合意は、明示、黙示であるとを問わず、存在しない。 イ本件ホテル開業前である平成29年3月16日及び同年7月27日には、控訴人ホテル開発らが設計を依頼する有限会社キューブ建築研究所(以下「キューブ建築研究所」という。)が本件賃貸借部分の現場確認を行っているし(乙37)、控訴人ホテル開発の代表取締役である控訴人Aは、契約締結日までに15回、控訴人ホテルの代表取締役であるCは、契約締結日までに14回、本件建物を訪問したというのであるから(乙34)、本件エレベーターによる走行音を直接確認しようと思えば、いくらでも確認する機会はあったというべきである。 また、控訴人ホテル開発らが本件エレベーターの走行音について昼間の時間帯のため気付かなかったというのは、問題となる騒音が発生していないことを認めるものにほかならないし(夜間にしか分からない程度の音は、騒音とはいわない。)、現地説明会の開催時間帯についても、控訴人ホテル開発らの希望を聞いて確認した結果、午後4時から午後6時までという、エレベーターの稼働が頻繁な時間帯に設定された。 (2) 争点3(本物件2に係る控訴人TCMの間接占有の有無)について(控訴人TCMの主張) ア本件再転貸借契約の終了本件解除の有効性が当審でも争われ、原判決は確 定された。 (2) 争点3(本物件2に係る控訴人TCMの間接占有の有無)について(控訴人TCMの主張) ア本件再転貸借契約の終了本件解除の有効性が当審でも争われ、原判決は確定していないが、控訴人TCMは、遅くとも令和5年3月15日の時点で、原審の期日経過、原判決の内容、証拠関係及びそれを前提とした弁護士の見解に基づいて総合的に検討した結果、本件解除が有効であり、本件賃貸借部分を控訴人ホテルに賃貸する権原を被控訴人に対抗できなくなったことから、本件再転貸借契約は、同契約第15条5項により終了したと判断した。 イ本物件2に係る控訴人TCMの間接占有の消滅本物件2については、控訴人ホテル開発を本人とし、控訴人TCMを代理人とする間接占有(以下「第1占有」という。)、控訴人TCMを本人とし、控訴人ホテルを代理人とする間接占有(以下「第2占有」という。)及び控訴人ホテルの直接占有が成立している。 控訴人TCMは、同ホテルに対し、令和5年4月3日までに本物件2の明渡しを求めて控訴人ホテルに本物件2を占有させる意思を放棄しており、これにより第2占有は消滅した(民法204条1項1号)。控訴人ホテルは、同TCMが本物件2を明け渡すよう指示したにもかかわらず、これに従わず自らホテル経営を継続し、自己のために本物件2を占有(所持)する意思を表示したのであるから、控訴人ホテルによる本物件2の占有の性質は、控訴人TCMを本人とする代理占有から、同ホテルによる自己のための占有に変わったから、第2占有は消滅した(同項2号)。したがって、控訴人TCMは、令和5年4月3日までに本物件2の所持を失った。 (ア) 主位的主張(民法203条の適用)本物件2は、専ら控訴人ホテル開発及び同ホテルが一体となって事実的に支配しており、控訴 、控訴人TCMは、令和5年4月3日までに本物件2の所持を失った。 (ア) 主位的主張(民法203条の適用)本物件2は、専ら控訴人ホテル開発及び同ホテルが一体となって事実的に支配しており、控訴人TCMが事実的に支配する関係にはなかった。 そのような状況の下、控訴人TCMは、令和5年4月3日までに控訴人ホテル開発に対し、本件転貸借契約が履行不能によって終了したことを 通知し、また、控訴人ホテルに対しても、本件再転貸借契約が第15条5項に基づいて終了したこと、以後、控訴人ホテルを代理人として本物件2を占有させる意思を放棄することを通知した。そして、同日以降、控訴人TCMは、控訴人ホテルからの賃料の収受も、控訴人ホテル開発への賃料の支払も行っておらず、控訴人ホテル開発に対しては、同年3月15日以降の賃料の精算を申し入れた。これらの一連の行為によって、控訴人TCMは、本物件2の観念的な支配にすら関与しなくなった。そうすると、遅くとも令和5年4月3日時点で、社会通念上、本物件2が控訴人TCMの事実的支配に属するというべき客観的関係は皆無であるから、控訴人TCMは本物件2の所持を失った。したがって、控訴人TCMの第1占有は、民法203条後段により消滅した。 仮に、控訴人TCMが令和5年4月3日の時点で本物件2の所持を失っていないとしても、控訴人TCMは、同月17日までには、控訴人ホテル開発、同ホテル及び被控訴人に対し、それぞれ自らが本物件2の占有の意思を放棄する旨を通知しているから、第1占有は、民法203条前段により消滅した。上記の通知は、前記事情と相まって控訴人TCMが本物件2の所持を失ったものと評価することも可能であるから、第1占有は、民法203条後段により消滅した。したがって、令和5年4月17日の時点で第1占有は消滅した は、前記事情と相まって控訴人TCMが本物件2の所持を失ったものと評価することも可能であるから、第1占有は、民法203条後段により消滅した。したがって、令和5年4月17日の時点で第1占有は消滅した。 (イ) 予備的主張(民法204条1項3号の適用)仮に、第1占有の消滅の有無が民法203条ではなく、同法204条1項の適用により定まるとの見解に立ったとしても、控訴人TCMは、遅くとも令和5年4月3日又は同月17日までに、前記(ア)のとおり、本物件2の所持を失ったのであるから、控訴人TCMの第1占有は、民法204条1項3号により消滅した。 ウ本物件2の指図による占有移転(民法184条) 仮に、本物件2の間接占有が消滅していないとしても、控訴人TCMは、令和5年4月17日、控訴人ホテルに対し、民法184条に基づき、以後、本物件2を被控訴人のために占有するよう指図するとともに、同日、被控訴人に対し、上記占有移転を通知し、これを書面で承諾するよう求めた。 これに対し、被控訴人は、当該指図による占有移転の承諾を拒絶したが、本件における被控訴人の控訴人TCMに対する本物件2の明渡請求は、指図による占有移転を求める請求と解するほかなく、上記請求をもって被控訴人は指図による占有移転を承諾していたとみるべきであるから、控訴人TCMによる上記通知により控訴人TCMから被控訴人に対する指図による占有移転は履行され、占有移転が成立した。したがって、被控訴人の控訴人TCMに対する本物件2の明渡請求は理由がない。 (被控訴人の主張)いずれも否認又は争う。 控訴人TCMは、本物件2について控訴人ホテル開発から転借し、これを控訴人ホテルに再転貸することによって間接占有し、控訴人ホテルが現在もその直接占有を続けている以上、控訴人TCMがそ 又は争う。 控訴人TCMは、本物件2について控訴人ホテル開発から転借し、これを控訴人ホテルに再転貸することによって間接占有し、控訴人ホテルが現在もその直接占有を続けている以上、控訴人TCMがその間接占有を消滅させるためには、直接占有者である控訴人ホテルから本物件2の返還を受けた上、自らもまた控訴人ホテル開発にその返還をしなければならない。 (3) 争点4(共同不法行為責任の有無及びその損害額)について(被控訴人の主張)ア共同不法行為責任(民法719条1項)控訴人ホテル開発は、本物件1及び同2全体を被控訴人から借り受け、控訴人TCMに転貸し、同TCMは、控訴人ホテルに再転貸しているから、本物件1及び同2は全体として本件各契約の目的物である。 本物件1は、本物件2と同様、控訴人ホテル開発の開業準備が完了した部分から、順次控訴人TCM、同ホテルに引渡しがされ、控訴人ホテルが 運営に当たることが予定されていた。本物件1については、控訴人TCM及び同ホテルは、開業準備が整うまでの間、控訴人ホテル開発にこれを「占有させていた」のであり、それが共同不法行為に基づく責任を負う根拠である。上記法律関係の下では、控訴人TCMや同ホテルが自ら本物件1を占有する必然性はない(その引渡しを受けた部分についてのみ不法占有に基づく不法行為責任を負うものではない。)。 控訴人TCM及び同ホテルは、それぞれ本物件1及び同2の全体を借り受け、いずれ本物件1も引渡しを受けて、その直接占有又は間接占有する予定であったことから、本物件1についても、控訴人ホテル開発に「占有させていた」とされたものである。したがって、この場合は、当然、全体の不法占有について損害賠償責任を負うものというべきであって、本件は、最高裁判所昭和29年4月2日第二小法廷 訴人ホテル開発に「占有させていた」とされたものである。したがって、この場合は、当然、全体の不法占有について損害賠償責任を負うものというべきであって、本件は、最高裁判所昭和29年4月2日第二小法廷判決(民集8巻4号794頁、以下「最高裁昭和29年判決」という。)の射程外の事案である。 