平成17(行ク)14 仮の差止め申立事件(本案・平成17年(行ウ)第58号)

裁判年月日・裁判所
平成17年7月25日 大阪地方裁判所 警察関係
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判決文本文21,158 文字)

主文 1 本件申立てを却下する。 2 申立費用は,申立人らの負担とする。 理由 第1 申立ての趣旨堺市長は,株式会社泰幸(以下「泰幸」という。)が廃棄物の処理及び清掃に関する法律(以下「廃棄物処理法」という。)14条6項に基づいて平成17年2月28日堺市長に対して行った産業廃棄物処分業許可申請(以下「本件申請」という。)に対し,仮に許可をしてはならない。 第2 当事者の主張本件申立ての理由は別紙「仮の差止め申立書」(写),別紙「主張書面」(平成17年5月20日付け)(写)及び別紙「主張書面」(平成17年6月9日付け)(写)各記載のとおりであり,これに対する相手方の意見は別紙「答弁書」(写),別紙「主張書面(1)」(平成17年4月27日付け)(写),別紙「主張書面(2)」(平成17年5月31日付け)(写)及び別紙「主張書面(3)」(平成17年6月24日付け)(写)各記載のとおりである。 第3 当裁判所の判断 1 法令の定め等(1)ア廃棄物処理法は,廃棄物の排出を抑制し,及び廃棄物の適正な分別,保管,収集,運搬,再生,処分等の処理をし,並びに生活環境を清潔にすることにより,生活環境の保全及び公衆衛生の向上を図ることを目的とする法律である(1条)。同法2条1項は,ごみ,粗大ごみ,燃え殻,汚泥,ふん尿,廃油,廃酸,廃アルカリ,動物の死体その他の汚物又は不要物であって,固形状又は液状のもの(放射性物質及びこれによって汚染された物を除く。)を廃棄物という旨規定し,さらに,同条4項は,事業活動に伴って生じた廃棄物のうち,燃え殻,汚泥,廃油,廃酸,廃アルカリ,廃プラスチック類その他政令で定める廃棄物(1号)等を産業廃棄物という旨規定し,同条2項は,産業廃棄物以外の廃棄物を一般廃棄物と 活動に伴って生じた廃棄物のうち,燃え殻,汚泥,廃油,廃酸,廃アルカリ,廃プラスチック類その他政令で定める廃棄物(1号)等を産業廃棄物という旨規定し,同条2項は,産業廃棄物以外の廃棄物を一般廃棄物という旨規定している。そして,廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令(以下「廃棄物処理法施行令」という。)2条は,廃棄物処理法2条4項1号にいう政令で定める廃棄物として,紙くず(建設業に係るもの(工作物の新築,改築又は除去に伴って生じたものに限る。),パルプ,紙又は紙加工品の製造業,新聞業(新聞巻取紙を使用して印刷発行を行うものに限る。),出版業(印刷出版を行うものに限る。),製本業及び印刷物加工業に係るもの並びにポリ塩化ビフェニルが塗布され,又は染み込んだものに限る。)(1号),木くず(建設業に係るもの(工作物の新築,改築又は除去に伴って生じたものに限る。),木材又は木製品の製造業(家具の製造業を含む。),パルプ製造業及び輸入木材の卸売業に係るもの並びにポリ塩化ビフェニルが染み込んだものに限る。)(2号),繊維くず(建設業に係るもの(工作物の新築,改築又は除去に伴って生じたものに限る。),繊維工業(衣服その他の繊維製品製造業を除く。)に係るもの及びポリ塩化ビフェニルが染み込んだものに限る。)(3号),ゴムくず(5号),金属くず(6号),ガラスくず,コンクリートくず(工作物の新築,改築又は除去に伴って生じたものを除く。)及び陶磁器くず(7号),工作物の新築,改築又は除去に伴って生じたコンクリートの破片その他これに類する不要物(9号)などを挙げている。 廃棄物処理法14条6項は,産業廃棄物(特別管理産業廃棄物(同法2条5項)を除く。)の処分を業として行おうとする者は,当該業を行おうとする区域を管轄する都道府県知事(保健所を設置する市又は 廃棄物処理法14条6項は,産業廃棄物(特別管理産業廃棄物(同法2条5項)を除く。)の処分を業として行おうとする者は,当該業を行おうとする区域を管轄する都道府県知事(保健所を設置する市又は特別区にあっては,市長又は区長(同法8条1項)。以下同様)の許可を受けなければならない旨規定しており,同法14条10項は,同許可の申請が次の要件,すなわち,その事業の用に供する施設及び申請者の能力がその事業を的確に,かつ,継続して行うに足りるものとして環境省令で定める基準に適合するものであること(1号),申請者が同条5項2号イからヘまでのいずれにも該当しないこと(2号),の各要件に適合していると認めるときでなければ,同申請に対する許可をしてはならない旨規定している。さらに,同許可の際には,生活環境の保全上必要な条件を付することができる旨規定している(同法14条11項)。 イ廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則(以下「廃棄物処理法施行規則」という。)10条の5は,廃棄物処理法14条10項1号の規定による環境法令で定める基準として,処分(埋立処分及び海洋投入処分を除く。)を業として行う場合につき,以下のとおり定めている。 (ア) 施設に係る基準(廃棄物処理法施行規則10条の5第1項イ)a 汚泥(特別管理産業廃棄物であるものを除く。)の処分を業として行う場合には,当該汚泥の処分に適する脱水施設,乾燥施設,焼却施設その他の処理施設を有すること(同項イ(1))b 廃油(特別管理産業廃棄物であるものを除く。)の処分を業として行う場合には,当該廃油の処分に適する油水分離施設,焼却施設その他の処理施設を有すること(同項イ(2))c 廃酸又は廃アルカリ(特別管理産業廃棄物であるものを除 )の処分を業として行う場合には,当該廃油の処分に適する油水分離施設,焼却施設その他の処理施設を有すること(同項イ(2))c 廃酸又は廃アルカリ(特別管理産業廃棄物であるものを除く。)の処分を業として行う場合には,当該廃酸又は廃アルカリの処分に適する中和施設その他の処理施設を有すること(同項イ(3))d 廃プラスチック類(特別管理産業廃棄物であるものを除く。)