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主文 1 第1事件被告(第2事件被告)は,第1事件原告らに対し,それぞれ金15万円及びこれに対する平成10年8月4日から支払済みに至るまで年5分の割合による金員を支払え。2 第1事件原告らのその余の請求及び第2事件原告の請求をいずれも棄却する。3 訴訟費用は,第1事件原告らに生じた費用に第1事件被告(第2事件被告)に生じた費用の7分の6を加えたもののうち5分の3を第1事件被告(第2事件被告)の負担とし,5分の2を第1事件原告の負担とし,第2事件原告に生じた費用と第1事件被告(第2事件被告)に生じた費用の7分の1を第2事件原告の負担とする。事実及び理由 第1 請求 1 第1事件被告(第2事件被告,以下「被告」という。)は,第1事件原告らに対し,それぞれ金25万円及びこれに対する平成10年2月28日から支払済みに至るまで年5分の割合による金員を支払え。2 被告は,第2事件原告(以下「原告A3」という。)に対し,金50万円及びこれに対する平成10年2月28日から支払済みに至るまで年5分の割合による金員を支払え。第2 事案の概要本件は,東大阪市に在住する「保育に欠ける児童」であった原告A3,B3及びC3(以下「本件各児童ら」という。)の保護者である第1事件原告ら及び原告A3(以下「第1事件原告ら及び原告A3を併せて「原告ら」ともいう。)が,本件各児童らにつき被告の公務員である東大阪市中福祉事務所長(以下「中福祉事務所長」という。)及び東大阪市東福祉事務所長(以下「東福祉事務所長」という。)に対して保育所入所措置申請を行い,入所保留処分を受けたことに関し,①被告自身の不法行為責任,②中福祉事務所長及び東福祉事務所長並びに東大阪市長の違法行為に関する国家賠償法1条1項の責任に基づき,被告に対し,原告らが被った損害の賠 入所保留処分を受けたことに関し,①被告自身の不法行為責任,②中福祉事務所長及び東福祉事務所長並びに東大阪市長の違法行為に関する国家賠償法1条1項の責任に基づき,被告に対し,原告らが被った損害の賠償を求めた事案である。 を受けたことに関し,①被告自身の不法行為責任,②中福祉事務所長及び東福祉事務所長並びに東大阪市長の違法行為に関する国家賠償法1条1項の責任に基づき,被告に対し,原告らが被った損害の賠 入所保留処分を受けたことに関し,①被告自身の不法行為責任,②中福祉事務所長及び東福祉事務所長並びに東大阪市長の違法行為に関する国家賠償法1条1項の責任に基づき,被告に対し,原告らが被った損害の賠償を求めた事案である。1 争いのない事実等(1)当事者等第1事件原告A1及び第1事件原告A2(以下「原告Aら」ともいう。)は,夫婦であって,その子である原告A3(平成7年9月28日生まれ)を養育するものであり,第1事件原告B1及び第1事件原告B2(以下「原告Bら」ともいう。)は,夫婦であって,その子であるB3(平成8年11月15日生まれ)を養育するものであり,第1事件原告C1及び第1事件原告C2(以下「原告Cら」ともいう。)は,夫婦であって,その子であるC3(平成8年6月22日生まれ)を養育するものである。被告は,児童福祉法(平成9年法律第74号による改正前のもの。以下同じ。以下,単に法という。)32条2項に基づき,児童らを保育所に入所させて保育する措置を採る権限を各福祉事務所長に委任していた。(2)本件保育所入所措置申請及び本件各保留処分ア原告Aらについて原告Aらは,中福祉事務所長に対し,平成8年8月14日,原告A3につき保育所入所措置申請を行ったが,中福祉事務所長は,平成9年4月までに,保育所入所措置を保留する旨の処分(保留処分)を行った。原告Aらは,平成9年に入ってから,中福祉事務所長に対し,原告A3につき鴻池保育所を第1希望として保育所入所措置申請を行ったが,中福祉事務所長は,平成10年2月27日,保育所の収容能力の関係上入所の見込みがつきがたいとの理由で,保育所入所措置を保留する旨の処分(以下「本件保留処分1」という。)を行なった。原告Aらは,平成10年4月24日,東大阪市長に対し,本件保留処分1につき行政不 所の見込みがつきがたいとの理由で,保育所入所措置を保留する旨の処分(以下「本件保留処分1」という。)を行なった。原告Aらは,平成10年4月24日,東大阪市長に対し,本件保留処分1につき行政不服審査法に基づき審査請求を行ったが,同市長は,平成10年8月4日,同審査請求を棄却する旨の裁決を行った(甲6の1ないし3)。 った。原告Aらは,平成10年4月24日,東大阪市長に対し,本件保留処分1につき行政不 所の見込みがつきがたいとの理由で,保育所入所措置を保留する旨の処分(以下「本件保留処分1」という。)を行なった。原告Aらは,平成10年4月24日,東大阪市長に対し,本件保留処分1につき行政不服審査法に基づき審査請求を行ったが,同市長は,平成10年8月4日,同審査請求を棄却する旨の裁決を行った(甲6の1ないし3)。イ原告Bらについて原告Bらは,中福祉事務所長に対し,平成9年1月10日,B3につき岩田保育所を第1希望として保育所入所措置申請を行ったが,中福祉事務所長は,平成10年2月27日,保育所の収容能力の関係上入所の見込みがつきがたいとの理由で,保育所入所措置を保留する旨の処分(以下「本件保留処分2」という。)を行った。原告Bらは,平成10年4月24日,東大阪市長に対し,本件保留処分2につき行政不服審査法に基づき審査請求を行ったが,同市長は,平成10年8月4日,同審査請求を棄却する旨の裁決を行った(甲11の1ないし3)。ウ原告Cらについて原告Cらは,東福祉事務所長に対し,平成9年5月8日,C3につき,鳥居保育所を第1希望,石切保育所を第2希望として保育所入所措置申請を行ったが,東福祉事務所長は,平成10年2月27日,保育所入所措置を保留する旨の処分(以下「本件保留処分3」という。)を行った。原告Cらは,平成10年4月24日,東大阪市長に対し,本件保留処分3につき行政不服審査法に基づき審査請求を行ったが,同市長は,平成10年8月4日,同審査請求を棄却する旨の裁決を行った(甲12の2及び3)。エ以下,上記各保育所入所措置申請を併せて「本件各入所措置申請」といい,上記各保留処分を併せて「本件各保留処分」といい,上記各審査請求を併せて「本件各審査請求」といい,上記各裁決を併せて「本件各裁決」という。(3)本件各児童 申請を併せて「本件各入所措置申請」といい,上記各保留処分を併せて「本件各保留処分」といい,上記各審査請求を併せて「本件各審査請求」といい,上記各裁決を併せて「本件各裁決」という。(3)本件各児童らは,本件各保留処分時に法24条本文の「保育に欠ける」児童であった。(4)被告における保育所の状況ア被告は,人口52万人の都市であり,公立保育所は16か所あり,その定員は1845名であった。 3)本件各児童 申請を併せて「本件各入所措置申請」といい,上記各保留処分を併せて「本件各保留処分」といい,上記各審査請求を併せて「本件各審査請求」といい,上記各裁決を併せて「本件各裁決」という。(3)本件各児童らは,本件各保留処分時に法24条本文の「保育に欠ける」児童であった。(4)被告における保育所の状況ア被告は,人口52万人の都市であり,公立保育所は16か所あり,その定員は1845名であった。同市内に35か所ある私立保育所と合わせると,平成10年4月1日現在における東大阪市内の保育所の定員は5295名であった。イ平成10年3月1日時点で保育所入所を保留することになった児童は756名,保育所の施設定員に幼稚園の在園総児童数を加えた人数は,就学前児童数の43.5パーセントである。ウ被告は,昭和52年以降,公立保育所の建設を行っていない。また,被告は,平成5年ころから公立保育所の運営の民間委託方針を打ち出し,平成6年度から春宮保育所の運営を民間委託し,平成10年度には高井田保育所の運営を民間委託した。エ東大阪市内の簡易保育施設の定員は149名であり,被告は,簡易保育施設に対して補助金を交付している。2 争点(1)被告及び被告の公務員の違法行為ア実体的違法(ア)法24条本文違反(被告の違法行為による損害賠償請求(民法709条),中福祉事務所長及び東福祉事務所長の違法行為による国家賠償請求(国家賠償法1条1項))(イ)法24条ただし書違反(被告の違法行為による損害賠償請求(民法709条))イ手続的違法(ア)行政手続法5条違反(中福祉事務所長及び東福祉事務所長の違法行為による国家賠償請求(国家賠償法1条1項))(イ)行政手続法8条違反(同上)(ウ)保留通知が来なかったことの違法(東福祉事務所長の違法行為による国家賠償請求(国 務所長及び東福祉事務所長の違法行為による国家賠償請求(国家賠償法1条1項))(イ)行政手続法8条違反(同上)(ウ)保留通知が来なかったことの違法(東福祉事務所長の違法行為による国家賠償請求(国家賠償法1条1項))(エ)行政不服審査法25条違反(東大阪市長の違法行為による国家賠償請求(国家賠償法1条1項))(オ)東大阪市事務専決規程3条違反(同上)(カ)行政不服審査法41条1項違反(同上)ウその他間違った事実に基づいて裁決がなされた違法(2)損害 3 争点に対する当事者の主張(原告の主張)(1)被告及び被告の公務員の違法行為ア実体的違法(ア)法24条本文違反(被告の違法行為による損害賠償請求(民法709条),中福祉事務所長及び東福祉事務所長の違法行為による国家賠償請求(国家賠償法1条1項))a 法24条本文は,市町村が保育に欠ける児童を「保育所に入所させて保育する措置を採らなければならない」と規定して,市町村に対し,保育に欠ける児童を保育所に入所させて保育する措置を採る義務を一義的に課しており,「保育に欠ける」児童及びその保護者は,保育所に入所し又は入所させる権利を有する。 害賠償請求(民法709条),中福祉事務所長及び東福祉事務所長の違法行為による国家賠償請求(国家賠償法1条1項))a 法24条本文は,市町村が保育に欠ける児童を「保育所に入所させて保育する措置を採らなければならない」と規定して,市町村に対し,保育に欠ける児童を保育所に入所させて保育する措置を採る義務を一義的に課しており,「保育に欠ける」児童及びその保護者は,保育所に入所し又は入所させる権利を有する。しかるところ,本件各児童らは,本件各保留処分時において法24条本文にいうところの「保育に欠ける」児童であったのであり,被告は,本件各児童らを保育所に入所させて保育する措置を採る義務を負っていたにもかかわらず,かかる措置をとらないで本件各児童らに対し本件各保留処分を行った。したがって,中福祉事務所長及び東福祉事務所長が行った本件各保留処分は,法24条本文に反する違法な処分である。b 法24条は保育所において保育を受ける権利を具体的に保障しているところ,この権利は,保育所が設置され,その定員が確保されていることを前提として成立する権利であるから 文に反する違法な処分である。b 法24条は保育所において保育を受ける権利を具体的に保障しているところ,この権利は,保育所が設置され,その定員が確保されていることを前提として成立する権利であるから,市町村は,保育所の整備を行って定員を確保する義務を負っている。そして,保育所が不足しているとの理由で安易に保育所への入所が拒絶されれば,法24条が保育所において保育することを原則とし,「その他適切な保護」を例外的な措置として位置づけていることが無意味となるし,もともと,同条ただし書は,保育所整備が困難であった時期に設けられた過渡的な規定であるから,保育所が不足している場合であっても,直ちに同条ただし書にいう「やむ得ない事由」があると解すべきではなく,市町村が保育所の整備を怠っていないにもかかわらず保育所が不足している場合に限定すべきである。しかるところ,被告においては,統計が残っている昭和54年以降から現在まで多数の待機児童が存在していたにもかかわらず,被告が保育所を新設したのは昭和59年が最後であり,その後一切保育所を新設せず,平成4年には私立保育園が1か所閉園したため,保育所の定員は減少している。このような事態に対し,東大阪市保育所審議会は,被告に対し,昭和62年に,あらゆる方法をもって待機児童の解消を図るべきであると答申したが,被告は,保育所の新設を一切計画せず,方針の見直し及び検討すら行っていなかったのである。 存在していたにもかかわらず,被告が保育所を新設したのは昭和59年が最後であり,その後一切保育所を新設せず,平成4年には私立保育園が1か所閉園したため,保育所の定員は減少している。このような事態に対し,東大阪市保育所審議会は,被告に対し,昭和62年に,あらゆる方法をもって待機児童の解消を図るべきであると答申したが,被告は,保育所の新設を一切計画せず,方針の見直し及び検討すら行っていなかったのである。要するに,被告は,本件各保留処分を行うまでに,保育所整備のために十分な時間的余裕を有していたものであるところ,数十年に渡って多数の待機児童が存在し,そのことを被告も十分に認識しながら,保育所整備を怠ってきたものであるから,本件各保留処分時(平成10年2月)には,被告における保育所の定員数不足が法24条ただし書に定める「 数の待機児童が存在し,そのことを被告も十分に認識しながら,保育所整備を怠ってきたものであるから,本件各保留処分時(平成10年2月)には,被告における保育所の定員数不足が法24条ただし書に定める「やむを得ない事由」に該当する余地はない。c 仮に,本件各児童らよりも保育所で保育の必要性が高い児童を優先的に入所させた結果,現存する保育所の定員を満たしたことから本件各児童らが入所することができなかった場合には,法24条本文に反しないと解するとしても,本件各保留処分時に保育所に入所できた児童の中には,本件各児童らよりも保育所において保育する必要性が低い児童が存在していたのであり,本件各児童らは被告の不適切な審査及び判断により入所できなかったのであるから,本件各保留処分の違法性は払拭されない。以下詳述する。(a)被告の公立の保育所ごとに一覧表にされた「選考簿」(乙10ないし13。以下「本件選考簿」という。)には,入所選考にあたって考慮されると推測される事項がそれぞれ点数化されて記載されており,被告は,別紙「保育所入所選考指数表」記載のとおりの選考指数(以下「本件選考指数」という。)に従って選考したと主張している。(b)本件選考指数が不公正であること本件選考指数には,以下のとおり不公正な点がある。あ自営業者の取扱の不合理性母親の就労日数が22日から25日の場合,「常勤・パート」であれば35点,「外交・販売」であれば30点,「外自営」であれば25点と点数に差が設けられている。 載されており,被告は,別紙「保育所入所選考指数表」記載のとおりの選考指数(以下「本件選考指数」という。)に従って選考したと主張している。(b)本件選考指数が不公正であること本件選考指数には,以下のとおり不公正な点がある。あ自営業者の取扱の不合理性母親の就労日数が22日から25日の場合,「常勤・パート」であれば35点,「外交・販売」であれば30点,「外自営」であれば25点と点数に差が設けられている。母親の就労時間欄についても,「常勤・パート」であれば20点,「外交・販売」であれば17点,「自営業」であれば15点とされている。また,母親の収入については,「常勤・パート」及び「外交・販売」であれば配点されているにもかかわらず,「自営業」の場合は一律0点である。売」であれば17点,「自営業」であれば15点とされている。また,母親の収入については,「常勤・パート」及び「外交・販売」であれば配点されているにもかかわらず,「自営業」の場合は一律0点である。このように母の職業が「自営業」の場合には,「常勤・パート」「外交・販売」と比較して低い点数が付けられているが,自営業者が,働きながら子どもを見ることは困難であり,本件選考指数の自営業者に対する評価は極めて不合理である。このことは,「外交・販売」についても同様であり,「常勤・パート」の者と仕事の仕方は変わらないのに点数が異なるのは不合理である。い収入の高い者が低い者より点数が高いという不合理「常勤・パート」,「外交・販売」の場合には,収入が高い者の方が低い者よりも配点が高くなっているが,収入が低い者の方が仕事をする必要性が高く,保育所において保育を行う必要性が高いのであるから,本件選考指数のかかる指数設定は不合理である。う母親の職業が「外交・販売」の場合には,「常勤・パート」よりも母親の収入についての配点が高いが,D証人は,このことにつき「同じ収入を得るために外交は常勤・パートより仕事の密度を上げて働かなければならないからである。」と述べている。ところが,「外交・販売」は,就労日数や就労時間については融通が利くからとの理由で「常勤・パート」よりも点数が低くなっており,被告の説明は矛盾しており,整合性を欠いている。え例えば,「常勤・パート」では,就労日数が16日から20日であれば25点,21日であれば35点であり,1日の違いで10点もの差がつくのは不合理である。 勤・パートより仕事の密度を上げて働かなければならないからである。」と述べている。ところが,「外交・販売」は,就労日数や就労時間については融通が利くからとの理由で「常勤・パート」よりも点数が低くなっており,被告の説明は矛盾しており,整合性を欠いている。え例えば,「常勤・パート」では,就労日数が16日から20日であれば25点,21日であれば35点であり,1日の違いで10点もの差がつくのは不合理である。お本件選考指数は,求職中の者につき,就職が確定している者については一律15点としている。就職が確定している者については,就職している者と同様に就労日数や収入について点数を付 のは不合理である。お本件選考指数は,求職中の者につき,就職が確定している者については一律15点としている。就職が確定している者については,就職している者と同様に就労日数や収入について点数を付けることができるにもかかわらず,全く配点しないのは不合理である。か本件選考指数によれば,祖母が不在の場合には25点とされているが,祖母が同居や近隣に住んでいる場合には,就労の有無等によって25点以下の点数が配点されて減点されていくという配点がなされている。祖母が,近隣にいて就労していなければ,たとえ介護のために子育ての援助が出来なくても,祖母がいない者に比べて10点以上の差がつくことになり不合理である。