平成13(行コ)46 大阪府救済申立却下命令取消

裁判年月日・裁判所
平成14年1月22日 大阪高等裁判所
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判決文本文34,514 文字)

主文 1 本件控訴を棄却する。 2 控訴費用(補助参加によって生じた費用を含む。)は,控訴人の負担とする。 事実及び理由 第1 控訴の趣旨 1 原判決を取り消す。 2 被控訴人が大阪府地方労働委員会平成4年(不)第26号,平成5年(不)第13号及び平成7年(不)第69号併合事件について,平成11年12月24日付けでなした命令のうち,主文第1項及び第2項を取り消す。 3 訴訟費用は,第1・2審を通じて被控訴人の負担とする。 第2 事案の概要 1 事案の概要は,以下に付加,訂正,削除した上,原判決の「第二事案の概要」の記載を引用する。なお,以下,不当労働行為救済申立人適格を単に「申立人適格」ともいう。 (1) 3頁最終行の「以下「団交」という」を「以下「団交」ともいう」と改める。 (2) 4頁1行目の「非常勤講師」を「非常勤講師などの非常勤職員」と,同頁1・2行目の「臨時的教務事務報酬の廃止」を「臨時的教務事務報酬などの支給の廃止」と,同頁2行目の「非常勤講師」を「非常勤職員」とそれぞれ改める。 (3) 5頁4行目の「二一〇名」を「約210名」と,同頁5行目の「組合員」(2か所)をいずれも「組合員数」と,同頁9行目の「同年」を「平成元年」とそれぞれ改める。 (4) 6頁3行目の「その他」を「非常勤講師のほか」と,同行の「定年勧奨」を「勧奨」とそれぞれ改め,同頁6行目の「特別職の地方公務員である。」の次に「非常勤講師,非常勤特別嘱託員及び非常勤教務補助員を,以下「非常勤講師等」という。」を加える。 (5) 6頁最終行の「昭和四八年」の前に「非常勤講師に対しては,」を加える。 (6) 7頁3行目から4行目にかけ 員及び非常勤教務補助員を,以下「非常勤講師等」という。」を加える。 (5) 6頁最終行の「昭和四八年」の前に「非常勤講師に対しては,」を加える。 (6) 7頁3行目から4行目にかけての括弧書きを削除し,同頁7行目の「非常勤講師にも常勤講師らと同様」を「非常勤講師等にも非現業職員と同様」と改め,同頁8行目の「右臨時的教務事務報酬」の次に「及び非常勤特別嘱託員に対する右時間外勤務に対する報酬(以下「臨時的教務事務報酬等」という。)の支給」を加える。 (7) 8頁7行目から8行目にかけての「昨年末一時金交渉で誠意をもって対応するとの約束」を「前年末の一時金交渉でなされた誠意をもって対応するとの約束」と改め,同頁最終行の「原告が府教委に対し、」の次に「控訴人の府教委に対する交渉の申入れが」を加える。 (8) 10頁11・12行目の「同月二九日午後四時に」を「交渉日時を同月29日午後4時として」と改める。 (9) 11頁4行目の「原告指摘の日時の交渉期日を指定する旨の回答」を「控訴人が申し入れた日時における交渉を応諾する旨の回答」と,同頁8行目の「管理係長は」を「府教委の管理係長は,電話で,」と,同頁12行目の「同月三〇日」を「同年10月30日」とそれぞれ改める。 (10) 12頁4行目の「(1)」の次及び次行の「(2)」の次にいずれも「非常勤講師等についての」を,同頁7行目の「賃上げ額」の前に「非常勤講師等の報酬の」をそれぞれ加え,同行の「臨時的教務事務報酬など」を「臨時的教務事務報酬等」と改める。 (11) 13頁1行目の「混合組合であるとした上で、」の次に「その構成員の大多数を非現業職員が占めていることから,控訴人の法的性格は地公法上の職員団体であると判断した。そして,労組法の適用を受け (11) 13頁1行目の「混合組合であるとした上で、」の次に「その構成員の大多数を非現業職員が占めていることから,控訴人の法的性格は地公法上の職員団体であると判断した。そして,労組法の適用を受ける労働者も職員団体に加入することができるから,職員団体に加入した労組法の適用を受ける労働者に対する不利益取扱いを救済する必要性を考慮して,」を加える。 (12) 13頁6行目の「申立人適格は認められるが、」の次に「臨時的教務事務報酬等の支給の廃止は」を加え,同頁12行目の「平成七年」を「平成6年」と改める。 (13) 14頁6行目の「臨時的教務事務報酬」の次及び次行の「非常勤講師」の次にいずれも「等」を加える。 (14) 15頁6行目の「八七号」を「(第87号)」と改める。 (15) 16頁5行目の「そのもの」を「その者」と改める。 (16) 18頁7行目と同頁8・9行目の「労組法適用組合員」をいずれも「労組法非適用組合員」と改める。 (17) 19頁1行目の「労組法七条四号」を「労組法7条1号及び4号」と改める。 (18) 21頁2行目の「臨時的教務事務報酬」の次に「等」を加え,同頁7行目の「労組法の適用がない」を「労組法の適用がないし,」と改める。 (19) 22頁10行目の「できた」を「できるようになった」と,同頁12行目の「法改正」を「の国内法整備」とそれぞれ改める。 (20) 27頁10行目の「労組法適用労働者等」を「労組法適用労働者」と改める。 (21) 29頁2行目の「非常勤講師、非常勤職員等」を「非常勤講師等」と改める。 2 当審における控訴人の主張(原判決批判)(1) 原判決は,労働団体の性格ごとにこれを規律する法を区別するという現行法体系から 非常勤講師、非常勤職員等」を「非常勤講師等」と改める。 2 当審における控訴人の主張(原判決批判)(1) 原判決は,労働団体の性格ごとにこれを規律する法を区別するという現行法体系から,1個の労働団体が同時に二面的な法的性格を有することは予定していないと結論づけるが,以下のとおり,規律する法が区別されるということと1個の団体が1個の法的性格しか持ち得ないということは,論理的に結びつくものではない。 株式会社は同時に合名会社になり得ないが,それは会社ごとに規律する法を区別する現行商法の体系によるものではなく,株式会社と合名会社が相反して両立し得ない要件で構成されており,それらの要件が混合する余地がないことによるものである。 社会的実体としては1個である大阪府知事は,労組法上の使用者と地公法上の当局という二面的な法的性格を有している。これと同様に,1個の労働団体が労組法上の労働組合と地公法上の職員団体の二面的な法的性格を有することもあり得るのである。 労働団体は,本来的に多重的な法的性格を持つものである。労働組合は,①憲法上の要件,②労組法2条の要件及び③労組法5条の要件を具備して,法適合組合になるところ,法適合組合は,憲法上の要件のみを具備した労働組合,憲法上の要件及び労組法2条の要件だけを具備した組合(規約不備組合)の性格をも兼ね備えており,三重の法的性格を有している。地公法上の職員団体は,憲法上の労働組合という性格と地公法上の職員団体という性格を多重的に兼ねているのである。 (2) 原判決は,現行法体系が職員団体か労働組合かという労働団体の性格ごとにこれを規律する法を区別しており,質量ともに非現業職員が主体である控訴人は,職員団体として扱われ,労働組合としての法的性格を有する 原判決は,現行法体系が職員団体か労働組合かという労働団体の性格ごとにこれを規律する法を区別しており,質量ともに非現業職員が主体である控訴人は,職員団体として扱われ,労働組合としての法的性格を有すると解すべきではないとする。 しかし,勤労者の団結権に関する法規範の構造は,勤労者の団結体を相矛盾し両立し得ない性格を有する労働組合と職員団体の2種の団体に截然と区分した上で,勤労者をそのいずれかの団体に帰属させるというような構造をとっていない。地公法は,職員団体を職員がその勤務条件の維持改善を図ることを目的として組織する団体又はその連合体をいうとして,その職員とは警察職員及び消防職員以外の職員をいい(52条),労組法は職員に関して適用しない(58条)と定めるにすぎず,地公法にいう職員以外の者に対して労組法の適用を排除する法律はないから,これらの者が結成し,参加する団結体は,原則に立ち返って労組法上の労働組合であるというほかない。 また,単労職員だけで構成される団体は,社会的実体としての性格は1個であるのに,地公法上の職員団体,労組法上の労働組合のいずれを選択することも可能であり,このことからも現行法体系が労働団体の社会的実体としての性格ごとにこれを規律する法を区別しているものではないことが明らかである。 (3) 原判決は,前記(2)の現行法体系の区別について,非現業職員の住民全体に対する奉仕者という地位やその職務の特殊性を根拠とする。 しかし,非現業職員だけが住民全体に対する奉仕者ではないから,非現業職員に対する労組法の適用除外は,職員の地位や職務の特殊性から必然的に生じるものではない。職員団体は,労働組合と同じく憲法上の団結権に基づいて結成されたものであり,労働組合とは法的根拠・機能を異にするとし 対する労組法の適用除外は,職員の地位や職務の特殊性から必然的に生じるものではない。職員団体は,労働組合と同じく憲法上の団結権に基づいて結成されたものであり,労働組合とは法的根拠・機能を異にするとしても,それは勤務条件法定主義と財政民主主義の原則によるのであり,かつ,職員団体と労働組合に対する法制上の区別は論理必然的・絶対的なものではない。 (4) 原判決は,労働者が自己の選択に従って労働団体に加入することは自由であるのに,労組法の適用を受ける労働者が労働組合としての性格を有しない混合組合に加入したことをもって行政機関による救済制度を閉ざすことは,労働者の不利益が大きいとして,このような場合に労組法7条1号,4号の救済だけを認める。 しかし,当該労働者については,自ら望んで労組法の適用を受けない混合組合に加入したのであるから,労組法による救済を与えることが全面的に否定されるはずであって,原判決の論理は首尾一貫しない。 原判決は,混合組合加入の労組法適用労働者に係る不当労働行為申立てのうち労組法7条1号,4号に該当するときにだけ混合組合の申立人適格を認めるが,これは,労組法7条1号及び4号を同条2号及び3号とは異質なものであると解するものである。