昭和36(行ナ)180 懲戒異議事件

裁判年月日・裁判所
昭和44年7月28日 東京高等裁判所
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【DRY-RUN】主    文      被告連合会が昭和三六年一一月八日原告に対してした処分はこれを取り 消す。      原告その余の請求は却下する。      訴訟費用は被告の負担とする。          事 

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判決文本文7,477 文字)

主文 被告連合会が昭和三六年一一月八日原告に対してした処分はこれを取り消す。 原告その余の請求は却下する。 訴訟費用は被告の負担とする。 事実 原告訴訟代理人は、「被告が昭和三六年一一月八日原告に対してした『第一東京弁護士会の処分はこれを取消す。Aの業務を六ヶ月停止する。』との処分はこれを取り消す。原告を懲戒せず。」との判決を求め、その請求原因として、別紙(一)訴状、同(二)昭和三七年一二月三日付第二準備書面、同(三)昭和三八年一〇月一四日付第五準備書面、同(四)昭和三九年二月一二日付第七準備書面各記載のとおり述べた。 被告訴訟代理人は、「原告の請求を棄却する。訴訟費用は原告の負担とする。」との判決を求め、請求原因に対する答弁として、別紙(五)答弁書(その引用する日本弁護士連合会懲戒委員会の昭和三六年一〇月二八日付議決書の理由記載を含む。)、同(六)昭和三七年八月一五日付準備書面、同(七)昭和三八年六月一七日付準備書面、同(八)昭和三九年四月八日付第三準備書面、同(九)昭和四四年一月三一日付第四準備面各記載のとおり述べた。 証拠関係(省略) 理由 一、 本件懲戒処分がその処分書において引用する被告連合会懲戒委員会の議決書に記載されているとおり、「委任状不当行使の件」(以下単に「委任状の件」といろ。)と「焼電話加入権譲渡承認の件」(以下単に「焼電話の件」という。)との二つをその処分事由とするものであること、および「焼電話の件」についての原告の行為時は昭和二八年中であり、「委任状の件」のそれは昭和二九年五、六月中であることは当事者間に争いがなく、右処分にいたつた手続上の経過は次のとおりである。 訴外Bは原告に関する他の事案につき昭和二八年四月二四 二八年中であり、「委任状の件」のそれは昭和二九年五、六月中であることは当事者間に争いがなく、右処分にいたつた手続上の経過は次のとおりである。 訴外Bは原告に関する他の事案につき昭和二八年四月二四日付をもつて第一東京弁護士会(以下単に「一弁」という。)に原告の懲戒を請求し、さらに昭和三〇年一月二四日付の決定督促状と題する書面を提出するとともにこれに「焼電話の件」等を追記したこと、一弁は同月二五日右追加事由には触れることなく当初請求の事由について原告を懲戒に付するに足りる事由がないと認める旨の決定をBに通告したこと、そこで、Bは右決定に対して同年二月二一日付をもつて被告連合会に異議を申し立て、その異議事由中に再び右決定で判断されていない「焼電話の件」その他の事由を付加したものであることは、いずれも当事者間に争いがなく、原本の存在ならびに成立に争いのない甲第五号証の二によれば、一弁は「焼電話の件」を含む右追加事由については調査をしないまま被告連合会の要求によりBの懲戒請求にかかる一件記録を同年三月四日被告連合会に送付したことが認められ、被告連合会は同月二八日Bの右異議申立の件につきその懲戒委員会に付議したことは当事者間に争いがなく、原本の存在ならびに成立に争いのない甲第四号証の一によれば、その後同懲戒委員会においては、昭和三三年八月六日付をもつて、「焼電話の件」を含むBの追加請求にかかる事由については第一審としての調査がしてないからこの点についてさらに一弁において審査するのが相当であつて同弁護士会にこれを回付すべきである旨の報告書を提出したことが認められ、かくして、被告連合会は同年九月二四日右一件記録とともに右事案を一弁に回付したことについては当事者間に争いがない。そして前示甲第五号証の二、原本の存在ならびに成立に争いのない甲第五号証の 認められ、かくして、被告連合会は同年九月二四日右一件記録とともに右事案を一弁に回付したことについては当事者間に争いがない。