平成14(行ケ)655 審決取消請求事件

裁判年月日・裁判所
平成15年10月29日 東京高等裁判所
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判決文本文4,459 文字)

- 1 -平成14年(行ケ)第655号審決取消請求事件(平成15年8月18日口頭弁論終結)判決原告株式会社X訴訟代理人弁理士藤本昇同鈴木活人同薬丸誠一同中谷寛昭同大中実同岩田徳哉被告株式会社Y訴訟代理人弁理士竹沢荘一同中馬典嗣主文原告の請求を棄却する。 訴訟費用は原告の負担とする。 事実及び理由 第1請求特許庁が取消2001-31121号事件について平成14年12月6日にした審決を取り消す。 第2当事者間に争いのない事実 特許庁における手続の経緯原告は,別添審決謄本写し別掲「本件商標」のとおりの構成からなり,指定商品を第14類「貴金属,貴金属製食器類,貴金属性のくるみ割器・コショウ入れ・さとう入れ・塩振出し容器・卵立て・ナプキンホルダー・ナプキンリング・盆及びようじ入れ,貴金属製の花瓶,貴金属製の水盤,貴金属製の針箱,貴金属製の宝石箱,貴金属製の蝋燭消し,貴金属製の蝋燭たて,貴金属製の喫煙用具,時計」とする商標登録第4190496号商標(平成8年12月11日商標登録出願,平成10年9月25日設定登録,以下「本件商標」という。)の商標権者である。 被告は,平成13年10月11日,本件商標の指定商品中「時計」に係る商標登録につき,不使用による登録取消しの審判を請求し,その予告登録は,同月31日(以下「予告登録日」という。)にされた。 特許庁は,同請求を取消2001-31121号事件として審理し,平成14年12月6日に「登録第4190496号商標の登録は,指定商品中『時計』について,取り消す。」との審決をし,その謄本は,同月18日,原告に送達された。 審決の理由- 2 -審決は,別添審決謄本写し記載のとおり,被請求人(原告)が提出した証 録は,指定商品中『時計』について,取り消す。」との審決をし,その謄本は,同月18日,原告に送達された。 審決の理由- 2 -審決は,別添審決謄本写し記載のとおり,被請求人(原告)が提出した証拠方法,すなわち,株式会社C(以下「C」という。)と株式会社D(以下「D」という。)間の契約書(審判乙1,本訴甲11),被請求人の商業登記簿謄本(審判乙2,本訴甲8),Cの商業登記簿謄本(審判乙2,本訴甲9),Dの商業登記簿謄本(審判乙3,本訴甲12),文字盤及び下げ札に「○○」の商標を付した時計の写真(審判乙4,本訴甲2),C名義の預金通帳,D作成の計算書及び現金出納簿(審判乙5,本訴甲3)並びに被請求人とC間の契約書(審判乙6,本訴甲10)によっては,本件商標が,予告登録日前3年以内に日本国内において商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれかによって,審判請求に係る商品「時計」について使用されていたと認めることができないから,本件商標の商標登録は,商標法50条1項の規定により,その指定商品中「時計」について取り消すべきものであるとした。 第3原告主張の審決取消事由 審決は,原告(被請求人)が審判において提出した証拠方法のみによっては,本件商標が,予告登録日前3年以内に日本国内において商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれかによって,審判請求に係る商品「時計」について使用されていたと認めることができないとしたが,誤りであるから,違法として取り消されるべきである。 取消事由(本件商標の使用の事実の誤認)(1) 本件商標の通常使用権者であるDは,①平成12年8月1日,大阪市所在の株式会社E(以下「E」という。)に対し,文字盤及び下げ札に本件商標と社会通念上同一と認められる商標を付した審判請求に係る商品「時計」である××時 用権者であるDは,①平成12年8月1日,大阪市所在の株式会社E(以下「E」という。)に対し,文字盤及び下げ札に本件商標と社会通念上同一と認められる商標を付した審判請求に係る商品「時計」である××時計CH-W1,同CH-W2,同CH-W3,同CH-W4,同CH-W5各70個を販売し,②平成13年2月14日,大阪府堺市所在のFゴルフクラブに対し同様の××時計CH-W1,1個を販売した。 (2) 原告は,上記(1)の事実を立証するため,上記審判事件で提出した証拠に加え,D作成のEあて納品書(甲4),同Fゴルフクラブあて納品書(甲5),E代表取締役A作成及びFゴルフクラブ代表者B作成の各証明書(甲6,7)並びにEの仕入台帳(甲14)を提出する。上記各納品書に納品書番号の記載がないのは,納品量が少なかったためである。また,上記審判事件において原告(被請求人)が提出した審判事件答弁書(乙1)の3頁7行目に,Dが時計の製造及び販売を開始した時期が「平成13年5月」とあるのは,「平成12年5月」の誤記にすぎない。 第4被告の反論 審決の認定判断は正当であり,原告主張の取消事由は理由がない。 取消事由(本件商標の使用の事実の誤認)について- 3 -(1) Dは,本件商標の通常使用権者とは認められず,また,原告提出の証拠によっては,原告主張に係る本件商標の使用の事実が証明されたとは認められない。 (2) 甲4,5の納品書は,納品書番号の記載がなく,真正なものと認めることはできない。