ところで,労働者を解雇するなどの不利益取扱いが同時にその労働組合の運営に対する支配介入となる場合には,労組法7条1号と3号のいずれもが適用されるという並列規定説が支配的見解であり,最高裁判所昭和59年5月29日第三小法廷判決・民集38巻7号802頁(日本メール・オーダー事件)は,同一企業内に併存する労働組合の一つが労働協約の締結を拒否したためその組合員のみが年末一時金の支給を受けられなかった場合に労組法7条1号及び3号に該当するとする。原判決の考えを採り,かつ,並列規定説に従えば, に併存する労働組合の一つが労働協約の締結を拒否したためその組合員のみが年末一時金の支給を受けられなかった場合に労組法7条1号及び3号に該当するとする。原判決の考えを採り,かつ,並列規定説に従えば,1個の行為が労組法7条1号に該当するが同時に同条3号にも該当すると判断されると,その途端に混合組合の申立人適格が否定されることになってしまうことになり,同条1号の不当労働行為について労働委員会による救済を図るという原判決の出発点に反することになるし,同条1号の不当労働行為が成立する上に同条3号の不当労働行為が成立するという反規範性の高い行為を行った使用者の方が得をする結果になってしまう。 (5) 原判決は,使用者(当局)との交渉や合意の締結の場面で1個の労働団体が二面的な法的性格を有することにより発生する混乱は,単に交渉の機会を別個にすれば解決できるというものではないとし,これを控訴人の請求を棄却する唯一の実質的理由とする。しかし,そのような混乱とは使用者(当局)側の手続の煩雑以上のものではなく,これを理由に労働者の団結権を制約することは,憲法上到底許されない。 二面的な法的性格を持つ労働団体を認めなければ,少数の民間労働者が加入した職員団体は,当該民間労働者に関する問題につき,使用者に対して団体交渉を求めることも使用者と労働協約を締結することもできなくなるし,少数の非現業職員が加入した労働組合は,非現業職員に関する問題につき,当局に対して地公法上の交渉も労組法上の団体交渉も求めることができなくなるが,これは憲法上の団結権を否定することになる。 (6) 原判決の帰結するところによれば,使用者(当局)は,労働団体に詳細な報告を求めなければ,労働団体が職員団体か労働組合かを判断できないことになるところ,そのような報告 することになる。 (6) 原判決の帰結するところによれば,使用者(当局)は,労働団体に詳細な報告を求めなければ,労働団体が職員団体か労働組合かを判断できないことになるところ,そのような報告を求めること自体が不当労働行為になる場合があるし,構成員の確認ができないとなると,使用者(当局)において当該労働団体を労働組合又は職員団体のいずれでもないと取り扱うことになり,団結権を侵害することになる。また,当該労働団体において非現業職員と労組法適用労働者が質量ともに拮抗した場合には,いかなる法によって規律するか判断できないことになる。 原判決は,労働団体の法的性格を決める基準について量的構成割合及び役員構成割合を例示するが,前者は不断に変化するものであり,いつの時点をもって確定するのかがはなはだ困難であるし,量的構成割合をもって混合組合の法的性格を決める理論的根拠が明らかではない。また,原判決は第2次基準として役員構成割合を挙げるが,構成員の量的構成と役員の構成割合が逆になる場合もあり得るのであって,原判決の掲げる基準は様々な組合せに対応できるものではない。 (7) 原判決は,団交拒否は団体としての活動そのものに対する不当労働行為であることも理由として,団交拒否の不当労働行為について,非現業職員が多数を占める控訴人の申立人適格を否定した。 しかし,官公庁で働く労組法適用労働者が混合組合に加入するのは,その団体の団結力に期待し,自らの労働条件の維持改善その他経済的地位の向上を当該混合組合の代表活動にゆだねたいがためであり,それが認められなければ当該混合組合には団結体としての存在理由がなくなる。団交拒否についての申立人適格を否定することは,団体交渉権を否定することになる。労働団体が労働者個人の権利利益のために団体 ,それが認められなければ当該混合組合には団結体としての存在理由がなくなる。団交拒否についての申立人適格を否定することは,団体交渉権を否定することになる。労働団体が労働者個人の権利利益のために団体交渉する場合には,団体としての活動そのものではなく,いわゆる個人のための代表活動と評価すべきものである。 仮に,非現業職員が多数を占める混合組合が労組法適用労働者に関する事項を上部団体である労組法適用の労働組合連合体に交渉委任した場合は,団体交渉権を否定できないはずであり,このことから考えても,当該混合組合が労組法適用労働者に関する事項について団体交渉をすることができないと解することはできない。 第3 当裁判所の判断 1 当裁判所の判断は,以下に付加,訂正,削除した上,原判決の「第三当裁判所の判断」の記載を引用する。 (1) 30頁1行目の「二一〇名」を「約210名」と改め,同行の「非現業職員であった」の次に「(量的側面)」を,次行の「非現業職員であった」の次に「(質的側面)」をそれぞれ加え,同頁10行目の「必要とされる」を「必要とされ,所定の事由に該当する場合には交渉が打ち切られる」と改める。 (2) 33頁7行目の「加入したからといって、」の次に「当該職員団体については,」を加える。 (3) 34頁11行目と最終行の各「企業職員等」をいずれも「労組法適用労働者」と改める。 (4) 35頁3行目の「一個の組合」から次行の「いえない」までを「職員団体が同時に労働組合の機能まで有することまでも,職員団体と労働組合を峻別する現行法体系が想定しているとまでいうことはできない」と改める。 (5) 36頁4・5行目の「同条約が具体的に」を削除する。 (6) 37頁12行目の「乙A五」から次行の「二 合を峻別する現行法体系が想定しているとまでいうことはできない」と改める。 (5) 36頁4・5行目の「同条約が具体的に」を削除する。 (6) 37頁12行目の「乙A五」から次行の「二三、」までを削除し,同頁最終行の「二〇ないし二七」を「20,21,25,26」と改め,38頁1行目の「三七、」を削除する。 (7) 38頁4・5行目及び6行目の各「臨時的教務事務等」を「臨時的教務事務及び時間外勤務」といずれも改める。 (8) 39頁1行目の「反対する」の前に「報酬などの文言が書き加えられたものの,」を,同頁6・7行目の「非常勤講師」の次に「等」をそれぞれ加える。 (9) 42頁2行目の「実施されず、」を「実施されなかった。」と改める。 (10) 42頁6行目の「の廃止」を削除し,次行の「原告の」の前に「その廃止は」と改める。 2 控訴人の当審における主張について(1)ア控訴人は,規律する法の区別と1個の団体の多重的性格の否定は論理的に結びつくものではないとする。しかし,一般論として,規律する法に区別があることと特定の団体の多重的性格が否定されることは論理的に結びつかないとしても,労働団体について,引用に係る原判決の説示するとおり,労組法と地公法の区別が截然となされていると考えられる以上は,そのいずれの適用を受けるかという意味での労働団体の法的性格は一つしかないといわざるを得ない。 イ控訴人は,大阪府知事が労組法上の使用者と地公法上の当局という二面的な法的性格を有することを指摘する。しかし,大阪府知事が労働組合に対して労組法上の使用者の地位に立ち,職員団体に対して地公法上の当局の地位に立つのは,それぞれの法の規定に基づくものであり,このことをもって1個の労働団体が労働組合及び かし,大阪府知事が労働組合に対して労組法上の使用者の地位に立ち,職員団体に対して地公法上の当局の地位に立つのは,それぞれの法の規定に基づくものであり,このことをもって1個の労働団体が労働組合及び職員団体の二面的な法的性格を持つということはできない。 控訴人は,労働団体が本来的に多重的な法的性格を持つものであると指摘する。しかし,これは,労働団体の法的概念がいわば垂直的な重層構造をなしていることを指摘するだけであり,このことと憲法上の労働団体であることを前提として労組法と地公法それぞれの法規に基づく労働団体として結成される労働組合と職員団体の双方の性格を1個の労働団体が兼ねることができるかとは,全く別の問題である。 (2)ア控訴人は,勤労者の団結権に関する法規範の構造は,労働団体を相矛盾し両立し得ない性格を有する労働組合と職員団体の2種の団体に截然と区分した上で,勤労者をそのいずれかの団体に帰属させるというような構造をとっていないとし,地公法にいう職員以外の者に対しては労組法の適用を排除する法律がないから,その者が結成し参加する労働団体は,原則に戻って労働組合であるというほかないと主張する。 しかし,現行法体系が職員団体を規律する法と労働組合を規律する法を区別し,1個の労働団体が職員団体たる性格と労働組合たる性格とを兼ねるのを予定していないことは,引用に係る原判決の説示するとおりである。付言するに,終戦後,公務員は旧労働組合法(昭和20年法律第51号)の労働者であるとして同法の適用を受け,ただ警察官吏などについてのみ労働組合の結成と労働組合への加入が禁止され(同法4条),昭和22年に国家公務員法が制定されてもその原則に変更はなかったが,昭和23年政令201号により,公務員の争議行為と労働協約の締結 ついてのみ労働組合の結成と労働組合への加入が禁止され(同法4条),昭和22年に国家公務員法が制定されてもその原則に変更はなかったが,昭和23年政令201号により,公務員の争議行為と労働協約の締結を目的とする団体交渉が全面的に禁止され,昭和23年法律222号により追加された国家公務員法附則16条により,一般職の国家公務員には労組法,労働関係調整法及び労働基準法が適用されないことになり,この結果,国家公務員は民間の労働者とは異なる扱いを受けるようになり,昭和25年に地公法が制定され非現業職員について労組法が適用されないこととされた。