そして前示甲第五号証の二、原本の存在ならびに成立に争いのない甲第五号証の一および成立に争いのない乙第一号証の二によると、右回付を受けた一弁においては、同年一〇月七日これを同会の綱紀委員会に調査を請求し、同委員会は昭和三四年三月一〇日付をもつて、Bの右追加事由については一弁として後記のごとく訴外Cよりの請求事件において既に処理ずみであつて再調査すべき特別の理由はないから懲戒委員会の審査を請求すべきでない旨の報告書を提出し、これに基づく一弁の同旨の決定に対しBはさらに被告連合会に異議の申立に及んだことが認められる。 他方、前示甲第五号証の二、乙第一号証の二、原本の存在ならびに成立に争いのない甲第七号証、成立に争いのない乙第二号証によれば、Cはこれより先昭和三一年一二月一五日付をもつて一弁に対し「委任状の件」、「焼電話の件」その他の事由による原告の懲戒を請求し、一弁においては昭和三二年四月三〇日、「委任状の件」をその懲戒委員会の審査に付し、その他の件についてはその審査に付さない旨の決定をしたこと、その結果、一弁は昭和三三年一月二〇日の懲戒委員会の議決に基づき「委任状の件」を事由として原告を六ケ月の業務停止とする懲戒処分をしたこと、これらの決定、処分に対し原告およびCからそれぞれ被告連合会に対し異議の申立がなされたことが認められる。 かくして、被告連合会は右B、原告およびCよりの異議の申立をそれぞれその懲戒委員会の審査に付し、同委員会はこれを一括して昭和三六年一〇月二八日議決し、その議決において「委任状の件」および「焼電話の件」を認定したうえ、一弁が「委任状の件」だけで六ケ月の業務停止としたのはやや重きに失するからこれ 同委員会はこれを一括して昭和三六年一〇月二八日議決し、その議決において「委任状の件」および「焼電話の件」を認定したうえ、一弁が「委任状の件」だけで六ケ月の業務停止としたのはやや重きに失するからこれを取り消し、右認定の二件を理由として同様六ケ月の業務停止を相当とする旨の議決をし、被告連合会はこの議決に基づいて本件懲戒処分をするにいたつたことは当事者間に争いがなく、右議決書たる前示乙第一号証の二によると、被告連合会は「焼電話の件」についての弁護士法(以下単に「法」という。)第六四条所定の除斥期間の適用につき、Cの懲戒請求はその請求当時原告の行為時から既に三年の期間を経過しているからCの異議の申立は採用することはできないが、Bの懲戒請求は昭和三〇年一月二四日であつて除斥期間内の請求であるからこれに基づく懲戒を免れることはできないとして右「焼電話の件」を懲戒事由に加えたものであることが認められる。 二、 原告は、右「焼電話の件」について、法第六四条に規定する三年の除斥期間の経過後懲戒の手続を開始した違法があると主張するので、まずこの点について考える。 <要旨第一>右法条にいう「懲戒の手続を開始する」ということの意義については、当裁判所も本件当事者双方が一致して</要旨第一>主張しているところと同じく、当該事件が当該弁護士会に置かれた懲戒委員会に対してその議決の前提としての審査に付されたことがこれにあたり、したがつて、たとい懲戒の事由があつたときから三年の経過前に懲戒請求人から懲戒の請求があつたとしても、また当該弁護士会が右期間内に事件をその綱紀委員会の調査に付したとしても、そのことにかかわりなく弁護士会は懲戒事由発生のときから三年を経過した後においては当該事件を懲戒委員会の審査に付することは許されないものと解する(この見解は、成立に争い 員会の調査に付したとしても、そのことにかかわりなく弁護士会は懲戒事由発生のときから三年を経過した後においては当該事件を懲戒委員会の審査に付することは許されないものと解する(この見解は、成立に争いのない甲第三八号証の一、二によれば、昭和三五年一〇月五日被告連合会の統一的見解として被告連合会から全国の弁護士会に通知されていることが認められる。)。このことは被告連合会がみずから懲戒処分をする手続についても同様にあてはまるわけであつて、被告連合会が法第六〇条によりみずから懲戒処分をするには懲戒事由があつたときから三年を経過する以前に被告連合会の懲戒委員会の審査に付されていることを要し、また法第六一条により被告連合会に異議の申立があつた場合に法第六〇条に基づきみずから懲戒処分をするときも右期間内に懲戒を適当とするとして当該事件が右懲戒委員会の審査に付されていることを要するものというべきである。ところが本件懲戒処分においては、前記のとおり、除斥期間内に懲戒請求人からの懲戒請求がなされていれば足りるとの見解がとうれその前提のもとでの判断が示されているが、この見解は右の解釈と異なるものであつて到底賛同し難いところである。 