また,乙1の審判事件答弁書には,「本件商標・・・の使用権者である株式会社Dは乙第4号証(注,本訴甲2)にみられるような『時計』を平成13年5月より製造を行い数店で店頭販売を行っています」(3頁6行目~8行目)と記載されて,同記載から,Dが時計の製造及び販売を開始したの Dは乙第4号証(注,本訴甲2)にみられるような『時計』を平成13年5月より製造を行い数店で店頭販売を行っています」(3頁6行目~8行目)と記載されて,同記載から,Dが時計の製造及び販売を開始したのは,平成13年5月と認められるところ,原告主張に係るDによる販売の日は,これより前の日であり,明らかに矛盾する。 第5当裁判所の判断 取消事由(本件商標の使用の事実の誤認)について(1) 原告は,Dが,①平成12年8月1日,大阪市所在のEに対し,文字盤及び下げ札に本件商標と社会通念上同一と認められる商標を付した審判請求に係る商品「時計」である××時計CH-W1,同CH-W2,同CH-W3,同CH-W4,同CH-W5各70個を販売し,②平成13年2月14日,大阪府堺市所在のFゴルフクラブに対し同様の××時計CH-W1,1個を販売したと主張し,上記①,②の販売の事実を立証するとして,文字盤及び下げ札に「○○」の商標を付した時計の写真(甲2),C名義の預金通帳,D作成の計算書及び現金出納簿(甲3),D作成のEあて納品書(甲4),同Fゴルフクラブあて納品書(甲5),E代表取締役A作成及びFゴルフクラブ代表者B作成の各証明書(甲6,7)並びにEの仕入台帳(甲14)を提出する。 (2) しかしながら,上記審判事件に係る原告提出の審判事件答弁書(乙1)には,「本件商標・・・の使用権者である株式会社Dは乙第4号証(注,本訴甲2)にみられるような『時計』を平成13年5月より製造を行い数店で店頭販売を行っています」(3頁6行目~8行目)と記載され,同記載によれば,Dが時計の製造及び販売を開始したのは,平成13年5月ということになるが,原告主張に係るDによる上記①,②の販売日は,いずれも上記販売開始日より前であって明らかに矛盾する。原告は,上記審判事件答弁 Dが時計の製造及び販売を開始したのは,平成13年5月ということになるが,原告主張に係るDによる上記①,②の販売日は,いずれも上記販売開始日より前であって明らかに矛盾する。原告は,上記審判事件答弁書(乙1)に「平成13年5月」とあるのは,「平成12年5月」の誤記にすぎないと主張するが,同審判事件答弁書の2頁には,「商標権者・・・は株式会社Dに商標権の使用許諾を与えて,平成12年8月1日から平成13年12月現在も契約を結んでいて,現在株式会社Dは上記商標を付した『時計』を販売しています」と記載され,また,本件商標の使用許諾に関するCとD間の契約書(甲11)の契約日は「平成12年8月1日」と記載されているのであって,仮に,原告主張のとおり「平成13年5月」とあるのが「平成12年5月」の誤記であるとすると,今度は,Dが本件商標の使用許諾を受けた平成12年8- 4 -月1日より前に時計の製造及び販売を開始したという新たな矛盾が生ずるのであって,結局,原告主張の矛盾は解消することができない。 (3) 上記のとおり,原告の主張は,上記審判事件における主張と明らかに矛盾し,それ自体として疑義を免れ難いところであるが,原告提出に係る上記各証拠について更に検討すると,甲2の写真には,文字盤及び下げ札に本件商標と社会通念上同一と認められる「○○」の商標を付した時計が撮影されているが,同写真の撮影年月日は不明である。 甲3中のC名義のG信用金庫河内支店扱いの預金通帳には,平成12年6月30日にDから210万円が入金された旨の記載があるが,同記載のみによっては,上記各販売の事実を認めるに足りない。さらに,甲3中の「計算書(12年8月)」には,「ブランド名」,「商品」,「内容」,「数量」,「単価」,「金額」の各欄に,「××」,「時計」,「¥10,0005モデ 各販売の事実を認めるに足りない。さらに,甲3中の「計算書(12年8月)」には,「ブランド名」,「商品」,「内容」,「数量」,「単価」,「金額」の各欄に,「××」,「時計」,「¥10,0005モデル格100本」,「500」,「700」,「350,000」との記載が,また,現金出納簿の平成12年8月1日の欄にも,上記計算書の記載に沿う記載があり,D作成のEあて納品書(甲4),同Fゴルフクラブあて納品書(甲5),E代表取締役A作成及びFゴルフクラブB代表者作成の各証明書(甲6,7)並びにEの仕入台帳(甲14)にも,原告主張に係るDによる上記①,②の販売に沿う記載がある。しかしながら,これらの各証拠は,その記載の態様及び内容に照らし,いずれも被告による上記審判請求後においても作成が可能なものであって,原告の上記主張を裏付ける的確な証明力を有するものではなく,また,その記載に係る販売日が上記審判事件における主張と明らかに矛盾することは上記のとおりであり,いずれも採用することができない。 以上検討したところによれば,原告主張に係る本件商標の使用の事実が証明されたということはできないから,原告主張の取消事由は理由がなく,他に審決を取り消すべき瑕疵は見当たらない。 よって,原告の請求は理由がないからこれを棄却することとし,主文のとおり判決する。 東京高等裁判所第13民事部裁判長裁判官篠原勝美裁判官岡本岳裁判官早田尚貴

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