このような経緯からみても,労組法の適用がされなくなった非現業職員で構成する職員団体は,労組法上の労働組合とはいえず,それぞれを規律する法を区別しているのが現行法体系であるといわざるを得ない。 控訴人は,労組法適用職員が参加した職員団体は原則に戻って労組法上の労働組合であるというほかないとするが,非現業職員は労組法が適用されず,職員団体はそのような非現業職員によって給与等の勤務条件の維持改善を図ることを目的として組織されるものであるから,労組法の適用を排除されない労働者が職員団体に参加したからといって,そのことだけをもって当該職員団体が当然に労働組合としての性格を有するということはいえないというべきである。 イ控訴人は,単労職員が職員団体,労働組合のいずれをも選択して結成できることから,1個の労働団体について規律する法を現行法体系は区別していないと主張する。 しかし,単労職員において職員団体又は労働組合のいずれを結成することが可能であるとしても,いったんそのいずれかを選択した以上は職員団体,労働組合のいずれかの法的性格しか有しないというべきであり,1個の労働団体が職員団 いて職員団体又は労働組合のいずれを結成することが可能であるとしても,いったんそのいずれかを選択した以上は職員団体,労働組合のいずれかの法的性格しか有しないというべきであり,1個の労働団体が職員団体,労働組合の双方の法的性格を兼ねることができることの根拠とはならないというべきである。 (3) 控訴人は,非現業職員だけが住民全体の奉仕者ではないから,非現業職員に対する労組法適用除外は,地位や職務の特殊性から必然的に生じるものではなく,職員団体と労働組合とがその法的根拠・機能を異にするのは,勤務条件法定主義と財政民主主義の原則によるのであり,その区別も論理必然的・絶対的なものではないと主張する。 なるほど,非現業職員であれ単労職員及び企業職員であれ,いずれも地方公務員として住民全体の奉仕者として活動するものであるが,単労職員及び企業職員は,民間の類似職種の労働者と職務内容が実質的に共通しており,公務員として不可欠な規制を除けば,できる限り民間労働者と同じような扱いをするのが望ましいことから,労組法が適用されるのであって,非現業職員と単労職員等の間には地位や職務の特殊性に差異があるといわざるを得ない。もっとも,立法論的には,両者をほぼ同様に取り扱うことは不可能ではなく,したがって,控訴人の指摘するようにその区別は絶対的ではないにしても,現行法体系上は,非現業職員には労組法の適用が排除され,地公法が適用されることは明らかであり,非現業職員を構成員とする職員団体には労組法の適用がないことも明らかである。 (4)ア控訴人は,労組法の適用を受ける労働者が労組法の適用のない職員団体とみられる混合組合に加入した場合には,そのような団体に加入したのであるから,労組法による救済を与えることが否定されるはずであるのに,原判決の判断の 法の適用を受ける労働者が労組法の適用のない職員団体とみられる混合組合に加入した場合には,そのような団体に加入したのであるから,労組法による救済を与えることが否定されるはずであるのに,原判決の判断のように労組法7条1号,4号の救済だけを認めることは首尾一貫しないと主張する。 なるほど,労組法適用労働者がいったん職員団体たる性格を有する混合組合に加入した以上,当該混合組合に労組法を適用する余地はないとして,団体交渉拒否や支配介入だけでなく不利益取扱いについても当該混合組合に申立人適格を認めないことが首尾一貫するということができる。しかし,引用に係る原判決の説示するとおり,非常勤講師等の労組法適用職員が職員団体たる法的性格を有する混合組合に加入することも職員の自由な選択にゆだねたと考えられるところ,職員団体たる法的性格を有する混合組合に加入した職員に対する不利益取扱いに関して,非現業職員については地公法上の不利益処分として人事委員会又は公平委員会への不服申立制度が設けられているのに,労組法適用職員については当該混合組合が労働組合でないことを理由に行政機関による救済制度を閉ざすというのでは,当該労働者の受ける不利益が大きく,団結権保障の見地からも合理的でないとみられるところである。そこで,労組法適用職員について行政機関による何らかの救済を認めるとしても,労組法適用職員に対する不利益取扱いを地公法上の不利益処分とみることはできず,したがって人事委員会又は公平委員会への不服申立てを認めることはできないから,形式的な首尾一貫性は多少欠けるものの,労組法適用労働者に関する不利益扱いに関しては,当該混合組合に申立人適格を認めるのが相当であるというべきである。 イ控訴人は,労組法7条1号,4号に係る不当労働行為についてだけ申立 の,労組法適用労働者に関する不利益扱いに関しては,当該混合組合に申立人適格を認めるのが相当であるというべきである。 イ控訴人は,労組法7条1号,4号に係る不当労働行為についてだけ申立人適格を認める考えは労組法7条1号及び4号を同条2号及び3号とは異質なものであると解するものであり,このように解することは,労働者を解雇するなどの不利益取扱いが同時にその労働組合の運営に対する支配介入となる場合には,労組法7条1号と3号のいずれもが適用されるという並列規定説に反する旨主張する。 労組法7条1号,4号の場合にだけ申立人適格を認めるといっても,それは,労働者への不利益扱いと労働組合への支配介入のいずれか一方が成立すれば他方は成立しないという排他的な関係に立つと考えるものではないし,労働者への不利益取扱いが労働組合への支配介入となる場合に労組法7条1号と3号のいずれをも適用することを否定するものではなく,職員団体たる法的性格を有する混合組合に加入した労組法適用職員に対する不利益取扱いと混合組合の団体としての活動に対する不当労働行為は区別できることを前提に,前者に関してだけ申立人適格を認めるものである。他方,労働者を解雇するなどの不利益取扱いが同時に当該労働者の属する労働組合への支配介入となる場合には労組法7条1号と3号のいずれもが適用されるという考えも,不利益扱いという不当労働行為の類型と支配介入という不当労働行為の類型に分けられることを否定するものではなく,むしろ,各類型が分けられることを前提として,両方に当てはまる場合には各類型について規定する条項の並列的な適用を認めるべきものである。 (5)ア控訴人は,1個の労働団体が使用者(当局)との交渉や合意の締結の場面で多重の法的性格を同時に有することにより発生する混 型について規定する条項の並列的な適用を認めるべきものである。 (5)ア控訴人は,1個の労働団体が使用者(当局)との交渉や合意の締結の場面で多重の法的性格を同時に有することにより発生する混乱は,単に交渉の機会を別個にすれば解決できるし,そのような混乱は使用者(当局)側の手続の煩雑以上のものではなく,それを理由に労働者の団結権を制約することは憲法上到底許されないと主張する。 しかし,まず,使用者(当局)の側の煩雑はさておき,混合組合が二面的な法的性格を有するとした場合,交渉の機会を分けたとしても,現実の問題として,労組法適用職員についての団体交渉の場合には労働組合,非現業職員についての交渉の場合には職員団体というように分けて行動できるのか疑問の余地があり,混合組合の行動が労働組合としてのものなのか職員団体としてのものなのかについて,紛議が生じるおそれもあり得るところであり,その点でも,混合組合に労働組合と職員団体の二面的な法的性格を認めることは無視できない混乱をもたらすというべきである。 また,労組法適用職員は,労働組合による団体交渉等を望むのであれば,労働組合を結成し,その活動によって団体交渉等をすることが可能であり,労組法適用職員が加入した職員団体たる法的性格を有する混合組合に労働組合としての団体交渉権を認めなかったからといって,憲法上の団結権を侵害するということはできない。団結権を侵害された場合にこれを具体的にいかなる制度によって救済するかは立法政策の問題であり,常に不当労働行為救済制度によらなければ憲法に違反するというものではない。したがって,憲法上の団結権を根拠として,職員団体たる法的性格を有する混合組合について申立人適格を認めなければならないとすることはできない。 イ控訴人は に違反するというものではない。したがって,憲法上の団結権を根拠として,職員団体たる法的性格を有する混合組合について申立人適格を認めなければならないとすることはできない。 イ控訴人は,二面的な法的性格を有する労働団体を認めなければ,少数の民間労働者が加入した職員団体は,当該民間労働者に関する問題につき,使用者に対して団体交渉を求めることも使用者と労働協約を締結することもできなくなるし,少数の非現業職員が加入した労働組合は,当該非現業職員に関する問題につき,地公法上の交渉も労組法上の団体交渉も求めることができなくなり,これは憲法上の団結権を否定することになると主張する。 しかし,職員団体に少数の民間労働者が加入した場合,職員団体が労働組合として団体交渉を求めることができないことは当然であるし,また,労組法上の労働組合が地公法上の交渉をすることはできないし,非現業職員には労組法の適用がないから,労働組合たる法的性格を有する混合組合が非現業職員に関する事項につき労組法上の団体交渉をすること自体あり得ない。当該民間労働者は労働組合を結成したり労働組合に加入したりできるのに職員団体たる法的性格を有する混合組合に加入し,当該非現業職員は職員団体を結成したり職員団体に加入したりできるのに労働組合たる法的性格を有する混合組合に加入したものである以上,団体交渉についてその加入した団体の法的性格に由来する制約を被ってもやむを得ないものであり,それをもって憲法上の団結権が侵害されたということは到底できない。 (6)ア控訴人は,使用者(当局)において当該労働団体に構成員についての詳細な報告を求めなければ労働団体が職員団体か労働組合かを判断できないことになるところ,このような報告を求めること自体が不当労働行為になる場合がある 用者(当局)において当該労働団体に構成員についての詳細な報告を求めなければ労働団体が職員団体か労働組合かを判断できないことになるところ,このような報告を求めること自体が不当労働行為になる場合があるし,使用者(当局)において構成員の確認をできない場合に当該労働団体を労働組合でも職員団体でもないと取り扱うことを認めることになるが,それは団結権の侵害になると主張する。 しかし,混合組合が職員団体として当局と交渉をするには,そもそも職員団体として登録を受けておかなければならないし(地公法55条),混合組合が労働組合として使用者に団体交渉を求める場合には,労組法適用労働者が多数であることなど法的に労働組合であることを自ら明らかにしなければならないというべきであり,そのことを求めること自体が支配介入等の不当労働行為に当たるということはできないし,それによって団結権が侵害されるということもできない。 なお,当該混合組合に労働組合であることを明らかにすることを求めることは,使用者(当局)において当該混合組合を恣意的に労働組合でないなどと取り扱うことを容認するものではなく,当該混合組合が労働組合としての性格を有するのに,使用者においてその調査に名を借りて団体交渉に応じない場合には,不当労働行為に当たり得る。 イ控訴人は,原判決が混合組合の法的性格を決める要素として量的構成割合を挙げるが,これを要素として混合組合の法的性格を決める理論的根拠が明らかではないし,いつの時点をもってそれを確定するのかがはなはだ困難であるなどと指摘する。 しかし,労働組合は,労働者が主体となって労働条件の維持改善その他経済的地位の向上を図ることを主たる目的として組織する団体であり,職員団体は,労組法の適用が排除された非 指摘する。 しかし,労働組合は,労働者が主体となって労働条件の維持改善その他経済的地位の向上を図ることを主たる目的として組織する団体であり,職員団体は,労組法の適用が排除された非現業職員が給与等の勤務条件の維持改善を図ることを目的として組織する団体であるから,混合組合が労働組合か職員団体のいずれの法的性格を有するかを判断するには,その構成員の量的割合でもって判断するのが最も合理的であり,それで容易に判断ができない場合には役員構成等の質的な要素から判断するのが相当であるというべきである。 ある時点において労組法適用労働者の割合が圧倒的に多かったのに,別の時点では非現業職員が圧倒的に多かったというような極端な変動が急激に生じることは現実の問題として想起しにくいが,団体交渉の際にはその時点で,不当労働行為救済申立てをする場合にはその時点で,それぞれ当該混合組合において労組法適用労働者が量的に多く労働組合としての性格を有することが必要であるといわざるを得ない。 ウ控訴人は,当該労働団体の地公法適用者と労組法適用者が質量ともに拮抗した場合にはいかなる法によって規律するか判断できないことになると主張する。 なるほど,控訴人の指摘するとおり,質量ともに混合組合が職員団体か労働組合かを判断するのが困難な場合のあり得ることは否定できない。しかし,混合組合が職員団体か労働組合のいずれかの法的性格しか有しないものと考えると,どちらに該当するかを判断するのが困難な場合があり得るからといって,そのような困難な場合が生ずるのを避けるために混合組合が職員団体としての法的性格と労働組合としての法的性格の二面性を有することを認めるべきであるというのは,論理が逆転しているといわざるを得ない。そのように質量から な場合が生ずるのを避けるために混合組合が職員団体としての法的性格と労働組合としての法的性格の二面性を有することを認めるべきであるというのは,論理が逆転しているといわざるを得ない。そのように質量からみて判断が困難な場合であっても,混合組合設立の趣旨・目的・沿革や過去の使用者(当局)との交渉経緯などから法的性格を決せざるを得ない。 (7)ア控訴人は,公務員職場で働く労組法適用労働者が混合組合に加入するのは,混合組合の団結力に期待し,自らの労働条件の維持改善その他経済的地位の向上を当該混合組合の代表活動にゆだねたいがためであるから,申立人適格が認めなければ混合組合には団結体としての存在理由がなくなると主張する。 なるほど,労組法適用労働者が職員団体たる法的性格を有する混合組合に加入するのは,控訴人の主張するとおりの期待,希望があってのものと考えられる。しかし,労働組合の結成ないし労働組合への加入をすることなく,職員団体たる法的性格を有する混合組合に加入したのであるから,当該混合組合が申立人適格を有しないことによって,不利益取扱いの面を除いて労組法の規定による救済を受けられなかったとしても,やむを得ないといわざるをえない。また,団結権保護のためにどのような救済制度を設けるか否か,設けるとしてもどのような内容にするかについては立法措置にゆだねられており,現行法体系が職員団体と労働組合とを截然と分け,それぞれを規律する法律を区別していることから,職員団体たる法的性格を有する混合組合に申立人適格を認めなくても,そのために団結権が侵害されたということもできない。 イ控訴人は,職員団体たる法的性格を有する混合組合に団交拒否に対する申立人適格を否定することは,団体交渉権を否定することになると主張する。 し たということもできない。 イ控訴人は,職員団体たる法的性格を有する混合組合に団交拒否に対する申立人適格を否定することは,団体交渉権を否定することになると主張する。 しかし,そもそも,公務員は,現業職員であると非現業職員であるとを問わず,団体交渉権が憲法上保障されておらず(最高裁判所昭和48年4月25日大法廷判決・刑集27巻4号547頁,最高裁判所昭和52年5月4日大法廷判決・刑集31巻3号182頁),地公法により交渉権が,地公労法により団体交渉権がそれぞれ規定されている。そして,地公労法5条は,現業職員が労働組合を結成し,これに加入することができると規定し,労組法6条は,労働組合の代表者又は労働組合の委任を受けた者が交渉する権限を有すると規定していることから,現業職員が地公労法上の労働組合を通じてのみ団体交渉権を行使することができることは明らかである。したがって,職員団体たる法的性格を有する混合組合にはもともと団体交渉権がないと解すべきである。 なお,労働団体が労働者個人の権利利益のために団体交渉する場合,そのような団体交渉は個人のためにする代表活動であると評価できる面があることは否定できないとしても,団体交渉拒否は団体としての活動そのものに関する不当労働行為であるとみられ,これに関して申立人適格を認めることはできないというべきである。 ウ控訴人は,非現業職員が多数を占める混合組合が労組法適用労働者に関する事項を上部団体である労組法適用の労働組合連合体に団体交渉を委任した場合には当該連合体の団体交渉権を否定できないのであるから,当該混合組合の労組法適用労働者に関する事項についての団体交渉権を否定できないと主張する。 しかし,職員団体たる法的性格を有する混合組合が労 合体の団体交渉権を否定できないのであるから,当該混合組合の労組法適用労働者に関する事項についての団体交渉権を否定できないと主張する。 しかし,職員団体たる法的性格を有する混合組合が労組法適用の労働組合連合体に労組法適用職員に関する事項についての団体交渉権を委任することができるかは別にして,当該連合体が当該混合組合の構成員である労組法適用職員に関する事項の団体交渉権を有するとしても,それは当該連合体が労働組合の法的性格を有することによるものであり,そのことをもって非現業職員が多数を占め職員団体たる法的性格を有する混合組合が団体交渉権を有するという結論を導くことはできない。 (8) 以上によれば,申立人適格について控訴人が指摘する点は,いずれも当を得ないものであるといわざるを得ない。 3 したがって,本件命令に控訴人主張のような違法はなく,その取消しを求める控訴人の請求はいずれも理由がなく,これを棄却した原判決は相当である。したがって,本件控訴を棄却することとし,主文のとおり判決する。 大阪高等裁判所第7民事部 裁判長裁判官妹尾圭策 裁判官稻葉重子 裁判官栂村明剛原審平成13年(行ウ)第15号労働委員会却下決定取消請求事件 主文 一原告の請求を棄却する。 二訴訟費用は原告の負担と 明剛原審平成13年(行ウ)第15号労働委員会却下決定取消請求事件 主文 一原告の請求を棄却する。 二訴訟費用は原告の負担とする。 事実及び理由 第一請求被告が、大阪地労委平成四年(不)第二六号、同五年(不)第一三号及び同七年(不)第六九号併合事件について、平成一一年一二月二四日付けでなした命令のうち、主文第1項の却下部分及び第2項を取り消す。 第二事案の概要本件は、原告が被告補助参加人(以下「補助参加人」という。)らを被申立人として被告に対して求めた三件の不当労働行為救済申立事件について、被告が団体交渉(以下「団交」という。)拒否等に係る申立てに関して原告の救済申立人適格を否定してなした却下決定及び非常勤講師に対する臨時的教務事務報酬の廃止は原告に属する非常勤講師に対する不利益取扱いの不当労働行為には該当しないと判断してなした棄却決定の取消しを求める行政訴訟である。 一争いのない事実等 1 原告は、平成元年一一月二三日、教育関係労働者によって結成され、その構成員は公立、私立を問わず教員、非常勤講師、警備員、市費職員、予備校教師等である。原告は、その構成員のうち、公立学校の教員、事務職員等には地方公務員法(以下「地公法」という。)が、地公法三条三項三号に該当する特別職の公務員である公立学校の非常勤講師や非常勤特別嘱託員の外、私立学校に勤務する職員等には労働組合法(以下「労組法」という。)が、公立学校の用務員など単純な労務に雇用される一般職に属する地方公務員等(以下「単労職員」という。)には地方公営企業労働関係法(以下「地公労法」という。)の規定によって労組法が、それぞれ適用されるという適用法律の異なる労働者 労務に雇用される一般職に属する地方公務員等(以下「単労職員」という。)には地方公営企業労働関係法(以下「地公労法」という。)