ところで、本件「焼電話の件」に関する除斥期間の経過の有無について問題となるのは、被告連合会が昭和三〇年三月二八日その懲戒委員会にBの前記異議申立の件を付議した際、右「焼電話の件」につき懲戒を適当とするとして審査の請求がなされたものと認めうるかどうかの点である。 <要旨第二>まず、Bの異議申立の件が同懲戒委員会に付議されるまでの経過をみると、前記認定事実と前示甲第四号</要旨第二>証の一、第五号証の一、二、原本の存在ならびに成立に争いのない同第四号証の二、第六号証の一によれば、当初Bの懲戒請求は本件「焼電話の件」以外の案件に関する と、前記認定事実と前示甲第四号</要旨第二>証の一、第五号証の一、二、原本の存在ならびに成立に争いのない同第四号証の二、第六号証の一によれば、当初Bの懲戒請求は本件「焼電話の件」以外の案件に関するものであつて、これに対し一弁の綱紀委員会は昭和二九年一二月二〇日付をもつて一弁会長に懲戒に付するに足りない旨の報告をし、これに基づき一弁においてはその旨の決定をして昭和三〇年一月二五日Bに通告したこと、これと入れ違いにBより同月二四日付翌二五日受付の決定督促状が提出されてその書面で初めて「焼電話の件」等が取り上げられ、さらにBは右一弁の決定に対し異議の申立をすると記載して被告連合会に異議の申立をし、その異議事由の中で再び「焼電話の件」等を付記したこと、これを受理した被告連合会はその懲戒委員会にBよりの一弁のした決定に対する異議申立の件として付議したことをそれぞれ認めることができる。してみると、 一弁の決定は「焼電話の件」等以外の当初の案件についてのみなされたものであつて「焼電話の件」は右決定の対象とはなつていないことは明らかであるから、その決定に対する異議の申立についても同様に解するのほかはなく、また右認定の事実によると、Bの右異議申立に「焼電話の件」に関し一弁が相当期間内に懲戒手続を終えないことに対する異議が含まれているものと解する余地も見出し難い。するとBの右決定督促状または異議申立書で「焼電話の件」等を付記したことは、一弁ないし被告連合会に対しこれを新たな懲戒事由として懲戒請求をしたものと解するのは格別、これをもつて「焼電話の件」に関する一弁の措置に対する不服申立がなされたものと認めることはできないわけである。 しかるところ、被告連合会がその懲戒委員会に付議したBの右異議申立の申立書には前記のように「焼電話の件」等が付記されているので 措置に対する不服申立がなされたものと認めることはできないわけである。 しかるところ、被告連合会がその懲戒委員会に付議したBの右異議申立の申立書には前記のように「焼電話の件」等が付記されているのであるから、一見すると右付記事項についても懲戒委員会に対し審査の請求がなされているがごとくである。 よつて、その際被告連合会が果して「焼電話の件」に関しみずから懲戒するのを適当と認めてこれにつき審査の請求をなしたものと認めうるかどうかの点につき次に検討しよう。 懲戒の手続に付された弁護士はその手続が結了するまで登録換または登録取消の請求ができない(法第六三条)等重大な制約、影響を受けるものであるから、懲戒手続の開始を慎重ならしめるため、法は事案をまず当該弁護士会の綱紀委員会に調査させ、その結果により当該弁護士を懲戒に付することを相当と認めたときはじめて懲戒委員会に審査を求めるべきことを規定しているのである(法第五八条第二、三項)。もつとも、被告連合会については、各弁護士会におけるように綱紀委員会の設置は義務づけられていないので、被告連合会みずからの懲戒につき規定する法第六〇条には同様のことは規定されていないが、事案につき被告連合会みずからが当該弁護士を懲戒することを適当と認めることの判断をするには慎重でなければならないことはもとより当然のことであり、現に被告連合会はその会則で綱紀委員会の設置を定め、綱紀委員会規則をも制定して同委員会による調査の制度を設けているのであるから、前記の判断をするについては、特段の事由がないかぎり、被告連合会の綱紀委員会の調査報告に基づいてこれを決すべきものといわなければならない。 しかるに、本件においては被告連合会がBの異議申立の件をその懲戒委員会に付議するに当り「焼電話の件」を含む追加事由について、あらかじめその 報告に基づいてこれを決すべきものといわなければならない。 しかるに、本件においては被告連合会がBの異議申立の件をその懲戒委員会に付議するに当り「焼電話の件」を含む追加事由について、あらかじめその綱紀委員会に調査を求めたことを認めるに足りる証拠はない。 