(c)本件選考指数の適用が不適正であること被告は,本件選考指数に基づき点数の高い者から順に入所処分を決定するが,例外的には,福祉的配慮の必要な者を優先的に入所させると説明しており,実際にも本件選考指数に基づく順位が無視されて入所が決定されている例があるが,いかなる場合に福祉的配慮がなされるのかはどこにも規定されていない。原告Cら及び原告Aらについては,本件選考指数が適正に適用されていれば,C3及びA3が保育所に入所することができていたことは明らかであるし,原告Bらについても,適正に適用すれば,B3は保育所に入所することができていた可能性が大きいのである。中福祉事務所長及び東福祉事務所長が,適正に本件選考指数を適用しなかったことにより,本件各児童らは保育所に入所することができなかったのであり,かかる恣意的な選考指数表の適用は違法である。(d)本件各児童らの入所可能性についてあ C3について居宅外で勤務する自営業者について,被雇用者との間に差をもうける取扱は極めて不合理であるし,また,原告C2は,その業務実態からみて自己の裁量に基 が大きいのである。中福祉事務所長及び東福祉事務所長が,適正に本件選考指数を適用しなかったことにより,本件各児童らは保育所に入所することができなかったのであり,かかる恣意的な選考指数表の適用は違法である。(d)本件各児童らの入所可能性についてあ C3について居宅外で勤務する自営業者について,被雇用者との間に差をもうける取扱は極めて不合理であるし,また,原告C2は,その業務実態からみて自己の裁量に基 )本件各児童らの入所可能性についてあ C3について居宅外で勤務する自営業者について,被雇用者との間に差をもうける取扱は極めて不合理であるし,また,原告C2は,その業務実態からみて自己の裁量に基づいて営業形態を決定できないことは明らかであるから,原告C2は,本件選考指数でいう「外勤者」として評価されるべきである。したがって,少なくとも就労日数が35点,就労時間が20点,収入が8点となり,総計97点となる。石切保育所1歳児選考簿(乙10)1頁の№2の者と同点であり,鳥居保育所1歳児選考簿№7の者よりも上位になり,これらの者はいずれも保育所に入所することが出来ているのであるから,C3が入所することができたことは明らかである。仮に,原告C2が「自営業者」に該当することを前提としても,原告C2は,夫とは業務内容も分担も異なり,独立して業務をこなしているので,「協力者」ではなく「中心者」であり,しかも,業務内容にはブラインドの取付などの業務も含まれているので「事務・販売」ではなく「作業」である。そして,職場には有機溶剤や刃物などの危険物があるので「危険度・重」と評価されるべきである。これを総計すれば89点となり,石切保育所1歳児選考簿1頁の№4,№5の者と同点になる。これらの者は入所できているのであるから,C3も入所することが可能であった。い B3についてB3の祖母は,近隣に居住しているものの曾祖母を介護しており,その負担は極めて大きかったので,祖母が仕事を持っているのに等しい状態であった。この点を25点と評価すれば,B3については総計99点となる。岩田保育園には,92点及び99点の1歳児が入所しているのであるから,B3も入所することができた。なお,被告は,上記92点の者が入所することができたのはアレルギーの強い児童であったことか となる。岩田保育園には,92点及び99点の1歳児が入所しているのであるから,B3も入所することができた。 で,祖母が仕事を持っているのに等しい状態であった。この点を25点と評価すれば,B3については総計99点となる。岩田保育園には,92点及び99点の1歳児が入所しているのであるから,B3も入所することができた。なお,被告は,上記92点の者が入所することができたのはアレルギーの強い児童であったことか となる。岩田保育園には,92点及び99点の1歳児が入所しているのであるから,B3も入所することができた。なお,被告は,上記92点の者が入所することができたのはアレルギーの強い児童であったことから,福祉的配慮により点数が上位である者よりも優先的に入所させたと主張するが,かかる恣意的な取扱は許されない。う原告A3について原告A2は,保険の外交員であるが,外交員と常勤者とを区別する合理性はなく,業務の実態としてみても一定の業務をこなす間は仕事を離れることはできなかったのであるから,原告A2を常勤者と比較して低く採点することは不公正である。原告A2を「常勤・パート」として採点すれば,総計94点となる。鴻池保育所には92点及び93点の者が入所しているのであるから,原告A3も入所することができたのである。え以上のとおり,本件各児童らは,入所選考が公正になされていれば入所することが可能であったにもかかわらず,中福祉事務所長及び東福祉事務所長の不公正な入所審査手続きにより,入所することができなかったのである。(イ)法24条ただし書違反(被告の違法行為による損害賠償請求(民法709条))a 法24条ただし書は,「付近に保育所がない等やむを得ない事由があるときは,その他の適切な保護を加えなければならない」と定めている。したがって,仮に本件各児童らを保育所に入所させて保育する措置を採らなかったことにつき「やむを得ない事由」があると評価される場合でも,被告には「その他の適切な保護を加えなければならない」一義的な義務が課されているのである。そして,本来は,市町村が保育に欠ける児童を保育しなければならないこと,保育所に入所させて保育するのではなく,その他の適切な保護を加える措置が採られるのは,やむを得ない場合の例外的な代替措置であることからする 来は,市町村が保育に欠ける児童を保育しなければならないこと,保育所に入所させて保育するのではなく,その他の適切な保護を加える措置が採られるのは,やむを得ない場合の例外的な代替措置であることからすると,ここにいう「その他の適切な保護」とは,保育所における保育と同程度の内実を持つ代替措置でなければならない。 他の適切な保護を加える措置が採られるのは,やむを得ない場合の例外的な代替措置であることからする 来は,市町村が保育に欠ける児童を保育しなければならないこと,保育所に入所させて保育するのではなく,その他の適切な保護を加える措置が採られるのは,やむを得ない場合の例外的な代替措置であることからすると,ここにいう「その他の適切な保護」とは,保育所における保育と同程度の内実を持つ代替措置でなければならない。b 被告は,保育所の定員が不足する児童については,無認可保育施設等が代替しており,一定の条件の下でそれらの施設に対して補助金を支出しているから「その他の適切な保護」を加えている旨主張する。しかし,東大阪市にある簡易保育施設の定員数は,保留処分がなされた者の数に比して格段に少なく,保留処分がなされた者全員に対して入所の機会を与えることができないのであるから,簡易保育施設が存在することをもって「その他の適切な保護」を加えているということはできない。また,「その他の適切な保護」を加えることは,法律上市町村に課せられた作為義務であるから,被告が自らの事務として行う必要があり,市町村が,無認可保育施設が行う保育事業に対して補助金を交付したとしても「その他の適切な保護」を行ったことにはならない。さらに,被告は,保育単価(最低基準を確保するのに必要な費用として国が定めているもの)の3分の1に満たない補助金しか支出していないのであり,このような少額の補助金では著しく劣悪な保護しかできないのであるから,保育所における保育と同程度の内実を持つ代替措置にはほど遠く,とうてい「適正な保護」足り得ない。c また,被告は,保育所に入所できなかった者に対し,無認可保育施設等のあっせん・紹介を行っていると主張するが,被告は,入所保留者に対して簡易保育施設への入所が可能であることを告知していない。d 以上のとおり,被告は,本件各児童らに「その他の適切な保護」を 育施設等のあっせん・紹介を行っていると主張するが,被告は,入所保留者に対して簡易保育施設への入所が可能であることを告知していない。d 以上のとおり,被告は,本件各児童らに「その他の適切な保護」を行っているとはいえないから,本件各保留処分は,法24条ただし書に反し違法である。(ウ) 被告の主張の不当なお,被告は,「仮に被告に任務懈怠があったとしても児童の保護者には損害賠償請求権がない」と主張するが,不当である。 っせん・紹介を行っていると主張するが,被告は,入所保留者に対して簡易保育施設への入所が可能であることを告知していない。d 以上のとおり,被告は,本件各児童らに「その他の適切な保護」を行っているとはいえないから,本件各保留処分は,法24条ただし書に反し違法である。(ウ) 被告の主張の不当なお,被告は,「仮に被告に任務懈怠があったとしても児童の保護者には損害賠償請求権がない」と主張するが,不当である。法は,国及び地方公共団体の児童に対する保育責任を規定したものであり,保育所入所の権利は子の権利を保障したものであるとともに,保護者の権利保障をも目的としたものである。イ手続的違法(ア)行政手続法5条違反(中福祉事務所長及び東福祉事務所長の違法行為による国家賠償請求(国家賠償法1条1項))a 行政手続法5条1項は,「行政庁は,申請により求められた許認可等をするかどうかをその法令の定めに従って判断するために必要とされる基準(以下「審査基準」という。)を定めるものとする。」と規定し,同条2項は,「行政庁は,審査基準を定めるに当たっては,当該許認可等の性質に照らしてできる限り具体的なものとしなければならない。」とし,同条3項は,「行政庁は,行政上特別の支障があるときを除き,法令により当該申請の提出先とされている機関の事務所における備付けその他の適当な方法により審査基準を公にしておかなければならない。」と定めている。恣意的な判断を排除し,平等かつ公平に判断を行うためには,行政手続法が求める具体的な審査基準を設定し,それを公開することは不可欠であり,これを欠いた手続は即違法となるというべきである。b 審査基準が定められていないこと(a)条例の定めについて行政手続法5条にいう審査基準とは,法令の定めに従って判断するために必要と 可欠であり,これを欠いた手続は即違法となるというべきである。b 審査基準が定められていないこと(a)条例の定めについて行政手続法5条にいう審査基準とは,法令の定めに従って判断するために必要とされる基準を意味し,法令自体において定められている許認可等の基準はここにいう審査基準には該当しないから,昭和62年東大阪市条例に入所基準が定められているからといって,行政手続法5条にいうところの審査基準が定められているとはいえない。(b)選考簿についてあ前述のとおり本件選考簿には,入所選考にあたって考慮されると推測される事項がそれぞれ点数化されて記載されており,被告は本件選考指数に従って選考したと主張するところ,本件各保留処分がなされた当時,本件選考指数を記載した文書は存在せず,福祉事務所の担当職員は先輩の担当職員から本件選考指数を伝承されていたというのである。 政手続法5条にいうところの審査基準が定められているとはいえない。(b)選考簿についてあ前述のとおり本件選考簿には,入所選考にあたって考慮されると推測される事項がそれぞれ点数化されて記載されており,被告は本件選考指数に従って選考したと主張するところ,本件各保留処分がなされた当時,本件選考指数を記載した文書は存在せず,福祉事務所の担当職員は先輩の担当職員から本件選考指数を伝承されていたというのである。行政手続法5条にいうところの審査基準が文書に記載されているものを意味することは当然の前提であり,伝承によって伝えられた本件選考指数が,審査基準の名に値しないことはいうまでもない。いしかも,本件選考指数は,各福祉事務所が独自に作成したものであり,東大阪市の統一した選考指数ではない。う本件選考指数の内容についても,以下のとおり,区別の基準が不明確であるなど問題があり,審査基準とは言えない代物である。ⅰ 本件選考指数は,母親の職業について「常勤・パート」,「外交・販売」,「自営業」と区分けして点数化しているが,各仕事の定義については定められておらず,どのようにして区別するのかが不明確である。ⅱ 母親の職業が自営業である場合,「中心者」と「協力者」とで点数が異なっているが,何をもって「中心者」と「協力者」を区分するのか全く基準がない。ⅲ 母親の職業が自営業の場合の作業環境について る。ⅱ 母親の職業が自営業である場合,「中心者」と「協力者」とで点数が異なっているが,何をもって「中心者」と「協力者」を区分するのか全く基準がない。ⅲ 母親の職業が自営業の場合の作業環境について,作業の危険度を重,中,軽と区分けし,5点,3点,0点と配点しているが,この3段階をどのような基準で区分するのか不明確である。え以上のとおり,本件選考指数は,形式的にも,内容的にも,保育所に入所させる措置を採るかどうかの審査基準とはいえないものであり,中福祉事務所長及び東福祉事務所長は,保育所入所措置決定処分を行うにあたって必要とされている審査基準を設定していなかったというほかなく,かかる不作為は行政手続法5条1項に反し違法である。c 審査基準が公開されていないこと原告らは,本件各入所措置申請を行ったが,その際,中福祉事務所長,東福祉事務所長は,保育所に入所させて保育する措置を採るかどうかを判断するにあたり,行政手続法5条1項に基づき,具体的かつ適正な基準を設定し,それに基づいて適正な審査を行い,かつ,同法5条3項に基づき,その基準を原告らに公けにする義務があった。 ほかなく,かかる不作為は行政手続法5条1項に反し違法である。c 審査基準が公開されていないこと原告らは,本件各入所措置申請を行ったが,その際,中福祉事務所長,東福祉事務所長は,保育所に入所させて保育する措置を採るかどうかを判断するにあたり,行政手続法5条1項に基づき,具体的かつ適正な基準を設定し,それに基づいて適正な審査を行い,かつ,同法5条3項に基づき,その基準を原告らに公けにする義務があった。しかるに,中福祉事務所長,東福祉事務所長は上記義務を怠った。なお,東大阪市保育所入所措置条例及び同施行規則は,そもそも審査基準には当たらないから,これらが公開されていることをもって審査基準が公けにされたことにはならないことは明らかである。保育所入所申込書,入所理由証明書及び調査書には,記入項目が記載されているだけで,これらの項目が評価項目なのかどうか,どのように評価されるのかわからないのであり,上記書類に記入項目が記載されていることをもって審査基準が公けにされていると言えないことは明らかである。したがって,かかる中福祉事務所長及び東福祉事務所長の行為は行政手続法5条3 からないのであり,上記書類に記入項目が記載されていることをもって審査基準が公けにされていると言えないことは明らかである。したがって,かかる中福祉事務所長及び東福祉事務所長の行為は行政手続法5条3項に反し違法である。(イ)行政手続法8条1項違反(中福祉事務所長及び東福祉事務所長の違法行為による国家賠償請求(国家賠償法1条1項))中福祉事務所長及び東福祉事務所長は,本件各保留処分について,全く理由を付しておらず,行政手続法8条1項に反し違法である。(ウ)決定不通知の違法(東福祉事務所長の違法行為による国家賠償請求(国家賠償法1条1項))原告Cらは,本件保留処分3の決定通知を受けておらず違法である。(エ)行政不服審査法25条違反(東大阪市長の違法行為による国家賠償請求(国家賠償法1条1項))第1事件原告らは,本件各審査請求の請求書を東大阪市児童部児童課に持参した際,対応した被告職員D児童課長に対し,口頭意見陳述の機会を与えるように口頭で申し入れたが,口頭意見陳述の機会が与えられなかった。行政不服審査法25条1項は,「審査請求人又は参加人の申立てがあったときは,審査庁は,申立人に口頭で意見を述べる機会を与えなければならない。 東大阪市長の違法行為による国家賠償請求(国家賠償法1条1項))第1事件原告らは,本件各審査請求の請求書を東大阪市児童部児童課に持参した際,対応した被告職員D児童課長に対し,口頭意見陳述の機会を与えるように口頭で申し入れたが,口頭意見陳述の機会が与えられなかった。行政不服審査法25条1項は,「審査請求人又は参加人の申立てがあったときは,審査庁は,申立人に口頭で意見を述べる機会を与えなければならない。」としており,第1事件原告らに対し口頭意見陳述の機会を与えずになされた本件各裁決は違法である。(オ)東大阪市事務専決規程3条違反(東大阪市長の違法行為による国家賠償請求(国家賠償法1条1項))本件各裁決は,東大阪市長の名で行われているものの,現実には,児童部部長が決裁している。東大阪市事務専決規程3条(別表1)によれば,行政上の不服申立手続については,「重要なもの」「軽易なもの」という分類があり,担当部長が決裁できるのは「軽易なもの」であるとされている。保育所入所措置がなされるかどうかは,各課程の生活設計 れば,行政上の不服申立手続については,「重要なもの」「軽易なもの」という分類があり,担当部長が決裁できるのは「軽易なもの」であるとされている。保育所入所措置がなされるかどうかは,各課程の生活設計を左右する重要な問題であり,しかも本件の審査請求では,原告らの世帯以外にも少なくとも17世帯にのぼる審査請求人がいた。それにもかかわらず,本件各裁決を「軽易なもの」と位置付けて担当部長が決裁したことは,手続上の重大な違法である。(カ)行政不服審査法41条1項違反(東大阪市長の違法行為による国家賠償請求(国家賠償法1条1項))東大阪市長は,原告らの審査請求にかかる裁決書につき,「選考の結果,入所できた子に比較して順位が低かった」と述べているにすぎず,全く理由を付していないから,本件各裁決は,行政不服審査法41条1項に反し違法である。ウその他間違った事実に基づいて判断された違法(原告Bらについて)(東大阪市長の違法行為による国家賠償請求(国家賠償法1条1項))原告Bらの審査請求に対する裁決は,処分庁である中福祉事務所が提出した「不服申し立てに関する報告書」(乙9の6)を唯一の判断材料としてなされたが,同報告書には,原告Bらよりも高順位で入所した者について「母子家庭2名」と記載されている。 政不服審査法41条1項に反し違法である。