主文 原告の被告大田区に対する別紙請求目録記載1の請求に係る訴えのうち,同目録記載1(1)ないし(3),(6)及び(7)の請求に係る訴えをいずれも却下する。 処分行政庁が平成19年1月12日付けで原告に対してした障害者自立支援法に基づく平成18年9月1日から同月30日までの原告の介護給付費の支給に係る決定処分のうち外出介護の「外出・身体介護有」の1か月当たりの支給量90時間を超える部分につき支給量として算定しないものとした部分を取り消す。 処分行政庁が平成19年1月12日付けで原告に対してした障害者自立支援法に基づく平成18年10月1日から平成20年2月29日までの原告の介護給付費の支給に係る決定処分のうち重度訪問介護の「移動中介護」の1か月当たりの支給量113時間を超える部分につき支給量として算定しないものとした部分を取り消す。 処分行政庁が平成21年2月27日付けで原告に対してした障害者自立支援法に基づく同年3月1日から平成22年2月28日までの原告の介護給付費の支給に係る決定処分のうち重度訪問介護の「移動中介護」の1か月当たりの支給量113時間を超える部分につき支給量として算定しないものとした部分を取り消す。 原告の被告大田区に対する別紙請求目録記載2の請求を棄却する。 原告の被告東京都に対する別紙請求目録記載3の請求に係る訴えのうち,裁決行政庁が平成20年4月22日付けで原告に対してした原告の平成19年3月12日付け審査請求に係る裁決のうち第2項及び第3項の各処分に係る審査請求を棄却した部分の取消しを求める訴えを却下する。 原告の被告東京都に対するその余の請求をいずれも棄却する。 訴訟費用は,原告に生じた費用の6分の1及び被告大田区に生じた費用の4分の1を被告大田区の負担とし,原告及び被 訴えを却下する。 原告の被告東京都に対するその余の請求をいずれも棄却する。 訴訟費用は,原告に生じた費用の6分の1及び被告大田区に生じた費用の4分の1を被告大田区の負担とし,原告及び被告大田区に生じたその余の費用並びに被告東京都に生じた費用の全部を原告の負担とする。 事実 及び理由第1請求(甲事件は次の1(1)ないし(7),2及び3であり,乙事件は次の1(8)である。) 原告の被告大田区に対する処分取消請求(別紙請求目録記載1(1)ないし(8)の請求。以下「請求1」と総称する。)別紙請求目録記載1(1)の請求(以下「請求1(1)」という。)(1)別紙請求目録記載1(2)の請求(以下「請求1(2)」という。)(2)別紙請求目録記載1(3)の請求(以下「請求1(3)」という。)(3)別紙請求目録記載1(4)の請求(以下「請求1(4)」という。)(4)主文第2項と同旨別紙請求目録記載1(5)の請求(以下「請求1(5)」という。)(5)主文第3項と同旨別紙請求目録記載1(6)の請求(以下「請求1(6)」という。)(6)別紙請求目録記載1(7)の請求(以下「請求1(7)」という。)(7)別紙請求目録記載1(8)の請求(以下「請求1(8)」という。)(8)主文第4項と同旨 原告の被告大田区に対する損害賠償請求別紙請求目録記載2の請求(以下「請求2」という。) 原告の被告東京都に対する裁決取消請求別紙請求目録記載3の請求(以下「請求3」という。)第2事案の概要本件は,身体障害等級1級の認定を受けて車椅子による外出時の移動に一定の介護を要する原告が,被告大田区(以下「被告区」という。)から,(ア)障 害者自立支援法附則34条の規定による改正前の身体障害者福祉法(以下「旧身体障害者福祉法」と 椅子による外出時の移動に一定の介護を要する原告が,被告大田区(以下「被告区」という。)から,(ア)障 害者自立支援法附則34条の規定による改正前の身体障害者福祉法(以下「旧身体障害者福祉法」という。)に基づく居宅生活支援費の支給に係る決定処分を受け,その一部の取消し等を求める訴訟(東京地方裁判所平成▲年(行ウ)第▲号。以下「別件訴訟」という。)を提起していたところ,(イ)障害者自立支援法の施行に伴い,同法附則5条1項の規定により平成18年4月1日付けで同日以降の半年間の介護給付費を支給する旨及びその支給量を決定する旨の請求1(1)の決定処分(以下「本件処分1」という。)を受けたものとみなされ,(ウ)同法に基づき,同年9月21日付けで,本件処分1の対象期間の一部の支給量を変更する旨の請求1(2)の決定処分(以下「本件処分2」という。)を,同月29日付けで,新たな対象期間の介護給付費を支給する旨及びその支給量を決定する旨の請求1(3)の決定処分(以下「本件処分3」という。)をそれぞれ受けた後,(エ)別件訴訟の判決の理由中で上記(ア)の決定処分の当該部分が違法である旨の指摘がされたのに伴い,平成19年1月12日付けで,本件処分2を取り消す旨の請求1(6)の決定処分(以下「本件処分6」という。)及び本件処分3を取り消す旨の請求1(7)の決定処分(以下「本件処分7」という。)とともに本件処分2の対象期間の支給量を変更する旨の請求1(4)の決定処分(以下「本件処分4」という。)並びに本件処分3の対象期間の介護給付費を支給する旨及びその支給量を決定する旨の請求1(5)の決定処分(以下「本件処分5」という。)を受け,さらに,(オ)平成21年2月27日付けで,新年度の対象期間の介護給付費を支給する旨及びその支給量を決定する旨の請求1(8)の決定処 旨の請求1(5)の決定処分(以下「本件処分5」という。)を受け,さらに,(オ)平成21年2月27日付けで,新年度の対象期間の介護給付費を支給する旨及びその支給量を決定する旨の請求1(8)の決定処分(以下「本件処分8」という。)を受けたことから,(1)被告区に対し,上記(イ)ないし(オ)の各処分が,別件訴訟の判決における違法性の指摘にもかかわらず,原告の社会参加のために必要な外出のための介護の費用を十分に認めず,原告の申請に係る支給量の一部につき支給量として算定しないものとしたのは違法であるなどとして,①本件処分1ないし5及び8のうち原告の申請に係る支給量の一部につき支給量として算定しないものとした部分並 びに本件処分6及び7の各取消し(請求1)を求めるとともに,②国家賠償法1条1項に基づく損害賠償(請求2)を求め,また,(2)本件処分1ないし7についての原告の各審査請求を却下し又は棄却した裁決行政庁の各裁決(以下「本件各裁決」という。)は調査方法の瑕疵等により違法であるなどとして,被告東京都(以下「被告都」という。)に対し,本件各裁決の取消し(請求3)を求めている事案である(なお,上記(1)①のうち本件処分8の一部の取消請求(請求1(8)。乙事件)は,甲事件の提訴後に追加されたものであり,その追加提訴後に同処分についての審査請求がされ,裁決には至っていないものの,同審査請求がされた日から既に3か月が経過している(行政事件訴訟法8条2項1号参照)。)。 関係法令等の定め(1)障害者自立支援法の定めア障害者自立支援法において「障害福祉サービス」とは,居宅介護,重度訪問介護,行動援護,療養介護,生活介護,児童デイサービス,短期入所,重度障害者等包括支援,共同生活介護,施設入所支援,自立訓練,就労移行支援,就労継続支援及び共同 祉サービス」とは,居宅介護,重度訪問介護,行動援護,療養介護,生活介護,児童デイサービス,短期入所,重度障害者等包括支援,共同生活介護,施設入所支援,自立訓練,就労移行支援,就労継続支援及び共同生活援助を(中略)いう(5条1項)。 イ障害者自立支援法において「居宅介護」とは,障害者等につき,居宅において入浴,排せつ又は食事の介護その他の厚生労働省令で定める便宜を供与することをいう(5条2項)。 ウ障害者自立支援法において「重度訪問介護」とは,重度の肢体不自由者であって常時介護を要する障害者につき,居宅における入浴,排せつ又は食事の介護その他の厚生労働省令で定める便宜及び外出時における移動中の介護を総合的に供与することをいう(5条3項)。 エ介護給付費,(中略)(以下「介護給付費等」という。)の支給を受けようとする障害者又は障害児の保護者は,市町村(特別区を含む。2条1項。以下同じ。)の介護給付費等を支給する旨の決定(以下「支給決定」 という。)を受けなければならない(19条1項)。 オ支給決定を受けようとする障害者又は障害児の保護者は,厚生労働省令で定めるところにより,市町村に申請をしなければならない(20条1項)。 カ市町村は,上記オの申請があったときは,21条1項及び22条1項(後記キ)の規定により障害程度区分の認定及び同項(後記キ)に規定する支給要否決定を行うため,厚生労働省令で定めるところにより,当該職員をして,当該申請に係る障害者等又は障害児の保護者に面接をさせ,その心身の状況,その置かれている環境その他厚生労働省令で定める事項について調査をさせるものとする(20条2項前段)。 キ市町村は,上記オの申請に係る障害者等の障害程度区分,当該障害者等の介護を行う者の状況,当該申請に係る障害者等又は障害児の保護者の障害 る事項について調査をさせるものとする(20条2項前段)。 キ市町村は,上記オの申請に係る障害者等の障害程度区分,当該障害者等の介護を行う者の状況,当該申請に係る障害者等又は障害児の保護者の障害福祉サービスの利用に関する意向その他の厚生労働省令で定める事項を勘案して介護給付費等の支給の要否の決定を行うものとする(22条1項)。 ク市町村は,支給決定を行う場合には,障害福祉サービスの種類ごとに月を単位として厚生労働省令で定める期間において介護給付費等を支給する障害福祉サービスの量(以下「支給量」という。)を定めなければならない(22条4項)。 ケ支給決定は,厚生労働省令で定める期間内に限り,その効力を有する(23条)。 コ上記エの規定により上記エに規定する支給決定を受けた障害者又は障害児の保護者(以下「支給決定障害者等」という。)は,現に受けている支給決定に係る障害福祉サービスの種類,支給量その他の厚生労働省令で定める事項を変更する必要があるときは,厚生労働省令で定めるところにより,市町村に対し,当該支給決定の変更の申請をすることができる(24 条1項)。 サ市町村は,上記コの申請又は職権により,上記キの厚生労働省令で定める事項を勘案し,支給決定障害者等につき,必要があると認めるときは,支給決定の変更の決定を行うことができる。この場合において,市町村は,当該決定に係る支給決定障害者等に対し受給者証の提出を求めるものとする(24条2項)。 シ介護給付費及び特例介護給付費の支給は,次に掲げる障害福祉サービスに関して29条及び30条の規定により支給する給付とする(28条1項)。 (ア)居宅介護(同項1号)(イ)重度訪問介護(同項2号)(ウ)(略)(同項3号ないし10号)ス市町村の介護給付費等に係る処分に不服がある障害 定により支給する給付とする(28条1項)。 (ア)居宅介護(同項1号)(イ)重度訪問介護(同項2号)(ウ)(略)(同項3号ないし10号)ス市町村の介護給付費等に係る処分に不服がある障害者又は障害児の保護者は,都道府県知事に対して審査請求をすることができる(97条1項)。 セ都道府県知事は,条例で定めるところにより,上記スの審査請求の事件を取り扱わせるため,障害者介護給付費等不服審査会を置くことができる(98条1項)。 ソ都道府県知事は,審査請求を受理したときは,原処分をした市町村及びその他の利害関係人に通知しなければならない(102条)。 タ障害者自立支援法は,平成18年4月1日から施行する。ただし,次の(ア)ないし(ウ)に掲げる規定は,(ア)ないし(ウ)に定める日から施行する(附則1条)。 (ア)(略)(同条1号)(イ)5条1項(居宅介護,行動援護,児童デイサービス,短期入所及び共同生活援助に係る部分を除く。),3項(中略),28条1項(2号(中略)に係る部分に限る。)(中略)の規定平成18年10月1日 (同条2号)(ウ)(略)(同条3号)チ施行日において現に(中略)旧身体障害者福祉法17条の5第2項の規定(後記(5)カ)により居宅生活支援費の支給の決定を受けている障害者(中略)については,施行日に,上記エの規定による支給決定を受けたものとみなす(附則5条1項)。 ツ施行日から上記タ(イ)に掲げる規定の施行の日の前日までの間は,上記シの規定にかかわらず,介護給付費及び特例介護給付費の支給は,次に掲げるサービスに関して29条及び30条の規定により支給する給付とする(附則8条1項)。 (ア)居宅介護(同項1号)(イ)(略)(同項2号ないし4号)(ウ)外出介護((中略)旧身体障害者福祉法4条の2第 スに関して29条及び30条の規定により支給する給付とする(附則8条1項)。 (ア)居宅介護(同項1号)(イ)(略)(同項2号ないし4号)(ウ)外出介護((中略)旧身体障害者福祉法4条の2第2項(後記(5)イ)に規定する身体障害者居宅介護(中略)のうち,外出時における移動中の介護をいう。以下同じ。)(同項5号)(エ)(略)(同項6号)テ施行日前に行われた旧身体障害者福祉法17条の4第1項(後記(5)ウ)に規定する指定居宅支援に係る同項の規定による居宅生活支援費の支給については,なお従前の例による(附則36条1項)。 (2)障害者自立支援法施行令の定めア施行日において現に旧身体障害者福祉法4条の2第2項(後記(5)イ)に規定する身体障害者居宅介護(外出介護に該当するものを除く。)に係る居宅生活支援費の支給の決定を受けている障害者については,施行日に,居宅介護に係る介護給付費の支給決定を受けたものとみなす(附則5条6項)。 イ施行日において現に旧身体障害者福祉法4条の2第2項(後記(5)イ)に 規定する身体障害者居宅介護(外出介護に該当するものに限る。)に係る居宅生活支援費の支給の決定を受けている障害者については,施行日に,外出介護に係る介護給付費の支給決定を受けたものとみなす(附則5条7項)。 (3)障害者自立支援法施行規則の定め(平成18年厚生労働省令第168号(平成18年10月1日施行)による改正前のもの)ア障害者自立支援法5条2項(前記(1)イ)に規定する厚生労働省令で定める便宜は,入浴,排せつ及び食事等の介護,調理,洗濯及び掃除等の家事並びに生活等に関する相談及び助言その他の生活全般にわたる援助とする(1条)。 イ障害者自立支援法20条2項(前記(1)カ)に規定する厚生労働省令で定める事項は,次の各 調理,洗濯及び掃除等の家事並びに生活等に関する相談及び助言その他の生活全般にわたる援助とする(1条)。 イ障害者自立支援法20条2項(前記(1)カ)に規定する厚生労働省令で定める事項は,次の各号に掲げる事項とする(8条)。 (ア)障害者自立支援法20条1項(前記(1)オ)の申請に係る障害者等の介護を行う者の状況(同条1号)(イ)当該障害者等に関する保健医療サービス又は福祉サービス等の利用の状況(同条2号)(ウ)当該障害者等又は障害児の保護者の障害福祉サービスの利用に関する意向の具体的内容(同条3号)ウ障害者自立支援法22条1項(前記(1)キ)に規定する厚生労働省令で定める事項は,次の各号に掲げる事項とする(12条)。 (ア)障害者自立支援法20条1項(前記(1)オ)の申請に係る障害者等の障害程度区分又は障害の種類及び程度その他の心身の状況(同条1号)(イ)当該申請に係る障害者等の介護を行う者の状況(同条2号)(ウ)当該申請に係る障害者等に関する介護給付費等の受給の状況(同条3号)(エ)(略)(同条4号ないし7号) (オ)当該申請に係る障害者等に関する保健医療サービス又は福祉サービス等の利用の状況(同条8号)(カ)当該申請に係る障害者等又は障害児の保護者の障害福祉サービスの利用に関する意向の具体的内容(同条9号)(キ)当該申請に係る障害者等の置かれている環境(同条10号)(ク)当該申請に係る障害福祉サービスの提供体制の整備の状況(同条11号)エ障害者自立支援法22条4項(前記(1)ク)に規定する厚生労働省令で定める期間は,1月間とする(13条)。 オ障害者自立支援法23条(前記(1)ケ)に規定する厚生労働省令で定める期間は,支給決定を行った日から平成18年9月30日までの期間とする(15条)。 令で定める期間は,1月間とする(13条)。 オ障害者自立支援法23条(前記(1)ケ)に規定する厚生労働省令で定める期間は,支給決定を行った日から平成18年9月30日までの期間とする(15条)。 (4)障害者自立支援法施行規則の定め(平成18年厚生労働省令第168号(平成18年10月1日施行)による改正後のもの)ア障害者自立支援法5条2項(前記(1)イ)及び3項(前記(1)ウ)に規定する厚生労働省令で定める便宜は,入浴,排せつ及び食事等の介護,調理,洗濯及び掃除等の家事並びに生活等に関する相談及び助言その他の生活全般にわたる援助とする(1条の3)。 イ障害者自立支援法20条2項(前記(1)カ)に規定する厚生労働省令で定める事項は,次の各号に掲げる事項とする(8条)。 (ア)障害者自立支援法20条1項(前記(1)オ)の申請に係る障害者等の介護を行う者の状況(同条1号)(イ)当該障害者等に関する保健医療サービス又は福祉サービス等の利用の状況(同条2号)(ウ)当該障害者等又は障害児の保護者の障害福祉サービスの利用に関する意向の具体的内容(同条3号) ウ障害者自立支援法22条1項(前記(1)キ)に規定する厚生労働省令で定める事項は,次の各号に掲げる事項とする(12条)。 (ア)障害者自立支援法20条1項(前記(1)オ)の申請に係る障害者等の障害程度区分又は障害の種類及び程度その他の心身の状況(同条1号)(イ)当該申請に係る障害者等の介護を行う者の状況(同条2号)(ウ)当該申請に係る障害者等に関する介護給付費等の受給の状況(同条3号)(エ)(略)(同条4号及び5号)(オ)当該申請に係る障害者等に関する保健医療サービス又は福祉サービス等の利用の状況(同条6号)(カ)当該申請に係る障害者等又は障害児の保護者の障 条3号)(エ)(略)(同条4号及び5号)(オ)当該申請に係る障害者等に関する保健医療サービス又は福祉サービス等の利用の状況(同条6号)(カ)当該申請に係る障害者等又は障害児の保護者の障害福祉サービスの利用に関する意向の具体的内容(同条7号)(キ)当該申請に係る障害者等の置かれている環境(同条8号)(ク)当該申請に係る障害福祉サービスの提供体制の整備の状況(同条9号)エ障害者自立支援法22条4項(前記(1)ク)に規定する厚生労働省令で定める期間は,1月間とする(13条)。 オ障害者自立支援法23条(前記(1)ケ)に規定する厚生労働省令で定める期間は,支給決定を行った日から当該日が属する月の末日までの期間と次の(ア)又は(イ)に掲げる障害福祉サービスの種類の区分に応じ,(ア)又は(イ)に規定する期間を合算して得た期間とする(15条1項)。 (ア)居宅介護,重度訪問介護(以下略)1月間から12月間までの範囲内で月を単位として市町村が定める期間(イ)(略)(同項2号,3号)カ支給決定を行った日が月の初日である場合にあっては,上記オの規定にかかわらず,上記オ(ア)又は(イ)の期間を支給決定の有効期間とする(1 5条2項)。 (5)旧身体障害者福祉法の定めア旧身体障害者福祉法において,「身体障害者居宅支援」とは,身体障害者居宅介護(中略)をいう(4条の2第1項)。 イ旧身体障害者福祉法において,「身体障害者居宅介護」とは,身体障害者につき,居宅において行われる入浴,排せつ,食事等の介護その他の日常生活を営むのに必要な便宜であって厚生労働省令で定めるものを供与することをいう(4条の2第2項)。 ウ市町村は,後記ケに規定する居宅支給決定身体障害者が,後記キの規定により定められた後記キ(ア)の期間内において, 要な便宜であって厚生労働省令で定めるものを供与することをいう(4条の2第2項)。 ウ市町村は,後記ケに規定する居宅支給決定身体障害者が,後記キの規定により定められた後記キ(ア)の期間内において,都道府県知事が指定する者(以下「指定居宅支援事業者」という。)に身体障害者居宅支援の利用の申込みを行い,当該指定居宅支援事業者から当該指定に係る身体障害者居宅支援(以下「指定居宅支援」という。)を受けたときは,当該居宅支給決定身体障害者に対し,当該指定居宅支援(後記キの規定により定められた後記キ(イ)に規定する量の範囲内のものに限る。以下同じ。)に要した費用について,居宅生活支援費を支給する(17条の4第1項)。 エ居宅生活支援費の額は,(ア)に掲げる額から(イ)に掲げる額を控除して得た額とする(17条の4第2項)。 (ア)身体障害者居宅支援の種類ごとに指定居宅支援に通常要する費用につき,厚生労働大臣が定める基準を下回らない範囲内において市町村長が定める基準により算定した額(その額が現に当該指定居宅支援に要した費用の額を超えるときは,当該現に指定居宅支援に要した費用の額)(同項1号)(イ)身体障害者又はその扶養義務者(民法に定める扶養義務者をいう。)の負担能力に応じ,厚生労働大臣が定める基準を超えない範囲内において市町村長が定める基準により算定した額(同項2号) オ身体障害者は,上記ウの規定により居宅生活支援費の支給を受けようとするときは,身体障害者居宅支援の種類ごとに,厚生労働省令の定めるところにより,市町村に申請しなければならない(17条の5第1項)。 カ市町村は,上記オの申請が行われたときは,当該申請を行った身体障害者の障害の種類及び程度,当該身体障害者の介護を行う者の状況,当該身体障害者の居宅生活支援費の受給の状況その 17条の5第1項)。 カ市町村は,上記オの申請が行われたときは,当該申請を行った身体障害者の障害の種類及び程度,当該身体障害者の介護を行う者の状況,当該身体障害者の居宅生活支援費の受給の状況その他の厚生労働省令で定める事項を勘案して,居宅生活支援費の支給の要否を決定するものとする(17条の5第2項)。 キ上記カの規定による支給の決定(以下「居宅支給決定」という。)を行う場合には,次に掲げる事項を定めなければならない(17条の5第3項)。 (ア)居宅生活支援費を支給する期間(同項1号)(イ)身体障害者居宅支援の種類ごとに月を単位として厚生労働省令で定める期間において居宅生活支援費を支給する指定居宅支援の量(支給量)(同項2号)ク上記キ(ア)の期間は,身体障害者居宅支援の種類ごとに厚生労働省令で定める期間を超えることができないものとする(17条の5第4項)。 ケ市町村は,居宅支給決定をしたときは,当該居宅支給決定を受けた身体障害者(以下「居宅支給決定身体障害者」という。)に対し,厚生労働省令の定めるところにより,上記キ(ア)及び(イ)に掲げる事項を記載した受給者証を交付しなければならない(17条の5第5項)。 (6)平成18年厚生労働省令第19号(平成18年4月1日施行)による改正前の身体障害者福祉法施行規則(昭和25年厚生省令第15号。以下「旧身体障害者福祉法施行規則」という。)の定めア旧身体障害者福祉法4条の2第2項(前記(5)イ)に規定する厚生労働省令で定める便宜は,入浴,排せつ及び食事等の介護,調理,洗濯及び掃除等の家事,生活等に関する相談及び助言並びに外出時における移動の介護 その他の生活全般にわたる援助とする(1条)。 イ旧身体障害者福祉法17条の5第2項(前記(5)カ)に規定する厚生労働省令で定める事項 生活等に関する相談及び助言並びに外出時における移動の介護 その他の生活全般にわたる援助とする(1条)。 イ旧身体障害者福祉法17条の5第2項(前記(5)カ)に規定する厚生労働省令で定める事項は,次のとおりとする(9条の3)。 (ア)居宅生活支援費の支給の申請を行った身体障害者の障害の種類及び程度その他の心身の状況(同条1号)(イ)当該身体障害者の介護を行う者の状況(同条2号)(ウ)当該身体障害者の居宅生活支援費の受給の状況(同条3号)(エ)当該身体障害者の施設訓練等支援費の受給の状況(同条4号)(オ)当該身体障害者の身体障害者居宅支援及び身体障害者施設支援以外の保健医療サービス又は福祉サービス等の利用の状況(同条5号)(カ)当該身体障害者の身体障害者居宅支援の利用に関する意向の具体的内容(同条6号)(キ)当該身体障害者の置かれている環境(同条7号)(ク)当該申請に係る身体障害者居宅支援の提供体制の整備の状況(同条8号)(7)平成17年厚生労働省告示第86号(平成17年4月1日から適用)による改正後の「身体障害者福祉法に基づく指定居宅支援等に要する費用の額の算定に関する基準」(平成15年厚生労働省告示第27号。甲30の42・43。以下「本件告示」という。)指定居宅支援(旧身体障害者福祉法17条の4第1項(前記(5)ウ)に規定する指定居宅支援をいう。以下同じ)又は基準該当居宅支援(同法17条の6第1項に規定する基準該当居宅支援をいう。以下同じ。)に要する費用の額は,別表により算定した額とする。 別表身体障害者居宅生活支援費額算定表身体障害者居宅介護支援費イからハまで(略) ニ移動介護が中心である場合(ア)身体介護を伴う場合a所要時間が30分未満の場合2310円b所要時間が30分以上1 活支援費額算定表身体障害者居宅介護支援費イからハまで(略) ニ移動介護が中心である場合(ア)身体介護を伴う場合a所要時間が30分未満の場合2310円b所要時間が30分以上1時間未満の場合4020円c所要時間1時間以上の場合5840円に所要時間1時間から計算して所要時間30分を増すごとに830円を加算した額(イ)身体介護を伴わない場合(略)ホ日常生活支援が中心である場合(ア)所要時間1時間以上1時間30分未満の場合2410円(イ)所要時間1時間30分以上の場合3310円に所要時間1時間30分から計算して所要時間30分を増すごとに900円を加算した額注1から注4まで(略)注5ニについては,別に厚生労働大臣が定める者が,屋外での移動に著しい制限のある視覚障害者又は全身性障害者(肢体不自由の程度が身体障害者福祉法施行規則別表第5号の1級に該当する者であって両上肢及び両下肢の機能の障害を有するもの又はこれに準ずる者をいう。 注6において同じ。)に対して,移動介護(社会生活上必要不可欠な外出及び余暇活動等の社会参加のための外出(通勤,営業活動等の経済活動に係る外出,通年かつ長期にわたる外出及び社会通念上適当でない外出を除き,原則として1日の範囲内で用務を終えるものに限る。)の際の移動の介護をいう。)が中心である指定居宅介護等を行った場合に所定額を算定する。 注6ホについては,別に厚生労働大臣が定める者が,日常生活全般に常時の支援を要する全身性障害者に対して,日常生活支援(身体介護, 家事援助,見守り等の支援をいう。)が中心である指定居宅介護等を行った場合に所定額を算定する。 (以下略)(8)東京都障害者介護給付費等不服審査会条例(丙2)障害者自立支援法98条1項の規定に基づき,同法 見守り等の支援をいう。)が中心である指定居宅介護等を行った場合に所定額を算定する。 (以下略)(8)東京都障害者介護給付費等不服審査会条例(丙2)障害者自立支援法98条1項の規定に基づき,同法97条1項の審査請求の事件を取り扱わせるため,知事の附属機関として,東京都障害者介護給付費等不服審査会を置く(1条)。 前提事実(争いのない事実,顕著な事実並びに掲記の証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実)(1)本件に関する事実経過ア原告は,昭和▲年▲月▲日生まれの男性で,東京都大田区(以下「大田区」という。)に居住している。 イ原告は,本件処分1ないし8の当時,○による○及び○の障害を有する身体障害者福祉法施行規則別表第5号(身体障害者障害程度等級表)の等級1級に該当する身体障害者との認定に基づく身体障害者手帳の交付を受けていた者であり,車椅子による外出時の移動に一定の介護を要する。 (甲22,23,30の3,原告本人)ウ処分行政庁(大田区長。以下「処分行政庁」という。)は,平成17年7月1日,原告に対し,旧身体障害者福祉法17条の5第2項に基づき,同日から平成18年6月30日までの期間に係る身体障害者居宅生活支援費について,1か月当たりの支給量を居宅介護の「移動・身体介護有」につき42時間,「日常生活支援」につき455時間とする支給決定処分(以下「平成17年7月1日決定」という。)をした。(甲30の4の7,同30の6の5,乙1)エ原告は,平成18年3月27日付けで,処分行政庁に対し,介護給付費支給申請書兼利用者負担額減額・免除等申請書を提出した。同申請書にお いては,申請するサービスの種類等の欄に記載はなく,申請する減免の種類の欄の「月額負担上限額に関する認定」の「生活保護受給世帯」に丸印が付けられていた 額・免除等申請書を提出した。同申請書にお いては,申請するサービスの種類等の欄に記載はなく,申請する減免の種類の欄の「月額負担上限額に関する認定」の「生活保護受給世帯」に丸印が付けられていた。(乙2)オa処分行政庁は,平成18年3月29日付けで,原告に対し,介護給付費支給決定通知書兼利用者負担額減額・免除決定通知書と題する文書を送付した。同文書には,処分行政庁が,平成18年3月29日付けで,同年4月1日から同年9月30日までの期間に係る介護給付費について,1か月当たりの支給量を居宅介護の「日常生活支援」につき455時間,外出介護の「外出・身体介護有」につき42時間とする支給決定をする旨記載されていた。(甲11,30の71の1,乙3)b平成18年4月1日,障害者自立支援法が施行され,同法附則5条1項及び同法施行令附則5条6項,同条7項の規定により,原告は,平成17年7月1日決定のうち外出介護に該当するものを除く部分と同一の内容で,居宅介護に係る介護給付費の支給決定を受けたものとみなされ,平成17年7月1日決定のうち外出介護に該当する部分と同一の内容で,外出介護に係る介護給付費の支給決定を受けたものとみなされ,障害者自立支援法施行規則(平成18年厚生労働省令第168号による改正前のもの)15条の規定により,支給決定の有効期間(対象期間)の終期は平成18年9月30日となり,これによって,原告は,同年4月1日付けで,上記aの通知と同一内容の介護給付費の支給決定を受けたものとみなされた(本件処分1)。(顕著な事実)カ原告は,平成18年5月12日,審査庁である裁決行政庁(東京都知事。 以下「裁決行政庁」という。)に対し,上記オの決定(本件処分1)につき,1か月当たりの支給量を外出介護の「外出・身体介護有」につき124時間とする決 5月12日,審査庁である裁決行政庁(東京都知事。 以下「裁決行政庁」という。)に対し,上記オの決定(本件処分1)につき,1か月当たりの支給量を外出介護の「外出・身体介護有」につき124時間とする決定への変更を求める旨の同日付け審査請求(以下「本件審査請求1」という。)をし,同審査請求は同月15日に受け付けられた。 (甲10,30の70の1,丙7)キ原告は,平成18年8月30日,処分行政庁に対し,介護給付費支給申請書兼利用者負担額減額・免除等申請書を提出した。同申請書には,申請するサービスの種類等の欄に,居宅サービスの日常生活支援を1日20時間,外出介護を1日4時間として1日24時間常時介護とする給付を申請する旨記載されていた。(乙4)ク原告は,平成18年8月31日,処分行政庁に対し,介護給付費支給申請書兼利用者負担額減額・免除等申請書を提出した。同申請書には,申請するサービスの種類等の欄(添付の別紙を含む。)に,日常生活介護として1か月当たり598時間,通院を目的とした外出移動介護として1か月当たり22時間,それ以外の外出移動介護として1か月当たり124時間の給付を申請する旨記載されていた。(乙6)ケ処分行政庁は,平成18年9月21日,原告に対し,本件処分1の対象期間の一部の支給量を変更し,障害者自立支援法に基づく同月1日から同月30日までの期間に係る介護給付費について,1か月当たりの支給量を居宅介護の「日常生活支援」につき702時間,外出介護の「外出・身体介護有」につき42時間とする旨の決定処分(本件処分2)をした。(乙5,丙3)コ処分行政庁は,平成18年9月29日,原告に対し,障害者自立支援法に基づく同年10月1日から平成20年2月29日までの期間に係る介護給付費について,1か月当たりの支給量を重度訪問介護66 丙3)コ処分行政庁は,平成18年9月29日,原告に対し,障害者自立支援法に基づく同年10月1日から平成20年2月29日までの期間に係る介護給付費について,1か月当たりの支給量を重度訪問介護662時間(移動中介護65時間)とする旨の支給決定処分(本件処分3)をした。(甲7,乙7,丙4)サ原告は,平成18年11月6日,裁決行政庁に対し,上記ケの決定(本件処分2)につき,1か月当たりの支給量を外出介護の「外出・身体介護有」につき124時間とする決定への変更を求める旨の同日付け審査請求 (以下「本件審査請求2」という。)をし,同審査請求は同月8日に受け付けられた。