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主文 原判決を次のとおり変更する。第一審原告等の本訴請求を棄却する。東京都新宿区a町b番地のcの宅地三百四十二坪三勺の内六十一坪六合(別紙図面(イ)、(ヘ)、(ヌ)、(タ)、(イ)の各点を結ぶ線で囲まれた部分)につき賃貸人を第一審被告A、賃借人を第一審原告等とする賃料公定額の範囲内で毎月末日支払、期間の定のない賃借権の存在しないことを確認する。訴訟費用は本訴反訴を通じ第一、第二審共第一審原告等の負担とする。事実 第一審原告等訴訟代理人は、原判決中「期間昭和二十一年九月十五日より十ケ年」「建物部分」「原告その余の請求を棄却する」の各部分、賃借権不存在を確認した部分、訴訟費用を第一審原告等に負担せしめた部分、仮執行の宣言を却下した部分を取消す、第一審原告等が別紙目録記載の(一)の土地六十一坪六合(以下本件土地という)につき賃貸人を第一審被告A、賃借人を第一審原告等とし、賃料公定額の範囲内で毎月末日支払期間は第一審被告Aが第一審原告等に右土地を引渡した日から向う十箇年の賃借権を有することを確認する(第一次請求)、もしこれが認められないときは、第一審原告等が、(い)別紙目録(一)の土地の内三十三坪六合(別紙図面(イ)、(ハ)、(レ)、(タ)を結ぶ線で囲まれた部分)につき賃貸人を第一審被告A賃借人を第一審原告等とし、賃料公定額の範囲内で毎日末日支払、期間昭和二十四年五月一日から十箇年、また(ろ)、本件土地の内二十八坪(別紙図面(ハ)、(ヘ)、(ヌ)、(レ)を結ぶ線で囲まれた部分)につき期間昭和二十二年三月十五日から十箇年とする外右(い)と同一条件の各貸借権を有することを確認する(第二次請求)第一審被告Aは第一審原告等に対し本件土地の内十八坪六合(別紙図面(チ)、(ヌ) )につき期間昭和二十二年三月十五日から十箇年とする外右(い)と同一条件の各貸借権を有することを確認する(第二次請求)第一審被告Aは第一審原告等に対し本件土地の内十八坪六合(別紙図面(チ)、(ヌ)、(ル)、(ヲ)、(レ)、(カ)、(ワ)、(ニ)、(ホ)、(リ)の各点を結ぶ線で囲まれた部分)を明渡せ、「第一審被告Bは第一審原告等に対し右土地の内十八坪六合(別紙図面(カ)、(レ)、(タ)、(ヨ)の各点を結ぶ線で囲まれた部分)をその地上に存する別紙目録記載の(二)の建物の部分を収去して明渡し、且昭和二十四年五月一日から昭和二十五年七月三十一日までは一箇月一坪につき金一円五十六銭、同年八月一日から右土地明渡済まで一箇月一坪につき金九円十四銭の割合による金員を支払え」、「第一審参加人Cは第一審原告等に対し本件土地の内十五坪(別紙図面(イ)、(ハ)、(カ)、(ヨ)の各点を結ぶ線で囲まれた部分)をその地上に存する別紙目録記載の(三)の建物の部分を収去して明渡し、且昭和二十六年九月十三日から右土地明渡済まで一箇月一坪につき金九円十四銭の割合による金員を支払え」、「第一審被告Dは第一審原告等に対し本件土地の内七坪五合(別紙図面(ホ)、(ヘ)、(ト)、(チ)、(リ)の各点を結ぶ線で囲まれた部分)をその地上に存する別紙目録記載の(四)の建物を収去して明渡せ」、第一審原告Aの反訴請求(別地図面(ハ)、(ヘ)、(ヌ)、(レ)の各点を結ぶ線で囲まれた部分に関する分)を棄却する、訴訟費用は第一、第二審共第一審被告参加人等の連帯負担とするとの判決、並びに右確認及び反訴請求棄却を求める部分を除くその余の部分につき仮執行の宣言を求め、第一審被告参加人等訴訟代理人本人は第一審原告等の本件控訴を棄却する、なお第一審原告等の当審における請求の趣旨訂正の部分についてもその請求 