の処分を業として行う場合には,当該廃プラスチック類の処分に適する破砕施設,切断施設,溶融施設,焼却施設その他の処理施設を有すること(同項イ(4))e ゴムくずの処分を業として行う場合には,当該ゴムくずの処分に適する破砕施設,切断施設,焼却施設その他の処理施設を有すること(同項イ(5))f その他の産業廃棄物の処分を業として行う場合には,その処分を業として行おうとする産業廃棄物の種類に応じ,当該産業廃棄物の処分に適する処理施設を有すること(同項イ(6))g 保管施設を有する場合には,産業廃棄物が飛散し,流出し,及び地下に浸透し,並びに悪臭が発散しないように必要な措置を講じた保管施設であること(同項イ(7))(イ) 申請者の能力に係る基準(廃棄物処理法施行規則10条の5第1項ロ)a 産業廃棄物の処分を的確に行うに足りる知識及び技能を有すること(同項ロ(1))b 産業廃棄物の処分を的確に,かつ,継続して行うに足りる経理的基礎を有すること(同項ロ(2))(2) 堺市は,循環型社会の形成に関し,基本理念を定め,市,事業者及び市民の責務を明らかにするとともに,循環型社会の形成に関する基本的施策を定め,これを総合的かつ計画的に推進し,及び循 ))(2) 堺市は,循環型社会の形成に関し,基本理念を定め,市,事業者及び市民の責務を明らかにするとともに,循環型社会の形成に関する基本的施策を定め,これを総合的かつ計画的に推進し,及び循環型社会の形成の推進上の支障となる廃棄物の不適正な処理を防止するために必要な規制等を行うことにより,現在及び将来の市民が安全で健康かつ快適な生活を営むことができる良好な環境を確保することを目的とする堺市循環型社会形成推進条例(平成15年堺市条例第32号。以下「本件条例」という。)を制定している(疎甲8号証)。 本件条例は,産業廃棄物処理業を行おうとする者等は,廃棄物の処理のための施設であって,規則で定めるもの(廃棄物処理施設)を設置しようとするときは,あらかじめ,廃棄物処理施設の設置場所,種類,処理する廃棄物の種類,処理能力及び環境の保全のための措置等を記載した事業計画書を市長に提出しなければならない旨規定している(29条1項)。市長は,同事業計画書の提出があったときは,遅滞なくその旨を公告するとともに,当該事業計画書の写しを一般の縦覧に供するものとされ(本件条例31条),また,当該事業計画書について,周辺地域の環境の保全上の見地からの意見を書面により述べることができる(本件条例32条1項)。一方,事業計画書の提出をした者(事業計画書提出者)は,当該事業計画書に関し,環境に影響を及ぼす範囲であると認められる地域(関係地域)内その他適当な場所において,当該関係地域内に住所を有する者その他規則で定める者(関係住民)に対し,事業計画書の写しを閲覧に供しなければならず(本件条例33条1項),また,関係住民に対し,事業計画書の記載事項を周知させるための説明会を開催しなければならない(本件条例34条1項)。これに対し,事業計画書について関係地域の環 しなければならず(本件条例33条1項),また,関係住民に対し,事業計画書の記載事項を周知させるための説明会を開催しなければならない(本件条例34条1項)。これに対し,事業計画書について関係地域の環境の保全上の見地からの意見を有する関係住民は,事業計画書提出者に対し,意見書を提出することができ(本件条例35条),この意見書の提出を受けた事業計画書提出者は,当該意見書の提出をした関係住民に対し,当該意見書に記載された意見についての当該事業計画書提出者の見解を書面により示さなければならない(本件条例36条)。さらに,事業計画書提出者は,上記閲覧の結果や,説明会の開催の結果,上記関係住民からの意見書に記載された関係住民の意見の要約及びこれに対して示された事業計画書提出者の見解の要約等を記載した書類(説明会等報告書)を市長に提出しなければならず(本件条例37条),説明会等報告書の提出を受けた市長は,事業計画書提出者に対し,説明会等報告書の内容を踏まえた上で,事業計画書について,周辺地域の環境の保全上の見地からの意見を書面により述べることとされている(本件条例38条1項)。 2 記録によれば,以下の各事実が一応認められる。 (1) 当事者等ア堺市長は,廃棄物処理法14条6項に基づく産業廃棄物処分業の許可の権限を有している。 イ泰幸は,堺市を本店として産業廃棄物処理業等を業とする株式会社であり,産業廃棄物運搬業の許可を有している。 泰幸は,堺市α3270番及び同3252番の土地(両土地をあわせて,以下「本件土地」という。)に「泰幸リサイクルセンター(仮称)」(以下「本件リサイクルセンター」という。)を設置して建設廃材の中間処理業を営むこととして,平成17年2月28日,堺市長に対し,産業廃棄物処分業の許可申請( う。)に「泰幸リサイクルセンター(仮称)」(以下「本件リサイクルセンター」という。)を設置して建設廃材の中間処理業を営むこととして,平成17年2月28日,堺市長に対し,産業廃棄物処分業の許可申請(以下「本件申請」という。)をした。 (疎甲1号証,疎乙5号証)ウ申立人らは,以下のとおり,本件土地の近隣に居住し,あるいは近隣において事業を営むなどしている。 (ア) 申立人P1申立人P1は,本件地北に隣接する土地上の3階建て建物(以下「P1建物」という。)に居住している。 (イ) 申立人株式会社京スペハローサービス(以下「申立人会社」という。)申立人会社は,申立人P1の妻を代表者とする株式会社であり,P1建物の1階において食品加工業を営んでいる。 (ウ) 申立人P2申立人P2は,本件土地の北隣において,熱絶縁業を営む太平冷熱工業株式会社(以下「太平冷熱工業」という。)を経営している。 同所には,太平冷熱工業の社屋があり,1階が倉庫兼工場,2階が事務所となっており,申立人P2も同社屋で仕事を行っている。 (疎甲26号証)(エ) 申立人P3申立人P3は,本件土地南隣の隣接土地を所有し,同所に居住している。 申立人P3は,同所有土地の一部を畑として使用し,各種野菜等を栽培している。 (疎甲12号証)(オ) 申立人P4申立人P4は,本件土地の南西約50メートルの所に居住し,同所で食堂を経営している。 (疎甲4号証,25号証)( (オ) 申立人P4申立人P4は,本件土地の南西約50メートルの所に居住し,同所で食堂を経営している。 (疎甲4号証,25号証)(カ) 申立人P5申立人P5は,本件土地と幅員9.5メートルの府道β線を隔てた西側土地を所有し,同所において有限会社才喜鉄工(以下「才喜鉄工」という。)を経営している。 同所には,才喜鉄工の工場及び事務所があり,申立人P5も同所で仕事を行っている。 (疎甲4号証,24号証の1,27号証)(2) 本件リサイクルセンターの概要本件リサイクルセンターは,建築現場又は工場から排出される産業廃棄物を選別,破砕するいわゆる中間処理施設であり,建築解体現場又は工場から排出される建設系及び事業系廃棄物として,廃プラスチック類,紙くず,木くず,繊維くず,ゴムくず,金属くず,ガラスくず及び陶磁器くず並びにがれき類の8種類を受け入れ,これらを選別し,破砕(廃プラスチック類,木くず,紙くず,繊維くず及びゴムくずの5種類)ないしリサイクル処理した後保管するものである。これら処理されたものは,再生品引取先,適性処分先ないし最終処分場に委託されて,再利用ないし最終処分がされる。本件リサイクルセンターには,自動選別機(振い機)や破砕機等が設置される。本件リサイクルセンターにおける処理能力は,選別施設については,1日当たり600立方メートルである。また,破砕施設については,1時間当たり3.35立方メートルであり,見掛比重に応じて,それぞれ1日当たり廃プラスチックは3.2トン,紙くずは2.7トン,ゴムくずは13.9トン,木くずは4.8トン,繊維くずは3.2トンの処理能力を有する。 なお,本件 ,見掛比重に応じて,それぞれ1日当たり廃プラスチックは3.2トン,紙くずは2.7トン,ゴムくずは13.9トン,木くずは4.8トン,繊維くずは3.2トンの処理能力を有する。 なお,本件リサイクルセンターは,その取り扱う産業廃棄物の種類や処理能力に照らし,施設の設置について都道府県知事の許可を要する産業廃棄物処理施設には当たらない(廃棄物処理法15条,廃棄物処理法施行令7条)。 (疎甲2号証,疎乙5号証)(3) 本件申請に至る経緯ア泰幸は,平成14年11月6日,本件土地及び本件土地上の既存の倉庫を買い受け,これを取得した。 イ泰幸は,平成14年ころ,本件土地において産業廃棄物処分業を行おうとして,同許可申請にあたり,堺市産業廃棄物事務取扱要綱(当時)に基づく手続をしたが,同要綱に基づく行政指導として求められていた近隣住民(地元自治会)の同意を得ることができず,同許可は得られなかった。 (疎乙4号証)ウ泰幸は,本件土地上の既存の倉庫(延べ面積約444平方メートル)の建て替えとして,本件土地上に主要用途を倉庫業を営まない倉庫とする,鉄骨造1階建て,延べ面積917.80平方メートルの建築物(以下「本件建物」という。)を新築するとして,平成15年12月18日,建築確認申請をし,同月29日,相手方の建築主事から確認済証の交付を受けた。 なお,本件土地は市街化調整区域に指定されており,一定の例外を除き新たな建物の建築は許されないが,同指定当時の既存建物が存する場合等には,規模,構造,設備が従前のものに比較して過大ではなく,かつ周辺の土地利用の状況から見て適切なものであれば,改築が認められており,本件建物についても,その用途を倉庫にするとされていたこ する場合等には,規模,構造,設備が従前のものに比較して過大ではなく,かつ周辺の土地利用の状況から見て適切なものであれば,改築が認められており,本件建物についても,その用途を倉庫にするとされていたことから,都市計画法の建築許可を要しない行為として,その建て替えが認められたものであった。 その後,本件建物の建築が始まったが,同建築工事の過程で,車両の重量スケールや倉庫内の棚が設置された。 (疎甲2号証,24号証の1ないし3,疎乙5号証)エ泰幸は,平成16年6月25日,相手方に対し,本件条例29条1項に基づき,破砕・選別施設(リサイクルセンター)設置についての事業計画書を提出した(同事業計画書に基づく泰幸の事業計画を,以下「本件事業計画」という。)。 同事業計画書においては,本件建物北側に自動選別機やリサイクル選別ライン,破砕機が設置されるとともに,本件建物中,同設置部分上の屋根は撤去され,これら選別・破砕作業は屋外作業として行われることとされていた。 (疎甲2号証,19号証)オ泰幸は,本件土地に関係する地元の自治会となるγ自治会(会長は申立人P1)に対し,平成16年7月3日,本件条例33条に定める説明会とはみなさないとの同自治会との合意の下に,説明会(第1回説明会)を開催した。同説明会には同自治会から53名の住民が参加し,本件事業計画に対する反対の意見が述べられた。 その後,泰幸は,地元住民(γ自治会)を対象として,同月29日(第2回説明会)と同年8月28日(第3回説明会)の2回にわたって説明会を開催した。第2回説明会の出席者はなく,第3回説明会の出席者は1名であった。 泰幸は,同年10月12日,堺市長に対し,本件条例 同年8月28日(第3回説明会)の2回にわたって説明会を開催した。第2回説明会の出席者はなく,第3回説明会の出席者は1名であった。 泰幸は,同年10月12日,堺市長に対し,本件条例37条に基づく廃棄物処理施設設置説明会等報告書を提出した。 (疎甲21号証)カ堺市長は,平成16年11月5日,泰幸に対し,「堺市循環型社会形成推進条例第38条に規定する市長の意見について」と題する書面(堺循社推第569号。以下「市長意見書」という。)によって,本件条例38条に基づく市長の意見を述べた。 堺市長は,市長意見書において,本件土地が民家に隣接していることから,敷地境界等においてもコンクリート等透過損失の大きい材質で騒音防止対策を講じることや,本件事業計画中,選別ライン設置場所について,雨水対策や騒音及び粉じん等の防止対策について,更に検討し,修正事業計画書に明記すること等を求めるとともに,関係住民とは今後とも話合い等を重ねて円満な関係を構築するよう配慮を求めている。 (疎甲22号証)キ泰幸は,市長意見書を受けて,平成16年11月16日,堺市長に対し,本件事業計画に係る修正事業計画書を提出した。 