令和5年2月21日判決言渡同日原本受領裁判所書記官平成31年(ワ)第76号損害賠償請求事件口頭弁論終結日令和4年12月9日判決 主文 1 被告は、原告Aに対し、3917万1305円及びこれに対する平成31年3月19日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 2 被告は、原告Bに対し、3917万1305円及びこれに対する平成31年3月19日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 3 原告らのその余の請求をいずれも棄却する。 4 訴訟費用は、これを5分し、その4を被告の負担とし、その余を原告らの負担とする。 事実 及び理由第1 請求 1 被告は、原告Aに対し、4515万7000円及びこれに対する平成31年3 月19日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 2 被告は、原告Bに対し、4515万7000円及びこれに対する平成31年3月19日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 第2 事案の概要本件は、原告らが、陸上自衛隊に入隊し、勤務していた原告らの子は、長時間 勤務や上司の限度を超えた指導等によってうつ病を発症し、自殺をしたとして、安全配慮義務違反に基づく損害賠償として、前記第1の損害賠償金(附帯請求は、訴状送達日の翌日を起算日とする平成29年法律第44号による改正前の民法に基づく遅延損害金)の支払を求める事案である。 1 前提事実(争いのない事実並びに後掲各証拠(以下、枝番号のあるものは各枝 番号を含むものとする。)及び弁論の全趣旨によって認められる事実) ⑴ 当事者等ア亡Cは、昭和▲年▲月▲日生まれの男性である。亡Cは、平成25年5月当時、陸上自衛隊D駐屯地において 含むものとする。)及び弁論の全趣旨によって認められる事実) ⑴ 当事者等ア亡Cは、昭和▲年▲月▲日生まれの男性である。亡Cは、平成25年5月当時、陸上自衛隊D駐屯地において、第14特科隊第3科兼本部管理中隊指揮小隊長として勤務していたが、同月9日ないし同月10日頃にうつ病を発症し、同月▲日に自殺した(以下「本件自殺」という。)。 イ原告らは、亡Cの父母であり、亡Cの相続人である。 ウ E元隊長は、平成25年5月当時、第14特科隊長であった。 ⑵ 亡Cの業務内容第14特科隊は、特科隊本部のほか、特科隊本部の支援や管理をする本部管理中隊と、実際に戦闘を実施する第1ないし第3中隊とで組織されている。亡 Cは、本件自殺当時、本部管理中隊に在籍していたが、特科隊本部内で運用訓練を担当する第3科に配置を指定され、第3科長の下で勤務していた。第14特科隊は、射撃等により任務を遂行する部隊であり、亡Cは、特科隊本部第3科の指揮小隊長として、各個・基本訓練、特科射撃、中隊実射検閲等を業務内容としていた。(甲1、乙1) ⑶ 亡Cの勤務状況等ア亡Cは、平成25年3月以降、入隊した自衛官候補生を対象とする自衛官候補生課程に関する業務を担当していた。なお、同年は、第14特科隊において受け入れる自衛官候補生が、例年の2倍近くの多人数(例年40ないし50名程度であるのが90名以上)であるという事情があった。 また、亡Cは、同年4月24日から同年5月9日にかけて実施された野営訓練に参加し、実射訓練や築城訓練等に従事して、さらにその後、各砲が射撃した各砲弾の弾着点や射撃諸元等を分析し、検証する射撃審査の業務を行った。そして、同日、射撃審査の結果をE元隊長に報告したが、分析 練に参加し、実射訓練や築城訓練等に従事して、さらにその後、各砲が射撃した各砲弾の弾着点や射撃諸元等を分析し、検証する射撃審査の業務を行った。そして、同日、射撃審査の結果をE元隊長に報告したが、分析内容が不十分であるとして、再度、詳細な分析をして報告するようにとの指示を受 け、本件自殺の前日に至るまで分析を継続していたものの、再度の報告に至 らなかったという事情があった。