ウその他間違った事実に基づいて判断された違法(原告Bらについて)(東大阪市長の違法行為による国家賠償請求(国家賠償法1条1項))原告Bらの審査請求に対する裁決は,処分庁である中福祉事務所が提出した「不服申し立てに関する報告書」(乙9の6)を唯一の判断材料としてなされたが,同報告書には,原告Bらよりも高順位で入所した者について「母子家庭2名」と記載されている。しかし,本件選考簿によれば,入所できた者のうち母子家庭は1名であり,原告Bらの審査請求に対する裁決は誤った事実に基づいて判断されたものであることが明らかである。原告Bらの審査請求に対する裁決は,誤った事実を前提としてなされたものであるから,違法である。(2)損害ア本件各保留処分を受け,保育所に入所できなかったことによる経済的損害(ア)保育コストからみた損害a 原告A1は,三船工業株式会社に勤務しており,原告A2は,千代田生命保険相互会社の外 2)損害ア本件各保留処分を受け,保育所に入所できなかったことによる経済的損害(ア)保育コストからみた損害a 原告A1は,三船工業株式会社に勤務しており,原告A2は,千代田生命保険相互会社の外交員として働いている。原告Aらは,その子である原告A3の面倒をみることはできないので,原告Aらは,原告A3を簡易保育施設であるポッポ共同保育所に入所させた。原告B1は,大阪市役所教育委員会に勤務しており,原告B2も大阪市役所に勤務している。原告Bらは,その子であるB3につき保留処分を受けたので従前から入所していたどんぐり共同保育所に続けて通所させることにした。原告Cらは,有限会社アルマタッグという室内装飾工事業・電機工事業を目的とする会社を経営しており,原告C1は,営業や工事,原告C2は事務をしている。原告Cらは,C3につき入所措置申請を行ったが保留処分となったため,原告Cらは,C3につき従前から入所していたどんぐり共同保育所に続けて通所させることにした。b 損害の算定方法本来,被告が「保育所における保育」若しくはそれと実質的に同程度の「その他の適切な保護」を行わなければならないところ,本件各保留処分がなされたことにより,第1事件原告らを含む保護者が,被告に替わって共同保育所の運営に参加し,高額の金銭負担及び労働力の提供を行い,公立保育所において保育が行われるのと同程度の保育を行っている。 入所していたどんぐり共同保育所に続けて通所させることにした。b 損害の算定方法本来,被告が「保育所における保育」若しくはそれと実質的に同程度の「その他の適切な保護」を行わなければならないところ,本件各保留処分がなされたことにより,第1事件原告らを含む保護者が,被告に替わって共同保育所の運営に参加し,高額の金銭負担及び労働力の提供を行い,公立保育所において保育が行われるのと同程度の保育を行っている。共同保育所は,被告が「その他の適切な保護」を加えることを怠って放置しているため,必要に迫られた保護者が,保母らとともに保育所を自力で設立運営し,本来被告がなすべき「その他の適切な保護」を代替して行っているものである。既存の保育所に入所するのとは異なり,参加者には運営責任があり,運営経費を何らかの形で負担する必要がある。第1事件原告らは,公立保育 告がなすべき「その他の適切な保護」を代替して行っているものである。既存の保育所に入所するのとは異なり,参加者には運営責任があり,運営経費を何らかの形で負担する必要がある。第1事件原告らは,公立保育所において保育が行われるのと同程度の保育を実現するために,本件各児童らを公立保育所において保育するのにかかるコストに相当する金銭負担及び運営方針などを決定するために月数回の会議を行う,資金集めのためのバザーを行うなど労働力の提供を行っているのである。したがって,本件各児童らを公立保育所において保育するのにかかるコストから,公立保育園に入所していたならば支払うべきであった保育料及び被告が共同保育所に対して支出している補助金相当額を控除した額が,本件各保留処分により原告らが被った経済的損害である。c「保育所における保育」にかかるコスト平成9年度における東大阪市公立保育所運営経費は,年間46億5836万3000円であり(甲15),平成10年度も同程度であると考えられる。そして,保育コストは,年齢が低くなるほど高くなるところ,年齢別の保育コストの割合は,基本分保育単価を基礎として算出することができる。すなわち,基本分保育単価に各年齢別人数を乗じた数値によって年齢別の仮保育コストを求め,それを各年齢分の仮保育コストを合計した数値で割れば,年齢別コストの割合が計算できる。以上の計算方法によれば,0,1,2歳児にかかる公立保育所年間運営経費は,28億7130万8657円であり,0,1,2歳児1人あたりの公立保育所月額運営経費は,40万6240円である。 基本分保育単価を基礎として算出することができる。すなわち,基本分保育単価に各年齢別人数を乗じた数値によって年齢別の仮保育コストを求め,それを各年齢分の仮保育コストを合計した数値で割れば,年齢別コストの割合が計算できる。以上の計算方法によれば,0,1,2歳児にかかる公立保育所年間運営経費は,28億7130万8657円であり,0,1,2歳児1人あたりの公立保育所月額運営経費は,40万6240円である。d 公立保育所に入所した場合に第1事件原告らが負担していた保育料本件各児童らが,公立保育所に入所した場合に,第1事件原告らが負担した1月あたりの保育料は,原告Aらが3万5520円,原告Bらが2万 d 公立保育所に入所した場合に第1事件原告らが負担していた保育料本件各児童らが,公立保育所に入所した場合に,第1事件原告らが負担した1月あたりの保育料は,原告Aらが3万5520円,原告Bらが2万0660円,原告Cらが3万2060円である。e 共同保育所に対する補助金被告は,共同保育所に対し補助金を支出しているところ,原告Aらについては,月額4万3465円,原告Bらについては5万3175円,原告Cらについては5万1765円の補助金が支出されている。f 第1事件原告らの損害原告Aらの被った経済的損害は,1か月あたり32万7255円であり,被告が原告A3の保育を放置していた期間は12か月であるから,原告Aらは,392万7060円の経済的損害を被った。原告Bらの被った経済的損害は,1か月あたり33万2405円であり,被告がB3の保育を放置していた期間は10か月であるから,原告Bらは合計332万4050円の経済的損害を被った。原告Cらの被った経済的損害は,1か月あたり32万2415円であり,被告がC3の保育を放置していた期間は12か月であるから,原告Cらは合計386万8980円の経済的損害を被った。したがって,原告らが本件各保留処分のため被った運営負担による経済的損害は,原告1名当たり25万円を下らない。(イ)保育料等の比較による損害a 原告Cらの損害(a)2重送迎による増加費用 24万円原告Cらは,本件保留処分によって,長女であるC3をどんぐり共同保育所へ預け,二女であるC4を石切保育所へ預けるという2重保育生活を強いられた。そのことにより,送迎に使用するガソリン代が,月に約2万円,1年にして約24万円増加した。 各保留処分のため被った運営負担による経済的損害は,原告1名当たり25万円を下らない。(イ)保育料等の比較による損害a 原告Cらの損害(a)2重送迎による増加費用 24万円原告Cらは,本件保留処分によって,長女であるC3をどんぐり共同保育所へ預け,二女であるC4を石切保育所へ預けるという2重保育生活を強いられた。そのことにより,送迎に使用するガソリン代が,月に約2万円,1年にして約24万円増加した。(b)保育費用の増加 25万5280円公立保育所の保育料は1か月3万2060円であるのに対し,どんぐ 。そのことにより,送迎に使用するガソリン代が,月に約2万円,1年にして約24万円増加した。(b)保育費用の増加 25万5280円公立保育所の保育料は1か月3万2060円であるのに対し,どんぐり共同保育所の保育料は1か月4万5000円,保母体制維持費が1か月5000円であるから,1か月当たり1万7940円の負担増である。さらに,どんぐり共同保育所においては,継続料として年1万円,退所時に卒園料3万円が必要となるので,1年間で25万5280円の損害を被ったことになる。b 原告Bらの損害B3が原告Bらの長女が入所している岩田保育所に入所していれば,長女に対する保育料につき1か月2万円の減免を受けることができたのであるから,本件各保留処分により年24万円の損害を被った。c 原告Aら及び原告A3の損害鴻池保育所の保育料は1か月3万5520円であるのに対し,ポッポ共同保育所の保育料は1か月5万0100円であり,かつ1日200円の延長保育料が必要であり,原告Aらの場合1か月約4000円を支払っていた。したがって,1か月当たり1万8580円の負担増であり,原告A3の待機期間は1年間であるから,保育料の差額は22万2960円となる。また,ポッポ共同保育所では,入園料が3万円,卒園料が1万8000円であるが,公立保育所に入所することができていれば,入卒園料は不要であった。したがって,1年間で27万0960円の損害を被ったことになる。なお,保育料を支出しているのは親であるから,上記損害は親の損害と評価することができる。しかし,保育料等は,本来子どもに関する費用であり,それを本来負担すべきでない親権者がかわって負担しているものである。したがって,交通事故の治療代を親権者が代わって負担した場合のように,法的には,親及び子のいずれもが主張 いれば,入卒園料は不要であった。したがって,1年間で27万0960円の損害を被ったことになる。なお,保育料を支出しているのは親であるから,上記損害は親の損害と評価することができる。しかし,保育料等は,本来子どもに関する費用であり,それを本来負担すべきでない親権者がかわって負担しているものである。したがって,交通事故の治療代を親権者が代わって負担した場合のように,法的には,親及び子のいずれもが主張 子どもに関する費用であり,それを本来負担すべきでない親権者がかわって負担しているものである。したがって,交通事故の治療代を親権者が代わって負担した場合のように,法的には,親及び子のいずれもが主張することができるのである。イ本件各保留処分を受け,保育所に入所できなかったことによる精神的損害(慰謝料)(ア)原告Cらの損害原告Cらは,長女と二女が異なる保育所に通所することになったため,送迎に1時間半から2時間かかることになり,また,どんぐり共同保育所の運営費用を捻出するためにバザーなどを行わなければならなかったことから,精神的肉体的負担が増大した。本件各保留処分によって,原告Cらが被った精神的損害は計り知れない。(イ)原告Bらの損害原告Bらは,長女と二女が異なる保育所に通所することになったため,原告B2は,送迎及び通勤に1日3時間かかることになり,送迎時間が間に合わないため就業時間中に仕事を抜けなければならなくなった。その他2か所の保育園の行事に参加しなければならないなど,原告Bらが被った精神的肉体的負担が増大し,精神的損害を被った。(ウ)原告Aら及び原告A3の損害原告Aら及び原告A3は,平成8年4月から1年間保育所入所を待機し,平成9年2月末には1度目の保留通知を受けている。本件は2度目の保留処分であり,原告Aらが被った損害は筆舌に尽くしがたいものであった。また,原告Aらは,3年間,働きつつ共同保育所の運営負担に耐えて精神的にも経済的にも苦しい生活を送らざるを得なかったのである。原告A3は,母親に十分にふれあうことができず,ストレスがたまり情緒不安定な状態が続き,その精神的苦痛は極めて大きなものであった。ウ適正手続を受けられなかったことによる精神的損害(慰謝料)原告らは,本件各保留処分に至る保育所入所措置申請に ストレスがたまり情緒不安定な状態が続き,その精神的苦痛は極めて大きなものであった。 の運営負担に耐えて精神的にも経済的にも苦しい生活を送らざるを得なかったのである。原告A3は,母親に十分にふれあうことができず,ストレスがたまり情緒不安定な状態が続き,その精神的苦痛は極めて大きなものであった。ウ適正手続を受けられなかったことによる精神的損害(慰謝料)原告らは,本件各保留処分に至る保育所入所措置申請に ストレスがたまり情緒不安定な状態が続き,その精神的苦痛は極めて大きなものであった。ウ適正手続を受けられなかったことによる精神的損害(慰謝料)原告らは,本件各保留処分に至る保育所入所措置申請に対する審査・判断手続及び保留処分に対する審査請求手続きにおいて,いずれも適正手続を保障されなかった。住民の生活に密着した地方自治体の行政サービスにおいては,恣意性を排除した適正な手続が行われることは不可欠の要請である。ところが,原告らには,一切基準を明らかにされないまま,本件各保留処分を受けたうえ,本来権利救済のための手続である審査請求手続においても,口頭意見陳述の機会を与えられず,原告Bらについては,事実と異なる報告書に基づいて裁決がなされているなど重ねて適正手続を受ける権利を侵害された。原告らは,これらの適正手続違反により,繰り返し行政への信頼を喪失させられたのであり,そのことによる慰謝料は,原告1人あたり25万円を下るものではない。なお,手続の名宛人は親であり,親の損害と評価することができるが,これも本来的には,処分対象者である児童の不服申立手続を,親権者が代わって行っているのであるから,本来的には,権利を侵害されている子の損害である。したがって,親及び子のいずれもが主張できるのである。エまとめ以上のとおり,原告らの被った経済的損害及び精神的損害は,第1事件原告らについては1名当たり25万円を,原告A3については50万円を下らない。(被告の主張)(1)被告及び被告の公務員の違法行為についてア実体的違法(ア)法24条違反についてa 法24条による保育所への入所措置は,児童の健全な育成を図るためであり,児童の保護者は,国及び地方公共団体と並んで児童の保育の責任を負うものであって,その責任の負担について国及び地方公共団体に劣 a 法24条による保育所への入所措置は,児童の健全な育成を図るためであり,児童の保護者は,国及び地方公共団体と並んで児童の保育の責任を負うものであって,その責任の負担について国及び地方公共団体に劣後するものではないから,当然その費用をも負担すべきものであり,自らの経済的負担の軽減を図る見地から,法24条の措置を要求することのできる立場にはない。 あって,その責任の負担について国及び地方公共団体に劣 a 法24条による保育所への入所措置は,児童の健全な育成を図るためであり,児童の保護者は,国及び地方公共団体と並んで児童の保育の責任を負うものであって,その責任の負担について国及び地方公共団体に劣後するものではないから,当然その費用をも負担すべきものであり,自らの経済的負担の軽減を図る見地から,法24条の措置を要求することのできる立場にはない。したがって,被告が入所措置を懈怠したことにより,児童の保護者が費用を負担せざるを得なくなったとしても,保護者の財産的法益を違法に侵害したものとはいえない。(イ)法24条本文違反についてa 法24条ただし書には,「付近に保育所がない等やむを得ない事由があるときは,その他の適切な保護を加えなければならない。」と規定されており,保育に欠ける児童の保護が保育所入所のみによって実現されるべきとは規定されていない。したがって,法24条の解釈により,必ずしも保護者の保育所入所権及び保育所利用権が認められていると解することはできない。b 原告らは,市町村は保育所整備義務を負っており,保育所を作らないことは違法であると主張する。しかしながら,保育に欠ける児童全員を保育所に入所させるためには,保育に欠ける児童数の予測が欠かせないところ,かかる予測に基づき保育に欠ける児童全員の入所のために備えなければならないとすると,市町村は,常に余剰施設及び余剰保育士を抱えることとなり,市町村の財政を圧迫する一因となる。したがって,保育所の設置は,極めて困難であるし,有限の予算についてどの施策を優先し実行するかという点については,行政機関による高度な政策的判断が必要である。このように,保育所を設置するかどうかの判断は,高度かつ困難な行政判断であるから,いつ,どの程度の保育所を設置するかという点については,市町村に広い ,行政機関による高度な政策的判断が必要である。このように,保育所を設置するかどうかの判断は,高度かつ困難な行政判断であるから,いつ,どの程度の保育所を設置するかという点については,市町村に広い裁量権が認められるのであり,法律上違法であると評価するほど明白かつ著しい懈怠があった場合に始めて違法であると解すべきである。東大阪市の産業構造は,中小零細企業を中心としたものであり,景気変動の波を受けやすく,税収基盤が他市と比較して不安定であり,また高度経済成長期以後の人口の急増に伴う行政需要の増大等によって,その財政基盤は脆弱なまま推移してきた。 保育所を設置するかという点については,市町村に広い裁量権が認められるのであり,法律上違法であると評価するほど明白かつ著しい懈怠があった場合に始めて違法であると解すべきである。東大阪市の産業構造は,中小零細企業を中心としたものであり,景気変動の波を受けやすく,税収基盤が他市と比較して不安定であり,また高度経済成長期以後の人口の急増に伴う行政需要の増大等によって,その財政基盤は脆弱なまま推移してきた。地方公共団体の財政力を示すといわれる経常収支比率も,東大阪市は,過去全国平均を大きく上回る非常に高い数値を恒常的に示し,大阪府下の状況を見てもその数値は平均を上回る硬直した財政構造を持ってきた。また,現在,少子化の影響で,児童数は減少の一途をたどっている一方で,職業を持つ母親は増加する傾向にあるから,将来,保育に欠ける児童数が具体的にどの程度になるのかを予測することは非常に困難である。このような被告の財政状況,児童予測の困難性等に鑑みれば,多くの行政課題に取り組まなければならない被告が行政的判断として保育所の増設を行わなかったことは,法律上違法であると評価するほど明白かつ著しい懈怠があったとはいえず,行政裁量の逸脱・濫用は認められない。被告としては,児童憲章,児童福祉法の精神に準拠して,被告の財政の許す範囲内において,保育所行政の充実に努力してきている。