同修正事業計画書においては,新たに16立方メートルの貯水槽を設けるなどの雨水対策を講じ,また,選別ライン設置場所上部の屋根のない部分については,選別ラインカバーで覆うとともに,機械の音源場所には遮音性の高い防音壁で囲み,さらに高さ9メートルの防音壁を備えるなどし,また,本件建物の内側から新たに1.5ミリメートルの鋼板を貼るなどの騒音対策を行うこととされている。 (疎甲3号証)ク泰幸は,平成17年2月28日,堺市長に対し,本件申請 た,本件建物の内側から新たに1.5ミリメートルの鋼板を貼るなどの騒音対策を行うこととされている。 (疎甲3号証)ク泰幸は,平成17年2月28日,堺市長に対し,本件申請をした。 (4) 申立人らは,平成17年4月8日,当裁判所に対し,相手方(堺市)を被告として,堺市長は泰幸がした本件申請に対し許可をしてはならない旨の差止めを求める訴え(当裁判所同年(行ウ)第58号産業廃棄物処理業許可差止請求事件)を提起するとともに,本件仮の差止めの申立てを行った。 3(1) 2(1)ウ記載のとおり,申立人らは本件土地の近隣に居住し,あるいは近隣において事業を営むなどしている個人ないし法人であるところ,このような申立人らに本件仮の差止めの申立てをする適格が認められるか否か,以下検討する。 この点,行政事件訴訟法(以下「行訴法」という。)37条の5第2項は,差止めの訴えの提起があった場合において,その差止めの訴えに係る処分又は裁決がされることにより生ずる償うことのできない損害を避けるため緊急の必要があり,かつ,本案について理由があるとみえるときは,裁判所は,申立てにより,決定をもって,仮に行政庁がその処分又は裁決をしてはならない旨を命ずることができる旨規定しており,その趣旨からすれば,仮の差止めの申立ては本案である差止めの訴えが適法な訴えとして提起されていることをその適法要件としていると解されるから,申立人について本案である差止めの訴えの原告適格が認められることが仮の差止めの申立ての適法要件の1つとなるものと解される。そして,差止めの訴えは,行政庁が一定の処分又は裁決をしてはならない旨を命ずるにつき法律上の利益を有する者に限り提起することができるものとされ(同法37条の4第3項),ここにいう法律上の利益の有無の判 して,差止めの訴えは,行政庁が一定の処分又は裁決をしてはならない旨を命ずるにつき法律上の利益を有する者に限り提起することができるものとされ(同法37条の4第3項),ここにいう法律上の利益の有無の判断については同法9条2項の規定が準用される(同法37条の4第4項)から,仮の差止めの申立てについても,行政庁が一定の処分又は裁決をしてはならない旨を命ずるにつき法律上の利益を有する者に限り申立て適格を有するものというべきである。 (2)アそこで,産業廃棄物処分業に対する法令の規制についてみるに,1(1)ア記載のとおり,廃棄物処理法は,廃棄物の排出を抑制し,及び廃棄物の適正な分別,保管,収集,運搬,再生,処分等の処理をし,並びに生活環境を清潔にすることにより,生活環境の保全及び公衆衛生の向上を図ることを目的とするものであり(1条),ごみ,粗大ごみ,燃え殻,汚泥,ふん尿,廃油,廃酸,廃アルカリ,動物の死体その他の汚物又は不要物であって,固形状又は液状のもの(放射性物質及びこれによって汚染された物を除く。)を廃棄物という旨規定し(2条1項),このうち,事業活動に伴って生じた廃棄物であって,燃え殻,汚泥,廃油,廃酸,廃アルカリ,廃プラスチック類その他政令で定める廃棄物(1号)等を産業廃棄物といい(同条4項),産業廃棄物以外の廃棄物を一般廃棄物というとしている(同条2項)。 そして,1(1)ア記載のとおり,廃棄物処理法14条6項は,産業廃棄物(特別管理産業廃棄物(同法2条5項)を除く。)の処分を業として行おうとする者は,当該業を行おうとする区域を管轄する都道府県知事(保健所を設置する市又は特別区にあっては,市長又は区長(同法8条1項))の許可を受けなければならない旨規定するとともに,同許可の要件として,同法14条10項は,同許可の申請が を管轄する都道府県知事(保健所を設置する市又は特別区にあっては,市長又は区長(同法8条1項))の許可を受けなければならない旨規定するとともに,同許可の要件として,同法14条10項は,同許可の申請が次の要件,すなわち,その事業の用に供する施設及び申請者の能力がその事業を的確に,かつ,継続して行うに足りるものとして環境省令で定める基準に適合するものであること(1号),申請者が同条5項2号イからヘまでのいずれにも該当しないこと(2号),の各要件に適合していると認めるときでなければ,同申請に対する許可をしてはならない旨規定し,さらに,同条11項は,同許可の際には,生活環境の保全上必要な条件を付することができる旨規定している。そして,1(1)イ記載のとおり,廃棄物処理法施行規則10条の5は,廃棄物処理法14条10項の規定による環境法令で定める基準を定めており,同施行規則10条の5の第1項イにおいて,施設に係る基準として,処分の対象となる各産業廃棄物の種類に応じて,それぞれその処分に適する処理施設を有することを要件として掲げ,また,保管施設を有する場合には,産業廃棄物が飛散し,流出し,及び地下に浸透し,並びに悪臭が発散しないように必要な措置を講じた保管施設であることを要件としている(なお,後記エにおいて説示するような産業廃棄物の処理に対する法令の規制の趣旨,態様等からすれば,同項イにいう処分に適する処理施設に該当するためには,当該処分に伴い生ずる排ガス,排水,騒音及び振動により周囲の生活環境を損なわないものであることをも要するものと解される。)。さらに,廃棄物処理法施行規則10条の4は,廃棄物処理法14条6項の規定により産業廃棄物処分業の許可を受けようとする者は所定の事項を記載した申請書を都道府県知事に提出しなければならない旨規定し,同申請書の添付書類等 理法施行規則10条の4は,廃棄物処理法14条6項の規定により産業廃棄物処分業の許可を受けようとする者は所定の事項を記載した申請書を都道府県知事に提出しなければならない旨規定し,同申請書の添付書類等として,事業の用に供する施設(保管の場所を含む。)の構造を明らかにする平面図,立面図,断面図,構造図及び設計計算書並びに当該施設の付近の見取図並びに最終処分場にあっては,周囲の地形,地質及び地下水の状況を明らかにする書類及び図面(当該施設が廃棄物処理法15条1項の許可を受けた施設である場合を除く。)