昭和58(行ツ)98 史跡指定解除処分取消請求事件

裁判年月日・裁判所
平成元年6月20日 最高裁判所第三小法廷 判決 棄却 東京高等裁判所 昭和54(行コ)33
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【DRY-RUN】主    文      本件上告を棄却する。      上告費用は上告人らの負担とする。          理    由  上告代理人田代博之、同石田享、同渡辺昭、同名倉実徳、同森下文雄、同大蔵敏 彦

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判決文本文2,346 文字)

主文 本件上告を棄却する。 上告費用は上告人らの負担とする。 理由 上告代理人田代博之、同石田享、同渡辺昭、同名倉実徳、同森下文雄、同大蔵敏彦、同小林達美、同西山正雄、同杉本銀蔵、同澤口嘉代子、同佐藤久、同藤森克美、同白井孝一、同清水光康、同伊藤博史、同大橋昭夫、同市川勝、同渡辺正臣、同橋本紀徳、同藤本斎、同宮道佳男、同北條雅英、同松本晶行、同平山正和、同香川公一、同長山亨、同春田健治、同中村康彦、同松丸正、同高野孝治、同大賀良一の上告理由第一点の一について所論の文化財享有権なる観念は、いまだ法律上の具体的権利とは認められないから、それが具体的権利であることを前提とする所論違憲の主張は失当である。原判決に所論の違法はなく、論旨は採用することができない。 同第一点の二及び三について不適法な訴えにつき本案の判断をせずにこれを却下しても、憲法三二条に違反するものでないことは、当裁判所の判例とするところである(昭和三二年(オ)第一九五号同三五年一二月七日大法廷判決・民集一四巻一三号二九六四頁)。また、所論憲法三一条違反の主張は、本件訴えが適法であることを前提とするものであるが、上告人らは本件史跡指定解除処分の取消しを訴求する原告適格を有せず、本件訴えが不適法であることは後述のとおりであるから、右主張は、前提を欠き、失当である。原判決に所論の違法はなく、論旨は採用することができない。 同第二点ないし第四点について本件史跡指定解除処分の根拠である静岡県文化財保護条例(昭和三六年静岡県条例第二三号。以下「本件条例」という。)は、文化財保護法(以下「法」という。)- 1 -九八条二項の規定に基づくものであるが、法により指定された文化財以外の静岡県内の重要な文化財について、保存及び活用の 三号。以下「本件条例」という。)は、文化財保護法(以下「法」という。)- 1 -九八条二項の規定に基づくものであるが、法により指定された文化財以外の静岡県内の重要な文化財について、保存及び活用のため必要な措置を講じ、もつて県民の文化的向上に資するとともに、我が国文化の進歩に貢献することを目的としている(一条)。本件条例において、静岡県教育委員会は、県内の重要な記念物を県指定史跡等に指定することができ(二九条一項)、県指定史跡等がその価値を失つた場合その他特殊の理由があるときは、その指定を解除することができる(三〇条一項)こととされている。これらの規定並びに本件条例及び法の他の規定中に、県民あるいは国民が史跡等の文化財の保存・活用から受ける利益をそれら個々人の個別的利益として保護すべきものとする趣旨を明記しているものはなく、また、右各規定の合理的解釈によつても、そのような趣旨を導くことはできない。そうすると、本件条例及び法は、文化財の保存・活用から個々の県民あるいは国民が受ける利益については、本来本件条例及び法がその目的としている公益の中に吸収解消させ、その保護は、もつぱら右公益の実現を通じて図ることとしているものと解される。そして、本件条例及び法において、文化財の学術研究者の学問研究上の利益の保護について特段の配慮をしていると解しうる規定を見出すことはできないから、そこに、学術研究者の右利益について、一般の県民あるいは国民が文化財の保存・活用から受ける利益を超えてその保護を図ろうとする趣旨を認めることはできない。文化財の価値は学術研究者の調査研究によつて明らかにされるものであり、その保存・活用のためには学術研究者の協力を得ることが不可欠であるという実情があるとしても、そのことによつて右の解釈が左右されるものではない。また、所論が掲げ 査研究によつて明らかにされるものであり、その保存・活用のためには学術研究者の協力を得ることが不可欠であるという実情があるとしても、そのことによつて右の解釈が左右されるものではない。また、所論が掲げる各法条は、右の解釈に反する趣旨を有するものではない。 したがつて、上告人らは、本件遺跡を研究の対象としてきた学術研究者であるとしても、本件史跡指定解除処分の取消しを求めるにつき法律上の利益を有せず、本件訴訟における原告適格を有しないといわざるをえない。右と同旨の原審の判断は、- 2 -正当として是認することができ、原判決に所論の違法はない。論旨は、採用することができない。 同第五点について論旨は、要するに、文化財の学術研究者には、県民あるいは国民から文化財の保護を信託された者として、それらを代表する資格において、文化財の保存・活用に関する処分の取消しを訴求する出訴資格を認めるべきであるのに、これを否定した原審の判断は、法令の解釈適用を誤つたものである、というのであるが、右のような学術研究者が行政事件訴訟法九条に規定する当該処分の取消しを求めるにつき「法律上の利益を有する者」に当たるとは解し難く、また、本件条例、法その他の現行の法令において、所論のような代表的出訴資格を認めていると解しうる規定も存しないから、所論の点に関する原審の判断は、正当として是認することができ、原判決に所論の違法はない。論旨は、ひつきよう、独自の見解に立つて原判決を論難するものであつて、採用することができない。 よつて、行政事件訴訟法七条、民訴法四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。 最高裁判所第三小法廷裁判長裁判官坂上壽夫裁判官 、九三条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。 最高裁判所第三小法廷裁判長裁判官坂上壽夫裁判官伊藤正己裁判官安岡滿彦裁判官貞家克己- 3 -

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