現在,保育所の定員が入所を希望する市民の数に比して,不足していることは認めるが,現在における地方自治体の財政の窮状については,全国的にも公知の事実であり,被告においても全く同様であって,保育所の定員を現在において増加することは困難であり,こ 比して,不足していることは認めるが,現在における地方自治体の財政の窮状については,全国的にも公知の事実であり,被告においても全く同様であって,保育所の定員を現在において増加することは困難であり,この程度の保育所の定員の不足をもって違法ということはできない。c 保育所の定員よりも,保育所への入所の希望者が多い場合の入所者の決定については,昭和36年6月20日の厚生省児童局長通知の「児童福祉法による保育所への入所の措置基準について」(乙1。以下「昭和36年通知」という。)の中の1において「市町村長が,児童福祉法第24条本文の規定により保育所への入所の措置をとる場合においては,事前にその家庭の状況を実地につき十分調査,把握し,その家庭構成の状況特に保育担当者である母親の労働形態,家庭環境その他の状況等を十分勘案し,入所の可否を決定すること」とされ,更に,同2において「定員等の事情により,その全部の児童の入所措置が困難な場合においては,その保育を要する程度の高いものから低いものにつき順次入所の措置をとること」とされている。 定により保育所への入所の措置をとる場合においては,事前にその家庭の状況を実地につき十分調査,把握し,その家庭構成の状況特に保育担当者である母親の労働形態,家庭環境その他の状況等を十分勘案し,入所の可否を決定すること」とされ,更に,同2において「定員等の事情により,その全部の児童の入所措置が困難な場合においては,その保育を要する程度の高いものから低いものにつき順次入所の措置をとること」とされている。なお,昭和36年通知は,昭和62年1月13日の厚生省児童家庭局長通知(乙2)によって廃止されているが,同通知の第3留意事項の2において「基本的考え方は,昭和36年2月20日付厚生省児発第129号通知「児童福祉法による保育所への入所措置の基準について」をもって示していた考え方を変更するものではない」とされているから,昭和36年通知の考えは現在も生きている。また,被告は,入所要件に関して,東大阪市保育所入所措置条例(以下「本件条例」という。)を制定している(乙3)。d そこで,中福祉事務所長及び東福祉事務所長は,昭和36年通知及び本件条例に準拠して入所者の決定を行ったのであり,本件各保留処分は適法である。以下詳述する。( いう。)を制定している(乙3)。d そこで,中福祉事務所長及び東福祉事務所長は,昭和36年通知及び本件条例に準拠して入所者の決定を行ったのであり,本件各保留処分は適法である。以下詳述する。(a)本件選考指数の合理性について本件選考指数においては,母親の就労状況,世帯の状況,祖母の状況,父親の状況,兄弟の状況などの各項目ごとに点数化して評価しており,保育所入所基準として十分に合理性を備えたものである。あ 「常勤・パート」「外交・販売」「自営業」の区分について一般に,「常勤・パート」の場合は,勤務時間内は一定の場所で勤務することが求められ,児童の保育にあたることができないから,点数が高くなっている。外交は,外回り業務のため,「常勤・パート」と比較すると,児童の保育に充てる機会は若干多くなる。「自営業」は,自己の裁量によって営業形態を決定することができるため,「外交」よりも児童の保育時間を長くすることができる。したがって,被告が,母親の職種を「常勤・パート」「外交・販売」「自営業」に区分していたことは合理的である。い 「中心者」「協力者」一般的には,事業の「中心者」は,自己の個別作業と,協力者・取引業者等を管理する業務の双方を行うものであるから,事業に拘束される時間が「協力者」と比較して長くなる。 ,自己の裁量によって営業形態を決定することができるため,「外交」よりも児童の保育時間を長くすることができる。したがって,被告が,母親の職種を「常勤・パート」「外交・販売」「自営業」に区分していたことは合理的である。い 「中心者」「協力者」一般的には,事業の「中心者」は,自己の個別作業と,協力者・取引業者等を管理する業務の双方を行うものであるから,事業に拘束される時間が「協力者」と比較して長くなる。したがって,両者を区別して点数に差異を設けることには合理性がある。う収入について一般的に,長時間労働をすれば,収入は増加する。特に,残業等の時間外労働が増えれば,時間外手当も増加するのである。したがって,高収入の者ほど点数が高くなるのは,一定の合理性がある。母親が外交の場合には,一般に外交の収入については,外勤に比し低い傾向にあり,同一の収入を得るための,就労の内容が相対的に困難であることを考慮して,収入が高い者について のは,一定の合理性がある。母親が外交の場合には,一般に外交の収入については,外勤に比し低い傾向にあり,同一の収入を得るための,就労の内容が相対的に困難であることを考慮して,収入が高い者については点数を高くしている。自営の場合の収入については,母親の収入の多寡が必ずしも,保育の困難の度合いと直接に結び付かない場合が多いことを考慮し,収入によっては点数に差を付けずに,母親の自営に関与する程度に応じて,加点している。え求職中休職中の場合,申請のあった時点では労働していないのであるから,点数が与えられないのは合理的である。原告らは,就職先が決定している場合の考慮がされていないと主張するが,就職先が確定している場合には,15点を与えているのであり,休職中の者についても配慮している。お 「祖母の同居又は近隣居住」一般的に,祖母が同居又は近隣に居住している場合,祖母が児童の保育にあたる場合が多いのであるから,「祖母の同居又は近隣居住」を本件選考指数の項目として考慮することは,一定の合理性がある。(b)本件選考指数の適用について本件選考指数だけでは,評価できないケ-スがあり,母親が疾病である,母親が高校生で母子家庭である,家族に介護を要する人がいる等の事例では,特別に点数の低い人を入所させており,一方,点数の高い人でも,祖母の保育への協力が期待できる場合や,他の保育所に入所したような事例では,保留した場合がある。 居又は近隣居住」を本件選考指数の項目として考慮することは,一定の合理性がある。(b)本件選考指数の適用について本件選考指数だけでは,評価できないケ-スがあり,母親が疾病である,母親が高校生で母子家庭である,家族に介護を要する人がいる等の事例では,特別に点数の低い人を入所させており,一方,点数の高い人でも,祖母の保育への協力が期待できる場合や,他の保育所に入所したような事例では,保留した場合がある。被告としては,保育所設置の理念により,福祉的な配慮で入所選考を行っているのであり,これをもって恣意的な審査・判断ということはできない。(c)本件各児童らの入所可能性についてあ C3について第1事件原告らは,原告C2が居宅外で勤務する自営業者であることから,「自営業」ではなく,「常勤・パート」として取り扱われるべきであ ない。(c)本件各児童らの入所可能性についてあ C3について第1事件原告らは,原告C2が居宅外で勤務する自営業者であることから,「自営業」ではなく,「常勤・パート」として取り扱われるべきであると主張するが,「自営」とは,事務所が居宅内にあるか否かを問わず,一般的に自己の裁量に基づいて営業形態を決定できることから,従業員である「常勤・パート」よりも保育にかかわりやすいことに着目して設けられた区分である。したがって,東福祉事務所長が,原告C2を「自営業」としたことは適法である。原告C2は,調査書において,「協力者」であると申告しているのであるから,東福祉事務所長が同人を「協力者」と認定したことは違法でない。原告Cらは,職場に危険物を置いていたとして,事業の「危険度・重」に該当すると主張するが,同人が入所審査にあたり,危険物の存在を申告したことを認めるに足りる証拠はないし,仮に,危険物の存在が同人から申告されていたとしても,「危険度・重」の点数はわずか5点であるから,入所対象にはならない。い原告A3について「外交・販売」は「常勤・パート」よりも拘束が緩やかであることから点数が低くされているのであり,原告A2を「常勤・パート」ではなく「外交・販売」と判断したことは妥当である。う B3について原告らの主張によれば,B3の祖母は曾祖母を介護していたとのことであるが,入所審査時に介護が必要である程度につき申告はなく,被告としては,B3の保育にあたる時間が取れないという程度の認識しか持ち得なかった。 3について「外交・販売」は「常勤・パート」よりも拘束が緩やかであることから点数が低くされているのであり,原告A2を「常勤・パート」ではなく「外交・販売」と判断したことは妥当である。う B3について原告らの主張によれば,B3の祖母は曾祖母を介護していたとのことであるが,入所審査時に介護が必要である程度につき申告はなく,被告としては,B3の保育にあたる時間が取れないという程度の認識しか持ち得なかった。また,原告は,B3がアレルギー体質の強い子どもであったと主張するが,この点についても,入所審査時には判明していなかったのである。福祉事務所長が個別の事情をすべて網羅した審査基準を策定することは不可能であり,かつ,事情を入所審査時に察知 い子どもであったと主張するが,この点についても,入所審査時には判明していなかったのである。福祉事務所長が個別の事情をすべて網羅した審査基準を策定することは不可能であり,かつ,事情を入所審査時に察知できなかった場合にまで責任を負うものではない。え以上のとおり,中福祉事務所長及び東福祉事務所長の本件各保留処分に実体的違法はない。(ウ)法24条ただし書違反についてa 判断基準法24条ただし書は,「適切な保護」と規定するにとどまり,その具体的内容を例示していない。これは,保育所に入所することができない事由,当該児童にとって必要な措置,当該地方自治体により実現可能な措置等が,個々の事情によって異なるため,地方自治体に対し,一律に一定の措置を採用することを義務づけることが困難であるからである。したがって,いかなる「適切な措置」を行うかは,地方自治体の行政裁量に委ねられているのである。そして,どのような代替措置を採ることが適切かは,高度に政策的判断が必要で,地方自治体の行為が違法と評価されるのは,法律上違法であると評価するほどに明白かつ著しい懈怠があり,行政裁量を逸脱した場合に限られると考えるべきである。b 補助金の交付被告においては,現在,保育所の定員が不足する児童については,無認可保育施設等が代替しており,被告は,一定の条件の下でそれらの施設に対して,補助金を支出している。平成10年度についてみると,被告は,簡易保育施設に対し,年間総額4244万6405円の補助金を交付しており,簡易保育施設に入所している児童数は856人であるので,被告は児童1人あたり1か月4万9587円の補助金を交付している。 補助金の交付被告においては,現在,保育所の定員が不足する児童については,無認可保育施設等が代替しており,被告は,一定の条件の下でそれらの施設に対して,補助金を支出している。平成10年度についてみると,被告は,簡易保育施設に対し,年間総額4244万6405円の補助金を交付しており,簡易保育施設に入所している児童数は856人であるので,被告は児童1人あたり1か月4万9587円の補助金を交付している。補助金の交付によって,簡易保育施設の経営を支え,簡易保育施設の人的・物的体制の整備を促すことにより,簡易保育施設の保育水準の維持に重要 児童1人あたり1か月4万9587円の補助金を交付している。補助金の交付によって,簡易保育施設の経営を支え,簡易保育施設の人的・物的体制の整備を促すことにより,簡易保育施設の保育水準の維持に重要な役割を果たしているのであるから,補助金の交付も「適切な保護」に当たる。そして,被告の財政状況などに鑑みると補助金の交付額がこの程度であることはやむをえない。c 無認可保育施設等のあっせん・紹介申込者が入所の申込みをした時点において,保育所の定員が限られていることから,入所希望者の全員が入所できない場合があるので,被告は,希望者に対して,無認可保育施設等のあっせん・紹介を行っている。d 以上のとおり,被告は,無認可保育施設等に対して補助金の交付を行っており,また,無認可保育施設等のあっせん・紹介を行っているのであるから,被告につき,法律上違法であると評価するほどに明白かつ著しい懈怠があり,行政裁量を逸脱したということはできない。したがって,被告は法24条ただし書にいうところの「適切な保護」を行っており,本件各保留処分は適法である。イ手続的違法(ア)行政手続法5条違反についてa 審査基準が定められていたことについて(a)被告においては,東大阪市保育所入所措置条例(昭和62年3月31日東大阪市条例第1号。平成10年3月31日条例第7号による改正前のもの。)に基準を明記している。(b)被告においては,保育所入所申込者ごとに本件選考指数による点数化を行い,この結果を選考簿に記入して,入所審査を行っている。したがって,本件選考指数が,保育所入所審査基準となっている。(c)なお,本件選考指数を記載したマニュアルは存在していなかったところ,原告らは,行政手続法5条にいうところの審査基準が文書に記載されているものを意味することは当然の前提である 正前のもの。)に基準を明記している。(b)被告においては,保育所入所申込者ごとに本件選考指数による点数化を行い,この結果を選考簿に記入して,入所審査を行っている。したがって,本件選考指数が,保育所入所審査基準となっている。(c)なお,本件選考指数を記載したマニュアルは存在していなかったところ,原告らは,行政手続法5条にいうところの審査基準が文書に記載されているものを意味することは当然の前提である 基準となっている。(c)なお,本件選考指数を記載したマニュアルは存在していなかったところ,原告らは,行政手続法5条にいうところの審査基準が文書に記載されているものを意味することは当然の前提であると主張するが,担当職員には,必ず前年度から引き続き担当する者がいたので,新規の担当者は,いつでも経験者に質問することができ,入所選考指数表の選考項目に合わせた選考簿の形式が設定されていたため,マニュアルを作成する必要性は乏しかった。また,入所申込者の状況が多様であり,時期により変動することを考慮すると,マニュアルの作成は,単純なものではない。要は,マニュアルの存否に関わらず,妥当な結論が導かれることが重要なのであり,マニュアルがなければ審査基準とはいえないと断ずるのは早計である。(d)また,原告らは,「常勤・パート」と「外交・販売」「自営業」の区分,「中心者」「協力者」等の区分が不明確であると主張しているが,現実の職種・職務内容は極めて多種多様であり,同一人の仕事の内容であっても時期により変動があるのであるから,単純に労働契約等の形式のみによって決定することはできず,個々の実態に即して判断するほかないのであるから,一見同一のように見える職種でも,異なった区分に評価されることはあり得る。一方,時間的・労力的な制約から,選考項目としてはある程度画一化された基準を使用せざるを得ないのであり,申込者がどのような項目に該当し,これを何点と評価するかについては,被告がいかに公平を図ろうと努力しても,すべての入所申込者を満足させることは不可能であるというべきである。b 審査基準の公開について(a)入所のための審査基準については,「東大阪市保育の実施に関する条例」(昭和62年3月31日東大阪市条例第1号)に明記されており,原告らは審査基準を知ることができ 。b 審査基準の公開について(a)入所のための審査基準については,「東大阪市保育の実施に関する条例」(昭和62年3月31日東大阪市条例第1号)に明記されており,原告らは審査基準を知ることができたものである。 。b 審査基準の公開について(a)入所のための審査基準については,「東大阪市保育の実施に関する条例」(昭和62年3月31日東大阪市条例第1号)に明記されており,原告らは審査基準を知ることができ 。b 審査基準の公開について(a)入所のための審査基準については,「東大阪市保育の実施に関する条例」(昭和62年3月31日東大阪市条例第1号)に明記されており,原告らは審査基準を知ることができたものである。(b)入所希望者は,保育所入所申込書,入所理由説明書及び入所調査書に記入する際に,入所の審査基準を知ることが可能であった。(c)被告は,平成10年度の入所措置申請の時点では本件選考指数を公開していなかった。これは,本件選考指数は,相当細分化され,かつ,具体的に点数化されていたところ,このような入所基準を公にした場合は,入所基準に合わせた申請を誘発するなど,公平に入所審査を担保できない可能性がある。したがって,被告が本件選考指数を公開していなかったことが行政手続法5条3項に反するということはできない。(d)仮に,被告が保育所入所審査基準を公表していなかったことが,行政手続法5条3項に反するとしても,審査基準の公表と適正な審査がおこなわれたかどうかは全く別問題である。原告らは,いずれも保育所に入所できる順位に達していなかったのであるから,入所が拒否されても違法とはいえず,したがって,入所基準の公表の有無と原告らの損害賠償請求との間に因果関係がない。(イ)行政不服審査法25条違反について原告らが審査請求をしたとき,被告職員吉真課長が審査請求書を受け取っているが,原告らから,口頭意見陳述の申し入れを受けたことは,否認する。現に審査請求書には,口頭意見陳述の請求の文言はなく,書面での返事を求めている(甲6号証の2)。仮に原告らが口頭により意見陳述の申し出をしたとしても,被告の担当者は,相手方が多人数であったことから申し出があったことを認識できなかったのであり,被告担当者の行為は行政不服審査法25条1項に反し違法であるとはいえな より意見陳述の申し出をしたとしても,被告の担当者は,相手方が多人数であったことから申し出があったことを認識できなかったのであり,被告担当者の行為は行政不服審査法25条1項に反し違法であるとはいえない。(ウ)市長決裁ではなく,担当部長決裁とした点について東大阪市事務専決規程別表第1一般総則事項第3号により決裁したものである。 