の添付を求めている(同施行規則10条の4第2項2号)。 イまた,廃棄物処理法は,産業廃棄物のうち,爆発性,毒性,感染性その他の人の健康又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがある性状を有するものとして政令で定めるものを特別管理産業廃棄物とし(2条5項),特別管理産業廃棄物の処分を業として行おうとする者は都道府県知事の許可を得なければならないものとしており(14条の4第6項),廃棄物処理法施行規則10条の17は,特別管理産業廃棄物の処分を業として行う場合の施設に係る基準について,上記のような特別管理産業廃棄物の性状にかんがみて,より厳しい要件を定めている。 ウ他方,廃棄物処理法15条1項,廃棄物処理法施行令7条は,処理の対象となる産業廃棄物の種類,処理の態様,処理能力等にかんがみ,処理施設のうち一定範囲のものを産業廃棄物処理施設として規定した上,その設置を都道府県知事の許可にかからせている。本件リサイクルセンターについては,2(2)記載のとおり,その取り扱う産業廃棄物の種類や処理能力に照らし,設置許可(廃棄物処理法15条)を要する産業廃棄物処理施設には当たらないものであるが,産業廃棄物処理施設に対する法令の規制についてみると,廃棄物 おり,その取り扱う産業廃棄物の種類や処理能力に照らし,設置許可(廃棄物処理法15条)を要する産業廃棄物処理施設には当たらないものであるが,産業廃棄物処理施設に対する法令の規制についてみると,廃棄物処理法15条は,産業廃棄物処理施設(廃プラスチック類処理施設,産業廃棄物の最終処分場その他の産業廃棄物の処理施設で政令で定めるものをいう。)を設置しようとする者は,都道府県知事の許可を受けなければならないものとし(1項),同許可に係る申請書には,環境省令で定めるところにより,当該産業廃棄物処理施設を設置することが周辺地域の生活環境に及ぼす影響についての調査の結果を記載した書類を添付しなければならないものとしている(3項)。そして,同申請書には,産業廃棄物処理施設の位置,構造等の設置に関する計画(同条2項6号)に係る事項として,処理に伴い生ずる排ガス及び排水の量及び処理方法(排出の方法(排出口の位置,排出先等を含む。)を含む。)や設計計算上達成することができる排ガスの性状,放流水の水質その他の生活環境への負荷に関する数値を記載すべきものとされ(廃棄物処理法施行規則11条2項4号,5号),また,産業廃棄物処理施設の維持管理に関する計画(廃棄物処理法15条2項7号)に係る事項として,排ガスの性状,放流水の水質等について周辺地域の生活環境の保全のため達成することとした数値を記載すべきものとされている(廃棄物処理法施行規則11条3項1号)。さらに,廃棄物処理法施行規則11条の2は,上記廃棄物処理法15条3項により添付を求められている書類として,① 設置しようとする産業廃棄物処理施設の種類及び規模並びに処理する産業廃棄物の種類を勘案し,当該産業廃棄物処理施設を設置することに伴い生ずる大気汚染,水質汚濁,騒音,振動又は悪臭に係る事項のうち,周辺地域の生活環境に影響 廃棄物処理施設の種類及び規模並びに処理する産業廃棄物の種類を勘案し,当該産業廃棄物処理施設を設置することに伴い生ずる大気汚染,水質汚濁,騒音,振動又は悪臭に係る事項のうち,周辺地域の生活環境に影響を及ぼすおそれがあるものとして調査を行ったもの(以下「産業廃棄物処理施設生活環境影響調査項目」という。),② 産業廃棄物処理施設生活環境影響調査項目の現況及びその把握の方法,③当該産業廃棄物処理施設を設置することが周辺地域の生活環境に及ぼす影響の程度を予測するために把握した水象,気象その他自然的条件及び人口,土地利用その他社会的条件の現況並びにその把握の方法,④ 当該産業廃棄物処理施設を設置することにより予測される産業廃棄物処理施設生活環境影響調査項目に係る変化の程度及び当該変化の及ぶ範囲並びにその予測の方法,⑤ 当該産業廃棄物処理施設を設置することが周辺地域の生活環境に及ぼす影響の程度を分析した結果,⑥ 大気汚染,水質汚濁,騒音,振動又は悪臭のうち,これらに係る事項を産業廃棄物処理施設生活環境影響調査項目に含めなかったもの及びその理由,及び⑦ その他当該産業廃棄物処理施設を設置することが周辺地域の生活環境に及ぼす影響についての調査に関して参考となる事項を記載しなければならないものとされている(廃棄物処理法施行規則11条の2)。 そして,廃棄物処理法15条に基づく産業廃棄物処理施設の設置許可申請に対する許可の基準として,同法15条の2は,当該産業廃棄物処理施設の設置に関する計画が環境省令で定める技術上の基準に適合していること(同条1項1号),当該産業廃棄物処理施設の設置に関する計画及び維持管理に関する計画が当該産業廃棄物処理施設に係る周辺地域の生活環境の保全及び環境省令で定める周辺の施設について適正な配慮がなされたものであること( ),当該産業廃棄物処理施設の設置に関する計画及び維持管理に関する計画が当該産業廃棄物処理施設に係る周辺地域の生活環境の保全及び環境省令で定める周辺の施設について適正な配慮がなされたものであること(同条1項2号)が要件とされており,上記技術上の基準として,著しい騒音及び振動を発生し,周囲の生活環境を損なわないものであること(廃棄物処理法施行規則12条5号),施設から排水を放流する場合は,その水質を生活環境保全上の支障が生じないものとするために必要な排水処理設備が設けられていること(同条6号)などがそれぞれ掲げられている。また,都道府県知事は,廃棄物処理法15条に基づく産業廃棄物処理施設の設置許可をする場合においては,あらかじめ同条1項2号に掲げる事項について,生活環境の保全に関し環境省令で定める事項について専門的知識を有する者の意見を聴かなければならず(同法15条の2第3項),廃棄物処理法施行規則12条の3は,上記環境省令で定める事項は,廃棄物の処理並びに大気汚染,水質汚濁,騒音,振動及び悪臭に関する事項とするとしている。 