イ損害の範囲控訴人ホテル開発は、本物件1及び同2の明渡しまで、被控訴人に対し、債務不履行に基づき賃料の2倍相当の損害金を支払う義務を負っているが、これを発生させ続けているのは、控訴人ホテル及び同TCMが、それぞれ本物件2の明渡義務を履行しないためであって、控訴人ホテル及び同TCMは、控訴人ホテル開発の上記債務不履行に加担していることから、その加担行為を被控訴人に対する不法行為とみるほかない。そうすると、控訴人TCM及び同ホテルは、控訴人ホテル開発が契約上負う賃料の2倍相当の損害金支払義務を共同不法行為によって発生させ続けている以上、控訴人TCM及び同ホテルも、控訴人ホテル開発が負う賃料の2倍相当の損害金の支払義務を連帯して負うというべきである。 (控訴人TCMの主張)いずれも否認又は争う。 ア共同不法行為責任について本件ホテル事業を計画したのは、リコジャパンらであり、控訴人TCMには、本件ホテル事業を控訴人ホテル開発及び同ホテルと共同で行う意思はなかったし、実態としても共同で本件ホテル事業を行っていない。 控訴人TCMは、控訴人ホテル開発が、本件ホテル事業を行うに際し、銀行団から融資を受けるに当たって、銀行団のアレンジャーである三井住友銀行から、控訴人TCMが、信用補完(融資返済のための最低限の賃料月額2800万円を保証すること)の目的で、本件ホテル事業にマスターリース事業者として関与することを求められたため、その ある三井住友銀行から、控訴人TCMが、信用補完(融資返済のための最低限の賃料月額2800万円を保証すること)の目的で、本件ホテル事業にマスターリース事業者として関与することを求められたため、その責任及び役割を極めて狭い範囲に限定する旨の免責条項を設けることを条件に、マスターリース事業者として参画したにすぎない。控訴人TCMは、控訴人ホテル開発及び同ホテルに対し指図する権限はもとより、その意思決定に影響を与え得る立場にもないし、控訴人ホテル開発が、本件解除後も、本件賃貸借部分の占有を継続することや、被控訴人に対する賃料不払とすることの意思決定に何ら関与していない。 控訴人TCMは、本物件1についてはその引渡しすら受けていないし、控訴人ホテル開発にこれを占有させる立場にもないから、控訴人ホテル開発との間に関連共同性があるとはいえないし、被控訴人の所有権を侵害した事実はなく、この点に故意又は過失があるともいえない。 また、控訴人TCMは、本物件2については、間接占有があるのみで、これによって直ちに控訴人ホテル開発及び同ホテルとの間に関連共同性があることにはならない。間接占有という観念的な占有によって被控訴人の所有権を侵害したとは認められないし、この点に故意又は過失があるともいえない。 そして、本物件1及び同2について、控訴人TCMに不法行為責任(民法709条)が成立するともいえない。 以上によれば、控訴人TCMは、被控訴人に対し、本物件1及び同2について、いずれも共同不法行為責任又は不法行為責任を負うことはない。 イ損害の範囲について仮に、控訴人TCMが共同不法行為責任又は不法行為責任を負うとしても、本件賃貸借契約の当事者でもない控訴人TCMが、約定の賃料の2倍相当の損害金について賠償義務を負うことはな 損害の範囲について仮に、控訴人TCMが共同不法行為責任又は不法行為責任を負うとしても、本件賃貸借契約の当事者でもない控訴人TCMが、約定の賃料の2倍相当の損害金について賠償義務を負うことはないし、不法行為における「損害」について、侵害行為がなかったとすればあるべき財産状態と侵害行為がされた現在の財産状態との差を金銭で評価したものと解する見解(差額説)によれば、被控訴人は、本件解除後に本件賃貸借部分の引渡しを受けても、自らこれを利用して利益を受ける可能性はなく、また、新たな賃借人にこれを賃貸しても、賃貸収入は0円か、本件賃貸借契約の賃料相当額よりも相当低い金額となることは明らかであるから、被控訴人に生じた損害は賃料相当額にも及ばないというべきである。 第3 当裁判所の判断 1 当裁判所は、当審における審判の対象である、第1事件に係る被控訴人の控訴人TCM及び同ホテルに対する賃料相当損害金等の請求は、控訴人TCMに対し、控訴人ホテル開発及び同ホテルと連帯して8億0160万7663円及びうち7億7618万3378円に対する令和4年12月27日から支払済みまで年3%の割合による遅延損害金並びに令和4年12月1日から本物件2の明渡済みまで1か月当たり2556万8650円の支払を求める限度で、控訴人ホテルに対し、控訴人ホテル開発及び同TCMと連帯して8億0160万7663円及びうち7億7618万3378円に対する令和4年12月27日から支払済みまで年3%の割合による遅延損害金並びに令和4年12月1日から本物件2の明渡済みまで1か月当たり2556万8650円の支払を求める限度でそれぞれ理由があるがその余はいずれも理由がなく、第1事件のその余の本訴請求及び第2事件の請求はいずれも理由があるが、控訴人ホテル開発の第 1事件の反訴請 万8650円の支払を求める限度でそれぞれ理由があるがその余はいずれも理由がなく、第1事件のその余の本訴請求及び第2事件の請求はいずれも理由があるが、控訴人ホテル開発の第 1事件の反訴請求はいずれも理由がないと判断する。その理由は、当審における当事者の補充主張に対する判断を含めて、次のとおり補正するほかは、原判決の「事実及び理由」中の「第3 当裁判所の判断」の1から8までに記載のとおりであるから、これを引用する(ただし、当審における審判の対象に関する部分に限る。)。 (1) 原判決41頁4行目冒頭から10行目末尾までを次のとおり改める。 「ア日本建築学会編「建築物の遮音性能基準と設計指針〔第二版〕」(以下「本件指針」という。)においては、遮音性能・減音性能の判断基準として室内騒音に関する建物・室用途別適用等級が定められており、これによれば、建築物「ホテル」・室用途「客室」の室内騒音に関する適用等級は、騒音レベル35dBAが「1級」(建築学会が推奨する好ましい性能水準)、40dBAが「2級」(一般的な性能水準)、45dBAが「3級」(やむを得ない場合に許容される性能水準)とされている。(乙23)」(2) 原判決44頁10行目の「甲98」を「甲99」と、末行の「26日」を「16日」とそれぞれ改め、45頁3行目の「合計838」の次に「万」を加える。 (3) 原判決46頁17行目の「28日」を「27日」と、22行目及び24行目の各「管理料等」をいずれも「管理費等」とそれぞれ改める。 (4) 原判決47頁6行目の「本物件3」の次に「(ただし、本物件3のうち、17階の共用部(屋外機置場)0.32㎡(甲38)を除く。)」を、21行目の「各納期限」の次に「の翌日」を、48頁22行目の「各納期限」の次に「の翌日」をそれぞれ加える。 ただし、本物件3のうち、17階の共用部(屋外機置場)0.32㎡(甲38)を除く。)」を、21行目の「各納期限」の次に「の翌日」を、48頁22行目の「各納期限」の次に「の翌日」をそれぞれ加える。 (5) 原判決49頁11行目以降の「本件口頭弁論終結時」又は「本件口頭弁論終結日」をいずれも「原審口頭弁論終結日(令和4年12月26日)」と、17行目の「【請求趣旨5】」を「【請求の趣旨5】」と、末行以降の「本件口頭弁論終結後」をいずれも「原審口頭弁論終結日後」とそれぞれ改め、5 0頁8行目冒頭の「c 」の次に「原審口頭弁論終結日(令和4年12月26日)までに納期限が到来した、」を加える。 (6) 原判決51頁3行目の「【請求趣旨7】」を「【請求の趣旨7】」と改める。 (7) 原判決51頁20行目の「令和2年2月」の次に「分」を、25行目の「合計117万3142円」の次に「(37万2658円+39万4790円+16万2836円+24万2858円)」を、52頁初行の「合計76万7448円」の次に「(37万2658円+39万4790円)」をそれぞれ加え、13行目の「改訂」を「改定」と改める。 (8) 原判決54頁10行目から17行目末尾までを次のとおり改める。 「(ウ) 控訴人ホテル開発らは、被控訴人は、本件賃貸借部分への入居促進を至上命題とし、ホテル誘致のために控訴人ホテル開発らを強力に勧誘し、そのためにホテルへの用途変更が認められるよう地区計画の条例改正を大阪市に要望するなど、異例の条件整備までしていたのであるから、本件賃貸借契約には、ホテルとして使用するのに支障がない建物を賃貸するという黙示の合意を含むものであって、被控訴人は、その支障をなくすよう改修工事を実施すべき義務を負っていたと主張する。 しかし、控訴人ホテル開発 、ホテルとして使用するのに支障がない建物を賃貸するという黙示の合意を含むものであって、被控訴人は、その支障をなくすよう改修工事を実施すべき義務を負っていたと主張する。 しかし、控訴人ホテル開発らが主張する上記黙示の合意に関する定めは本件契約書には存在しない。