あり,被告担当者の行為は行政不服審査法25条1項に反し違法であるとはいえな より意見陳述の申し出をしたとしても,被告の担当者は,相手方が多人数であったことから申し出があったことを認識できなかったのであり,被告担当者の行為は行政不服審査法25条1項に反し違法であるとはいえない。(ウ)市長決裁ではなく,担当部長決裁とした点について東大阪市事務専決規程別表第1一般総則事項第3号により決裁したものである。同号は,不服申立の処理の決済処分について,重要なものを助役に(但し,被告においては当該不服申立の処理を行った時点で助役は在任していなかったので実際には市長が決済することになる。),軽易なものは部長が行うと規定しているが,「重要」あるいは「軽易」の用語は,個々の裁決の内容が持つ,あるいはその結果がもたらす影響等の観点から,決裁区分を異ならせるために用いられているものであって,不服申立人の利益を標準としてそれが「重要」である場合と「軽易」である場合があるとして定められたものでないことは明らかであって,原告の児童行政執行上の責任者である児童部長が,原告らの不服申立の裁決の決裁を行ったことは適法である。(2)損害ア法24条による保育所への入所措置は,児童の健全な育成を図るためであり,児童の保護者は,国及び地方公共団体と並んで児童の保育の責任を負うものであって,その責任の負担について国及び地方公共団体に劣後するものではないから,当然その費用をも負担すべきものであり,自らの経済的負担の軽減を図る見地から,児童福祉法24条の措置を要求することのできる立場にはない。したがって,被告が入所措置を懈怠したことにより,児童の保護者が費用を負担せざるを得なくなったとしても,保護者の財産的法益を違法に侵害したものとはいえないから,原告らに経済的損害はない。イ原告らが保育コストから見た経済的損害を算出するに当たって用いているデー を負担せざるを得なくなったとしても,保護者の財産的法益を違法に侵害したものとはいえないから,原告らに経済的損害はない。イ原告らが保育コストから見た経済的損害を算出するに当たって用いているデーターの数値は,大筋において認めるが,被告が支出している保育所の運営の経費については,施設整備費など保育所を運営するための全ての費用が算入されており,職員の人的構成の違いによる,年齢や給与ベースの違いがあるから,原告らの損害算定方法は根拠がない。 ,保護者の財産的法益を違法に侵害したものとはいえないから,原告らに経済的損害はない。イ原告らが保育コストから見た経済的損害を算出するに当たって用いているデーターの数値は,大筋において認めるが,被告が支出している保育所の運営の経費については,施設整備費など保育所を運営するための全ての費用が算入されており,職員の人的構成の違いによる,年齢や給与ベースの違いがあるから,原告らの損害算定方法は根拠がない。ウ原告らは,保育所に入所の申込みをすれば当然に入所できるものと予期し,それが入所できなかったとして,そのために精神的損害を受けたとして,被告に対して賠償を求めるが,それは法的損害賠償の対象となる精神的損害とは考えられない。第3 当裁判所の判断 1 被告及び被告の公務員の違法行為(1)実体的違法についてア法24条本文違反について(ア)法24条は,「市町村は,政令で定める基準に従い条例で定めるところにより,保護者の労働又は疾病等の事由により,その監護すべき乳児,幼児又は第39条第2項に規定する児童の保護に欠けるところがあると認めるときは,それらの児童を保育所に入所させて保育する措置を採らなければならない。ただし,付近に保育所がない等やむを得ない事由があるときは,その他の適切な保護を加えなければならない。」と定めている。したがって,市町村は,児童の保護に欠けるところがあると認めるときは,「やむを得ない事由」がない限り,当該児童を保育所に入所させて保育する措置を採る義務があるのであり,「やむを得ない事由」がないにもかかわらず,保育所に入所させることなく保留処分を行った場合には,当該保留処分は違法であると解するのが相当である。そして,本件各児童らは,法24条本文にいうところの「保育に欠ける」児童で ないにもかかわらず,保育所に入所させることなく保留処分を行った場合には,当該保留処分は違法であると解するのが相当である。そして,本件各児童らは,法24条本文にいうところの「保育に欠ける」児童であるから,本件各保留処分が法24条本文に反するかどうかは,本件につき法24条ただし書にいうところの「やむを得ない事由」が認められるかどうかにかかることになる。そこで,いかなる事情があれば「やむを得ない事由」が認められるかについて検討すると,法24条ただし書は「付近に保育所がないこと」をやむを得ない事由の例として挙げおり,かかる事由が「やむを得ない事由」に該当するとされているのは,保育に欠ける児童らを入所させることが物理的に不可能であるからであると解されるところ,付近に保育所があっても入所定員との関係で保育に欠ける児童ら全員が入所することができない場合,すなわち付近にある保育所の定員が不足している場合も保育に欠ける児童らを入所させることが物理的に不可能であることにおいて何ら差違がないことに照らすと,付近にある保育所の定員が不足している場合には「やむを得ない事由」が認められるものと解するのが相当である。 ることが物理的に不可能であるからであると解されるところ,付近に保育所があっても入所定員との関係で保育に欠ける児童ら全員が入所することができない場合,すなわち付近にある保育所の定員が不足している場合も保育に欠ける児童らを入所させることが物理的に不可能であることにおいて何ら差違がないことに照らすと,付近にある保育所の定員が不足している場合には「やむを得ない事由」が認められるものと解するのが相当である。もっとも,この場合には,既に収容定員を満たす児童が入所している場合を除き,保育に欠ける児童らのうち保育所に入所できる者とできない者が生ずることになるが,本来保育に欠ける児童は保育所に入所させて保育するのが原則であることからすると,保育所保育の必要性が高い者から順次入所させていくという方法が採用されるべきであるから,当該保育に欠ける児童よりも保育の必要性が高い保育に欠ける児童を優先的に入所させた結果,付近にある保育所の定員に空きがなくなった場合にはじめて「やむを得ない事由」があるものと解すべきである。なお,被告は,法24条が市町村の保育所入 性が高い保育に欠ける児童を優先的に入所させた結果,付近にある保育所の定員に空きがなくなった場合にはじめて「やむを得ない事由」があるものと解すべきである。なお,被告は,法24条が市町村の保育所入所措置等の義務について定めているのが,専ら児童自身の健全な育成を図るためであることは,同法の趣旨に照らして明らかであるところ,児童の保護者は,国及び地方公共団体と並んで児童の保育の責任を負い,同責任の負担について国及び地方公共団体に劣後するものとは到底いえないから,当然その費用をも負担すべきものであり,自らの経済的負担の軽減を図る見地から市町村長に対し法24条による措置をとることを要求することのできる立場にあるものでなく,したがって,仮に市町村長が同措置を懈怠したことによって児童の保護者が保育費用の全額を負担せざるをえなくなったとしても,同懈怠は保護者の財産的法益を違法に侵害するものであるということはできず,また,逆に同措置がとられることによって保護者が保育費用の一部を免れることがあっても,それは同措置に伴う反射的利益にすぎないと主張する。確かに,児童の保護者が自ら児童を育成する義務があるのはもとより当然のことであるが,市町村が,「やむを得ない事由」がない限り,保育に欠ける児童を保育所において保育する義務を負担していることは法24条の文言上明らかであり,児童の保護者に児童を育成する義務があるからといって市町村のかかる義務が否定されるいわれはなく,また,市町村がかかる義務に反したことにより,保護者が損害を被った場合には,損害賠償請求を否定する理由はないというべきである。 する義務があるのはもとより当然のことであるが,市町村が,「やむを得ない事由」がない限り,保育に欠ける児童を保育所において保育する義務を負担していることは法24条の文言上明らかであり,児童の保護者に児童を育成する義務があるからといって市町村のかかる義務が否定されるいわれはなく,また,市町村がかかる義務に反したことにより,保護者が損害を被った場合には,損害賠償請求を否定する理由はないというべきである。(イ)なお,原告らは,市町村は,保育所の整備を行って定員を確保する義務を負っていること,法24条ただし書は,保育所整備が困難であった時期に設けられた過渡的な規定であること,保 いというべきである。(イ)なお,原告らは,市町村は,保育所の整備を行って定員を確保する義務を負っていること,法24条ただし書は,保育所整備が困難であった時期に設けられた過渡的な規定であること,保育所が不足していることをもって直ちに保育所への入所を拒否することができる事由に該当するとすれば,法24条の保障する保育所入所の権利は画餅に帰してしまうことを理由に,保育所が不足している場合であっても直ちに同条ただし書にいう「やむ得ない事由」があると解すべきではなく,法24条ただし書の適用は,市町村が保育所の整備を怠っていないにもかかわらず保育所が不足している場合に限定すべきであると主張する。確かに,法1条が「すべて国民は,児童が心身ともに健やかに生まれ,且つ,育成されるよう努めなければならない。」と定め,法2条が「国及び地方公共団体は,児童の保護者とともに,児童を心身ともに健やかに育成する責任を負う。」と定められていることからすると,保育に欠ける児童ら全員が入所することができるよう保育所を整備する政治的責務があるものと解されるが,上記規定は,児童福祉法の理念を包括的に定めた規定であり,法令を定めるにあたってあるいは法令を解釈するにあたって指導理念とされるべき規定であるにとどまり,それを超えて市町村に対し保育所の設置に向けた特定の具体的な行為を行うことを義務づけた規定であるとまでは解することはできず,その他,市町村に対して保育所を設置することを義務づける規定はないから,市町村は保育所の整備を行って定員を確保する法的義務を負っているとの主張はその前提を欠くものというべきである。そして,法24条が付近に保育所が存在しないことをやむを得ない事由として挙げ,保育所が存在しないことの理由については何ら限定は付していないこと,保育所が存在しない場合にも とを義務づけた規定であるとまでは解することはできず,その他,市町村に対して保育所を設置することを義務づける規定はないから,市町村は保育所の整備を行って定員を確保する法的義務を負っているとの主張はその前提を欠くものというべきである。そして,法24条が付近に保育所が存在しないことをやむを得ない事由として挙げ,保育所が存在しないことの理由については何ら限定は付していないこと,保育所が存在しない場合にも 欠くものというべきである。そして,法24条が付近に保育所が存在しないことをやむを得ない事由として挙げ,保育所が存在しないことの理由については何ら限定は付していないこと,保育所が存在しない場合にも保育所へ入所させる措置を採ることを義務付けることは困難であることからすると,同条ただし書にいう「やむ得ない事由」がある場合とは,市町村が保育所の整備を怠っていないにもかかわらず保育所が不足している場合に限定すべきであるとの見解は,採用することができない。また,仮に,法24条ただし書が制定された当時,将来的には法24条ただし書を廃止してすべての保育に欠ける児童に対して保育所に入所させて保育することを念頭においていたとしても,現時点においても法24条ただし書が削除されていない以上,同条ただし書が存在することを前提に解釈すべきであるから,同条ただし書が設けられるについて上記のような事情があったからといって,保育所の定員が不足していることが法24条ただし書の「やむを得ない事由」に該当しないと解することはできない。さらに,保育所が不足していることをもって直ちに保育所への入所を拒否することができる事由に該当するとすれば,法24条の保障する保育所入所の権利は画餅に帰してしまうとの原告らの主張は,結局,法24条は保育所の定員に不足がある場合であっても保育所に入所することができる権利を付与しているとの理解を前提とすることに帰着し,採用することができない。以上のとおり,法24条ただし書にいう「やむ得ない事由」がある場合とは,市町村が保育所の整備を怠っていないにもかかわらず保育所が不足している場合に限定すべきであるとの原告らの主張は理由がない。(ウ)そして,証拠(甲6の3,11の3,12の3,証人E)によれば,以下の事実が認められる。a 原告Aらが入所 かかわらず保育所が不足している場合に限定すべきであるとの原告らの主張は理由がない。 ことができない。以上のとおり,法24条ただし書にいう「やむ得ない事由」がある場合とは,市町村が保育所の整備を怠っていないにもかかわらず保育所が不足している場合に限定すべきであるとの原告らの主張は理由がない。(ウ)そして,証拠(甲6の3,11の3,12の3,証人E)によれば,以下の事実が認められる。a 原告Aらが入所 かかわらず保育所が不足している場合に限定すべきであるとの原告らの主張は理由がない。(ウ)そして,証拠(甲6の3,11の3,12の3,証人E)によれば,以下の事実が認められる。a 原告Aらが入所を希望していた鴻池保育所の平成10年度における2歳児の入所可能数は5人であったのに対し,平成10年度の入所措置申請に際して鴻池保育所への入所を希望した者は延べ35人であった。b 原告Bらが入所を希望していた岩田保育所の平成10年度における1歳児の入所可能数は4人であったのに対し,平成10年度の入所措置申請に際して岩田保育所への入所を希望した者は延べ29人であった。c 原告Cらが,第1希望としていた鳥居保育所の平成10年度における1歳児の入所可能数は4人であったのに対し,平成10年度の入所措置申請に際して鳥居保育所への入所を希望した者は延べ30人であった。原告Cらが,第2希望としていた石切保育所の平成10年度における1歳児の入所可能数は4人であったのに対し,平成10年度の入所措置申請に際して石切保育所への入所を希望した者は22人であった。(エ)上記(ウ)で認定した事実によれば,原告らが入所を希望した保育所においては,数名が入所可能であったが,いずれも入所可能数を上回る入所希望者があったことが認められるから,本件各保留処分が適法かどうかは,中福祉事務所長及び東福祉事務所長が,本件各児童らよりも保育の必要性が高い児童らを優先的に入所させる措置を採ったために,本件各児童らが入所することができなかったのかどうかに帰着することとなる。ところで,保育所への入所を希望する者のうちいずれの者が保育の必要性が高いかを判断するについていかなる判断基準によるべきかという点について定めた法令はないこと,保育の必要性の程度を判断するにあたっては多様な要素を考慮する 所を希望する者のうちいずれの者が保育の必要性が高いかを判断するについていかなる判断基準によるべきかという点について定めた法令はないこと,保育の必要性の程度を判断するにあたっては多様な要素を考慮する必要があり,保育の必要性の高低を判断するにあたっていかなる事項をどの程度考慮するのかということについて一義的に判断基準が観念できるものではないことに照らすと,基本的には,入所措置を行う権限を有する行政庁の裁量に委ねられているものと解するのが相当である。 いかを判断するについていかなる判断基準によるべきかという点について定めた法令はないこと,保育の必要性の程度を判断するにあたっては多様な要素を考慮する必要があり,保育の必要性の高低を判断するにあたっていかなる事項をどの程度考慮するのかということについて一義的に判断基準が観念できるものではないことに照らすと,基本的には,入所措置を行う権限を有する行政庁の裁量に委ねられているものと解するのが相当である。もっとも,かかる裁量権は,保育の必要性を適切に判断し,保育所において保育を行う必要性が高い者から順次入所させていくという目的のために認められるものであるから,かかる目的に照らし不合理な判断を行い,その結果入所措置すべき児童を保留処分とした場合には,裁量権を逸脱濫用したものとして,当該保留処分は違法となると解すべきである。そして,中福祉事務所長及び東福祉事務所長が裁量を逸脱したかどうかについては,一定の判断基準を定めて入所の可否を判断している場合には,その判断基準が合理性を有するかどうか,その判断基準が合理的である場合には,かかる判断基準にしたがって入所の可否が行われているかどうかにつき司法判断が及び,仮にかかる判断基準に不合理な部分がある場合には,その不合理性が入所措置を取るか否かという判断結果を違法ならしめる程度のものであるか否かを検討すべきこととなる。(オ)証拠(乙9の1ないし6,10ないし13,23,証人E)によれば,以下の事実が認められ,かかる認定を左右するに足りる証拠はない。a 中福祉事務所長及び東福祉事務所長においては,児童を保育所に入所させるかどうかにあたり,概ね本件選考指数に基づき判断を行っていた。b 原告Aら中福祉事務所長は,原告Aらの入所措置申請につき,本件選考指数 務所長及び東福祉事務所長においては,児童を保育所に入所させるかどうかにあたり,概ね本件選考指数に基づき判断を行っていた。b 原告Aら中福祉事務所長は,原告Aらの入所措置申請につき,本件選考指数に基づき,以下のとおり選考指数が90点であるとした。母親の就労状況千代田生命外交(外交)就労日数 22日(30点)就労状況 8時間(17点)通勤時間 10分(1点)収入 9万5000円(12点)祖母の状況 65歳別居高知県在住(25点)。父親の状況外勤(5点)。合計 90点そして,鴻池保育所に入所措置となった児童は合計5人であり,それらの選考指数は,99点,97点,95点,93点,92点であった。 き,以下のとおり選考指数が90点であるとした。母親の就労状況千代田生命外交(外交)就労日数 22日(30点)就労状況 8時間(17点)通勤時間 10分(1点)収入 9万5000円(12点)祖母の状況 65歳別居高知県在住(25点)。父親の状況外勤(5点)。合計 90点そして,鴻池保育所に入所措置となった児童は合計5人であり,それらの選考指数は,99点,97点,95点,93点,92点であった。