(甲10,丙9)シ平成18年11月29日,東京地方裁判所において,別件訴訟の判決の言渡しがされた。別件訴訟において,原告は,被告区を被告として,処分行政庁が平成16年3月31日付け,同年10月1日付け,同年12月28日付け,平成17年4月1日付け及び同年7月1日付け(上記ウの平成17年7月1日決定)でそれぞれした旧身体障害者福祉法に基づく身体障害者居宅生活支援費の各支給決定処分のうち,居宅支援費の「移動介護・身体介護有」の1か月当たりの支給量「32時間」又は「42時間」を超える部分について支給量として算定しないものとした部分の取消しを求めるとともに,これを支給量として算定する旨の処分及びその算定に基づく居宅支援費の増額分の支払の義務付け,後記(2)ア(カ)b及びcの要綱の定めの違法確認並びに国家賠償法1条1項に基づく損害賠償を求めていたところ,同判決は,障害者自立支援法の施行により訴えの利益は失われたとして,原告の訴えのうち上記取消し,義務付け及び違法確認を求める訴えを却下し,損害賠償請求を棄却したものの,その理由中において,上記各支給決定は裁量権の範囲を逸脱した 行により訴えの利益は失われたとして,原告の訴えのうち上記取消し,義務付け及び違法確認を求める訴えを却下し,損害賠償請求を棄却したものの,その理由中において,上記各支給決定は裁量権の範囲を逸脱したものとして違法である旨の指摘をした。同判決は,平成18年12月14日,控訴期間の満了により確定した。 (甲1,2)ス原告は,平成18年11月30日,裁決行政庁に対し,上記コの決定(本件処分3)につき,1か月当たりの支給量を移動中介護につき147時間とする決定への変更を求める旨の同日付け審査請求(以下「本件審査請求3」という。)をし,同審査請求は同年12月1日に受け付けられた。 (甲10,丙15)セ平成18年12月14日,控訴期間の満了により,上記シの判決は確定した。(甲2) ソ処分行政庁は,平成19年1月12日,原告に対し,本件処分2を取り消す旨の処分(本件処分6)をした。同処分の通知書には,取消理由として,「別件訴訟の判決文趣旨を踏まえた新たな決定を行うため」と記載されていた。(乙8,丙5)タ処分行政庁は,平成19年1月12日,原告に対し,本件処分3を取り消す旨の処分(本件処分7)をした。同処分の通知書には,取消理由として,「別件訴訟の判決文趣旨を踏まえた新たな決定を行うため」と記載されていた。(甲8,乙9)チ処分行政庁は,平成19年1月12日,原告に対し,障害者自立支援法に基づく平成18年9月1日から同月30日までの期間(本件処分2の対象期間)に係る介護給付費について,本件処分2よりも外出介護の支給量を増量し,1か月当たりの支給量を居宅介護の「日常生活支援」につき654時間,外出介護の「外出・身体介護有」につき90時間とする旨の決定処分(本件処分4)をした。(乙10,丙6)ツ処分行政庁は,平成19年1月12日,原告 給量を居宅介護の「日常生活支援」につき654時間,外出介護の「外出・身体介護有」につき90時間とする旨の決定処分(本件処分4)をした。(乙10,丙6)ツ処分行政庁は,平成19年1月12日,原告に対し,障害者自立支援法に基づく平成18年10月1日から平成20年2月29日までの期間(本件処分3の対象期間)に係る介護給付費について,本件処分3よりも支給量を増量し,1か月当たりの支給量を重度訪問介護710時間(移動中介護113時間)とする旨の支給決定処分(本件処分5)をした。(甲6,乙11)テ原告は,平成19年3月12日,裁決行政庁に対し,上記チの決定(本件処分4)について1か月当たりの支給量を外出介護の「外出・身体介護有」につき124時間とする決定への変更を,上記ツの決定(本件処分5)について1か月当たりの支給量を移動中介護につき147時間とする決定への変更を,上記ソ及びタの決定(本件処分6及び7)についてその取消しをそれぞれ求める旨の同日付け審査請求(以下「本件審査請求4」 という。)をした。(甲10,丙21)ト原告は,平成19年3月14日,処分行政庁に対し,介護給付費支給変更申請書兼利用者負担額減額・免除等申請書を提出した。同申請書には,変更の理由として,移動の要綱の見直しに伴い移動中介護124時間と通院移動23時間の計147時間に戻してほしい旨,○の治療を中止するものの,夜間介護が必要なので24時間の見守り介護を含む常時介護を認めてほしい旨記載されていた。(乙22)ナ処分行政庁は,平成20年2月7日,原告に対し,本件処分5の対象期間の一部の支給量を変更し,障害者自立支援法に基づく同月1日から平成20年2月29日までの期間に係る介護給付費について,1か月当たりの支給量を重度訪問介護654時間(移動中介護113時間) の対象期間の一部の支給量を変更し,障害者自立支援法に基づく同月1日から平成20年2月29日までの期間に係る介護給付費について,1か月当たりの支給量を重度訪問介護654時間(移動中介護113時間)とする旨の決定処分(以下「平成20年2月7日決定」という。)をした。(乙24)ニ原告は,平成20年2月12日,処分行政庁に対し,介護給付費支給申請書兼利用者負担額減額・免除等申請書を提出した。同申請書には,申請するサービスの欄に重度訪問介護の介護給付費を申請する旨記載され,また,申請の具体的内容として,移動中介護1か月当たり147時間(通院に係る移動中介護23時間を含む。)と併せて1日24時間の介護支給を認めてほしい旨記載されていた。(乙25)ヌ処分行政庁は,平成20年2月29日,原告に対し,障害者自立支援法に基づく平成20年3月1日から平成21年2月28日までの期間に係る介護給付費につき,1か月当たりの支給量を重度訪問介護654時間(移動中介護113時間)とする旨の支給決定処分(以下「平成20年2月29日決定」という。)をした。(乙27)ネ裁決行政庁は,平成20年4月22日,本件審査請求1ないし4について,本件処分1ないし5の変更を求めた審査請求(本件審査請求1ないし3並びに本件審査請求4のうち本件処分4及び5に係る部分)は,行政不 服審査法40条5項に定める上級行政庁による原処分の変更の裁決を求めているものと解されるが,障害者自立支援法に基づく支給決定等の処分について,裁決行政庁は処分行政庁の上級行政庁には当たらないため,原処分の変更の裁決を行う権限を有しないことから,上記審査請求の趣旨を原処分の取消しを求めるものとして取り扱い,裁決行政庁の権限の範囲で判断することとするとした上,本件審査請求1ないし3並びに本件審査請求 変更の裁決を行う権限を有しないことから,上記審査請求の趣旨を原処分の取消しを求めるものとして取り扱い,裁決行政庁の権限の範囲で判断することとするとした上,本件審査請求1ないし3並びに本件審査請求4のうち本件処分6及び7の取消しを求める部分につき審査請求を却下し,本件審査請求4のうち本件処分4及び5の取消しを求める部分につき審査請求を棄却する旨の各裁決(本件各裁決)をした。(甲10)ノ原告は,平成20年10月22日,甲事件の訴えを提起した。(顕著な事実)ハ原告は,平成21年2月16日,処分行政庁に対し,介護給付費支給申請書兼利用者負担額減額・免除等申請書を提出した。同申請書には,申請するサービスの欄に重度訪問介護の介護給付費を申請する旨記載され,また,申請の具体的内容として,移動中介護1か月当たり147時間(通院に係る移動中介護23時間を含む。)と併せて1日24時間の介護支給を認めてほしい旨記載されていた。(乙28)ヒ処分行政庁は,平成21年2月27日,原告に対し,障害者自立支援法に基づく平成21年3月1日から平成22年2月28日までの期間に係る介護給付費について,1か月当たりの支給量を重度訪問介護654時間(移動中介護113時間)とする支給決定処分(本件処分8)をした。 (甲16,乙30)フ原告は,平成21年3月23日,乙事件の訴えを提起した。(顕著な事実)ヘ原告は,平成21年3月24日,裁決行政庁に対し,上記ヒの決定(本件処分8)のうち移動中介護の1か月当たりの支給量につき113時間を 超える部分につき支給量として算定しないものとした部分の取消しを求める旨の同日付け審査請求(以下「本件審査請求5」という。)をし,同審査請求は,同月25日に到達した。(甲21の1・2)(2)旧身体障害者福祉法に基づく居宅介護支 しないものとした部分の取消しを求める旨の同日付け審査請求(以下「本件審査請求5」という。)をし,同審査請求は,同月25日に到達した。(甲21の1・2)(2)旧身体障害者福祉法に基づく居宅介護支援費(移動介護)の支給基準及び障害者自立支援法に基づく重度訪問介護に係る介護給付費(外出時における移動中の介護)の支給基準に関する被告区の定めについてア大田区居宅介護支援費(移動介護)の支給決定に関する要綱(平成15年7月1日保福障発第533号助役決定。以下「本件移動介護要綱」という。)の定め(乙16)(ア)本件移動介護要綱は,大田区支援費の支給に関する規則(平成15年大田区規則第66号。)5条に基づき,居宅生活支援費の1つである居宅介護支援費のうち,移動介護が中心である場合(以下「移動介護」という。)に係る支給決定を行う際に,勘案すべき事項等について必要な事項を定めるものとする(1条)。 (イ)移動介護とは,身体障害者福祉法に基づく指定居宅支援等に要する費用の額の算定に関する基準(平成15年厚生労働省告示第27号)(中略)に規定する「社会生活上必要不可欠な外出」及び「余暇活動等の社会参加のための外出」に関する移動の介護をいう(2条1項)。 (ウ)「社会生活上必要不可欠な外出」とは,医療機関等への通院,公共機関及び金融機関等の手続など,社会通念上当該外出を行わないことにより,日常生活において著しい不都合を生じるとして区長が必要があると認める外出をいう(2条2項)。 (エ)「余暇活動等の社会参加のための外出」とは,上記(ウ)に該当しない目的の外出をいう(2条3項)。 (オ)聴き取りの際には上記(ア)の大田区支援費の支給に関する規則5条に定める勘案事項整理票のほか,移動介護聴き取り票により,対象者の 心身の状況及び移動介護の必要 の外出をいう(2条3項)。 (オ)聴き取りの際には上記(ア)の大田区支援費の支給に関する規則5条に定める勘案事項整理票のほか,移動介護聴き取り票により,対象者の 心身の状況及び移動介護の必要性等を勘案するものとする(5条)。 (カ)移動介護に関する支給量は,次の各号に定めるものにより算定した時間数を,合算して得た時間数とする(6条)。 a上記(ウ)に該当する外出については,勘案事項整理票及び移動介護聴き取り票により勘案をした結果及び別表1に掲げる事項を基に支給量を算定するものとする(6条1号)。 b上記(エ)については,勘案事項整理票及び移動介護聴き取り票により勘案した結果を基に,次に掲げる時間内で支給量を算定するものとする(6条2号)。 (a)全身性障害者,視覚障害者及び知的障害者については月32時間(同号ア)(b)(略)(同号イ)c上記bに定めるもののほか,特段の事情により区長が必要と認める場合は,勘案事項整理票及び移動介護聴き取り票により勘案をした結果を基に,必要な時間数を算定することができる。この場合において,区長は対象者に対して時間数の算定に必要な資料等の提出を求めることができる(6条3号)。 (キ)身体介護を伴う場合の移動介護は,次に掲げる各号のいずれかに該当する場合とする(7条)。 a排せつに関し全介助又は一部介助が必要な場合(同条1号)b移動の際に車いすを利用しており,自走することが困難で介助を要する場合(同条2号)c多動や突発的な飛び出し等の行動障害があり,身体介護が必要な場合(同条3号)(ク)上記(キ)の要件に該当する者が,医療機関等への通院を目的とする支援を要するときには,全身性障害者については居宅介護支援費のう ち日常生活支援が中心である場合を適用し(中略)て算定する(9条 上記(キ)の要件に該当する者が,医療機関等への通院を目的とする支援を要するときには,全身性障害者については居宅介護支援費のう ち日常生活支援が中心である場合を適用し(中略)て算定する(9条)。 (ケ)上記(カ)に基づく支給量の算定においては,経済活動に係る外出,通年かつ長期にわたる外出,社会通念上適当でない外出に関するもの(支給量算定対象外事項)については算定の対象から除外するものとする(10条,別表2ないし4)。 イ大田区重度訪問介護に係る介護給付費の支給決定の基準に関する要綱(平成18年9月27日保福障発第109号区長決定。以下「本件重度訪問介護要綱」という。)の定め(乙17)(ア)本件重度訪問介護要綱は,障害者自立支援法22条1項に基づき,重度訪問介護に係る介護給付費の支給決定を行う際に必要となる事項について定めるものとする(1条)。 (イ)本件重度訪問介護要綱における「重度訪問介護」とは,障害者自立支援法5条3項に規定する重度訪問介護をいい,身体介護,家事援助及び見守り等並びに外出時における移動中の介護について,これらを総合的に,かつ,おおむね1日当たり3時間以上の比較的長時間にわたって提供するものをいう(2条1項)。 (ウ)上記(イ)の「外出時における移動中の介護」とは,社会生活上必要不可欠な外出及び余暇活動等の社会参加のための外出に関する移動の介護のうち,必要と認められるものをいう。この場合において,「社会生活上必要不可欠な外出」とは,医療機関等への通院,公共機関,金融機関等の手続その他の目的のための外出で,社会通念上当該外出を行わないことが日常生活に著しい不都合を生じさせるおそれがあると区長が認めたものとし,「余暇活動等の社会参加のための外出」とは,社会生活上必要不可欠な外出に該当しない目的のための外 通念上当該外出を行わないことが日常生活に著しい不都合を生じさせるおそれがあると区長が認めたものとし,「余暇活動等の社会参加のための外出」とは,社会生活上必要不可欠な外出に該当しない目的のための外出とする(2条5項)。 (エ)聴き取りの際には,次に掲げる帳票を用いるものとする(6条)。 a勘案事項整理票及び週間計画表(同条1号)b重度訪問介護聴き取り票(同条2号)(オ)重度訪問介護に関する支給量は,上記(エ)の帳票類により把握した内容を勘案した結果を基に別表1に掲げる事項に基づき算定した時間数を合算して得た時間数を算定するものとする(7条1項)。 (カ)上記(オ)により算定する支給量について,特段の事情により区長が必要と認める場合は,上記(エ)の帳票類により把握した内容を勘案した結果を基に,必要な時間数を加算することができる(7条2項)。 (キ)別表1(重度訪問介護に係る算定基準)の4(外出時における移動中の介護(移動中介護加算))外出時における移動中の介護(移動中介護加算)に要する時間について聴き取りをした結果を基に算定する際に基準とする時間及び回数は,次の表によるものとする。 項目単位時間適用通院に医師等の指示による回数とする。 社会生活上通院要する透析等長時間にわたるが常に介護を必要不可欠時間要しない場合はその時間は除く。 な外出聴き取り公共機関,金融機関等の手続その他通院以外事項等をの目的のための社会生活上必要不可基に勘案欠な外出とする。 余暇活動等の社会参する。 月32時間以内とする。 加のための外出(ク)上記(オ)~(キ)に基づく支給量の算定において,経済活動に係る外 出,通年かつ長期にわたる外出等,その他介護給付費の支給が社会通念上適当でないと認められる事項(支給量算定対象 めの外出(ク)上記(オ)~(キ)に基づく支給量の算定において,経済活動に係る外 出,通年かつ長期にわたる外出等,その他介護給付費の支給が社会通念上適当でないと認められる事項(支給量算定対象事項)については算定の対象から除外するものとする(9条,別表3)。 ウ上記イの本件重度訪問介護要綱は,平成18年12月27日18保福障発第12213号区長決定(平成19年1月1日から施行)により一部改定された(乙18)。この改定により,上記イ(キ)に掲げた別表1の4の「月32時間以内とする。」という部分が「標準として月32時間とする。」に改められた。 争点 (1)請求1(1)に係る訴え(本件処分1の一部の取消しを求める訴え)の適法性(2)請求1(2),(3),(6)及び(7)に係る訴え(本件処分2及び3の一部並びに本件処分6及び7の取消しを求める訴え)の適法性(3)本件処分1ないし8の適法性(4)原告の被告区に対する国家賠償請求の成否(5)本件各裁決の適法性 争点に関する当事者の主張の要旨(1)争点(1)(請求1(1)に係る訴えの適法性)についてア原告の主張の要旨本件処分1は,障害者自立支援法附則5条1項によるみなし支給決定であるが,同項は,支給決定があったものとみなしており,「行政庁が支給決定をした」と擬制していることからすれば,そこに1つの行政決定を観念することができ,旧身体障害者福祉法に基づく支給決定が処分であるのと同様に,このみなし支給決定も処分であると解すべきであり,平成18年4月1日の時点で行政庁が現実に何らかの効果を意欲したわけではないとしても,そのことを理由に,それが行政庁の決定ではないという主張が認 められるものではない。 イ被告区の主張の要旨原告は,平成17年7月1日付けで,支給期間を かの効果を意欲したわけではないとしても,そのことを理由に,それが行政庁の決定ではないという主張が認 められるものではない。 イ被告区の主張の要旨原告は,平成17年7月1日付けで,支給期間を同日から平成18年6月30日までとする,旧身体障害者福祉法に基づく居宅生活支援費の支給決定(平成17年7月1日決定)を受けており,そのため,何らの処分を経ずに,障害者自立支援法附則5条1項の規定により,同法の施行日である平成18年4月1日に,同法19条の規定による介護給付費の支給決定を受けたものとみなされた。原告は,従前,旧身体障害者福祉法に基づく居宅生活支援費の受給中,その利用者負担額を免除されてきたが,障害者自立支援法に基づく介護給付費の支給への移行に伴い,利用者負担額の免除の効果が当然に承継されるとの規定はないから,同法に基づく介護給付費の支給を受けるに当たり,その利用者負担額の減免を受けるためには,新たにその申請を行い,処分行政庁の決定を受ける必要があった。そのため,原告は,平成18年3月27日付けで介護給付費に係る利用者負担額の減免申請を行った。処分行政庁が行った前記前提事実(1)オaの通知に係る処分は同申請に対してされた利用者負担上限月額を0円とする旨の決定であり,その通知の文書に記載された「サービスの種類」及び「支援の内容」の部分は,障害者自立支援法附則5条1項の規定により直接生じた法律効果を原告に具体的に知らせる事実上の通知にすぎず,これをもって介護給付費の支給決定がされたわけではない。 また,本件処分1は,処分行政庁が原告からの支給申請を受けて行った処分ではなく,原告からの申請を待たずに,障害者自立支援法附則5条1項の規定により,法律上当然に支給決定が擬制されたものである。したがって,申請に対する処分と異なり,仮に本件処 給申請を受けて行った処分ではなく,原告からの申請を待たずに,障害者自立支援法附則5条1項の規定により,法律上当然に支給決定が擬制されたものである。したがって,申請に対する処分と異なり,仮に本件処分1が取り消されたとしても,申請自体があるわけではないから,処分行政庁がこれに代わる処分を新たに行うべきことにはならず,再び同項の規定による支給決定が擬制さ れるだけであって,原告にとって本件処分1を取り消す実益は全くないから,本件処分1の取消しを求める原告の訴えは訴えの利益を欠く。 (2)争点(2)(請求1(2),(3),(6)及び(7)に係る訴えの適法性)についてア原告の主張の要旨原告は,本件において,本件処分4及び5の取消しに加えて,本件処分2及び3並びにこれらの処分の取消処分である本件処分6及び7の取消しを求めている。本件処分2及び3は,本件処分6及び7によって撤回され,新たに本件処分4及び5がされているが,撤回処分である本件処分6及び7と新処分である本件処分4及び5が一体となって実質的に新処分が成り立っているものと考えられ,新処分である本件処分4及び5が違法であるのなら,それと一体となる本件処分6及び7も違法なものとして争い得るものとしておく必要がある。また,新処分が違法な場合,旧処分の違法の瑕疵は治癒される余地はない以上,旧処分である本件処分2及び3も審理の対象となるべきである。そして,新処分が適法かどうかは訴訟の審理が終結しないと判明しないから,旧処分の取消しを求める訴えの利益がないとするのは相当ではない。 イ被告区の主張の要旨原告は,本件において,本件処分4及び5の取消しに加えて,本件処分2及び3並びにそれらの取消処分である本件処分6及び7の取消しも求めているが,本件処分2及び3が職権で取り消され,新たに本件処分 要旨原告は,本件において,本件処分4及び5の取消しに加えて,本件処分2及び3並びにそれらの取消処分である本件処分6及び7の取消しも求めているが,本件処分2及び3が職権で取り消され,新たに本件処分4及び5がされている以上,本件処分4及び5が取り消されなければ,本件処分2及び3並びに本件処分6及び7のいずれか又はすべてが取り消されても原告にとって何の意味もなく,また逆に,本件処分4及び5が取り消されれば,本件処分2及び3並びに本件処分6及び7が取り消されるかどうかにかかわらず原告は訴えの目的を達し得る。したがって,本件処分2及び3並びに本件処分6及び7の取消しを求める原告の訴えは,訴えの利益を 欠き,不適法である。 (3)争点(3)(本件処分1ないし8の適法性)についてア被告区の主張の要旨(ア)a原告は,平成17年6月29日,処分行政庁に対し,旧身体障害者福祉法に基づく居宅生活支援費支給申請書を提出した。P1センター(以下「P1センター」という。)地域福祉課の在宅サービス担当係長(身体障害者支援担当係長)P2(同人は,平成17年3月31日までは一般職員であったが,その期間を含め,以下「P2係長」という。)は,同日,勘案事項調査を行い,原告からの聴き取りを行った。 原告及びその支援者(以下「原告ら」ともいう。)は,本件移動介護要綱の制定・施行後,被告区職員と面談するなどして,移動介護に対する支援費の支給は障害者の権利である以上,申請人の外出の意向どおりの支給量が与えられるべきものであり,区長に必要と認めてもらって与えられるものではないから,移動介護の支給量を1か月当たり32時間と定め,必要に応じて加算を認める本件移動介護要綱の規定を撤廃すべきであると主張してきた。原告らは,同日の聴き取りにおいて,社会生活上必要不可欠な外出 いから,移動介護の支給量を1か月当たり32時間と定め,必要に応じて加算を認める本件移動介護要綱の規定を撤廃すべきであると主張してきた。原告らは,同日の聴き取りにおいて,社会生活上必要不可欠な外出として1か月当たり10時間が必要であるほか,社会参加のための外出として1か月当たり124時間の支給量が必要であるとの意向を述べた。 b処分行政庁は,平成17年7月1日付けで,本件移動介護要綱を適用し,社会生活上必要不可欠な外出を1か月当たり10時間,社会参加のための外出を1か月当たり32時間として,平成17年7月1日決定を行った。 cP1センター地域福祉課の課長P3(以下「P3課長」という。)は,平成17年7月8日,原告らに対し,P4については公共性の高い事業と考えられることから支援費支給の余地があること,原告は移動が 多いので増やすことができれば増やしたいと思っていることを伝えたが,原告らからは,本件移動介護要綱6条3号の適用により支給量を増加させることに対する消極的な意向が表明された。 d平成18年4月1日,障害者自立支援法が施行され,原告は,同法附則5条1項の規定により,同日付けで,同日から同年9月30日までの間,旧身体障害者福祉法に基づく支援費の支給決定と同一内容の介護給付費の支給決定を受けたものとみなされた(本件処分1)。 e原告は,平成18年8月30日,処分行政庁に対し,○により,夜間の介護及び見守りが必要であることから,日常生活支援1日20時間,外出介護1日4時間が必要であることを内容とする介護給付費支給変更申請書を提出した。P2係長は,同日及び同月31日,勘案事項調査を行い,就寝時の見守り以外に関する原告の意向については従前と変わりがないことを確認した。 f処分行政庁は,平成18年9月21日付けで,本件処分1の対 。P2係長は,同日及び同月31日,勘案事項調査を行い,就寝時の見守り以外に関する原告の意向については従前と変わりがないことを確認した。 f処分行政庁は,平成18年9月21日付けで,本件処分1の対象期間の一部の支給量に,就寝中の原告の見守りに要する時間として日常生活支援を1か月当たり247時間増量し,日常生活支援1か月当たり702時間,外出・身体介護有1か月当たり42時間,合計1か月当たり744時間(1日24時間相当)とする介護給付費変更決定(本件処分2)を行った。 g原告は,平成18年8月31日,処分行政庁に対し,日常生活介護及び外出移動介護の1日24時間介護を希望する介護給付費支給申請書を提出した。同申請書には,1か月当たり744時間の介護のうち,原告が希望する外出移動介護が1か月当たり146時間(通院を目的とした外出22時間と移動介護124時間の合計)であることを示す別紙が添付されていた。P2係長は,平成18年9月27日に勘案事項調査を行い,同年8月30日に実施した勘案事項調査の際と原告の 状況に変化がないことを確認し,また,原告から1日24時間のうち通院介護を除く移動介護の支給量を4時間(1か月当たり124時間)にしてほしい旨の要望を受け,外出の内訳につき,通院を目的とした外出22時間20分,その他の社会生活上必要不可欠な外出10時間及び社会参加のための外出175時間であるが,124時間の範囲内で調整を行うとの説明を受けた。P2係長は,原告に対し,本件重度訪問介護要綱に基づき,社会参加のための外出として算定する支給量は原則として1か月当たり32時間以内であること,介護加算は付かないが,移動介護として支給決定されていなくても移動介護を受けた時間数の請求は可能であることを説明した。これに対して,原告は,「加算のつく移 として1か月当たり32時間以内であること,介護加算は付かないが,移動介護として支給決定されていなくても移動介護を受けた時間数の請求は可能であることを説明した。これに対して,原告は,「加算のつく移動介護について,区で定めた基準の中でしか対応できないならば,その時間数で支給決定してほしい。加算の付かない移動は,事業者にお願いできないから,いらない。その分はボランティアで対応する。」旨申し出た。 h処分行政庁は,平成18年9月29日,通院介護を除く移動介護について,原告が希望する1か月当たり124時間と区の認定する1か月当たり42時間との差である1か月当たり82時間については,ボランティアで対応する旨の原告の申出に基づき,本件処分2よりも支給量を82時間分減らし,移動介護加算1か月当たり65時間(通院を目的とした外出23時間,通院以外の社会生活上不可欠な外出10時間及び社会参加のための外出32時間)を含む重度訪問介護支給量を1か月当たり662時間とする介護給付費支給決定(本件処分3)を行った。 (イ)a平成18年11月29日に言い渡された別件訴訟の判決は,本件移動介護要綱が健常者の平均的な余暇活動時間を参考に標準時間を1か月当たり32時間とすること自体に合理性がなく,本件移動介護要 綱は1か月当たり32時間を超える場合の支給について厳格な判断基準を設けるものであるとし,そのような本件移動介護要綱に基づいて支給量を決定することは,少なくとも支給量が激減する障害者にこれを行う限りにおいては,裁量権の逸脱・濫用になると指摘した。そこで,被告は,本件移動介護要綱とほぼ同様の規定を設けている本件重度訪問介護要綱について,余暇活動等社会参加活動のための外出に関する1か月当たり32時間という時間数が上限であると解釈される余地をなくし,また は,本件移動介護要綱とほぼ同様の規定を設けている本件重度訪問介護要綱について,余暇活動等社会参加活動のための外出に関する1か月当たり32時間という時間数が上限であると解釈される余地をなくし,また1か月当たり32時間を超える時間数の算定についても,特に厳格な判断基準を設けようとするものではなく,個々の事情に応じて必要な時間数を算定することができることを文言上も明確にするため,本件重度訪問介護要綱を改正し,余暇活動等の社会参加のための外出時間を「標準として」月32時間とし,これを平成19年1月1日から施行した。もっとも,社会参加のための外出に対する標準的な支給量としての月32時間の定めは,①予算の制約もあるから,本人の意向どおりの支給量をすべて認めることはできないこと,②別件訴訟判決も,何を参考に標準時間を定めるべきなのか,標準時間として何時間程度が適当であるのかについては,何ら判示していないこと,③健常者の余暇活動時間に代えて,社会参加のための外出の標準的支給量を定めるのに参考とすべき資料は存在せず,時間数を増やすとしても,客観的な資料に基づくものではないから,合理的な根拠を示すことは困難であること,④健常者の平均余暇活動時間の範囲内であれば,申請人の意向の確認だけで公費を支出することは一般区民からも是認され得るであろうし,検討当時において本件重度訪問介護要綱の適用を受けている障害者33名の中で原告を除く32名の社会参加のための外出は1か月当たり32時間の範囲内にとどまっており,これを超えるような強い意向がないことを考えれば,なお一定の 合理性は有していると考えられるので,月32時間の上記定めを維持することとした。 bまた,別件訴訟判決に基づき,次の①ないし④のとおり,本件処分2及び3の移動中介護の支給量を見直すこととした 合理性は有していると考えられるので,月32時間の上記定めを維持することとした。 bまた,別件訴訟判決に基づき,次の①ないし④のとおり,本件処分2及び3の移動中介護の支給量を見直すこととした。 ①P4については,活動実態があることは明確であること,原告がかかわっていることもほぼ確実であること,従前の聴き取りによる活動時間も1か月当たり48時間でおおむね一定していること,別件訴訟判決も支給すべき例として明示していることから,P4への参加時間数については,支給量を加算する。②学校や自治体からの個別的な要請に基づく講演等については,本来,講演依頼を行った団体が原告の移動に要する費用を負担すべきものもあると考えられることから,各講演ごとに変更申請を受け,依頼文等を確認して,支給の適否を検討する。③障害者雇用相談,介護保障を求める運動,P5委員会等その他の外出については,原告から聴き取った限りの情報しかなく,団体に対する原告の関与の仕方も明らかではないことなどから,今後,団体の組織,活動内容,団体と原告とのかかわり合い方等を確認できた段階で,その支給の適否を検討することとする。④野球観戦や映画鑑賞に係る外出は,標準として定めた支給量で対応可能であり,加算はしない。 処分行政庁は,上記①ないし④の検討結果を踏まえて,平成19年1月12日付けで,本件処分2及び3を職権で取り消す(本件処分6及び7)とともに,本件処分2及び3にP4のための外出として1か月当たり48時間を加算した内容で介護給付費の支給決定処分(本件処分4及び5)をした。 (ウ)a原告は,平成19年3月14日,移動中介護を147時間(通院を目的とした外出23時間を含む。)に戻してほしいこと及び○の治 療は中止するが,引き続き1日24時間の見守り介護を認めてほしいことを内 告は,平成19年3月14日,移動中介護を147時間(通院を目的とした外出23時間を含む。)に戻してほしいこと及び○の治 療は中止するが,引き続き1日24時間の見守り介護を認めてほしいことを内容とする障害者自立支援法に基づく介護給付支給変更申請書を提出した。P2係長は,同月20日,勘案事項調査を行った。その際,原告は,①P4,②P6組合,③P5委員会,④P32運動,⑤介護保障を求める運動,⑥余暇活動の内容について説明し,関係資料を提出した。これらの合計時間は1か月当たり202時間であったため,P2係長が希望支給量である1か月当たり124時間との差が生じた理由を確認したところ,原告は,スケジュールの重複も多く,障害状況もあるため,すべてには出席できないが,最低でも1日平均4時間程度の外出を行っている旨説明した。しかし,支給量を加算するためには,外出活動ごとに支給の適否及び支給量を算定する必要があった。 b当時のP1センター長であるP7(以下「P7センター長」という。)は,平成19年7月ころ,原告らに対し,上記aの合計時間と希望支給量に差があるところ,支給量を加算するためには外出活動ごとに支給の適否及び支給量を算定する必要があることから,過去の外出実態を把握するため,同年4月分だけでよいので,カレンダー等の外出実績を把握できる資料を提出するように求めた。