昭和57(オ)1017 求償金

裁判年月日・裁判所
昭和60年5月23日 最高裁判所第一小法廷 判決 棄却 仙台高等裁判所 昭和56(ネ)305
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【DRY-RUN】主    文      本件上告を棄却する。      上告費用は上告人の負担とする。          理    由  上告代理人渡部修の上告理由について  原判決は、(一) (1) D(以下「D」

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判決文本文3,672 文字)

主文 本件上告を棄却する。 上告費用は上告人の負担とする。 理由 上告代理人渡部修の上告理由について原判決は、(一) (1) D(以下「D」という。)は、昭和四六年九月一〇日以降農機具類の販売を目的とする株式会社E(以下「E」という。)にセールスマンとして勤務していたところ、上告人及び被上告人は、昭和四九年七月三〇日Eと、DがEに対し損害を加えた場合には、本人と連帯して賠償の責に任ずる旨の身元保証契約を締結した、(2) Eは、Dの使込みにより五九五万八〇一三円の損害を受けたため、上告人のみを被告として仙台地方裁判所に対し、本件身元保証契約に基づく損害賠償を求める訴えを提起したところ、同裁判所は、昭和五五年九月一七日、DがEに加えた損害の額を前同額と認定したうえ、身元保証に関する法律(以下「身元保証法」という。)五条を適用して、Eにおいても被害を防止するための処置をとる余地があつたこと、上告人が身元保証をするに至つた事情、Dの不正行為が長期間、多数回にわたつていること、Eが被上告人に対しては身元保証人としての責任を追及していないこと等の一切の事情を考慮して、上告人の賠償すべき額を三〇〇万円と定め、上告人に対し、右三〇〇万円及びこれに対する昭和五一年一〇月一〇日から完済に至るまで年五分の割合による遅延損害金の支払を命ずる判決をした(以下「前訴判決」という。)、(3) 上告人は、前訴判決に従いEに対し、昭和五五年一〇月一〇日右賠償すべき額三〇〇万円及び四年分の遅延損害金六〇万円を弁済した、(4) Eは、その後被上告人に対し、身元保証人としての責任を追及することなく現在に至つている、との事実を確定したうえ、(二) 裁判所が特定の身元保証人について身元保証法五条を適用して同人の賠償すべき額 ) Eは、その後被上告人に対し、身元保証人としての責任を追及することなく現在に至つている、との事実を確定したうえ、(二) 裁判所が特定の身元保証人について身元保証法五条を適用して同人の賠償すべき額を定めた場合に- 1 -は、裁判所はすべての身元保証人に共通する諸事情のほか当該身元保証人に固有の諸事情をも斟酌すべきものとされているのであるから、これら一切の事情を斟酌して確定された賠償すべき額は、当該身元保証人固有の負担部分にほかならず、原則として他の身元保証人の負担部分を含まないと解すべきであつて、身元保証人が裁判所の確定した賠償すべき額を使用者に弁済しても、他の身元保証人に対する求償権は原則として発生しないものであり、例外的に、裁判所が複数の身元保証人に対して連帯支払を命じた場合とか、身元保証人が自己の負担部分を超える額を使用者に支払つた場合等でなければ身元保証人相互間に求償関係が生ずることはない、との理由のもとに、本件において、Eが被上告人に責任を追及する意思が全くみられないこと、前訴判決が上告人にかかわる一切の事情を斟酌してEの全損害額の五割強である三〇〇万円の限度で上告人の賠償すべき額を定めたこと等にかんがみると、本件事案は右例外的場合には該当せず、右賠償すべき額は、上告人自身の負担部分にほかならず、被上告人の負担部分を含まないと解するのほかはないとして、被上告人に対し、自己の弁済額の二分の一に当たる一八〇万円及びこれに対する前記弁済日以降完済に至るまでの法定利息の支払を求めた上告人の本訴請求を棄却すべきものであるとしている。 