の規定によって労組法が、それぞれ適用されるという適用法律の異なる労働者で構成された、いわゆる混合組合(以下単に「混合組合」という。)であって、平成七年当時、組合員数二七一名のうち地公法の適用を受ける職員(以下「非現業職員」という。)は二〇五名を占めており、平成一〇年八月当時には、その組合員数約二八〇名のうち非現業職員が二一〇名を占めていた(弁論の全趣旨)。原告結成以降、労組法適用の組合員が地公法適用組合員を上回ったことはない(証人)。 なお、原告結成と同時に、その構成員中の非現業職員のみによって構成される「大阪教育合同労働組合」という混合組合たる原告と同一名称の職員団体が結成され、同年一二月七日に、大阪府人事委員会に登録された(以下「教育合同(職)」という。甲一)。 2 補助参加人における非常勤講師は、府立学校及び府内市町村立の小・中学校等において、教諭の教科時間数の調整等を行うことを目的として、期間一年を限度として、特定の曜日、時間を定めて任用される講師で、特別職の地方公務員であり、労組法が適用される。なお、常勤講師は非現業職員である。 地方自治法二〇三条により、普通地方公共団体は、非常勤講師等の非常勤職員(その他、定年又は定年勧奨により府を退職した者のうち、その能力・経験を活用するために引き続き非常勤職員として雇用された者である非常勤特別嘱託員及び教材の印刷などの教務の補助を行う非常勤教務補助員がおり、いずれも労組法が適用される特別職の地方公務員である。)に対しては、報酬及び費用弁償の支給を行うこと、その支給方法を条例で定めることとされており、補助参加人は、非常勤職員の報酬及び費用弁償に関 り、いずれも労組法が適用される特別職の地方公務員である。)に対しては、報酬及び費用弁償の支給を行うこと、その支給方法を条例で定めることとされており、補助参加人は、非常勤職員の報酬及び費用弁償に関する条例を定めている。さらに、同法二〇四条の二には、普通地方公共団体は、いかなる給与その他の給付も、法律又はこれに基づく条例に基づかずには、これを同法二〇三条一項所定の職員に支給することはできない旨の規定がある。 3 補助参加人は、非常勤講師等に対して一時金を支給したことはなかったものの、昭和四八年一二月以降、毎年六月に六〇〇〇円、一二月には一万二〇〇〇円の臨時的教務事務報酬を、非常勤特別嘱託員に対しては、昭和五三年度以降、時間外勤務に対する報酬として、毎年六月に三万円、一二月に五万円を支給してきた(以下、非常勤講師及び非常勤特別嘱託員を「非常勤講師等」という。)。臨時的教務事務又は時間外労働を命じる職員の基準及び時間の上限は、補助参加人から各府立学校長と各教育事務所長に通知していたが、実際に非常勤講師等が時間外労働等を指示されたことは殆どなかった。原告は、平成二年度の交渉以降、一貫して非常勤講師にも常勤講師らと同様、一時金を支給することを要求してきたが、右臨時的教務事務報酬は、平成七年度に廃止された。 4(一) 平成四年(不)第二六号事件申立て平成四年六月二日、原告は、大阪府知事及び大阪府教育委員会教育長(以下「府知事及び教育長」という。)宛てに夏季一時金に関する要求書を二通提出した。一通は登録職員団体である大阪学校事務労働組合(以下「阪学労」という。)と連名で非現業職員の、他の一通は原告単独で常勤講師及び非常勤講師等の夏季一時金に係る要求であった。同月二〇日にもたれた交渉で、大阪府教育委員会(以下「府教 校事務労働組合(以下「阪学労」という。)と連名で非現業職員の、他の一通は原告単独で常勤講師及び非常勤講師等の夏季一時金に係る要求であった。同月二〇日にもたれた交渉で、大阪府教育委員会(以下「府教委」という。)は非常勤職員に一時金を支給することはできないと説明した。原告は再交渉を要求したが、府教委は、現時点での回答が最終回答であるとして、再交渉を拒否した。 同月二三日、原告は阪学労と連名で府教委に対し非常勤講師等の夏季一時金に係る当局の最終回答は、昨年末一時金交渉で誠意を持って対応するとの約束を反故にするものであると批判する抗議文を提出し、同月二九日には、原告は非常勤講師等の夏季一時金に関する交渉において府教委が不誠実な団体交渉を行い、また交渉の継続を拒否したことは、労組法七条二号に違反する不当労働行為であるとして被告に対して不当労働行為救済申立てを行った。 なお、右申立前に原告が府教委に対し、労組法上の団体交渉の申入れであることを明確にしたことはなく、交渉の性格が話題になることもなかった。 (二) 平成五年(不)第一三号事件申立て平成四年一一月二〇日、同月二七日、同年一二月八日の三回にわたって、教員の年末一時金に関する要求や非常勤講師等に対する一時金制度導入要求などを議題とする交渉が開催された。府教委からは給与係長、管理係長等が出席した。府教委は、第二回交渉で非常勤特別嘱託員の報酬引上げについて金額の回答をしたが、他の職員については回答しなかった。第三回交渉に先立つ同年一一月末ころ、府教委は、臨時的教務事務報酬等に関して、各学校に当該臨時的事務に従事させるべき対象者や従事する時間数、報酬額等を指示した書類を送付したため、原告が第三回交渉で、交渉途中でかかる指示を行う 末ころ、府教委は、臨時的教務事務報酬等に関して、各学校に当該臨時的事務に従事させるべき対象者や従事する時間数、報酬額等を指示した書類を送付したため、原告が第三回交渉で、交渉途中でかかる指示を行うことは問題である旨抗議したところ、府教委は、「原告以外の職員団体とはこの問題について妥結しているという事情があり、原告がその構成員である非常勤講師等の氏名を明らかにしないため、非常勤職員等全員を対象に通知せざるを得なかった。」旨回答した。 平成五年二月一八日、府教委は原告に対し、平成六年度の当初予算案を説明し、新年度の非常勤講師の報酬額を明らかにした。 同年三月三〇日、原告は、右三回の交渉において、府教委が権限を持った者を出席させなかったこと及び団体交渉で有額回答を行わず、団体交渉による合意を経ずに、賃上げ額の決定、臨時的教務事務報酬等の支給命令を行ったことが労組法七条一号、二号、三号に該当する不当労働行為であるとして、被告に対して救済申立てを行った。 (三) 平成七年(不)第六九号事件申立て平成七年九月二一日、原告は、府知事及び教育長宛てに、同月二九日午後四時に、「非常勤講師等の夏季一時金(臨時的教務事務報酬等)の支給及び報酬単価の引上げについて」を団体交渉事項とする団体交渉申入書を提出した。 同月二八日、府教委は、管理係長名の文書で、原告は地公法上の職員団体であるので、地公法上の交渉に付随する事実上の交渉であることを指摘した上で、原告指摘の日時の交渉期日を指定する旨の回答をした。 同日、原告は、府知事及び教育長宛てに、原告が申し入れたのは、労組法上の団体交渉であるから、原告が求める労組法に基づく団体交渉への応諾を求めるとの団体交渉再申入 旨の回答をした。 同日、原告は、府知事及び教育長宛てに、原告が申し入れたのは、労組法上の団体交渉であるから、原告が求める労組法に基づく団体交渉への応諾を求めるとの団体交渉再申入書を提出したが、同月二九日午前一〇時ころ、管理係長は原告に対し、同月二八日付けの通知の通りである旨回答した。 同月二九日午後四時、府教委の交渉担当者らは指定した会場で待機していたが、原告の交渉担当者は出席しなかった。 同月三〇日、原告は、府教委が労組法に基づく団体交渉に応じなかったのは、労組法七条二号に該当する団体交渉拒否であり、また、府教委が非常勤講師等への臨時的教務報酬等を不支給としたのは、(一)及び(二)の申立てを嫌悪した報復的不利益取扱いであるとして、被告に対して救済申立てを行った。 (四) 原告が被告に対して求めた救済内容は、(1)平成四年度夏季一時金にかかる誠実団体交渉応諾(平成四年(不)第二六号事件)、(2)平成四年度年末一時金及び同五年度賃上げに係る誠実団体交渉応諾、(3)団体交渉による合意を経ずに賃上げ額を決定し、臨時的教務事務報酬などの支給命令を行い、契約外労働を命じることの禁止、(4)(2)及び(3)に係る陳謝文の掲示(以上平成五年(不)第一三号事件)、(5)平成七年九月二一日団体交渉申入書に係る団交応諾、(6)非常勤講師等への平成七年夏の臨時的教務事務報酬等の支給(以上平成七年(不)第六九号事件)である。 5 被告は、平成一一年一二月二四日付けの命令(以下「本件命令」という。)において、原告が教育合同(職)と同一であるか否かにかかわらず、原告が実態として混合組合であるとした上で、混合組合である原告の不当労働行為救済申立人適格については、労組法適用構成員個人に対する労 。)において、原告が教育合同(職)と同一であるか否かにかかわらず、原告が実態として混合組合であるとした上で、混合組合である原告の不当労働行為救済申立人適格については、労組法適用構成員個人に対する労組法七条一号及び四号の不利益取扱いに関する救済に限っては、その加入している団体にも申立人適格を認めるが、それ以外の場合には、申立人適格は認められないとし、4(四)のうち(1)ないし(5)については、申立人適格が認められないとして却下し、同(四)(6)については、申立人適格は認められるが、原告所属の非常勤講師等への不利益取扱いとはいえないとして棄却した。その棄却の理由は、臨時的教務事務報酬等の廃止は、原告の構成員のみを対象としたものではないこと、非常勤講師等に対しては、臨時的教務事務報酬等が廃止されても報酬額の単価が引き上げられており、一部の者を除いては報酬額が増加していること、この一部の者について原告の組合員であるとの申し出がないこと、平成七年三月から同年六月の被告における和解交渉時に府教委が賃金単価引上げ及び臨時的教務事務報酬等の廃止等を内容とする和解案を提案した際には原告はこの提案に反対しなかったことの各事実から臨時的教務事務報酬等の廃止は原告所属の非常勤講師等への不利益取扱いとはいえないとしたものである。原告は、平成一一年一二月二四日ころ、本件命令書を受領した。 二争点 1 混合組合である原告の不当労働行為救済申立人適格の有無 2 補助参加人による非常勤講師等に対する臨時的教務事務報酬の廃止が、原告所属非常勤講師に対する不利益取扱いであるか否か。 