令和5年5月12日東京地方裁判所刑事第18部宣告令和4年刑(わ)第2377号、第2568号、第2999号、第3259号、令和5年刑(わ)第3号詐欺被告事件 主文 被告人を懲役2年に処する。 未決勾留日数中80日をその刑に算入する。 この裁判が確定した日から3年間その刑の執行を猶予する。 理由 (罪となるべき事実)被告人は、東京都北区(住所省略)所在の医療法人社団Aの理事長であり、同社団が同所において経営するBクリニック院長医師として同クリニックにおいて全国知事会等から委託を受けて新型コロナウイルス感染症に係る予防接種等の業務を行っていたものであるが、同業務に係る委託料をだまし取ろうと考え、第1 真実は、被告人がCほか2名に対して前記予防接種をした事実はないにもかかわらず、令和3年10月7日頃、前記クリニックにおいて、被告人が別表(別表省略。以下同じ。)番号1から3まで記載のとおりにCほか2名に対して前記予防接種を各2回実施した旨の内容虚偽の新型コロナワクチン接種の予診票等を、同クリニック事務員に、東京都国民健康保険団体連合会等を介して、札幌市中央区北1条西3丁目3番地1ばらと北一条ビル8階所在の札幌市保健福祉局保健所医療対策室調整担当課に送付させて前記委託料合計1万3662円を請求し、同年12月10日、同保健所健康企画課長Dに、被告人がCほか2名に対して別表番号1から3まで記載の前記予防接種を行ったものと誤信させて前記委託料の支払を決定させ、同月20日、同市会計室出納課担当者に、前記連合会等を介して、E金庫F営業部に開設された前記A名義の普通預金口座に1万3662円を振込入金させ、第2 Gと共謀の上、真実は、被告人がGほか2名に対して前記予防接種をした事 実はな 記連合会等を介して、E金庫F営業部に開設された前記A名義の普通預金口座に1万3662円を振込入金させ、第2 Gと共謀の上、真実は、被告人がGほか2名に対して前記予防接種をした事 実はないにもかかわらず、令和3年10月7日頃、前記クリニックにおいて、被告人が別表番号4から6まで記載のとおりにGほか2名に対して前記予防接種を各2回実施した旨の内容虚偽の新型コロナワクチン接種の予診票等を、前記クリニック事務員に、前記連合会等を介して、愛知県稲沢市稲沢町前田365番地16所在の稲沢市保健センター子ども健康部健康推進課に送付させて前記委託料合計1万3662円を請求し、同年11月29日、同部部長Hに、被告人がGほか2名に対して別表番号4から6まで記載の前記予防接種を行ったものと誤信させて前記委託料の支払を決定させ、同年12月20日、同市会計課担当者に、前記連合会等を介して、前記A名義の普通預金口座に1万3662円を振込入金させ、第3 Iと共謀の上、真実は、被告人がIほか3名に対して前記予防接種をした事実はないにもかかわらず、令和3年10月7日頃、前記クリニックにおいて、被告人が別表番号7から10まで記載のとおりにIほか3名に対して前記予防接種を各2回実施した旨の内容虚偽の新型コロナワクチン接種の予診票等を、前記クリニック事務員に、前記連合会等を介して、広島県東広島市西条栄町8番29号東広島市健康福祉部東広島市新型コロナウイルス対策室に送付させて前記委託料合計1万8216円を請求し、同年11月26日、東広島市長Jに、被告人がIほか3名に対して別表番号7から10まで記載の前記予防接種を行ったものと誤信させて前記委託料の支払を決定させ、同年12月20日、同市会計課担当者に、前記連合会等を介して、前記A名義の普通預金口座に1万8216円 て別表番号7から10まで記載の前記予防接種を行ったものと誤信させて前記委託料の支払を決定させ、同年12月20日、同市会計課担当者に、前記連合会等を介して、前記A名義の普通預金口座に1万8216円を振込入金させ、第4 Kと共謀の上、真実は、被告人がKほか1名に対して前記予防接種をした事実はないにもかかわらず、令和3年10月7日頃、前記クリニックにおいて、被告人が別表番号11及び12記載のとおりにKほか1名に対して前記予防接種を各2回実施した旨の内容虚偽の新型コロナワクチン接種の予診票等を、前記クリニック事務員に、前記連合会等を介して、大阪市中央区博労町2丁目 