令和3年5月13日判決言渡平成28年(行ウ)第244号損害賠償請求事件(住民訴訟)主文 1 原告の請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 事実 及び理由第1 請求 1 被告は,A株式会社に対し,1億3500万円及びこれに対する平成30年2月23日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払うよう請求せよ。 2 被告は,有限会社Bに対し,1億3500万円及びこれに対する平成29年 3月31日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払うよう請求せよ。 3 被告は,Cに対し,1億3500万円及びこれに対する平成29年3月31日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払うよう請求せよ。 4 被告は,Dに対し,1億3500万円及びこれに対する平成29年3月31日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払うよう請求せよ。 第2 事案の概要 1 事案の要旨E町は,その所有する粗大ごみ破砕施設(以下「本件破砕施設」という。)に不具合等が生じて運転停止となったことから,F株式会社(以下「F」という。)及び有限会社B(以下「B」という。)を構成員とするF・B共同企業体(以下 「本件共同企業体」という。)との間で,本件共同企業体に本件破砕施設の更新工事等(本件破砕施設について,既存の機械・設備を完全に新しい機械・設備に入れ替える工事等。以下「本件工事」という。)を請け負わせる工事請負契約(以下「本件契約」という。)を締結した。 本件は,E町の住民である原告が,E町と本件共同企業体との間で締結され た本件契約は,地方自治法施行令167条の2第1項2号所定の「その性質又 は目的が競争入札に適しないもの」に該当しない違法かつ無効な随意契約であり,本件契約の 業体との間で締結され た本件契約は,地方自治法施行令167条の2第1項2号所定の「その性質又 は目的が競争入札に適しないもの」に該当しない違法かつ無効な随意契約であり,本件契約の締結によりE町は損害を被ったなどと主張して,E町の執行機関である被告に対し,地方自治法242条の2第1項4号に基づき,Fを吸収合併したA株式会社(以下「A」という。)及びBに対しては不法行為に基づく損害賠償請求権又は不当利得返還請求権に基づき,本件契約の締結当時E町長 であったC(以下「C」という。)及びE町の職員であったD(以下「D」という。)に対しては不法行為に基づく損害賠償請求権に基づき,それぞれ請負代金相当額1億3500万円及びこれに対する各訴訟告知書送達の日の翌日である平成29年3月31日又は平成30年2月23日から支払済みまで民法(平成29年法律第44号による改正前のもの)所定の年5分の割合による遅延損 害金又は法定利息の支払を請求することを求める住民訴訟である。 2 関係法令の定め(1) 地方自治法等ア地方公共団体の事務地方自治法2条14項は,地方公共団体は,その事務を処理するに当た っては,住民の福祉の増進に努めるとともに,最少の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない旨規定する。 地方自治法2条16項は,地方公共団体は,法令に違反してその事務を処理してはならない旨,市町村及び特別区は,当該都道府県の条例に違反してその事務を処理してはならない旨規定し,同条17項は,同条16項 の規定に違反して行った地方公共団体の行為は,これを無効とする旨規定する。 イ普通地方公共団体の議会の議長及び議員の除斥地方自治法117条本文は,普通地方公共団体の議会の議長及び議員は,自己若しくは 違反して行った地方公共団体の行為は,これを無効とする旨規定する。 イ普通地方公共団体の議会の議長及び議員の除斥地方自治法117条本文は,普通地方公共団体の議会の議長及び議員は,自己若しくは父母,祖父母,配偶者,子,孫若しくは兄弟姉妹の一身上に 関する事件又は自己若しくはこれらの者の従事する業務に直接の利害関係 のある事件については,その議事に参与することができない旨規定し,同条ただし書は,議会の同意があったときは,会議に出席し,発言することができる旨規定する。 ウ普通地方公共団体の契約の締結方法地方自治法234条1項は,売買,貸借,請負その他の契約は,一般競 争入札,指名競争入札,随意契約又はせり売りの方法により締結するものとする旨規定し,同条2項は,同条1項の指名競争入札,随意契約又はせり売りは,政令で定める場合に該当するときに限り,これによることができる旨規定する。 