同控訴人らが主張するところの、ホテルとして使用するために必要な改修工事の実施を被控訴人に負担させる特約は、契約の当事者にとっては極めて重要な事項であるから、当事者間に本件契約書が作成された以上、かかる特約の趣旨はその契約書中に記載されるのが通常の事態であって、これに記載されていなければ、特段の事情のないかぎり、そのような特約は存在しなかったものと認めるのが経験則である(最高裁昭和47年3月2日第一小法廷判決・裁判集民事105号225頁参照)。しかも、先に述べたとおり、本件契約書に 綴られた本件募集要項等の内容が本件賃貸借契約の前提になっているところ、これによれば、本件賃貸借部分は、事務所としての基本的な仕様で賃貸され、事務所の状態の現状有姿で引き渡された上、入居希望者は、自らが望む用途での営業をするための改修工事等の費用を自ら負担するものとされているなど、上記黙示の合意とは逆の内容が記載されているから、上記特段の事情が存在しないことは明らかである。 この点、控訴人ホテル開発らは、上記特段の事情として、本件覚書(乙1)の作成経緯等が、他の事情と相まって上記黙示の合意の存在を裏付けると主張する。しかし、本件覚書は、本件契約書に規定された事項を補完するとともに、本件ホテルの運営が健全、かつ、円滑に行えるよう、被控訴人、控訴人会社ら及び三井住友銀行が連携協力するために必要な事項について定めるものであって、本件覚書の目的を達成するため、上記5者による連絡調整会議を設ける 営が健全、かつ、円滑に行えるよう、被控訴人、控訴人会社ら及び三井住友銀行が連携協力するために必要な事項について定めるものであって、本件覚書の目的を達成するため、上記5者による連絡調整会議を設けることが定められているが、このほかに上記黙示の合意の存在を裏付ける定めは存在しない。また、仮に上記黙示の合意が存在するのであれば、令和元年7月30日の連絡調整会議において、三井住友銀行が、被控訴人に対し、本件エレベーターの走行音に関する防音工事費用の増額分について、その費用負担が可能であるか尋ねたところ、被控訴人が、本件募集要項で定められた「撤去費用以外は予算に入れておらず契約以上のことはできない」と回答したこと(乙20)と整合しないといえるから、本件覚書の存在及びその作成経緯等は、上記黙示の合意の存在を裏付けるものではない。 以上によれば、上記黙示の合意があったとは認めるに足りず、控訴人ホテル開発らの主張は採用することができない。」(9) 原判決54頁24行目の「オ」を「カ」と改める。 (10) 原判決55頁24行目末尾に行を改めて次のとおり加える。 「(ウ) 仮に本件エレベーターの走行音がホテルとしての遮音性能を満たして いない瑕疵に当たるとしても、その瑕疵が「隠れた」といえるためには、借主において、取引界で要求される普通の注意を用いても発見することができないものであったことを基礎づける具体的事実を主張立証しなければならない。 前記ア(ウ)で述べたとおり、本件賃貸借部分は事務所としての基本的仕様で賃貸され、事務所の状態の現状有姿で引き渡されることが前提になっていたのであるから、控訴人会社らにおいて、本件各契約の締結を検討する際に、そのままホテルとして使用することができるか、改装後の客室内の騒音等についても当然検討して 姿で引き渡されることが前提になっていたのであるから、控訴人会社らにおいて、本件各契約の締結を検討する際に、そのままホテルとして使用することができるか、改装後の客室内の騒音等についても当然検討してしかるべきである。前提事実(4)ウに加え、証拠(乙34から37まで)及び弁論の全趣旨によれば、平成28年5月頃から、平成30年1月26日に被控訴人とリコジャパンらとの間で本件賃貸借部分の定期建物賃貸借契約を締結し、その後、同年2月7日に控訴人ホテル開発がリコジャパンらの賃借人の地位を承継するまで、控訴人ホテル開発の代表取締役である控訴人Aと控訴人ホテルの代表取締役であるCは、上記契約締結の打合せのために10回以上、本件建物(大阪府咲洲庁舎)を訪問していたこと(乙34から36まで)、また、本件ホテルの開業準備のための工事等を控訴人ホテル開発らから依頼されたキューブ建築研究所は、平成29年3月16日と同年7月27日に本件賃貸借部分の現場確認を行っていること(乙37)が認められ、本件建物内において上記打合せや現場確認を行うためには目的階に至るまで本件エレベーターを利用することなどを考慮すると、控訴人ホテル開発らが、本件エレベーターの走行音を直接確認しようとすればこれを容易に確認する機会があったといえるし、上記現場確認が行われた際に、その走行音がホテルとしての遮音性能を満たしていない瑕疵に当たることを控訴人ホテル開発らにおいて普通の注意を用いても発見することができなかったと認めるに足りない。 したがって、上記瑕疵が「隠れた」ということもできない。」(11) 原判決55頁末行の「Bが」を「Bから」と改める。 (12) 原判決57頁17行目の「賃料等」を「賃料」と、21行目の「本件賃貸借契約書」から23行目の「といえるから」までを「 ない。」(11) 原判決55頁末行の「Bが」を「Bから」と改める。 (12) 原判決57頁17行目の「賃料等」を「賃料」と、21行目の「本件賃貸借契約書」から23行目の「といえるから」までを「これは、本件賃貸借契約の解除事由(本件契約書第23条)として定められた滞納金額(賃料又は管理費等の支払を怠り、その合計額が3か月分以上に達したとき、前記前提事実(4)オ(キ))を大幅に超過しているから」とそれぞれ改める。 (13) 原判決58頁19行目から20行目にかけての「されているにもかかわらず」を「されていたところ」と、59頁7行目の「賃料等」を「賃料及び管理費等」と、9行目の「被告らの種々」を「控訴人ホテル開発らが」とそれぞれ改める。 (14) 原判決59頁15行目、19行目、21行目、60頁17行目及び20行目の各「本件各取消処分」をいずれも「本件各取消処分等」と改める。 (15) 原判決59頁15行目末尾に行を改めて次のとおり加える。 「控訴人ホテル開発や同ホテルの本件各使用許可部分の占有権原を喪失させる本件各取消処分や、その後の占有権原の付与を求める使用許可申請を不許可とした処分は、いずれも行政処分である以上、前記控訴人らがその取消しを求めた別件行政訴訟で取り消されるまでは有効として取り扱われるところ、一審判決では、本件各取消処分を含む、既に使用許可期間が経過した前記不許可処分については却下され、その余の取消請求は棄却されたものの、未だ同判決は確定していない以上、前記控訴人らに対し、本件各使用許可部分の明渡しと同明渡しまでの賃料相当損害金の支払を求める被控訴人において、本件各取消処分等の適法性を主張立証することを要するというべきである。」(16) 原判決60頁初行から2行目にかけての「本件使用各許可」を「本件各使用許可」 損害金の支払を求める被控訴人において、本件各取消処分等の適法性を主張立証することを要するというべきである。」(16) 原判決60頁初行から2行目にかけての「本件使用各許可」を「本件各使用許可」と改める。 (17) 原判決61頁7行目冒頭から16行目末尾までを次のとおり改める。 「(2) 控訴人TCMの主張についてア控訴人TCMは、本件解除が認められ、本件賃貸借契約が終了した場合には、本件転貸借契約等も終了するから、控訴人TCMは、本物件2の間接占有を失っていると主張する。 しかし、本物件2については、控訴人会社らが本件転貸借契約等を同時に締結することにより(前提事実(5))、控訴人ホテル開発が控訴人TCMによってこれを占有させ(第1占有)、控訴人TCMが控訴人ホテルによってこれを占有させ(第2占有)、控訴人ホテルがこれを直接占有する方法により、本件賃貸借契約の賃借人である控訴人ホテル開発が同物件を占有しているところ、仮に控訴人ホテル開発、同TCM及び同ホテル間の占有代理関係(第1占有及び第2占有)を基礎づける原因関係(本件転貸借契約等)がいずれも終了したとしても、上記占有代理関係が外形的に残っている以上、民法204条2項の定めるとおり、当然には控訴人ホテル開発及び同TCMの間接占有は消滅しない。 イ本件において、控訴人TCMが本物件2の自己の第2占有(間接占有)を消滅させるには、少なくとも、第2占有の本人として、代理人である控訴人ホテルに対し、簡易の引渡し(民法182条2項)を行うか、又は、以後第三者のために本物件2を占有するように命じ、その第三者がそれを承諾する(指図による占有移転、同法184条)などして、これを占有させる意思を放棄しなければならず(同法204条1項1号)、その結果、控訴人TCMの本物 件2を占有するように命じ、その第三者がそれを承諾する(指図による占有移転、同法184条)などして、これを占有させる意思を放棄しなければならず(同法204条1項1号)、その結果、控訴人TCMの本物件2の占有が喪失した(同項本文)といえるものでなければならない。 