(以上について、甲2、乙2、8)イ亡Cは、平成25年5月9日頃までに、周囲の同僚らが、元気がなく、顔色が悪く、周囲の声掛けに対して反応が薄いなど、通常とは異なる様子に気付く状況となり、うつ病にり患したと診断し得る状態となった。(乙10、23) ウ亡Cは、上記イの状態となる経緯で、以下のとおり、長時間にわたる超過勤務を行っていた(乙8)。なお、亡Cの所属する第14特科隊では、平成25年5月11日から同月▲日にかけて統一代休期間であったが、亡Cは、その期間中も出勤しており、本件自殺の日の前1か月を前提に算定した超過勤務時間は約168時間であった(乙2)。 平成25年4月10日から1か月間約216時間同年3月10日から1か月間約105時間同年2月10日から1か月間約 99時間同年1月10日から1か月間約156時間平成24年12月10日から1か月間約 95時間 同年11月10日から1か月間約157時間⑷ 公務災害認定手続等ア原告らがした公務災害認定の申請に対し、当初、D駐屯地業務隊長は、平成25年10月23日、本件自殺は公務上の災害と認められないと判断し、その旨の通知をしたが、これを不 ⑷ 公務災害認定手続等ア原告らがした公務災害認定の申請に対し、当初、D駐屯地業務隊長は、平成25年10月23日、本件自殺は公務上の災害と認められないと判断し、その旨の通知をしたが、これを不服とする原告らの申出を受けて、中部方面 総監部法務官が認定審査業務を行った結果、上記⑶ウの超過勤務があったことなど、亡Cが従事していていた業務は、本件自殺の原因となった重度のうつ病を発症させるに足りる強度の精神的・肉体的負荷を与えるものであり、業務とうつ病の発症及び本件自殺との間には相当因果関係があると判断されたことから、陸上幕僚長は、平成30年4月23日、公務災害認定の承認 をした。(甲3、乙3、8) イ上記アの経緯で中部方面総監部がした調査においては、平成28年3月に、平成25年5月当時に第14特科隊に所属していた全隊員233名を対象とするアンケート調査(甲6)が、さらに、平成29年12月に、同特科隊の本部第3科等で亡Cと業務に従事していた同僚隊員ら12名を対象とする調査(乙19、20)がそれぞれ実施された。 ⑸ 公務災害認定に伴う給付被告は、原告らに対し、平成30年8月8日、遺族特別支給金として各150万円(合計300万円)及び遺族特別援護金として各930万円(合計1860万円)を給付するとともに、同年10月15日、遺族補償一時金として各488万2000円(合計976万4000円)及び遺族特別給付金として9 7万6400円(合計195万2800円)をそれぞれ給付した。また、被告は、同日、原告Aに対し、葬祭補償として60万7920円を給付した。(乙4ないし6) 2 原告らの主張(請求原因)⑴ 亡Cは、第14特科隊の部隊の中核を担う第3科に所属して、新隊員の教育 、原告Aに対し、葬祭補償として60万7920円を給付した。(乙4ないし6) 2 原告らの主張(請求原因)⑴ 亡Cは、第14特科隊の部隊の中核を担う第3科に所属して、新隊員の教育 を含む広範な業務を担当し、前提事実⑶ウのとおり、過重な超過勤務を行っていた。 また、E元隊長は、日常的に、具体的な理由を示さずに決裁を通さないなど、主観的な好悪による感情的で厳しい指導をしていた。このことは、自衛隊という上下関係が強固な組織でありながら、前提事実⑷イのアンケートにおいて5 8名もの隊員が、E元隊長の指導方法に否定的な意見を回答したことからも明らかである。そして、亡Cは、前提事実⑶アのように、E元隊長から射撃審査の再報告を求められたが、その求めは、他の隊員の前で叱責された上、高度にして過大な業務量を伴うというものであった。 亡Cは、過重な超過勤務と、E元隊長によりされた社会通念上許容される限 度を超えたパワーハラスメントというべき指導の相互相乗作用によって生じ た強い心理的負荷により本件自殺に至った。 ⑵ 亡Cをその指揮命令下において勤務に従事させていた被告には、業務の遂行に伴う疲労や心理的負荷等が過度に蓄積して心身の健康が損なうことがないように注意するべき安全配慮義務があるところ、亡Cに上記⑴のような勤務に従事させた被告には、同義務違反がある。 ⑶ 亡Cが被った損害は、以下のとおりであり、原告らは、各2分の1 の割合でこれを相続した。 ア死亡慰謝料 2600万0000円イ死亡逸失利益 5450万4000円ウ葬祭料 160万0000円 エ弁護士費用 821万0000円オ合計 0円イ死亡逸失利益 5450万4000円ウ葬祭料 160万0000円 エ弁護士費用 821万0000円オ合計 9031万4000円 3 被告の主張(請求原因に対する認否等)⑴ 原告らの主張⑴は、本件自殺が、長時間勤務と上司の指導上の問題に起因するものであることは争わない。 なお、原告らは、E元隊長がした指導が限度を超えたものであったと主張するが、ある上司がしたある指導をどのように評価するかは、人によって様々な受け止めがあり、変わり得るものである。前提事実⑷イのアンケートにおいて、原告らが指摘するような回答があった一方で、39名の隊員がE元隊長に指導方法に肯定的な意見を述べ、11名の隊員が肯定と否定のどちらでもないとの 意見を述べていることや、アンケートにおける賛否の数をもって評価が決まるものではないことからすれば、その指導が、社会通念上、限度を超えたものであったとまでいえない。 ⑵ 原告らの主張⑵は、被告に安全配慮義務があることは認め、その義務違反については争わない。 ⑶ 原告らの主張⑶は、以下のとおり争う。 ア死亡慰謝料額は、標準的な損害賠償における若年単身者を前提とした算定額、被告において、前提事実⑸の遺族特別支給金、遺族特別援護金、及び、遺族特別給付金(合計2355万2800円)の支給をしていること、及び、自衛隊における殉職隊員として追悼し、今後も追悼の機会を持ち続けることを考慮すると、高額にすぎる。 イ死亡逸失利益は、亡Cの被った損害の補填として、原告らに、前提事実⑸の遺族補償一時金の支給がされているので、その控除がされるべきであり、4474万円を超 考慮すると、高額にすぎる。 イ死亡逸失利益は、亡Cの被った損害の補填として、原告らに、前提事実⑸の遺族補償一時金の支給がされているので、その控除がされるべきであり、4474万円を超えない。 ウ葬祭料は、原告らが現実に支払った額が109万0530円であり、前提事実⑸の葬祭補償が支給されているから、48万2610円とすべきである。 第3 当裁判所の判断 1 原告らの主張⑴及び⑵について⑴ 原告らの当該主張について、被告は、亡Cの本件自殺が、長時間勤務と上司の指導上の問題に起因するものであることや、被告に安全配慮義務違反があること自体を特段争っていない。もっとも、安全配慮義務に反した具体的な事情 如何によっては、損害額の認定評価に一定の影響が生じ得ると解されるので、原告らの主張⑴についてさらに検討する。 ⑵ 前提事実に加えて、各摘示の証拠及び弁論の全趣旨によれば、平成25年当時、亡Cが配置されていた特科隊本部第3科は、特科隊の隊務の中心となる部隊運用や、訓練・演習を担当する、部隊全体をけん引するような中核部署であ り、最も多忙な部署であったこと(乙27)、同年春は、前提事実⑶アのように、例年の2倍近くという多人数の自衛官候補生を受け入れることになったため、亡Cは、通常の業務に加えて、他の中隊と教官の確保について調整する業務や、プレハブ製教場の設置に関する設計図の作成業務等もしていたこと(甲2、乙19、20、27、証人E)、そのような中、亡Cは、同年4月24日か ら行われた野営訓練に参加し、射撃準備から射撃審査の業務等を担当したとこ ろ、当該野営訓練における実射練成訓練では成果を出せない状況があり、指揮小隊長であった亡Cが焦り、疲れている様子を、複数の隊員が目にしていたこと 射撃準備から射撃審査の業務等を担当したとこ ろ、当該野営訓練における実射練成訓練では成果を出せない状況があり、指揮小隊長であった亡Cが焦り、疲れている様子を、複数の隊員が目にしていたこと(乙19、20)、そして、同年5月9日に至るまでの間、亡Cは、前提事実⑶ウのように、長期間にわたって超過勤務を重ねており、とりわけ、同日に至る直近1か月は、約216時間もの超過勤務をしていたこと、同年5月9日、 