- 1 -令和7年(わ)第59号、第150号詐欺、電子計算機使用詐欺、犯罪による収益の移転防止に関する法律違反被告事件判決 主文 被告人を懲役2年に処する。 この裁判が確定した日から3年間その刑の全部の執行を猶予する。 理由 (罪となるべき事実)被告人は、Aと共謀の上第1(令和7年2月14日付け起訴状記載の公訴事実第1)預金契約上の地位をだまし取ろうと考え、令和6年7月8日、浜松市a区b町c番地のd所在のB当時の被告人方において、被告人が、インターネットに接続されたスマートフォンにインストールした株式会社C銀行の口座開設用アプリケーションソフトを使用して、同銀行の確認担当者に対し、真実は、被告人名義の普通預金口座の開設に伴って付与される預金契約上の地位を第三者に譲渡し、同口座を第三者に利用させる意図であるのにこれを秘し、被告人が同口座を自ら利用するように装い、被告人名義の普通預金口座の開設を申し込み、前記担当者にその旨誤信させ、よって、同月11日、同銀行D支店に被告人名義の普通預金口座を開設させて、同口座を利用することができる預金契約上の地位を付与させ、もって人を欺いて財産上不法の利益を得た。 第2(令和7年2月14日付け起訴状記載の公訴事実第2)銀行取引契約等の事務処理に使用する電子計算機に虚偽の情報を与えて財産権の得喪に係る不実の電磁的記録を作り、財産上不法の利益を得ようと考え、令和6年7月11日、前記被告人方において、被告人が、インターネットに接続されたスマートフォンにインストールした株式会社E銀行の口座開設用アプリケーションソフトを使用して、真実は、被告人名義の普通預金口座の開設に- 2 -伴って付与される預金契約上の ーネットに接続されたスマートフォンにインストールした株式会社E銀行の口座開設用アプリケーションソフトを使用して、真実は、被告人名義の普通預金口座の開設に- 2 -伴って付与される預金契約上の地位を第三者に譲渡し、同口座を第三者に利用させる意図であるのに、日本国内に設置された同銀行の銀行取引契約等の事務処理に使用する電子計算機に対し、預金契約上の地位等を譲渡したり、預金口座を第三者に利用させたりすることはできない旨定められた同銀行の取引規定を確認し、同意した上で被告人名義の普通預金口座の開設を申し込む旨の虚偽の情報を与え、同月12日、同電子計算機に、被告人が同銀行の普通預金口座を利用することができる預金契約上の地位である財産権の得喪に係る不実の電磁的記録を作り、もって財産上不法の利益を得た。 第3(令和7年3月28日付け起訴状記載の公訴事実第1)氏名不詳者が他人になりすまして特定事業者との間における預貯金契約に係る役務の提供を受けること又はこれを第三者にさせる目的があることの情を知りながら、令和6年7月8日頃、前記被告人方において、被告人が、氏名不詳者に対し、アプリケーションソフト「テレグラム」のメッセージ機能を利用して、株式会社F銀行G支店に開設された被告人名義の普通預金口座の預金の引出し等に必要な情報である暗証番号等を提供した。 第4(令和7年3月28日付け起訴状記載の公訴事実第2)金融機関から被告人名義のキャッシュカードをだまし取ろうと考え、令和6年7月8日、前記被告人方において、被告人が、インターネットに接続されたスマートフォンにインストールした株式会社H銀行の口座開設用アプリケーションソフトを使用して、同社から口座開設業務等を委託された大阪府吹田市e町f丁目g番h号I株式会社職員に対し、真実は、被告人 たスマートフォンにインストールした株式会社H銀行の口座開設用アプリケーションソフトを使用して、同社から口座開設業務等を委託された大阪府吹田市e町f丁目g番h号I株式会社職員に対し、真実は、被告人名義の普通預金口座の開設に伴って交付されるキャッシュカードを第三者に交付するなどして、同口座を第三者に利用させる意図であるのにこれを秘し、被告人が同口座を自ら利用するように装い、被告人名義の普通預金口座の開設及びこれに伴うキャッシュカードの交付を申し込み、同職員にその旨誤信させ、よって、同月18日、浜松市i区j町k番地のl所在のJ株式会社K局において、同銀行発行の被告- 3 -人名義のキャッシュカード1枚の交付を受け、もって人を欺いて財物を交付させた。 