審原告Aの反訴請求(別地図面(ハ)、(ヘ)、(ヌ)、(レ)の各点を結ぶ線で囲まれた部分に関する分)を棄却する、訴訟費用は第一、第二審共第一審被告参加人等の連帯負担とするとの判決、並びに右確認及び反訴請求棄却を求める部分を除くその余の部分につき仮執行の宣言を求め、第一審被告参加人等訴訟代理人本人は第一審原告等の本件控訴を棄却する、なお第一審原告等の当審における請求の趣旨訂正の部分についてもその請求 却を求める部分を除くその余の部分につき仮執行の宣言を求め、第一審被告参加人等訴訟代理人本人は第一審原告等の本件控訴を棄却する、なお第一審原告等の当審における請求の趣旨訂正の部分についてもその請求を棄却するとの判決を求め、第一審被告A、同B、第一審参加人C訴訟代理人は、原判決中右第一審被告参加人等勝訴の部分を除きその余の部分を取消す、第一審原告等の請求を棄却する、第一審原告等は第一審被告Aに対し本件土地の内三十三坪六合(別紙図面(イ)、(ハ)、(タ)の各点を結ぶ線で囲まれた部分)につき賃借権を有しないことを確認する訴訟費用は第一、第二審共第一審原告等の負担とするとの判決を求め、第一審原告等は第一審被告参加人等(第一審被告Dを除く)の本件控訴を棄却するとの判決を求めた。当事者双方の事実上の主張は、第一審原告等訴訟代理人において、原判決事実摘示中、四枚目表四行目に「十六坪二合五勺(別紙図面(イ)、(ニ)、(ワ)、(ヨ)の各点を結ぶ線で囲まれた部分)」とあるを「十五坪(別紙図面(イ)、(ハ)、(カ)、(ヨ)の各点を結ぶ線で囲まれた部分)」と訂正する。(従つて原判決主文中三枚目表一行目に「十二坪」とあるは「十五坪」の誤記である。)また四枚目表五行目に「建物」とあるを「木造瓦葺平家建住宅一棟建坪十七坪」と、四枚目表十行目に「建物」とあるを「木造瓦葺平家建住宅一棟建坪十五坪」と、四枚目裏四行目に「建物」とあるを「木造瓦葺平家建住宅一棟建坪六坪二合五勺」と補充し、六枚目表一行目に「数人の手を経て」とあるを削り、七枚目表九行目に「所有権」とあるは「所有者」の誤記であるから訂正する。しかして本件土地の内罹災跡地三十三坪六合(別紙図面(イ)、(ハ)、(レ)(タ)の各点を結ぶ線で囲まれた部分)については昭和二十三年九月十五日以後も第三者において焼トタ 」の誤記であるから訂正する。しかして本件土地の内罹災跡地三十三坪六合(別紙図面(イ)、(ハ)、(レ)(タ)の各点を結ぶ線で囲まれた部分)については昭和二十三年九月十五日以後も第三者において焼トタン小屋をその地上に所有し使用していたが、第一審被告Aは昭和二十四年四月末頃右第三者から右土地の明渡を受けると同時に第一審被告B、同(脱退被告)Eに賃貸してしまつて第一審原告等の先代亡F若くはその相続人である右原告等には右上地を引渡さないのであるからこのような場合には罹災都市借地借家臨時処理法によつて認められた右原告等の本件借地権についての十年の存続期間は右原告等において右土地の引渡を受けた時から進行するものと解すべきである。 していたが、第一審被告Aは昭和二十四年四月末頃右第三者から右土地の明渡を受けると同時に第一審被告B、同(脱退被告)Eに賃貸してしまつて第一審原告等の先代亡F若くはその相続人である右原告等には右上地を引渡さないのであるからこのような場合には罹災都市借地借家臨時処理法によつて認められた右原告等の本件借地権についての十年の存続期間は右原告等において右土地の引渡を受けた時から進行するものと解すべきである。また右原告等の借地権については仮に当初右原告等先代Fから賃貸人方に賃料を持参して支払う約定であつたとしても賃貸人は契約の時から二十二年間に亘り右賃料を取立てていたのであるから、これによつて賃貸人賃借人間に右賃料を取立債務とする暗默の合意が成立したものである。