第3科長の主催で野営訓練後の成果報告会議が開催され、その中で、射撃審査のE元隊長に対する成果報告が亡Cの担当の下行われたが、報告の内容は、E元隊長からみて、客観的な事実の羅列に止まっていて、どこに問題点があり、どのように改善するかについての報告が含まれていないと受け止められるものであったため、E元隊長は、第3科としてなすべき検討がされていない不十 分な報告であり、再度、詳細な分析をして報告するよう注意をし、指示をしたこと(乙2、19、20、27、証人E)、なお、その指示の際、E元隊長は、第3科が多忙であることは認識していたものの、亡Cを含む個別の隊員の超過勤務の状況については、直属の上司がしているものとして、把握していなかったこと(乙27、証人E)、その後、第4特科隊では、同月11日から同月▲日 にかけて統一代休期間となったが、亡Cは、その期間中も出勤をして、射撃審査の再報告準備等の業務をしており、亡Cが、前提事実⑶イのように疲弊し、元気がない様子であったことを複数名の隊員が現認していたこと(乙19、20)、しかし、亡Cの超過勤務の状況を把握していたはずの第3科長ら上司や亡Cの同僚らが、亡Cがしていた業務を分担したり、負担軽減策を講じたりす るような組織的な支援をした経緯はなく、亡Cは、1人で業務を行っていたこ 勤務の状況を把握していたはずの第3科長ら上司や亡Cの同僚らが、亡Cがしていた業務を分担したり、負担軽減策を講じたりす るような組織的な支援をした経緯はなく、亡Cは、1人で業務を行っていたこと(乙19、20)、その結果、亡Cは、前提事実⑶ウのとおり、同月▲日に至る直近1か月に約168時間もの超過勤務をした上、統一代休期間が終了した翌朝早朝に本件自殺をしたことがそれぞれ認められる。 以上の事実経過からすると、亡Cは、多忙な部署において、長期間にわたっ て長時間にわたる超過勤務を余儀なくされた上、超過勤務の実情を踏まえた上 司らによる適切な配慮もされず、組織的な支援や対応を受けることがないままに疲弊し、本件自殺に至ったものと認められる。 ⑶ なお、原告らは、原告らの主張⑴のとおり、本件自殺は、過重な超過勤務に加え、E元隊長による社会通念上許容される限度を超えたパワーハラスメントというべき指導があったことが原因である旨の主張をする。そして、証拠(甲 6、乙19、20)によれば、前提事実⑷イの経緯でされたアンケートにおいて、E元隊長を除く232名中58名といった少なくない人数の隊員が、同隊長の指導が高圧的であるとか、解決策を示さず、自分で考えるような指導で、対応が難しいといった意見を述べていたことや、前提事実⑷イの経緯でされた同僚隊員らへの調査でも同様の意見が述べられていたことが認められるし、結 果的に、E元隊長がした射撃審査の再報告の指示が、元々多かった亡Cの業務量を一層増加させたことは容易に認められるところである。 しかし、E元隊長は、第14特科隊全体の隊長であって亡Cの直属の上司ではなく、日常的に亡Cを指導等する関係にあったとは認められないし、そもそも上記⑵で認定した野営訓練の成果報告会議における ある。 しかし、E元隊長は、第14特科隊全体の隊長であって亡Cの直属の上司ではなく、日常的に亡Cを指導等する関係にあったとは認められないし、そもそも上記⑵で認定した野営訓練の成果報告会議における射撃審査の報告を巡る やり取り以外に、E元隊長が亡Cに対して直接の指導等をしていたという事実を認めるに足りる証拠がない。また、成果報告会議は、その会議自体が第3科長によって開催されたものであり、亡Cは、第3科の業務として当該報告をしたものであるから、当該報告に対してされたE元隊長の指示は、亡C個人に向けてではなく、当該報告の主体というべき第3科の隊員らに向けて行われたも のであったと推認されるところ、その推認を覆し、E元隊長が亡Cを個人的に非難したり、亡C個人に対して過重な業務遂行を強いたりしたといった事情があったと認める証拠もない。