地方自治法施行令167条の2第1項(平成27年政令第416号によ る改正前のもの。以下同じ。)は,地方自治法234条2項の規定により随意契約によることができる場合は,次に掲げる場合とする旨規定し,同施行令167条の2第1 項2号は,「不動産の買入れ又は借入れ,普通地方公共団体が必要とする物品の製造,修理,加工又は納入に使用させるため必要な物品の売払いその他の契約でその性質又は目的が競争入札に適しない ものをするとき。」を,同項5号は,「緊急の必要により競争入札に付することができないとき。」を,それぞれ掲げている。 (2) E町契約規則(甲10)ア予定価格の決定E町契約規則36条は,随意契約によろうとするときは,あらかじめ同 規則15条の規定に準じ,予定価格を定めなければならない旨規定し,同条は,一般 E町契約規則(甲10)ア予定価格の決定E町契約規則36条は,随意契約によろうとするときは,あらかじめ同 規則15条の規定に準じ,予定価格を定めなければならない旨規定し,同条は,一般競争入札に付そうとするときは,その一般競争入札に付する事項の価格を当該事項に関する仕様書,設計書等によって予定し,予定価格調書を作成の上,封書にして,開札場所に置かなければならない旨規定する。 イ見積書の徴取 E町契約規則37条本文は,随意契約によろうとするときは,契約条項その他見積りに必要な事項を示し,なるべく2人以上の者から見積書を徴さなければならない旨規定し,同条ただし書は,その必要がないと認めるときはこの限りでない旨規定する。 3 前提事実 当事者間に争いがない事実,各項掲記の証拠(書証番号は,特記しない限り,各枝番を含む。以下同じ。)及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実は,以下のとおりである。 (1) 当事者等ア原告 原告は,E町の住民である。 イ被告側被告は,E町の執行機関たる町長である。 Cは,平成27年当時,E町長の職にあった者である。 Dは,平成27年当時,E町の住民部生活環境課(以下「生活環境課」 という。)の職員(主幹)として,本件契約の締結に係る事務を担当していた者である。 ウ本件共同企業体本件共同企業体は,平成20年頃,F(代表企業)及びB(構成企業)を構成員として結成された共同企業体である(E町から受注する全ての建 設工事に関して,工事分担〔出資割合〕をF60%,B40%とすることを合意していた。)。本件共同企業体は,同年,E町との間で,後記(3)エのとおりE町クリーンセンターの継続的な運転管理を受託していたとこ 事に関して,工事分担〔出資割合〕をF60%,B40%とすることを合意していた。)。本件共同企業体は,同年,E町との間で,後記(3)エのとおりE町クリーンセンターの継続的な運転管理を受託していたところ,平成27年,E町との間で,本件契約を締結した。(甲5,6,8,乙3,4,7) F(本店・東京都品川区,資本金・4億円)は,昭和53年に設立され, 環境衛生施設の維持運転管理業務・製作等を目的とする会社であったが,平成29年4月1日,A(本店・東京都品川区,資本金・4億8000万円)に吸収合併された(甲8,9)。 B(本店・大阪府泉北郡(住所省略),資本金・1000万円)は,平成14年に設立され,清掃施設の設計・施工・管理等を目的とする会社であ る。Bの代表取締役は,本件契約の締結当時,Gである。 Bの上記本店所在地は,株式会社H(本店・大阪府和泉市,資本金・6000万円)の本店工事部所在地及びI株式会社の本店所在地ともされているところ,本件契約当時,株式会社Hの取締役には,本件契約の締結に係るE町議会の議事に参与していたJ議員(以下「J議員」という。)の三 男であるKが就任していた(なお,同人は,本件契約の締結当時,Bの役員ではなかった。)。(以上につき,甲12,13,18~20)(2) E町クリーンセンターの機能,構造等E町クリーンセンターは,大阪府泉北郡(住所省略)に所在する,可燃性粗大ごみ(木製家具等)を含む一般可燃ごみを焼却処理するための施設であ る。E町クリーンセンター内には,工場棟と管理棟が存在する。 工場棟は,一般可燃ごみを焼却処理する施設(以下「本件焼却施設」という。)と,本件焼却施設において一般可燃ごみの焼却処理を行う前段階として,可燃性粗大ごみの切断,破 工場棟と管理棟が存在する。 工場棟は,一般可燃ごみを焼却処理する施設(以下「本件焼却施設」という。)と,本件焼却施設において一般可燃ごみの焼却処理を行う前段階として,可燃性粗大ごみの切断,破砕等の処理を行う本件破砕施設で構成されている。 可燃性粗大ごみの切断,破砕等の処理の流れは,別紙1のとおりであり,本 件破砕施設と本件焼却施設のごみピットは連結しており,本件破砕施設で切断,破砕等の処理がされた粗大ごみが本件焼却施設のごみピットに流入する仕組みになっている。 