三争点に関する原告の主張 1 争点1について(一) 職員団体と労働組合との基本的性格の同一性労組法三条の「労働者」は、憲法二八条の「勤労者」と合致するものであ るか否か。 三争点に関する原告の主張 1 争点1について(一) 職員団体と労働組合との基本的性格の同一性労組法三条の「労働者」は、憲法二八条の「勤労者」と合致するものであり、地公法上の一般行政職員や教育職員といった非現業職員も実体的には労組法三条の「労働者」に該当するのであり、それらの公務員が多数を占める混合組合も、労組法二条にいう「労働者が主体となって」組織する団体にほかならず、実質的には労働組合と何ら異ならない。ただ、構成員たる非現業職員に関しては、その地位や職務の特殊性ゆえに労組法上の労働組合と異なった法規制の下に置かれているにすぎない。 (二) 組合選択の自由と混合組合の団体交渉権また、結社の自由及び団結権の保護に関する条約八七号(以下「ILO八七号条約」という。)の批准を受けて、昭和四〇年、地公法及び地公労法を含む関係国内法令が、同条約及び憲法二八条に適合させるために改正され、企業職員や特別職の臨時・非常勤職員が地公法上の職員団体に加入することも容認されるようになり、特に単労職員についてはその旨が明文で定められたのであるから、適用法規を異にする各種の組合員を擁する混合組合が出現することは、現行法が予定するところである。そして、労働者や職員が労働組合や職員団体を結成・加入するのは、実質的労使対等を実現するための団結力を武器にして、使用者(当局)と団体交渉などを行い、労働条件の維持・改善をはじめ生活利益の擁護を図るためなのであるから、そのことが現実に可能でなければ組合選択の自由等を真実保障したことにはならない。これを、労働組合ないし職員団体の側から見れば、いかなる組合員であれ、組合員である以上そのものを代表し、活動することができるのでなければ組合選択の自由等は有名無実化し、結局実質的に制 にはならない。これを、労働組合ないし職員団体の側から見れば、いかなる組合員であれ、組合員である以上そのものを代表し、活動することができるのでなければ組合選択の自由等は有名無実化し、結局実質的に制約されてしまうことになる。また、混合組合に、組合員の属性に応じた多重の性格を認めたとしても、職員団体も労働組合もその基本的性格においては全く同一なのであるから、かく解することに何ら矛盾はないし、実際上も、混合組合がいずれの組合員を代表して活動しているのかの判断は可能であり、混乱や支障を恐れる必要はない。 (三) 混合組合の不当労働行為救済申立人適格憲法二八条が規定する団結権(広義)の第一次的権利主体は労働者個人であり、労組法上の不当労働行為制度も、労働組合のみならず労働者個人の団結権をも保護の対象としているのである。また、労働者は組合選択の自由を保障されているのであるから、加入する組合の態様によって、団結権保障上重要な意義を有する不当労働行為制度による保護を奪われることがあってはならない。地公法上、労組法の適用を排除されているのは職員団体ではなく、あくまでも個々の職員なのである。 なお、公立学校に勤務する労組法適用労働者は少数にとどまるうえ、分散して就業しているため、労組法適用労働者が自ら「主体となって」独自に労働組合を結成するのは困難であり、結成できたとしても小規模で弱小な組合とならざるを得ない。かかる選択をしなければ救済を与えないというのでは、団結権を保護し公正な労働関係を形成しようとする不当労働行為制度の趣旨、目的に背馳する。 (四) 被告の主張の問題点(1) 被告は、一つの労働者団体に、構成員に応じて法を区々に適用することは、現行法体系の混乱を招く旨主張するが、一つ の趣旨、目的に背馳する。 (四) 被告の主張の問題点(1) 被告は、一つの労働者団体に、構成員に応じて法を区々に適用することは、現行法体系の混乱を招く旨主張するが、一つの交渉のなかで、地公法上の交渉と労組法上の団体交渉という性格の異なる二つの交渉を行うという事態は、それぞれ別個の機会に交渉を開催するようにすれば解決する問題である。 (2) 労組法上の労働組合に少数の非現業職員が加入している場合、被告の見解によれば、労組法適用組合員については、当該労働組合は、地公法上の交渉も、労組法上の団体交渉も求めることもできなくなる結果、労組法適用組合員の「組合選択の自由」は有名無実化することになる。 逆に、職員団体に少数の民間労働者が加入している場合、被告の見解によれば、当該民間労働者に関する問題につき、当該職員団体は使用者に対する団体交渉を求めることも、労働協約を締結することもできなくなる。 (3) 被告は労組法七条四号と同条二号及び三号を峻別するが、妥当ではない。たとえば団体交渉拒否については、少なくとも団体交渉事項が労働条件に関するものである限り、そこで問題となるのは団体交渉が拒否されることにより組合員個人の労働条件の維持改善等が果たせなくなることにあるのは明らかである。また、支配介入の不当労働行為についてみても、組合員個々人に対する脱退工作等の切り崩し工作が行われた場合、まさに当該組合員の団結権が侵害されているのである。他方、不利益取扱いの不当労働行為は、組合員個人の利益が侵害されるばかりでなく、そのことによって組合全体の団結活動に影響があるからこそ、労組法はこれを禁止しているのである。 (五) 結論以上のとおり、本件命令は、憲法二八条及び関係法令 れるばかりでなく、そのことによって組合全体の団結活動に影響があるからこそ、労組法はこれを禁止しているのである。 (五) 結論以上のとおり、本件命令は、憲法二八条及び関係法令の解釈適用を誤った違法があり、取り消されるべきである。 2 争点2について(一) 補助参加人は、原告が平成四年及び平成五年に救済申立てをしたことを嫌悪し、その報復として臨時的教務事務報酬等を廃止したものである。 (二) 本件命令は、不当労働行為の成否を判断するにあたって「臨時的教務事務報酬等が廃止されたとしても報酬額の単価引上げがなされており、一部の者を除いてはむしろ報酬総額が増加している。」と認定して、判断しているが、臨時的教務事務報酬等は正職員における一時金に見合うものであり、正職員との差別の是正という重大な意味合いを持つのであるから、結果として報酬額が引き上げられる場合があったとしても、そのことだけを理由として非常勤講師等に対する不利益取扱いではないということはできない。 (三) 本件命令は、不当労働行為の成否の検討にあたって、原告が府教委の提案に対して反対意見を述べることはしなかったことを判断要素として重視しているが、そもそもかかる事実はない。さらに、補助参加人及び被告は、原告が臨時的教務事務報酬の廃止に反対していることは十分に認識していたのであって、被告は重要な事実について誤認している。 四争点に関する被告の主張 1 争点1について(一) 現行法体系においては、同じ地方公共団体に勤務する勤労者であっても、非現業職員には、地公法が適用され、労組法の適用がない企業職員及び単労職員は地公労法の適用を受け、非常勤講師等は地公法の適用はなく労組法の適用を受けるというように、勤労者の種類によっ 者であっても、非現業職員には、地公法が適用され、労組法の適用がない企業職員及び単労職員は地公労法の適用を受け、非常勤講師等は地公法の適用はなく労組法の適用を受けるというように、勤労者の種類によって適用される法規が区分されている。 そして、地公法と労組法の規定の仕方は著しく異なっていることからすると、地方公共団体に勤務する公務員も憲法でいう勤労者ではあるが、現行法体系は、これを地公法が適用される職員と労組法が適用される労働者に大別し、その法的位置づけを峻別することとしている。 (二) ILO八七号条約は、労働者の組合選択の自由を謳っているが、その労働団体の組織形態の如何にかかわらず、すべての労働団体に同一の権利、利益を享受させることまで求めているといえるかは明らかではない。 右条約の批准を受けた昭和四〇年の国内法整備により地公労法では同法適用職員でなければ組合員又は役員になれない旨の規定が廃止され、特に単労職員については、地方公営企業法三九条を準用する地公労法附則四項(現地公労法附則五項)により、労働組合、職員団体のいずれにも加入できるようになり、単労職員の加入した職員団体も登録職員団体となることができた。ただし、単労職員以外の労組法適用労働者の職員団体加入につき定めた明文の規定はない。 さらに、昭和四〇年法改正の後においても、なお現行法体系においては、混合組合に関する定めはなく、依然として職員団体と労働組合とは区別されており、それぞれ法的根拠を異にし、その法的性格が異なることに変わりはない。 (三) 現行法体系における混合組合に係る解釈(1) 職員団体と労働組合とでは、構成員の争議行為等の禁止、団体交渉権、団体協約の締結権などの権能について重大な差異が設けられてい 。 (三) 現行法体系における混合組合に係る解釈(1) 職員団体と労働組合とでは、構成員の争議行為等の禁止、団体交渉権、団体協約の締結権などの権能について重大な差異が設けられている。 したがって、ある一つの団体が職員団体であるか労働組合であるかは、その労働関係を規律する上で極めて重要であり、これが明確にならなければ、法の適用に混乱を来すおそれがある。 混合組合について、問題となっている事項の構成員に適用される法律に従って、労組法あるいは地公法を適用すれば足りるとして、混合組合に二面的性格を認めることとする見解もあるが、現行法体系は、職員団体と労働組合を峻別し、それぞれの団体の性格に適した法をもってその労働関係を規律しているのであるから、その団体の性格を無視して構成員に応じて法を区々に適用することは、現行法体系の混乱を招くものであり、現行法体系は、かかる二面的性格を有する一つの労働団体の存在を想定していないと解される。また、一つの団体に法を区々に適用していこうとすると、一つの団体交渉において、非現業職員の問題と労組法適用構成員の問題を交渉事項としようとした場合、非現業職員の問題に関しては交渉で、労組法適用構成員の問題については団体交渉であるということになるが、現実にはかかる区別はできない。