しかし、控訴人TCMは、令和5年4月3日、原判決において、本件解除が認められたことから、占有代理人である控訴人ホテルに対し、遅くとも同年3月15日には本件再転貸借契約が終了したことを通知して本物件2の明渡し、すなわち、自己の直接占有の回復を占有代理関係に 基づいて求めているのであって、そもそも、代理人に占有させる意思を放棄したとはいえない。また、占有代理人である控訴人ホテルが、本件各契約が有効に存続していることを前提に、本人である控訴人TCMの明渡請求に従わないからといって、控訴人ホテルが本件各契約が消滅したことを前提に、自己のために本物件2を所持する意思を表示した(民法204条1項2号)ともいえない。 なお、控訴人TCMは、令和5年4月17日、控訴人ホテルに対し、民法184条に基づき、以後、本物件2を被控訴人のために占有するよう指示するとともに、同日、被控訴人に対し、上記占有移転を通知し、これを書面で承諾するよう求めたところ、被控訴人は、その承諾を拒絶したものの、被控訴人が、本件訴訟で控訴人TCMに対して本物件2の明渡請求をする以上、それは、上記指図による占有移転の承諾とみるべきであると主張するが、被控訴人は、第1事件本訴で、本物件2の所有権に基づいて、控訴人ホテルによる直接占有を否定してその所持を回復することを求めているし、また、控訴人ホテル開発及び同TCMによる代理占有(第1占有及び第2占有)をいずれも否定してその占有を回復することを求めているのであ ルによる直接占有を否定してその所持を回復することを求めているし、また、控訴人ホテル開発及び同TCMによる代理占有(第1占有及び第2占有)をいずれも否定してその占有を回復することを求めているのであるから、被控訴人が控訴人TCMに対して本物件2の明渡請求をしているからといって、控訴人ホテルを代理人として占有させることが前提の上記指図による占有移転を承諾しているとみることはできない。この点、控訴人TCMは、最高裁判所昭和36年2月28日第三小法廷判決(民集15巻2号324頁)を挙げて、所有者の間接占有者に対する返還請求は、指図による占有移転の方法によるしかないので、上記請求はその承諾とみるべきであるとも主張するが、上記判決は、借地上の建物に借家人がいる場合において、借地人が建物買取請求権を行使したことにより、地主が建物の賃貸人としての地位を承継したため、建物を占有している借家人に対してその引渡しを求める ことができない事案に関するものであって、本物件2を所有する被控訴人が本件解除により直接占有者である控訴人ホテルに対してその明渡しを求めることができる本件とは事案を異にするというべきであるから、控訴人TCMの主張は採用することができない。 ウさらに、前記各占有の占有代理関係は、本件賃貸借契約の賃借人である控訴人ホテル開発が被控訴人から本物件2の占有を取得した上、控訴人ホテルに直接占有させることを前提に、控訴人TCMが信用補完の目的でマスターリース事業者(転借人)として参画するものであり、相互に不可欠な関係にある以上、控訴人TCMが本物件2に対する占有関係から離脱して占有を喪失したといえるためには、第2占有の本人として同占有を喪失させるだけでは足りず、控訴人ホテル開発の占有代理人としての地位(第1占有の占有代理関係)をも消滅 物件2に対する占有関係から離脱して占有を喪失したといえるためには、第2占有の本人として同占有を喪失させるだけでは足りず、控訴人ホテル開発の占有代理人としての地位(第1占有の占有代理関係)をも消滅させる必要があると解されるところ、民法204条1項1号、2号は、いずれも占有代理人の占有が存続することを前提とするものであるし、前述したとおり、第2占有が消滅したと認めるに足りない以上、同項3号に規定する占有代理人である控訴人TCMが所持を失ったとも認められない。控訴人TCMは、控訴人ホテル開発に対し、遅くとも令和5年3月15日には本件転貸借契約が履行不能により終了したことを通知したことが認められる(丙36)が、それは、控訴人ホテル開発と同TCMとの間の占有代理関係(第1占有)を基礎づける原因関係(本件転貸借契約)が終了したことを通知するにとどまり、前述したとおり、上記占有代理関係が外形的に残っている以上、民法204条2項の定めるとおり、当然には第1占有は消滅しない。 したがって、控訴人TCMの主張は採用することができない。 エなお、控訴人TCMは、本物件2に係る第1占有につき、主位的には民法203条を、予備的には同法204条1項3号を、それぞれ根拠として、令和5年4月3日又は同月17日の時点で消滅したと主張する。 しかし、民法203条は、占有権の消滅事由について代理人によって占有をする場合(間接占有)を除く一般的な場合を規定するものであり、間接占有の消滅事由は、同法204条1項において規定されているから、本物件2に係る第1占有(間接占有)が、同法203条の適用によって消滅することはない。 また、本物件2は、前述したとおり、本件賃貸借契約の賃借人である控訴人ホテル開発が被控訴人から本物件2の占有を取得した上、控訴人 (間接占有)が、同法203条の適用によって消滅することはない。 また、本物件2は、前述したとおり、本件賃貸借契約の賃借人である控訴人ホテル開発が被控訴人から本物件2の占有を取得した上、控訴人ホテルに直接占有をさせるために、控訴人ホテル開発から同TCMに、控訴人TCMから同ホテルに引き渡され、控訴人ホテルがこれを所持すること(すなわち、社会通念上本物件2が控訴人ホテルの事実的支配に属するものというべき客観的関係にあること)によって、第1占有及び第2占有がそれぞれ成立しているところ、控訴人ホテルは、令和5年4月3日又は同月17日の時点で、本物件2の所持を失ったとは認められず、先に述べたとおり、第2占有も消滅したとは認められないから、本物件2に係る第1占有が民法204条1項3号の適用によって消滅することもない。 したがって、控訴人TCMの主張は採用することができない。」(18) 原判決62頁初行冒頭から67頁5行目末尾までを次のとおり改める。 「(1) 賃料相当損害金等の請求について被控訴人は、控訴人ホテル開発及び同Aに対し、控訴人ホテル開発については本件賃貸借契約に基づき、控訴人Aについては本件保証契約に基づき、令和2年8月1日から本件賃貸借部分の明渡済みまでの賃料相当損害金等の連帯支払を求めるとともに、控訴人ホテル開発、同TCM及び同ホテルに対し、共同不法行為に基づき、令和2年8月1日から本件賃貸借部分の明渡済みまでの賃料相当損害金等の連帯支払を求めており、この場合、被控訴人の控訴人ホテル開発に対する請求は、債務不履行に基づく損害賠 償請求と不法行為に基づく損害賠償請求の選択的併合である。 そこで、まず、被控訴人の控訴人ホテル開発及び同Aに対する請求について後記(2)で検討した上で、被控訴人の控訴人TCM 損害賠 償請求と不法行為に基づく損害賠償請求の選択的併合である。 そこで、まず、被控訴人の控訴人ホテル開発及び同Aに対する請求について後記(2)で検討した上で、被控訴人の控訴人TCM及び同ホテルに対する共同不法行為に基づく請求については、争点4に対する判断と共に、後記(3)で検討することにする。 (2) 控訴人ホテル開発及び同Aに対する請求についてア控訴人ホテル開発に対する請求について前記4(1)のとおり、被控訴人による本件解除は有効であり、本件賃貸借契約によれば、控訴人ホテル開発は、本件賃貸借契約の終了時までに、本件賃貸借部分を明け渡さないときは、本件賃貸借契約の終了日の翌日から明渡済みまで本件賃貸借契約の終了時における賃料の2倍相当額及び明渡しを遅延したことにより被控訴人が被った損害を賠償しなければならないとされているから、控訴人ホテル開発は、被控訴人に対し、本件賃貸借契約に基づく約定の損害賠償として、令和2年8月1日(本件解除日の翌日)から本件賃貸借部分の明渡済みまで、賃料の2倍相当額及び管理費等相当額の支払義務を負うというべきである。 (ア) 賃料相当損害金(賃料の2倍相当額)について前提事実(4)オ(ウ)に加え、証拠(甲129の1から28まで)及び弁論の全趣旨によれば、賃料の2倍相当額の損害金は月額7030万4840円(賃料月額3515万2420円×2)であり、令和2年8月分から令和4年11月分まで(28か月分)の合計は19億6853万5520円となり、これに対する各納期限(原判決別紙20の「【請求の趣旨5】賃料相当損害金(2倍相当額)及び遅延損害金について」の「納期限」欄記載の各納期限)の翌日から原審口頭弁論終結日(令和4年12月26日)までの確定遅延損害金は、同「遅延損害金(拡張請求額 の趣旨5】賃料相当損害金(2倍相当額)及び遅延損害金について」の「納期限」欄記載の各納期限)の翌日から原審口頭弁論終結日(令和4年12月26日)までの確定遅延損害金は、同「遅延損害金(拡張請求額)」欄記載のとおり合計6550万4836円であ ると認められる。 (イ) 管理費等相当損害金について証拠(甲130の1から28まで)及び弁論の全趣旨によれば、令和2年8月分から令和4年10月分までの管理費等相当額の損害金は、原判決別紙20の「【請求の趣旨5】管理費相当損害金及び遅延損害金について」の「管理費損害金(拡張請求額)」欄記載のとおり合計6027万4345円であり、これに対する各納期限(同「納期限」欄記載の各納期限)の翌日から原審口頭弁論終結日(令和4年12月26日)までの確定遅延損害金額は、同「遅延損害金(拡張請求額)」欄記載のとおり合計160万1705円であると認められる。 イ控訴人Aに対する請求についてまた、控訴人Aは、控訴人ホテル開発の本件賃貸借契約上の債務について連帯保証しているから、本件保証契約に基づき、被控訴人に対し、上記ア(ア)及び(イ)の損害金の連帯支払義務を負うというべきである。 ウ小括以上によれば、控訴人ホテル開発及び同Aは、被控訴人に対し、①令和2年8月分から令和4年11月分までの賃料相当損害金(合計19億6853万5520円)及びこれに対する令和4年12月26日までの確定遅延損害金(合計6550万4836円)、②令和2年8月分から令和4年10月分までの管理費等相当損害金(合計6027万4345円)及びこれに対する令和4年12月26日までの確定遅延損害金(合計160万1705円)の合計20億9591万6406円並びに上記①及び②の元本合計20億2880万9865円に対する令和 万4345円)及びこれに対する令和4年12月26日までの確定遅延損害金(合計160万1705円)の合計20億9591万6406円並びに上記①及び②の元本合計20億2880万9865円に対する令和4年12月27日から支払済みまで民法所定の年3%の割合による遅延損害金の連帯支払義務を負うとともに、③令和4年12月1日から本件賃貸借部分の明渡済みまで賃料相当損害金として1か月当たり7030万484 0円の連帯支払義務を負うものである。 (3) 控訴人TCM及び同ホテルに対する請求について被控訴人は、本物件2のみ占有する控訴人TCM及び同ホテルに対し、共同不法行為(民法719条1項)に基づき、本件賃貸借部分(本物件1及び同2)全部を占有する控訴人ホテル開発と連帯して、本件賃貸借部分の賃料相当損害金(賃料の2倍相当額)及び管理費等相当損害金の支払を求めているので、以下検討する。 ア共同不法行為責任の有無について共同不法行為が成立するためには、共同行為者各自の行為がそれぞれ不法行為の要件を備えていることを要するところ、共同行為者の一人は、自己の行為と因果関係に立つ損害について責任を負うものであるから、他の共同不法行為者の行為が、上記損害を含む複数の損害に対して因果関係を有するとしても、共同不法行為は、両者に共通する損害についてのみ成立すると解するのが相当である(最高裁昭和29年判決参照)。 これを本件についてみると、確かに、控訴人TCMがマスターリース事業者として参画した、使用収益の分配を目的とする本件ホテル事業においては、改修工事が完了次第、本物件1についても、控訴人ホテル開発から引渡しを受け、本件ホテルの営業に供される予定ではあったものの、本件賃貸借部分(本物件1及び同2)全部を占有する控訴人ホテル開発の本物 、改修工事が完了次第、本物件1についても、控訴人ホテル開発から引渡しを受け、本件ホテルの営業に供される予定ではあったものの、本件賃貸借部分(本物件1及び同2)全部を占有する控訴人ホテル開発の本物件1の開業準備中に本件解除がされた結果、控訴人TCM及び同ホテルは、本物件2のみしか引渡しを受けておらず、本物件1の使用収益の分配には預かっていないのであるから、途上であった本件ホテル事業に参画したというだけで、本物件1に関する損害賠償責任についても本件ホテル開発と連帯して負担させるだけの関連共同性を認めることはできず、本物件2の占有部分について控訴人ホテル開発、同TCM及び同ホテルの共同不法行為が成立するにとどまり、控訴人TCM及び 同ホテルは、本物件1について控訴人ホテル開発と連帯して不法行為の責任を負うことはないというべきである。 以上によれば、控訴人TCM及び同ホテルは、本物件2の占有部分について控訴人ホテル開発と連帯して共同不法行為責任を負う。 なお、控訴人TCMは、①本物件2の占有は観念的なものであるから、被控訴人の所有権を侵害していない、②本件解除が無効であると判断して間接占有を継続したことに過失がない、③控訴人TCMが本物件2の間接占有を消滅させても、控訴人ホテルが本件解除の効力を争って占有を継続している以上、被控訴人の損害は継続して発生するから、控訴人TCMの占有と被控訴人の損害との間には因果関係がないなどと主張するが、①については、本物件2の占有について占有権が成立して(民法180条)、被控訴人の所有権を制約していることは明らかであるし、②については、他人の不動産を占有するものは、その占有を正当付ける権原のあることを主張立証しない限り、故意・過失の推定を受けて不法占有の責を免れない(最高裁昭和32年6月 いることは明らかであるし、②については、他人の不動産を占有するものは、その占有を正当付ける権原のあることを主張立証しない限り、故意・過失の推定を受けて不法占有の責を免れない(最高裁昭和32年6月27日第一小法廷判決・裁判集民事26号1145頁参照)ところ、本件解除は、前述したとおり有効であり、控訴人TCMは、占有権原を失っているし、③については、前述したとおり、控訴人TCMが、本物件2について、控訴人ホテルを代理人としてこれを占有させる占有代理関係が依然として継続している以上、共同不法行為責任は免れないから、控訴人TCMの前記各主張はいずれも理由がない。 イ被控訴人の損害の発生及び金額について控訴人TCM及び同ホテルが、控訴人ホテル開発と連帯して共同不法行為責任を負うのは、本物件2の占有部分に限られるから、不法占有と相当因果関係にある損害の範囲は、本物件2に係る賃料相当損害金及び管理費等相当損害金にとどまるというべきである。 なお、控訴人TCMは、本件解除当時、本件建物の賃料相場が大きく下落していたから、損害額は賃料相当額に及ばないと主張するが、控訴人ホテル開発は、本件解除に至るまで約定の賃料による本件賃貸借契約を継続していた以上、前記損害額は賃料相当額と認めることができる。 (ア) 賃料相当損害金について前提事実(4)オ(ウ)によれば、本物件2(10階から17階まで)に係る賃料相当損害金は、月額2324万4228円(税別)であり、これに消費税相当額(10%)を加えた上、10円未満の端数を切り捨てると、月額2556万8650円(月額2324万4228円×1.1)となる。令和2年8月分から令和4年11月分まで(28か月分)の賃料相当損害金は、本判決別表1のとおり、合計7億1592万2200円であり、こ 556万8650円(月額2324万4228円×1.1)となる。令和2年8月分から令和4年11月分まで(28か月分)の賃料相当損害金は、本判決別表1のとおり、合計7億1592万2200円であり、これに対する各納期限(本判決別表1の「納期限」欄記載の各納期限)の翌日から原審口頭弁論終結日(令和4年12月26日)までの確定遅延損害金は、同「遅延損害金」欄記載のとおり、合計2382万2964円であると認められる。 (イ) 管理費等相当損害金について本物件2に係る令和2年8月分から令和4年10月分までの管理費等相当損害金は、合計6026万1174円であるとされている(甲145・2枚目)が、①本件賃貸借部分(本物件1及び同2)に係る令和3年3月分から同年9月分までの管理費等相当損害金(甲142)と②その間の納入通知書記載の請求金額(甲130の8から14まで)とを比較すると、本判決別表2(下段)の「未請求分」欄記載のとおり未請求分合計393万8117円が存在し、これを令和3年12月29日を納期限として別途請求していること(甲130の16)が認められるから、確定遅延損害金を計算するに当たっては、本物件2に係る令和3年3月分から同年9月分までの上記未請求分を除いた請求 金額を算定する必要があるところ、本物件1及び同2に係る管理費等の内訳(甲145)をみると、上記未請求分は本物件2に係るものと認められるから、上記②の請求金額から③その間の本物件1に係る管理費等相当損害金(甲145・1枚目)を控除すると、本物件2に係る令和3年3月分から同年9月分までの請求金額(上記未請求分を除いたもの)は、本判決別表2(下段)の「本物件2部分請求金額」欄記載のとおりとなる。そして、本判決別表2(下段)の「本物件2部分請求金額」欄記載の金額と「未請求 月分までの請求金額(上記未請求分を除いたもの)は、本判決別表2(下段)の「本物件2部分請求金額」欄記載のとおりとなる。