本件破砕施設は,大きく分けて,供給ホッパ,切断機,粗大ごみ供給コンベア,破砕機,破砕ごみ搬送コンベア及び電気計装設備(制御盤等)で構成 されている。本件焼却施設のごみ処理方式は全連続燃焼式流動床焼却炉であ り,ごみ処理能力は1日当たり30tである。また,本件破砕施設の粗大ごみ破砕処理能力は,1日当たり5tである。(以上につき,乙1~3,乙7~12,14の5,弁論の全趣旨)(3) E町クリーンセンターの新設,改修,運転管理等に係る経緯ア本件焼却施設・本件破砕施設の新設 E町は,昭和59年,L株式会社(本店・大阪市北区。以下「L」という。)との間で,本件焼却施設に関する工事施行・運転管理に関する各契約を競争入札の方法により締結し,昭和61年3月,本件焼却施設が新設された。 E町は,Lとの間で,本件破砕施設に関する工事施行・運転管理に関す る各契約を随意契約の方法により締結し,昭和63年3月,本件破砕施設が新設された。(以上につき,乙1~3,弁論の全趣旨)イ運転管理契約(昭和63年~平成20年)Lは,昭和63年12月1日,ごみ焼却施設に関する営業をAに譲渡した。その後,Aのグループ れた。(以上につき,乙1~3,弁論の全趣旨)イ運転管理契約(昭和63年~平成20年)Lは,昭和63年12月1日,ごみ焼却施設に関する営業をAに譲渡した。その後,Aのグループ会社であったFは,本件焼却施設及び本件破砕 施設の運転管理を行うようになった。すなわち,E町は,平成20年度まで毎年度,Fとの間で,本件焼却施設及び本件破砕施設の運転管理に関する契約を随意契約の方法により締結した。(乙2,16~20,弁論の全趣旨)ウ本件焼却施設の改修 E町は,M株式会社との間で,本件焼却施設のうち2号炉の改修工事に関する契約を随意契約の方法により締結し,平成12年3月,同工事が完成した(乙2,3,弁論の全趣旨)。 エ本件運転管理契約(平成21年~平成31年)E町は,E町クリーンセンターに係る長期包括整備運営管理事業を公募 型プロポーザル方式により募集したところ,本件共同企業体を含む2社か ら申請があったが,1社が辞退したため,本件共同企業体との間で,平成20年12月18日,長期包括整備運営管理事業委託契約(以下「本件運転管理契約」という。)を随意契約の方法により締結した。本件運転管理契約は,E町が,本件共同企業体に対し,本件焼却施設のうち1号炉の大規模改修工事のほか,本件焼却施設及び本件破砕施設の約10年間(運営期 間:平成21年1月1日から平成31年3月31日まで)の保守点検及び修繕を含む運転管理業務を委託するものであった。 本件運転管理契約の要求水準書には,本件共同企業体が行う主な運転管理業務として,「①計量及び違反ごみ受け入れ監視,投入箇所指示及び誘導,本町への違反者報告業務,②各設備の運転操作及び監視業務,③各設備作 動状況と処理機能の 本件共同企業体が行う主な運転管理業務として,「①計量及び違反ごみ受け入れ監視,投入箇所指示及び誘導,本町への違反者報告業務,②各設備の運転操作及び監視業務,③各設備作 動状況と処理機能の確認・点検調整業務,④各計測機器作動状況と運転機能の確認・点検調整業務,⑤各単体機器及び器具類の日常点検・注油・分解・増締め・部品交換・小修理,⑥電気・計装設備の日常保守点検業務,…⑧運転維持管理上必要な日常的測定分析業務及び計測業務,⑨各設備の定期点検整備(法定点検を含む),…⑬その他,施設の運転維持管理に関し て必要な一切の業務,…⑱粗大ごみ破砕処理業務」と定められていた。また,本件共同企業体内の役割分担として,代表企業であるFがプラント補修,土木建築,運転管理及び保守点検を行い,構成企業であるBが運転管理を行うこととされていた。 本件共同企業体は,平成21年6月,本件焼却施設のうち1号炉の大規 模改修工事に着手し,平成22年3月,同工事を完成させた。 (以上につき,甲8,乙3,4,弁論の全趣旨)オ Nに対する業務委託コンサルタント会社である株式会社N(本店・大阪市西区。以下「N」という。)は,平成21年4月22日,E町から,E町クリーンセンターの 長期包括整備運営管理事業に係る施工監理業務及びモニタリング業務を受 託し,同年5月1日以降,これらの業務を行っていた(甲1の1〔91/96頁~95/96頁〕,乙2,3)。 (4) 本件破砕施設の運転停止本件破砕施設は,平成27年3月9日,切断機の配電盤及び破砕機の制御盤の不具合等により,供給ホッパ,切断機,粗大ごみ供給コンベア,破砕機 及び破砕ごみ搬送コンベアが全て運転停止となった(なお,本件焼却施設は独立して稼働させることができた 配電盤及び破砕機の制御盤の不具合等により,供給ホッパ,切断機,粗大ごみ供給コンベア,破砕機 及び破砕ごみ搬送コンベアが全て運転停止となった(なお,本件焼却施設は独立して稼働させることができた。