然るに賃貸人が賃料を取立てに来なかつたために右F若くは右原告等において賃料を支払わなかつたのであるから、賃料を支払わなかつたというだけで賃借権を抛棄したものと解すべきではない。なお本件土地を含む合計九十八坪二合六勺の土地につき昭和三十年十一月三十日訴外日本不動産株式会社のため所有権取得登記が経由されたことはこれを認めるけれども、第一審被告Aから右訴外会社に右土地が譲渡されたことは否認する。仮に右譲渡の事実があつたとしても、右訴外会社の本店が第一審被告Aの住所と同一場所に設けられていること、右会社の取締役G、同H、前代表取締役Iがいずれも右被告Aと親戚関係にある事実に照し、右土地譲渡契約は通謀してなされた虚偽の意思表示によるものであつて無効である。従つて本件土地は依然とし ていること、右会社の取締役G、同H、前代表取締役Iがいずれも右被告Aと親戚関係にある事実に照し、右土地譲渡契約は通謀してなされた虚偽の意思表示によるものであつて無効である。従つて本件土地は依然として第一審被告Aの所有に属する。又第一審参加人Cが昭和二十六年十二月一日右被告Aから新に借地権の設定を受けたことはこれを否認すると述べ、第一審被告A、同B、第一審参加人C訴訟代理人において、第一審参加人Cは昭和二十六年十二月一日第一審被告Aから本件宅地の一部を含めて合計三十七坪を期間二十年賃料一箇月金五百十八円と定め普通建物所有の目的を以て賃借したものである。(これと牴触する従来の主張は撤回する。)しかして第一審被告Aは昭和三十年十一月二十八日訴外日本不動産株式会社に対し本件土地を含む合計九十八坪二合六勺を売渡し同月三十日その登記を経由した、従つて仮に第一審原告等が本件土地につぎ賃借権を有していたとしても罹災都市借地借家臨時処理法第十条の規定により右訴外会社に対しこれを対抗しえないことになつたから、従つて第一審被告参加人等に対する同原告等の本訴請求は到底維持し得なくなつたものであると述べ、第一審被告Dにおいて、第一審原告等先代Fが死亡し、同原告等においてその遺産を相続したことは認めると述べ、た外は原判決の事実摘示と同一であるからこれを引用する。 第一審原告等が本件土地につぎ賃借権を有していたとしても罹災都市借地借家臨時処理法第十条の規定により右訴外会社に対しこれを対抗しえないことになつたから、従つて第一審被告参加人等に対する同原告等の本訴請求は到底維持し得なくなつたものであると述べ、第一審被告Dにおいて、第一審原告等先代Fが死亡し、同原告等においてその遺産を相続したことは認めると述べ、た外は原判決の事実摘示と同一であるからこれを引用する。当事者双方の提出援用する証拠、並びにその認否は、第一審原告等訴訟代理人において原審甲第六号証を甲第六号証の三に改め、新に、甲第六号証の一、二、同号証の四、五、同第七乃至第九号証を提出し、当審証人J、同K、同L、同Mの各証言、当審における第一審原告R本人訊間の結果を援用し、乙第二、第三号証の成立は不知と述べ、同第四号証の一乃至四、同第五乃至第七号証の成立を認め、第一審被告A、同B、第一審参 同K、同L、同Mの各証言、当審における第一審原告R本人訊間の結果を援用し、乙第二、第三号証の成立は不知と述べ、同第四号証の一乃至四、同第五乃至第七号証の成立を認め、第一審被告A、同B、第一審参加人C訴訟代理人において新に、乙第二、第三号証、同第四号証の一乃至四、同第五乃至第七号証を提出し、当審証人N、同O、同Hの各証言、当審における第一審参加人C本人訊問の結果を援用し、第一審被告Aは甲第六号証の一、二、同号証の四、五、同第七乃至第九号証の成立を認め、第一審被告B、第一審参加人Cは、甲第一乃至第九号証につきすべて第一審被告Aと同一に認否し、第一審被告Dにおいて乙第二乃至第七号証を援用し、甲第一乃至第九号証の成立を認め、た外は原判決の事実摘示と同一であるからこれを引用する。