主文 1 被告が原告に対し,昭和57年10月26日下館市α1058番・田・3467㎡の換地の一部として下館市β2822番・田・2233㎡を指定した処分は無効であることを確認する。 2 訴訟費用は被告の負担とする。 事実及び理由 第1 請求主文第1項同旨第2 事案の概要本件は,昭和57年10月26日土地改良法による換地処分を原因として地積を2233㎡とする表示登記がされている土地を所有する原告が,その土地改良事業を施行した被告に対し,上記換地処分通知は受けていないとして,その無効確認を求めた事案である。 1 前提事実(1) 原告の先代Aは,昭和56年7月27日,被告が土地改良法に基づき行った換地処分により,従前の土地である別紙物件目録記載1の土地の換地として,同目録記載2(1),(2)の土地(以下同目録記載2(2)の土地を「本件土地」という。)の指定を受けた(以下「原換地処分」という。)。 (2) その後,被告は,本件土地とその隣地である別紙物件目録記載3の土地(以下「本件隣地」という。)との間の法面を本件隣地に帰属させるとして,本件土地の地積を2331㎡から2233㎡に,本件隣地の地積を1335㎡から1425㎡に変更する換地計画を立てた(甲4,乙1,2)。 (3) 本件土地の登記簿には,昭和57年10月26日土地改良法による換地処分を原因として,昭和58年1月6日に本件土地の地積を2233㎡とする表示登記がされている(以下,同表示登記の原因とされる換地処分を「本件換地処分」という。)。 (4) 原告は,平成元年11月20日,本件土地を相続した。 2 当事者の主張(被告の主張)原換地処分当時,当時B所有の本件隣地は,本件土地より40cmほど高く,その間には法面があった。法面は,一般に高い方の土地に属するもので 0日,本件土地を相続した。 2 当事者の主張(被告の主張)原換地処分当時,当時B所有の本件隣地は,本件土地より40cmほど高く,その間には法面があった。法面は,一般に高い方の土地に属するものであるが,原換地処分では,法面をAが指定を受けた低い方の土地に帰属させてしまった。原換地処分後,被告は,換地委員から,その旨の指摘を受けたため,現地に赴いて確認した上,AとBの了解を得て,法面部分を本件隣地に帰属させることとし,本件土地の地積を原換地処分による2331㎡から2233㎡に,本件隣地の地積を原換地処分による1335㎡から1425㎡に変更する換地計画を立てた。 本件換地処分は,両当事者の了解を得てしたものであり,また,その変更にかかる部分も法面という耕作ができない部分であって原告には何らの不利益を及ぼさないから,無効とはいえない。 (原告の主張)Aは,原換地処分後,土地の範囲,地積を変更する本件換地処分の通知を受けていないから,本件換地処分は不存在である。また,Aは,土地の範囲,地積の変更を了解したこともない。 第3 当裁判所の判断 1 土地改良法に基づく換地処分は,換地計画に係る土地につき,同法5条7項に掲げる権利を有する者に対し,その換地計画において定められた関係事項を通知をしてするものとされている(同法54条1項)から,換地処分は,上記通知によって成立することが明らかである。また,土地改良区は,換地処分をした場合には遅滞なくその旨を都道府県知事に届けなければならず(同条3項),都道府県知事は,上記届出があった場合には,遅滞なく当該換地処分があった旨を公告しなければならず(同条4項),換地処分は,公告の日の翌日効力を生ずるとされている(同法54条の2第1項)から,上記公告が換地処分の効力発生要件であることも明らかである。さらに 処分があった旨を公告しなければならず(同条4項),換地処分は,公告の日の翌日効力を生ずるとされている(同法54条の2第1項)から,上記公告が換地処分の効力発生要件であることも明らかである。さらに,土地改良法53条の4によれば,土地改良区は,換地計画を変更する場合には,都道府県知事の認可を受けることを要するほか,農林水産省令で定める軽微な変更の場合を除き,同条で準用する土地改良法上の手続(換地技術者の意見聴取―52条4項,権利者会議の議決―同条5項,農業委員会の同意―同条8項,都道府県知事の審査・適否決定―52条の2,異議手続―52条の3)を経ることを要し,ここに軽微な変更とは,①従前の土地の分合筆又は従前の土地について存する権利の変更に伴う変更,②地域の名称又は地番の変更に伴う変更の場合をいう(土地改良法施行規則44条の2)にとどまる。 2 本件換地処分は,原換地処分の内容の一部を変更するものであるから,土地改良法54条により,同条所定の者に対し所定事項を通知することが必要であり,換地計画や換地処分通知書の記載事項の単なる誤謬や土地改良法施行規則44条の2所定の軽微な変更には該当しないことが明らかであるから,都道府県知事の認可のほか土地改良法53条の4所定の手続を経ることも必要であったというべきであるが,土地改良法53条の4所定の手続,同法54条の通知,公告の手続が履践されたことを窺わせる証拠は何もない。したがって,本件換地処分は,その成立も,効力も認めることができない。 3 被告は,本件土地と本件隣地との間の法面を本件隣地に帰属させることについてAの了解を得た旨主張するが,同事実を認めるに足りる証拠はないのみならず,仮にAが了解したとしても,変更後の換地計画について上記各手続が履践されていない以上,本件換地処分が効力を生ずると解する いてAの了解を得た旨主張するが,同事実を認めるに足りる証拠はないのみならず,仮にAが了解したとしても,変更後の換地計画について上記各手続が履践されていない以上,本件換地処分が効力を生ずると解することはできない。 第4 結論よって,原告の請求は理由があるから認容し,主文のとおり判決する。 水戸地方裁判所民事第2部裁判長裁判官松本光一郎裁判官廣田泰士裁判官秋元健一
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