また,その後,本件破砕施設の故障状況を確認した結果,本件破砕施設の供給ホッパ,切断機,制御盤は,全く作動しなかったが,粗大ごみ供給コンベア,破砕機,破砕ごみ搬送コンベアは,制御盤による制御が機能しないものの個別に作動させることができる状態で あった。)。 これにより,粗大ごみ(木製家具等)の破砕処理をすることができなくなり,E町クリーンセンターの敷地内に粗大ごみが山積みにされるようになったが,その後も住民等による粗大ごみの持込みは続いた。 E町は,粗大ごみの焼却処理を継続して行うために,平成27年5月7日, O株式会社(本店・大阪府泉北郡(住所省略)。以下「O」という。)に対し,委託期間を同月18日から同年7月17日まで,業務委託料を月額172万8000円(消費税及び地方消費税〔以下「消費税等」という。〕込み)として,作動しない切断機の代わりに重機による粗大ごみの前処理(粗切断)を業務委託した。そして,Oが前処理した粗大ごみを,本件共同企業体が重機 を用いて本件破砕施設まで運搬し,手作業で粗大ごみ供給コンベアに投入することで,粗大ごみの処理を行った。(以上につき,甲43の1・2,乙14の1・2,証人D,弁論の全趣旨)(5) 本件契約の締結等ア仮契約の締結 Cは,平成27年7月22日,E町長として,本件共同企業体との間で, 本件工事を工事内容とし,工期を議決日の翌日から平成28年3月31日まで,請負代金額を1億3500万円(消費税等込み)とする工事請負契約(本件契約)の仮契約を,随意契約の 業体との間で, 本件工事を工事内容とし,工期を議決日の翌日から平成28年3月31日まで,請負代金額を1億3500万円(消費税等込み)とする工事請負契約(本件契約)の仮契約を,随意契約の方法により締結した(乙7,弁論の全趣旨)。 イ E町議会の議決 E町議会は,平成27年8月12日,地方自治法96条1項5号,議会の議決に付すべき契約及び財産の取得又は処分に関する条例(昭和39年E町条例第13号)2条に基づき,本件契約の締結に関する議決を行い,本件契約の効力が生じた(甲1の1〔29/90頁~53/90頁〕,弁論の全趣旨)。 (6) 本件工事の概要等本件工事の概要は,①切断機の更新(既存の機械・設備を完全に新しい機械・設備に入れ替えること。以下同じ。),②粗大ごみ供給コンベアの更新,③破砕機の更新,④破砕ごみ搬送コンベアの更新,⑤シュート,デッキ類の更新及び改造(既存部分と全く同じ部品等が入手できないこと等から,一部 形状を作り変えること。以下同じ。),⑥建築設備・電気計装設備の改修(修繕・修復すること。以下同じ。)であった。 本件工事は,本件破砕施設に設置する機械・設備を製造する工程(以下「本件製造工程」という。)と,本件破砕施設に設置された既存機械・設備を解体撤去し,新たに製造した機械・設備を本件破砕施設に設置する工程(以下「本 件設置工程」という。)に分かれていた。本件製造工程は,上記(5)イの議決日の翌日である平成27年8月13日から平成28年2月21日までの間に,本件設置工程は,同月22日から同年3月31日までの間に,それぞれ行われ,同日,本件工事が完成した。(以上につき,甲4,26,乙7,13,14の5,弁論の全趣旨) (7) 本件工事中の粗大ごみの処理 は,同月22日から同年3月31日までの間に,それぞれ行われ,同日,本件工事が完成した。(以上につき,甲4,26,乙7,13,14の5,弁論の全趣旨) (7) 本件工事中の粗大ごみの処理 ア平成27年5月18日から平成28年2月17日までの間(本件製造工程期間を含む。)E町は,上記(4)と同様に,Oに対し,重機による粗大ごみの前処理(粗切断)を業務委託し,本件共同企業体が,前処理した粗大ごみを重機を用いて本件破砕施設まで運搬し,手作業で粗大ごみ供給コンベアに投入する ことで,粗大ごみの処理を行った(甲43,証人D)。 イ平成28年2月22日から同年3月31日までの間(本件設置工程期間中)E町クリーンセンターでは,本件設置工程期間中も,住民等による粗大ごみの持込みを受け入れていたが,本件工事により,前処理した粗大ごみ を手作業で粗大ごみ供給コンベアに投入するといった作業をすることができなかったため,同センターの敷地内に,持ち込まれた粗大ごみを一時的に保管していた。ごみピットに破砕された粗大ごみが入らないことから,ごみの組成が変化しており,本件共同企業体において,焼却時にかき混ぜたり運転の工夫をしたりするなど,長期包括整備運営管理事業における通 常の運転管理では行わない対応等を行った。(弁論の全趣旨)(8) 文書管理システムE町では,部署ごとに,固有の文書記号(生活環境課では「忠生環」)が割り当てられ,毎年度,文書記号ごとに,起案及び収受した行政文書の順に文書番号が自動的・連続的に付される仕組みを用いており,このような文書管 理システムを通じて行政文書の作成,保存管理を行っている。