理由 先ず、第一審原告等と第一審被告参加人等との間の相互の賃借権の存否に関する請求について案ずるに、本件土地がもと訴外Qの所有に属していたので訴外Pはかねて右Qから右土地を賃借し、その地上に建物二棟を建築所有していたところ、第一審原告等先代Fにおいて大正十年十二月六日右Pから右建物二棟を買受け、同時にその敷地の賃借権を譲受けそれにつき訴外Qの承諾を得たこと、その後右借地権の期間は更新され昭和二十四年二月まで存続することとなつたが、右建物二棟の内その一棟は昭和十九年九月頃東京都疎開小空地事業のため取毀され(その跡地は別紙図面の(イ)、(ヘ)、(ヌ)、(タ)の各点を結ぶ線で囲まれた本件土地の内(ハ)、(ヘ)、(ヌ)、(レ)の各点を結ぶ線で囲まれた部分)、他の一棟は昭和二十年四月十三日戦災のため焼失した(その跡地は本件土也の内(イ)、(ハ)、(レ)(タ)の各点を結ぶ線で囲まれた部分)こと、その後右Qは昭和二十一年一月十七日本件土地を第一 の内その一棟は昭和十九年九月頃東京都疎開小空地事業のため取毀され(その跡地は別紙図面の(イ)、(ヘ)、(ヌ)、(タ)の各点を結ぶ線で囲まれた本件土地の内(ハ)、(ヘ)、(ヌ)、(レ)の各点を結ぶ線で囲まれた部分)、他の一棟は昭和二十年四月十三日戦災のため焼失した(その跡地は本件土也の内(イ)、(ハ)、(レ)(タ)の各点を結ぶ線で囲まれた部分)こと、その後右Qは昭和二十一年一月十七日本件土地を第一 た部分)、他の一棟は昭和二十年四月十三日戦災のため焼失した(その跡地は本件土也の内(イ)、(ハ)、(レ)(タ)の各点を結ぶ線で囲まれた部分)こと、その後右Qは昭和二十一年一月十七日本件土地を第一審被告Aに売渡し右Aにおいて右土地の所有権を取得したところ、右Aは昭和二十四年四月中第一審被告Bに本件宅地の内北東部十八坪六合を、又同年五月中第一審脱退被告Eに北西部十六坪二合五勺をいずれも他の土地と共にそれぞれ賃貸し、右Bはその賃借地上に木造瓦葺平家建住宅一棟建坪十五坪(別紙目録記載の(二)の建物)を、また右Eはその賃借地上に木造瓦葺平家建一棟建坪十七坪(別紙目録記載の(三)の建物)をそれぞれ築造所有していたが、右Eの建築に係る右建物はその後第一審参加人Cがこれを取得し、その敷地の賃借権を取得し(右賃借権取得の事実は成立につぎ争のない甲第六号証の一、二、同号証の四、五により認めることができる、)右B、同Cにおいてそれぞれ右建物の敷地を占有していること、及び右Fは昭和二十七年十二月十日死亡し、同人の妻又は子である第一審原告等がその遺産を相続したことは当事者間に争がない。よつて第一審原告等において右第一審被告等に対し上記賃借権を主張しうるや否やについて考えるのに、右Fまたは右原告等において右賃借権の登記若くはその土地の上に所有する建物の登記を経ていないことは本件弁論の全趣旨に照し明である。しかして前示賃借権の目的である本件土地の内前示疎開跡地については第一審原告等は第一審被告等及び同参加人に右賃借権を対抗し得ないことは原判決理由に示すとおりであるからこれを引用する。次に前示罹災跡地については、第一審原告等は戦時罹災土地物件令(以下単に物件令という)第二条第三条第六条、罹災都市借地借家臨時処理法(以下単に処理法という)第十条の規定の適用により当 これを引用する。次に前示罹災跡地については、第一審原告等は戦時罹災土地物件令(以下単に物件令という)第二条第三条第六条、罹災都市借地借家臨時処理法(以下単に処理法という)第十条の規定の適用により当初は上記登記を経ていなくても昭和二十年七月十二日以後右土地につき所有権を取得した第一審被告A、同人から賃借権の設定を受けた第一審被告B、同(脱退被告)Eから賃借権を承継した第一審参加人Cに対しその借地権を主張することができたものというべきである。 