このほか,産業廃棄物処理施設の設置者は,環境省令で定める技術上の基準等に従って当該産業廃棄物処理施設の維持管理をしなければならないものとされ(廃棄物処理法15条の2の2),廃棄物処理法施行規則12条の6は,上記規定による産業廃棄物処理施設のすべてに共通する維持管理の技術上の基準として,産業廃棄物の飛散及び流出並びに悪臭の発散を防止するために必要な措置を講ずること(同条5号),並びに,著しい騒音及び振動の発生により周囲の生活環境を損なわないように必要な措置を講ずること(同条7号)等を掲げている。 エアないしウに記載したような産業廃棄物の処理に対する法令の規制に照らせば,廃棄物処理法は,産業廃棄物が の生活環境を損なわないように必要な措置を講ずること(同条7号)等を掲げている。 エアないしウに記載したような産業廃棄物の処理に対する法令の規制に照らせば,廃棄物処理法は,産業廃棄物が適切な施設において適正に処理されない場合には,産業廃棄物が飛散し,流出し,地下に浸透し,あるいは悪臭が発散して,当該施設の周辺地域において生活する者の健康を害するおそれがあるのみならず,その処理に伴い生ずる排ガス,排水,騒音及び振動等により,当該施設の周辺地域において生活する者の健康を害するおそれがあることなどにかんがみ,産業廃棄物の処分業を都道府県知事の許可制にした上でその許可要件としてその処分業の用に供する施設等に関する基準を定め,さらに,その施設が,当該施設において処理される産業廃棄物の種類,処理の態様,処理能力等に照らして,政令で定める産業廃棄物処理施設に該当するものについては,当該処理施設(産業廃棄物処理施設)の設置をも都道府県知事の許可制とした上で,その許可要件として当該処理施設の設置に関する計画に係る技術的基準を定めるとともに,当該処理施設の設置に関する計画及び維持管理に関する計画が当該処理施設に係る周辺地域の生活環境の保全等への適正な配慮を規定し,もって,生活環境の保全及び公衆衛生の向上を図るものとしているものと解される。 以上のような産業廃棄物の処理に対する規制を定めた廃棄物処理法の趣旨,目的に加えて産業廃棄物が法令の規制に従って適正に処理されない場合に害されることとなる利益の内容,性質やその程度,態様等にかんがみれば,廃棄物処理法14条6項は,単に公衆の生命,身体の安全,環境上の利益を一般的公益として保護しようとするにとどまらず,産業廃棄物の処分業の用に供する施設の周辺において生活する者であって,当該施設において 棄物処理法14条6項は,単に公衆の生命,身体の安全,環境上の利益を一般的公益として保護しようとするにとどまらず,産業廃棄物の処分業の用に供する施設の周辺において生活する者であって,当該施設において産業廃棄物が適正に処理されなかった場合に生じる産業廃棄物の飛散,流出,地下への浸透,悪臭の発散又は排ガス,排水,騒音,振動等により直接的かつ重大な被害を受けることが想定される範囲の個々人の生命,身体の安全等をも保護すべきものとする趣旨を含むと解するのが相当である。そうであるとすれば,このような範囲内において生活する者は,都道府県知事が廃棄物処理法14条6項に基づく許可をしてはならない旨を命ずるにつき法律上の利益を有する者として,当該許可の差止めの訴えの原告適格及び当該訴えを本案とする仮の差止めの申立て適格を有するものというべきである。 そして,当該範囲については,当該産業廃棄物の処分業の用に供する施設の種類,構造,規模等,当該処分業に係る産業廃棄物の種類,量,処分の態様,周囲の地形,地質等を総合考慮の上,社会通念に照らし,合理的に判断すべきである。 なお,以上説示したような廃棄物処理法の趣旨,目的等からすれば,廃棄物処理法14条6項の規定が,上記範囲内において生活する者の生命,身体の安全等とは別に,当該範囲内において個々人が有する所有権,事業を営む者の営業上の利益その他の財産上の権利,利益をも保護すべきものとする趣旨をも含むものと解することはできないというべきである。 (3) 以上を前提に,申立人らに本件仮の差止めを申し立てる適格が認められるか否かを検討する。 ア申立人会社を除くその余の申立人ら(以下「申立人ら5名」という。)について(ア) 2(2)で認定したところに加え,疎明資料( し立てる適格が認められるか否かを検討する。 ア申立人会社を除くその余の申立人ら(以下「申立人ら5名」という。)について(ア) 2(2)で認定したところに加え,疎明資料(疎甲2号証,3号証,19号証,疎乙5号証)によれば,本件リサイクルセンターについて,以下のとおり一応認められる。 a 本件申請に係る産業廃棄物処分業の用に供する施設である本件リサイクルセンターは,建築現場又は工場から排出される産業廃棄物を選別,破砕する中間処理を行うものであり,建築解体現場又は工場から排出される建設系及び事業系廃棄物として,廃プラスチック類,紙くず,木くず,繊維くず,ゴムくず,金属くず,ガラスくず及び陶磁器くず並びにがれき類の8種類を受け入れ,これらを選別し,破砕(廃プラスチック類,木くず,紙くず,繊維くず及びゴムくずの5種類)ないしリサイクル処理した後保管するものである。これらの本件リサイクルセンターで処理されたものは,再生品引取先,適性処分先ないし最終処分場に委託されて,再利用ないし最終処分がされる。 b 本件リサイクルセンターの敷地面積は約1880平方メートルであり,本件建物は鉄骨造1階建てで,確認済証によれば延面積は917.80平方メートルとされている。本件リサイクルセンターには,自動選別機(振い機)や破砕機等が設置され,本件リサイクルセンターにおける処理能力は,選別施設については,1日当たり600立方メートルである。また,破砕施設については,1時間当たり3.35立方メートルでり,見掛比重に応じて,それぞれ1日当たり廃プラスチックは3.2トン,紙くずは2.7トン,ゴムくずは13.9トン,木くずは4.8トン,繊維くずは3.2トンの処理能力を有するものである。 ,見掛比重に応じて,それぞれ1日当たり廃プラスチックは3.2トン,紙くずは2.7トン,ゴムくずは13.9トン,木くずは4.8トン,繊維くずは3.2トンの処理能力を有するものである。 c 本件リサイクルセンターは本件建物を利用した施設であるが,本件建物北側に自動選別機やリサイクル選別ライン,破砕機が設置されるとともに,本件建物中,同設置部分上の屋根は撤去されて,これら選別・破砕作業は屋外作業として行われることとされ,同部分は選別ラインカバー(上部は大波鋼板)で覆われる構造となっている。 