主文 被告人を懲役4年6月に処する。 未決勾留日数中60日をその刑に算入する。 理由 【犯罪事実】被告人は,実父である被害者(当時89歳。以下「被害者」という。)方の離れで生活していたところ,被害者は,Aの土地について自己の所有権を主張するなどし,繰り返し揉め事を起こしていた。被告人は,その度に,非を認めない被害者に代わってAに謝罪していたことから,被害者を嫌悪し,飲酒した勢いで,被害者に暴力をふるって怪我を負わせ,入院させたことがあった。被告人は,平成24年3月10日,Aの土地の木を勝手に伐採するという揉め事を起こした被害者に対し,強い憤りと精神的ストレスを感じた。被告人は,翌11日,ストレスから逃れるために飲酒するうち,被害者に対する腹立ちを募らせ,被害者方に赴き,Aの木を切ったことなどを責め,被害者との間でつかみ合いになった。 被告人は,同日午後8時30分ころ,高知県幡多郡の被害者方において,被害者に対し,その顔面,頭部等をげん骨で複数回殴り,脇腹等を複数回蹴るなどの暴行を加え,よって,同人に左耳挫裂創,左右側頭筋出血,右眼窩内出血,左頬部骨折,左右下肋部肋骨骨折,肝臓及び左右腎臓破裂等の傷害を負わせ,同月12日午前3時6分ころ,B病院において,同人を前記傷害に基づく外傷性ショックにより死亡させたものである。 【証拠の標目】(省略)【法令の適用】(省略)【量刑の理由】被告人は,以前にも飲酒した勢いで高齢の被害者に暴力を振るい,2度にわたって入院させたことがあったにも関わらず,自分のしたことと真摯に向き合って飲酒や暴力をやめることなく,再び飲酒して本件犯行に及んだ。もっとも,被告人は, 被害者の理不尽な言動による揉め事に悩まされ,矢面に立たされてきた上,被害者がこれまでになく大きな揉 向き合って飲酒や暴力をやめることなく,再び飲酒して本件犯行に及んだ。もっとも,被告人は, 被害者の理不尽な言動による揉め事に悩まされ,矢面に立たされてきた上,被害者がこれまでになく大きな揉め事を起こしたという中で,強い精神的ストレスから逃れるために飲酒し,本件犯行に及んだものであるから,被告人にも同情できる部分はある。 これに加えて,高齢(現在84歳)である被害者の妻(被告人の母親)が,被告人が早期に社会復帰することを望んでいることも考慮すれば,被告人には,懲役4年6月が相当である。 (検察官石垣麗子及び同堀田佳輝並びに国選弁護人重野裕子〔主任〕及び同中内功各出席。検察官の求刑:懲役8年,弁護人の科刑意見:懲役3年,執行猶予)平成24年7月31日高知地方裁判所刑事部 裁判長裁判官平出喜一 裁判官大橋弘治 裁判官佃良平
▼ クリックして全文を表示