c 原告Bら中福祉事務所長は,原告Bらの入所措置申請につき,本件選考指数に基づき,以下のとおり選考指数が87点であるとした。母親の就労状況大阪市建設局(外勤)就労日数 22日(35点)就労時間 8時間30分(20点)通勤時間 50分(4点)収入 30万円(10点)祖母の状況原告らの自宅から15分の所に別居。58歳(8点)祖父母の監護(5点)父親の状況外勤(5点)合計 87点そして,岩田保育所に入所措置となった児童は合計4人であり,それらの選考指数は,110点,99点,92点,29点であった。なお,29点の児童については,母親が当時高校生であったことから,福祉の理念から説くに点数は低いけれども入所措置を行った。d 原告Cら東福祉事務所長は,原告Cらの入所措置申請につき,本件選考指数に基づき,以下のとおり選考指数が79点であるとした。母親の就労状況アルマタッグ(外自営)就労日数 30日(25点)就労時間 9時間(15点)通勤時間 置申請につき,本件選考指数に基づき,以下のとおり選考指数が79点であるとした。母親の就労状況アルマタッグ(外自営)就労日数 30日(25点)就労時間 9時間(15点)通勤時間 10分(4点)収入 10万円(0点)自営協力者(5点)祖母の状況 57歳,別居(25点)父親の状況自営(5点)そして,石切保育所に入所措置となった児童は合計4人であり,それらの選考指数は,97点(2人)と89点(2人)であった。また,鳥居保育所に入所措置となった児童は合計4人であり,それらの選考指数は,100点(2人),96点,88点であった。(カ)検討a 本件選考指数の合理性以上のとおり,中福祉事務所長及び東福祉事務所長は,本件選考指数に従って,入所の可否を判断しているので,まず,本件選考指数の合理性について検討する。(a)「収入」について本件選考指数においては,母親の就労内容が「常勤・パート」,「外交・販売」及び「内職」について収入の高い者が低い者より配点が高くなっているところ,被告は,一般的に長時間労働をすれば,収入は増加するのであり,特に,残業等の時間外労働が増えれば,時間外手当も増加するから,高収入の者ほど児童の保育を行うことのできる可能性が低いため,点数が高くなるのは,一定の合理性があると主張する。 。(a)「収入」について本件選考指数においては,母親の就労内容が「常勤・パート」,「外交・販売」及び「内職」について収入の高い者が低い者より配点が高くなっているところ,被告は,一般的に長時間労働をすれば,収入は増加するのであり,特に,残業等の時間外労働が増えれば,時間外手当も増加するから,高収入の者ほど児童の保育を行うことのできる可能性が低いため,点数が高くなるのは,一定の合理性があると主張する。この点については,収入の高低と就労時間の長短とがどの程度連動するのか疑問であるとともに,本件選考指数においては別途就労時間の長短及び就労日数の多さによって配点をしていることを考慮に入れると,被告が主張するような理由により収入の多寡によって配点をする必要性に乏しいといえなくもない。しかしながら,被告は,上記主張に加え,収入の多寡が仕事の密度の濃淡とも関連するものと主張するものと解されるとこ 張するような理由により収入の多寡によって配点をする必要性に乏しいといえなくもない。しかしながら,被告は,上記主張に加え,収入の多寡が仕事の密度の濃淡とも関連するものと主張するものと解されるところ,一般に収入の多い職種ほど当該仕事に期待される達成度,責任の程度が高いということができ,それを維持するために労働者が就労時間以外にも物理的・精神的に拘束されるということもあながち不合理ではなく,これを選考指数に反映させることも許されるものと解される。そして,かかる収入による選考指数の加点は自営業者にはみられないものの,自営業者については,「協力者」あるいは「中心者」の区別に従って加点がなされており,「中心者」「協力者」の違いによる選考指数の配点は,まさに,前記当該仕事に期待される達成度,責任の程度の違いに基づくものと解することもできる。かかる点に,一般的に「外交・販売」従事者は,定時の雇用労働者と比較して,同一の収入を得るために児童の保育を行うために割く時間が低くなることは否定し得ないところであるから,保育の要件度を判断するにあたって就労時間の長短及び就労日数の多寡による配点をすれば収入の高低は全くしんしゃくする必要がないとはいえないこと,本件選考指数における「収入」の配点の占める割合及び配点較差はそれほど高くないことをも総合考慮するならば,収入による選考指数の配点も不合理なものと断ずることはできないというべきである。 に児童の保育を行うために割く時間が低くなることは否定し得ないところであるから,保育の要件度を判断するにあたって就労時間の長短及び就労日数の多寡による配点をすれば収入の高低は全くしんしゃくする必要がないとはいえないこと,本件選考指数における「収入」の配点の占める割合及び配点較差はそれほど高くないことをも総合考慮するならば,収入による選考指数の配点も不合理なものと断ずることはできないというべきである。(b)「常勤・パート」「外交・販売」「自営業」を区分していることについて原告らは,本件選考指数においては,「常勤・パート」や「外交・販売」と比較して「自営業」の点数が低くなっているのは不合理であると主張する。しかしながら,自営業の場合においては,「常勤・パート」や「外交・販売」の場合と異なり,勤務の内容を自ら決めることが ・販売」と比較して「自営業」の点数が低くなっているのは不合理であると主張する。しかしながら,自営業の場合においては,「常勤・パート」や「外交・販売」の場合と異なり,勤務の内容を自ら決めることができるのであるから,異なる基準を用いて判断することも不合理であるということはできず,また,仕事をしながら子どもの面倒を見ることができる場合もあり得ること,母親がどの程度仕事に関与するかどうかは個々のケースによって様々であるから,「常勤・パート」や「外交・販売」の場合と異なり,単に就労日数及び就労時間のみで判断するのではなく,作業内容や仕事の危険度など別個の判断基準を併用して点数を付けることも不合理であるとはいえない。そして,「常勤・パート」と「居宅外自営業」を比較した場合,就労時間が21日以上の場合,「常勤・パート」の方が,「居宅外自営業」よりも10点ないしは15点高くなっており,就労時間についても8時間以上の場合,「常勤・パート」の方が「居宅外自営業」よりも5点高くなっているが,「自営業」の場合には,「中心者・協力者」の区分により最大10点が配点されており,仕事の危険度に応じて最大5点が配点されているのに対し,「常勤・パート」及び「外交・販売」に対しては,これらの配点はなされていないのであるから,「自営業」に対して就労日数及び就労時間の配点が低くなっている分については「中心者・協力者」及び「危険度」の配点がなされているのであるから,本件選考指数が自営業者に対して不利益なものであるとはいえない。 「中心者・協力者」の区分により最大10点が配点されており,仕事の危険度に応じて最大5点が配点されているのに対し,「常勤・パート」及び「外交・販売」に対しては,これらの配点はなされていないのであるから,「自営業」に対して就労日数及び就労時間の配点が低くなっている分については「中心者・協力者」及び「危険度」の配点がなされているのであるから,本件選考指数が自営業者に対して不利益なものであるとはいえない。また,原告らは,本件選考指数が「常勤・パート」と「外交・販売」とを区別している点につき,「常勤・パート」と「外交・販売」とでは仕事の仕方は異ならないのに,就労日数及び就労時間につき配点が異なるのは不合理であると主張する。しかしながら,外回りの 外交・販売」とを区別している点につき,「常勤・パート」と「外交・販売」とでは仕事の仕方は異ならないのに,就労日数及び就労時間につき配点が異なるのは不合理であると主張する。しかしながら,外回りの仕事については,「常勤・パート」と比較して融通を利かすことが可能である場合もあるから,両者を区別して基準を設けることも不合理ではない。(c)原告らは,就労日数について,例えば,常勤パートでは,16日から20日であれば25点,21日であれば35点であり,1日の違いで10点もの差がつくのは不合理であると主張するが,判断の基準をある程度類型化することはやむを得ないのであるから,1日の違いにより点数が異なってくることは不合理であるとはいえないし,また,原告らはいずれも就労日数が21日以上であるから,かかる判断基準が採用されたことにより原告らが入所可能であるかどうかを判断するに当たって不利益を被ったということはできないから,本件各児童らが入所可能性を有していたかどうかを判断するにあたっては,本件選考指数を前提として判断すべきである。(d)また,原告らは,求職中の者につき,就職が確定している者については一律15点配点としているのは不合理であると主張するが,この点についても原告らはいずれも求職中ではなかったのであるから,本件各児童らが入所可能であったかどうかを判断するにあたっては,本件選考指数の判断基準を前提として判断すべきである。(e)さらに,原告らは,本件選考指数によれば,祖母が不在の場合には25点が配点されるが,祖母が同居や近隣に住んでいる場合には,就労の有無等によって減点されていくという配点がなされているところ,祖母が近隣にいて就労していなければ,たとえ介護のために子育ての援助が出来なくても,祖母がいない者に比べて10点以上の差がつくことにな 判断するにあたっては,本件選考指数の判断基準を前提として判断すべきである。(e)さらに,原告らは,本件選考指数によれば,祖母が不在の場合には25点が配点されるが,祖母が同居や近隣に住んでいる場合には,就労の有無等によって減点されていくという配点がなされているところ,祖母が近隣にいて就労していなければ,たとえ介護のために子育ての援助が出来なくても,祖母がいない者に比べて10点以上の差がつくことにな の有無等によって減点されていくという配点がなされているところ,祖母が近隣にいて就労していなければ,たとえ介護のために子育ての援助が出来なくても,祖母がいない者に比べて10点以上の差がつくことになり不合理であると主張する。しかしながら,一般に近隣に祖母が住んでいるのであれば,児童の面倒を見てもらうことが物理的に可能であるから,判断基準として祖母が近隣に住んでいることを考慮することが不合理であるとはいえず,また,一般的に,祖母が家にいるかどうかによって児童の面倒を見ることが容易かどうかが異なってくるから,かかる判断基準を用いることが不合理であるとはいえない。(f)以上によれば,本件選考指数が不合理なものであるとは認められない。b 本件選考指数の適用(a)前記(オ)で認定したところによれば,中福祉事務所長及び東福祉事務所長は,第1事件原告らにつき,本件選考指数にしたがって入所の可否を判断したものと認められる。なお,原告Bらが入所を希望した岩田保育所にはB3よりも点数の低い29点の者が入所しているが,前述のとおり同人の母親は未婚の高校生であるから,保育の必要性が高いものと判断して入所させたことにつき裁量の逸脱は認められない。(b)もっとも原告Cらは,原告C2の職場は有機溶剤などが置いてあったことから危険度重として判断すべきであったと主張する。そこで,検討すると証拠(甲108,113の1ないし4,原告C2本人)によれば以下の事実が認められる。ⅰ 原告C2は,夫である原告C1とともに,平成9年4月,有限会社アルマタッグという室内装飾工事業及び電気工事業を営業の目的とする会社を設立し,原告C1は営業や工事を行い,原告C2は事務を行っていた。ⅱ 有限会社アルマタッグの事務所は,倉庫と隣り合わせになっており,倉庫には電線,丸のこ,有機溶剤 電気工事業を営業の目的とする会社を設立し,原告C1は営業や工事を行い,原告C2は事務を行っていた。 れる。ⅰ 原告C2は,夫である原告C1とともに,平成9年4月,有限会社アルマタッグという室内装飾工事業及び電気工事業を営業の目的とする会社を設立し,原告C1は営業や工事を行い,原告C2は事務を行っていた。ⅱ 有限会社アルマタッグの事務所は,倉庫と隣り合わせになっており,倉庫には電線,丸のこ,有機溶剤 電気工事業を営業の目的とする会社を設立し,原告C1は営業や工事を行い,原告C2は事務を行っていた。ⅱ 有限会社アルマタッグの事務所は,倉庫と隣り合わせになっており,倉庫には電線,丸のこ,有機溶剤などが置いてあった。母親の職場の危険度が重・中・軽のどれに当たるかは他の職場との相対評価であるから,他の比較して児童にとってどの程度危険があるかどうかによって判断せざるを得ないが,原告C2の事務所には電線,丸のこ,有機溶剤など非常に危険なものが置いてあるのであり,他の自営業者と比較しても危険な職場であるということができる。この点を無視した東福祉事務所長の判断はその限りで事実の基礎を欠くものであり,したがって,C3の選考指数を判断するにあたっては,「危険度」は「重」であると認めるのが相当であったというべきである。しかしながら,「危険度」を「重」であるとしても,選考指数は5点しか加点されず,石切保育所に入所措置となった児童の最低選考指数89点,鳥居保育所に入所措置となった児童の最低選考指数88点に及ばず,結局,東福祉事務所長による「危険度」に関する判断の誤りは,原告Cらの入所措置の結果を左右するものではないから,違法性がないというべきである。(キ)以上によれば,本件各保留処分はいずれも法24条本文に違反するものとは認められない。イ法24条ただし書違反について(ア)法24条ただし書は,「付近に保育所がない等やむを得ない事由があるときは,その他の適切な保護を加えなければならない。」と定めており,保育に欠ける児童について「やむを得ない事由」がある場合には,市町村がそれらの児童を保育所に入所させて保育する措置を採らなくとも違法ではないが,保育所に入所させて保育する措置を採らなかった場合には,「その他の適切な保護」を加えなければならない。したが には,市町村がそれらの児童を保育所に入所させて保育する措置を採らなくとも違法ではないが,保育所に入所させて保育する措置を採らなかった場合には,「その他の適切な保護」を加えなければならない。 事由」がある場合には,市町村がそれらの児童を保育所に入所させて保育する措置を採らなくとも違法ではないが,保育所に入所させて保育する措置を採らなかった場合には,「その他の適切な保護」を加えなければならない。したが には,市町村がそれらの児童を保育所に入所させて保育する措置を採らなくとも違法ではないが,保育所に入所させて保育する措置を採らなかった場合には,「その他の適切な保護」を加えなければならない。したがって,市町村が,保育に欠ける児童につき保育所に入所させて保育する措置を採らなかったうえ,「その他適切な保護」を加えなかった場合には,かかる市町村の不作為は法24条ただし書に反し違法であると解するのが相当である。そして,「その他適切な保護」とは,保育に欠ける児童らの保育状況を改善するために加えられるのであるから,保育に欠ける児童保育状況を改善することに資する措置を行うことを指すものと解されるところ,保育所に入所することができなかった児童が入所した施設に対して補助金の交付がなされれば,当該児童らの保育状況の改善に資することは明らかであるから,市町村が,保育に欠ける児童が入所した簡易保育施設に対して補助金を交付することも法24条ただし書にいうところの「その他適切な保護」に当たるというべきである。もっとも,原告らは,地方自治体の補助金の交付は,民間の事業が「公益上必要がある場合」に,これを促進・助成する目的で行なわれるものであり(地方自治法232条の2),補助金の交付を受ける事業は,地方自治体でなく民間企業が行うものであるから,そのような民間事業に補助金を交付しても,地方自治体が事業を行ったことにはならず,したがって,民間の無認可保育施設が行う保育事業に市町村が補助金を交付しても,それでもって市町村が保育を行ったというわけにはいかないのであり,市町村が「適切な保護」を行ったことにはならないのであるから,市町村がそれを交付したからといって市町村自身が「適切な保護」を行ったことにはならないと主張する。かかる主張は,法24条ただし書にいうところの 「適切な保護」を行ったことにはならないのであるから,市町村がそれを交付したからといって市町村自身が「適切な保護」を行ったことにはならないと主張する。かかる主張は,法24条ただし書にいうところの「保護を加える」とは保育事業を自らの手で行うことを意味することを前提とする見解であると解されるが,法文上そのような限定はなされていないのであり,また,児童らの保育に欠ける状態を解消するための手段を,市町村が自ら保育事業を行うことに限定する必要性もないのであるから,原告らの上記主張は採用することができない。 「適切な保護」を行ったことにはならないと主張する。かかる主張は,法24条ただし書にいうところの「保護を加える」とは保育事業を自らの手で行うことを意味することを前提とする見解であると解されるが,法文上そのような限定はなされていないのであり,また,児童らの保育に欠ける状態を解消するための手段を,市町村が自ら保育事業を行うことに限定する必要性もないのであるから,原告らの上記主張は採用することができない。(イ)そして,証拠(甲19,20,31,108,110,証人D,A2本人,C2本人)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められ,かかる事実を左右するに足りる証拠はない。a 原告Aらは,平成10年度,原告A3につき保留処分を受けたため,従前から通っていた簡易保育施設であるポッポ共同保育所での保育を継続することとし,同様に,原告Bらは,B3につき保留処分を受けたため,簡易保育施設であるどんぐり共同保育所での保育を継続することとし,原告Cらは,C3につき保留処分を受けたため,簡易保育施設であるどんぐり共同保育所での保育を継続することとした。