しかし,原告らは,これを拒み,当該資料を提出しなかった。 c処分行政庁は,平成20年2月7日付けで,移動介護加算は1か月当たり113時間のまま変更しないものの,原告の就寝中の見守りのための支給量は1か月当たり104時間(1日あたり約3.3時間)で足りると判断し,同月1日から移動介護加算を含む重度訪問介護支給量を56時間減らして1か月当たり654時間とする介護給付費支給変更決定 めの支給量は1か月当たり104時間(1日あたり約3.3時間)で足りると判断し,同月1日から移動介護加算を含む重度訪問介護支給量を56時間減らして1か月当たり654時間とする介護給付費支給変更決定(平成20年2月7日決定)を行った。 d原告は,平成20年2月12日,移動介護加算を1か月当たり147 時間とし,これを含む重度訪問介護の給付量を1日24時間とすることを内容とする介護給付費支給申請書を提出した。P2係長の後任者であるP8係長は,同日,原告から聴き取りを行い,原告の生活状況が平成20年2月7日決定時と変化がないことを確認した。 e処分行政庁は,平成20年2月29日,平成20年2月7日決定による変更後の内容と同一内容の介護給付費支給決定(平成20年2月29日決定)を行った。 f原告は,平成21年2月16日,上記dの内容と同旨の内容の介護給付費支給申請書を提出した。P8係長は,同日,原告から聴き取りを行い,原告の生活状況が,平成20年2月7日決定及び平成20年2月29日決定時と変化がないことを確認した。 g処分行政庁は,平成21年2月27日,平成20年2月29日決定と同一内容の介護給付費支給決定(本件処分8)を行った。 (エ)a本件処分1は,原告の介護給付費に係る利用者負担額の免除決定であり,P4以外の社会参加活動時間を0時間と認定する介護給付費の支給決定を行ったものではないから,本件処分1につき,P4以外の社会参加活動時間を0時間と認定したことが違法であるとする原告の主張は失当である。 b本件処分2は,上記(ア)eの支給申請に対し,原告の意向どおり,日常生活支援を247時間増量すべく行った処分であるから,本件処分2につき,P4以外の社会参加活動時間を0時間と認定したことが違法であるとする原告の主張は失当である。 c に対し,原告の意向どおり,日常生活支援を247時間増量すべく行った処分であるから,本件処分2につき,P4以外の社会参加活動時間を0時間と認定したことが違法であるとする原告の主張は失当である。 c本件処分3ないし5については,上記(イ)bの理由により,P4以外の社会参加活動時間の増量を認めなかったものであり,考慮すべき事項を考慮しなかったとの評価を受ける事実は存しない。 d平成18年9月27日の勘案事項調査では,原告から聴き取った上 記(ア)gの程度しか情報を入手できず,原告の外出実態を把握していたわけではないから,P4以外に加算の適否を判断すべき資料がなかった。平成19年3月20日には,原告から各種資料の提出を受けたが,これらの資料だけでは原告の外出実態を把握できず,また,仮に把握できたとしても,処分前に資料が提出されない限り,処分においてそれらを考慮することはできないから,それらの資料の存在は考慮すべき事項に該当せず,処分後に提出されたとしてもさかのぼって処分が違法となるものではない。 e処分行政庁は,平成19年3月14日に,原告から介護給付費支給変更申請書の提出を受け,同月20日に勘案事項調査を行い,原告から外出内容についての詳細な説明を受け,かつ,原告の外出先である団体の存在や活動を示す資料の提出を受けたものの,通院以外の外出について,原告の希望する支給量と原告の説明する外出実績に差があったことから,原告の外出実績を把握するための資料の提出を求めたが,原告らがその提出を拒んだため,移動中介護加算について本件処分5を超える支給量を算定することができず,移動中介護加算について本件処分5と同じ1か月当たり113時間として,平成20年2月7日付け決定を行った。その後も,本件処分8の時まで,原告からは,外出実態を把握し得る 給量を算定することができず,移動中介護加算について本件処分5と同じ1か月当たり113時間として,平成20年2月7日付け決定を行った。その後も,本件処分8の時まで,原告からは,外出実態を把握し得る資料の提出がされなかったため,処分行政庁は,移動中介護加算を113時間としたまま本件処分8を行ったものである。なお,原告は,平成15年から継続して平成19年3月20日の原告の説明内容とおおむね同様の外出状況であったと供述するが,少なくとも,原告の平成16年4月から平成17年6月までの外出介護実績による外出状況と原告の説明内容はかなり異なっている。 (オ)したがって,処分行政庁が原告のP4以外の社会参加活動時間について増量の対象としなかったことには合理的な理由があり,その判断を 行うに当たり考慮すべき事項を考慮しなかったとの評価を受ける事実は存しないから,本件処分1ないし8は違法ではない。 イ原告の主張の要旨(ア)本件処分1ないし8は,旧身体障害者福祉法に基づく移動介護及び障害者自立支援法に基づく外出介護(同法附則8条1項5号)につき1か月当たり124時間,同法に基づく重度訪問介護に係る移動介護加算につき1か月当たり147時間の申請をしたにもかかわらず,その一部を棄却したものである。原告は,旧身体障害者福祉法に基づく移動介護につき1か月当たり124時間の申請が認められていた平成16年3月31日までと同水準の給付を認めるように繰り返し求めてきた。 (イ)原告は,本件処分1に先立ち,平成16年及び平成17年に,旧身体障害者福祉法に基づく1か月当たり124時間の移動介護の給付の申請の一部を棄却する処分を受けており(うち1つが平成17年7月1日決定である。),それらの処分の取消し等を求める別件訴訟を提起した。 平成18年11月29日の別件訴 たり124時間の移動介護の給付の申請の一部を棄却する処分を受けており(うち1つが平成17年7月1日決定である。),それらの処分の取消し等を求める別件訴訟を提起した。 平成18年11月29日の別件訴訟の判決は,本件移動介護要綱6条2号及び3号は,身体介護を伴う移動介護に係る支給量のうち,「余暇活動等の社会参加のための外出」に係る支給量を,一律に原則として1か月当たり32時間以内とし,32時間を超えることができるのは処分行政庁が「特段の事情」があると認めた場合に限るものとして,32時間を超える場合は32時間以内の場合に比べて厳格な判断基準を設けているが,このような本件移動介護要綱の「特段の事情」の判断が厳格に行われた場合には,それまで必要として支給されていた移動介護に係る支給量が激減することになる者が現れることも考えられるところ,そのような事態は,旧身体障害者福祉法の趣旨に反するものといわざるを得ず,「余暇活動等の社会参加のための外出」に関する移動介護に係る支給量を,一律に原則として1か月当たり32時間以内とし,32時間を超え ることができるのは処分行政庁が「特段の事情」があると認めた場合に限るものとする旨の本件移動介護要綱を定め,これに基づいて処分行政庁が「余暇活動等の社会参加のための外出」に関する移動介護に係る支給量を決定することは,少なくとも,当該決定によってそれまで必要として支給されていた移動介護に係る支給量が激減することとなる障害者についてこれを行う限りにおいては,裁量権の範囲を逸脱し,又は濫用したものとして違法となるというべきであるとし,別件訴訟で原告が取消しを求めた各処分につき,旧身体障害者福祉法等の趣旨に反して,その判断の過程において考慮すべき事項を考慮しないこと等によりその内容が社会通念に照らし妥当性を欠くもの であるとし,別件訴訟で原告が取消しを求めた各処分につき,旧身体障害者福祉法等の趣旨に反して,その判断の過程において考慮すべき事項を考慮しないこと等によりその内容が社会通念に照らし妥当性を欠くものといわざるを得ないから,処分行政庁が有する裁量権の範囲を逸脱したものとして,違法な処分というべきであると述べ,さらに,原告に対してされた当該各処分が違法であったことは前記のとおりであるから,今後原告について,障害者自立支援法等に基づく処分をするに当たっては,処分行政庁において,同法の趣旨及び目的並びに前記の判断の内容を踏まえ,同法の運用を適切に行うことが期待されるところである旨述べている。また,同判決は,原告は,平成15年4月以降も平成15年支援費支給決定と同程度の移動介護に係る支給量を必要としていたものと認められる旨の事実認定をしている。被告区は,三権分立の下で,この違法判断及びその根拠となった事実認定について尊重しなければならない。 本件移動介護要綱6条3号の特段の事情により区長が必要と認める場合には必要な時間数を加算することができるという支給決定の仕組みは,32時間という厳格な基準を設けて障害を持った市民の移動介護保障請求権を強制的に制限した上で,「特段の事情」を区長が特に認めた場合に限って「加算」するという,障害者の権利があたかも公権力の恩恵付与によるものであるかのごとき思想に立脚する点で,今日の障害を持つ 市民の障害ゆえの不利益は社会が公的に支援しなければならないという障害者基本法を始めとする障害者福祉の基本理念に違背する。また,実際,この特別事情に基づく加算が行われているのは,特定の障害者団体の役員に対する役員活動を名目とする場合がほとんどであり,その現状は公的支援の支給の在り方として極めて不公平・不平等なものとなってお 際,この特別事情に基づく加算が行われているのは,特定の障害者団体の役員に対する役員活動を名目とする場合がほとんどであり,その現状は公的支援の支給の在り方として極めて不公平・不平等なものとなっており,公費の適正な支給という観点から,現状の支給自体が違法,違憲状態となっている。 (ウ)a原告は,平成15年及び16年に,処分行政庁の勘案事項調査に8回以上応じてきており,平成16年3月2日の聴き取り票には,通院以外の社会生活上必要不可欠な外出に関する支援として32時間12分,社会参加のための外出に関する支援として97時間45分の合計129時間57分必要であることが記載されている。 bまた,原告は,本件移動介護要綱の強制導入による支援費支給請求権の削減に対して抗議の意思を示し続けてきた。原告の主張の趣旨は,障害者個々の事情に即して障害を持った市民が市民として社会参加をして,人間らしく生きるために必要な支給量は客観的に算定されるべきものであって,それは個別の必要性に応じて客観的に定まるものであり,それこそが誰にでも公平な制度であって,自治体の首長に特別に加算を認めてもらう特権付与の制度ではないということである。そのような特権付与を甘受することは特権制度,差別制度を認めることを意味するので,そのような制度の撤廃を求め続けているのである。 原告は,そのような主張に基づき,本来ならば1か月200時間を超える移動介護を求めたいところであるが,平成15年度に被告区が必要量として事実に基づき認定していた1か月124時間に戻すことを求めているのであり,単に原告の言い分どおりの支給量を認めるべきであると主張しているわけではない。 c平成17年6月29日の勘案事項調査においては,外出の目的,場所,必要時間,必要回数,1か月当たりの合計時間が調査され, 言い分どおりの支給量を認めるべきであると主張しているわけではない。 c平成17年6月29日の勘案事項調査においては,外出の目的,場所,必要時間,必要回数,1か月当たりの合計時間が調査され,聴き取り票には,P448時間,障害者雇用相談40時間,介護保障を求める運動45時間,学校依頼による協力6時間,その他36時間と記載され,また,重複時の調整や障害状況から外出困難となることもあり月平均124時間となる旨,公的介護で不足する部分については,ボランティアで対応しているとの主訴である旨が記載され,週間スケジュールも作成され,移動介護内容に関する被告区作成の調査報告が添付されている。被告区は,原告の客観的資料により原告の外出実態の確認が取れなかった旨主張するが,原告が1か月当たり124時間の外出介護に係る給付を受けていた平成15年度については,原告が介護を受けた事業所から外出介護実績の資料が被告区に毎月提出されている。 原告が,平成17年7月8日に,P3課長に対し,本件移動介護要綱6条3号の適用を拒否する旨告げたのも,自分だけが特権的に特別の事情を認定されて加算されるという不公平な制度の撤廃を求め,平等な制度を求めていることによるものである。 d被告区は,原告がその後の平成18年9月27日に加算の付かない移動についてはボランティアで対応する旨述べたと主張するが,原告の発言の趣旨は,本件処分2により,従前認められていた1か月当たり42時間の外出介護以外の時間についてすべて日常生活支援の対象時間とされたことに対し,外出が多い原告の外出介護ができなくなってしまうことに対する抗議を述べる趣旨であった。すなわち,1か月42時間の外出介護以外の部分について日常生活支援で埋められてしまえば,結果として,それ以外の時間帯について,原告が望む外出 きなくなってしまうことに対する抗議を述べる趣旨であった。すなわち,1か月42時間の外出介護以外の部分について日常生活支援で埋められてしまえば,結果として,それ以外の時間帯について,原告が望む外出(社会参加活動)が不可能となってしまい,重度障害者である原告が 外出を実現するためには,障害者自立支援法の利用を断念して,無償のボランティアに依頼するほか選択肢がなくなってしまうという趣旨である。そもそも移動介護加算の有無が設定されているのは,介護ヘルパーや事業者への過大負担への手当てであるから,利用者としては,移動介護を受けながら移動加算が付かなければヘルパーや事業者にその負担を一方的に肩代わりさせる負い目を負ってしまうことになり,かといって,その金銭を原告が負担できる現実でもなく,無理なお願いをこれ以上することはできない旨述べたものである。 したがって,本件処分3に当たって,移動介護加算が不要であるとの意向を示した事実はなく,被告区の主張は曲解である。 (エ)障害者自立支援法における重度訪問介護での介護保障も旧身体障害者福祉法の支援費制度における介護保障も,その目的においては同一であり,同法施行後の平成18年4月1日以降においても,原告について外出の必要性が減少するなどの特段の生活の変化がない限り,処分行政庁は,別件訴訟の判決が認定した1か月当たり124時間に通院のための1か月当たり23時間を加えた1か月当たり147時間の移動介護が必要であると認定すべきである。前記のとおり,同法施行後も,処分行政庁は,原告の外出実態について詳細に把握しており,原告の介護の必要性,外出介護の必要性が減少するような特段の事情がないことを把握しているのであり,別件訴訟の判決確定後,処分行政庁は速やかに1か月当たり147時間の移動中介護の支給決定をすべ おり,原告の介護の必要性,外出介護の必要性が減少するような特段の事情がないことを把握しているのであり,別件訴訟の判決確定後,処分行政庁は速やかに1か月当たり147時間の移動中介護の支給決定をすべきであった。 しかるに,処分行政庁は,重度介護要綱につき,1か月当たり32時間という基準を残し,これを標準と言い換えただけで実質的には何らの変更もせず,現実には,厳格な上限として移動介護保障請求権を厳しく制限する違法な規定として機能させ続けている。そして,健常者の平均余暇活動時間の範囲内を基準として障害者の社会参加に必要な時間の基 準を定めることは,健常者の平均余暇時間以下しか社会参加する資格がないという発想に基づくもので,障害者が一般市民と同等の余暇活動を行うとするとそれ以外の社会参加活動時間を0時間と認定することになり,障害者の尊厳とこれを保障するための権利を侵害し,障害者福祉の基礎理念であるノーマライゼーションに抵触し,障害者基本法3条に違反するものである。別件訴訟判決は,障害者の外出活動の必要性に関する事情は千差万別であり,個別事情に即した支給が必要であるとしているのであり,障害者の外出時間を標準的な支給量に合わせなければならないとすることは,個人の支援の必要性を否定することにほかならず,形式的な平等の体裁を取りながら実際には不平等を意味するものである。 ケースワーカーが個別支援のニーズを調査,把握して支給量を算定,判断することで何ら問題ないし,そうするべきである。 (オ)a処分行政庁は,別件訴訟判決の確定後に本件処分4及び5を行ったが,これは,従前の処分にP4活動の48時間を加えたにすぎず,P4活動以外の社会参加活動時間を0時間と認定したものであり,考慮すべき事項を考慮していないことにより裁量権を逸脱したことになる。 b被 ,これは,従前の処分にP4活動の48時間を加えたにすぎず,P4活動以外の社会参加活動時間を0時間と認定したものであり,考慮すべき事項を考慮していないことにより裁量権を逸脱したことになる。 b被告区は,講演活動については,検討の結果,講演ごとに変更申請をすべきであるとした旨主張するが,支給量の決定は今後1年間等の所定の支給期間に応じた月額支給量の目安であり,個人別の上限であって,今後1年間の講演予定を説明,予期することは不可能であることからすれば,そのような取扱いは障害者の権利行使を困難にさせる極めて不当な取扱いであるし,障害者自立支援法及び同法施行規則が定める変更申請を必要とする要件に該当しない事由による変更申請を求めるもので不当である。 c被告区は,P4以外の活動への参加に係る外出について,今後団体 の組織,活動内容,団体と原告とのかかわり合い方等を確認できた段階でその支給の適否を検討することとした旨主張するが,原告は,障害者の介護保障を進めるための会議への参加,労働組合での障害者の雇用のための相談活動,障害者が地域で自立生活を送るための助言,支援活動,公共交通機関,公共的建物を利用するための交通バリアフリーのための調査,社会活動,障害者同士の交流活動,厚生労働省社会保障審議会傍聴,大田区議会傍聴,各種市民集会参加等,様々な社会参加活動のために1か月のうち,体調不良で1ないし3日自宅で安静することがある以外,ほぼ全日外出しており,その実態については,平成18年7月及び8月の例を審査請求手続の中で資料を提出している。 各活動については,P9を中心に各種障害者団体が参加しているP5委員会(バリアフリー)は,障害者福祉関係者の間では公知ともいえる市民活動であるが,原告は,事務局会議,実行委員会,交通バリアフリー環境調査,交 いては,P9を中心に各種障害者団体が参加しているP5委員会(バリアフリー)は,障害者福祉関係者の間では公知ともいえる市民活動であるが,原告は,事務局会議,実行委員会,交通バリアフリー環境調査,交渉などに毎月4,5回参画しており,加えて,原告は,P6組合には,組合結成当時からの副委員長として,障害者の雇用相談,定例会,障害者の生活の相談,向上等のための活動に参加しており,それ以外にも障害者の自立生活,介護保障を支援するため,大田区内での活動,港区のP10での会合,新宿区など東京23区内での活動,府中市などでの「P11協議会」(各地の在宅障害者の団体の相互支援のための連絡会)の会議出席,ビラ配布活動,国立市に本部があるP12組合の活動などを含む多摩地域での活動などを幅広く行っており,議会の傍聴なども行っている。これらの活動をこれ以上詳細に官庁に報告しなければならないとすることは,公権力の市民活動に対する干渉になり,憲法上も許されることではない。 また,被告区は,原告の団体に対する関与の仕方が明らかでなかっ たことを加算を認めなかったことの理由の1つとして主張しているが,そもそも団体の主催する市民集会に一市民として参加する活動,主催者側として参加する活動及び主催団体との友好団体の一員として参加する活動の間に優劣を付けることはできないはずであるし,それは,当該団体の役員であるか役職のない会員であるかの違いにおいても同様である。 さらに,被告区は,団体の役員名簿の提出,団体規約の提出及び毎日どの団体のどのような目的の集会に参加しているのかをちらしなどの客観的資料によって説明すること等を求めたが,これは,障害者自立支援法9条の趣旨に照らしても,調査権限を逸脱した違法な要求である。また,支給要件につき厳格な基準を設けて制限することが裁量 しなどの客観的資料によって説明すること等を求めたが,これは,障害者自立支援法9条の趣旨に照らしても,調査権限を逸脱した違法な要求である。また,支給要件につき厳格な基準を設けて制限することが裁量権を逸脱する違法な処分であるとした別件訴訟判決に照らしても違法である。原告は,勘案事項調査において,それぞれの社会活動の内容について,可能な限り説明をしてきたのであり,それにもかかわらず,被告区が資料の提出がないことを移動中介護の増量を認めない理由として挙げることは理由がない。 (カ)処分行政庁は,別件訴訟の判決言渡しから本件処分4ないし7をするまでの間,原告及び原告代理人に対し何ら連絡をしておらず,資料の提出を求めたこともない。 そして,原告は,本件処分1ないし7の後,平成19年3月20日の勘案事項調査において,原告が参加している社会活動に関する様々な資料を提出している。また,審査請求手続において同月22日付けで提出した反論書において平成18年7月及び8月の社会参加活動の内容と時間数を説明し,この反論書は被告区にも送付されている。原告は,本来これらの資料の提出の義務はないと考えているが,被告区の支給許否の姿勢があまりに頑なであったため譲歩を重ねてこれらの資料を提出した ものであり,これらの資料によれば,処分行政庁の判断が考慮すべき事項を考慮しないで裁量権を逸脱した違法なものであることは明らかである。仮に被告区の立場を前提としても,平成19年3月20日の資料提出時点で支給判断が可能となっている以上,少なくとも同年4月以降の支給分については,移動中介護の支給量を1か月当たり124時間に変更する義務が生じており,これをしないことは明らかに違法である。 (キ)a被告区は,本件処分1は,介護給付の支給決定ではないと主張するが,前記(1)アの 動中介護の支給量を1か月当たり124時間に変更する義務が生じており,これをしないことは明らかに違法である。 (キ)a被告区は,本件処分1は,介護給付の支給決定ではないと主張するが,前記(1)アのとおり,みなし支給決定として処分性が認められるべきである。 b被告区は,本件処分2は,日常生活支援を247時間増量した処分であるとするが,外出介護については1か月当たり42時間しか認定しておらず,82時間分を認定していない点で違法な処分である。変更決定は,旧来の決定と入れ替わって新規決定になるのであって,旧決定のうち変更がない部分と変更決定が合体して新決定になるのではないから,新決定に違法の瑕疵があれば新決定が違法であるのは当然である。 c被告区は,本件処分3ないし5に関し,P4以外の活動への参加については,今後,団体の組織,活動内容,団体と原告とのかかわり方等を確認できた段階でその支給の適否を検討することとしたと主張するが,この主張が不当なものであることは,上記(オ)cのとおりである。 (ク)以上によれば,本件処分1ないし8は,障害者の重要な基本的人権の行使を不当に妨げ,公権力が市民生活に対し行きすぎた干渉・調査をするものであり,憲法と法により保障されている障害を持った市民の自由な生活を奪う誤ったものであるし,思想・信条に対する侵害のおそれの強いものである上,別件訴訟の確定判決による司法判断を軽視するも のである。そして,本件処分1ないし8は,原告の社会参加のための移動介護保障の必要性等の考慮すべき事項を考慮することなく裁量権を逸脱してされた違法な処分であると同時に,原告の憲法13条に基づく移動の自由や憲法25条の生存権を侵害する違憲な処分である。 (4)争点(4)(原告の被告区に対する国家賠償請求の成否)についてア原告の てされた違法な処分であると同時に,原告の憲法13条に基づく移動の自由や憲法25条の生存権を侵害する違憲な処分である。 (4)争点(4)(原告の被告区に対する国家賠償請求の成否)についてア原告の主張の要旨(ア)平成18年8月30日,同月31日,同年9月27日及び平成19年3月20日に原告の勘案事項調査が行われており,処分行政庁は,原告に移動介護が1か月当たり147時間必要であるとの状況を把握しているし,少なくとも,従来より外出活動での社会参加活動の時間が減少するような事情は存在していないことを把握,認識している。また,本件処分1に先立つ処分を違法と指摘した別件訴訟の判決の趣旨に背いた処分を行っている以上,当該処分が裁量権の範囲を逸脱する違法なものであることを認識できたはずである。また,本件処分1ないし7の後に提出された前記(3)イ(ウ)a記載の資料によれば,処分行政庁の判断が違法なものであることは明らかである。これらによれば,被告区の公務員が本件処分1ないし8を行ったこと及び当該各処分後も申請どおりの移動中介護の支給量を認めないことは,職務上通常尽くすべき注意義務を尽くすことなく漫然と行ったもので,国家賠償法上違法であり,また,過失も認められるというべきである。 (イ)原告が申請した1か月当たり124時間の移動中介護に要する介護料金と本件処分6及び7により認められた1か月当たり90時間の移動中介護に要する介護料金との差額及び精神的苦痛等の無形損害が被告区の公務員の違法行為による損害である。前者については,具体的な請求事務において1か月当たり124時間の請求しか認められないことから,上記124時間と90時間に通院に必要な外出23時間を加えた113 時間との差である1か月当たり9時間分が損害となり,その額は,移動中介護の加 月当たり124時間の請求しか認められないことから,上記124時間と90時間に通院に必要な外出23時間を加えた113 時間との差である1か月当たり9時間分が損害となり,その額は,移動中介護の加算額が1時間当たり約1000円であることから計算すると,平成19年1月から平成20年10月まで約19万8000円となる。 後者については,障害者の移動の自由が憲法13条に基づく重要な権利であり,原告の市民としての社会参加権,人格権が侵害されたこと,権利回復のために莫大な労力,活動を強いられてきたことの精神的苦痛等を総合的に評価すると100万円を下ることはない。前者については今後も増大していく一方で概算であることを踏まえ,原告は両者の合計の一部として100万円を請求する。 イ被告区の主張の要旨(ア)前記(3)アのとおり,本件処分1ないし8に違法な点はないし,また,被告区の公務員に過失もない。 (イ)重度訪問介護における介護費用が外出介護における移動中加算で1時間当たり約1000円加算されるとの原告の主張は否認する。障害程度区分ごと,利用した時間帯ごと及び利用した時間数ごとに,それぞれ段階的に加算があるため,一概にはいえない。 (5)争点(5)(本件各裁決の適法性)についてア被告都の主張の要旨(ア)裁決行政庁は,本件審査請求1ないし4に対し,所要の手続を経て,平成20年4月22日,本件各裁決を行ったが,本件審査請求1ないし4のうち,本件審査請求1ないし3並びに本件審査請求4のうち本件処分6及び7に係る部分を却下した理由は次のaないしdのとおりであって何ら違法な点はなく,その他本件各裁決を取り消すべき手続上の違法など裁決固有の瑕疵は存在しない。 a本件審査請求1について本件審査請求1の対象である本件処分1は,法律の規定に基づき処 であって何ら違法な点はなく,その他本件各裁決を取り消すべき手続上の違法など裁決固有の瑕疵は存在しない。 a本件審査請求1について本件審査請求1の対象である本件処分1は,法律の規定に基づき処 分行政庁の裁量の余地なく行われたものであり,従来の支給内容を継続するもので実質的には新たな処分とはいえないから,審査請求の対象とはならない。 b本件審査請求2について本件審査請求2の対象である本件処分2は,取消処分である本件処分6と支給決定処分である本件処分4によって,実質的に本件処分4に変更されたものと解することができるから,本件処分2の取消しを求める法律上の利益はなく,本件処分2の取消しを求める審査請求の利益も認められない。 c本件審査請求3について本件審査請求3の対象である本件処分3は,取消処分である本件処分7と支給決定処分である本件処分5によって,実質的に本件処分5に変更されたものと解することができるから,本件処分3の取消しを求める法律上の利益はなく,本件処分3の取消しを求める審査請求の利益も認められない。 d本件審査請求4のうち本件処分6及び7に係る部分について本件処分6及び7は,本件処分2及び3を取り消す旨の処分であるが,実質的には,同時に行われた新たな支給決定処分である本件処分4及び5と相まって本件処分2及び3をそれぞれ本件処分4及び5に変更するものであり,本件処分6及び7の取消しを求める法律上の利益はなく,本件処分6及び7の取消しを求める審査請求の利益も認められない。 (イ)a原告は,後記イ(ア)のとおり,本件各裁決の認定に事実誤認があると主張するが,事実認定の誤りは原処分の適法性に係る事由であり,裁決固有の瑕疵には当たらないので,主張自体失当である。 b原告は,後記イ(イ)のとおり,経過報告・事後報告も調査 認定に事実誤認があると主張するが,事実認定の誤りは原処分の適法性に係る事由であり,裁決固有の瑕疵には当たらないので,主張自体失当である。 b原告は,後記イ(イ)のとおり,経過報告・事後報告も調査結果の告 知もされずに不当,不公平な調査が行われ,それに対する反証の機会が与えられなかったことが適正手続違反である旨主張するが,行政救済手続である不服審査手続は,簡易迅速な手続により国民の救済を図ることを目的とする(行政不服審査法1条)から,司法手続のような厳格な手続が採られているわけではなく,また,不服審査手続において,職権主義を採るかどうか,どの程度当事者主義の要素を加味するかはその行政目的に照らして決められるものであり,職権主義を採ることが直ちに憲法31条の違反となるものではない。 c原告は,後記イ(ウ)のとおり,本件処分1がみなし支給決定であることから不服申立ての対象とならないとして,本件審査請求1を却下したことは違法である旨主張する。 しかし,後記イ(ウ)(a)については,本件処分1により,支給決定の有効期間(対象期間)の終期が変更されたのは,法令の定めによって一律に変更されたものであるから,本件処分1がみなし支給決定であるという性格に変更を加えるものではない。次に,同(b)①については,法の要件に該当する場合に一定の処分があったとみなされるとの規定(みなし処分)と法の要件に該当する場合に申請すれば申請が認められる決定がされるとの規定を同視する見解であるところ,前者は,法の規定自体で具体的な権利義務が発生するのに対し,後者は,行政庁の決定によって初めて具体的な権利義務関係が発生するものであるから,両者を同視するのは相当ではなく,同(b)②については,支給決定通知書が届かなければ契約手続等に支障を生ずることはあるかもしれな 庁の決定によって初めて具体的な権利義務関係が発生するものであるから,両者を同視するのは相当ではなく,同(b)②については,支給決定通知書が届かなければ契約手続等に支障を生ずることはあるかもしれないが,当該通知書は法律によって確定された権利義務の内容を紙面に表示しただけのもので,通知書の送付によって新たな権利義務が発生するものではなく,このことが,本件処分1がみなし支給決定であるという性格に変更を加えるものではない。また,同(c)に ついては,別件訴訟の判決は,みなし支給決定自体を取消訴訟の対象とすべきであるとまでは述べておらず,また,みなし支給決定の内容に不満がある者は障害者自立支援法24条に基づく支給量の変更申請を行うことができ,変更申請を却下する処分は取消訴訟の対象となるから,当該主張には理由がない。そして,同(d)については,行政不服審査法には教示の対象とならない行政庁の行為を誤って教示の対象となると教示した場合の救済規定は存在しないことからすれば,処分行政庁が誤った教示をしたとしても,それによって,本来不服審査の対象とならないものが不服審査の対象となるものではない。さらに,同(e)については,みなし支給決定に不服がある者は,障害者自立支援法24条に基づく支給量の変更申請をして,それに対する拒否処分を争う方法もあるから,司法審査が及ばなくなるということはない。 以上によれば,原告の上記各主張に理由はない。 