【DRY-RUN】主 文 本件上告を棄却す。 理 由 弁護人加賀竜夫の上告趣意第一点について。 しかし窃盗罪は物に対する他人の支配を侵してこれを自己の支配内に移すことに よつ
主文本件上告を棄却す。 理由弁護人加賀竜夫の上告趣意第一点について。 しかし窃盗罪は物に対する他人の支配を侵してこれを自己の支配内に移すことによつて成立するものであるが、原判決引用の被告人の原審公判廷の自供の一部及び証人Aの原審第三回公判調書中の供述記載によると、被告人はAの腰提鞄から紙幣を取出し、これを上衣の腋下に挾んでその場を去り、人垣の外の方に逃げ出そうとするところを被害者に感知されて捕えられたというのであるから右紙幣を既に自己の支配内に移し終つたことは明白である故に原審がかゝる証拠を基礎として被告人が右被害者から現金を掏り取つたと判示し窃盗罪の既遂を以て問擬したのは正当である。 論旨は理由がない。 同第二点について。 しかし原判決は被告人の自白の外被害者Aの原審第三回公判調書中の供述記載をも証拠として引用しているのであつて、これ等の証拠を綜合すれば判示犯罪事実は優にこれを認定し得るから原判決には所論のような違法はない。 よつて刑事訴訟法第四四六条により主文の通り判決する。 右は裁判官全員の一致した意見である。 検事福尾彌太郎関与昭和二三年一〇月一六日最高裁判所第二小法廷裁判長裁判官塚崎直義裁判官霜山精一- 1 -裁判官栗山茂裁判官藤田八郎- 2 -
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