のみならず、原本の存在ならびに成立に争いのない甲第六号証の二によれば、被告連合会の同懲戒委員会に対する審査請求書には単に「Bより、第一東京弁護士会所属会員A君に対し同会の為した懲戒事由なしとの決定に対し異議申立の件」について審査を請求する旨記載されているだけであつて、とくに「焼電話の件」を含む追加事由についてはなんら触れられていないことが認められ、しかも同懲戒委員会においては前記のようにその後昭和三三年八月六日被告連合会に対し「焼電話の件」等については第一審として未調査であるからこれを一弁に回付すべき旨の報告書が提出され、それに従つて被告連合会から右回付手続がされていて、右懲戒委員会ないし被告連合会としては「焼電話の件」等に関しみずから懲戒するかどうかとの観点からその実質審査は行つておらず、なおまた被告連合会の主張(その答弁書の引用する議決書の理由記載)によつても、「焼電話の件」と同じくBが前記異議申立書に追加した「委任状の件」に関し、直接被告連合会に懲戒を請求したのは不適法であるから一弁に移送すべきものであつたが、関連する民事事件がすむまで待つて貰いたいとの原告の申入によりしばらくこれを保留していたにすぎないといつているのである。したがつて、以上の諸点を考え合せれば、被告連合会がその懲戒委員会に対してした前記審査請求は、一弁の決定に対するBの異議申立の件のみを対象とするものであつて、「焼電話の件」等の前記追加懲戒事由について被告連合会がみずから懲戒することを適当と認めてこれをも対象 員会に対してした前記審査請求は、一弁の決定に対するBの異議申立の件のみを対象とするものであつて、「焼電話の件」等の前記追加懲戒事由について被告連合会がみずから懲戒することを適当と認めてこれをも対象としたものとは到底認め難いところである。してみると、右審査請求によつて前記追加事由につき原告に対する懲戒の手続が開始されたものと解することはできないといわざるをえない。これと異なる被告連合会の見解は採用することができない。 そしてBの懲戒請求の手続において、本件「焼電話の件」につき他に除斥期間内に懲戒の手続が開始されたことはこれを認めるべき証拠はなく、またCの懲戒請求の手続においては右の件につきその懲戒請求さえも既に除斥期間の経過後になされているものであることは本件処分書の引用する被告連合会懲戒委員会の議決書において認められているとおりであるから、被告連合会としては「焼電話の件」は除斥期間の点よりしてこれを事由として原告を懲戒することは許されないというべきである。したがつて除斥期間を経過していないとの見解のもとに右の件をも懲戒事由に加えてなした本件懲戒処分はこの点において既に違法であることは明らかであるといわなければならない。 ところで、本件懲戒処分においては、一弁が「委任状の件」だけで原告を六ケ月の業務停止としたことは重きに失するとして進んで一弁の決定を取り消したうえ、「焼電話の件」をも加えて同じく六ケ月の業務停止の処分をしているのであつて、当裁判所もこれと同様に「委任状の件」のみによる右の程度の懲戒は重きに失し、これのみにより本件処分を維持することは被告連合会として裁量を逸脱した違法をきたさしめるものと解せざるをえないから、「委任状の件」の懲戒事由につき判断をなすまでもなく、本件懲戒処分はこれを取り消し、改めて被告連合会をして審査 判断 ことは被告連合会として裁量を逸脱した違法をきたさしめるものと解せざるをえないから、「委任状の件」の懲戒事由につき判断をなすまでもなく、本件懲戒処分はこれを取り消し、改めて被告連合会をして審査判断せしめるべきものである。よつて、これが取消しを求める原告の請求は理由があるから、これを認容すべきである。 三、 次に、原告を懲戒せずとの請求については、裁判所をして行政庁たる被告連合会に代わつて不作為の行政処分をし、または裁判所に対し積極的に被告連合会に不作為の行政処分を命ずることを求めているものと解するのほかはなく、かかる請求は裁判作用の範囲を越える不適法なものといわざるをえないから、却下すべきである。 四、 よつて、訴訟費用の負担につき民事訴訟法第九二条を適用して主文のとおり判決する。 (裁判長裁判官青木義人裁判官高津環裁判官弓削孟)別紙 (一)<記載内容は末尾1添付>別紙(二)(省略)別紙 (三)<記載内容は末尾2添付>別紙(四)(省略)別紙 (五)<記載内容は末尾3添付>別紙(六)(省略)別紙(七)(省略)別紙 (八)<記載内容は末尾4添付>別紙 (九)<記載内容は末尾5添付>

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