平成13(ワ)374 損害賠償請求

裁判年月日・裁判所
平成14年4月19日 岡山地方裁判所
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判決文本文4,324 文字)

主文 被告は,原告に対し,金330万円及びこれに対する平成11年12月24日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 原告のその余の請求を棄却する。 訴訟費用は,これを5分し,その4を原告の,その余を被告の各負担とする。 この判決は,原告勝訴部分に限り仮に執行することができる。 事実 第1当事者の求めた裁判 原告の請求の趣旨(1)被告は,原告に対し,1650万円及びこれに対する平成11年12月24日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 (2)訴訟費用は,被告の負担とする。 (3)仮執行宣言 請求の趣旨に対する被告の答弁(1)原告の請求を棄却する。 (2)訴訟費用は,原告の負担とする。 第2事案の概要本件は,陸上の100メートル及び槍投げの選手である原告が,交通事故により,頭部外傷等の傷害を受け,そのため陸上競技の成績が振るわず,大学の進学等に支障をきたしたとして,同事故の加害者である被告に対し,慰謝料等の損害賠償を求めた(附帯請求は,同事故発生の日である平成11年12月24日から支払済みまで民法所定年5分の割合による遅延損害金である)事案。 である。 第3当事者の主張 原告の請求原因(1)交通事故の発生(以下「本件事故」という)。 ア日時平成11年12月24日午後10時55分ころイ場所岡山県倉敷市ab番c号先路上(国道上)ウ加害車両被告運転の普通乗用自動車(岡山dそe・以下「被告車」という)。 エ被害車両原告が同乗するE運転の普通乗用自動車(岡山fむg・以下「E車」という)。 オ事故態様被告車が中央分離帯を越えて反対車線に飛び込み,反対車線を走行していたE車に衝突した。 (2)被告の責任被告は,被告車を運転していたものであり,自動車損害賠 下「E車」という)。 オ事故態様被告車が中央分離帯を越えて反対車線に飛び込み,反対車線を走行していたE車に衝突した。 (2)被告の責任被告は,被告車を運転していたものであり,自動車損害賠償保障法3条の運行供用者としての責任を負う。 (3)原告の受傷原告は,本件事故により,頭部外傷,頸部捻挫,顔面挫創,右手挫創の傷害を負い,次のとおり入通院をした。 ア水島中央病院平成11年12月24日から同月31日入院1日,通院6日平成12年1月1日から同月26日通院9日イ滝沢整形外科平成12年1月15日から同月31日通院9日平成12年2月1日から同月29日通院19日平成12年3月1日から同月31日通院25日平成12年4月1日から同月30日通院9日平成12年5月1日から同月31日通院8日平成12年6月1日から同月20日通院7日ウ川崎医科大学附属病院平成12年2月12日通院1日平成12年2月13日から同年7月8日通院1日(4)原告の後遺障害ア原告は,顔面に瘢痕醜状痕が残ると共に,運動をしている時,左肩部骨周囲にしびれがくる症状が継続している。 イ原告の後遺障害は,自賠責後遺障害等級14級11号(男子外貌醜状障害)に該当する。 (5)原告の損害ア原告は,本件事故当時,岡山東商業高等学校の陸上部に所属し,短距離100メートル,やり投げ選手として活躍していたもので,陸上アスリートである。 イ原告の陸上競技の経歴は,別紙原告の競技歴のとおりである。 ウ(ア)原告は,①アシックスと平成11年にスポンサー契約につき,電話による確認が原告が通学する学校になされたが,原告の意向により断ったことがあり,②また,同年,順天堂大学,国士舘大学,大阪体育大学,早稲田大学から入学の勧誘があり担当者教授などと面接し, つき,電話による確認が原告が通学する学校になされたが,原告の意向により断ったことがあり,②また,同年,順天堂大学,国士舘大学,大阪体育大学,早稲田大学から入学の勧誘があり担当者教授などと面接し,平成12年には,筑波大学からも入学の勧誘があったが拒否した。 大学進学状況(イ)原告は,平成12年に関西大学,同志社大学,筑波大学に不合格となり,関西大学では,面接官に今期の成績がない理由をしつこく問われた。 エ原告は,シドニーオリンピック予選に出場するべく準備をすすめてきていたもので,その機会を逃したこと,更には大学進学を控えての公式競技へ参加する機会を逃したこと,また,事故後,公式競技への参加ができなかったこと及び傷害による成績結果の低下等により従前のような記録更新が望めなかったことに対する精神的苦痛は著しいものであり,原告の将来の人生設計が全くうち砕かれてしまったものである。これに対する慰謝料としては,傷害,後遺障害分として合計1500万円を相当とする。 (6)弁護士費用150万円が相当である。 ,,,,(7)よって原告は被告に対し不法行為による損害賠償請求権に基づき1650万円及びこれに対する不法行為の日である平成11年12月24日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める。 請求原因に対する被告の認否(1)請求原因(1)から(3)は,いずれも認める。 (2)同(4)アのうち,原告の顔面に瘢痕醜状痕が残ったことは認めるが,その余は不知。 同イは認める。 (3)同(5)アからウは,いずれも不知。 同エのうち,損害額については否認し,その余は不知。 (4)同(6),(7)は,いずれも争う。 理由 請求原因(1)から(3)(本件事故の発生,被告の責任,原告の受傷)同(4)(原告 も不知。 同エのうち,損害額については否認し,その余は不知。 (4)同(6),(7)は,いずれも争う。 理由 請求原因(1)から(3)(本件事故の発生,被告の責任,原告の受傷)同(4)(原告の後遺障害)のうち,原告の顔面に瘢痕醜状痕が残ったこと,原告が自賠責後遺障害等級14級11号(男子外貌醜状障害)の後遺障害を負ったことは,当事者間に争いがない。 そこで,原告に対する慰謝料の額について判断する。 (1)証拠(甲14から68,原告本人〔ただし,後記認定に反する部分は,除く)及び弁論の全趣旨によると,以下の事実が認められる。 。〕ア原告は,岡山東商業高等学校に入学後,陸上部に入部し,100メートル走とともに,やり投げ競技を始め,1日3時間ぐらいの練習を行っていた。 原告は,別紙原告の競技歴のとおりの経歴を有するところ,高校2年の時には,県選手権において69メートル94という,この年の全国高校ランキングナンバーワンの記録を出すなどし,順天堂大学,国士舘大学,大阪体育大学等から進学を勧誘されたり,アシックス社からスポンサー契約の申込みがなされるなどした。 しかし,平成11年12月24日に本件事故に遭ってからは,平成12年6月20日ころまで,満足に練習することができなかった。 そのため,高校3年時には,平成12年4月23日の兵庫リレーカーニバルと同年5月3日のシドニーオリンピック予選については,体調不良を理由に出場を辞退し,それ以降に開催された,県選手権,国体予選,中国選手権については,出場したものの61メートル程度の記録しか出なかった。 イ原告は,関西大学,同志社大学,筑波大学の入学試験には不合格となったものの,現役で国士舘大学体育学部に合格し,現在も同大学の陸上部でやり投げ競技を続けており,平成13年の秋の国体では71メートル イ原告は,関西大学,同志社大学,筑波大学の入学試験には不合格となったものの,現役で国士舘大学体育学部に合格し,現在も同大学の陸上部でやり投げ競技を続けており,平成13年の秋の国体では71メートルの記録を出し,5位に入賞した。今後も原告は,全国インターカレッジ,関東インターカレッジ,グランプリシリーズなどの競技に出場予定があり,陸上競技を続けていく考えである。 ウやり投げ競技におけるオリンピック出場の目安である国際A 標準記録は,82メートルであるが,現在,日本のトップ選手であってもこの記録をクリアできる者はおらず,現に,シドニーオリンピックのやり投げ競技に出場した日本人選手はいなかった。 エ現在,原告の左肩の痛みは,消失しているものの,やりを投げる際に違和感が残っている。 (2)上記認定の事実によれば,原告は本件事故に遭い,前記傷害を負ったことによって,事故発生日である平成11年12月24日から約半年間にわたって,満足な練習ができなくなり,その結果,大学進学やシドニーオリンピック出場のために極めて重要であった競技会に欠場したり,出場しても不本意な結果しか残せなかったりしたことは明らかである。 他方,原告は,現在ではやりを投げる際に違和感が残っているものの,左肩の痛みは,消失し,今後も陸上選手として活動を続けていく考えでおり,。 ,,就労するについて特段不利益な事情が存するわけでもない加えて原告が本件事故により負傷していなければ,高校3年時においても順調に競技成績を伸ばして,第1希望の大学に合格したり,シドニーオリンピックに出場できた可能性は否定できないものの,なお不確定要素があって,これらが確実に実現し得たと認めるに足る証拠はない。 (3)以上の事実に本件事故の態様,原告の受傷内容・程度,入通院期間,後遺障害の内容・ きた可能性は否定できないものの,なお不確定要素があって,これらが確実に実現し得たと認めるに足る証拠はない。 (3)以上の事実に本件事故の態様,原告の受傷内容・程度,入通院期間,後遺障害の内容・程度等,本件に顕われた一切の事情を勘案すると,本件事故により原告が被った精神的苦痛に対する慰謝料としては,傷害,後遺障害分合わせて300万円とするのが相当である。 弁護士費用原告が本件訴訟の提起・追行を弁護士である原告代理人に委任したことは,本件記録によって明らかであるところ,本件事案の内容,審理の経過及び認容額等を考慮すると,本件事故と相当因果関係にある弁護士費用は,30万円とするのが相当である。 以上によれば,原告の請求は,330万円及びこれに対する不法行為の日である平成11年12月24日から支払済みまで年5分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で理由があるから,その限度で認容し,その余は失当であるから棄却することとし,訴訟費用の負担につき民事訴訟法64条本文,61条を,仮,。 執行の宣言につき同法259条1項をそれぞれ適用して主文のとおり判決する岡山地方裁判所第2民事部裁判官小野木等(別紙)省略

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