本件リサイクルセンターへの進入路及び本件建物の出入口はいずれもその西側(府道β線側)に設けられ,本件建物内の南東側に処理前混合廃棄物置場及び仕分場所が設けられる。そして,雨水,汚水対策として,本件建物外部東南側に容量16立方メートルの貯水槽が設置され,本件建物内に汚水ピットを設けて本件建物内から貯水槽へ自動吸引ポンプで吸引するとともに,選別ラインカバー上部の降雨を樋を通して雨水桝に流すものとされている。また,騒音防止対策として,本件建物外壁全周を石膏ボード及び遮音シートを使用し,本件建物内側より鋼板を貼るものとされ,選別ライン設置場所には高さ9メートルの防音壁を設置するものとされている。 d 本件リサイクルセンターにおける産業廃棄物の処理(中間処理)の工程は,概ね以下のとおりとされている。 (a) 本件リサイクルセンターに搬入された産業廃棄物は,本件建物内において散水しながら展開され,処理前混合廃棄物置場に保管される。 (b) 上記保管された産業廃棄物は,自動選別機にかけるものと,かけないものとに選別され,自動選別機にかけないものについては,破砕が必要な ,処理前混合廃棄物置場に保管される。 (b) 上記保管された産業廃棄物は,自動選別機にかけるものと,かけないものとに選別され,自動選別機にかけないものについては,破砕が必要なものは破砕機にかけられ,破砕が不要なものは廃棄物処理後置場に保管される。 (c) (b)で自動選別機にかけないものとされたものを除くその余の産業廃棄物は,防塵シャワーによる散水と集塵機の稼働する中で自動選別機にかけられた後,ベルトコンベア等で構成されるリサイクル選別ラインに載せられ,作業員の手作業により,① 廃プラスチック,ゴムくず,② 紙くず,繊維くず,③ がれきくず,④ 鉄くず,⑤ 非鉄金属,ガラス,陶磁器くず,⑥ 木くず,⑦ 選別残さに選別され,これらは,各選別された産業廃棄物毎に,選別処理後置場において保管される。 (d) (c)で選別された産業廃棄物のうち,廃プラスチック,紙くず,木くず,繊維くず及びゴムくずの5種類については,破砕機により破砕処理がされる。 (e) (c)による選別,(d)による破砕処理が行われた産業廃棄物は,産業廃棄物処理後置場において保管される。 e 本件リサイクルセンターに設置される自動選別機(振い機)として,富士鋼業株式会社製のフジフォークスクリーンVE707F型(以下「本件自動選別機」という。)が予定されている。本件自動選別機は,デッキ及びフォーク部分を振動させることにより投入された素材を選別するものであり,動力は「7.5kW×4/8P(全閉外扇型)」,振動数は「930PCM」とされている。 f 本件リサイクルセンターに設置される破砕機として,富士鋼業株式会社製の油圧式二軸解砕機バリラSG100D(以下「本件 (全閉外扇型)」,振動数は「930PCM」とされている。 f 本件リサイクルセンターに設置される破砕機として,富士鋼業株式会社製の油圧式二軸解砕機バリラSG100D(以下「本件破砕機」という。)が予定されている。本件破砕機は,投入された素材を,大型油圧モータによってそれぞれ独立して駆動する2本のロータにより,軟質物は引き裂き,硬質物は圧縮破砕して解砕するものであり,動力は「30kW/45kW 400/440V(50/60Hz)」,回転数は「高速軸 max.18.0r. p.m」「低速軸 max.12.0r.p.m」とされている。 g このほか,自動選別機及びエプロンコンベヤ乗り継ぎ部において発生する粉じんを集じんする機械として,富士鋼業解部式会社製のバグフィルタ式集じん機(以下「本件集じん機」という。)が予定されている。 本件集じん機の動力は「15kW 排風機 220V/60Hz」,処理風量は「約120m/min 排出粉塵予想値0.02g/Nm」とされている。 (イ) 申立人ら5名が居住し,あるいは日中仕事を行っている場所と,本件リサイクルセンターが設置される本件土地との位置関係については,2(1)ウ記載のとおりである。すなわち,申立人P1,申立人P3及び申立人P4は本件土地の周辺地域に居住するものであり,申立人P1は本件土地の北側に隣接するP1建物に居住し,申立人P3は本件土地南隣の隣接土地を所有し,同所に居住するとともに,同所有土地の一部を畑として使用し,各種野菜等を栽培しており,申立人P4は,本件土地の南西約50メートルの所に居住し,同所で食堂を経営している。また,申立人P2及び申立人P5は,本件土地の周辺地域に居住するものではないが,申立人P2は本件土地の北隣において熱絶縁業を営む太平冷熱工 の南西約50メートルの所に居住し,同所で食堂を経営している。また,申立人P2及び申立人P5は,本件土地の周辺地域に居住するものではないが,申立人P2は本件土地の北隣において熱絶縁業を営む太平冷熱工業を経営しており,同所には太平冷熱工業の社屋があって,同申立人も同社屋で仕事を行っており,また,申立人P5は本件土地と幅員9.5メートルの府道β線を隔てた西側土地において才喜鉄工を経営しており,同所には才喜鉄工の工場及び事務所があって,同申立人も同所で仕事を行っている。 (ア)記載のような本件リサイクルセンターの規模,構造,本件リサイクルセンターにおいて処分することが予定されている産業廃棄物の種類,量,本件リサイクルセンターにおいて行われるこれらの産業廃棄物の処理の方法,態様,処理の過程で用いられる設備機器の種類,規模,能力等にかんがみれば,本件土地に隣接して居住又は事業に従事している申立人P1,申立人P3及び申立人P2のみならず,本件土地の南西約50メートルの所に居住している申立人P4や,本件土地から幅員9.5メートルの府道β線を隔てた西側土地において事業に従事している申立人P5についても,本件申請に係る産業廃棄物処分業の用に供する施設である本件リサイクルセンターにおいて産業廃棄物が適正に処理されなかった場合に生じる産業廃棄物の飛散,流出,地下への浸透,悪臭の発散又は排ガス,排水,騒音及び振動等によりその生命,身体の安全等に直接的かつ重大な被害を受けるものとして想定される地域内において生活する者として,本件仮の差止め申立ての申立て適格を有するものと一応認められる。 