さらに、職員団体の交渉には、労組法上の団体交渉にはない手続が予定されているのであり、一つの交渉でこうした区別をすることは無理があり、現実の労働関係に紛議を生ぜしめる可能性がある。 したがって、現実に存在する混合組合の法的性格は、その構成実体に即して、労組法が適用される非常勤職員や民間労働者等が主体となっている場合には労働組合、非現業職員が主体となっている場合には、職員団体であ たがって、現実に存在する混合組合の法的性格は、その構成実体に即して、労組法が適用される非常勤職員や民間労働者等が主体となっている場合には労働組合、非現業職員が主体となっている場合には、職員団体であると解さざるを得ない。 (2) もっとも、現行法上、非常勤職員や民間労働者等の労組法適用労働者が非現業職員を主体として結成された職員団体に加入するという選択肢も排除されておらず、労働者の自由な選択に委ねられていると考えられるところであるが、かかる選択をした労働者の当該団体に係る行為に対してなされた不利益取扱いに関して、非現業職員については、地公法上の不利益処分として人事委員会又は公平委員会への不服申立制度が設けられているのに対し、労組法適用労働者に何らの救済制度もないとすることは、救済面であまりにも大きな落差を生じさせ、ひいては労働者の団結権の保護に欠ける結果となる。 したがって、職員団体たる混合組合に加入した労組法適用構成員については、当該構成員の当該混合組合に係る行為を労組法上の労働組合に係る行為とみなして、当該構成員に労組法七条一号の不利益取扱いに関する不当労働行為救済申立人適格を認めるのが相当である。さらに、これら労働者の救済に当たって個人のみに申立人適格があるとすると、当該労働者は使用者と対抗するに当たって個人としての活動のみに限定され、労働者集団としての対応ができないこととなり、そのため当該労働者と使用者との関係で大きな格差が生じ、実効的な救済ができなくなるおそれがある。そこで、労組法適用構成員個人に対する不利益取扱いに係る労組法七条一号及び個人に対する不利益取扱いを救済するという点において同趣旨である同条四号に該当する不当労働行為の救済に限ってその加入している団体にも申立人適格を認めるとする する不利益取扱いに係る労組法七条一号及び個人に対する不利益取扱いを救済するという点において同趣旨である同条四号に該当する不当労働行為の救済に限ってその加入している団体にも申立人適格を認めるとするのが現行法体系を逸脱しない範囲で合目的的な取扱いとして相当である。 (四) 原告の主張に対する反論(1) 原告は、被告の主張によれば、職員団体に少数の民間労働者が加入している場合、当該民間労働者に関する問題につき、当該職員団体は使用者に対する団体交渉を求めることも、労働協約を締結することもできなくなる旨主張するが、これは混合組合の存在を想定していない現行法体系のもとではやむを得ないというべきである。 (2) 団体交渉拒否や支配介入に関する労組法七条二号及び三号の規定は、労働者個々人の利益を保護したものではなく、労働組合の活動を守ることによって労働者個々人の利益を間接的に保護しようとするものであって、直接的には労働組合の団体活動そのものを保護する規定と解すべきである。 (五) 結論以上の次第であるから、労組法適用労働者等が職員団体に加入しても、非現業職員がその職員団体の主体である限り、現行法体系上、その混合組合は職員団体であると解さざるを得ず、原則として、当該混合組合は不当労働行為救済申立制度の申立人適格を有しないが、労組法適用構成員個人の不利益取扱いに係る労組法七条一号及び四号の救済に限って、当該混合組合は申立人適格を有すると解すべきである。 2 争点2について(一) 臨時的教務事務報酬等の廃止が原告所属の非常勤講師等への不利益取扱いといえないことは本件命令書に記載したとおりである。 (二) 被告は、臨時的教務事務報酬等が廃止されても報酬額の単価引上げが 時的教務事務報酬等の廃止が原告所属の非常勤講師等への不利益取扱いといえないことは本件命令書に記載したとおりである。 (二) 被告は、臨時的教務事務報酬等が廃止されても報酬額の単価引上げがなされており、一部の者を除いてはむしろ報酬総額が増加していることのみを理由に、臨時的教務事務報酬等の廃止が原告所属の非常勤講師等への不利益取扱いではないと判断したものではない。 なお、原告は臨時的教務事務報酬等について正職員との差別の是正の意味合いを持つと主張するが、本件命令は臨時的教務事務報酬等の廃止について原告所属組合員であるが故に不利益取扱いを受けたかどうかを判断したものである。 (三) その他、原告が指摘する事実については、被告の事実誤認はなく、原告の申立てのうち、非常勤講師、非常勤職員等に対する平成七年夏の臨時的教務事務報酬及び時間外勤務報酬の支給を求める部分を棄却した本件命令は正当であり、何ら違法とすべき理由はない。 第三当裁判所の判断一争点1について 1 労組法上の不当労働行為救済の申立人適格を有する労働団体は、労組法上の労働組合に限られる(労組法五条一項)。ここに労組法上の労働組合とは、労働者が主体となって自主的に労働条件の維持改善その他経済的地位の向上を図ることを主たる目的として組織する団体をいう(同法二条)。 本件の原告は、地方公共団体の非現業職員のみならず、単労職員、非常勤職員などが加入して結成されたいわゆる「混合組合」である。本件審問終結時である平成一〇年八月当時、原告の組合員数は約二八〇名であり、うち二一〇名が非現業職員であった。また役員一六名のうち、組合専従者一名を除く全員が非現業職員であった(弁論の全趣旨)。このように、原告は、質量ともに非現業職員が主 原告の組合員数は約二八〇名であり、うち二一〇名が非現業職員であった。また役員一六名のうち、組合専従者一名を除く全員が非現業職員であった(弁論の全趣旨)。このように、原告は、質量ともに非現業職員が主体である労働団体である。 地方公共団体の非現業職員は、地方公共団体の住民全体の奉仕者であるというその地位や職務の特殊性から、その労働関係については地公法の適用を受け、労組法の適用が除外されている(地公法四条、五八条一項)。そして一般職員が、給与等の勤務条件の維持改善を図ることを目的として組織する団体としては、地公法上、「職員団体」を結成することが予定されている(同法五二条一、二項)。この職員団体は、当局に交渉に応じさせるためには「登録」が必要であり、交渉自体にも、予備交渉が必要とされるなどかなりの制約があるうえ、締結できるのも労働協約ではなく、書面による協定である(地公法五五条)。他方、労組法上の労働組合には、このような制限はない。 このように、現行法上、職員団体と労働組合とは、その法的根拠を異にし、その機能も厳に峻別されていることに鑑みれば、質量ともに非現業職員が主体である原告については、その労働団体としての法的性格は地公法上の職員団体として扱われるべきであって、さらに労組法上の労働組合としての法的性格までをも有すると解すべきではない。けだし、労働団体の性格毎にこれを規律する法を区別するという現行法上の大系からすれば、一個の労働団体が、同時に多重の性格を有することは現行法体系の予定するところではないといわざるをえないからである。 以上より、原告は、労組法上の労働組合ではなく、原則として、不当労働行為救済の申立人適格を有しないと解すべきである。 2 ILO八七号条約の批准とそれに伴う昭和四〇年の国内法整備により 以上より、原告は、労組法上の労働組合ではなく、原則として、不当労働行為救済の申立人適格を有しないと解すべきである。 2 ILO八七号条約の批准とそれに伴う昭和四〇年の国内法整備により、地公労法では同法適用職員でなければ組合員又は役員になれない旨の規定が廃止され、とりわけ単労職員については、地公労法附則四項(地方公営企業法三九条を準用する現地公労法附則五項)により、職員団体への加入も可能となり、単労職員の加入した職員団体も登録職員団体となることができるとされた。また、地公法は、登録職員団体となる場合を除き、職員団体の構成員を非現業職員に限定する明文規定を置いておらず、これらの規定によると、現行法上、非常勤講師等の労組法適用労働者が非現業職員を主体として結成された職員団体に加入することも、労働者の自由な選択に委ねられていると考えられる。 そして、職員団体である混合組合に加入した者に対する不利益取扱いに関して、非現業職員については、地公法上の不利益処分として人事委員会又は公平委員会への不服申立制度が設けられているが、労組法適用労働者については、混合組合に加入したことをもって、それが労働組合ではないことを理由に行政機関による救済制度を閉ざすというのは、当該労働者の受ける不利益が大きく、団結権保障の見地からも合理的ではない。 そこで、職員団体である混合組合に加入した労組法適用労働者については、当該構成員の当該混合組合に係る行為を労組法上の労働組合に係る行為とみなして、当該構成員に労組法七条一号の不利益取扱いに関する不当労働行為救済申立人適格を認めるのが相当である。また、個人に対する不利益取扱いである同条四号においても、同様に解するのが相当である。 他方、同条二号及び三号の不 取扱いに関する不当労働行為救済申立人適格を認めるのが相当である。また、個人に対する不利益取扱いである同条四号においても、同様に解するのが相当である。 他方、同条二号及び三号の不当労働行為に関しては、非現業職員が主体となっている職員団体に労組法適用労働者が加入したからといって、労働組合としての実体を備えない限りは、あくまでも職員団体としての性格のみ有するのであるから、団体としての活動そのものに対する不当労働行為である以上、救済申立人適格を認めるべき必要はない。原告は、同条二号及び三号も労働者個人の団結権を保障するものであり、同条一号及び四号の場合と区別するべきではない旨主張するが、右二号及び三号は労働組合による円滑な団体交渉関係の樹立と労働組合の自主性(独立性)を保障する規定であり、直接的には労働組合の活動に関する規定であるから、原告の主張は理由がない。 