【DRY-RUN】主 文 本件上告を棄却する。 理 由 弁護人加藤茂の上告趣意第一点について。 所論は、憲法三一条違反をいうが、その実質は単なる法令違反の主張にすぎず、 刑訴
主 文 本件上告を棄却する。 理 由 弁護人加藤茂の上告趣意第一点について。 所論は、憲法三一条違反をいうが、その実質は単なる法令違反の主張にすぎず、 刑訴法四〇五条の上告理由にあたらない。 同第二点について。 所論は、原判決は、森林法一九七条にいう産物には、森林から取り出して利用す ることのできる岩石も含まれると判示しているが、この判断は所論引用の判例に違 反するというのである。 もし所論のように、岩石が同条にいう産物に含まれないものとすれば、被告人の 行為は同条の罪よりも重い刑法二三五条の窃盗罪を構成することになるから、所論 は自己に不利益な主張であつて上告理由として不適法なものといわなければならな いが、以下、この点について職権をもつて判断する。 なるほど、所論引用の判例(大審院大正九年(れ)第一七〇〇号同年一〇月一九 日判決・刑録二六輯七二三頁)は、右規定と同趣旨の旧森林法(明治四〇年法律第 四三号)八三条につき、同条にいう産物には、森林の土地を組成する岩石は含まれ ないと判示したものであるから、所論のとおり、原判決は右判例と相反する判断を したものといわなければならない。しかしながら、森林法一九七条の趣旨、文言及 び沿革を考慮すると、同条にいう産物とは、無機物たると有機物たるとを問わず、 森林から産出する一切の物をいい、岩石もこれに含まれると解するのが相当であり、 原判決の結論は正当というべきである。したがつて、所論引用の大審院の判例を変 更し、原判決の判断を維持することとする。 よつて、刑訴法四一四条、三八六条一項三号により、裁判官全員一致の意見で、 - 1 - 主文のとおり決定する。 昭和五〇年三月二〇日 最高裁判所第一小法廷 裁判長裁判官 下 田 武 三 項三号により、裁判官全員一致の意見で、 - 1 - 主文のとおり決定する。 昭和五〇年三月二〇日 最高裁判所第一小法廷 裁判長裁判官 下 田 武 三 裁判官 藤 林 益 三 裁判官 岸 盛 一 裁判官 岸 上 康 夫 裁判官 団 藤 重 光 - 2 -
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