そして、本判決別表2(下段)の「本物件2部分請求金額」欄記載の金額と「未請求分」欄記載の合計額を、本判決別表2(上段)の「管理費相当損害金」欄にそれぞれ当てはめると、本物件2に係る令和2年8月分から令和4年10月分までの管理費等相当損害金は、合計6026万1178円となり、これに対する各納期限(本判決別表2(上段)の「納期限」欄記載の各納期限)の翌日から原審口頭弁論終結日(令和4年12月26日)までの確定遅延損害金は、同「遅延損害金」欄記載のとおり、合計160万1321円であると認められる。 ウ小括以上によれば、控訴人TCM及び同ホテルは、被控訴人に対し、本物件2に係る①令和2年8月分から令和4年11月分までの賃料相当損害金(合計7億1592万2200円)及びこれに対する令和4年12月26日までの確定遅延損害金(合計2382万2964円)、②令和2年8月分から令和4年10月分までの管理費等相当損害金(合計6026万1178円)及びこれに対する令和4年12月26日までの確定遅延損害金(合計160万1321円)の合計8億0160万7663円並びに上記①及び②の元本合計7億7618万3378円に対する令和4年12月27日から支払済みまで民法所定の年3%の割合による遅延損害金の連帯支払義務を負うとともに、③令和4年12月1日から本物 件2の明渡済みまで賃料相当損害金として1か月当たり2556万8650円の連帯支払義務を負うものである。」(19) 原判決67頁8行目冒頭から76頁14行目末尾までを次のとおり改める。 「(1) 本件賃貸借部分の明渡請求ア本物件1の明渡請求被控訴人は、本物件 支払義務を負うものである。」(19) 原判決67頁8行目冒頭から76頁14行目末尾までを次のとおり改める。 「(1) 本件賃貸借部分の明渡請求ア本物件1の明渡請求被控訴人は、本物件1につき、直接占有者である控訴人ホテル開発に対し、所有権に基づく返還請求権としての明渡しを求めているところ、前記4(1)のとおり、被控訴人による本件解除は有効であり、控訴人ホテル開発の占有権原の抗弁は認められないから、被控訴人の上記明渡請求は理由がある。 イ本物件2の明渡請求被控訴人は、本物件2につき、直接占有者である控訴人ホテル並びに間接占有者である控訴人ホテル開発及び同TCMに対し、所有権に基づく返還請求権としての明渡しを求めているところ、前記4(1)のとおり、被控訴人による本件解除は有効であり、控訴人ホテル開発、同TCM及び同ホテルの占有権原の抗弁は認められず、前記5のとおり、控訴人TCMは本物件2の間接占有を消滅させていないから、被控訴人の上記明渡請求はいずれも理由がある。 (2) 滞納賃料等・約定違約金の請求(ただし、被控訴人の控訴人Aに対する滞納管理費等の請求のうち、本物件3に係る滞納管理費等及びその遅延損害金の支払を求める部分を除く。)ア控訴人ホテル開発に対する請求被控訴人は、控訴人ホテル開発に対して、本件賃貸借契約及び本物件3の使用許可処分に基づき、①令和元年11月分から令和2年7月分までの滞納賃料(合計3億1637万1780円)及びこれについての各 納期限の翌日から原審口頭弁論終結日(令和4年12月26日)までの確定遅延損害金(合計3733万8608円)、②令和元年11月分から令和2年7月分までの滞納管理費等(本物件3に係る滞納管理費等の一部を含む。合計985万1704円)及びこれについて 26日)までの確定遅延損害金(合計3733万8608円)、②令和元年11月分から令和2年7月分までの滞納管理費等(本物件3に係る滞納管理費等の一部を含む。合計985万1704円)及びこれについての各納期限の翌日から原審口頭弁論終結日までの確定遅延損害金(合計98万7787円)、③令和元年10月分の賃料の支払が遅れたことに対する確定遅延損害金(41万6050円)の合計3億6496万5929円並びにうち上記①及び②の元本合計3億2622万3484円に対する前記終結日の翌日(令和4年12月27日)から支払済みまで民法所定の年3%の割合による遅延損害金の支払を求めるとともに、④本件解除に係る約定違約金(賃料3か月分相当額)1億0545万7260円及びこれに対する本件解除日の翌日(令和2年8月1日)から支払済みまで民法所定の年3%の割合による遅延損害金の支払を求めているところ、上記①滞納賃料、②滞納管理費等及び③確定遅延損害金の額は、いずれも上記のとおりであると認められるし、前記4(1)のとおり、被控訴人による本件解除は有効であるから、被控訴人の控訴人ホテル開発に対する上記請求はいずれも理由がある(ただし、控訴人ホテル開発は、被控訴人に対し、後記イの限度で、控訴人Aと連帯支払義務を負う。)。 イ控訴人Aに対する請求被控訴人は、控訴人Aに対し、本件保証契約に基づき、控訴人ホテル開発と連帯して、①令和元年11月分から令和2年7月分までの滞納賃料(合計3億1637万1780円)及びこれについての各納期限の翌日から原審口頭弁論終結日(令和4年12月26日)までの確定遅延損害金(合計3733万8608円)、②令和元年11月分から令和2年7月分までの滞納管理費等(合計976万5320円)及びこれについての各納期限の翌日から令和2年10月31 月26日)までの確定遅延損害金(合計3733万8608円)、②令和元年11月分から令和2年7月分までの滞納管理費等(合計976万5320円)及びこれについての各納期限の翌日から令和2年10月31日までの確定遅延損害金 (合計15万3903円)、③令和元年10月分の賃料の支払が遅れたことに対する確定遅延損害金(41万6050円)の合計3億6404万5661円並びにうち上記①の元本3億1637万1780円に対する令和4年12月27日から、上記②の元本976万5320円に対する令和2年11月1日から、各支払済みまで民法所定の年3%の割合による遅延損害金の支払を求めるとともに、④本件解除に係る約定違約金(賃料3か月分相当額)1億0545万7260円及びこれに対する本件解除日の翌日(令和2年8月1日)から支払済みまで民法所定の年3%の割合による遅延損害金の支払を求めているところ、上記①滞納賃料、②滞納管理費等、③確定遅延損害金及び④約定違約金は、いずれも本件賃貸借契約に基づいて生じたものであり、保証債務の範囲に含まれるから、被控訴人の控訴人Aに対する上記請求はいずれも理由がある。 (3) 賃料相当損害金等の請求ア控訴人ホテル開発及び同Aに対する請求被控訴人は、控訴人ホテル開発に対しては、本件賃貸借契約又は不法行為に基づき(選択的併合)、控訴人Aに対しては、本件保証契約に基づき、①令和2年8月分から令和4年11月分までの賃料相当損害金(賃料月額3515万2420円の2倍相当額)合計19億6853万5520円(月額7030万4840円×28か月)及びこれについての各納期限の翌日から原審口頭弁論終結日(令和4年12月26日)までの確定遅延損害金(合計6550万4836円)、②令和2年8月分から令和4年10月分までの管理費等 0円×28か月)及びこれについての各納期限の翌日から原審口頭弁論終結日(令和4年12月26日)までの確定遅延損害金(合計6550万4836円)、②令和2年8月分から令和4年10月分までの管理費等相当損害金合計6027万4345円及びこれについての原審口頭弁論終結日までの確定遅延損害金(合計160万1705円)の合計20億9591万6406円並びに上記①及び②の元本合計20億2880万9865円に対する令和4年12月27日から支払済みまで民法所定の年3%の割合による遅延損害金の連帯 支払を求めるとともに、③令和4年12月1日から本件賃貸借部分の明渡済みまで賃料相当損害金(上記賃料の2倍相当額)として1か月当たり7030万4840円の連帯支払を求めているところ、控訴人ホテル開発は、本件賃貸借契約に基づく約定の損害賠償として上記賃料相当損害金(上記①及び③)並びに管理費等相当損害金(上記②)の支払義務を負うべきであるし、これらは、いずれも本件賃貸借契約に基づいて生じたものであり、保証債務の範囲に含まれるから、被控訴人の控訴人ホテル開発及び同Aに対する上記請求はいずれも理由がある。 なお、被控訴人は、控訴人ホテル開発に対し、不法行為に基づく損害賠償も請求しているところ、後記イのとおり、本件賃貸借部分のうち、本物件2の不法占有について、控訴人ホテル開発は、控訴人TCM及び同ホテルと共同して不法行為責任を負うものであるが、この場合、被控訴人において認められる損害額は、上記金額を下回ることになるから、選択的併合のうち、本件賃貸借契約に基づく請求について判断することとし、不法行為に基づく請求については判断しない。 イ控訴人TCM及び同ホテルに対する請求被控訴人は、本物件2のみ占有する控訴人TCM及び同ホテルに対し、本件賃貸 く請求について判断することとし、不法行為に基づく請求については判断しない。 