3 以上に対し、原告は、職員団体も労働組合もその基本的性格は同じであるから、混合組合について多重の性格を認めても矛盾しない、労働基本権の制約を受けているのは個々の非現業職員である、また労働者の組合選択の自由を実質的に制約しないためにも、加入した組合によって不当労働行為救済制度による保護が奪われることがあってはならず、さらに現行法体系の混乱は、交渉をそれぞれ別個の機会に開催すれば解決するという技術的な問題にすぎないと主張する。 しかしながら、非現業職員が、その地位と職務の特殊性から、現行法上労組法の適用が除外されるに至っており、非現業職員と企業職員等とが、使用者(当局)との関係で同じ法律関係にない以上、非現業職員が構成する職員団体と企業職員等が構成する労働組合とがその基本的性格が同じであるとはたやすくはいうことができない。また、現行法上、単労職 、使用者(当局)との関係で同じ法律関係にない以上、非現業職員が構成する職員団体と企業職員等が構成する労働組合とがその基本的性格が同じであるとはたやすくはいうことができない。また、現行法上、単労職員について、職員団体に加入することが認められたからといって、そのことから一個の組合が、同時に、全く異なる権能を有することまでをも現行法が想定していたとまではいえない。原告は、現行法体系の混乱は、技術的な問題で解決しうるとするが、一個の労働団体が、同じ使用者(当局)との交渉や労使の合意の締結という場面で、多重の法的性格を同時に有するとすることにより発生しうるであろう混乱は、単に交渉の機会を別個にすれば解決すれば足りるというものでないと思料される。 さらに、憲法二八条によって保障される団結権を具体的にいかなる制度によって救済するかは立法政策の問題であって、常に不当労働行為救済制度によらなければならないという必然性はなく、不当労働行為救済申立てができなくとも、民事上の不法行為となる場合は損害賠償請求は可能であるし、現行法上労働者が、自己の望むべき救済方法を選択しうる労働団体に加入し、あるいは結成することは自由である。 原告が、その主張の根拠とするILO八七号条約も、労働者の組織選択の自由並びに労働組合の内部運営・代表者選出の自由などの団結権の基本的側面に対する公的干渉の排除を実現しようとするものであるが、同条約が具体的に労働者の団結権保障のために批准国においてなすべき具体的措置については、各国に委ねられているとみざるを得ず、同条約を根拠に、同条約の批准を受けてなされた昭和四〇年の各法令の改正にあたって規定されなかった混合組合について、職員団体と労働組合の二つの性質を有することを認めることはできないというべきであ 得ず、同条約を根拠に、同条約の批准を受けてなされた昭和四〇年の各法令の改正にあたって規定されなかった混合組合について、職員団体と労働組合の二つの性質を有することを認めることはできないというべきである。 4 以上により、原告の求める救済内容のうち労組法七条二号又は三号に関する前提事実4(四)の(1)ないし(5)については、原告の救済申立人適格を認めることはできず、本件命令第1項には違法な点はない。なお、平成五年(不)第一三号事件の申立てのうち、平成四年冬の非常勤講師等の賃上額について団交による合意を経ずに賃上額を決定し、臨時的教務事務報酬等の支給命令を行い、契約外労働を命じたことに係る申立てについては、交渉による決定を求める趣旨であると認められるから、労組法七条二号及び三号に係る請求であると認めるのが相当である。 二争点2について 1 補助参加人においては、非常勤講師等が時間外労働等を指示されたことは殆どなかったにもかかわらず、非常勤講師等に対し、昭和四八年一二月以降、毎年六月と一二月に臨時的教務事務報酬等として一律一定額の金員の支給がされてきたことは当事者間に争いがないところ、これが地方自治法二〇三条、二〇四条の二との関係で是正を要するものであったことは否めないところである。 そして、証拠(甲三、乙A五、七、九、一〇ないし一四、一九の1ないし4、二二、二三、乙B一五ないし一八、二〇ないし二七、乙C四、二六ないし三七、四〇、証人A、同B)及び弁論の全趣旨によれば、次の事実が認められる。 (一) 府教委では従前より本来非常勤講師等に対して支給することができない一時金を支給しているとの誤解を招くおそれがあるとして、臨時的教務事務等の解消を検討していたが、平成四年(不)第二六号及び同五年(不)第一三号併合事件の審理の中 講師等に対して支給することができない一時金を支給しているとの誤解を招くおそれがあるとして、臨時的教務事務等の解消を検討していたが、平成四年(不)第二六号及び同五年(不)第一三号併合事件の審理の中で、原告側の証人が臨時的教務事務等を命じている実態はないと証言したこともあり、平成六年三月二五日、同年四月二二日及び同年六月九日の右事件の和解の際、府教委は、知事部局などとも協議検討した結果として、臨時的教務事務及び時間外勤務を解消し、非常勤講師等の報酬額を改善することを提案した。 原告は、府教委の案に対して加筆修正したが、その内容は交渉の内容が労組法上の団体交渉であることや、額にはこだわらないが(原告は、「金五円でもよい」としていた。)不当労働行為と認めて解決金を支払うことなどを求めるものであり、臨時的教務事務等の解消自体については、反対することなくこれを受け入れるものであった。しかし、右和解は、府教委側が交渉の性格や解決金の支払については譲歩できないとしたことから、成立しなかった。 (二) 平成六年六月一〇日及び同月一五日に行われた原告及び阪学労と府教委との統一交渉において、府教委は、原告らが一貫して要求していた非常勤講師に対する夏季一時金制度の導入について、非常勤講師等に対して期末・勤勉手当を支給することは、地方自治法の規定から困難である旨を説明し、これを拒否する回答をした。これに加えて非常勤講師等の待遇改善のため、平成七年度から非常勤講師等の報酬単価の改善と毎年夏、冬に命じていた臨時的教務事務と時間外勤務の解消に努力したい旨、回答した。 これに対し、原告は、現行制度の中でも改善は可能であるとして府教委の提案に反対した。 (三) 平成六年一一月一七日及び同月二二日の原告及び阪学労と府教委との統一交渉 した。 これに対し、原告は、現行制度の中でも改善は可能であるとして府教委の提案に反対した。 (三) 平成六年一一月一七日及び同月二二日の原告及び阪学労と府教委との統一交渉において、右(二)と同様のやり取りがなされた。原告は、報酬単価等の具体的な案を示さない限り交渉はできないと主張し、府教委は具体的な額の提示はできないが、報酬額の増加に努力している旨説明したが、原告は反対した。 (四) 平成七年二月九日、府教委は、原告に対し、平成七年度当初予算案についての説明を行い、その中で、非常勤講師等に対する臨時的教務事務と時間外勤務については新年度から解消するが、これに要していた財源を非常勤講師等の報酬増額のために確保し、非常勤講師等の報酬改定の上昇率(五・三八パーセント)が正規職員の上昇率(一・一七パーセント)を大幅に上回っているのは、原告等の要求を受けて府教委が最大限に努力した結果である、臨時的教務事務と時間外勤務を解消しても年収が減額にはならないよう極力努力した旨を具体的な金額を提示して説明した。 右当初予算案は、同年三月大阪府議会において可決成立し、同年六月、府教委は各府立学校と各教育事務所長に対し、六月と一二月の臨時的教務事務と時間外勤務については命令しないものとする旨通知した。 (五) 同年六月一三日及び同月一六日、夏季一時金及び関連事項を交渉議題とする原告及び阪学労と府教委との統一交渉が行われた。府教委は、非常勤講師の報酬額改定に要する財源は九二〇〇万円であり、臨時的教務事務報酬等の支払に要していた財源である二五〇〇万円の三倍以上であることなどを説明したが、原告は一部の非常勤講師に不利益が生じるため、臨時的教務事務報酬等の廃止は受け入れられない旨を主張し、非常勤講師に対する一時金の支給を要 た財源である二五〇〇万円の三倍以上であることなどを説明したが、原告は一部の非常勤講師に不利益が生じるため、臨時的教務事務報酬等の廃止は受け入れられない旨を主張し、非常勤講師に対する一時金の支給を要求した。なお、原告はこの不利益が生じるという非常勤講師が原告の組合員であるとは主張していない。 (六) 同年九月二一日、原告は府知事及び教育長宛てに、団体交渉申入書を提出し、非常勤講師等の夏季一時金の支給及び報酬単価の引上げを議題とする団体交渉を求めたが、前提事実4(三)に記載した経緯により、団体交渉は実施されず、原告は府教委が非常勤講師等への臨時的教務事務報酬等を不支給としたのは、平成四年(不)第二六号事件及び同五年(不)第一三号事件の申立てを嫌悪した報復的不利益取扱いであることなどを理由として、被告に対して不当労働行為救済申立てを行った。 2 以上によれば、臨時的教務事務報酬等の廃止については、その運用に問題があり、是正を要するものであったうえ、原告の構成員のみを対象としたものではない。そして、非常勤講師等に対しては、補助参加人により報酬額の単価引上げがなされており、一部の者を除いてはむしろ報酬総額は増加しているところ、報酬が減額される者が原告の組合員であるといった事実もない。 そうであれば、臨時的教務事務報酬等の廃止は原告所属の非常勤講師に対する不利益取扱いとはいえない。 よって、本件命令第2項にも何ら違法な点はない。 第四結論以上の次第であるから、本件命令には原告主張のような違法はなく、その取消しを求める本訴請求は理由がない。 よって、主文のとおり判決する。 大阪地方裁判所第五民事部 主文 上の次第であるから、本件命令には原告主張のような違法はなく、その取消しを求める本訴請求は理由がない。よって、主文のとおり判決する。 大阪地方裁判所第五民事部

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