、第一審原告等は戦時罹災土地物件令(以下単に物件令という)第二条第三条第六条、罹災都市借地借家臨時処理法(以下単に処理法という)第十条の規定の適用により当初は上記登記を経ていなくても昭和二十年七月十二日以後右土地につき所有権を取得した第一審被告A、同人から賃借権の設定を受けた第一審被告B、同(脱退被告)Eから賃借権を承継した第一審参加人Cに対しその借地権を主張することができたものというべきである。しかるに右Fの本件土地を目的とする賃借権の存続期間が昭和二十四年二月末日までであることは前記のとおりであるから(仮に第一審原告等主張のように右土地を第三者をしてバラツク所有等のために使用させていたとしてもその存続期間は最長二箇年まで延長されるだけであるから)残存期間は十年未満であり、従つて右賃借権の存続期間は処理法第十一条の規定により昭和二十一年九月十五日から十年、即ち、昭和三十一年九月十四日までということになる<要旨>のである。思うに、物件令およびこれを承けた処理法は戦災によつて諸都市の広範囲にわたる地域の家屋が滅</要旨>失し、地主、借地人(家主)の疎開先、避難先をさがし、又はこれと面接することの容易でなかつた非常、混乱の時期において、平常時の借地権、地上権に関する法規をもつては処理し得ない幾多の難問に直面し、住むに家のない人々に先ず起居の地を得させ民生の安定をはかるために制定せられたものであり、戦後も復興の容易にはかどらぬためこの特別処理期間を延長したものであることは周知のとおりである。従つてかような非常時法の状態から平常時の状態に速かに復帰することが望ましいのであるが、あまりに短期日にそのような推移を期することはむずかしい。物件令および処理法はかような事情を考えて期間に関する諸規定を設けたの 常時法の状態から平常時の状態に速かに復帰することが望ましいのであるが、あまりに短期日にそのような推移を期することはむずかしい。物件令および処理法はかような事情を考えて期間に関する諸規定を設けたのであるから、少くも前記処理法第十一条の規定はその起算日も期間も動かし得ないものと解するのが相当である。そしてこの道理は右法令により罹災地を使用しようとしても、何かの理由でその土地を使用し得なかつたような場合においても異るところはない、(使用を妨げる事由がやんだ時から十年の期間が進行するものとする控訴人の見解には賛し得ない。 かしい。物件令および処理法はかような事情を考えて期間に関する諸規定を設けたのであるから、少くも前記処理法第十一条の規定はその起算日も期間も動かし得ないものと解するのが相当である。そしてこの道理は右法令により罹災地を使用しようとしても、何かの理由でその土地を使用し得なかつたような場合においても異るところはない、(使用を妨げる事由がやんだ時から十年の期間が進行するものとする控訴人の見解には賛し得ない。もしこれを然らずとすれば、混乱時とはいえ、民法の規定によつて契約の上本件土地を使用している第一審被告B、同(脱退被告)E又は第一審参加人C、第一審被告Dの土地使用権を斥けて、第一審原告等の非常時法による権利に変わらせる結果となり、前記法令の期待するところと逆の方向をたどることとなるからである。)なお物件令又は処理法の規定により土地の使用をはじめ、その期間が満了しても借主から特別の意思表示がない場合は、期間の更新に準じて通常の(非常時法によるものでない)使用関係に転換されるものと解すべきであり、非常時使用関係が、そのまま更新され爾後も非常時使用関係として継続するものでないことは非常時立法の性質上当然の帰結というべく、もし土地使用の継続(従つて前記平常時関係への転換の契機)なくして右法令の期間を経過してしまつた場合は、右法令による土地使用権は期間の満了により消滅するものと解すべきである。