d原告は,後記イ(エ)のとおり,新たな処分に瑕疵がある場合は,旧処分も審査対象としなければ行政不服審査制度の意義を没却する旨主張するが,行政不服審査制度の主眼は,不利益を受けた国民の権利利益の救済を図ることにあり,具体的な個人の権利利益の救済と離れて,行政運営一般の不正を糾弾しその是正を図ることにあるわけではないと 主張するが,行政不服審査制度の主眼は,不利益を受けた国民の権利利益の救済を図ることにあり,具体的な個人の権利利益の救済と離れて,行政運営一般の不正を糾弾しその是正を図ることにあるわけではないところ,本件では,変更後の処分を争うことで原告の権利利益の救済としては十分であるから,殊更に変更前の既に消滅した処分を争う利益はなく,原告の上記主張に理由はない。 e原告は,本件審査請求1につき,審査請求があった事実を処分行政庁に伝えず,審査請求書を送付せず弁明書の提出も求めなかったと主張する(後記イ(オ))が,本件処分1は,みなし支給決定であって,審査請求の対象外であったから,裁決行政庁は弁明書の提出がなくても却下の裁決をすることができると判断して,処分行政庁への通知や 弁明書の提出依頼をしなかったものであり,その手続に違法な点はない。行政不服審査法22条も審査庁への弁明書の提出につき,これを求めることができると規定するのみで,これを求めることを義務付けるものではない。なお,裁決行政庁の担当者は,処分行政庁の担当者に対し,本件審査請求1があったことを電話で伝えている。 f原告は,後記イ(カ)のとおり,裁決行政庁が,主張及び反論の応酬が尽きた後審査会を開催するまで約10か月にわたり審査請求手続を放置した旨主張するが,当該期間は,審査会への諮問の準備として,当事者の提出した書面の内容の検討や,不明な事実についての更なる調査など審査会の審理に必要な資料の収集や審査会に諮問する裁決案の作成に費やされたのであり,審査作業を放置していたわけではない。 また,行政事件訴訟法8条2項1号により,裁決を経なくても訴訟を提起することができるとされていること等からすれば,裁決が社会通念上相当の期間経過後に行われたことのみをもって当該裁決を違法であるとして た,行政事件訴訟法8条2項1号により,裁決を経なくても訴訟を提起することができるとされていること等からすれば,裁決が社会通念上相当の期間経過後に行われたことのみをもって当該裁決を違法であるとして取り消さなければ権利保護に欠けるとまでいうことはできないのであって,裁決が遅滞したことは裁決固有の瑕疵として取消しを求める事由には当たらない。 イ原告の主張の要旨(ア)本件各裁決においては,裁決行政庁の調査の対象期間(平成18年4月から平成19年10月まで)により,支給量の増量申請が認められなかった事例はない旨の事実認定をしているが,増量申請が認められなかった事例は現にあることからすれば,この点には事実誤認があり,この事実誤認は裁決行政庁の調査に基づくものであることからすれば,裁決固有の瑕疵である。 (イ)本件各裁決の審理手続において,裁決行政庁は,被告区に照会して月32時間を超える支給決定の有無の調査をしたとしているが,審査請 求人である原告側にはこの調査については何ら知らされなかった。不服審査の判断内容に関する重要な事項について一方当事者に知らせずに不当,不公平な職権調査が行われ,それについて反証の機会を付与しなかったことは,本来公平性が担保されるべき行政不服審査手続の在り方及び憲法31条その他の法令の精神に照らし,適正手続違反として,違憲,違法である。そして,本件では,その不公平な調査が上記(ア)の事実誤認につながり,それを理由の1つとして原処分を適法とする旨の裁決がされていることからすれば,この点は裁決固有の重大な瑕疵である。 行政不服審査の在り方として,処分庁側に一方的に肩入れしたと疑われるような審査方法,調査方法は厳に慎まれるべきであるところ,本件調査においては,①調査実施の事実を審査請求人に一切秘密にし,事前にも調 政不服審査の在り方として,処分庁側に一方的に肩入れしたと疑われるような審査方法,調査方法は厳に慎まれるべきであるところ,本件調査においては,①調査実施の事実を審査請求人に一切秘密にし,事前にも調査中にも調査後にも知らせておらず,平成19年11月と12月に調査が2回実施されているが,いずれの調査も同様のものであること,②審査請求人は審査会にかけることを除き審理は終了していると信じており,被告都担当者もそれを肯定するような態度をとっており,審査請求人に対する欺罔的な態度が見受けられたこと,③仮に職権探知による調査をするにしても,第三者に対する照会ではなく,対立構造にある不服審査手続の一方当事者にだけ証拠提出を再三促すことは審査の公平性を疑わせること,④処分行政庁から提出された資料の真実性の裏付けを取る作業は何もしていないこと,⑤一方当事者から提出された資料を他方当事者である審査請求人に開示していないことは,審査庁の職権探知権限の行使方法として不公平であり,その有する裁量権限を逸脱していること,⑥一方当事者から提出された資料に対する反証・反論の機会を与えないという不公平は,行政不服審査手続の在り方として致命的な誤りであること,⑦本件の裁決行政庁による不公平な職権調査の行使方法は,憲法31条の定める適正手続保障の精神からして違法,違憲である といった瑕疵が認められる。被告都は審査手続の簡易迅速性を強調するが,法の目的は簡易迅速な国民の救済であり,それに反する裁決行政庁の行為は法の趣旨に反する。また,現実には審査手続は著しく遅滞していた。行政不服審査法の趣旨が,行政の不当,違法な行為から市民の権利を救済することにある以上,職権調査,探知の行使は,情報収集力に劣る市民の調査力を補足する形で行われるのが本来であり,行政庁に肩入れした偏っ 不服審査法の趣旨が,行政の不当,違法な行為から市民の権利を救済することにある以上,職権調査,探知の行使は,情報収集力に劣る市民の調査力を補足する形で行われるのが本来であり,行政庁に肩入れした偏った調査方法は,憲法の適正手続の精神にかんがみれば,裁決行政庁の審査庁としての裁量権を逸脱する違法,違憲な調査方法である。 また,調査方法も,全体から見てごくわずかである32時間を超える支給の事例だけを集めていることが不合理である。しかも,当該調査に対する被告区からの回答は虚偽の内容であり,かつ,もし,その調査結果が原告側に示されていれば,原告側はその回答が虚偽であることを容易に指摘できたはずである。 (ウ)本件各裁決は,本件処分1が障害者自立支援法附則に基づくみなし支給決定であり,行政庁が何らかの処分を行うものではないから,本件処分1に対する審査請求は不適法である旨判断している。しかし,(a)本件処分1は,平成17年7月1日決定が支給期間を平成18年6月30日までとしていたものを平成18年9月30日までに変更しており,支給決定の内容の変更を伴うものであること,(b)①法に基づき当然に決定されるものが処分でないとすると,例えば生活保護決定が処分でないことになりかねないこと,②本件処分1は,障害者自立支援法に基づく外出介護という特殊な支給決定であり,一般の国民・障害者にとっては,行政庁から当該支給決定の通知が届かなければ,介護契約を締結することもサービス受給をすることも不可能であったことからすれば,国民の具体的な権利の範囲を示すものとして行政処分であると認められる こと,(c)平成18年4月1日から同年9月30日までの期間に対応する決定に対して法的に争うためには,障害者自立支援法に基づく平成18年4月1日以降の処分を争うほかないはずであ ると認められる こと,(c)平成18年4月1日から同年9月30日までの期間に対応する決定に対して法的に争うためには,障害者自立支援法に基づく平成18年4月1日以降の処分を争うほかないはずであるのに,それが同法附則の規定によるみなし支給決定であるから不服申立ての対象とならない旨の解釈は,平成17年7月1日決定についての訴えの利益が平成18年4月1日以降消滅するとした別件訴訟の判決の判断と矛盾抵触すること,(d)平成18年3月29日付け支給決定書には審査請求ができる旨の教示が記載されていること,(e)上記(c)のような解釈によると,平成18年4月1日から同年9月30日までの期間の支給につき司法審査が及ばなくなり,法の支配の原理に反し,憲法32条にも反することからすれば,本件処分1に対する審査請求を却下した本件各裁決には,裁決固有の瑕疵があるというべきである。この点,被告都は,本件処分1は,法律の規定に基づき処分行政庁の裁量の余地なく行われたもので,従来の支給内容を継続するものであるから,実質的には新たな処分とはいえないと主張しているが,裁量の余地のない羈束処分でも,処分である以上審査請求の対象となり得るはずである。この被告都の主張を本件処分1の決定の内容は行政庁の意思の作用によるものではないという趣旨のものと解したとしても,障害者自立支援法附則5条1項が支給決定があったものとみなしており,行政庁が支給決定をしたと擬制していることからすれば,そこに1つの行政決定を観念することができ,旧身体障害者福祉法に基づく支給決定が処分であるのと同様に,このみなし支給決定も処分であると解すべきである。 (エ)本件各裁決においては,本件審査請求2及び3について,本件処分4は本件処分2に比して利益的な変更を内容とするものであるから,本件処分4に ,このみなし支給決定も処分であると解すべきである。 (エ)本件各裁決においては,本件審査請求2及び3について,本件処分4は本件処分2に比して利益的な変更を内容とするものであるから,本件処分4により効果を失った本件処分2の取消しを求める法律上の利益はないとし,本件処分3についても本件処分5との関係で同旨を述べて いるが,このような解釈を採ることは,行政の違法を糾す目的を有する行政不服審査制度の意義を没却することになるというべきであり,新たな決定(本件処分4及び5)に瑕疵がある場合には,旧決定の瑕疵は治癒されておらず,その瑕疵を争うことができると解すべきところ,新たな処分が完全に旧処分を内包しているかの判断が難しい以上,旧決定自体の違憲性も審理の対象とすべきであり,本件処分2及び3に係る審査請求を却下した本件各裁決には,裁決固有の瑕疵があるというべきである。また,本件処分6及び7に係る審査請求についても,本件処分6は本件処分4と一体となっており,本件処分7は本件処分5と一体となっているものである以上,これらについても取消しの対象とする必要があり,本件処分6及び7に係る審査請求を却下した本件各裁決には裁決固有の瑕疵がある。 (オ)本件各裁決には,本件審査請求1について,裁決行政庁が処分行政庁に対し,審査請求が申し立てられた事実さえ伝えず,審査請求書を処分行政庁に送付せず,弁明書の提出も求めなかったという手続上の違法があり,この点は裁決固有の瑕疵である。 (カ)本件各裁決に係る審査請求の手続について,平成19年5月21日ころには双方の主張と反論は尽きていたにもかかわらず,裁決行政庁は,その後,平成20年3月ころまで審査会を開催せず,約10か月にわたり手続を放置したものであり,この点も裁決固有の瑕疵である。 第3当裁判所の判断 張と反論は尽きていたにもかかわらず,裁決行政庁は,その後,平成20年3月ころまで審査会を開催せず,約10か月にわたり手続を放置したものであり,この点も裁決固有の瑕疵である。 第3当裁判所の判断 本件に関する事実経過等について(1)本件処分1ないし8に係る事実経過等については,前記前提事実並びに後掲各証拠及び弁論の全趣旨を総合すると,次の事実が認められる。 ア本件処分1に至るまでの事実経過(全体につき,各掲記する証拠のほか,甲1) (ア)原告は,平成15年3月まで,「大田区心身障害者(児)ホームヘルプサービス事業実施要綱」(昭和58年3月29日付け洗祉発第348号助役決定。以下「ホームヘルプサービス事業実施要綱」という。甲31の3)及び「大田区全身性障害者介護人派遣サービス運用基準」(平成9年12月18日付け保福保発第1733号決定。以下「介護人派遣サービス運用基準」という。甲31の4)に基づき,身体障害者ホームヘルプサービス及び全身性障害者介護人派遣サービスの提供を受けていた。 なお,外出に伴う介護につき,ホームヘルプサービス事業実施要綱は3条2号カにおいて規定し,介護人派遣サービス運用基準は4(1)カにおいて規定していたが,いずれも外出に伴う介護を他の介護と併せて全体として提供することとしており,外出に伴う介護につき独立して支給量を定める旨の規定は存在していなかった。 原告が平成15年1月から同年3月までの間に受けていたサービスの内容は,次のaないしcのとおりである。(甲31の5の1ないし6,同31の6の1ないし7,同31の7の1ないし9,乙19)a平成15年1月身体障害者ホームヘルプサービス27時間全身性障害者介護人派遣サービス248時間合計275時間b平成15年2月身体障害者ホームヘルプサービ の7の1ないし9,乙19)a平成15年1月身体障害者ホームヘルプサービス27時間全身性障害者介護人派遣サービス248時間合計275時間b平成15年2月身体障害者ホームヘルプサービス27時間全身性障害者介護人派遣サービス224時間合計251時間c平成15年3月身体障害者ホームヘルプサービス86時間 全身性障害者介護人派遣サービス248時間合計334時間(イ)a原告は,平成15年3月3日,処分行政庁に対し,居宅生活支援費支給申請書を提出した。(甲31の1)b処分行政庁は,原告の居宅生活支援費に係る支給量を決定するに当たり,旧身体障害者福祉法17条の5第2項所定の事項を勘案し,原告に対する介護サービスの内容及び程度につき,居宅生活支援費制度の運用に関する関係諸基準が整備されるまでの間,原告が従前受けていた介護サービスの内容及び程度を下回らないよう配慮することを原則とし,その当時原告の日常生活動作が従前より低下していたため,1日当たりのサービス時間数をそれまでの11時間から14時間にした上,身体介護を伴う移動介護については,宗教活動のための外出を除き,原告の意向を尊重して従前の外出に伴う支給量を維持することとした。(弁論の全趣旨)c処分行政庁は,上記事項を勘案した結果,原告に対し,平成15年3月6日,以下の内容の身体障害者居宅生活支援費の支給決定をした。 (甲30の4の1,同31の2)支給する期間平成15年4月1日から平成16年3月31日まで居宅支援の種類身体障害者居宅介護支給量移動・身体介護有1か月当たり124時間日常生活支援1か月当たり310時間(ウ)a(a)原告は,平成15年12月2日,処分行政庁に対し,居宅支援のうち移動介護の支給量を日常生活支援の支給量に変更す 身体介護有1か月当たり124時間日常生活支援1か月当たり310時間(ウ)a(a)原告は,平成15年12月2日,処分行政庁に対し,居宅支援のうち移動介護の支給量を日常生活支援の支給量に変更するとともに,ADLの低下により夜間の介護が必要な場合に対応するために,日常生活支援の支給量を1日当たり2時間増やしてほしい旨の支給量変更申請書を提出した。(甲31の8) (b)P2係長は,平成15年12月2日,平成16年1月9日,同月13日及び同月27日,原告につき勘案事項の調査等をした。平成15年12月2日の調査の際の記録(甲31の26)には,原告の生活状況として,日中はほぼ毎日外出(通院(週1回),団体活動(P13連絡会),買い物,銀行,区役所,P15,野球観戦等)と記載され,平成16年1月9日及び同月13日の調査の際の記録(甲31の27)には,移動介護について,①通院が週1回で6時間程度,②区役所等(相談,まちづくり会議ほか)が週2回程度で1回当たり4時間程度,③障害者団体会合等(P13連絡会,P15等)が週2回程度で1回当たり5時間程度,④余暇活動ほか(スポーツ観戦,映画,その他)が週1回程度で6時間程度であり,本人からは週7日外出するとの申出があったが,上記(a)の申請の理由である最近の身体機能の低下等から週6日外出で算出という旨が記載され,同月27日の調査の際の記録(甲31の29)には,同年1月中は,比較的体調がよかったことから,ほぼ毎日外出しており,外出先は「P13連絡会(P4)」(弁論の全趣旨によれば,「○○連絡会」とあるのは誤記と認められる。)及び「P16会」(記録中には旧称とうかがわれる「P17会」の記載もある。)の障害者団体会合,通院,区役所・P1センター,P15,銀行・郵便局などである旨記載されている。 るのは誤記と認められる。)及び「P16会」(記録中には旧称とうかがわれる「P17会」の記載もある。)の障害者団体会合,通院,区役所・P1センター,P15,銀行・郵便局などである旨記載されている。(甲31の26ないし30・36)(c)原告は,平成16年2月27日,上記(a)の申請を取り下げた。 (甲31の10)b原告は,平成16年2月27日,処分行政庁に対し,日常生活支援の支給量を1日当たり16時間とする旨の支給量変更申請書を提出した。(甲31の11) cP2係長及びP1センター地域福祉課の職員であったP18は,平成16年3月2日,原告宅を訪れ,原告につき勘案事項の調査をした。 それを基に,P2は,同日付け「日常生活支援聴き取り票」(甲31の25)及び同月3日付け「支援費増量申請(P19)」と題する文書(甲31の24)を作成した。(甲31の24・25)平成16年3月2日付け「日常生活支援聴き取り票」の「5外出に関する支援(医療機関等への通院を除く)」の「(1)通院以外の社会生活上必要不可欠な外出に関する支援」欄には,郵便局及び銀行といった金融機関への外出等1か月当たり32時間12分を要する旨の記載があり,また,「(2)社会参加のため外出に関する支援」欄には,P4のための外出が1か月当たり46時間,「P16会」のための外出が1か月当たり24時間9分,野球観戦や映画等余暇のための外出が1か月当たり27時間36分で,合計1か月当たり97時間45分を要する旨の記載があった(甲31の20・25。なお,甲31の25(平成16年3月2日付け「日常生活支援聴き取り票」として提出されているもの)の「5外出に関する支援(医療機関等への通院を除く)」の欄には,記載の消去された痕跡は見受けられるものの,上記認定のような記載は残存していな け「日常生活支援聴き取り票」として提出されているもの)の「5外出に関する支援(医療機関等への通院を除く)」の欄には,記載の消去された痕跡は見受けられるものの,上記認定のような記載は残存していないが,後記(エ)aのとおり,平成16年3月29日付け「日常生活支援聴き取り票」(甲31の20)が,同月2日付けのものを基に作成されていることからすると,同月2日付けのものについても,その作成の時点では,同月29日付けのものと同様の内容が記載されていたものと認めるのが相当である。)。 d処分行政庁は,上記勘案事項の調査を踏まえ,1日当たり2時間の夜間介護の必要性を認めたことから,平成16年3月4日,原告に対し,上記(イ)cの決定の支給量を以下の内容に変更する旨の身体障害者支給量変更決定をした。(甲30の4の2,同30の5) 変更年月日平成16年3月1日支給量移動・身体介護有1か月当たり124時間日常生活支援1か月当たり372時間(エ)aP18は,平成16年3月29日,原告に係る勘案事項の調査のため原告宅を訪れたが,話は本件移動介護要綱に関するものに終始し,原告が調査を受けることを拒んだことから,調査をすることができなかった。 そこで,P18は,同月2日に行われた調査の時点と比べ原告に大きな変化がないものと判断し,上記(ウ)cの同日付け「日常生活支援聴き取り票」及び同月3日付け「支援費増量申請(P19)」と題する文書を基に,同月29日付け「日常生活支援聴き取り票」(甲31の20)及び同日付け「勘案事項整理票」(甲31の19)を作成した。(甲31の19・20・36)b原告は,平成16年3月31日,処分行政庁に対し,居宅生活支援費支給申請書を提出した。(甲31の12)c(a)処分行政庁は,上記aの勘案事項の調査を踏まえ した。(甲31の19・20・36)b原告は,平成16年3月31日,処分行政庁に対し,居宅生活支援費支給申請書を提出した。(甲31の12)c(a)処分行政庁は,上記aの勘案事項の調査を踏まえ,身体介護(通院介助1か月当たり23時間を含む。)に要する時間を1か月当たり344時間,家事援助に要する時間を1か月当たり78時間30分,夜間の見守りのために要する時間を1か月当たり41時間20分とそれぞれ算定した。(甲31の20)(b)また,処分行政庁は,上記aの勘案事項の調査において,原告が移動介護に係る支給量を算定するために必要な外出の具体的な状況等に関する聴き取りに応じなかったため,従前の原告の外出のほとんどが余暇活動等の社会参加のための外出に当たるものであったこと及び原告が従前どおりの外出の意欲や意向を示していたことを踏まえ,本件移動介護要綱6条2号ア所定の「余暇活動等の社会参 加のための外出」に係る支給量を32時間と算定し,また,本件移動介護要綱6条1号所定の「社会生活上必要不可欠な外出」に係る支給量を零と算定し,合計32時間を原告の移動介護に係る支給量として定めた。(甲31の20・36)d処分行政庁は,上記判断を踏まえ,平成16年3月31日,原告に対し,以下の内容の身体障害者居宅生活支援費の支給決定をした。 (甲30の4の3,同30の6の1)支給する期間平成16年4月1日から同年9月30日まで居宅支援の種類身体障害者居宅介護支給量移動・身体介護有1か月当たり32時間日常生活支援1か月当たり465時間e上記dの決定においては,原告の外出時の介護費用は,通院目的の外出の場合を除き,旧身体障害者福祉法に基づく居宅生活支援費(同法17条の4第1項)のうち,居宅介護支援費の移動介護が中心である場合(本件 記dの決定においては,原告の外出時の介護費用は,通院目的の外出の場合を除き,旧身体障害者福祉法に基づく居宅生活支援費(同法17条の4第1項)のうち,居宅介護支援費の移動介護が中心である場合(本件告示(前記第2の1(7))別表ニ)として算定・支給されていたが,医療機関等への通院を目的とする支援については,居宅介護支援費のうち日常生活支援が中心である場合(本件告示別表ホ)を適用して算定・支給されていた(本件移動介護要綱9条(前記前提事実(2)ア(ク)))。なお,障害者自立支援法の施行(平成18年4月1日)前までは,これらと同様の算定・支給の方法が継続的に採られていた。 (オ)a原告は,本件移動介護要綱及び同要綱に基づく上記(エ)dの処分の撤回等を求め,被告区担当者との間で平成16年4月23日,同年5月18日,同月25日,同年7月1日,同年9月27日に話合いをした。(甲20,30の20・21)b原告の処分行政庁に対する平成16年4月20日付けの要望書(甲 30の14)には,原告の移動介護について,①週4回のP4事務局会議への出席,②週3回の銀行等公的機関への外出,③週3回の障害者活動,④娯楽・映画鑑賞,⑤週3回ほど新宿に居住している障害者に会いに行くこと,⑥週2回の原告が主催している障害者の集まりのために必要である旨記載されている。(甲30の14)c処分行政庁は,原告の平成16年4月20日付けの公開質問状(甲30の13)に対する回答(甲30の16)において,余暇活動等社会参加のための外出については,週休2日制における区民の上記外出を1週間に1日8時間程度と想定し,これを社会的に相当な量と判断して,32時間としたものであるが,障害者団体の活動については本件移動介護要綱6条3号を適用し,一定量を加算し得る場合があるものと考え を1週間に1日8時間程度と想定し,これを社会的に相当な量と判断して,32時間としたものであるが,障害者団体の活動については本件移動介護要綱6条3号を適用し,一定量を加算し得る場合があるものと考えられるので,その内容等を詰める必要がある旨記載している。 (甲30の13・16)d原告は,平成16年5月24日付けの要求書で,上記cの回答書に対し,「自分だけが助かればよいなどという気持ちでこの問題に取り組んでおりません。」とした上で,本件移動介護要綱6条2号の定める支給量の上限を撤廃することなどを求めた。(甲30の17)(カ)aP3課長は,原告の上記(エ)dの処分に係る居宅生活支援費の支給期間が平成16年9月30日までであるにもかかわらず,原告が支給申請書を提出せず,また,勘案事項の調査にも応じなかったことから,原告に対し,同月9日,支給申請書を提出し勘案事項の調査に協力するよう文書をもって促した。(甲31の13・36)b処分行政庁は,原告から支給申請書が提出されず,勘案事項の調査にも応じなかったものの,原告の支給申請の意思を確認でき,また,原告の身体及び障害の状況や介護環境に大きな変化が認められなかったことから,平成16年3月2日に行われた勘案事項の調査結果を基 に,原告に対し,同年10月1日,以下の内容の身体障害者居宅生活支援費の支給決定をした。(甲30の4の4,同30の6の2,同31の36)支給する期間平成16年10月1日から同年12月31日まで居宅支援の種類身体障害者居宅介護支給量移動・身体介護有1か月当たり32時間日常生活支援1か月当たり465時間(キ)a処分行政庁は,原告の上記(カ)bの処分に係る居宅生活支援費の支給期間が平成16年12月31日までであるにもかかわらず,原告が支給申請書を提出し 時間日常生活支援1か月当たり465時間(キ)a処分行政庁は,原告の上記(カ)bの処分に係る居宅生活支援費の支給期間が平成16年12月31日までであるにもかかわらず,原告が支給申請書を提出しなかったことから,原告に対し,同月1日,支給申請書を提出するよう文書をもって促した。(甲31の14・36)b処分行政庁は,原告から支給申請書が提出されず,勘案事項の調査にも応じなかったものの,原告の支給申請の意思を確認できたことから,平成16年3月2日に行われた勘案事項の調査結果を基に,原告に対し,同年12月28日,以下の内容の身体障害者居宅生活支援費の支給決定をした。(甲30の4の5,同30の6の3,同31の36)支給する期間平成17年1月1日から同年3月31日まで居宅支援の種類身体障害者居宅介護支給量移動・身体介護有1か月当たり32時間日常生活支援1か月当たり465時間(ク)a処分行政庁は,原告の上記(キ)bの処分に係る居宅生活支援費の支給期間が平成17年3月31日までであるにもかかわらず,原告が支給申請書を提出しなかったことから,原告に対し,同年2月25日,支給申請書を提出するよう文書をもって促した。(甲31の15・3 6)b処分行政庁は,原告から支給申請書が提出されず,勘案事項の調査にも応じなかったものの,原告の支給申請の意思を確認できたことから,原告に対し,平成17年4月1日,以下の内容の身体障害者居宅生活支援費の支給決定をした。(甲30の4の6,同30の6の4,同31の36)支給する期間平成17年4月1日から同年6月30日まで居宅支援の種類身体障害者居宅介護支給量移動・身体介護有1か月当たり32時間日常生活支援1か月当たり465時間(ケ)a処分行政庁は,原告の上記(ク)bの 月1日から同年6月30日まで居宅支援の種類身体障害者居宅介護支給量移動・身体介護有1か月当たり32時間日常生活支援1か月当たり465時間(ケ)a処分行政庁は,原告の上記(ク)bの処分に係る居宅生活支援費の支給期間が平成17年6月30日までであるにもかかわらず,原告が支給申請書を提出しなかったことから,原告に対し,同年5月30日,支給申請書を提出するよう文書をもって促し,また,P3課長は,同年6月23日,支給申請書を提出し勘案事項の調査に応じるよう文書をもって促した。(甲31の16・17・36)b原告は,平成17年6月29日,処分行政庁に対し,居宅生活支援費支給申請書を提出し,勘案事項の調査に応じた。(甲31の18)cP2係長は,平成17年6月29日,原告につき勘案事項の調査を行い,その結果,同日付け勘案事項整理票(居宅生活支援費)(甲31の21,乙12)及び同日付け日常生活支援聴き取り票(甲31の22,乙12)を作成した。当該日常生活支援聴き取り票の「5外出に関する支援(医療機関等への通院を除く)」の「(1)通院以外の社会生活上必要不可欠な外出に関する支援」欄には,「銀行」,「区役所手続(生保他)」,「身障申請」及び「床屋」として1か月当たり合計10時間を要する旨の記載,「(2)社会参加のための外出に関する 支援」欄には,P4のために1か月当たり8回48時間,障害者雇用相談のために1か月当たり8回40時間,介護保障を求める運動のために1か月当たり6回45時間,学校依頼による協力のために1か月当たり1回6時間,その他36時間を要する旨の記載及び予定としては上記のとおり175時間となるが,重複時の調整や障害状況から外出困難もあり月平均は124時間となる旨の記載がそれぞれある。 (甲31の21・22・36, その他36時間を要する旨の記載及び予定としては上記のとおり175時間となるが,重複時の調整や障害状況から外出困難もあり月平均は124時間となる旨の記載がそれぞれある。 (甲31の21・22・36,乙12)dまた,上記日常生活支援聴き取り票添付の週間計画表には,原告の通院以外の外出時間として,月曜日の午後6時から午後10時までと火曜日ないし日曜日の午後2時から午後6時まで外出している旨記載され,月曜日の欄にはP4事務局(隔週)があるときは午後5時から午後11時ころになる旨,火曜日の欄には介護保障の会議,水曜日の欄には役所関係(国,都,区),木曜日の欄にはP4事務局や友人との交流等,金曜日の欄には就労相談,土曜日の欄には就労相談やその他会合,日曜日の欄には余暇活動等と記載され,介護計画は月単位でなく週単位で行っているので,予定表を変更しつつ対応する旨注記されている。(甲31の22,乙12)eさらに,平成17年6月29日付け「P19氏移動介護聞き取り調査(17.6.29)」と題する文書には,以下のとおりの記載があり,P20高等学校長からの社会科授業への協力依頼の文書及び「P21会」神奈川県連合会研修集会における神奈川県職員の講演レジュメが添付されている。(甲31の22,乙12)「*1P4・P4は東京,大阪で実施・P19氏はαの事務局「P13」(注・「○○」とあるのは誤記と認められる。)の副事務局長。会は障害者団体のみでな く,地域の仲間も加わっている。 ・会の目的は,「スポーツを通してノーマライゼーションを図る」こと・事務局の仕事は,事業実施のために後援の依頼(昨年度は東京都,大田区,品川区,目黒区,港区が後援している),呼びかけ(ポスター等の作製),広告依頼等,多岐にわたる。 ・当事業は10年前より実施して 事務局の仕事は,事業実施のために後援の依頼(昨年度は東京都,大田区,品川区,目黒区,港区が後援している),呼びかけ(ポスター等の作製),広告依頼等,多岐にわたる。 ・当事業は10年前より実施している。 ・P19氏は実施当初よりのメンバー・今年は10月22日にα大会をβ公園で実施予定・本事業を通じ,P22グループと相互交流を図っている。今年は8月8日にP23センターでスポーツ交流事業を実施予定・定例会は隔週月曜日,午後6時~10時頃その他事務局業務が月4回程度・時間数は1回6時間×月8回*2障害者雇用問題従事・P6組合(地域労組)の副委員長として,地域で生活していく障害者の生活や悩み,相談を聞くこと,労災や障害年金の相談を行うこと。 ・場所はγの事務所,または相談者の自宅等・報酬は出ていない。 ・時間数は1回5時間×月8回*3介護保障を求める運動・組織的には,P12組合(別添資料)が全国レベルであり,P33会が都レベルである。 ・会合は全国レベルの会議が国立で,都レベルの会合が府中・新宿である。 ・P19氏は区レベルでも独自に活動中。3障害をネットワーク化したい希望あり。 ・参加状況は国レベル会議に月3回,都レベル会議に月3回(大田区で実施するときは生活センター等を使用)程度ある。 ・時間数としては8時間×月3回(国立),7時間×月3回(府中,新宿)*4学校や自治体からの要請に基づくもの今年度実施したものとして・4月・・一橋大学ゼミよりの要請で講演(報酬等はなし)・5月・・神奈川県研修(P21会の一員として参加)(報酬等なし)・・別添資料・6月・・P20高校からの要請(報酬等なし)・・別添資料・時間数は1回6時間×月1回*5P5委員会(バリアフリー)・P9を中心に (P21会の一員として参加)(報酬等なし)・・別添資料・6月・・P20高校からの要請(報酬等なし)・・別添資料・時間数は1回6時間×月1回*5P5委員会(バリアフリー)・P9を中心に各種障害者団体が参加・会合は新宿,δ等・時間数は1回6時間×月1回*6議会等の傍聴等・国の厚生労働委員会の傍聴や都議会,区議会の傍聴。請願に係る活動・時間数は1回6時間×月3回*7友人との交流や余暇・友人との交流や映画鑑賞,野球観戦・時間数は1回6時間×月2回日程が重複したり,障害状況から出席できなくなることもあり,月平均として124時間程度の移動となる。」 