【DRY-RUN】主 文 本件上告を棄却する。 理 由 弁護人広川捨吉上告趣意第一点について。 論旨は、「勾引状に依らずに逮捕したのは違法であり、又憲法第三三条の規定に 違反
主文 本件上告を棄却する。 理由 弁護人広川捨吉上告趣意第一点について。 論旨は、「勾引状に依らずに逮捕したのは違法であり、又憲法第三三条の規定に違反したものである」と主張する。若し、本件が現行犯ないし準現行犯であるならば、逮捕は適法であるが、又若し弁護人のいうようにこれらに当らないとすれば、逮捕は違法、違憲であると言わなければならぬ。しかし、よしや仮りにかかる違法があるとしても、本件では即日適法に勾留状が発せられているばかりでなく、逮捕の違法そのものは原判決に影響を及ぼさざることは、明白であるから、これを上告の理由となすことを得ない。ただ逮捕の違法に対しては、別の救済方法によるべきものである。論旨は、理由がない。 同第二点について。 本件で被告人は、犯罪行為そのものを自白してはいないが、原審はその前後の行動等に関する被告人の供述、多数証人の供述記載その他の証拠を総合して判示事実を認定したものであつて、この認定は当裁判所においても首肯することができる。 犯罪事実に対する被告人の自白がなければ、有罪となすことができないというような考え方は、もはや現代の文明国においては到底是認を許されないところのものである。事実の認定は、原事実審の職務と職権に専ら属するから、これを非難することに帰着する論旨は、上告適法の理由とならない。 よつて刑事訴訟法第四四六条に従い、主文のとおり判決する。 この判決は、裁判官全員の一致した意見である。 検察官橋本乾三関与。 昭和二三年一二月一日- 1 -最高裁判所大法廷裁判長裁判官塚崎直義裁判官長谷川太一郎裁判官沢田竹 判所大法廷裁判長裁判官塚崎直義裁判官長谷川太一郎裁判官沢田竹治郎裁判官霜山精一裁判官井上登裁判官栗山茂裁判官真野毅裁判官島保裁判官齋藤悠輔裁判官藤田八郎裁判官岩松三郎裁判官河村又介- 2 -
▼ クリックして全文を表示