そうすると第一審原告等の前記借地権は前記期間の満了により消滅したことになるのであつて、その借地権は既に過去の法律関係になつてしまつたのであるから、もはやその確認を求め得ないことは云うまでもなく、また右借地権の存続を前提とする建物の収去とその 満了により消滅したことになるのであつて、その借地権は既に過去の法律関係になつてしまつたのであるから、もはやその確認を求め得ないことは云うまでもなく、また右借地権の存続を前提とする建物の収去とその敷地の明渡は他の争点の判断をするまでもなく失当であること明白である。残るのは第一審被告B、第一審参加人Cに対する借地権の侵害による損害賠償の請求(第一審被告Dに対する損害賠償請求は当審において減縮された。)であるが、(右借地権の消滅後の分について請求できないことは明らかであつて問題はその消滅以前の分に限られるのであるが、)亡Fが昭和十九年十二月末日までの本件土地の賃料を支払つただけでその後の賃料を支払わず、又本訴提起(昭和二十五年十月三十一日であること記録上明白である)前地主を訪ねたことがなかつたことは当審における第一審原告R本人の供述により明らかであり、第一審被告Bが昭和二十四年四月中、第一審被告(脱退被告)Eが同年五月中当時の地主Qから本件土地(各占有部分)を賃借したことは第一審原告等の自陳するところであり、第一審被告B、右Eの賃借権を承継した第一審参加人Cがいずれも敷地使用の正当権原があるものと信じて各地上家屋を所有し敷地を占有していたことは同人等の各本人尋問の結果によりこれを窺うに十分であり、第一審原告等の借地権又はその地上建物の所有権については登記のなかつたことは前示認定のとおりであつて、かような事情であつたにもかかわらず、第一審被告B、同参加人Cが第一審原告等の借地権を侵害する故意又は過失があつたという事実を認めるに足る措信し得べき証拠はない。 いずれも敷地使用の正当権原があるものと信じて各地上家屋を所有し敷地を占有していたことは同人等の各本人尋問の結果によりこれを窺うに十分であり、第一審原告等の借地権又はその地上建物の所有権については登記のなかつたことは前示認定のとおりであつて、かような事情であつたにもかかわらず、第一審被告B、同参加人Cが第一審原告等の借地権を侵害する故意又は過失があつたという事実を認めるに足る措信し得べき証拠はない。とすれば更に判断を進めるまでもなく第一審原告等の損害賠償の請求もまた失当として排斥を免れない。要するに第一審原告等の本訴請求はすべて棄却せらるべきものである。これに反して、第一審被告 はない。とすれば更に判断を進めるまでもなく第一審原告等の損害賠償の請求もまた失当として排斥を免れない。要するに第一審原告等の本訴請求はすべて棄却せらるべきものである。これに反して、第一審被告Aの反訴請求は、第一審原告等が右Aの云うよな賃借権の現に存続することを主張し続けていること本件訴訟の経過に徴して明白であるにかかわらず、右賃借権が既に消滅して現存しないこと前説示のとおりであつて、その不存在確認を求める法律上の利益があるものと認められるから、これを認容すべきものとする。しからば本訴、反訴を通じ原判決とその認容の限度を異にするから原判決を変更すべきものとし、民事訴訟法第三百八十四条第三百八十六条第八十九条第九十三条第九十六条を適用し主文のとおり判決する。(裁判長判事梶村敏樹判事岡崎隆判事堀田繁勝)
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