f(a)処分行政庁は,上記勘案事項の調査を踏まえ,身体介護に要する時間(通院介助1か月当たり22時間を含む。)を1か月当たり327時間30分,家事援助に要する時間を1か月当たり96時間30分,コミュニケーション支援及び家電製品等の操作に対する支援に要する時間を1か月当たり31時間とそれぞれ算定した。(甲31の22,乙12)(b)また,処分行政庁は,通院以外の社会生活上必要不可欠な外出として,銀行に行くために1か月当たり4時間,区役所へ行くために1か月当たり4時間,散髪のために1か月当たり2時間と算定し,さらに,社会参加のための外出を1か月当たり32時間と算定した。 (甲31の22,乙12)g処分行政庁は,勘案事項の調査の結果,従前の移動介護の支給量には含まれていなかった本件移動介護要綱6条1号所定の「社会生活上必要不可欠な外出」が10時間分認められたものの,原告が同条3号所定の「特段の事情」の存在を認定し得る客観的な資料を提出せず,「特段の事情」の存否について判断することができなかったことから,従前の支給量である1か月当たり32時間に新たに認め の,原告が同条3号所定の「特段の事情」の存在を認定し得る客観的な資料を提出せず,「特段の事情」の存否について判断することができなかったことから,従前の支給量である1か月当たり32時間に新たに認められた10時間を加え,一方,日常生活支援に係る支給量を10時間控除し,平成17年7月1日,原告に対し,以下の内容の身体障害者居宅生活支援費の支給決定(平成17年7月1日決定)をした。(甲30の4の7,同30の6の5,同31の36,乙1,証人P3)支給する期間平成17年7月1日から平成18年6月30日まで居宅支援の種類身体障害者居宅介護支給量移動・身体介護有1か月当たり42時間日常生活支援1か月当たり455時間(コ)P2係長は,平成17年7月4日,原告に対し,電話で,P4の活 動のための外出に係る移動につき,本件移動介護要綱6条3号を適用して32時間を超える支給量を算定することについて前向きに検討したいとして,その可否について判断するための資料の提出を求めた。しかし,原告は,同月8日,本件移動介護要綱6条3号の適用及び上記資料の提出を拒否した。(甲20,31の36,証人P3)(サ)原告は,平成17年8月30日,東京地方裁判所に対し,上記(エ)d,(カ)b,(キ)b,(ク)b及び(ケ)gの各処分(以下「別件訴訟に係る各処分」と総称する。)のうち,原告の申請に係る移動介護の支給量の一部につき支給量として算定しないものとした部分の取消し等を求めて別件訴訟を提起した。(甲1)イ本件処分1から別件訴訟の判決言渡しに至るまでの事実経過(審査請求に係るものを除く。)(ア)a原告は,平成18年3月27日付けで,処分行政庁に対し,介護給付費支給申請書兼利用者負担額減額・免除等申請書を提出した。同申請書においては,申請するサー 過(審査請求に係るものを除く。)(ア)a原告は,平成18年3月27日付けで,処分行政庁に対し,介護給付費支給申請書兼利用者負担額減額・免除等申請書を提出した。同申請書においては,申請するサービスの種類等の欄に記載はなく,申請する減免の種類の欄の「月額負担上限額に関する認定」の「生活保護受給世帯」に丸印が付けられていた。(乙2)b処分行政庁は,平成18年3月29日付けで,原告に対し,介護給付費支給決定通知書兼利用者負担額減額・免除決定通知書と題する文書を送付した。同文書には,処分行政庁が,平成18年3月29日付けで,同年4月1日から同年9月30日までの期間に係る介護給付費について,1か月当たりの支給量を居宅介護の「日常生活支援」につき455時間,外出介護の「外出・身体介護有」につき42時間とする旨の支給決定をする旨記載されていた。(甲11,30の71の1,乙3)c平成18年4月1日,障害者自立支援法が施行され,同法附則5条 1項及び同法施行令附則5条6項,同条7項の規定により,原告は,上記ア(ケ)gの支給決定(平成17年7月1日決定)のうち外出介護に該当するものを除く部分と同一の内容で,居宅介護に係る介護給付費の支給決定を受けたものとみなされ,上記ア(ケ)gの支給決定(平成17年7月1日決定)のうち外出介護に該当する部分と同一の内容で,外出介護に係る介護給付費の支給決定を受けたものとみなされ,障害者自立支援法施行規則(平成18年厚生労働省令第168号による改正前のもの)15条の規定により,支給決定の有効期間の終期は平成18年9月30日となり,これによって,原告は,同年4月1日付けで,上記bの通知と同一内容の介護給付費の支給決定を受けたものとみなされた(本件処分1)。(顕著な事実)dなお,上記cのとおり,本件処分 年9月30日となり,これによって,原告は,同年4月1日付けで,上記bの通知と同一内容の介護給付費の支給決定を受けたものとみなされた(本件処分1)。(顕著な事実)dなお,上記cのとおり,本件処分1は,その支給内容において,平成17年7月1日決定と同一の内容のものとなったため,通院以外の目的の外出に係る介護給付費は外出介護に係る介護給付費の支給決定の対象となり,通院目的の外出に係る介護給付費は,居宅介護に係る支給決定の対象となった。(弁論の全趣旨)(イ)a原告らは,平成18年7月10日,P1センターを訪れ,P3課長及びP2係長と面談した。その際,P3課長は,原告に対し,同年10月からの障害者自立支援法に基づく介護給付のための調査を早くしたい旨伝えた。 b原告らは,平成18年7月11日,P1センターを訪れ,P2係長と面談した。その際,P2係長は,移動介護について,「その他区長が認めるもの」(本件重度訪問介護要綱7条2項に相当するものと考えられる。)の適用の検討をするための資料の提出を求めた。 c原告らは,平成18年7月13日,P1センターを訪れ,P3課長及びP2係長と面談した。原告らは,自立支援法の調査を受けたいが, 基準が決まっていない中では受けられない旨告げた。これに対し,P3課長は,原告に対し,何とか調査に応じてほしい旨伝えた。 (以上につき,甲20)(ウ)a原告は,平成18年8月30日ころ,処分行政庁に対し,介護給付費支給申請書兼利用者負担額減額・免除等申請書を提出した。同申請書には,申請するサービスの種類等の欄に,居宅サービスの日常生活支援を1日20時間,外出介護を1日4時間として1日24時間常時介護とする給付を申請する旨,変更の理由欄に,添付の医師の意見書にあるように夜間の介護及び見守りが全面的に必要なため等 ービスの日常生活支援を1日20時間,外出介護を1日4時間として1日24時間常時介護とする給付を申請する旨,変更の理由欄に,添付の医師の意見書にあるように夜間の介護及び見守りが全面的に必要なため等とそれぞれ記載され,○により夜間の介助又は介護が必要である旨の診断書が2通添付されている。(乙4)b(a)P2係長は,平成18年8月30日及び31日,原告に対する勘案事項調査を行い,その結果,同月30日・31日付けの勘案事項整理票(居宅生活支援費)及び日常生活支援聴き取り票(いずれも乙13)を作成した。当該日常生活支援聴き取り票の「5外出に関する支援(医療機関等への通院を除く)」の欄には,上記ア(ケ)cの平成17年6月29日付けの日常生活支援聴き取り票(甲31の22,乙12)とほぼ同一の記載がある。また,上記平成18年8月30日・31日付け日常生活支援聴き取り票添付の週間計画表には,上記ア(ケ)dの週間計画表(甲31の22,乙12)と同一の記載がある。 (b)勘案事項調査において,原告からは,P24を装着し,○の治療を行いたい旨の意向が示された。 (以上につき,甲31の22,乙12,13,32,証人P3)c(a)処分行政庁は,上記勘案事項の調査を踏まえ,身体介護に要する時間(通院介助1か月当たり22時間20分を含む。)を1か月 当たり327時間30分,家事援助に要する時間を1か月当たり96時間30分,コミュニケーション支援及び家電製品等の操作に対する支援に要する時間を1か月当たり31時間,見守りに要する時間を1か月当たり247時間とそれぞれ算定した。(乙13,証人P3)(b)また,処分行政庁は,上記勘案事項の調査を踏まえ,通院以外の社会生活上必要不可欠な外出として,銀行に行くために1か月当たり4時間,区役所へ行くために それぞれ算定した。(乙13,証人P3)(b)また,処分行政庁は,上記勘案事項の調査を踏まえ,通院以外の社会生活上必要不可欠な外出として,銀行に行くために1か月当たり4時間,区役所へ行くために1か月当たり4時間,散髪のために1か月当たり2時間と算定し,さらに,社会参加のための外出を1か月当たり32時間と算定した。(乙13)d処分行政庁は,上記勘案事項の調査を踏まえ,原告の就寝中の介助の必要性を認めたことから,平成18年9月21日,原告に対し,本件処分1の対象期間の一部の支給量を増量し,障害者自立支援法に基づく同月1日から同月30日までの期間に係る介護給付費について,1か月当たりの支給量を以下の内容に変更する旨の決定処分(本件処分2)をした。(乙5,32,丙3,証人P3)サービスの種類並びに支援の内容及び支給量居宅介護日常生活支援1か月当たり702時間外出介護外出・身体介護有1か月当たり42時間なお,乙第5号証及び丙第3号証の通知書は,支給決定通知書という表題であるが,上記の決定処分の内容によれば,本件処分2は,同通知書の表題にかかわらず,本件処分1の内容の一部を変更する旨の障害者自立支援法24条2項に基づく支給決定の変更決定であることが明らかである。 (エ)a原告は,平成18年8月31日,処分行政庁に対し,介護給付費支給申請書兼利用者負担額減額・免除等申請書を提出した。同申請書 には,申請するサービスの種類等の欄(添付の別紙を含む)に,日常生活介護として1か月当たり598時間,通院を目的とした外出移動介護として1か月当たり22時間,それ以外の外出移動介護として1か月当たり124時間の給付(計744時間で1日24時間となる。)を申請する旨記載されていた。(乙6)b(a)P2係長は,平成18年9月27日,原 月当たり22時間,それ以外の外出移動介護として1か月当たり124時間の給付(計744時間で1日24時間となる。)を申請する旨記載されていた。(乙6)b(a)P2係長は,平成18年9月27日,原告に対する勘案事項調査を行い,その結果,同日付けの勘案事項整理票及び重度訪問介護聴き取り票(いずれも乙14)を作成した。当該重度訪問介護聴き取り票の「5外出時における移動中の介護(移動中介護加算)の算定」の「(1)通院を目的とした外出」欄には,「P25」及び「P26センター」への通院に1か月当たり合計22時間20分を要する旨の記載,「(2)通院以外の社会生活上必要不可欠な外出」欄には,「銀行」,「役所」及び「床屋」として1か月当たり合計10時間を要する旨の記載(上記ア(ケ)cの(1)欄の記載とほぼ同一である。),「(3)社会参加のための外出」欄には,P4のために1か月当たり8回48時間,障害者雇用相談のために1か月当たり8回40時間,介護保障を求める運動のために1か月当たり6回45時間,学校依頼による協力のために1か月当たり1回6時間,その他36時間を要する旨の記載(上記ア(ケ)cの(2)欄の記載とほぼ同一である。)並びに予定であり重複時は調整する旨及び障害状況から外出困難もあり本人の希望は1か月124時間である旨の記載がそれぞれある。また,上記同日付け重度訪問介護聴き取り票添付の週間計画表には,上記ア(ケ)dの週間計画表(甲31の22,乙12)と同一の記載がある。(乙14)(b)勘案事項調査に先立ち,平成18年9月25日,原告らから,P2係長に対し,本件処分2が1か月744時間(1日24時間) のうち外出介護時間以外のすべての時間を居宅介護の日常生活支援の対象としたことにつき,結果的に原告が外出介護を受けられなくなってしま 2係長に対し,本件処分2が1か月744時間(1日24時間) のうち外出介護時間以外のすべての時間を居宅介護の日常生活支援の対象としたことにつき,結果的に原告が外出介護を受けられなくなってしまい,日常生活支援の時間は本人の意向を上回っている旨の申入れがあった。(甲20)c(a)処分行政庁は,上記勘案事項の調査を踏まえ,身体介護に要する時間を1か月当たり307時間,家事援助に要する時間を1か月当たり95時間30分,コミュニケーション支援及び家電製品等の操作に対する支援に要する時間を1か月当たり31時間,見守り等に要する時間を1か月当たり248時間とそれぞれ算定した。(乙14)(b)また,処分行政庁は,上記勘案事項の調査を踏まえ,通院を目的とした外出の時間を22時間20分,通院以外の社会生活上必要不可欠な外出として,銀行に行くために1か月当たり4時間,区役所へ行くために1か月当たり4時間,散髪のために1か月当たり2時間と算定し,さらに,社会参加のための外出を1か月当たり32時間と算定した。(乙14)d処分行政庁は,勘案事項の調査の結果,原告が就寝中はP24を着用する必要があり,引き続き就寝中の介護の必要性が認められ,また,上記b(b)の申入れがあったことから,上記(ウ)dの支給量よりも支給量を82時間(原告が求めていた移動中加算の支給量124時間と実際の移動中加算の支給量42時間との差である。)減らして,平成18年9月29日,原告に対し,同年10月以降の新たな対象期間について,以下の内容の介護給付費の支給決定(本件処分3)をした。 (甲7,乙7,32,丙4,証人P3)対象期間平成18年10月1日から平成20年2月29日まで サービスの種類重度訪問介護支援の内容及び支給量1か月当たり662時間(移動中介護6 。 (甲7,乙7,32,丙4,証人P3)対象期間平成18年10月1日から平成20年2月29日まで サービスの種類重度訪問介護支援の内容及び支給量1か月当たり662時間(移動中介護65時間)e障害者自立支援法に基づく重度訪問介護に係る介護給付費に関しては,外出時の移動介護については,支給決定で定められた支給量の範囲では,通常の介護給付費に,移動中介護加算として加算されることとなり,支給決定においても,移動中介護を含む支給量全体につき重度訪問介護の支給量として決定され,そのうち,移動中介護加算を認める範囲の支給量につき移動中介護の支給量として決定されている。 (弁論の全趣旨)また,障害者自立支援法に基づく重度訪問介護に係る介護給付費については,旧身体障害者福祉法に基づく支援費の場合と異なり,通院のための外出も上記の移動中加算の中で算定・支給される(本件重度訪問介護要綱2条5項参照)。(乙17)ウ別件訴訟の判決言渡し以後の事実経過(審査請求に係るものを除く。)(ア)平成18年11月29日,東京地方裁判所において,別件訴訟の判決の言渡しがされ,同年12月14日,同判決は控訴期間の満了により確定した。別件訴訟において,原告は,被告区を被告として,処分行政庁が平成16年3月31日付け,同年10月1日付け,同年12月28日付け,平成17年4月1日付け及び同年7月1日付け(上記ア(ケ)gの平成17年7月1日決定)でそれぞれした旧身体障害者福祉法に基づく身体障害者居宅生活支援費の各支給決定処分のうち,居宅支援費の「移動介護・身体介護有」の1か月当たりの支給量「32時間」又は「42時間」を超える部分について支給量として算定しないものとした部分の取消しを求めるとともに,これを支給量として算定する旨の処分及びその算定に基づく居宅 有」の1か月当たりの支給量「32時間」又は「42時間」を超える部分について支給量として算定しないものとした部分の取消しを求めるとともに,これを支給量として算定する旨の処分及びその算定に基づく居宅支援費の増額分の支払の義務付け,本件移動 介護要綱の定めの違法確認並びに国家賠償法1条1項に基づく損害賠償を求めていたところ,同判決は,障害者自立支援法の施行により訴えの利益は失われたとして,原告の訴えのうち上記取消し,義務付け及び違法確認を求める訴えを却下し,損害賠償請求を棄却したものである。このように,別件訴訟の判決は,別件訴訟に係る各処分の取消し等を求める訴えのうち,一部の訴えを却下し,その余の訴えに係る請求を棄却したものの,判決理由中で,別件訴訟に係る各処分の適法性に関して,(a)社会生活上必要不可欠な外出について,これを0時間と算定したことにつき,処分行政庁が,原告が社会生活上必要不可欠な外出をしていたことを認識していたにもかかわらず,これを処分に当たり考慮しなかったことは裁量権の範囲を逸脱したものであり,また,(b)余暇活動等の社会参加のための外出について,①本件移動介護要綱6条2号により支給量が月32時間以内と定められ,同条3号により,特段の事情により区長が必要と認める場合は月32時間を超える支給量を算定することができるものとされていることにつき,旧身体障害者福祉法及びその関係法令は,いかなる場合にいかなる支給量を定めるかということを各身体障害者ごとに個別に判断することを求めているものと解するのが相当であるところ,本件移動介護要綱6条3号の「特段の事情」の有無の判断が厳格に行われる場合には,それまで必要として支給されてきた移動介護に係る支給量が激減することになる者が現れることも考えられるから,そのような事態は,旧身体障 綱6条3号の「特段の事情」の有無の判断が厳格に行われる場合には,それまで必要として支給されてきた移動介護に係る支給量が激減することになる者が現れることも考えられるから,そのような事態は,旧身体障害者福祉法等の趣旨に反するものといわざるを得ず,余暇活動等の社会参加のための外出に関する移動介護に係る支給量を,一律に原則として1か月当たり32時間以内とし,32時間を超えることができるのは処分行政庁が「特段の事情」があると認めた場合に限るものとする旨の本件移動介護要綱を定め,これに基づいて処分行政庁が余暇活動等の社会参加のための外出に関する移動介護に 係る支給量を決定することは,少なくとも,当該決定によってそれまで必要として支給されてきた移動介護に係る支給量が激減することとなる障害者についてこれを行う限りにおいては,裁量権の範囲を逸脱し,又は濫用したものとして違法となるというべきであり,②原告は,平成15年3月6日付けの身体障害者居宅生活支援費の支給決定(上記ア(イ)c)においては,移動介護として1か月当たり124時間支給されており,平成16年3月31日までと同年4月1日以降において原告の生活に特段の変化があったことはうかがわれないのであるから,原告は,同月以降も上記支給決定と同程度の移動介護に係る支給量を必要としていたものと認められるところ,本件移動介護要綱に従うことによって,原告については,それまで必要として支給されてきた移動介護に係る支給量が約4分の1又は3分の1に激減することとなる以上,このような激減を伴う同要綱に基づく支給量の決定は,処分行政庁が有する裁量権の範囲を逸脱したものといえるから,(c)別件訴訟に係る各処分は,裁量権の範囲の逸脱による違法な処分というべきものである旨判示した。 (甲1,2)(イ)原告は,処分行 は,処分行政庁が有する裁量権の範囲を逸脱したものといえるから,(c)別件訴訟に係る各処分は,裁量権の範囲の逸脱による違法な処分というべきものである旨判示した。 (甲1,2)(イ)原告は,処分行政庁に対し,平成18年12月21日付けの判決確定通知書と題する書面を送付し,移動中介護の支給量を原告が求めていた1か月当たり124時間と通院のための外出に係る1か月当たり23時間の合計である1か月当たり147時間に戻す処分を強く求める旨,別件訴訟判決では,1か月当たり32時間という上限を定める要綱自体が法の趣旨に反するものとして厳しく批判されており,本件重度訪問介護要綱及び大田区障害者自立支援条例施行規則の移動中介護の支給量の上限に係る定めを直ちに撤廃することを求める旨通知した。(甲4,5)(ウ)別件訴訟の判決を受けて,被告区では,本件移動介護要綱と同様の 考え方に基づいてほぼ同様の規定を設けている本件重度訪問介護要綱を改定することとし,個々の事情に応じて必要な時間数を算定することができること(月32時間が上限ではなく,必要に応じて更に加算が可能であること)を文言上でも明確にするため,平成18年12月27日付けで,前記前提事実(2)ウのとおりの改定をし,平成19年1月1日から施行することとした。もっとも,被告区においては,社会参加のための外出に対する標準的な支給量としての月32時間の定めについて,①別件訴訟の判決も申請時間のすべてを支給しなければならないものではない旨判示しているとおり,予算の制約があるから,申請者の意向どおりの支給量をすべて認めることはできないこと,②別件訴訟の判決は,何を参考に標準時間を定めるべきであるか及び標準時間として何時間程度が適当であるかについては何ら判示していないこと,③健常者の余暇活動時間に変わっ べて認めることはできないこと,②別件訴訟の判決は,何を参考に標準時間を定めるべきであるか及び標準時間として何時間程度が適当であるかについては何ら判示していないこと,③健常者の余暇活動時間に変わって,社会参加のための外出の標準的支給量を定めるのに参考となる資料は存在しないこと,④重度訪問介護の適用を受けている障害者33名のうち,原告を除く32名についての社会参加のための外出は月32時間の範囲にとどまっていることからすると,なお一定の合理性は有していると考え,月32時間という時間数自体の改正は見送った。(乙17,18,32,証人P3)(エ)a別件訴訟の判決及び上記(ウ)の本件重度訪問介護要綱の改定を踏まえ,処分行政庁は,本件処分2及び3を見直すこととし,平成19年1月12日,本件処分2及び3を取り消す処分(本件処分6及び7)をした。(甲8,乙8,9,32,丙5,証人P3)b処分行政庁は,本件処分2の支給量変更の対象となった期間(平成18年9月1日から同月30日)の外出介護の支給量及び本件処分3の支給期間(平成18年10月1日から平成20年2月29日まで)の移動中介護の支給量につき,被告区においてこれまでの調査で把握 していた原告の移動内容に基づき,次のような検討をした。(乙32,証人P3)(a)P4P4は,被告区が後援した実績のある催しであるので活動実態があることは明らかである上,処分行政庁は原告が現に事務局長としてその活動に参画していることも把握しており,また,別件訴訟の判決もP4を支給すべき例として明示していたことから,P4への参加時間数については,支給量を加算することとする。 (b)学校や自治体からの要請に基づく講演等について講演活動は,特定の団体のために定期的に行われているものではなかったため,各講演ごとに 4への参加時間数については,支給量を加算することとする。 (b)学校や自治体からの要請に基づく講演等について講演活動は,特定の団体のために定期的に行われているものではなかったため,各講演ごとに変更申請を受け,依頼文等を確認して,支給の適否を検討することとする。 (c)障害者雇用相談,介護保障を求める運動,P5委員会等の活動に関する外出について原告から聴き取った情報しかなく,団体の活動の実態及び団体に対する原告の関与の仕方も明らかではなかったため,今後,団体の組織,活動内容,団体と原告とのかかわり合い等を確認できた段階で,その支給の適否を検討することとする。 (d)野球観戦や映画鑑賞に係る外出標準として定めた支給量で対応可能であり,加算はしないこととする。 c処分行政庁は,上記bの検討結果を踏まえ,また,それまでの調査等の際,原告が,被告区も後援して活動実態を把握しているP4のための活動に1か月当たり48時間程度要する旨ほぼ一貫して述べており,現に事務局長としてその活動に参画していることも把握していたことから,本件処分2において支給量変更の対象となった期間の外出 介護の支給量につき,P4のための活動に係る48時間を加算することとし,平成19年1月12日,原告に対し,本件処分1の内容の一部を変更し,障害者自立支援法に基づく平成18年9月1日から同月30日までの期間に係る介護給付費につき,1か月当たりの支給量を以下の内容に変更する旨の決定処分(本件処分4)をした。(乙10,32,丙6,証人P3)サービスの種類並びに支援の内容及び支給量居宅介護日常生活支援1か月当たり654時間外出介護外出・身体介護有1か月当たり90時間なお,乙第10号証及び丙第6号証の通知書は,支給決定通知書という表題であるが,上記の決定処分 支給量居宅介護日常生活支援1か月当たり654時間外出介護外出・身体介護有1か月当たり90時間なお,乙第10号証及び丙第6号証の通知書は,支給決定通知書という表題であるが,上記の決定処分の内容によれば,本件処分4は,実質的には本件処分2と同様の性質を有するものであり,上記イ(ウ)dで本件処分2について説示したところと同様,本件処分1の内容の一部を変更する旨の障害者自立支援法24条2項に基づく支給決定の変更処分であることが明らかである。 dまた,処分行政庁は,上記cと同様の検討結果を踏まえ,本件処分3の対象期間の移動中介護加算の支給量につき,P4のための活動に係る48時間を加算することとし,平成19年1月12日,原告に対し,以下の内容の介護給付費の支給決定(本件処分5)をした。(甲6,乙11,32,証人P3)対象期間平成18年10月1日から平成20年2月29日までサービスの種類重度訪問介護支援の内容及び支給量1か月当たり710時間(移動中介護113時間)(オ)原告らは,平成19年3月9日,P1センターを訪れ,P3課長及 びP2係長と面談した。その際,P3課長は,原告らに対し,本件重度訪問介護要綱の基準を上回る支給を検討するための,疎明資料,スケジュール表等の提出を求めた。原告の支援者からは,これから各団体に資料を求めるので,提出まで1週間は必要である旨返答があった。(甲20)(カ)a原告は,平成19年3月14日,処分行政庁に対し,介護給付費支給変更申請書兼利用者負担額減額・免除等変更申請書を提出した。 同申請書には,変更の理由として,本件移動介護要綱の見直しに伴い移動中介護124時間と通院移動23時間の計147時間に戻してほしい旨,○の治療を中止するものの,夜間介護が必要なので24時間の見守り介護を 書には,変更の理由として,本件移動介護要綱の見直しに伴い移動中介護124時間と通院移動23時間の計147時間に戻してほしい旨,○の治療を中止するものの,夜間介護が必要なので24時間の見守り介護を含む常時介護を認めてほしい旨記載されていた。また,上記申請書の提出時,原告らからは,移動介護の必要性に関する資料を準備している旨の話があった。(甲20,乙22)b(a)P3課長とP2係長は,平成19年3月20日,原告に対する勘案事項調査を行い,その結果,同日付けの勘案事項整理票及び重度訪問介護聴き取り票(いずれも乙23の1)を作成した。(乙23の1,同32)(b)当該重度訪問介護聴き取り票の「5外出時における移動中の介護(移動中介護加算)の算定」の「(1)通院を目的とした外出」欄には,「P27病院」,「P25」及び「P26センター」への通院に1か月当たり合計23時間を要する旨の記載,「(2)通院以外の社会生活上必要不可欠な外出」欄には,「銀行」,「身障申請相談」,「生保申請相談」及び「床屋」として1か月当たり合計10時間を要する旨の記載,「(3)社会参加のための外出」欄には,P4のために1か月当たり8回48時間,その他社会参加余暇活動のために32時間を要する旨の記載がそれぞれある。また,上記重度訪 問介護聴き取り票添付の週間計画表には,1週間のうちの毎日の午後2時から午後6時までについて「外出(通院,必要不可欠,P4,その他社会参加-計113時間/月)」という記載がされ,日ごとに生活パターンに違いがある旨注記されている。(乙23の1)(c)上記重度訪問介護聴き取り票に添付された「P19氏の外出状況」という文書には19年3月20日,本人より外出状況についての資料提出を受け,以下のとおり詳細を確認したとして,次のような記載が (c)上記重度訪問介護聴き取り票に添付された「P19氏の外出状況」という文書には19年3月20日,本人より外出状況についての資料提出を受け,以下のとおり詳細を確認したとして,次のような記載がある。(乙23の1)「1P4(P14)…別添資料1主開催場所ε又は品川(1)内容10月にP4を実施(β)する他,正月に餅つきに(2)始まり,阪神大震災チャリティー,障害者コンサート,夏には米国自立生活運動との連携,秋には文化祭,大阪のP4実行委員会との交流等,年間を通じてイベントがある。参加者は大田,品川,目黒の地域の障害者を中心に健常者も含めて各種団体,学校等に呼びかけを行なっている。障害者同士,障害者と健常者,障害者と他民族がともに歩んでいくことを目的としている。 開催日(3)①定例会…毎週月曜日,午後6時30分~9時30分(自宅を5時30分に出,10時30分頃に帰宅。合計5時間)②打合せ…毎週水曜日又は木曜日,時間帯は定例会に同じ内容…参加団体や学校との打合せが中心。時間は相手方の都合もあり,日中の場合もある。 月に要する時間1回5時間×週2回×4.6=46時間(4) 程度 P6組合…別添資料2主開催場所γ(1)内容地域の労働組合に障害者の立場として無償で参加(2)(副委員長)し,P28の障害者作業所(身体,知的,精神の民間や公立の作業所)等を訪問し,又は組合事務所で,仕事をはじめ,生活全般についての相談をし,情報交換を行なう。専門分野の相談については,個別状況によりP19氏のネットワークを活用して専門機関等を紹介したり,個別情報の提供を行なう活動を実施している。相談は組合員に限定せず,訪問先等の全ての障害者に対して応じている。(組合に資料をお願いしているが,19.3.20現在では別添 て専門機関等を紹介したり,個別情報の提供を行なう活動を実施している。相談は組合員に限定せず,訪問先等の全ての障害者に対して応じている。(組合に資料をお願いしているが,19.3.20現在では別添パンフのみ)開催日(3)①定例…毎週金曜日午後3時~午後6時(自宅を2時に出,7時帰宅:合計5時間)②諸活動(施設訪問や事務所での相談)…毎週金曜日基本は定例と同じであるが,相談相手の都合によりずれることがある。 月に要する時間1回5時間×週2回×4.6=46時間(4)程度 P5委員会…別添資料3主開催場所新宿,ζ(1)内容P9と連携し,障害者の各種交通問題福祉の向上の(2)ために活動している。 開催日(3)①事務局会議月2回の土曜日(仕事を持っている人もあるため)午後1時30分~午後5時30分(自宅を12時30分に出,午後6時30分頃に帰宅:合計6時間)②交通機関との話し合いや啓発…基本は事務局会議と同じであるが,相手の都合等によりずれることがある。 月に要する時間1回6時間×週1回×4.6=27時間(4)36分程度 P32運動…別添資料4主開催場所ε他(1)内容区内の障害者と連携し交通バリアフリー等の運動を(2)進めている。主な実績としてはε駅エレベーターの設置やη線の落下防止柵設置がある。これら障害者生活向上のため,署名活動,関係機関や議会,区などに対する要望,話し合い等を行なっている。また,地域で生活する障害者の生活相談も行なっている。 活動日毎週木曜日の午後6時30分~9時30分(自宅(3)を5時30分に出,10時30分頃に帰宅:合計5時間)を中心に活動している。 月に要する時間1回5時間×週1回×4.6=23時間(4)程度 介護保障を求める運動…別添 時30分(自宅(3)を5時30分に出,10時30分頃に帰宅:合計5時間)を中心に活動している。 月に要する時間1回5時間×週1回×4.6=23時間(4)程度 介護保障を求める運動…別添資料5主開催場所国立,府中,新宿等(1)内容在宅障害者の相互交流の会。他団体との交流やビラ(2)撒き等の活動。全国的組織(全国介護保障要求者組 合)の東京での活動団体活動日全国レベル,都レベルの活動を主に火曜日中心に(3)行なっている。時間は不定期であるが午後を中心に1回6~8時間の活動。 月に要する時間1回6時間×週1回×4.6=27時間(4)36分 余暇活動・主に日曜日・映画鑑賞(月2回程度,1回5時間程度×2=10時間),野球観戦(月1回程度,1回6時間程度),コンサート(月1回程度,1回6時間程度),ショッピング(月2回程度,5時間程度1回×2回=10時間)・月に概ね32時間程度 その他・1~6の単純合計時間202時間となるが,スケジュール重複も多く,障害状況もあることから,必要不可欠な外出も含めて最低1日平均4時間程度の外出を行なっている(通院は別途)。」