本件契約に関する主な行政文書は,別紙2「平成27年度文書件名簿(抜粋) が自動的・連続的に付される仕組みを用いており,このような文書管 理システムを通じて行政文書の作成,保存管理を行っている。本件契約に関する主な行政文書は,別紙2「平成27年度文書件名簿(抜粋)」のとおりである。(甲1の1〔61/90頁~73/90頁〕,弁論の全趣旨)(9) 監査請求等原告は,平成28年8月10日,E町監査委員に対し,本件契約は,地方 自治法234条2項等に反する違法な随意契約であり,E町が被った損害額 に相当する額の金員をC及び受注業者を含む関係者らに返還させるよう勧告すること等を求める旨の住民監査請求をした(甲1)。 E町監査委員は,平成28年10月7日,上記監査請求を棄却する旨決定し,同日,原告に対し,その旨を通知した(甲2)。 (10) 本件訴えの提起等 ア本件訴えの提起原告は,平成28年11月6日,本件訴えを提起した。 イ訴訟告知B,C及びDは,平成29年3月30日に,Aは,平成30年2月22日に,それぞれ訴訟告知書副本を受領した。 4 争点(1) 本件契約の違法性の有無(地方自治法234条2項,地方自治法施行令167条の2第1項2号違反の有無)(争点1)(2) 本件契約の違法性の有無(その他の違法事由の有無)(争点2)(3) 本件契約が無効であるか否か(争点3) (4) A,B,C及びDの不法行為責任の有無(争点4) 5 争点に関する当事者の主張(1) 争点1(本件契約の違法性の有無〔地方自治法234条2項,地方自治法施行令167条の2第1項2号違反の有無〕)について(原告の主張) 本件契約は,次のア~クの事情等に照らせば,地方自治法施行令167条の2第1項2号所定の「その性質又は目的が競争入札に適しないもの」に の2第1項2号違反の有無〕)について(原告の主張) 本件契約は,次のア~クの事情等に照らせば,地方自治法施行令167条の2第1項2号所定の「その性質又は目的が競争入札に適しないもの」に該当しないから,E町が本件契約を随意契約の方法により締結したことは,地方自治法234条2項,地方自治法施行令167条の2第1項2号に違反し,違法である。 ア本件契約を随意契約の方法により締結する緊急性があったとはいえない こと随意契約に関して被告が主張する事情(E町が独自に本件破砕施設の機械・設備を製造するための設計図を作成できる事業者と機械を製造できる事業者を探し競争入札を行うことや,本件工事を分離発注するために責任分岐や運転計画の見直し等の全ての問題を解決することについては,その 時間的余裕がなかったなどとして,本件契約を随意契約の方法により締結する緊急性があったこと)は,地方自治法施行令167条の2第1項5号における考慮事情であって,本件契約で随意契約の理由とされた同項2号における考慮事情とはなり得ないものである。 また,この点を措くとしても,①C及び生活環境課職員(Dを含む。以 下同じ。)は,平成27年3月頃よりも前の平成26年12月頃から本件工事を含めて何らかの対応が必要な故障が生じていることを認識していたにもかかわらず,緊急性を口実に本件共同企業体との間で本件契約を随意契約の方法により締結するために,故障に何ら対応せず,故意に放置していたこと,②切断機が故障した状態であっても電気系統を回復させれば本件 破砕施設を稼働させながら粗大ごみの処理を行うことは可能であったし,また,本件工事を行うとしても切断機の更新のみを先行していれば本件破砕施設を一定期間にわたり稼働させることが可能であった 件 破砕施設を稼働させながら粗大ごみの処理を行うことは可能であったし,また,本件工事を行うとしても切断機の更新のみを先行していれば本件破砕施設を一定期間にわたり稼働させることが可能であったこと等からすれば,本件工事に関して競争入札を行う期間を確保することができたといえる。したがって,本件契約を随意契約の方法により締結することの緊急性 があったとはいえない。 イ他業者の場合にごみ焼却業務やごみ運搬業務等の運営に著しい支障が生ずるおそれがあったとはいえないこと「著しい支障が生ずるおそれ」の有無を本件製造工程期間中と本件設置工程期間中に分けて検討すると,まず,本件製造工程期間中について,本 件共同企業体は,本件破砕施設内において本件工事に係る作業を何ら行っ ていなかったのであるから,本件工事によって日々のごみ焼却業務やごみ運搬業務に支障が生ずることはない。また,本件製造工程期間中,ごみ焼却業務やごみ運搬業務に支障を来さないように,粗大ごみの前処理業務に伴う安全確保等を行う必要があったのは,Oや本件運転管理契約の受託者である本件共同企業体であって,本件工事を受注する事業者ではない。