- 1 -平成28年4月8日判決言渡同日原本領収裁判所書記官平成27年(行コ)第148号異議申立棄却決定取消請求控訴事件(原審・大阪地方裁判所平成26年(行ウ)第212号)口頭弁論終結日平成28年2月17日判決 控訴人 A 被控訴人国 裁決行政庁農林水産大臣 被控訴人指定代理人栗原 圭同西川艶子同竹原友深同山本 茂同粟津 侑同沼口憲治同田中岳夫主文 1 本件控訴を棄却する。 2 控訴費用は,控訴人の負担とする。 事実 及び理由第1 控訴の趣旨 1 原判決を取り消す。 2 農林水産大臣が,控訴人に対し,平成26年4月21日付けでした品種登録- 2 -第15866号及び品種登録第15867号についての異議申立棄却決定を取り消す。 3 訴訟費用は,第1,2審とも被控訴人の負担とする。 第2 事案の概要 1 事案の要旨本件は,農林水産大臣が種苗法18条1項に基づいてした品種登録につき,控訴人が異議申立てをしたところ,農林水産大臣が同異議申立てを棄却する決定をしたことから,控訴人が,被控訴人に対し,同決定の取消しを求める事案である。 原審は,控訴人の請求を棄却したため,同人がこれを不服として控訴を申し立てた。 2 前提事実等種苗法の定め,前提事実,争点及び争点に関する当事者の主張は,次のとおり改め,当審における控訴人の補充主張を後記3に付加するほかは,原判決「事実及び理由」中の第2の2ないし4及び第3(原判決2頁7行目から12頁25行目まで)に記載のとおりであるから,これ ,次のとおり改め,当審における控訴人の補充主張を後記3に付加するほかは,原判決「事実及び理由」中の第2の2ないし4及び第3(原判決2頁7行目から12頁25行目まで)に記載のとおりであるから,これを引用する。 (1) 原判決3頁8行目及び17行目の各「12月」をそれぞれ「2月」に改める。 (2) 原判決10頁20行目の「母親」を「母親と」に改める。 3 当審における控訴人の補充主張(1) 控訴人は,本件異議申立てにおいて,次の点を指摘して,本件品種が,その親とされたキリンソウとは異なる種を親としている可能性が高いことを,証拠に基づいて実質的に主張していたのに,本件決定は,その点についての判断を遺脱した。 ア B 准教授は,平成11年ないし平成12年頃,タケシマキリンソウに「常緑キリンソウ」と名付けてC に分譲しているところ,本件品種- 3 -の出願時の名称は「常緑キリンソウフジタ1号」及び「常緑キリンソウフジタ2号」であった。 イキリンソウは0.5ないし1.0センチメートルの未展開芽で越冬するのに対し,本件品種は展開芽で越冬する点,タケシマキリンソウ及び本件品種のうちトットリフジタ1号は茎が木質化し,茎から新芽が発生するので木本類に性質が似ているのに対し,キリンソウは,地上の茎が枯れてし,葉の形状等においても,キリンソウと本件品種は異なる。 ウ本件品種は,キリンソウとはDNA塩基配列において明確な相違がある。 (2) 控訴人は,本件異議申立てにおいて,そもそも本件品種が新品種ではなく,その育成行為と呼ぶべきものが存しないから,C は育成者でないとして,育成者でない者を育成者としたことの違法を取消事由とする主張を実質的にはしていたのに,本件決定は,この点についての判断を遺脱した。 第3 当裁判所の判断 ないから,C は育成者でないとして,育成者でない者を育成者としたことの違法を取消事由とする主張を実質的にはしていたのに,本件決定は,この点についての判断を遺脱した。 第3 当裁判所の判断 1 当裁判所も,控訴人の請求は理由がないものと判断する。 その理由は,当審における控訴人の補充主張に対する判断を後記2に付加するほかは,原判決「事実及び理由」中の第4の1及び2(原判決13頁1行目から26頁4行目まで)に記載のとおりであるから,これを引用する。ただし,原判決24頁1行目の「(ア)」及び同頁25行目から26頁1行目までを削る。 2 当審における控訴人の補充主張に対する判断(1) 控訴人は,本件異議申立てにおいて,本件品種が,その親とされたキリンソウとは異なる種を親としている可能性が高いことを,証拠に基づいて実質的に主張していたのに,本件決定は,その点についての判断を遺脱した旨主張する。 しかし,本件決定は,前記1で引用した原判決「事実及び理由」中の第4の2(2)イ(ウ)に説示するとおり,品種登録制度における区別性の判断は,出- 4 -願品種の特性に基づき行うものであり,当該出願品種の親となった植物の情報は判断の根拠としていないから,本件品種の母親の種が,品種登録願に記載された種と異なる疑義があるとの主張は失当である旨判断している。 したがって,控訴人の上記主張は採用できない。 (2) 控訴人は,本件異議申立てにおいて,そもそも本件品種が新品種ではなく,その育成行為と呼ぶべきものが存しないから,C は育成者でないとして,育成者でない者を育成者としたことの違法を取消事由とする主張を実質的にはしていたのに,本件決定は,この点についての判断を遺脱した旨主張する。 しかし,控訴人が,本件異議申立てにおいて,育成者でない 成者でない者を育成者としたことの違法を取消事由とする主張を実質的にはしていたのに,本件決定は,この点についての判断を遺脱した旨主張する。 しかし,控訴人が,本件異議申立てにおいて,育成者でない者を育成者としたことを取消事由とする主張をしていたと認められないことは,前記1で訂正の上引用した原判決「事実及び理由」中の第4の2(2)ウにおいて説示するとおりである。 したがって,控訴人の上記主張は採用できない。 3 結論以上の次第で,当裁判所の上記判断と同旨の原判決は相当であり,本件控訴は理由がないから,これを棄却することとし,主文のとおり判決する。 大阪高等裁判所第8民事部 裁判長裁判官山田知司 裁判官寺本佳子 - 5 -裁判官中尾 彰
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