かえって、上記⑵で認定したように、射撃審査において、実射練成訓練で成果が出せなかった経緯があり、その問題点の分析が不十分であったとすれば、速やかな再検討と再報告を指示すること自体は合理 的な対応であったといわざるを得ないし、そもそも亡Cに負担が集中している 状況があり、亡Cが長時間の超過勤務を続け、統一代休期間も出勤するなどして疲弊している状況を上司らが把握し得た状況にありながら、亡Cの業務を分担したり、負担軽減策を講じたりするなどの組織的な支援や対応がされなかったことは、上記⑵で認定したとおりである。 もとより、職務上の地位の優位性などを背景に、適正な業務の範囲を超えて、 容易にできない業務遂行を部下職員らに強いるなどして、精神的、身体的苦痛を与えることが許されないことは明らかである。しかし、以上に認定説示した本件における事情からすると、亡Cの本件自殺の原因として、長時間にわたる 業務遂行を部下職員らに強いるなどして、精神的、身体的苦痛を与えることが許されないことは明らかである。しかし、以上に認定説示した本件における事情からすると、亡Cの本件自殺の原因として、長時間にわたる超過勤務と、そのような亡Cの状況を認識し得える状況にありながら適切な支援や対応をしなかった上司らの指導ないし労務管理上の問題があったことを 超えて、E元隊長が射撃審査においてした指示が、亡Cに対してされた社会通念上許容される限度を超えたパワーハラスメントというべき指導であったとまで認めることはできないといえ、本件自殺の経緯については、上記⑵のとおり認定評価するのが相当というべきである。 2 原告らの主張⑶について ⑴ 死亡慰謝料額について上記1で認定説示したように、多忙な部署での業務についた亡Cが、長期間にわたって相当時間にわたる超過勤務を余儀なくされていながら、組織的な支援や対応を受けられないまま、疲弊し、本件自殺に至ったことを踏まえると、亡Cに対する所定の遺族特別支給金等が給付されていることや、追悼の機会が 存在していることといった被告が主張する事情を考慮しても、亡Cに対する死亡慰謝料は、原告らが主張するとおり2600万円をもって相当と解するべきである。 ⑵ 死亡逸失利益についてまず、亡Cにおける死亡逸失利益が5450万4000円と算定できること については、当事者間に争いがない。 その上で、証拠(乙5)によれば、原告らに対して、平成30年10月15日付けで、遺族補償一時金がそれぞれ488万2000円(合計976万4000円)支給されていることが認められる。遺族補償一時金は、公務に基づき職員が死亡した場合における、本人等が受ける損害に対する補償として支給さ 補償一時金がそれぞれ488万2000円(合計976万4000円)支給されていることが認められる。遺族補償一時金は、公務に基づき職員が死亡した場合における、本人等が受ける損害に対する補償として支給されるものであるから(国家公務員法93条、防衛省の職員の給与等に関する法 律27条1項、国家公務員災害補償法15条)、死亡逸失利益の額は、遺族補償一時金分の控除をした4474万円と認めるのが相当である。 ⑶ 葬祭料について証拠(乙6、7)によれば、亡Cの葬儀に伴う費用として109万0530円が支払われた一方で、葬祭補償(防衛省の職員の給与等に関する法律27条 1項、国家公務員災害補償法18条)として60万7920円の支給がされた事実が認められる。 したがって、葬祭料の額は、葬祭補償分の控除をした48万2610円と認めるのが相当である。 ⑷ 弁護士費用について 上記⑴ないし⑶の合計額は7122万2610円であるところ、本件事案に鑑み、弁護士費用として712万円をもって相当と認める。 ⑸ 相続について上記⑴ないし⑷の合計額は7834万2610円であるところ、原告らの法定相続分は各2分の1であるから、各3917万1305円の損害賠償請求権 を有することとなる。 3 結論以上の次第であって、原告らの請求を、主文第1項及び第2項の限度でそれぞれ認容して、その余を棄却することとし、仮執行宣言は、相当でないからこれを付さないこととして、主文のとおり判決する。 大津地方裁判所民事部 裁判長裁判官堀部亮一 裁判官脇田奈央 大津地方裁判所民事部 裁判長裁判官堀部亮一 裁判官脇田奈央 裁判官松倉梨香
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