(d)また,上記(c)の書面には,原告から提出された,①第○回P29大会プログラム,②P14ニュースレター,③マラソン通信,④P6組合パンフレット,⑤P5委員会作成の「P19氏の移動介助の時間数増量のお願いと当会での活動証明」と題する文書(原告が事務局会議に月2回,実行委員会に月1回,自主的な交通バリアフリー環境調査などに月数回,同会の活動・交渉会に年に数回の参加をしている旨の記載がある。),⑥P32会の活動内容を記載した文書(活動が月2回の定例会,月数回又は適時の交渉,バリアフ リー点検,相談会などとする記載がある。), 活動・交渉会に年に数回の参加をしている旨の記載がある。),⑥P32会の活動内容を記載した文書(活動が月2回の定例会,月数回又は適時の交渉,バリアフ リー点検,相談会などとする記載がある。),⑦P12組合の要求者組合通信,⑧同組合の「執行委員会議題」と題する文書2通(2月27日付けのものと3月13日付けのもの),⑨同組合の「組合からのお知らせ」と題する文書4通(3月7日に立川市との交渉がある旨,3月8日に執行委員会がある旨,3月9日にビラまきと情宣活動がある旨,3月13日に執行委員会がある旨が記載されている。),⑩P30作成の「P19さんの府中での活動時間について」と題する文書(原告が府中市内において,おおむね月に5,6回,計24時間程度,各種会議や支援イベント等の活動に参加している旨が記載されている。)の書面が添付されている。(乙23の2)c原告は,平成19年3月30日,被告区の担当者に,「P19外出記録2006年7月~8月」と題する表(乙23の2末尾添付の表。 以下「原告外出記録表」という。)を提出した。この表は,平成18年7月及び8月の各月の原告の外出先又は外出目的とそれに要した時間が各回の外出ごとに記載されているもので,原告が審査請求3に係る審査手続の反論書に添付して平成19年3月22日に裁決行政庁に提出した表(後記(2)(ス))と同じものである。(甲20,乙23の2,丙19)dP3課長等の被告区の担当者は,上記bの勘案事項調査の結果,通院以外の外出について,原告の希望する支給量である1か月当たり124時間と,原告の説明する外出実績である1か月当たり202時間(上記b(c)の文書に記載された月に要する時間の総計)との間に差があり,その理由として,原告は,スケジュールの重複や障害状況から上記b(c)の文書に記載 明する外出実績である1か月当たり202時間(上記b(c)の文書に記載された月に要する時間の総計)との間に差があり,その理由として,原告は,スケジュールの重複や障害状況から上記b(c)の文書に記載されたものすべてに外出するわけではなく,1日最低4時間程度の外出をしている旨説明しているところ,上記b 及びcの原告から提出された文書だけからはなお,実際の外出時間が明らかではなく,これを把握するために追加資料が必要であると考え,実際の外出時間を把握するための追加資料としてカレンダー等の提出を求めたが,原告はこれを拒否した。(乙23の1・2,同32,証人P3)e(a)処分行政庁は,上記勘案事項の調査を踏まえ,身体介護に要する時間を1か月当たり310時間,家事援助に要する時間を1か月当たり95時間30分,コミュニケーション支援及び家電製品等の操作に対する支援に要する時間を1か月当たり31時間,見守り等に要する時間は,P24治療を中止したことから,1か月当たり104時間とそれぞれ算定した。(乙23の1)(b)また,処分行政庁は,通院を目的とした外出の時間を23時間,通院以外の社会生活上必要不可欠な外出の時間を10時間,社会参加のための外出を1か月当たり80時間とそれぞれ算定した。(乙23の1)f処分行政庁は,上記勘案事項の調査の結果,P24着用中止後も,体位変換及び安否確認のために原告の就寝中の見守りは依然必要であるが,そのための支給量としては月104時間で足りるとし,移動中介護加算については,外出の実態を把握できないことから増量しないこととし,平成20年2月7日,原告に対し,以下の内容の介護給付費の支給決定の変更決定処分(本件処分5の変更決定処分。以下「平成20年2月7日決定」という。)をした。(乙24,32,証人P3,弁 こととし,平成20年2月7日,原告に対し,以下の内容の介護給付費の支給決定の変更決定処分(本件処分5の変更決定処分。以下「平成20年2月7日決定」という。)をした。(乙24,32,証人P3,弁論の全趣旨)変更年月日平成20年2月1日サービスの種類重度訪問介護変更前の支給量1か月当たり710時間(移動中介護113時間) 変更後の支給量1か月当たり654時間(移動中介護113時間)(キ)a原告は,平成20年2月12日,処分行政庁に対し,介護給付費支給申請書兼利用者負担額減額・免除等申請書を提出した。同申請書には,申請するサービスの欄に重度訪問介護の介護給付費を申請する旨,申請の具体的内容としては,移動中介護1か月当たり147時間(通院に係る移動中介護23時間を含む。)と併せて1日24時間の介護支給を認めてほしい旨記載されていた。(乙25)b処分行政庁は,原告から聴き取りを行い,原告の生活状況が平成20年2月7日決定時と変化がないことを確認し,平成20年2月29日,原告に対し,以下の内容の介護給付費の支給決定処分(以下「平成20年2月29日決定」という。)をした。(乙27,32,弁論の全趣旨)対象期間平成20年3月1日から平成21年2月28日までサービスの種類重度訪問介護支援の内容及び支給量1か月当たり654時間(移動中介護113時間)(ク)a原告は,平成21年2月16日,処分行政庁に対し,介護給付費支給申請書兼利用者負担額減額・免除等申請書を提出した。同申請書には,申請するサービスの欄に重度訪問介護の介護給付費を申請する旨,申請の具体的内容としては,移動中介護1か月当たり147時間(通院に係る移動中介護23時間を含む。)と併せて1日24時間の介護支給を認めてほしい旨記載されていた。(乙28)b 給付費を申請する旨,申請の具体的内容としては,移動中介護1か月当たり147時間(通院に係る移動中介護23時間を含む。)と併せて1日24時間の介護支給を認めてほしい旨記載されていた。(乙28)b処分行政庁は,原告から聴き取りを行い,原告の生活状況が平成20年2月7日決定時及び平成20年2月29日決定時と変化がないことを確認し,平成21年2月27日,原告に対し,障害者自立支援 法に基づき,以下の内容の介護給付費の支給決定(本件処分8)をした。(甲16,乙30,32,弁論の全趣旨)対象期間平成21年3月1日から平成22年2月28日までサービスの種類重度訪問介護支援の内容及び支給量1か月当たり654時間(移動中介護113時間)(2)ア本件審査請求1ないし4及び本件各裁決に係る事実経過等については,前記前提事実並びに後掲各証拠及び弁論の全趣旨を総合すると,次の事実が認められる。 (ア)原告は,平成18年5月12日,審査庁である裁決行政庁に対し,本件処分1につき,1か月当たりの支給量を外出介護の「外出・身体介護有」につき124時間とする決定への変更を求める旨の同日付け審査請求(本件審査請求1)をした。本件審査請求1の審査請求書の審査請求の理由欄には,裁決行政庁は上級監督庁として処分行政庁のした本件処分1を変更する裁決をすべきである旨記載されていた。(甲10,30の70の1,丙7)(イ)裁決行政庁の職員は,処分行政庁の職員に対し,本件審査請求1の申立てがあったことを電話で伝えた。(弁論の全趣旨)(ウ)裁決行政庁は,本件審査請求1につき,処分行政庁に弁明書の提出を求める手続をしなかった。(争いのない事実)(エ)原告は,平成18年11月6日,裁決行政庁に対し,本件処分2につき,1か月当たりの支給量を外出介護の「外出 請求1につき,処分行政庁に弁明書の提出を求める手続をしなかった。(争いのない事実)(エ)原告は,平成18年11月6日,裁決行政庁に対し,本件処分2につき,1か月当たりの支給量を外出介護の「外出・身体介護有」につき124時間とする決定への変更を求める旨の同日付け審査請求(本件審査請求2)をした。本件審査請求2の審査請求書の審査請求の理由欄には,裁決行政庁は上級監督庁として処分行政庁のした本件処分2の一部 を変更する裁決をすべきである旨記載されていた。(甲10,丙9)(オ)裁決行政庁は,平成18年11月16日,提出期限を同月30日として,処分行政庁に対し,本件審査請求2につき,弁明書及び関係資料の提出を求めた。処分行政庁は,同日,裁決行政庁に弁明書を提出した。 (丙10,11)(カ)原告は,平成18年11月30日,裁決行政庁に対し,本件処分3につき,1か月当たりの支給量を移動中介護につき147時間とする決定への変更を求める旨の同日付け審査請求(本件審査請求3)をした。 本件審査請求3の審査請求書の審査請求の理由欄には,裁決行政庁は上級監督庁として処分行政庁のした本件処分3の一部を変更する裁決をすべきである旨記載されていた。(甲10,丙15)(キ)裁決行政庁は,平成18年12月13日,原告に対し,上記(オ)の弁明書副本を送付し,提出期限を同月27日として,これに対する反論書を提出することができる旨通知した。また,裁決行政庁は,同月13日,処分行政庁に対し,提出期限を同月27日として,本件審査請求3につき,弁明書及び関係資料の提出を求めた。(丙12,16)(ク)原告は,平成18年12月27日,上記(オ)の弁明書に対する反論書を提出した。(丙13)(ケ)処分行政庁は,平成19年1月12日,本件審査請求3についての弁明書を めた。(丙12,16)(ク)原告は,平成18年12月27日,上記(オ)の弁明書に対する反論書を提出した。(丙13)(ケ)処分行政庁は,平成19年1月12日,本件審査請求3についての弁明書を提出した。(丙17)(コ)裁決行政庁は,平成19年2月21日,原告に対し,上記(ケ)の弁明書副本を送付し,同年3月7日を提出期限として,これに対する反論書を提出することができる旨通知した。(丙18)(サ)裁決行政庁は,平成19年2月22日,処分行政庁に対し,上記(ク)の反論書副本を送付した。(丙14)(シ)原告は,平成19年3月12日,裁決行政庁に対し,本件処分4な いし7に関し,本件処分4について1か月当たりの支給量を外出介護の「外出・身体介護有」につき124時間とする決定への変更を,本件処分5について1か月当たりの支給量を移動中介護につき147時間とする決定への変更を,本件処分6及び7についてその取消しをそれぞれ求める旨の同日付け審査請求(本件審査請求4)をした。本件審査請求4の審査請求書の審査請求の理由欄には,裁決行政庁は処分行政庁のした本件処分4及び5の一部を変更する裁決をすべきである旨記載されていた。(甲10,丙21)(ス)原告は,平成19年3月22日,上記(ケ)の弁明書に対する反論書を提出した。この反論書には,原告外出記録表が添付されていた。(丙19)(セ)裁決行政庁は,平成19年3月23日,処分行政庁に対し,同年4月9日を提出期限として,本件審査請求4につき,弁明書及び関係資料の提出を求めた。(丙22)(ソ)裁決行政庁は,平成19年4月2日,処分行政庁に対し,上記(ス)の反論書副本を送付した。(丙20)(タ)処分行政庁は,平成19年4月18日,本件審査請求4についての弁明書を提出した。(丙23)( 決行政庁は,平成19年4月2日,処分行政庁に対し,上記(ス)の反論書副本を送付した。(丙20)(タ)処分行政庁は,平成19年4月18日,本件審査請求4についての弁明書を提出した。(丙23)(チ)裁決行政庁は,平成19年5月9日,原告に対し,上記(タ)の弁明書副本を送付し,同月23日を提出期限として,これに対する反論書を提出することができる旨通知した。(丙24)(ツ)原告は,平成19年5月22日,上記(タ)の弁明書に対する反論書を提出した。(丙25)(テ)裁決行政庁は,平成19年5月31日,処分行政庁に対し,上記(ツ)の反論書副本を送付した。(丙26)(ト)裁決行政庁の職員は,平成19年11月ころ,処分行政庁の職員に 対し,被告区において同年1月から同年10月までの期間において,社会参加のための外出に係る給付が月32時間を超えて認められた事例の有無及び件数等について照会したところ,処分行政庁の職員は,同年11月22日付けで,その件数,時間数及びその理由等について回答した。 また,裁決行政庁の職員は,同年12月18日ころ,処分行政庁の職員に対し,平成18年1月から同年12月までの期間において,社会参加のための外出に係る給付が月32時間を超えて認められた事例の有無及び件数等並びに平成18年4月から平成19年10月までの期間において,社会参加のための外出に係る給付の増量申請が認められなかった事例の有無について照会したところ,処分行政庁の職員は,同年12月21日付けで,社会参加のための外出に係る給付が32時間を超えて認められた事例の件数,時間数及びその理由等について回答するとともに,増量申請が認められなかった事例はなかった旨回答した。(丙27及び28の各1・2)(ナ)裁決行政庁は,平成20年3月14日,東京都障害者介護 の件数,時間数及びその理由等について回答するとともに,増量申請が認められなかった事例はなかった旨回答した。(丙27及び28の各1・2)(ナ)裁決行政庁は,平成20年3月14日,東京都障害者介護給付費等不服審査会に対し,本件各裁決の裁決案(本件審査請求1ないし3並びに本件審査請求4のうち本件処分6及び7の取消しを求める部分につき審査請求を却下し,本件審査請求のうち本件処分4及び5の取消しを求める部分につき審査請求を棄却する旨の裁決案)の当否について諮問をした。(丙29)(ニ)東京都障害者介護給付費等不服審査会は,平成20年3月26日,裁決行政庁に対し,上記(ナ)の諮問に対し,本件各裁決の裁決案は妥当である旨の答申をした。(丙30)(ヌ)裁決行政庁は,平成20年4月22日,本件処分1ないし5の変更を求めた審査請求(本件審査請求1ないし3並びに本件審査請求のうち本件処分4及び5に係る部分)は,行政不服審査法40条5項に定める 上級行政庁による原処分の変更の裁決を求めているものと解されるが,障害者自立支援法に基づく支給決定等の処分について,裁決行政庁は処分行政庁の上級行政庁には当たらないため,原処分の変更の裁決を行う権限を有しないことから,上記審査請求の趣旨を原処分の取消しを求めるものとして取り扱い,裁決行政庁の権限の範囲で判断することとするとした上,上記裁決案と同旨の内容の本件各裁決をした。(甲10)イ上記アのとおり,本件審査請求1ないし3の審査請求書には,審査請求の趣旨として本件処分1ないし3の変更を求める旨記載され,審査請求の理由欄に裁決行政庁は上級監督庁として本件処分1並びに本件処分2及び3の一部を変更する裁決をすべきである旨記載され,本件審査請求4の審査請求書のうち本件処分4及び5に係る部分には,審査請求の趣旨 の理由欄に裁決行政庁は上級監督庁として本件処分1並びに本件処分2及び3の一部を変更する裁決をすべきである旨記載され,本件審査請求4の審査請求書のうち本件処分4及び5に係る部分には,審査請求の趣旨として本件処分4及び5の変更を求める旨記載され,審査請求の理由欄に裁決行政庁は本件処分4及び5の一部を変更する裁決をすべきである旨記載されており,これらの審査請求書の文面上は,上記各審査請求の趣旨は行政不服審査法40条5項所定の処分の変更の裁決を求める旨のものとして記載されていることがうかがわれる。もっとも,上級行政庁(同法5条1項1号)とは,当該事務に関し,処分行政庁である下級行政機関を指揮・監督する権限を有するものと解されるところ,裁決行政庁である東京都知事について処分行政庁である大田区長に対する一般的な指揮・監督権限の根拠となる規定や障害者自立支援法に基づく介護給付に関する指揮・監督権限の根拠となる規定は存しないから,裁決行政庁は,障害者自立支援法に基づく介護給付費の支給に係る決定に関し,処分行政庁の上級行政庁には当たらないというべきである。したがって,裁決行政庁は,処分の変更の裁決をすることはできず,処分の取消しの裁決(同法40条3項)をする権限しか有しない。以上のことから,裁決行政庁は,その権限の範囲内で,上記各審査請求を処分の取消しを求めるものとして扱った上で当該各審査 請求に対する判断をしているのであり,本件訴訟においても,上記各審査請求は,本件処分1ないし5の全部又は一部の取消しを求める旨の審査請求であると解した上で,それらに対する応答としてされた本件各裁決の適否を判断するのが相当である。 本件処分1の一部の取消しを求める訴えの適法性(争点(1)及び争点(5)のうち本件審査請求1を却下した裁決に係る事項)について 対する応答としてされた本件各裁決の適否を判断するのが相当である。 本件処分1の一部の取消しを求める訴えの適法性(争点(1)及び争点(5)のうち本件審査請求1を却下した裁決に係る事項)について(1)ア本件処分1は,障害者自立支援法の施行日である平成18年4月1日の時点において,原告が,前記前提事実(1)ウのとおり,旧身体障害者福祉法17条の5第2項の規定による居宅生活支援費の支給決定(平成17年7月1日決定)を受けていたことから,障害者自立支援法附則5条1項の規定により,同法19条の規定による介護給付費の支給決定を受けたものとみなされたものである。このように,本件処分1は,障害者自立支援法の施行前に旧身体障害者福祉法の規定に基づいてされた処分行政庁の支給決定が障害者自立支援法附則の経過措置の規定によって当然に同法の施行日(平成18年4月1日)の時点で同法の規定に基づいてされたものと擬制されたものであって,同日の時点における処分行政庁の現実の行為によるものではなく,また,原告からの支給申請を受けて行われたものでもない上,同法附則の経過措置中には旧身体障害者福祉法の規定に基づく支給申請についてこれを障害者自立支援法の規定に基づく支給申請とみなす旨の規定も存しない(なお,原告は,本件処分1に先立って,前記前提事実(1)エの申請書を提出しているが,同申請書には,申請するサービスの種類等の欄への記入はなく,申請する減免の種類の欄のみに記入がされていることに加え,上記のとおり,障害者自立支援法附則5条1項が同法の規定に基づく処分へのみなしの効果について何ら申請を要件としていないことからすれば,同申請書は,その表題(介護給付費支給申請書兼利用者負担額減額・免除等申請書)の記載事項のうち,専ら利用者負担額の減免の申 請のみをする趣旨で提 ついて何ら申請を要件としていないことからすれば,同申請書は,その表題(介護給付費支給申請書兼利用者負担額減額・免除等申請書)の記載事項のうち,専ら利用者負担額の減免の申 請のみをする趣旨で提出されたものと解するのが相当である。)。 そして,処分の取消しの訴えは,当該処分の取消しを求めるにつき法律上の利益を有する者に限り,提起することができる(行政事件訴訟法9条1項)ところ,上記のとおり,本件処分1は,原告からの支給申請を受けて処分行政庁の現実の行為として行われたものではなく,旧身体障害者福祉法の下でされた同法の規定に基づく支給申請が障害者自立支援法の規定に基づく支給申請とみなされるものでもないから,仮に本件処分1を取り消したとしても,原告は,再度,同法附則5条1項の規定により本件処分1と同一の内容の支給決定を受けたものとみなされるにすぎず,処分行政庁が同法19条1項に基づいて新たな支給決定の処分(同法の規定に基づく支給申請に対する支給決定の処分)をすることはできない。そうすると,本件処分1を取り消すことについて原告に何らかの法律上の利益があるとはいえないから,本件処分1の取消しを求める訴えは,訴えの利益がなく,不適法であるといわざるを得ない。 イ他方,本件処分1のように,障害者自立支援法の施行前に旧身体障害者福祉法の規定に基づいてされた処分行政庁の支給決定が障害者自立支援法附則5条1項の規定によって同法の施行日(平成18年4月1日)の時点で同法の規定に基づいてされたものとみなされた場合において,そのみなされた支給決定(以下「みなし支給決定」という。)における施行日以降の介護給付費に係る支給量に不服がある者は,同法24条1項による支給量の変更申請をすることができ(現に,本件処分2は,前示のとおり,同項による支給量の変更申請に基 決定」という。)における施行日以降の介護給付費に係る支給量に不服がある者は,同法24条1項による支給量の変更申請をすることができ(現に,本件処分2は,前示のとおり,同項による支給量の変更申請に基づき本件処分1の内容の一部(支給量)を変更する旨の変更決定である。),当該変更申請に係る支給量の全部又は一部につき支給量として算定しない旨の決定がされた場合には,これに対し審査請求を行い,更に取消訴訟を提起することができる。このように,障害者自立支援法は,みなし支給決定における施行日以降の介護給付費に 係る支給量に関する不服については,第一次的には同法24条1項による変更申請によって,第二次的にはその変更申請に係る支給量につき支給量として算定しない旨の決定に対する審査請求及び取消訴訟によって,支給量を争う方法を確保しており,みなし支給決定自体を対象とする審査請求及び取消訴訟の提起は同法の予定しないところというべきである。 以上によれば,本件処分1の取消しを求める本件審査請求1についても,その取消しを求める法律上の利益はなく,不服申立ての利益がないと解されるから,不適法であるといわざるを得ず,これを不適法であるとして却下した裁決は適法である。 (2)アこれに対し,原告は,本件処分1の一部の取消しを求める訴え及び本件処分1の取消しを求める審査請求は適法であり,これらを不適法であるとして却下することは違法であるとして種々主張する。 イ原告は,本件処分1は,支給決定の有効期間(対象期間)の終期を変更しており,処分の内容が変更されているから新たな処分と解すべきである旨主張するが,本件処分1において,支給決定の有効期間(対象期間)の終期が平成18年9月30日とされたのも,障害者自立支援法23条が,支給決定は,厚生労働省令で定める期間内に限り,その すべきである旨主張するが,本件処分1において,支給決定の有効期間(対象期間)の終期が平成18年9月30日とされたのも,障害者自立支援法23条が,支給決定は,厚生労働省令で定める期間内に限り,その効力を有するものと定め,平成18年4月1日当時の障害者自立支援法施行規則15条が,当該期間を平成18年9月30日までの期間と定めていることによるもので,上記法令の規定による当然の効果であって,処分行政庁の現実の行為によるものでも原告の何らかの申請に基づくものでもないから,この点は前記(1)の判断を左右するものではない。 ウ原告は,例えば,生活保護決定は,生活保護の法的要件に該当する申請者の申請に対して,要件に該当するという事実に基づく効果として生活保護決定がされるのであり,このような決定も法に基づき当然に決定されるものだとすると行政処分ではないという法理論的に誤った結論をもたらす 旨主張する。しかし,申請者の申請に基づく生活保護の開始又は変更の決定(生活保護法24条1項)を取り消せば,申請に対する応答がない状態になって,行政庁には,申請に対して新たな処分をする義務が発生することになるから,これを取り消すことは申請者に法律上の利益をもたらすものとして,訴えの利益及び不服申立ての利益が認められることになり,本件処分1の場合とは明らかに異なるのであって,上記主張も前記(1)の判断を左右するものではない。 エ原告は,障害者自立支援法附則5条1項及び8条1項5号の外出介護は特殊なものであり,当該支給決定の通知が届かなければ新たな給付の内容が判明せず,介護契約を締結することも介護サービスを受けることも不可能であったことからすれば,本件処分1は,国民の具体的な権利の範囲を定める処分と解すべきである旨主張する。しかし,前記(1)のとおり,本件処分 介護契約を締結することも介護サービスを受けることも不可能であったことからすれば,本件処分1は,国民の具体的な権利の範囲を定める処分と解すべきである旨主張する。しかし,前記(1)のとおり,本件処分1は,仮にこれを取り消したとしても,処分行政庁が新たに処分をすることができず,処分の内容の変更は変更申請及び変更決定によるべきことなどから,本件処分1の取消しを求めることに法律上の利益がないため,本件処分1の取消しを求める訴えは訴えの利益を欠き不適法であると解され,また,本件審査請求1も不服申立ての利益を欠き不適法であると解されるのであるから,上記主張も前記(1)の判断を左右するものではない。 オ原告は,本件処分1の取消しを求める訴えが不適法とされると平成18年4月1日から同年9月30日までの間の介護給付費の支給についての不服を争うことができなくなり,それは,①別件訴訟の判決と矛盾抵触し,②法の支配の原理に反し,原告の裁判を受ける権利を侵害するものである旨主張する。しかしながら,(a)別件訴訟の判決は,本件処分1のようなみなし支給決定の処分が取消訴訟の対象となることの可否を論じているわけではないから,本件処分1の取消しを求める訴えが不適法であると解す ることが別件訴訟の判決と矛盾抵触するとはいえず,また,(b)上記(1)イに説示したとおり,平成18年4月1日以降の介護給付費に係る支給量に不服がある者は,障害者自立支援法24条1項による支給量の変更申請をすることができ(現に,前示のとおり,本件処分2は,同項による支給量の変更申請に基づき本件処分1の内容の一部を変更する旨の変更決定である。),当該変更申請に係る支給量の全部又は一部につき支給量として算定しない旨の決定がされた場合には,これに対し審査請求を行い,更に取消訴訟を提起することが 1の内容の一部を変更する旨の変更決定である。),当該変更申請に係る支給量の全部又は一部につき支給量として算定しない旨の決定がされた場合には,これに対し審査請求を行い,更に取消訴訟を提起することができるのであるから,平成18年4月1日から同年9月30日までの間の介護給付費に係る支給量についての不服を争うことができなくなるものではなく,上記②の主張はその前提を欠くもので失当である。 カ原告は,前記前提事実(1)オの通知書には,審査請求をすることができる旨教示する記載があったと主張するが,処分の性質上審査請求をすることができない処分について,処分庁が誤って審査請求をすることができるものと教示したからといって,本来は審査請求の対象となり得ないものが審査請求の対象となり得るものではなく,上記主張は理由がない。 本件処分2及び3並びに本件処分6及び7の取消しを求める訴えの適法性(争点(2)並びに争点(5)のうち本件審査請求2及び3並びに本件審査請求4のうち本件処分6及び7の取消しを求める部分を却下した各裁決に係る事項)について(1)ア前記1(1)イ(ウ)d並びにウ(エ)a及びcの認定のとおり,本件処分2は,平成18年9月1日から同月30日までの期間に係る原告の介護給付費について,本件処分1の内容の一部(支給量)を変更する旨の変更決定処分であるところ,本件処分6によって取り消され(撤回処分による失効),同期間に係る原告の介護給付費については,本件処分4により,改めて本件処分1の内容の一部(支給量)を変更する旨の変更決定処分がさ れている。 また,前記1(1)イ(エ)d並びにウ(エ)a及びdの認定のとおり,本件処分3は,平成18年10月1日から平成20年2月29日までの期間に係る原告の介護給付費の支給決定処分であるところ,本件処分7に また,前記1(1)イ(エ)d並びにウ(エ)a及びdの認定のとおり,本件処分3は,平成18年10月1日から平成20年2月29日までの期間に係る原告の介護給付費の支給決定処分であるところ,本件処分7によって取り消され(撤回処分による失効),同期間に係る原告の介護給付費については,本件処分5により,改めて支給決定処分がされている。 イそうすると,原告としては,①仮に本件処分2及び6の一方又は双方が取り消されても,直近の本件処分1の変更決定処分としての本件処分4が取り消されない限り,平成18年9月1日から同月30日までの期間の原告の介護給付費に係る支給量は同処分によって変更された状態にあるから,同処分によって確定された支給量を増量する効果が生ずるものではないし,また,②仮に本件処分3及び7の一方又は双方が取り消されても,直近の支給決定処分としての本件処分5が取り消されない限り,平成18年10月1日から平成20年2月29日までの期間に係る原告の介護給付費は同処分によって決定された状態にあるから,同処分によって確定された支給量を増量する効果が生ずるものではない以上,上記①及び②のいずれによっても原告の介護給付費に係る支給量の増量という目的は達せられないことになる。 他方で,①本件処分4が取り消されれば,本件処分2及び6が取り消されるかどうかを問わず,平成18年9月1日から同月30日までの期間の原告の介護給付費に係る支給量の変更決定処分は遡及的に効力を失い,原告の変更申請(前記1(1)イ(ウ)a)に対する応答がない状態になって,処分行政庁がそれに対する新たな変更決定処分をすべき義務を負うことになり,また,②本件処分5が取り消されれば,本件処分3及び7が取り消されるかどうかを問わず,平成18年10月1日から平成20年2月29日までの期間に係る原 新たな変更決定処分をすべき義務を負うことになり,また,②本件処分5が取り消されれば,本件処分3及び7が取り消されるかどうかを問わず,平成18年10月1日から平成20年2月29日までの期間に係る原告の介護給付費の支給決定処分は遡及的に効力を失 い,原告の支給申請(前記1(1)イ(エ)a)に対する応答がない状態になって,処分行政庁がそれに対する新たな支給決定処分をすべき義務を負うこととなり,いずれの場合にも取消判決の拘束力(行政事件訴訟法33条)が働くから,上記①及び②のいずれによっても原告の介護給付費に係る支給量の増量という目的は達せられることになる。 ウ以上によれば,原告には,撤回処分である本件処分6及び7並びに既にこれらの撤回処分により失効した本件処分2及び3の取消しを求めることにつき法律上の利益はないというべきであり,本件処分2及び3並びに本件処分6及び7の取消しを求める訴えは,いずれも訴えの利益を欠き,不適法であるといわざるを得ない。 また,以上によれば,本件処分2及び3の取消しを求める本件審査請求2及び3並びに本件審査請求4のうち本件処分6及び7の取消しを求める部分も,その取消しを求める法律上の利益はない以上,いずれも不服申立ての利益を欠き,不適法であるといわざるを得ないから,これらを不適法であるとして却下した各裁決に違法な点はない。 (2)ア原告は,本件処分6及び7は,それぞれ本件処分4及び5と一体となっていると解すべきであるとするが,実質的にみて本件処分6及び4が一体となって本件処分2の内容を変更する機能を有し,また,本件処分7及び5が一体となって本件処分3の内容を変更する機能を有しているとしても,前記(1)で説示したところによれば,撤回処分である本件処分6及び7自体を取り消すことについて原告に法律上の利益があ 件処分7及び5が一体となって本件処分3の内容を変更する機能を有しているとしても,前記(1)で説示したところによれば,撤回処分である本件処分6及び7自体を取り消すことについて原告に法律上の利益があるとは認められない。 イまた,原告は,本件処分4及び5に瑕疵がある場合には,本件処分2及び3の瑕疵が治癒されていないから本件処分2及び3についても審理の対象となるべきである旨主張するが,前記(1)で説示したとおり,仮に本件処分2及び3の瑕疵が治癒されていないとしても,本件処分4及び5が取り消されれば原告の前記目的は達せられるのであり,また,本件処分2及び 3が取り消されても,本件処分4及び5が取り消されなければ原告の前記目的は達せられないのであるから,既に撤回処分によって失効した本件処分2及び3を取り消すことにつき,原告には法律上の利益はないと解すべきである。 ウさらに,原告は,争点(5)に関し,本件処分2及び3の瑕疵について裁決行政庁が実体判断をしないで本件審査請求2及び3を却下したことは,行政の違法をただす行政不服審査制度の意義を没却する旨主張するが,現行法制の下における行政上の不服申立制度は,原則として,国民の権利・利益の救済を図ることを主眼としたものであり,行政の適正な運営を確保することは行政上の不服申立てに基づく国民の権利・利益の救済を通じて達成される間接的な効果にすぎないものと解すべきであり,したがって,行政庁の処分に対し不服申立てをすることができる者は,法律に特別の定めがない限り,当該処分により自己の権利若しくは法律上保護された利益を侵害され又は必然的に侵害されるおそれがあり,その取消し等によってこれを回復すべき法律上の利益を有する者に限られるべきであって,障害者自立支援法及びその関係法令中に自己の法律上の利益にかか た利益を侵害され又は必然的に侵害されるおそれがあり,その取消し等によってこれを回復すべき法律上の利益を有する者に限られるべきであって,障害者自立支援法及びその関係法令中に自己の法律上の利益にかかわりなく不服申立てをすることができる旨を特に定めた規定があるとは解されない(最高裁昭和49年(行ツ)第99号同53年3月14日第三小法廷判決・民集32巻2号211頁参照)以上,上記主張も前記(1)の判断を左右するものではない。 