b 被告は,東大阪市内にある簡易保育施設に対し補助金を交付しており,補助金の1か月当たりの額は,原告A3については,階層別補助金として3万6940円,その他の補助金の1人あたりの額6525円,合計4万3465円であり,B3については,階層別補助金が4万6650円,その他の補助金の1人当たりの額が6525円,合計5万3175円であり,C3については,階層別補助金が4万5240円,その他の補助金が6525円,合計5万1765円であった。c 厚生省の作成した平成10年度の保育単価表によれば,東大阪市における小規 万3175円であり,C3については,階層別補助金が4万5240円,その他の補助金が6525円,合計5万1765円であった。c 厚生省の作成した平成10年度の保育単価表によれば,東大阪市における小規模保育所の保育単価は,平成10年4月現在においては,1,2歳児で1か月当たり12万1715円,民間施設給与等改善費加算額は1か月当たり4693円であった。(ウ)上記(イ)で認定した事実によれば,被告は,本件各児童らが入所した簡易保育施設に対して補助金を交付しており,その金額も原告A3に対しては月額4万3465円,B3に対しては月額5万3175円,C3に対しては5万1765円であり,かかる補助金の交付が本件各児童らの保育状況を改善するために資することは明らかであるから,被告が本件各児童らに対し,法24条ただし書にいうところの「その他適切な保護」を与えなかったということはできない。 によれば,被告は,本件各児童らが入所した簡易保育施設に対して補助金を交付しており,その金額も原告A3に対しては月額4万3465円,B3に対しては月額5万3175円,C3に対しては5万1765円であり,かかる補助金の交付が本件各児童らの保育状況を改善するために資することは明らかであるから,被告が本件各児童らに対し,法24条ただし書にいうところの「その他適切な保護」を与えなかったということはできない。これに対し,原告らは,被告が交付している補助金は保育単価の3分の1に満たない補助金しか支出していないのであり,このような少額の補助金をもってしては保育所における保育と同程度の内実をもつ代替措置とはいえないから「その他適切な保護」に当たらないと主張する。しかしながら,そもそも保育に欠ける児童のすべてを保育所において保育することを義務づけることは財政上困難である等の理由から法24条ただし書が設けられた経緯に照らす限り,「その他適切な保護」として保育所と同程度の内実をもつ代替措置をとらなければならないとする原告らの主張はとうてい採用することができない。(エ)以上のとおり,本件各保留処分が法24条ただし書に反するとの原告らの主張も採用することができない。(2)中福祉事務所長及び東福祉事務所長の違法行為(国家賠償法1条1項。行政手続法5条違反)ア審査基準が定められてい 保留処分が法24条ただし書に反するとの原告らの主張も採用することができない。(2)中福祉事務所長及び東福祉事務所長の違法行為(国家賠償法1条1項。行政手続法5条違反)ア審査基準が定められているかどうか。(ア)保育所入所の申込みは行政手続法2条3号にいうところの「申請」に該当するから,保育所入所決定手続には同法第2章の定める「申請に対する処分」の手続が適用される。そして,行政手続法5条1項は,「行政庁は,申請により求められた許認可等をするかどうかをその法令の定めに従って判断するために必要とされる判断基準(審査基準)を定めるものとする。」と定めている。したがって,福祉事務所長が保育所入所決定処分を行うに当たっては,福祉事務所長は入所決定の審査基準を定めなければならない。原告らは,中福祉事務所長及び東福祉事務所長は,本件各児童らを保育所に入所させるかどうかを判断するにあたって,審査基準を定めなかったのであって,同人らのかかる不作為は行政手続法5条1項に反し違法であると主張するので,この点につき検討する。 査基準)を定めるものとする。」と定めている。したがって,福祉事務所長が保育所入所決定処分を行うに当たっては,福祉事務所長は入所決定の審査基準を定めなければならない。原告らは,中福祉事務所長及び東福祉事務所長は,本件各児童らを保育所に入所させるかどうかを判断するにあたって,審査基準を定めなかったのであって,同人らのかかる不作為は行政手続法5条1項に反し違法であると主張するので,この点につき検討する。(イ)まず,被告は,東大阪市保育所入所措置条例(昭和62年3月31日東大阪市条例第1号)において保育所に入所させるかどうかの基準を明記していると主張する。そこで,同条例の定めについて検討すると,同条例2条においては,「保育所への入所措置は,児童の保護者のいずれもが次の各号のいずれかに該当することにより,当該児童を保育することができないと認められる場合であって,かつ,同居の親族その他の者が当該児童を保育することができないと認められる場合に行うものとする。(1)昼間に居宅外で労働することを常態としていること,(2)昼間に居宅内で当該児童と離れて日常の家事以外の労働をすることを常態としていること,(3)妊娠中であるか又は出産後間がないこ ものとする。(1)昼間に居宅外で労働することを常態としていること,(2)昼間に居宅内で当該児童と離れて日常の家事以外の労働をすることを常態としていること,(3)妊娠中であるか又は出産後間がないこと,(4)疾病にかかり,若しくは負傷し,又は精神若しくは身体に障害を有していること,(5)長期にわたり疾病の状態にある又は精神若しくは身体に障害を有する同居の親族を常時介護していること,(6)震災,風水害,火災その他の災害の復旧に当たっていること,(7)市長が認める前各号に類する状態にあること。」と定められている(乙3)。当該児童を保育所に入所させるかどうかにあたっては,当該児童が保育に欠ける児童かどうか,保育に欠ける児童であるとしていずれの児童の保育の必要性が高いかが判断されることになるところ,上記条例は,保育に欠ける児童かどうかを判断するにあたって一定の基準を示しているものの,いずれの児童が保育の必要性が高いかどうかを判断するにあたっての判断基準を示すものでないから,上記条例が存在することをもって,保育所に入所させるかどうかの審査基準が定められていたということはできない。 育に欠ける児童かどうか,保育に欠ける児童であるとしていずれの児童の保育の必要性が高いかが判断されることになるところ,上記条例は,保育に欠ける児童かどうかを判断するにあたって一定の基準を示しているものの,いずれの児童が保育の必要性が高いかどうかを判断するにあたっての判断基準を示すものでないから,上記条例が存在することをもって,保育所に入所させるかどうかの審査基準が定められていたということはできない。(ウ)次に,中福祉事務所長及び東福祉事務所長が,一部の例外はあるものの,概ね本件選考指数に従って保育所の入所の可否について判断をしていたことは,既に認定したとおりであるところ,本件選考指数では,母親の就労状況,母親の不在・疾病,世帯の状況などについてそれぞれ細分化された基準を設けて点数化されているのであるから,行政手続法5条1項にいうところの「審査基準」に該当するというべきである。これに対し,原告らは,本件選考指数が担当者の引継を通じて伝承されてきたことをもって本件選考指数は行政手続法5条1項にいうところの審査基準に該当しないと主張するが,法令上審査基準を書面で定 ある。これに対し,原告らは,本件選考指数が担当者の引継を通じて伝承されてきたことをもって本件選考指数は行政手続法5条1項にいうところの審査基準に該当しないと主張するが,法令上審査基準を書面で定めなければならないとした規定はないから,書類が作成されていないことをもって本件選考指数が行政手続法5条1項にいうところの審査基準に該当しないと解することはできない。また,原告らは,本件選考指数においては,「常勤・パート」「外交・販売」「自営」の区別,「協力者」と「中心者」との区別及び「危険度」の区別が不明確であり,行政手続法5条1項にいうところの審査基準足りえないと主張する。しかしながら,行政手続法5条2項は,審査基準は「当該許認可の性質に照らしてできる限り具体的なものとしなければならない。」と定めているところ,「常勤・パート」「外交・販売」「自営」については,そもそもいずれに該当するかを判断することが困難であるとは認め難いし,「協力者」と「中心者」の区別は仕事への関与の程度を示すものであり,また「危険度」についても程度概念であって,そもそも客観的に明確な基準を定めることが困難な事情であるから,ある程度抽象的な基準となるのはやむを得ず,行政手続法5条2項に反するということはできない。 」と定めているところ,「常勤・パート」「外交・販売」「自営」については,そもそもいずれに該当するかを判断することが困難であるとは認め難いし,「協力者」と「中心者」の区別は仕事への関与の程度を示すものであり,また「危険度」についても程度概念であって,そもそも客観的に明確な基準を定めることが困難な事情であるから,ある程度抽象的な基準となるのはやむを得ず,行政手続法5条2項に反するということはできない。(エ)以上のとおり,中福祉事務所長及び東福祉事務所長が,保育所入所処分に必要な審査基準を定めておらず,行政手続法5条1項に反するとの主張は採用することができない。イ審査基準が公にされていたかどうか。(ア)行政手続法5条3項は,「行政上特別の支障があるときを除き,法令により当該申請の提出先とされている機関の事務所における備付けその他の適当な方法により審査基準を公にしておかなければならない。」と定めている。したがって,中福祉事務所長及び東福祉事務所長は,行 法令により当該申請の提出先とされている機関の事務所における備付けその他の適当な方法により審査基準を公にしておかなければならない。」と定めている。したがって,中福祉事務所長及び東福祉事務所長は,行政上特別の支障があるときを除き,保育所に入所させるかどうかの審査基準を公にしておかなければならない。原告らは,中福祉事務所長及び東福祉事務所長は,保育所に入所させるかどうかの審査基準を公にしていなかったのであるから,かかる不作為は行政手続法5条3項に反し違法であると主張するので,この点につき検討する。(イ)被告は,東大阪市保育所措置条例(昭和62年3月31日東大阪市条例第1号)に明記されており,原告らは審査基準を知ることができたと主張するが,前述のとおり,上記条例は,保育に欠ける児童か否かを判断するに当たって考慮すべき事項を示すものではあるが,保育所の定員が不足しているため保育に欠ける児童全員を入所させることができない場合にいずれの児童を入所させるべきかを判断するための基準を示すものではないから,原告らが上記条例を知ることができたことをもって,保育所に入所させるかどうかの審査基準が公にされていたということはできない。(ウ)次に,被告は,入所希望者は,保育所入所申込書,入所理由説明書及び入所調査書に記入する際に,保育所入所の審査基準を知ることができたと主張する。 るため保育に欠ける児童全員を入所させることができない場合にいずれの児童を入所させるべきかを判断するための基準を示すものではないから,原告らが上記条例を知ることができたことをもって,保育所に入所させるかどうかの審査基準が公にされていたということはできない。(ウ)次に,被告は,入所希望者は,保育所入所申込書,入所理由説明書及び入所調査書に記入する際に,保育所入所の審査基準を知ることができたと主張する。そして,証拠(乙5ないし乙7の2)によれば,入所希望者が申請に当たって提出する保育所入所申込書,入所理由説明書及び調査書には,母親の状況として,外勤(常勤・パート・外交),自営(居宅内・居宅外)・内職などのうちいずれに該当するのか記載する欄があり,母親が働いている場合あるいは求職中である場合には,その職務の内容を記載する欄があり,仕事の内容,勤務時間,月収,通勤時間,自営の場合には 外)・内職などのうちいずれに該当するのか記載する欄があり,母親が働いている場合あるいは求職中である場合には,その職務の内容を記載する欄があり,仕事の内容,勤務時間,月収,通勤時間,自営の場合には中心者か協力者であるかなどを記載することになっているなど,選考指数表において入所の判断事項とされていた事項については,概ね記載するよう求められている。しかしながら,法5条3項が,行政庁に対し,審査基準自体を公にすることを義務づけているのは,文言上明らかであるところ,上記保育所入所申込書,入所理由説明書及び入所調査書には審査基準が明示的に記載されておらず,かつ,これらの書面を見ても,記入した事項のうちどの事項が判断の基礎とされるのか,どのような記載があれば有利に扱われるのかなどについては全くわからないのであるから,入所希望者がこれらの書類を見ることができたことをもって,審査基準である本件選考指数を公にしたということはできない。(エ)そして,証拠(証人E,証人F)及び弁論の全趣旨によれば,中福祉事務所長及び東福祉事務所長が本件選考指数自体を公にしていなかったことは明らかであるから,行政手続法5条3項に違反しており,違法であるというほかない。(オ)なお,被告は,本件選考指数は,相当細分化され,かつ,具体的に点数化されていたところ,このような入所基準を公にした場合には,入所基準に合わせた申請を誘発するなど,入所審査の公平さが担保できない可能性があったのであるから,本件選考指数を公にしなかったことは違法ではないと主張する。 件選考指数自体を公にしていなかったことは明らかであるから,行政手続法5条3項に違反しており,違法であるというほかない。(オ)なお,被告は,本件選考指数は,相当細分化され,かつ,具体的に点数化されていたところ,このような入所基準を公にした場合には,入所基準に合わせた申請を誘発するなど,入所審査の公平さが担保できない可能性があったのであるから,本件選考指数を公にしなかったことは違法ではないと主張する。かかる主張は,行政手続法5条3項にいうところの「行政上特別の支障」が存在するとの主張であると解されるが,「特別の支障」という以上,他の申請に対する処分とは異なる具体的な支障が生ずることが必要であると解されるところ,審査基準に合 にいうところの「行政上特別の支障」が存在するとの主張であると解されるが,「特別の支障」という以上,他の申請に対する処分とは異なる具体的な支障が生ずることが必要であると解されるところ,審査基準に合わせて申請がなされるおそれがあることは,申請に対する処分一般についていえることであり,他の申請に対する処分とは異なる具体的な支障が生ずることについて主張立証がなされているのであればともかく,かかる抽象的なおそれがあることをもって公にしなくともよいと解することはできない。したがって,上記被告の主張は採用することができない。(カ)以上のとおり,本件各保留処分が行政手続法5条3項に違反する状況でなされたことは明らかであるというほかない。ウ決定不通知の違法(ア)原告Cらは,本件保留処分3の決定通知を受けていないから,本件保留処分3は違法であると主張するのでこの点につき検討する。(イ)証拠(原告C2本人)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。a 原告Cらは,東福祉事務所長に対し,平成9年5月8日,長女につき入所措置申請を行ったが保留処分となった。b 東福祉事務所長は,原告Cらに対し,二女につき保育所において保育することを決定し,平成10年2月28日,これを通知した。c 原告C2は,二女の入所通知書が送付されてきたものの,C3の入所措置申請に対する決定の通知書が送付されてこないことから,その結果を知るために東福祉事務所に対して電話をしたところ,東福祉事務所の職員は,「お二人一緒に入所申請をしていて,どちらか一方にしか入所決定通知書が来なかった場合は,来てない方は保留ということでご了承願います。 において保育することを決定し,平成10年2月28日,これを通知した。c 原告C2は,二女の入所通知書が送付されてきたものの,C3の入所措置申請に対する決定の通知書が送付されてこないことから,その結果を知るために東福祉事務所に対して電話をしたところ,東福祉事務所の職員は,「お二人一緒に入所申請をしていて,どちらか一方にしか入所決定通知書が来なかった場合は,来てない方は保留ということでご了承願います。」と返答した。d なお,証人Fは,原告Cらに対し,C3の保留処分の通知書を送付した旨供述しているが,被告から上記供述を裏付ける通知書等が提出さ 場合は,来てない方は保留ということでご了承願います。」と返答した。d なお,証人Fは,原告Cらに対し,C3の保留処分の通知書を送付した旨供述しているが,被告から上記供述を裏付ける通知書等が提出されておらず,信用することができない。(ウ)原告らは通知が来なかったことがどの法律に反するのか主張しておらず,その意図するところは必ずしも明確ではないが,保留決定がなされたにもかかわらずその通知がなされなかったことが違法となるのは,保留決定がなされたとしても,申請者に対して当該決定についての通知がなされなければ,当該決定の効力は発生しないことになるのであるから,通知がなされなかった結果,行政庁が応答すべき処分を不当に放置していたと評価することができる場合であると解するのが相当である。本件においては,原告C2が電話をかけたからであるとはいえ,平成10年2月28日に保留処分がなされた旨が伝えられているのであるから,東福祉事務所長が応答すべき処分を不当に放置していたと評価することはできず,原告C3に対する保留通知がこなかったことが違法であるとの原告Cらの主張は採用することができない。エ行政手続法8条1項違反(ア)原告らは,中福祉事務所長及び東福祉事務所長は,本件各保留処分について全く理由を提示しておらず,行政手続法8条1項に反すると主張するので,この点につき検討する。(イ)前述のとおり,本件各保留処分については行政手続法第2章の規定が適用されるところ,同法8条1項は,「行政庁は,申請により求められた許認可等を拒絶する処分をする場合は,申請者に対し,同時に,当該処分の理由を示さなければならない。ただし,法令に定められた許認可等の要件又は公にされた審査基準が数量的指標その他の客観的指標により明確に定められている場合であって,当該申請がこれら この点につき検討する。(イ)前述のとおり,本件各保留処分については行政手続法第2章の規定が適用されるところ,同法8条1項は,「行政庁は,申請により求められた許認可等を拒絶する処分をする場合は,申請者に対し,同時に,当該処分の理由を示さなければならない。