1番13号大阪市役所健康局大阪市保健所感染症対策課に送付させて前記委託料合計9108円を請求し、同年12月1日、大阪市健康局総務部経理課長Lに、被告人がKほか1名に対して別表番号11及び12記載の前記予防接種を行ったものと誤信させて前記委託料の支払を決定させ、同月20日、同市会計室担当者に、前記連合会等を介して、前記A名義の普通預金口座に9108円を振込入金させ、第5 Mと共謀の上、真実は、被告人がMに対して前記予防接種をした事実はないにもかかわらず、令和3年10月7日頃、前記クリニックにおいて、被告人が別表番号13記載のとおりにMに対して前記予防接種を2回実施した旨の内容虚偽の新型コロナワクチン接種の予診票等を、前記クリニック事務員に、前記連合会等を介して、前記大阪市役所健康局大阪市保健所感染症対策課に送付させて前記委託料合計4554円を請求し、同年12月1日、前記Lに、被告人がMに対して別表番号13記載の前記予防接種を行ったものと誤信させて前記委託料の支払を決定させ、同月20日、同市会計室担当者に、前記連合会等を介して、前記A名義の普通預金口座に4554円を振 被告人がMに対して別表番号13記載の前記予防接種を行ったものと誤信させて前記委託料の支払を決定させ、同月20日、同市会計室担当者に、前記連合会等を介して、前記A名義の普通預金口座に4554円を振込入金させ、第6 Nと共謀の上、真実は、被告人がNほか1名に対して前記予防接種をした事実はないにもかかわらず、令和3年10月7日頃、前記クリニックにおいて、被告人が別表番号14及び15記載のとおりにNほか1名に対して前記予防接種を各2回実施した旨の内容虚偽の新型コロナワクチン接種の予診票等を、前記クリニック事務員に、前記連合会等を介して、埼玉県川口市三ツ和1丁目14番3号川口市保健部新型コロナウイルスワクチン接種推進室に送付させて前記委託料合計9108円を請求し、同年11月29日、同室室長Oに、被告人がNほか1名に対して別表番号14及び15記載の前記予防接種を行ったものと誤信させて前記委託料の支払を決定させ、同年12月20日、同市会計課担当者に、前記連合会等を介して、前記A名義の普通預金口座に9108円を振込入金させ、 もってそれぞれ人を欺いて財物を交付させたものである。 (量刑の理由)被告人は、全国知事会等から委託を受けて新型コロナウイルス感染症の予防接種事業に参加する一方で、自身が主催するセミナーにおいてワクチンを接種しなくても接種済証を発行する旨の資料を配布するなどし、このような接種済証を発行すればいずれ不正な委託料を請求することになることを分かりながら、同セミナーの参加者や知人から紹介された者などから、ワクチンを接種したくないが接種済証を発行してほしい旨の依頼を受けるとこれに応じ、15名分の内容虚偽の予診票等を5つの地方公共団体に送付して委託料合計6万8310円を詐取したものである。本件犯行は、ワクチン接種業務の ないが接種済証を発行してほしい旨の依頼を受けるとこれに応じ、15名分の内容虚偽の予診票等を5つの地方公共団体に送付して委託料合計6万8310円を詐取したものである。本件犯行は、ワクチン接種業務の委託を受けた医師の権限を悪用したものであり、被害額も少額とはいえない。金銭目的の犯行ではないことを踏まえても、犯情は悪質である。 もっとも、被告人は、被害者である各地方公共団体に対し、被害金額全額を弁償した。その他、被告人には前科がなく、罪を認めて反省していること、クリニックの従業員がこれからも被告人を支える旨述べていることなどの事情も認められるので、これらの事情も考慮し、被告人に対しては、主文掲記の懲役刑に処した上で、その執行を猶予するのを相当とする(求刑懲役2年)。 よって、主文のとおり判決する。 令和5年5月12日東京地方裁判所刑事第18部裁判長裁判官野村賢 裁判官池田知史 裁判官大﨑 敦生 (別表省略)
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