本件処分4,5及び8の適法性(争点(3)並びに争点(5)のうち本件審査請求4のうち本件処分4及び5の取消しを求める部分を棄却した各裁決に係る事項)について(1)ア前記2及び3のとおり,本件処分1ないし8の取消しを求める訴えのうち,本件処分1ないし3,6及び7の取消しを求める訴えは,いずれも不適法であるため,以下,本件処分4,5及び8の適法性について検討する。 本件処分4は,前記1(1)イ(ア)c及び(ウ)d並びにウ(エ)a及びcの認定のとおり,障害者自立支援法附則5条1項の規定により原告が受けたものとみなされた介護給付費の支給決定処分(本件処分1)の内容の一部(平成18年9月1日から同月30日までの原告の介護給付費に係る支給量に関する部分)を変更する旨の同法24条2項に基づく支給決定の変更決定処分であり,原告が取消しを求めているのは,本件処分4のうち,原告の申請に係る外出介護の支給量90時間を超える部分について支給量として算定しないものとした部分である。 また,本件処分5及び8は,前記1(1)ウ(エ)d及び(ク)bの認定のとおり,障害者自立支援法19条1項に基づく介護給付費の支給決定処分であり,原告が取消しを求めているのは,本件処分5及び8のうち,原告の申請に係る外出介護の支給量(通院のための外出を含む bの認定のとおり,障害者自立支援法19条1項に基づく介護給付費の支給決定処分であり,原告が取消しを求めているのは,本件処分5及び8のうち,原告の申請に係る外出介護の支給量(通院のための外出を含む)113時間を超える部分について支給量として算定しないものとした各部分である。 イ障害者は,介護給付費の支給を受けようとするときは,厚生労働省令で定めるところにより,市町村に申請をして,支給決定を受けなければならず(障害者自立支援法19条1項,20条1項),上記申請があったときは,市町村は,①当該障害者の障害程度区分又は障害の種類及び程度その他の心身の状況,②当該障害者の介護を行う者の状況,③当該障害者に関する介護給付費等の受給の状況,④当該障害者に関する保健医療サービス又は福祉サービス等の利用の状況,⑤当該障害者の障害福祉サービスの利用に関する意向の具体的内容,⑥当該障害者の置かれている環境,⑦当該申請に係る障害福祉サービスの提供体制の整備の状況を勘案して介護給付費の支給の要否を決定し(障害者自立支援法22条1項,障害者自立支援法施行規則12条),支給決定を行う場合には,障害福祉サービスの種類ごとに1月間において介護給付費を支給する障害福祉サービスの量(支給量)を定めなければならない(障害者自立支援法22条4項,障害者自立 支援法施行規則13条)。また,介護給付費の支給決定を受けた障害者が,現に受けている支給決定に係る支給量を変更する必要があるときは,厚生労働省令で定めるところにより,市町村に対し,当該支給決定の変更の申請をすることができ,変更の申請を受けた市町村は,上記①ないし⑦の各事項を勘案して必要があると認めるときは,支給決定の変更の決定を行うことができる(障害者自立支援法24条1項,同条2項,22条1項,障害者自立支援法 ,変更の申請を受けた市町村は,上記①ないし⑦の各事項を勘案して必要があると認めるときは,支給決定の変更の決定を行うことができる(障害者自立支援法24条1項,同条2項,22条1項,障害者自立支援法施行規則12条)。 ウ以上のような障害者自立支援法及びその関係法令の規定によると,市町村が介護給付費に係る支給量を定め,又はそれを変更するに当たっては,個別の障害者に係る勘案事項を勘案すること以外には何ら具体的な基準を定めていないから,個別の障害者に係る勘案事項を勘案し,各障害者に対しいかなる種類の障害福祉サービスをいかなる支給量をもって行うかについては,勘案事項の調査の結果を踏まえた市町村の合理的裁量にゆだねられているというべきである。したがって,裁判所が障害者に対してされた支給量に係る決定(支給量を変更する決定を含む。)の適否を審査するに当たっては,当該決定が裁量権の行使として行われたことを前提として,その判断の過程において考慮すべき事項を考慮しないこと等によりその内容が社会通念に照らし妥当性を欠くものと認められるような場合に,障害者自立支援法が市町村に与えた裁量権の範囲を超え,又は濫用したものとして違法となると判断すべきものと解するのが相当である。 エ(ア)原告は,そもそも本件重度訪問介護要綱の移動中介護加算(重度訪問介護のうち移動中の介護に係る加算をいう。以下同じ。)に関する定めが障害者の権利を侵害する不当なものである旨主張するので,この点についてみるに,被告区は,本件処分4,5及び8の当時,移動中介護加算について,本件重度訪問介護要綱(平成18年12月27日付け改定後のもの)において,(a)「外出時における移動中の介護」とは,社 会生活上必要不可欠な外出及び余暇活動等の社会参加のための外出に関する移動の介護のうち,必要と 平成18年12月27日付け改定後のもの)において,(a)「外出時における移動中の介護」とは,社 会生活上必要不可欠な外出及び余暇活動等の社会参加のための外出に関する移動の介護のうち,必要と認められるものとし(同要綱2条5項),(b)①「社会生活上必要不可欠な外出」とは,医療機関等への通院,公共機関,金融機関等の手続その他の目的のための外出で,社会通念上当該外出を行わないことが日常生活に著しい不都合を生じさせるおそれがあると区長が認めたもの,②「余暇活動等の社会参加のための外出」とは,社会生活上必要不可欠な外出に該当しない目的のための外出とし(同項),(c)①「社会生活上必要不可欠な外出」のうち,通院のための外出は,医師等の指示による回数の通院に要する時間を算定し,通院以外のための外出は,公共機関,金融機関等の手続その他の目的のための社会生活上不可欠な外出を聴き取り事項等を基に勘案して算定し,②「余暇活動等の社会参加のための外出」は,標準として月32時間とし,聴き取り事項等を基に勘案する(同要綱別表1の4)との定めを置き,また,(d)上記(c)①及び②を含む重度訪問介護の支給量につき,特段の事情により区長が必要と認める場合は,聴き取りにより把握した内容を勘案した結果を基に,必要な時間数を加算することができるとの定め(同要綱7条2項)を置いていた(前提事実(2)イ,ウ)。 (イ)障害者が外出する時間は,障害者各人により千差万別であり,そのうちのいかなる範囲の外出に介護給付費の移動中介護加算により公費を支出することが社会通念上相当なものであるか否かということも,事柄の性質上,一概に定められるものではない。そこで,障害者自立支援法及びその関係法令は,障害者に対して個別に勘案事項の調査を行うことを前提に,その調査結果を基に,いかな であるか否かということも,事柄の性質上,一概に定められるものではない。そこで,障害者自立支援法及びその関係法令は,障害者に対して個別に勘案事項の調査を行うことを前提に,その調査結果を基に,いかなる場合にいかなる支給量を定めるかということにつき,各市町村において合理的裁量の範囲内で各障害者ごとに個別に具体的な判断をすることを予定しているものと解するのが相当である。そして,本件重度訪問介護要綱による前記(ア)の定めは, 「社会参加のための外出」については,趣味・娯楽等の余暇活動としての外出や障害者団体その他の各種団体等の活動への参加のための外出など,様々な目的のものが考えられ,また,障害者によって,例えば,平日に就労を行い,週末に余暇活動等の社会参加活動を行う者もいれば,長時間の就労をすることは困難であるが,相当の回数・時間にわたり各種団体の活動への参加等の社会参加活動を行う者もいるなど,外出の目的や頻度・時間はそれぞれ異なっていると考えられることから,各障害者に比較的共通する外出に用いるものとして,健常者の余暇に充てられる平均的な時間を参考にして(乙19。なお,客観的な資料として,乙21がある。)1か月当たり32時間という外出時間を標準時間とし,その範囲内における外出は趣味・娯楽等の余暇活動に充てられるものと想定し,同要綱9条及び別表3に定める支給量算定対象外事項に該当しない限り,必要に応じて,その使途を特に確認することなく算定するが,1か月当たり32時間の標準時間を超える部分については,公費で賄われるという性質からして無制限に趣味・娯楽等の余暇活動に充てられるのは相当ではないため,処分行政庁において外出目的の調査をした上で,障害者の個々の事情によって社会参加のための外出として具体的にどのような目的の外出にどれだけの時間数 ・娯楽等の余暇活動に充てられるのは相当ではないため,処分行政庁において外出目的の調査をした上で,障害者の個々の事情によって社会参加のための外出として具体的にどのような目的の外出にどれだけの時間数が必要であるかを個別に確認して算定する趣旨であると解される。そして,介護給付費が公費によって賄われている以上,一定の財政上の制約があることは否定し難く,そのような制約がある中で,①趣味・娯楽等の余暇活動のための外出に用いられることを想定した標準時間の部分については,上記の観点から,本件重度訪問介護要綱9条及び別表3に定める支給量算定対象外事項に該当しない限り,使途を特に確認することなく移動中介護の時間数として認めるとともに,②標準時間を超える部分については,基本的に趣味・娯楽等以外の社会参加活動のための外出に用いられるものとして個別の事 情の確認・勘案により移動中介護の時間数を加算をするという仕組みは,上記②の月32時間を超える部分の算定が同要綱の定めのとおり各障害者の個別の事情に応じて必要な時間数の加算を認めるものとして運用され,上記①の月32時間が上限としてではなく同要綱の定めのとおり所要の加算を前提とする標準として運用される限りにおいて,市町村の裁量に基づく判断枠組みとして一定の合理性を肯認し得るものであるといえ,また,健常者の平均余暇活動時間を参考にして上記①の標準時間を月32時間としたことについても,上記のとおりその時間が趣味・娯楽等の余暇活動に充てられることを想定したものとして定められ,それ以外の社会参加活動について上記②の加算が前提とされていること,実際上も,本件処分4ないし7の当時,大田区の住民で本件重度訪問介護要綱の適用を受けている者(33名)のうち原告以外の者(32名)はいずれも社会参加のための外出時間が月32 が前提とされていること,実際上も,本件処分4ないし7の当時,大田区の住民で本件重度訪問介護要綱の適用を受けている者(33名)のうち原告以外の者(32名)はいずれも社会参加のための外出時間が月32時間以内であったこと(乙32)等にかんがみ,一定の合理性を肯認し得るものということができる。 そして,社会参加のための外出の支給量につき,別件訴訟において問題とされた本件移動介護要綱においては,月32時間を超える加算について「特段の事情」が必要とされていたのと異なり,その判決後の改正を経た本件重度訪問介護要綱においては,標準時間としての月32時間を超える加算についてはその実体がある限り「特段の事情」がなくても加算が認められ得る仕組みが採られているので(同要綱における「特段の事情」は,上記の加算(別表1の4に基づく算定)に加えて更なる加算をする場合の要件とされるにとどまる(7条2項)。),この仕組みが同要綱の定めのとおり運用される限りにおいては,別件訴訟の判決の指摘する障害者自立支援法の施行前からの支給量の激減という結果を招来することにはならないと解されるから,この観点からも,同要綱の前記(ア)の定めは一定の合理性を肯認し得るものということができる。 (ウ)原告は,被告区が移動中介護加算の算定に特権付与の制度を設けて月32時間の基準を残し,現実にはその基準を厳格な上限として維持し続けることは,障害者の社会参加活動を不当に制約するもので,障害者自立支援法の趣旨及び障害者基本法3条に反し,違法である旨主張する。 しかし,平成18年12月27日の本件重度訪問介護要綱の改定により,月32時間の基準が上限ではなく,必要に応じた更なる加算を前提とする標準であることが明らかにされ,その結果,月32時間を超える時間数の加算の要否を確認するために外出に 重度訪問介護要綱の改定により,月32時間の基準が上限ではなく,必要に応じた更なる加算を前提とする標準であることが明らかにされ,その結果,月32時間を超える時間数の加算の要否を確認するために外出に必要な時間数及び外出の目的を調査することも,個々の障害者の事情・必要に応じた給付をするための手続であることが明らかにされたといえる以上,本件重度訪問介護要綱の定め自体に所論の違法があると解することはできない(現に,原告に係る重度訪問介護聴き取り票(例えば乙23の1)によれば,原告は,身体介護や家事援助においても,本件重度訪問介護要綱の基準を超える回数(入浴など)及び時間(食事など)の介護の支給量が算定されており,同要綱の定めが所論のように特権付与の制度ないし上限の定めとして設けられているとは解されない。)。 この点,原告は,平成18年12月27日の本件重度訪問介護要綱の改定後も,改定前と同様,月32時間という支給量が事実上上限として機能している旨主張する。しかし,上記のとおり,改定後の本件重度訪問介護要綱の文言からすれば,月32時間を上限と解釈する余地はないし,丙第27号証の2及び第28号証の2によれば,被告区において月32時間を超えて支給量の算定が認められた実績は数十件に上っており,一部の各団体の役員活動や特定の行事に関連するものが多いものの,それ以外のものも認められており,月32時間を超える支給量の申請が認められなかった事例の件数及びその内容も明らかでない以上,月32時間の標準が所論のように事実上上限として機能しているとは認め難い。 上記改定後にP31の月32時間を超える支給量の申請が認められなかった旨の原告の主張及びそれに関する証拠(甲32,乙31の1ないし5,証人P31)も,上記申請が認められなかった事例が1件あったことを 記改定後にP31の月32時間を超える支給量の申請が認められなかった旨の原告の主張及びそれに関する証拠(甲32,乙31の1ないし5,証人P31)も,上記申請が認められなかった事例が1件あったことを示すにとどまり,その申請に係る加算の必要性を基礎付ける客観的な資料の有無も明らかでない以上,上記認定を覆すには足りないといわざるを得ない。 (2)ア以上によれば,本件処分4,5及び8の適法性については,原告の外出介護(本件処分4)及び移動中介護加算(本件処分5及び8)の申請に対し,処分行政庁が,原告の社会参加のための外出につき,本件重度訪問介護要綱において標準とされた月32時間及びP4のための外出として算定された月48時間の合計である月80時間を超える部分について支給量として算定しないものとしたことが,本件重度訪問介護要綱の前記趣旨等に照らし,処分行政庁の裁量権の範囲を超え又はこれを濫用するものとして違法であるかどうかという観点から検討すべきことになる。 イそこで,本件処分4,5及び8の処分理由についてみるに,処分行政庁は,(a)前記1(1)ウ(エ)bによれば,本件処分4及び5において,P4のための外出である月48時間については,支給量の加算を認めるものの,①その他の団体の活動への参加については,団体の活動の実態及び原告の当該団体との関係等が不明であるため,これらの団体の活動に係る外出の時間については支給量の加算を認めず,また,②学校等の依頼による講演については,特定の団体のため定期的に行われているものではなかったため,各講演依頼ごとに依頼文等を確認して支給量の加算を認めるかどうかを検討することとし,③野球観戦や映画鑑賞のための外出については,標準として定めた月32時間で対応可能であるとして,支給量の算定を認めなかったとしており,また, 確認して支給量の加算を認めるかどうかを検討することとし,③野球観戦や映画鑑賞のための外出については,標準として定めた月32時間で対応可能であるとして,支給量の算定を認めなかったとしており,また,(b)前記1(1)ウ(カ)dないしf,(キ)b及び(ク)bによれば,本件処分8においても,P4のための外出である月4 8時間については,支給量の加算を認めるものの,それ以外の活動については,原告の申請に係る支給量と原告の説明による外出時間との間に差異があり,外出の実態が分かるようなカレンダー等の提出を求めたが拒否されたため,外出の実態を把握できず,支給量の加算を認めることができなかったとしている。 ウ(ア)そして,社会参加のための外出に関する処分行政庁の原告からの聴き取りの内容は,次のとおりである。 a平成16年1月9日及び同月13日の調査において,原告の申述内容は,障害者団体会合等(P13連絡会,P15等)に1回5時間程度で週2回(1か月は4.6週間と換算されている(本件重度訪問介護要綱別表1の1(2)など)ので,1か月当たり46時間),区役所等(相談,まちづくり会議ほか)に1回4時間程度で週2回(1か月当たり36時間48分),余暇活動として1回6時間程度で週1回(1か月当たり27時間36分)外出しているものとされている(前記1(1)ア(ウ)a(b))。 b平成16年3月2日の調査において,原告の申述内容は,P4に1か月当たり46時間,P16会に1か月当たり24時間9分,余暇活動に1か月当たり27時間36分外出しているものとされている(前記1(1)ア(ウ)c)。 c平成17年6月29日の調査において,原告の申述内容は,P4に1か月当たり8回計48時間,障害者雇用相談に1か月当たり8回計40時間,介護保障を求める運動に1か月当 前記1(1)ア(ウ)c)。 c平成17年6月29日の調査において,原告の申述内容は,P4に1か月当たり8回計48時間,障害者雇用相談に1か月当たり8回計40時間,介護保障を求める運動に1か月当たり6回計45時間,学校依頼の講演に1か月当たり1回6時間,その他P5委員会に1か月当たり1回6時間,議会の傍聴等に1か月当たり3回計18時間,友人との交流や余暇に1か月当たり2回計12時間外出しているものとされている(前記1(1)ア(ケ)b,c及びe)。 もっとも,これらによると,原告は,1か月に各種活動への参加及び余暇のため1回5時間以上の外出を29回していることになり,これに加え,1か月当たり4回(1回当たり5時間以上要する。)通院しており(甲31の22),5時間以上の外出の回数が1か月の日数を超えることになることにかんがみると,日程の重複や体調との関係でこれらの外出の一部を行っていない可能性が相応にあり得ることは否定し難い(原告自身,日程の重複や体調との関係で必ずしもすべての活動に毎月全部参加するわけではないことは自認している。)。 d平成18年8月30日,同月31日及び同年9月27日の調査においても,原告の申述内容は,上記cと同様の状況であった(前記1(1)イ(ウ)b(a),同(エ)b(a))。 e平成19年3月20日の調査において,原告の申述内容は,P4に1回5時間で週2回(1か月当たり46時間),P6組合に1回5時間で週2回(1か月当たり46時間),P5委員会に1回6時間で週1回(1か月当たり27時間36分),P32運動に1回5時間で週1回(1か月当たり23時間),介護保障を求める運動に1回6時間で週1回(1か月当たり27時間36分),余暇におおむね1か月当たり32時間程度外出しているものとされている(前記1(1) 回5時間で週1回(1か月当たり23時間),介護保障を求める運動に1回6時間で週1回(1か月当たり27時間36分),余暇におおむね1か月当たり32時間程度外出しているものとされている(前記1(1)ウ(カ)b(c)及び(d))。 もっとも,①乙第23号証の1の「P19氏の外出状況」という文書によれば,P6組合については毎週金曜日に活動してると記載されているにもかかわらず,週2回活動しているものとして外出時間が計算され,その記載にそごがあること,②木曜日についてはP4の活動と在宅障害者の生活を支える運動の活動が重なっている可能性があること,③P4,P6組合,P5委員会,P32運動及び介護保障を求める運動を合わせると,週7回これらの団体の活動に参加しているこ とになり,余暇活動及び通院等に必要な時間も加えるとこれらの活動の全部に参加することは事実上困難ではないかと考えられること等に照らすと,これらの活動に実際に参加しているのは上記よりも相応に短い時間である可能性があることは否定し難い。 (イ)上記(ア)aないしeの調査によると,P4(P13連絡会)のための外出は1か月当たり46時間ないし48時間でほぼ一貫しており,また,被告区も後援していた行事であることから,処分行政庁においてその団体の活動の実態や原告が事務局長としてこれに参加していることも把握していたものの,それ以外の活動については,聴き取り時によって参加の有無及び回数・時間が異なっており,その上,平成16年4月20日付けの原告の要望書には,P4に週4日,障害者活動に週3日,新宿在住の障害者に会いに行くため週3日,原告主催の障害者の集まりに週3日,その他娯楽のために外出している等とし(前記1(1)ア(オ)b),上記聴き取りの結果に比べてかなり多い回数・時間の外出をしている旨 の障害者に会いに行くため週3日,原告主催の障害者の集まりに週3日,その他娯楽のために外出している等とし(前記1(1)ア(オ)b),上記聴き取りの結果に比べてかなり多い回数・時間の外出をしている旨記載されていた。これらによれば,聴き取り調査の結果によっては,P4以外の目的のための外出については,実際にどの活動のためにどの程度外出しているかは判然としない状態であったといわざるを得ない。 そして,平成19年3月20日の勘案事項調査においては,各団体の資料(乙23の1の「P19氏の外出状況」に添付してつづられているもの)が提出され,これにより,各団体に活動の実体があること及び原告がその活動に一定程度参加していることについては,一応の資料が提出されたことになるが,これらの資料には原告の参加の有無及びその回数・時間について記載されていないものもある上,介護保障を求める運動を行っている団体とうかがわれるP30の作成した文書によれば,原告は1か月6回程度府中市において活動しているとされるが,上記「P19氏の外出状況」には,介護保障を求める運動は週1回の活動とされ, それ以外に府中市において活動している団体は記載されておらず,両者に記載のそごがあるという状態であり,これらによっても,原告が実際にどの活動のためにどの程度外出しているかが判然としていない状態は,なお解消されておらず,特定の月における原告の具体的な外出状況を確認しなければ,原告の外出の実態を把握することができない状況であったといわざるを得ない。 (ウ)その後,原告は,平成19年3月30日に,処分行政庁に対し,原告外出記録表を提出したところ(前記1(1)ウ(カ)c),原告外出記録表は,平成18年7月及び8月の外出状況について,外出がされた日を特定しない形で各回の外出の目的(介護保障 ,処分行政庁に対し,原告外出記録表を提出したところ(前記1(1)ウ(カ)c),原告外出記録表は,平成18年7月及び8月の外出状況について,外出がされた日を特定しない形で各回の外出の目的(介護保障会議,社会活動,自立支援活動,組合,研修,集会,交通機関調査等の概要)ごとにその時間数を記載したものであり,外出の日を特定できないこと及びその多くは参加した団体の名称や活動内容が具体的に明示されていないことから,これらの記載によっても,原告が実際にその記載どおりの時間数の外出をしたかどうかの検証が困難であることは否定し難く,それ自体としては原告が実際にどの活動のためどの程度外出していたかを確認するための資料として十全のものとはいい難いものの,1か月中の外出の回数及び各回の外出ごとの目的の概要・時間を知ることができるものである上,同表に記載された原告の外出の回数・時間は実行可能なものと一応考えられる(同表によれば,原告は,平成18年7月に43回,同年8月に42回外出し,1日1回を超えて外出していることになるが,例えば,5時間未満である4.5時間以下の外出を1日の間に2回行ったものと仮定して,4.5時間以下の外出には0.5日要し,4.5時間を超える外出には1日要したものとして必要日数を計算すると,平成18年7月においては,4.5時間以下の外出は24回,4.5時間を超える外出は19回で,必要日数は31.0日となり,また,同年8月においては, 4.5時間以下の外出は23回,4.5時間を超える外出は19回で,必要日数は30.5日となるので,同表の内容の外出は,上記仮定に基づくと実行可能といえる。)ことにもかんがみると,<A>前記(ア)aないしeの聴き取り調査の結果及びその際の提出資料に<B>原告外出記録表を併せてこれらを総合的に精査・勘案す の外出は,上記仮定に基づくと実行可能といえる。)ことにもかんがみると,<A>前記(ア)aないしeの聴き取り調査の結果及びその際の提出資料に<B>原告外出記録表を併せてこれらを総合的に精査・勘案すれば,上記<A>における各曜日又は数回ごとの外出の目的及び回数・時間数の申述内容等と上記<B>における各回ごとの外出の目的の概要及び時間数並びに外出の全回数の記載内容との対応関係に基づく推認も加味することにより,平成18年7月及び8月における原告の具体的な外出状況を把握することが辛うじて可能であるということができる。 すなわち,上記聴き取り調査の結果及びその際の提出資料に原告外出記録表を併せてこれらを総合的に精査・勘案すれば,(a)原告が,提出された文書の作成者である団体の活動に参加し,そのための外出として,①平成18年7月において,障害者の介護保障を求める活動のため8回にわたり合計45時間,P4,P6組合の障害者雇用相談,P5委員会の交通バリアフリー行動,障害者団体の障害者自立支援活動及びその他の社会活動のため18回にわたり合計92.5時間の合計137.5時間外出していることが認められ,②平成18年8月においても,障害者の介護保障を求める活動のため8回にわたり合計49時間,P4,P6組合の障害者雇用相談,P5委員会の交通バリアフリー行動,障害者団体の障害者自立支援活動及びその他の社会活動のため12回にわたり合計58.5時間の合計107.5時間外出していることが認められるといえるから,(b)原告は,上記各活動のため,毎月少なくとも82時間の外出をしており(原告が平成18年7月又は8月に講演のための外出をしたかどうかは明らかではないものの,仮に,これらの月において,講演のための1か月当たり6時間(前記1(1)ア(ケ)c及び同イ(ウ)b しており(原告が平成18年7月又は8月に講演のための外出をしたかどうかは明らかではないものの,仮に,これらの月において,講演のための1か月当たり6時間(前記1(1)ア(ケ)c及び同イ(ウ)b (a)の平成17年6月29日付け及び平成18年8月30日・31日付けの各日常生活支援聴き取り票の記載による。)の外出が,原告外出記録表に記載されたその他の社会活動に含まれているものとした上で,その時間を差し引いたとしても,上記82時間は,他の各活動のための外出時間の合計として算定可能である。),(c)これに,趣味・娯楽等の余暇活動に充てられることが想定されて定められた標準時間の32時間を加えた少なくとも114時間の社会参加のための外出をしており(実際,原告外出記録表によれば,①平成18年7月においては,上記137.5時間に,祭り,買い物等のための5回にわたる合計13.5時間の外出を加えれば,114時間を超え,②平成18年8月においては,上記107.5時間に,墓参り,買い物,交流等のための9回にわたる合計36.5時間の外出を加えれば(仮にこれらの外出が標準時間の32時間にとどまるとしても),114時間を超える。),(d)通院のための外出として算定された23時間,通院以外の必要不可欠な外出として算定された10時間と合わせると毎月少なくとも147時間の外出をしていると認めることも辛うじて可能であるということができる。 (エ)そうすると,上記聴き取り調査の結果及びその際の提出資料並びに原告外出記録表のいずれもそれ自体としては上記認定の基礎として十全なものではないとはいえ,上記のとおりそれらの全部を総合的に精査・勘案すれば上記認定が辛うじて可能であるといえる以上,本件処分4,5及び8において,前記イのような理由でP4のための外出以外の移動中介 ものではないとはいえ,上記のとおりそれらの全部を総合的に精査・勘案すれば上記認定が辛うじて可能であるといえる以上,本件処分4,5及び8において,前記イのような理由でP4のための外出以外の移動中介護加算を認めなかった処分行政庁の判断は,客観的には,上記の事情に照らし,考慮すべき事項を考慮しないことによりその内容が社会通念に照らし妥当性を欠くものと認められ,障害者自立支援法が処分行政庁に与えた裁量権の範囲を超えたものとして,一部を取り消すべき違法があるといわなければならない。 エ(ア)被告区は,上記原告が活動に参加している団体の作成した文書及び原告外出記録表が提出されたのは本件処分4及び5の後であり,本件処分4及び5の判断においてはこれらの資料を用いることができなかった旨主張するが,取消訴訟においても,民事訴訟の一般原則に従い,口頭弁論終結時までに現れたすべての資料を認定の基礎とすることができ,現に処分時に存在した事情が処分後に提出された資料によって認定され,その認定に係る事情が当該処分の判断において考慮すべき事項であり,これを考慮しないでされた当該処分が客観的には裁量権の範囲を超えるものと認められる場合には,当該取消訴訟において当該処分は違法なものとして取消しを免れないというべきである。被告区の上記主張に係る事情は,国家賠償請求における当該公務員の過失の有無ないし国家賠償法上の違法の有無の判断に影響を及ぼし得ることは格別(後記5(争点(4))参照),当該処分自体の取り消すべき違法の有無の判断に影響を及ぼすものとは解されない。 (イ)被告区は,原告と各団体とのかかわり合い等が不明であったため,これらの団体の活動への参加の時間を社会参加のための外出時間として算定できなかった旨主張するが,各団体が実在し活動の実体があること, )被告区は,原告と各団体とのかかわり合い等が不明であったため,これらの団体の活動への参加の時間を社会参加のための外出時間として算定できなかった旨主張するが,各団体が実在し活動の実体があること,その活動内容の概略(趣味・娯楽等の余暇活動以外の一定の目的のある社会参加活動であることが判明するに足りるもの)及び原告が実際にどの程度の時間その活動に参加しているかを客観的な資料等によって把握することができれば,必ずしも団体の構成員名簿や組織図等まで提出されていなくても,それらの団体の活動のための外出に必要な時間数を算定することができると解するのが相当である。 (ウ)被告区は,学校等外部からの依頼による講演については,講演依頼ごとに依頼文等を確認して支給量を変更することとしたため,社会参加のための外出時間に加算しなかった旨主張するが,前記ウ(ウ)のとおり, 原告の申請に係る社会参加のための外出に関する移動中介護の支給量は,講演のための外出時間の加算の可否を問わず,他の各活動のための外出時間の合計として算定可能である以上,上記主張は前記ウ(エ)の判断を左右するものではない。 (エ)なお,原告は,別件訴訟の判決が,平成16年4月以降も,1か月当たり124時間の移動介護に係る支給量が認められていた平成15年度と同程度の移動介護に係る支給量を原告が必要としていたという事実を認定しており,処分行政庁は,この事実認定に従って移動中介護の支給量を決定すべきである旨主張するところ,仮に,この主張の趣旨が,処分行政庁に原告の移動中介護の支給量に関する調査を許さず,当然に原告が平成16年3月31日までと同じ支給量を必要とするものとして処分をしなければならないという趣旨であるとすれば,以下に説示するとおり,その主張は理由がない。すなわち,別件訴訟の判決 さず,当然に原告が平成16年3月31日までと同じ支給量を必要とするものとして処分をしなければならないという趣旨であるとすれば,以下に説示するとおり,その主張は理由がない。