しかしながら、二人以上の身元保証人との間で連帯保証の性質を有する身元保証契約を締結していた使用者が、被用者の行為により被つた損害につき各身元保証人に対してその賠償を請求し、裁判所が、身元保証法五条を適 しながら、二人以上の身元保証人との間で連帯保証の性質を有する身元保証契約を締結していた使用者が、被用者の行為により被つた損害につき各身元保証人に対してその賠償を請求し、裁判所が、身元保証法五条を適用して、身元保証人ごとに賠償すべき額を定めたときは、各身元保証人は、被用者が使用者に対して負担している主たる債務が存在する限り、各自について具体的に定められた賠償すべき額の限度で保証責任を負うものというべきであつて、各身元保証人の賠償すべき額の合算額が主たる債務の額を超えない場合においては、身元保証人が、自己の賠償すべき額の範囲内で使用者に弁済したとしても、他の身元保証人に対し求償するこ- 2 -とはできないが、右の合算額が主たる債務額を超える場合においては、身元保証人相互間の負担の公平を図る必要があるから、身元保証人の間に、各身元保証人の賠償すべき額の割合に応じて主債務額を按分した額をもつて各自の負担部分とする共同保証関係が成立し、したがつて、使用者に対し自己の負担部分を超える額を弁済した身元保証人は、民法四六五条一項の規定により、右超過額について他の身元保証人に対し、その者の負担部分を限度として求償することができるものと解するのが相当である。そして、身元保証人の一人(以下「身元保証人甲」という。)が、被用者の行為により使用者の被つた損害の一部につき、使用者に対し賠償すべきことを命じる判決を受けてその履行をしたが、使用者が他の身元保証人(以下「身元保証人乙」という。)に対して賠償の請求をしないため、これについての裁判が未だない場合においても、右の理は等しく妥当するものというべきであり、このような場合に、身元保証人甲が身元保証人乙に対し求償するために提起した訴訟においては、身元保証人乙につき身元保証法五条所定の事由の存否、程度を審理判断して 理は等しく妥当するものというべきであり、このような場合に、身元保証人甲が身元保証人乙に対し求償するために提起した訴訟においては、身元保証人乙につき身元保証法五条所定の事由の存否、程度を審理判断して、身元保証人乙が使用者に対して賠償すべき額を定め、その結果、身元保証人甲、乙の賠償すべき額の合算額が主たる債務の額を超えない場合には、身元保証人甲は身元保証人乙に対し求償することはできないものとし、右合算額が主たる債務の額を超える場合には、身元保証人甲、乙の各賠償すべき額の割合に応じて主債務額を按分して甲の負担部分を確定し、身元保証人甲が右負担部分を超えて使用者に弁済した額につき、身元保証人乙の負担部分の限度において、身元保証人甲の請求を認容すべきである。そうすると、原審としては、被上告人につき身元保証法五条所定の事由の存否、程度を判断し、被上告人がEに対して負担すべき賠償すべき額を定め、上告人の被上告人に対する求償権の有無又はその額を判断すべきものであつたというべきであり、これと異なる見解に基づき、上告人がEに弁済した額は身元保証人としての自己の負担部分にすぎず、上告人の被上告人に対する求償権は発生しない- 3 -とした原判決には、法令の解釈適用を誤つた違法があるというべきであるが、原審の適法に確定したところによると、上告人は、Dの妻の実兄であつて、Dらの依頼により本件身元保証契約を締結したものであり、Dと右のような身分関係にあつたことから、Dの性格、財産状態、生活態度等を把握し助言指導を行うことが容易な立場にあり、Eも上告人のDに対する指導監督を期待していたこと、被上告人とDとは顧客とセールスマンという関係であるにとどまり、それ以上の親しい交際があつたわけではなく、被上告人がDの身元保証人となつたのは、Eの内規上身元保証人が二人以上必 を期待していたこと、被上告人とDとは顧客とセールスマンという関係であるにとどまり、それ以上の親しい交際があつたわけではなく、被上告人がDの身元保証人となつたのは、Eの内規上身元保証人が二人以上必要とされていたため、これに合わせるため形式的に名前を連ねたに過ぎず、被上告人自身Dを指導監督し得る立場にもなければ、同人を指導監督する意思もなく、また、Eとしても、被上告人がDを指導監督することを期待していなかつた、というのであり、右事実関係のもとにおいては、DがEに対して加えた前記損害五九五万八〇一三円につき、被上告人がEに対し賠償すべき額は、上告人のそれを格段に下まわるものであり、上告人及び被上告人の各賠償すべき額の合算額は、右五九五万八〇一三円に達しないことが明らかであるから、前記の説示に照らし、上告人の被上告人に対する本訴請求は理由がないことに帰し、したがつて、原判決の前記違法はその結論に影響を及ぼすものとはいえないから、原判決は、結局正当というべきである。論旨は、採用することができない。 よつて、民訴法四〇一条、三九六条、三八四条二項、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。 最高裁判所第一小法廷裁判長裁判官角田禮次郎裁判官谷口正孝裁判官和田誠一裁判官矢口洪一- 4 -裁判官高島益郎- 5 - 島益郎

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