第5(令和7年3月28日付け起訴状記載の公訴事実第3)預金契約上の地位をだまし取ろうと考え、令和6年7月10日、前記被告人方において、被告人が、インターネットに接続されたスマートフォンにインストールした株式会社L銀行の口座開設用アプリケーションソフトを使用して、同銀行の確認担当者に対し、真実は、被告人名義の普通預金口座の開設に伴って付与される預金契約上の地位を第三者に譲渡し、同口座を第三者に利用させる意図であるのにこれを秘し、被告人が同口座を自ら利用するように装い、被告人名義の普通預金口座の開設を申し込み、前記担当者にその旨誤信させ、よって、同月23日、同銀行M支店に被告人名義の普通預金口座を開設させて、同口座を利用することができる預金契約上の地位を付与させ、もって人を欺いて財産上不法の利益を得た。 第6(令和7年3月28日付け起訴状記載の公訴事実第4)金融機関から被告人名義のキャッシュカードをだまし取ろうと考え、令和6年7月24日、前記被告人方において、被告人が、イ 法の利益を得た。 第6(令和7年3月28日付け起訴状記載の公訴事実第4)金融機関から被告人名義のキャッシュカードをだまし取ろうと考え、令和6年7月24日、前記被告人方において、被告人が、インターネットに接続されたスマートフォンにインストールした株式会社N銀行の口座開設用アプリケーションソフトを使用して、同社から口座開設業務等を委託された千葉市m区no丁目p番q号O株式会社職員に対し、真実は、被告人名義の普通預金口座の開設に伴って交付されるキャッシュカードを第三者に交付するなどして、同口座を第三者に利用させる意図であるのにこれを秘し、被告人が同口座を自ら利用するように装い、被告人名義の普通預金口座の開設及びこれに伴うキャッシュカードの交付を申し込み、同職員にその旨誤信させ、よって、同年8月2日、前記被告人方において、郵送により、同銀行発行の被告人名義のキャッシュカード1枚の交付を受け、もって人を欺いて財物を交付させた。 (証拠の標目)- 4 -省略(法令の適用)省略(量刑の理由)本件は、被告人が、共犯者と共謀の上、売却目的で行った銀行口座開設詐欺5件、もともと保有していた口座の情報を報酬目当てで提供した犯罪による収益の移転防止に関する法律違反1件の事案である。 被告人は、共犯者に対し投資等の目的で金銭を交付する過程で、消費者金融等から借入れをするなどして負債を負って経済的困窮に陥り、報酬欲しさから本件各犯行に及んだものであり、その動機や経緯に酌量の余地はない。 口座の開設等を働きかけたのは共犯者であるが、被告人は、本件各犯行において、自ら預金口座の開設の手続を実行しており、本件各犯行における被告人の役割は重要で不可欠なものであったといえる。 被告人は、本件各犯行当時、警察官の職にあったものであり、本 人は、本件各犯行において、自ら預金口座の開設の手続を実行しており、本件各犯行における被告人の役割は重要で不可欠なものであったといえる。 被告人は、本件各犯行当時、警察官の職にあったものであり、本件各犯行は、警察に対する社会的信頼を失墜させかねない行為であって強い非難に値する。 他方、被告人が、本件各犯行をいずれも認めて反省の態度を示していること、被告人は本件により警察官の職を懲戒免職となっており、一定の社会的制裁を受けていること、被告人の父が公判廷に出廷し、今後の被告人の監督や支援を約束していること、被告人には前科前歴がないことなど被告人のために酌むことができる事情も認められる。 そこで、以上の諸事情を総合考慮し、被告人に対しては、主文の刑を科してその刑事責任を明らかにした上で、今回に限り社会内での更生の機会を与えるため、その刑の全部の執行を猶予することとした。 (求刑・懲役2年)令和7年5月23日静岡地方裁判所刑事第1部- 5 - 裁判官野々山優子
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