イ控訴人TCM及び同ホテルに対する請求被控訴人は、本物件2のみ占有する控訴人TCM及び同ホテルに対し、本件賃貸借部分全部を占有する控訴人ホテル開発と連帯して、共同不法行為に基づき、賃料相当損害金(上記賃料の2倍相当額)並びに管理費等相当損害金の連帯支払を求めているが、前記6のとおり、控訴人TCM及び同ホテルが、被控訴人に対し、控訴人ホテル開発と連帯して共同不法行為責任を負うのは、本物件2を占有している部分に限られるし、不法占有と相当因果関係にある損害の範囲については、本物件2に係る賃料相当損害金(月額2556万8650円)及び管理費等相当損害金にとどまるというべきであるから、被控訴人の上記請求は、①令和2年8月分から令和4年11月分までの賃料相当損害金(賃料月額2556 万8650円)合計7億1592万2200円及びこれについての各納期限の翌日から原審口頭弁論終結日(令和4年12月26日)までの確定遅延損害金(合計2382万2964円)、②令和2年8月分から令和4年10月分までの管理費等相当損害金合計6026万1178円及びこれについての原審口頭弁論終結日までの確定遅延損害金(合計160万1321円)の合計8億0160万7663円並びに上記①及び②の元本合計7億7618万3378円に対する前記終結日の翌日(令和4年12月27日)から支払済みまで民法所定の年3%の割合による遅延損害金の連帯支払を求めるとともに、③令和4年12月1日から本物件2の明渡済みまで賃料相当損害金として1か月当たり2556万8650円の連帯支払を求める限度で理由があるが、その余は理由がない。 (4) 第1事件反訴請求控訴人ホテル開発は、被控訴人に対し、本件エレ 渡済みまで賃料相当損害金として1か月当たり2556万8650円の連帯支払を求める限度で理由があるが、その余は理由がない。 (4) 第1事件反訴請求控訴人ホテル開発は、被控訴人に対し、本件エレベーターの走行音について、主位的に債務不履行責任に基づき、予備的に瑕疵担保責任又は不法行為に基づき、7000万円(一部請求)及びこれに対する遅延損害金の支払を求めているが、前記3のとおり、被控訴人の債務不履行、瑕疵担保責任又は不法行為に基づく損害賠償債務(本件損害賠償債務)はいずれも認められないから、第1事件反訴請求は理由がない。 (5) 本件各使用許可部分の明渡請求被控訴人は、本件建物の所有権に基づき、控訴人ホテル開発に対しては本物件3の明渡しを、控訴人ホテルに対しては本物件4の明渡しをそれぞれ求めているところ、前記4(2)のとおり、本件各使用許可は、本件各取消処分によって適法に取り消されており、控訴人ホテル開発及び同ホテルの占有権原の抗弁は認められないから、被控訴人の上記明渡請求はいずれも理由がある。 (6) 滞納使用料の請求 ア控訴人ホテル開発に対する請求被控訴人は、控訴人ホテル開発に対して、本物件3の使用許可処分に基づき、令和2年5月分から同年9月分までの滞納使用料合計283万4750円及び上記各月分につき56万5000円に対する各納期限の翌日から支払済みまで原判決別表の番号①から同⑤までの各期間ごとの利率による遅延損害金の支払を求めているところ、上記期間の滞納使用料の額は上記のとおりであると認められるから、被控訴人の上記請求は理由がある。 イ控訴人ホテルに対する請求被控訴人は、控訴人ホテルに対して、本物件4の使用許可処分に基づき、令和2年5月分から同年9月分までの滞納使用料合計366万25 訴人の上記請求は理由がある。 イ控訴人ホテルに対する請求被控訴人は、控訴人ホテルに対して、本物件4の使用許可処分に基づき、令和2年5月分から同年9月分までの滞納使用料合計366万2530円及び上記各月分につき73万円に対する各納期限の翌日から支払済みまで原判決別表の番号①から同⑤までの各期間ごとの利率による遅延損害金の支払を求めているところ、上記期間の滞納使用料の額は上記のとおりであると認められるから、被控訴人の上記請求は理由がある。 (7) 本物件3の使用料及び管理費等相当損害金の請求(ただし、令和5年4月1日以降の使用料相当損害金の支払を求める部分を除く。)被控訴人は、控訴人ホテル開発に対し、本物件3について、不法行為に基づき、①令和2年10月分から令和4年11月分までの使用料相当損害金(合計1493万7338円)及びこれについての各納期限の翌日から原審口頭弁論終結日(令和4年12月26日)までの確定遅延損害金(合計45万9047円)、②令和2年11月分から令和4年10月分までの管理費等相当損害金(合計27万0265円)及びこれについての各納期限の翌日から前記終結日(令和4年12月26日)までの確定遅延損害金(合計7485円)の合計1567万4135円並びにうち上記①及び②の元本合計1520万7603円に対する前記終結日の翌日(令和4年1 2月27日)から支払済みまで民法所定の年3%の割合による遅延損害金の支払を求めるとともに、③令和4年12月1日から令和5年3月31日までの使用料相当損害金として1か月当たり59万3588円の支払を求めているところ、前記4(2)のとおり、本件各使用許可は、本件各取消処分によって適法に取り消されており、本物件3の占有は不法なものであるといえるし、上記①使用料相当損害金、 9万3588円の支払を求めているところ、前記4(2)のとおり、本件各使用許可は、本件各取消処分によって適法に取り消されており、本物件3の占有は不法なものであるといえるし、上記①使用料相当損害金、②管理費等相当損害金及び③令和5年3月31日までの使用料相当損害金の額はいずれも上記のとおりであると認められるから、被控訴人の上記請求はいずれも理由がある。 (8) 本物件4の使用料相当損害金の請求(ただし、令和5年4月1日以降の使用料相当損害金の支払を求める部分を除く。)被控訴人は、控訴人ホテルに対し、本物件4について、不法行為に基づき、①令和2年10月分から令和4年11月分までの使用料相当損害金(合計1929万4870円)及びこれについての各納期限の翌日から原審口頭弁論終結日(令和4年12月26日)までの確定遅延損害金(合計59万2968円)の合計1988万7838円並びにうち上記元本1929万4870円に対する前記終結日の翌日(令和4年12月27日)から支払済みまで民法所定の年3%の割合による遅延損害金の支払を求めるとともに、②令和4年12月1日から令和5年3月31日までの使用料相当損害金として1か月当たり76万6919円の支払を求めているところ、前記4(2)のとおり、本件各使用許可は、本件各取消処分によって適法に取り消されており、本物件4の占有は不法なものであるといえるし、上記①使用料相当損害金及び②令和5年3月31日までの使用料相当損害金の額はいずれも上記のとおりであると認められるから、被控訴人の上記請求はいずれも理由がある。 (9) 本物件5の使用料に係る遅延損害金の請求被控訴人は、控訴人ホテル開発に対し、本物件3の使用許可処分に基づ き、令和2年2月分及び同年3月分の使用料に対する各納期限の翌日から各支 9) 本物件5の使用料に係る遅延損害金の請求被控訴人は、控訴人ホテル開発に対し、本物件3の使用許可処分に基づ き、令和2年2月分及び同年3月分の使用料に対する各納期限の翌日から各支払日までの遅延損害金合計1万3300円の支払を求めているところ、上記遅延損害金の額は上記のとおりであると認められるから、被控訴人の上記請求は理由がある。」 2 その他、控訴人らの当審における主張及び立証を勘案しても上記認定判断を左右するに足りない。 3 以上によれば、当審における審判の対象である、第1事件に係る被控訴人の控訴人TCM及び同ホテルに対する賃料相当損害金等の請求は、控訴人TCMに対し、控訴人ホテル開発及び同ホテルと連帯して8億0160万7663円及びうち7億7618万3378円に対する令和4年12月27日から支払済みまで年3%の割合による遅延損害金並びに令和4年12月1日から本物件2の明渡済みまで1か月当たり2556万8650円の支払を求める限度で、控訴人ホテルに対し、控訴人ホテル開発及び同TCMと連帯して8億0160万7663円及びうち7億7618万3378円に対する令和4年12月27日から支払済みまで年3%の割合による遅延損害金並びに令和4年12月1日から本物件2の明渡済みまで1か月当たり2556万8650円の支払を求める限度でそれぞれ理由があるからこれを認容し、その余はいずれも理由がないからこれを棄却し、第1事件のその余の本訴請求及び第2事件の請求はいずれも理由があるからこれを認容し、控訴人ホテル開発の第1事件の反訴請求はいずれも理由がないからこれを棄却すべきである。 よって、これと一部結論を異にする原判決は相当でないから、控訴人TCM及び同ホテルの本件各控訴に基づき、原判決主文第1項(5)及び(6)中、控訴人TCM も理由がないからこれを棄却すべきである。 よって、これと一部結論を異にする原判決は相当でないから、控訴人TCM及び同ホテルの本件各控訴に基づき、原判決主文第1項(5)及び(6)中、控訴人TCM及び同ホテルに関する部分を本判決主文第1項(1)から(5)までのとおり変更し、控訴人TCM及び同ホテルのその余の本件各控訴並びに控訴人ホテル開発及び同Aの本件各控訴はいずれも理由がないからこれを棄却することとし、主文のとおり判決する。 