こ の点に関する被告の主張は,本件共同企業体が本件運転管理契約の受託者という立場と本件工事の受注者という立場にあることを混同するものであり,理由がない。また,被告は,本件共同企業体以外の事業者が本件工事を請け負う場合,約8000万円の経費が余計にかかることが見込まれた旨主張するが,全く根拠がないものであり,理由がない。 次に,本件設置工程期間中について,本件工事が干渉する可能性があったのは,ごみ運搬車両からごみピットにごみを投入する作業のみであったところ,この作業も,本件工事が行われる本件破砕施設内ではなく,本件 次に,本件設置工程期間中について,本件工事が干渉する可能性があったのは,ごみ運搬車両からごみピットにごみを投入する作業のみであったところ,この作業も,本件工事が行われる本件破砕施設内ではなく,本件焼却施設内で行われるものであり,ごみ焼却業務と干渉することはない。 また,ごみ運搬業務を行っているごみ運搬車両が,本件工事現場である本 件破砕施設前やその周辺を往来することは,一般の建設工事の場合(建設工事現場前や周辺道路上を当該工事と関係のない車両や人が通行するような場合)と全く同じであって,本件工事の受注者において,安全管理を適切に行っていれば何ら問題がないことであるから,ごみ運搬業務に著しい支障が生ずることはない。 ウ他業者参入による責任分岐の問題を回避することは契約内容を詳細に詰めること等により対応することができたこと本件工事は,本件破砕施設の運転管理業務を行っていた本件共同企業体と異なる事業者が請け負うことが十分に可能なものであって,両事業者間の責任分岐については,発注者であるE町が,その内容を詳細に詰めた上 で契約書を作成し,本件工事を請け負う事業者との間で合意することで対 応することができた。 そうすると,E町が当該分野の専門職員を有していなかったとしても,国,大阪府,専門的助言を提供してくれる公的な組織・団体等から,E町のごみ処理施設により適した粗大ごみ破砕機の選定,責任分岐を明確化した契約書の作成等についての助言を得ることにより,競争入札の方法によ ることが可能であった。 エ本件工事に当たり,本件共同企業体が有していた特殊な技術,企業秘密が用いられたとはいえないこと本件共同企業体に対する見積徴取に関する起案文書(忠生環第239号)に添付されていた理由書には,本件工事における 当たり,本件共同企業体が有していた特殊な技術,企業秘密が用いられたとはいえないこと本件共同企業体に対する見積徴取に関する起案文書(忠生環第239号)に添付されていた理由書には,本件工事における本件共同企業体の独自の ノウハウ等について一切記載されていなかった。このことからすれば,Cは,本件共同企業体の持つ技術的特殊性や独自性といったノウハウ等を,本件共同企業体しか本件工事を受注することができないことの理由としていなかったといえる。 そして,本件破砕施設の機械・設備は,本件共同企業体ではなく,Lが 設計・製造・設置の全工程を手掛けたものであること,本件工事において特許的な特殊なノウハウは必要がなかったことからすれば,本件共同企業体以外のごみ・環境分野のプラントメーカー等の専門業者が,本件破砕施設の機械・設備を確認して設計図を作成することは可能であったといえる。 したがって,設計図の作成業務について競争入札の方法により委託するこ とが可能であった。 また,特殊技術が一切存在せず,比較的単純な構造の機械・設備を製造するにすぎない本件工事の場合,本件破砕施設の機械・設備の部品の全てを競争入札の方法により調達することが可能であったといえるし,仮に本件破砕施設用に独自の部品が必要であったとしても,特殊技術を要するも のでないのであれば,特別な仕様について詳細に指定することで,競争入 札の方法により調達することが可能であった。 そうすると,①本件破砕施設に新設する機械・設備の設計図の作成,②設計図に基づく機械・設備の製造,③製造した機械・設備の設置の各工程から成り立っている本件工事について,全工程を一括発注するにせよ,各工程を個別発注するにせよ,競争入札の方法によることが可能であったと いえるから, 備の製造,③製造した機械・設備の設置の各工程から成り立っている本件工事について,全工程を一括発注するにせよ,各工程を個別発注するにせよ,競争入札の方法によることが可能であったと いえるから,本件共同企業体しか本件工事を受注することができなかったとはいえない。 オ契約の相手方が固定化し,契約締結が情実に左右され,公正を妨げる事態が生じていたこと最高裁昭和57年(行ツ)第74号同62年3月20日第二小法廷判決・ 民集41巻2号189頁(以下「最高裁昭和62年判決」という。)