すなわち,別件訴訟の判決は,上記認定の説示に続いて,本件移動介護要綱に従うことによって,原告については,それまで必要として支給されてきた移動介護に係る支給量が約4分の1又は3分の1に激減することとなるとした上で,別件訴訟に係る各処分が裁量権の範囲を逸脱した違法な処分とされる理由としてそのように支給量が激減することを挙げているのであって,そのように激減するとまではいえない程度の支給量の減少は裁量権の範囲内に属するとしているものと解されるから,別件訴訟の判決の上記説示を平成16年3月31日までと同じ外出介護又は移動介護の支給量を当然に同年4月1日以降も算定しなければならないという趣旨と解するのは相当ではない。 しかも,前記(1)エ(イ)のとおり,社会参加のための外出の支給量につき,別件訴訟において問題とされた本件移動介護要綱においては,月32時間を超える加算について「特段の事情」が必要とされていたのと異なり,同判決後の改正を経た本件重度訪問介護要綱においては,標準時 間としての月32時間を超える加算についてはその実体がある限り「特段の事情」がなくても加算が認められ得る仕組みが採られているので,この仕組みが同要綱の定めのとおり運用される限りにおいては,同判決の指摘する障害者自立支援法の施行前からの支給量の激減という結果を招来することにはならないと解される。したがって,前示のとおり,処分行政庁が,同要綱に基づいて社会参加のための外出に月32時間の標準を超える支給量を算定する場合において,当該外出の実体を確認するため,一定の範囲で外出の目的及び回数・時間を調査し,こ のとおり,処分行政庁が,同要綱に基づいて社会参加のための外出に月32時間の標準を超える支給量を算定する場合において,当該外出の実体を確認するため,一定の範囲で外出の目的及び回数・時間を調査し,これを具体的に確認した上で裁量権を行使して支給量を算定すべきものと解することは,別件訴訟の判決の上記説示と何らそごするものではないというべきである。また,証人P3によれば,平成16年4月以降も,毎月,原告の介護の実績報告が被告区の担当部署に提出されていることが認められるが,これらの報告(甲31の5ないし7(枝番号を含む。)と同様のものであると推認される。)によっては,外出介護が行われた時間しか把握できず,外出先や目的までは把握できないと考えられるから,平成16年4月以降の期間について本件重度訪問介護要綱7条2項による加算をするための資料として十分なものとはいえない。 (3)以上によれば,本件処分4,5及び8の一部の取消しを求める原告の請求は,いずれも理由がある。 (4)そして,以上のとおり,本件処分4及び5の一部の取消しを求める原告の請求は認容すべきものであるところ,本件審査請求4のうち本件処分4及び5の当該部分の取消しを求める審査請求を棄却した裁決については,本件処分4及び5の当該部分の取消判決の拘束力(行政事件訴訟法33条)によって,審査請求の目的を達するものといえるので,当該裁決の取消しを求める原告の訴えの利益は失われるものと解されるから,原告の被告都に対する本件各裁決の取消しを求める訴えのうち,当該裁決の取消しを求める訴えは, これを却下すべきものと解される。 原告の被告区に対する国家賠償請求の成否(争点(4))について(1)本件処分4,5及び8は,前記4のとおり,客観的には裁量権の範囲を超え,一部を取り消すべき違法の を却下すべきものと解される。 原告の被告区に対する国家賠償請求の成否(争点(4))について(1)本件処分4,5及び8は,前記4のとおり,客観的には裁量権の範囲を超え,一部を取り消すべき違法のある処分であるといえるから,次に,被告区の公務員である大田区長が,処分行政庁として介護給付費の支給に係る上記各処分をするに当たり,原告の社会参加のための外出につき,本件重度訪問介護要綱において標準とされた月32時間及びP4のための外出として算定された月48時間の合計である月80時間を超える部分について支給量の加算をしなかった行為又は被告区の公務員のこれに関連する行為について,公務員として尽くすべき注意義務を怠り,漫然と行ったものとして,過失があるといえるかどうかを検討する。 (2)前記1(1)ウ(エ)b及びcのとおり,本件処分4及び5の際,処分行政庁は,P4以外の団体の活動への参加に係る外出については,団体の活動の実態及び原告の当該団体との関係等が不明であることから支給量の加算をせず,また,学校等の依頼による講演に係る外出については,個々の講演依頼ごとに依頼文等を検討することとして,支給量の加算をしなかったものである。 そして,平成19年1月12日の本件処分4及び5の後,処分行政庁においては,P3課長が同年3月9日に原告のスケジュール表の提出を求め(前記1(1)ウ(オ)),同月20日の勘案事項調査の後,前記1(1)ウ(カ)cのとおり,同月30日に原告外出記録表が提出されているが,処分行政庁はこれによっても原告の具体的な外出状況を把握するためにはなお不十分であるとしてカレンダー等の提出を求めたところ,それが提出されなかったことから,外出の実態を把握できないとして,本件処分8に至るまでP4のための外出以外の外出について支給量の加算をしなかったも 十分であるとしてカレンダー等の提出を求めたところ,それが提出されなかったことから,外出の実態を把握できないとして,本件処分8に至るまでP4のための外出以外の外出について支給量の加算をしなかったものである。 (3)前記4(2)のとおり,平成19年1月12日の本件処分4及び5以前の原告からの聴き取り調査の結果及びその際の提出資料によっては,本件重度訪 問介護要綱7条2項による支給量の算定に必要な現実の具体的な外出状況の把握ができず,原告の社会参加のための外出の必要時間の算定は,同年3月20日に提出された資料(原告が活動に参加している団体の実在及び活動の実体を示すもの並びに原告の当該団体の活動への参加の状況を示すもの等)に加え,これらと相まって原告の現実の具体的な外出状況を把握し得る資料の提出がない限り不可能であったと解されるところ,上記各処分から2か月余を経た同月30日に至って,これらと併せて総合的な精査・勘案により原告の現実の具体的な外出状況を辛うじて把握し得る資料としての原告外出記録表が提出されたものであり,この原告外出記録表が提出される以前の上記各処分の当時においては,原告の社会参加のための外出の必要時間の算定は客観的に不可能な状況にあったものといわざるを得ない。 また,原告外出記録表の提出後についてみるに,同表は,原告の外出状況について,外出がされた日を特定しない形で各回の外出の目的(目的の概要)ごとにその時間数を記載したものであり,従前の聴き取り調査の結果及びその際の提出資料と併せて総合的に精査・勘案すれば辛うじて具体的な外出状況を把握することを可能とする資料であるといい得ると解されるとはいえ,特定の日にどの活動のために外出をしたのか並びにその外出先及び活動の具体的な内容を明らかにするものではなく,原告が実際にその記載 状況を把握することを可能とする資料であるといい得ると解されるとはいえ,特定の日にどの活動のために外出をしたのか並びにその外出先及び活動の具体的な内容を明らかにするものではなく,原告が実際にその記載どおりの時間数の外出をしたかどうかの検証が困難であることは否定し難いことから,それ自体としては原告が実際にどの活動のためどの程度外出していたかを確認するための資料として十全のものとはいい難いものであったことは前示のとおりである。 そして,従前の聴き取り調査の結果及びその際の提出資料によっては,実際にどの活動のためにどの程度外出しているかが判然としない状態にあったことから,当該月における原告の具体的な外出状況を確認する必要があった状況の下で,前示のとおりそれ自体としては原告が実際にどの活動のためど の程度外出していたかを確認するための資料として十全のものとはいい難い原告外出記録表の提出ではなお不十分であり,それ以上に特定の日にどのような内容の活動のためにどの外出先への外出が行われたかを検証し得る資料が提出されなければ原告の具体的な外出状況を確実に把握し得たとはいえないと解することにも相当な根拠があるといえ,原告がP3課長からそのような確実な把握を可能とする資料として求められたカレンダー等の提出を拒否しており(前記1(1)ウ(カ)d),仮にこれが提出されていれば処分行政庁としても原告の具体的な外出状況を把握し得る状態に至ったことを容易に認識して支給量の加算に応じていたものと推認されることにもかんがみれば,処分行政庁が,原告外出記録表の提出の前後を通じて平成21年2月27日の本件処分8の当時に至るまで,カレンダー等の特定の日の外出先及び活動内容を証する資料が提出されなかったことから,なお原告の具体的な外出状況を把握し得たとはいえないと判断 通じて平成21年2月27日の本件処分8の当時に至るまで,カレンダー等の特定の日の外出先及び活動内容を証する資料が提出されなかったことから,なお原告の具体的な外出状況を把握し得たとはいえないと判断し,P4のための外出以外の外出につき社会参加のための外出としての支給量の加算をしなかったことについて,公務員として尽くすべき注意義務を怠り漫然とこれを行ったものとして過失があるとまでは認められないというべきである(本来,各月の具体的な外出状況の認定は,その認定作用の性質上,特段の事情のない限り,特定の日にどのような内容の活動のためにどの外出先への外出が行われたかを検証し得る資料によってされることが望ましく,本件は,個々の資料自体はいずれもこれに該当しないため十全なものとはいえないが,前記1(1)の本件の一連の経緯を経て,処分の前後を通じた数次にわたる収集又は提出により集積された各般の諸資料等の総合的な精査・勘案によって辛うじてその認定が可能となったといえる例外的な事案であるということができる。)。 なお,処分行政庁は,別件訴訟の判決により,月32時間を上限とする本件移動介護要綱の定めが違法であると判断され,ほぼ同じ文言の前記改定前の本件重度訪問介護要綱別表1の4の定めも違法とされる可能性が高いこと を知った後,本件処分4及び5以前には,原告及び原告代理人に対し追加資料の提出を求めていないが,原告は,本件移動介護要綱6条2号及び本件重度訪問介護要綱7条2項の適用並びにそれに必要な資料の提出を繰り返し拒んでおり(平成17年7月8日に当該資料の提出を拒否し(前記1(1)ア(コ)),平成18年7月11日の資料提出の求め(同イ(イ)b)にも応じなかった。),別件訴訟の判決後に原告から送付された前記1(1)ウ(イ)の判決確定通知書と題する文書にお 拒否し(前記1(1)ア(コ)),平成18年7月11日の資料提出の求め(同イ(イ)b)にも応じなかった。),別件訴訟の判決後に原告から送付された前記1(1)ウ(イ)の判決確定通知書と題する文書においても,同要綱の上限に係る定めを直ちに撤廃することを求める旨の記載がされ,資料の提出に応じることと相容れない意思が表示されていたことに加え,結果的にも,原告からは原告外出記録表が提出されたにとどまり,特定の日の外出先等が分かる資料は提出されなかったこと等の一連の事実経過も併せ考慮すれば,処分行政庁が,原告からそれ以上の資料の提出の協力を得ることが困難であって,処分行政庁が現に有している資料に基づいて支給量の算定をせざるを得ないと判断したことについても,被告区の公務員が,公務員として尽くすべき注意義務を怠り漫然とこれを行ったものとして過失があるとまでは認められないというべきである。 原告は,本件処分4,5及び8について,憲法25条違反及び憲法13条違反の違憲も主張するが,前記4のとおり,これらの処分に取り消すべき違法があるとされるのは,P4のための外出以外の移動中介護加算を認めなかった処分行政庁の判断が,客観的には各処分の時点で存在した考慮すべき事項を考慮しないことにより,障害者自立支援法が処分行政庁に与えた裁量権の範囲を超えたものと認められることによるものであり,当該各処分にかかる違法を超えて所論の違憲があるとは認められないから,上記主張は過失の有無の判断に影響を及ぼすものとは解されない。 (4)以上によれば,大田区長が,処分行政庁として本件処分4,5及び8をするに当たり,原告の社会参加のための外出につき,標準の月32時間及びP4のための外出の月48時間の合計である月80時間を超える部分について 支給量の加算をしなかった行為又は被告区 5及び8をするに当たり,原告の社会参加のための外出につき,標準の月32時間及びP4のための外出の月48時間の合計である月80時間を超える部分について 支給量の加算をしなかった行為又は被告区の公務員のこれに関連する行為に過失があるとはいえないから,原告の被告区に対する国家賠償法1条1項に基づく損害賠償請求は,その余の点について判断するまでもなく,理由がない。 本件各裁決の適法性(争点(5))について(1)前記1(2)の認定事実によれば,本件各裁決は,本件処分1ないし7に係る本件審査請求1ないし4に対し,審査庁である裁決行政庁が,行政不服審査法の規定に基づく調査及び審査を行った上,障害者自立支援法98条1項及び東京都障害者介護給付費等不服審査会条例1条に基づき設けられた東京都障害者介護給付費等不服審査会(以下「不服審査会」という。)に裁決案を諮問し,不服審査会のこれを妥当とする旨の答申を経て行ったものである。 障害者自立支援法及びその関係法令には,介護給付費の支給決定又はその変更決定につき,処分の取消しの訴えとその処分についての審査請求を棄却した裁決の取消しの訴えのいずれか一方しか提起できない旨の規定は見当たらないから,これらの訴えはいずれを提起することもできると解されるところ,このような場合には,行政事件訴訟法10条2項により,裁決の取消しの訴えにおいては,処分の違法を理由として取消しを求めることができず,裁決固有の瑕疵がある場合に限ってこれを理由として裁決の取消しを求めることができる。 まず,前記4(4)のとおり,本件各裁決のうち,本件審査請求4のうち本件処分4及び5の一部の取消しを求める審査請求を棄却した裁決については,本件処分4及び5の当該部分の取消請求を認容する関係で,その取消しを求める訴えの利益は失われるので, ち,本件審査請求4のうち本件処分4及び5の一部の取消しを求める審査請求を棄却した裁決については,本件処分4及び5の当該部分の取消請求を認容する関係で,その取消しを求める訴えの利益は失われるので,裁決固有の瑕疵の有無について検討するまでもなく,その取消しを求める訴えは却下を免れない。 そして,前記2及び3のとおり,本件審査請求1ないし3(本件処分1ないし3の一部の取消しを求めるもの)並びに本件審査請求4のうち本件処分 6及び7の取消しを求める部分は,いずれも不服申立ての利益がないと解されるから,本件審査請求1ないし3並びに本件審査請求4のうち本件処分6及び7の取消しを求める部分につき裁決行政庁が審査請求を却下した各裁決は,いずれも却下の判断において適法である。 そうすると,以下では,本件各裁決のうち,本件審査請求1ないし3並びに本件審査請求4のうち本件処分6及び7の取消しを求める部分につき裁決行政庁が審査請求を却下した各裁決(以下「当該各裁決」という。)につき,却下判断の適否以外の事項に係る裁決固有の瑕疵があるか否か(仮にあるとして,それが裁決を取り消すべき瑕疵に当たるか否か)について検討する。 (2)アまず,原告は,当該各裁決には,事実誤認があり,これは,裁決行政庁の不公平で行政庁側に偏った調査によりもたらされたものであるから,裁決固有の瑕疵である旨主張する。しかし,行政事件訴訟法10条2項が審査請求を棄却した裁決の取消しを求める訴えにおいて原処分の違法を理由としてその取消しを求めることができないこととしている趣旨は,原処分が実体的にみて違法なものであるか否かの点については,これを専らその原処分の取消しを求める訴訟において審理,判断させるものとすることにあると解されるところ,原告の上記主張は,社会参加のための外出についての介 みて違法なものであるか否かの点については,これを専らその原処分の取消しを求める訴訟において審理,判断させるものとすることにあると解されるところ,原告の上記主張は,社会参加のための外出についての介護給付費に係る支給量の増量申請が認められなかった原告以外の事例の有無についての事実認定に誤りがあったというものであり,本件処分1ないし7の適法性の判断に影響し得る事実についての実体判断の誤りを指摘するものであって,結局,当該各裁決によって是認された本件処分4及び5の実体面における適法性の問題に帰着する性質のものといわざるを得ない。そうすると,この点の違法を理由に当該各裁決の取消しを求めることは,実質的には原処分の違法を理由に裁決の取消しを求めることにほかならないから,調査手続に係る裁決固有の瑕疵の有無については後記イで別途検討するものの,所論の事実誤認の主張は,それ自体としては裁 決固有の瑕疵に係るものとはいえず,裁決の違法事由として主張することはできないというべきである(なお,所論の誤認に係る事実は,上記事例の有無に関する誤りのない事実認定がされたとしても,原処分の適法性を左右するものではないことは,既に前記4(1)エ(ウ)において説示したとおりである。)。 イ(ア)次に,原告は,裁決行政庁が,処分行政庁に対し,審査過程での照会により,①平成19年11月ころ,同年1月から同年10月までの期間において社会参加のための外出に係る支給量が月32時間を超えて認められた事例の有無及び件数等について調査し,②同年12月ころ,平成18年1月から12月までの期間において社会参加のための外出に係る支給量が月32時間を超えて認められた事例の有無及び件数等並びに平成18年4月から平成19年10月までの期間において社会参加のための外出に係る支給量の増量 での期間において社会参加のための外出に係る支給量が月32時間を超えて認められた事例の有無及び件数等並びに平成18年4月から平成19年10月までの期間において社会参加のための外出に係る支給量の増量申請が認められなかった事例の有無について調査したことにつき,原告に知らせずに調査が行われ,調査方法も不公平で行政庁側に偏ったものであったなどとして,上記①及び②の調査を行ったことが裁決固有の瑕疵である旨主張する。 しかし,行政不服審査手続は,厳格な対審構造を採る訴訟手続とは異なり,原処分庁に対する上級行政庁である審査庁が,行政過程の内部において,簡易迅速な手続による国民の権利利益の救済を図る手続であり(行政不服審査法1条参照),その審理方式も対審構造をとらず,職権主義を基調としたものであること(同法27条ないし30条等参照)からすれば,審査庁は,裁決のために必要な事実について,職権で調査をすることができるというべきであり,また,同法27条ないし30条所定の手続について,公開の原則や相手方当事者の立会権等を定めた条項が存しないことからすれば,当事者の一方に対して事実に関する調査をする場合に,調査をすること及び調査の結果等を相手方当事者に知らせ るかどうかについても,個々の事案及び調査事項ごとの審査庁の裁量にゆだねられているものと解するのが相当である。本件における裁決行政庁の処分行政庁に対する調査の事項は,上記照会の内容のとおり,原処分の対象期間内における同種の外出に係る支給量の算定に関する他の事例の有無及び件数等であって,原処分自体の内容等にかかわる事柄ではなく,その回答の結果を得るまでは原処分の適法性又は違法性のいずれを基礎付ける方向に作用し得るかは明らかでないものであったといえる上,原処分の適法性を基礎付ける主な理由となり得るもの かわる事柄ではなく,その回答の結果を得るまでは原処分の適法性又は違法性のいずれを基礎付ける方向に作用し得るかは明らかでないものであったといえる上,原処分の適法性を基礎付ける主な理由となり得るものでもなかったこと,処分行政庁の主張立証の終了後に行われたもので,調査及びその結果が処分行政庁の主張立証に影響を及ぼすようなものではなかったこと,処分行政庁もその照会に回答をしただけであって,それ以上に裁決の内容に影響を及ぼすような行為が行われたとは認められないこと(なお,その回答の内容に誤りがあり,そのために裁決に事実誤認があったとしても,上記アで説示したとおり,この点は裁決の実体判断としての原処分の適法性にかかわる事柄であり,裁決固有の瑕疵とはいえず,しかも,それ自体としても原処分の適法性を左右するものではない。)からすれば,裁決行政庁の上記の調査は,審査庁としての調査権限に関する裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用してされたものとはいえず,原告の上記主張は理由がない。 (イ)原告は,上記調査の方法等が,憲法31条に違反するとも主張するが,憲法31条の定める法定手続の保障は,直接には刑事手続に関するものであり,行政手続については,それが刑事手続ではないとの理由のみで,そのすべてが当然に同条による保障の枠外にあると判断することは相当ではないものの,同条による保障が及ぶと解すべき場合であっても,一般に,行政手続は,刑事手続とその性質においておのずから差異があり,また,行政目的に応じて多種多様であるから,行政処分の相手 方に事前の告知,弁解,防御の機会を与えるかどうかは,行政処分により制限を受ける権利利益の内容,性質,制限の程度,行政処分により達成しようとする公益の内容,程度,緊急性等を総合較量して決定されるべきものであって,常に必ず 御の機会を与えるかどうかは,行政処分により制限を受ける権利利益の内容,性質,制限の程度,行政処分により達成しようとする公益の内容,程度,緊急性等を総合較量して決定されるべきものであって,常に必ずそのような機会を与えることを必要とするものではないと解するのが相当であるところ(最高裁昭和61年(行ツ)第11号平成4年7月1日大法廷判決・民集46巻5号437頁参照),上記(ア)で検討したところに加え,行政不服審査法における審査請求手続が処分に対する不服申立てを審理する上級行政庁による簡易な手続であり,裁決に不服がある者は更に処分又は裁決の取消訴訟を提起して厳格な対審構造の争訟手続でこれらを争うことができること等も併せ考えれば,上記調査の方法等の点は憲法31条に反するものとはいえない。 また,原告は,行政不服審査法の目的が簡易迅速な手続による国民の権利利益の救済であることからすれば,原処分の適法性を基礎付ける証拠を収集するために調査権限を行使することは同法の趣旨に反する旨主張するが,裁決行政庁の処分行政庁に対する当該調査は,前記(ア)の照会の内容に照らし,事柄の性質上,その回答の結果を得るまでは原処分の適法性又は違法性のいずれを基礎付ける方向に作用し得るかは明らかでないものといえ,結果的に原処分の適法性を基礎付ける方向に作用する内容の結果が得られたというにとどまり,当初から原処分の適法性を基礎付ける目的で調査権限を行使したものとはいえないから,上記主張は理由がない。 (ウ)なお,原告は,裁決行政庁の職員が,不服審査会への諮問以外の審理手続が終了した旨の原告代理人の発言を肯定する態度をとり,原告を欺罔した旨主張するが,原告の主張によっても,裁決行政庁の職員の具体的にどのような態度がどの程度積極的に原告代理人の発言を肯定する 趣旨 了した旨の原告代理人の発言を肯定する態度をとり,原告を欺罔した旨主張するが,原告の主張によっても,裁決行政庁の職員の具体的にどのような態度がどの程度積極的に原告代理人の発言を肯定する 趣旨と看取し得るものであったかは明らかでないところ,仮に,当該職員において,上記諮問以外の審理手続が終了した旨の原告代理人の発言に対し特段の反論をしなかったなどの事実があったとしても,その発言に係る審理手続の終了が当事者双方の主張立証の手続の終了を意味するとの理解を前提に上記のように対応した上で職権による補充調査の要否を別途検討することは,審査請求の手続の性質・構造等について上記(ア)及び(イ)に説示したところにかんがみれば,それによって直ちに審査庁の審理手続に関する裁量権の範囲の逸脱又はその濫用となるものとはいえず,所論の欺罔に問擬されるべき事柄でもないから,上記主張も裁決固有の瑕疵の存在を基礎付けるものとは認められない。 ウさらに,原告は,本件審査請求1について,裁決行政庁が,処分行政庁に対し,同審査請求がされた事実を伝えず,審査請求書の副本を送付せず,弁明書の提出も求めなかったという審査手続上の違法があった旨主張する。 しかし,上記イのとおり,審査請求の手続は,簡易迅速な手続であり,審理方法についても職権主義が採られていること,行政不服審査法は,審査請求書の副本の送付及び弁明書の提出を求めるかどうかについて個々の事案ごとの行政庁の裁量にゆだねており(同法22条),また,審査請求が申し立てられたことを審査庁から処分庁に通知するかどうかについては規定を設けていないことによれば,審査庁が,弁明書の提出を求めるまでもなく審査請求に対する結論を導くことができると判断した場合には,審査庁は,処分庁に対し,審査請求がされた事実の通知,審査請求書の副本の を設けていないことによれば,審査庁が,弁明書の提出を求めるまでもなく審査請求に対する結論を導くことができると判断した場合には,審査庁は,処分庁に対し,審査請求がされた事実の通知,審査請求書の副本の送付,弁明書の催告等をしないで審査請求に対する裁決をすることも妨げられないと解するのが相当である。そして,本件審査請求1については,審査請求の対象がみなし支給決定であって審査請求の対象とならないことは,本件審査請求1がされた当時,審査庁にとって明らかであったというべきであるから(丙8(5頁)参照),審査庁である裁決行政庁が処分庁 である処分行政庁に対し上記の通知,送付,催告等をしなかったとしても,審査手続上の違法事由になるとはいえず,そのことについて裁決固有の瑕疵があるとはいえない。 エ加えて,原告は,本件各審査請求に係る手続において,平成19年5月ころに双方の主張と反論は尽きていたにもかかわらず,平成20年3月ころ不服審査会が開催されるまで,約10か月間にわたり手続が放置されており,このことが裁決固有の瑕疵に当たる旨主張する。しかし,障害者自立支援法105条は,介護給付費に係る処分の取消しの訴えは,当該処分についての審査請求に対する裁決を経た後でなければ提起することができない旨規定しているものの,行政事件訴訟法8条1項ただし書及び同条2項1号によれば,当該処分についての審査請求があった日から3か月を経過しても裁決がないときは,裁決を経ないで当該処分の取消しの訴えを提起することが認められており,このように,現行法上,審査請求に対する裁決に3か月以上の期間を要した場合について,取消訴訟の提起につき審査請求前置の原則の例外が認められ,原処分の適法性を速やかに訴訟で争う方法が確保されていることからすれば,審査請求に対する裁決に相応の期 3か月以上の期間を要した場合について,取消訴訟の提起につき審査請求前置の原則の例外が認められ,原処分の適法性を速やかに訴訟で争う方法が確保されていることからすれば,審査請求に対する裁決に相応の期間を要したとしても,そのことから直ちに当該裁決が違法な裁決として取り消されるべきものとなるとは解し難く,しかも,本件では,7個の処分を対象とする4件の審査請求が審理の対象となり,それぞれ複雑困難な法令上及び事実上の問題の判断を要するものであったことも併せ考えれば,当該各裁決の審理判断に要した期間をもって裁決固有の瑕疵に当たるということはできない。 以上によれば,当該各裁決について,裁決固有の瑕疵があるとはいえず,(3)当該各裁決はいずれも適法であるから,原告の被告都に対する当該各裁決の取消しを求める請求は,いずれも理由がない(本件各裁決のうちその余の裁決の取消しを求める訴えが訴えの利益の消失により却下を免れないことは, 既に説示したとおりである。)。 よって,①(a)原告の被告区に対する訴えのうち,本件処分1ないし3の一部並びに本件処分6及び7の取消しを求める訴え(請求1(1)ないし(3),(6)及び(7)に係る訴え)はいずれも不適法であるから却下し,(b)本件処分4,5及び8の一部の取消しを求める請求(請求1(4),(5)及び(8))はいずれも理由があるから認容し,②原告の被告区に対するその余の請求(国家賠償請求。請求2)は理由がないから棄却することとし,③(a)原告の被告都に対する訴え(請求3に係る訴え)のうち,本件審査請求4のうち本件処分4及び5の一部の取消しを求める審査請求を棄却した裁決の取消しを求める訴えは上記①(b)により訴えの利益が失われるから却下し,(b)原告の被告都に対するその余の請求はいずれも理由がないから棄却 処分4及び5の一部の取消しを求める審査請求を棄却した裁決の取消しを求める訴えは上記①(b)により訴えの利益が失われるから却下し,(b)原告の被告都に対するその余の請求はいずれも理由がないから棄却することとし,訴訟費用の負担について行政事件訴訟法7条,民訴法61条,64条を適用して,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第2部裁判官小海隆則裁判官須賀康太郎裁判長裁判官岩井伸晃は,転補につき,署名押印することができない。 裁判官小海隆則 (別紙)請求目録(甲事件は次の1(1)ないし(7),2及び3であり,乙事件は次の1(8)である。)1(1)障害者自立支援法附則5条1項の規定により平成18年4月1日付けで原告が処分行政庁から受けたものとみなされた同日から同年9月30日までの原告の介護給付費の支給に係る決定処分のうち外出介護の「外出・身体介護有」の1か月当たりの支給量42時間を超える部分につき支給量として算定しないものとした部分を取り消す。 (2)処分行政庁が平成18年9月21日付けで原告に対してした障害者自立支援法に基づく同月1日から同月30日までの原告の介護給付費の支給に係る決定処分のうち外出介護の「外出・身体介護有」の1か月当たりの支給量42時間を超える部分につき支給量として算定しないものとした部分を取り消す。 (3)処分行政庁が平成18年9月29日付けで原告に対してした障害者自立支援法に基づく同年10月1日から平成20年2月29日までの原告の介護給付費の支給に係る決定処分のうち重度訪問介護の「移動中介護」の1か月当たりの支給量65時間を超える部分につき支給量として算定しないものとした部分を取り消す。 (4)処分行政庁が平成19年1月12日付けで原告に対してした障害者自立支援法に基 「移動中介護」の1か月当たりの支給量65時間を超える部分につき支給量として算定しないものとした部分を取り消す。 (4)処分行政庁が平成19年1月12日付けで原告に対してした障害者自立支援法に基づく平成18年9月1日から同月30日までの原告の介護給付費の支給に係る決定処分のうち外出介護の「外出・身体介護有」の1か月当たりの支給量90時間を超える部分につき支給量として算定しないものとした部分を取り消す。 (5)処分行政庁が平成19年1月12日付けで原告に対してした障害者自立支援法に基づく平成18年10月1日から平成20年2月29日までの原告の介護給付費の支給に係る決定処分のうち重度訪問介護の「移動中介護」の1 か月当たりの支給量113時間を超える部分につき支給量として算定しないものとした部分を取り消す。 (6)処分行政庁が平成19年1月12日付けで原告に対してした上記(2)の処分を取り消す旨の処分を取り消す。 (7)処分行政庁が平成19年1月12日付けで原告に対してした上記(3)の処分を取り消す旨の処分を取り消す。 処分行政庁が平成21年2月27日付けで原告に対してした障害者自立支(8)援法に基づく同年3月1日から平成22年2月28日までの原告の介護給付費の支給に係る決定処分のうち重度訪問介護の「移動中介護」の1か月当たりの支給量113時間を超える部分につき支給量として算定しないものとした部分を取り消す。 被告大田区は,原告に対し,金100万円及びこれに対する平成20年12月3日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 裁決行政庁が平成20年4月22日付けで原告に対してした,原告の平成18年5月12日付け審査請求,同年11月6日付け審査請求及び同月30日付け審査請求並びに平成19年3月12日付け審査請求のうち 裁決行政庁が平成20年4月22日付けで原告に対してした,原告の平成18年5月12日付け審査請求,同年11月6日付け審査請求及び同月30日付け審査請求並びに平成19年3月12日付け審査請求のうち上記1(6)及び(7)の各処分に係る部分をいずれも却下し,同日付け審査請求のうち上記1(4)及び(5)の各処分に係る部分を棄却した各裁決をいずれも取り消す。
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