大阪高等裁判所第10民事部 裁判長裁判官中垣内健治 裁判官髙橋伸幸 裁判官鈴木紀子 (別表1)賃料相当損害金遅延損害金遅延期間令和2年8月分25,568,6501,544,626R2.12.21 735 日R2.12.22~R4.12.269月分25,568,6501,630,789R2.11.10 776 日R2.11.11~R4.12.2610月分25,568,6501,586,657R2.12.1 755 日R2.12.2~R4.12.2611月分25,568,6501,498,392R3.1.12 713 日R3.1.13~R4.12.2612月分25,568,6501,424,839R3.2.16 678 日R3.2.17~R4.12.26令和3年1月分25,568,6501,380,707R3.3.9 657 日R3.3.10~R4.12.262月分25,568,6501,349,184R3.3.24 642 日R3.3. 1月分25,568,6501,380,707R3.3.9 657 日R3.3.10~R4.12.262月分25,568,6501,349,184R3.3.24 642 日R3.3.25~R4.12.263月分25,568,6501,275,630R3.4.28 607 日R3.4.29~R4.12.264月分25,568,6501,206,279R3.5.31 574 日R3.6.1~R4.12.265月分25,568,6501,160,046R3.6.22 552 日R3.6.23~R4.12.266月分25,568,6501,088,594R3.7.26 518 日R3.7.27~R4.12.267月分25,568,6501,029,751R3.8.23 490 日R3.8.24~R4.12.268月分25,568,650968,806R3.9.21 461 日R3.9.22~R4.12.269月分25,568,650897,354R3.10.25 427 日R3.10.26~R4.12.2610月分25,568,650838,511R3.11.22 399 日R3.11.23~R4.12.2611月分25,568,650760,754R3.12.29 362 日R3.12.30~R4.12.2612月分25,568,650699,810R4.1.27 333 日R4.1.28~R4.12.26令和4年1月分25,568,650645,170R4.2.22 307 日R4.2.23~R4.12.262月分25,568,650573,718R4.3.28 273 日R4.3.29~R4.12.263月分25,568,650 .2.22 307 日R4.2.23~R4.12.262月分25,568,650573,718R4.3.28 273 日R4.3.29~R4.12.263月分25,568,650500,164R4.5.2 238 日R4.5.3~R4.12.264月分25,568,650395,088R4.6.21 188 日R4.6.22~R4.12.265月分25,568,650390,885R4.6.23 186 日R4.6.24~R4.12.266月分25,568,650323,636R4.7.25 154 日R4.7.26~R4.12.267月分25,568,650258,488R4.8.25 123 日R4.8.26~R4.12.268月分25,568,650199,645R4.9.22 95 日R4.9.23~R4.12.269月分25,568,650117,685R4.10.31 56 日R4.11.1~R4.12.2610月分25,568,65067,249R4.11.24 32 日R4.11.25~R4.12.2611月分25,568,65010,507R4.12.21日R4.12.22~R4.12.26715,922,20023,822,964年月合計遅延日数納期限 (別表2)※「未請求分」とは、令和3 年3 月分から同年9 月分までの未請求分である(甲130 の16)。 管理費相当損害金遅延損害金遅延期間令和2年8月分1,678,844107,078R2.11.10 776 日R2.11.11~R4.12.269月分1,263,08180,560R2.11.10 776 日R2.11.11~R4. 1,678,844107,078R2.11.10 776 日R2.11.11~R4.12.269月分1,263,08180,560R2.11.10 776 日R2.11.11~R4.12.2610月分1,189,25173,016R2.12.9 747 日R2.12.10~R4.12.2611月分1,142,84866,974R3.1.12 713 日R3.1.13~R4.12.2612月分1,439,66780,226R3.2.16 678 日R3.2.17~R4.12.26令和3年1月分1,729,48691,260R3.3.24 642 日R3.3.25~R4.12.262月分1,756,52489,943R3.4.12 623 日R3.4.13~R4.12.263月分1,976,71997,319R3.5.6 599 日R3.5.7~R4.12.264月分878,12440,922R3.6.7 567 日R3.6.8~R4.12.265月分892,65639,839R3.7.1 543 日R3.7.2~R4.12.266月分991,57141,971R3.7.29 515 日R3.7.30~R4.12.267月分1,045,47041,245R3.9.2 480 日R3.9.3~R4.12.268月分1,479,31054,471R3.10.4 448 日R3.10.5~R4.12.269月分1,085,26337,374R3.11.2 419 日R3.11.3~R4.12.26未請求分3,938,117117,172R3.12.29 362 日R3.12.30~R4.12.2610月分2,017,84260,0 419 日R3.11.3~R4.12.26未請求分3,938,117117,172R3.12.29 362 日R3.12.30~R4.12.2610月分2,017,84260,037R3.12.29 362 日R3.12.30~R4.12.2611月分1,923,15755,165R4.1.11 349 日R4.1.12~R4.12.2612月分3,102,10382,099R4.2.7 322 日R4.2.8~R4.12.26令和4年1月分2,863,43964,250R4.3.28 273 日R4.3.29~R4.12.262月分2,420,75550,935R4.4.14 256 日R4.4.15~R4.12.263月分2,353,96143,338R4.5.16 224 日R4.5.17~R4.12.264月分2,749,45642,710R4.6.20 189 日R4.6.21~R4.12.265月分2,566,48333,540R4.7.20 159 日R4.7.21~R4.12.266月分2,788,05832,081R4.8.8 140 日R4.8.9~R4.12.267月分3,661,16332,800R4.9.8 109 日R4.9.9~R4.12.268月分4,554,50128,075R4.10.12 75 日R4.10.13~R4.12.269月分3,520,81511,575R4.11.16日R4.11.17~R4.12.2610月分3,252,5145,346R4.12.6日R4.12.7~R4.12.2660,261,1781,601,321年月合計遅延日数納期限 7~R4.12.2610月分3,252,5145,346R4.12.6日R4.12.7~R4.12.2660,261,1781,601,321年月合計遅延日数納期限 管理費相当損害金(甲142)請求金額(甲130)未請求分本物件1部分(甲145)本物件2部分請求金額①②①-②③②-③令和3年3月分1,977,1141,977,112 1,976,7194月分1,213,706878,502335,204 878,1245月分1,208,661893,060315,601 892,6566月分1,498,650991,985506,665 991,5717月分1,954,7031,045,916908,787 1,045,4708月分2,662,0301,479,7371,182,293 1,479,3109月分1,775,2901,085,725689,565 1,085,26312,290,1548,352,0373,938,1172,9248,349,113合計年月
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