は,地方自治法施行令167条の2第1項が限定的に随意契約を許容している理由について,契約の相手方が固定化し,契約締結が情実に左右されるなど公正を妨げる事態が生じるおそれを排除するためであると解している。 これを本件についてみると,Cは,随意契約によるべき必要性,競争入 札実施の可能性,経済性等について客観的に検討することなく,E町と本件共同企業体の間にE町クリーンセンターの日々の運転管理業務等を通じた以前からの長い付き合いがあるため,本件契約についても,気心の知れた本件共同企業体に受注させれば価格等について話がしやすいことや,E町では古くからごみ処理プラントに係る建設工事の発注について随意契約 の方法により発注をする慣例があることといった,法令の存在を無視した理由により,本件共同企業体に決め打ちで本件契約を随意契約の方法により締結したのであって,契約の相手方が固定化し,契約締結が情実に左右され,公正を妨げる事態が生じていたというべきである。 したがって,本件は,最高裁昭和62年判決が例示している排除事例で ある。 カ本件工事の受注者としてBは不要であること①Bは,本件工事と同種の工事に関して施工実績があったわけ たがって,本件は,最高裁昭和62年判決が例示している排除事例で ある。 カ本件工事の受注者としてBは不要であること①Bは,本件工事と同種の工事に関して施工実績があったわけではなく,実際に本件工事に係る作業をしたことが確認できないこと,②被告も,BがE町クリーンセンターの運転管理業務においてどのような役割を担っているのか把握していないこと,③本件工事の発注がB(J議員の同族企業) を構成企業とする本件共同企業体に対して行われたのは,E町とJ議員との癒着によるものであったこと等からすれば,本件工事の受注者としてBは不要である。 キ本件共同企業体の実際の履行内容である建設工事は本件契約全体の約1割の約1530万円にとどまる上,それすら下請業者が行っていたこと 本件工事は,その主たる部分が本件製造工程に対応する「機械・設備の製造」であり,それに付随した最後の本件設置工程のみが「建設工事」に当たるところ,「機械・設備の製造」は本件共同企業体の下請業者が行っており,また,本件共同企業体の実際の履行内容である「建設工事」は本件契約全体の約1割の約1530万円にとどまる上,それすら下請業者が行 っていたことからすれば,本件共同企業体以外の事業者でも本件工事を受注することができた。 ク E町クリーンセンターにおける本件工事と同様の建設工事の発注において競争入札を実施していたことE町は,平成11年に,予定価格が約9000万円のE町クリーンセン ターダイオキシン類恒久対策工事について競争入札を実施していた。このように,過去において,E町クリーンセンターにおける同様の建設工事の発注について競争入札を実施していたことからすれば,本件共同企業体以外の事業者でも本件工事を受注することができた 実施していた。このように,過去において,E町クリーンセンターにおける同様の建設工事の発注について競争入札を実施していたことからすれば,本件共同企業体以外の事業者でも本件工事を受注することができた。 (被告の主張) Cは,次のア~エの事情等に照らせば,本件共同企業体との間で本件契約 を締結することが,本件契約の目的を達成する上でより妥当であり,ひいてはE町の利益の増進につながると合理的に判断したのであって,この判断に裁量権の範囲の逸脱又はその濫用はなく,地方自治法施行令167条の2第1項2号所定の「その性質又は目的が競争入札に適しないもの」に該当するから,E町が本件契約を随意契約の方法により締結したことが,地方自治法 234条2項,地方自治法施行令167条の2第1項2号に反し,違法であるとはいえない。 ア早期復旧の必要性,緊急性があり,効率性,信頼性等の観点から本件共同企業体が本件契約の相手として相当であったこと(ア) 本件工事は,年間点検・修繕計画を行っていた中で発生した突発的 な故障が背景にあり,一刻も早く復旧する必要があった。また,本件共同企業体以外の事業者が本件工事を施行する場合には,本件破砕施設に設置している機械・設備の寸法や設置方法等の全てを把握し,性能発注である本件破砕施設の機械・設備を製造できるか否かの検討から入ることとなり,非常に時間を要することが見込まれた。しかしながら,E町 が本件破砕施設の機械・設備を製造するための設計図を作成できる事業者と機械・設備を製造できる事業者を独自に探して競争入札を行うことや,本件工事を分離発注するために責任分岐や運転計画の見直し等といった全ての問題を解決することについて,その時間的余裕がなかった。 また,本件工事は,本件共同企業体がE町 に探して競争入札を行うことや,本件工事を分離発注するために責任分岐や運転計画の見直し等といった全ての問題を解決することについて,その時間的余裕がなかった。 