ただし,法令に定められた許認可等の要件又は公にされた審査基準が数量的指標その他の客観的指標により明確に定められている場合であって,当該申請がこれら ,同時に,当該処分の理由を示さなければならない。ただし,法令に定められた許認可等の要件又は公にされた審査基準が数量的指標その他の客観的指標により明確に定められている場合であって,当該申請がこれらに適合しないことが申請書の記載又は添付書類から明らかであるときは,申請者の求めがあったときにこれを示せば足りる。」と定めている。そして,行政手続法5条1項が,行政庁は申請により求められた許認可等をするかどうかをその法令の定めに従って判断するために必要とされる審査基準を定めることを要求していること,行政手続法8条1項が申請により求められた許認可等を拒否する処分に理由を提示すべきものとしているのは,行政庁の判断を慎重ならしめ,恣意を抑制するとともに,処分の理由を申請者に知らせて不服の申立てに便宜を与える趣旨に出たものであることに照らすと,どのような事実に基づいて判断したのか,審査基準のどの項目がいかなる点で満たされないと判断したのか,どのような法的理由により判断されたのかが示されていなければならないものと解するのが相当である。そして,証拠(甲6の1,6の3)によれば,原告Aら及び原告Bらに対して送付された保育所入所保留通知書には,「過日,申込のありました保育所入所措置申請につきましては,4月1日現在保育所の収容能力の関係上入所の見込みがつきがたく,やむを得ず保留措置をとらざるを得ませんので,あしからずご了承ください。」と記載されているにすぎず,原告A3及びB3につきいかなる事実認定のもとに判断がなされたのか,どのような審査基準が適用されいかなる審査項目が満たされていないのかが全く不明であり,これをもって行政手続法8条1項にいう当該処分の理由が示されたものと認めることはできない。また,原告Cらについては,原告Cらに対して保育所入所保留通知書が送 満たされていないのかが全く不明であり,これをもって行政手続法8条1項にいう当該処分の理由が示されたものと認めることはできない。 実認定のもとに判断がなされたのか,どのような審査基準が適用されいかなる審査項目が満たされていないのかが全く不明であり,これをもって行政手続法8条1項にいう当該処分の理由が示されたものと認めることはできない。また,原告Cらについては,原告Cらに対して保育所入所保留通知書が送 満たされていないのかが全く不明であり,これをもって行政手続法8条1項にいう当該処分の理由が示されたものと認めることはできない。また,原告Cらについては,原告Cらに対して保育所入所保留通知書が送付された事実及び原告C2が中福祉事務所に対して電話をかけてC3の入所の可否を尋ねた際に本件保留処分3を行った理由について説明した事実を認めるに足りる証拠はないから,同項にいう当該処分の理由が示されたものと認めることができないのは明らかである。したがって,本件各保留処分は,処分の理由を提示することなくなされており,かつ,全証拠を検討しても行政手続法8条1項ただし書に該当する事由を認めるに足りる証拠はないから,行政手続法8条1項に反し違法であるというべきである。オ以上によれば,本件各保留処分は,いずれも行政手続法5条3項,同法1項に反する違法なものであるところ,中福祉事務所長及び東福祉事務所長が上記違法行為をなすにつき過失があったことは明らかである。(3)東大阪市長の違法行為(国家賠償法1条1項)ア行政不服審査法25条違反(ア)行政不服審査法25条1項ただし書は,審査請求につき,「審査請求人又は参加人の申立てがあったときは,審査庁は,申立人に口頭で意見を述べる機会を与えなければならない」と定めているところ,原告らは,原告らが,東大阪市長に対し,本件各審査請求を申請するに際し,口頭意見陳述の機会を設けるように申し出たにもかかわらず,東大阪市長は,その機会を与えることなく本件各裁決を行ったのは,行政不服審査法25条1項ただし書に反し,違法であると主張する。そこで,この点につき検討する。(イ)証拠(甲95,証人G,原告A2本人,原告C2本人)によれば,以下の事実が認められ,かかる事実認定を左右するに足りる証拠はない。a 原告A2,原告C2 張する。そこで,この点につき検討する。(イ)証拠(甲95,証人G,原告A2本人,原告C2本人)によれば,以下の事実が認められ,かかる事実認定を左右するに足りる証拠はない。a 原告A2,原告C2及びどんぐり共同保育所の施設長であるGは,他の保護者とともに,平成10年4月27日,東大阪市児童部児童課を訪れ,本件各児童らを含む17名の児童らについて入所保留処分について行政不服審査請求書を提出した。 C2 張する。そこで,この点につき検討する。(イ)証拠(甲95,証人G,原告A2本人,原告C2本人)によれば,以下の事実が認められ,かかる事実認定を左右するに足りる証拠はない。a 原告A2,原告C2及びどんぐり共同保育所の施設長であるGは,他の保護者とともに,平成10年4月27日,東大阪市児童部児童課を訪れ,本件各児童らを含む17名の児童らについて入所保留処分について行政不服審査請求書を提出した。b その際,保護者らは,児童課課長のDに対し,各人の困っている事情について述べ,Gは,同人に対し,口頭意見陳述の機会を与えるよう述べた。cGは,従前にも保育所入所保留処分を受けた保護者らが,行政不服審査請求を行った際に手続に関与しており,手続に詳しかったことから,第1事件原告らが行政不服審査請求を行う際に付き添い,口頭意見陳述の申し出をするなどの手続に関することについては専らGが述べた。d 東大阪市長は,原告らに対し,口頭意見陳述の機会を与えることなく,原告らの不服審査請求を棄却した。e なお,証人Dは,Gが口頭意見陳述の申し出をしたかどうか記憶にないと供述するが,同人も明確に申し出がなかったことを断言するものでなく,また,同人は,本件各審査請求がなされた当時口頭意見陳述の手続について知らなかった旨述べているのであるから,いかなる申し出がなされたのか理解していなかったものと認められるのであり,同人のかかる供述は,上記認定を左右するものでない。(ウ)行政不服審査法25条1項ただし書きは,「審査請求人又は参加人の申立てがあったときは,審査庁は,申立人に口頭で意見を述べる機会を与えなければならない。」と定めている。本件において実際に口頭意見陳述の機会を与えるよう求めたのはGであって,同人は審査庁の許可を得た参加人(同法24条1項)ではないから に口頭で意見を述べる機会を与えなければならない。」と定めている。本件において実際に口頭意見陳述の機会を与えるよう求めたのはGであって,同人は審査庁の許可を得た参加人(同法24条1項)ではないから,同人の申し出を審査請求人である第1事件原告らの申し出とみることはできない。しかしながら,Gは,原告らが手続に詳しくないことから原告C2及び原告A2らに付き添って行政不服審査請求書を提出に来たのであり,GがD児童課課長に対して口頭意見陳述の機会を与えるよう求めた際に原告C2及び原告A2らは何ら異議を唱えていないのであるから,原告C2及び原告A2についても口頭意見陳述の機会を与えるよう求める意思であり,かつ,その意思を黙示的に表明したものと解するのが相当である。 はできない。しかしながら,Gは,原告らが手続に詳しくないことから原告C2及び原告A2らに付き添って行政不服審査請求書を提出に来たのであり,GがD児童課課長に対して口頭意見陳述の機会を与えるよう求めた際に原告C2及び原告A2らは何ら異議を唱えていないのであるから,原告C2及び原告A2についても口頭意見陳述の機会を与えるよう求める意思であり,かつ,その意思を黙示的に表明したものと解するのが相当である。原告Bらについては,上記審査請求を行った際には東大阪市児童部児童課を訪れていないのであるから,口頭意見陳述の申し出があったとみるのは困難というほかない。以上によれば,原告Aら及び原告Cらに対し,口頭意見陳述の機会を与えることなくなされた本件各裁決は,行政不服審査法25条1項ただし書に反し違法というべきである。イ東大阪市事務専決規程3条違反東大阪市事務専決規程3条(別表1)によれば,行政上の不服申立手続については,「重要なもの」「軽易なもの」という分類があり,担当部長が決裁できるのは「軽易なもの」であるとされているところ,原告らは,本件各裁決を「軽易なもの」と位置付けて担当部長である児童部部長が決済したことは,手続上の重大な違法であると主張する。原告らは,本件各審査請求が各家庭の生活設計にとって重要であること,17人という多数の者が審査請求を同時に行ったことを根拠として原告らの審査請求が上記専決規程3条(別表)にいうところの「重要なもの」該当すると主張するが,事務専決規程は東 計にとって重要であること,17人という多数の者が審査請求を同時に行ったことを根拠として原告らの審査請求が上記専決規程3条(別表)にいうところの「重要なもの」該当すると主張するが,事務専決規程は東大阪市の事務分配の規定であるから,同規程にいうところの重要なものかどうかは不服申立の対象となっている処分が被告にとって重要かどうかによって決せられるものであり,原告らの生活設計にとって重要かどうかは同規程にいうところの重要かどうかとは別問題であるし,多人数の者が同時に申請を行ったからといって処分が直ちに重要なものになるともいえないから,原告らの上記主張は失当である。ウ行政不服審査法41条1項違反(ア)原告らは,東大阪市長は,原告らの審査請求にかかる裁決書につき,「選考の結果,入所できた子に比較して順位が低かった」と述べているにすぎず,全く理由を附していないから,本件各裁決は,行政不服審査法41条1項に反し違法であると主張する。 別問題であるし,多人数の者が同時に申請を行ったからといって処分が直ちに重要なものになるともいえないから,原告らの上記主張は失当である。ウ行政不服審査法41条1項違反(ア)原告らは,東大阪市長は,原告らの審査請求にかかる裁決書につき,「選考の結果,入所できた子に比較して順位が低かった」と述べているにすぎず,全く理由を附していないから,本件各裁決は,行政不服審査法41条1項に反し違法であると主張する。そこで検討すると,行政不服審査法41条1項が裁決に理由を附記すべきものとしているのは,審査庁の判断を慎重ならしめ,恣意を抑制するとともに,請求人の不服の事由に対する判断を明確ならしめる趣旨にでたものであるから,附記されるべき理由は,請求人の不服の事由に対応してその結論に到達した過程を明らかにしなければならないものというべきである。もっとも,審査請求を棄却する場合には,原処分の通知書の附記理由と相まって,原処分を正当として維持する理由を明らかにしてれば足りると解するのが相当である。(イ)証拠(11の1,11の3,甲12の3)によれば以下の事実が認められる。a 原告Aらについて原告Aらの審査請求に対する裁決書には,裁決の理由として「審査請求人の申し立てについて,希望した鴻池保育所は,入所可能数5人に対して申込者 )によれば以下の事実が認められる。a 原告Aらについて原告Aらの審査請求に対する裁決書には,裁決の理由として「審査請求人の申し立てについて,希望した鴻池保育所は,入所可能数5人に対して申込者延べ35人となっており,審査請求人の子,A3について児童福祉法39条1項に規定する保育に欠けるところがないとはいえないが,選考の結果,入所を決定した者と比較して保育に欠ける要件が低いと判断されたものであり,係る判断について調査を行ったが中福祉事務所長の行った判断はこれを不適正であるとはいえない。」と記載されている。b 原告Bらについて原告Bらの審査請求に対する裁決書には,裁決の理由として「審査請求人の申し立てについて,希望した岩田保育所は,入所可能数4人に対して申込者延べ29人となっており,審査請求人の子,B3について児童福祉法39条1項に規定する保育に欠けるところがないとはいえないが,選考の結果,入所を決定した者と比較して保育に欠ける要件が低いと判断されたものであり,係る判断について調査を行ったが中福祉事務所長の行った判断はこれを不適正であるとはいえない。 には,裁決の理由として「審査請求人の申し立てについて,希望した岩田保育所は,入所可能数4人に対して申込者延べ29人となっており,審査請求人の子,B3について児童福祉法39条1項に規定する保育に欠けるところがないとはいえないが,選考の結果,入所を決定した者と比較して保育に欠ける要件が低いと判断されたものであり,係る判断について調査を行ったが中福祉事務所長の行った判断はこれを不適正であるとはいえない。」と記載されている。c 原告Cらについて原告Cらの審査請求に対する裁決書には,裁決の理由として「審査請求人の申し立てについて,第1に希望した鳥居保育所は,入所可能数4人に対して申込者延べ30人となっており,第2に希望した石切保育所は,入所可能数4人に対して申込者数延べ22人となっており,審査請求人の子,C3について児童福祉法39条1項に規定する保育に欠けるところがないとはいえないが,選考の結果,入所を決定した者と比較して保育に欠ける要件が低いと判断されたものであり,係る判断について調査を行ったが中福祉事務所長の行った判断はこれを不適正であるとはいえない。」と記載されている。( の結果,入所を決定した者と比較して保育に欠ける要件が低いと判断されたものであり,係る判断について調査を行ったが中福祉事務所長の行った判断はこれを不適正であるとはいえない。」と記載されている。(ウ)本件各裁決の裁決書には,本件各児童らが保育に欠ける児童であると認定していること,保育所の定員との関係上保育所に入所させることができなかったことについては明記されているが,入所を決定した者と比較して本件各児童らが保育に欠ける要件が低いと判断された理由が明記されていない。入所希望者数と比較して入所可能者数が少ない場合には,いずれの者が保育に欠ける要件が高いかということが判断の中心となるのであるから,本件各裁決書の記載は,この点につき理由が明らかにされてない以上,原処分の理由と併せてみても,原処分が相当であって審査請求が理由がない,とする具体的理由の記載があったものということはできない。したがって,本件各裁決は,行政不服審査法41条1項に反し違法である。エ以上によれば,本件各裁決は,いずれも行政不服審査法25条1項ただし書(ただし,原告Bらを除く),同法41条1項に反する違法なものであるところ,東大阪市長が上記違法行為をなすにつき過失があったことは明らかである。 の理由と併せてみても,原処分が相当であって審査請求が理由がない,とする具体的理由の記載があったものということはできない。したがって,本件各裁決は,行政不服審査法41条1項に反し違法である。エ以上によれば,本件各裁決は,いずれも行政不服審査法25条1項ただし書(ただし,原告Bらを除く),同法41条1項に反する違法なものであるところ,東大阪市長が上記違法行為をなすにつき過失があったことは明らかである。(4)間違った事実に基づいて判断された違法(原告Bらについて)原告Bらは,原告Bらの審査請求に対する裁決は,誤った事実を前提としてなされたものであるから違法であると主張する。原告Bらは,上記裁決がいかなる手続規定に違反するのか明らかにしていないから,かかる主張は結局事実誤認を主張するものと解さざるを得ず,原告Bらに対する本件保留処分2が実体上違法であるとはいえないことは前述のとおりであるから,原告Bらの上記主張は失当である。2 損害について(1)第1事件原告らは,本件各保留 のと解さざるを得ず,原告Bらに対する本件保留処分2が実体上違法であるとはいえないことは前述のとおりであるから,原告Bらの上記主張は失当である。2 損害について(1)第1事件原告らは,本件各保留処分がいずれも法24条本文又は24条ただし書に違反することを前提として,本件各保留処分によって経済的損害及び精神的損害を被ったと主張するが,かかる主張はその前提を欠き,失当というべきである。(2)手続的違法によって被った第1事件原告らの精神的損害前述のとおり,本件各保留処分は,行政手続法5条3項,8条1項に反しており,また,本件各裁決は,行政不服審査法25条1項ただし書,41条1項に反しておりいずれも違法であるところ,これらの違法行為によって第1事件原告らが精神的苦痛を被ったものであることは明らかであるから,被告は,第1事件原告らに対し,国家賠償法1条1項に基づき,慰謝料を支払うべき義務があるところ,第1事件原告らの慰謝料額は,本件にあらわれたすべての事情をしんしゃくし,1人あたり15万円と認めるのが相当である。なお,これに対する付帯請求の始期は,上記違法行為が最後になされた本件各裁決時である平成10年8月4日と認めるのが相当である。(3)原告A3の損害原告A3は,原告Aらが請求した入所措置申請及び審査請求に関する手続が違法であったことにより精神的損害を被ったと主張するが,入所措置申請及び審査請求人は原告A3ではなく原告Aらであるから原告A3が手続が違法であったこと自体により精神的損害を被ったものと認めることはできない。 る付帯請求の始期は,上記違法行為が最後になされた本件各裁決時である平成10年8月4日と認めるのが相当である。(3)原告A3の損害原告A3は,原告Aらが請求した入所措置申請及び審査請求に関する手続が違法であったことにより精神的損害を被ったと主張するが,入所措置申請及び審査請求人は原告A3ではなく原告Aらであるから原告A3が手続が違法であったこと自体により精神的損害を被ったものと認めることはできない。3 結論以上の次第で,第1事件原告らの請求は主文第1項の限度で理由があるからその限度で認容することとし,原告A3の請求は理由がないからこれを棄却することとし,主文のとおり判決する。大阪地方裁判所第二民事部裁 第で,第1事件原告らの請求は主文第1項の限度で理由があるからその限度で認容することとし,原告A3の請求は理由がないからこれを棄却することとし,主文のとおり判決する。大阪地方裁判所第二民事部裁判長裁判官三浦潤裁判官林俊之裁判官中島崇
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