イ申立人会社について申立人会社が本件土地に隣接するP1建物の1階において食品加工業を営む株式会社であることは,2(1)ウ記載のと の申立て適格を有するものと一応認められる。 イ申立人会社について申立人会社が本件土地に隣接するP1建物の1階において食品加工業を営む株式会社であることは,2(1)ウ記載のとおりであるが,廃棄物処理法14条6項の規定が,前記アの地域内において生活する者の生命,身体の安全等とは別に,当該地域内において個々人が有する所有権,事業を営む者の営業上の利益その他の財産上の権利,利益をも保護すべきものとする趣旨を含むものと解することはできないことは,(2)エで説示したとおりであるから,申立人会社について本件仮の差止めの申立て適格を認めることはできない。 したがって,申立人会社による本件申立ては,申立て適格を欠くものであり,その余の点について判断するまでもなく,失当である。 4 そこで,次に,申立人ら5名について,行訴法37条の5第2項にいう本件申請に対する許可処分がされることにより生ずる償うことのできない損害を避けるため緊急の必要があるということができるか否か,以下検討する。 (1) 確かに,申立人ら5名が本件リサイクルセンターにおいて産業廃棄物が適正に処理されなかった場合に生じる産業廃棄物の飛散,流出,地下への浸透,悪臭の発散又は排ガス,排水,騒音,振動等によりその生命,身体の安全等に直接的かつ重大な被害を受けるものとして想定される地域内において生活する者と一応認められることは,3説示のとおりである。 しかしながら,3(3)ア記載のとおり,本件リサイクルセンターにおいて処理することが予定されている産業廃棄物の種類は,廃プラスチック類,紙くず,木くず,繊維くず,ゴムくず,金属くず,ガラスくず及び陶磁器くず並びにがれき類の8種類であり,爆発性,毒性,感染性その他の人の健康又は生活環境に係る被害を生ず 棄物の種類は,廃プラスチック類,紙くず,木くず,繊維くず,ゴムくず,金属くず,ガラスくず及び陶磁器くず並びにがれき類の8種類であり,爆発性,毒性,感染性その他の人の健康又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがある性状を有するものとして政令で定める特別管理産業廃棄物は含まれていない。また,その処理の形態もいわゆる中間処理であり,焼却処理等は行われないものである。もっとも,本件リサイクルセンターは,自動選別機,リサイクル選別ライン及び破砕機の設置される本件建物北側部分上の屋根が撤去され,本件申請に係る産業廃棄物の処分の中核部分を成す選別及び破砕作業が屋外作業として行われることとされていることは,3(3)ア(ア)c記載のとおりであるが,同記載のとおり,同部分は選別ラインカバー(上部は大波鋼板)で覆われる構造となっている上,粉じん対策として,搬入された産業廃棄物の処理前保管作業及び自動選別機による選別作業を散水しながら行うものとされるとともに集塵機が設置されるものとされ,雨水,汚水対策として,本件建物外部東南側に容量16立方メートルの貯水槽が設置され,本件建物内に汚水ピットを設けて本件建物内から貯水槽へ自動吸引ポンプで吸引するとともに,選別ラインカバー上部の降雨を樋を通して雨水桝に流すものとされ,騒音対策として,本件建物外壁全周を石膏ボード及び遮音シートを使用し,本件建物内側より鋼板を貼るものとされ,選別ライン設置場所には高さ9メートルの防音壁を設置するものとされている。のみならず,本件自動選別機を振動源とする振動予測値は,本件土地に各隣接する地点において43デシベルないし53デシベルであるとされ,本件自動選別機,本件破砕機及び本件集じん機を含め,主要な騒音発生源となると考えられる設備7点を音源対象とする騒音予測値も,本件土地に各隣接する地点において5 デシベルないし53デシベルであるとされ,本件自動選別機,本件破砕機及び本件集じん機を含め,主要な騒音発生源となると考えられる設備7点を音源対象とする騒音予測値も,本件土地に各隣接する地点において50デシベルないし52デシベルであるとされている(疎甲2号証,3号証,疎乙5号証)。 以上説示したような本件リサイクルセンターの構造,設備,本件リサイクルセンターにおいて処分することが予定されている産業廃棄物の種類,量,本件リサイクルセンターにおいて行われるこれら産業廃棄物の処理の方法,態様,処理の過程で用いられる設備機器の種類,能力等に照らすと,それ以上の疎明を欠く本件においては,本件リサイクルセンターにおいて産業廃棄物が適正に処理されなかった場合に生じる粉じんの飛散,汚水の流出や地下への浸透,騒音及び振動等が,申立人ら5名の生命,健康を著しく害するような性質のものであるとまでは認め難いというべきである。 そうであるとすれば,申立人ら5名について,本件申請に対する許可処分がされることにより,その生命,身体の安全等に対し償うことができない損害が生じるものと認めることは困難である。 なお,申立人らは,申立人P2,申立人P3,申立人P4及び申立人P5について,その営む営業上の損害が生じる旨の主張もするところであるが,前記のような廃棄物処理法14条6項の規定の趣旨にもかんがみると,上記のような営業上の損害が仮に生じるとしても,これをもって償うことができない損害ということはできない。 (2) 以上によれば,本件申請に対する許可処分がされることにより,申立人ら5名について,償うことのできない損害を避けるため緊急の必要があると一応認めることはできないから,申立人ら5名に係る本件申立ては,その余の点について判断するまでもな 可処分がされることにより,申立人ら5名について,償うことのできない損害を避けるため緊急の必要があると一応認めることはできないから,申立人ら5名に係る本件申立ては,その余の点について判断するまでもなく,失当である。 5 よって,本件仮の差止め申立てを却下することとして,主文のとおり決定する。 平成17年7月25日大阪地方裁判所第2民事部 裁判長裁判官西川知一郎 裁判官田中健治 裁判官石田明彦

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