また,本件工事は,本件共同企業体がE町クリーンセンターの運転管 理業務を行っている場所での作業となるため,本件共同企業体以外の事業者が本件工事を施行する場合には,安全管理の徹底を図るため,当該事業者と本件共同企業体が協議や打合せ等を頻繁に行うことが不可欠となり,本件工事及び運転管理業務の両方の作業効率に悪影響が出ることが予想された。 (イ) 本件破砕施設の運転が開始された昭和63年以降は,L(本件破砕 施設の施工業者)又はF(Lの事業を継承したAのグループ会社)が,平成21年1月1日以降は,長期包括整備運営管理事業の受託者である本件共同企業体が,それぞれ,本件焼却施設と本件破砕施設を一体として運転管理していた。そのため,本件共同企業体は,本件焼却施設及び本件破砕施設の運転管理,点検・補修・修繕を行ってきた実績があると ともに,既存機械・設備の構造,機能及び性能に精通しており,本件焼却施設を稼働しながら本件工事を的確に施行することができた。 (ウ) このように,本件工事の目的,内容に相応する信用,技術,経験を有する本件共同企業体であれば,本件破砕施設の早期復旧の必要性,緊急性に対応することができるとともに,本件工事及び運転管理業務の両 方の作業効率に影響が出ることなく,効率的に作業を進めることができ,しかも,本件工事を的確に施行し,本件破砕施設の機能を維持することができた。 イ他業者の場合にごみ焼却業務やごみ運搬業務等の運営に著しい支障が生ずるおそれがあったこと 本件工事は,本件破砕施設と不可分一体である本件焼却施設を稼働させ を維持することができた。 イ他業者の場合にごみ焼却業務やごみ運搬業務等の運営に著しい支障が生ずるおそれがあったこと 本件工事は,本件破砕施設と不可分一体である本件焼却施設を稼働させたまま実施しなければならないものであり,本件工事の施行に当たり,日々のごみ焼却業務やごみ運搬業務に支障が生じないようにしつつ,本件工事の工程を遵守することが必要であった。 本件製造工程期間中は,①粗大ごみの前処理(粗切断),②前処理した粗 大ごみの,本件破砕施設までの運搬,③運搬したごみの粗大ごみ供給コンベアへの手作業による投入といった作業が行われる予定であった(この動線は,住民が粗大ごみを搬入する動線,ごみ収集業者がごみを搬入する動線と重なるものであった。また,上記①~③の作業や,これに伴う安全確保・誘導等は,本件運転管理契約に基づいて本件共同企業体が行う運転管 理業務に含まれないものであった。)。 本件共同企業体が本件工事を請け負う場合には,上記②及び③の作業を本件工事と長期運転管理業務の両方に関連付けることができた(すなわち,本件運転管理契約の受託者である本件共同企業体の協力が得られ,これらの業務を本件工事の関連業務として処理させることができた)ため,ごみ焼却業務を支障なく行うことができ,経費の節減につながることが見込ま れた。 他方で,本件共同企業体以外の事業者が本件工事を請け負う場合には,上記②及び③の作業は本件工事と関連付けることができないため,別の事業者に対し委託する必要があり,その分の経費が余計にかかることが見込まれた。この場合,本件工事の期間中,粗大ごみの処理を全て別の事業者 に委託し,外部の施設で最終焼却まで行うことになるとともに,本件契約を競争入札の方法により締結することになるた ることが見込まれた。この場合,本件工事の期間中,粗大ごみの処理を全て別の事業者 に委託し,外部の施設で最終焼却まで行うことになるとともに,本件契約を競争入札の方法により締結することになるため,これらに要する費用として,㋐競争入札の実施に当たり必要となる本件工事の仕様書及び予算の算定資料(設計書)の作成に係る業務委託費用400万円,㋑本件工事の期間中(約1年間)に粗大ごみの処理を外部委託する費用4000万円, ㋒粗大ごみの輸送費用3300万円,㋓一時的に本件破砕施設を強制復旧させた費用(対応方針を決めるまでの間,一時的に作動することができるか検証するために本件共同企業体に電気工事を行わせた費用)30万円,㋔その他諸費用等を合計した約8000万円が必要になると試算していた。 本件設置工程期間中は,上記①~③の作業を行っていたわけではないが, 通常稼働時と違う場所を住民が搬入する粗大ごみの仮置場としたため,その誘導が必要であり,また,仮置場のすぐ横でクレーン等の重機作業が行われていたため,安全確保も必要であった。 このように,本件共同企業体以外の事業者が本件工事を請け負う場合,本件工事期間中に,ごみ焼却業務やごみ運搬業務等の運営に著しい支障が 生ずるおそれがあったことから,E町は,本件共同企業体に本件工事を発 注した。 ウ他業者参入による責任分岐の問題を回避する必要があったこと本件破砕施設は,本件焼却施設と一体として稼働しており,ごみ焼却施設として機能的にも物理的にも不可分一体の関係にあり,その運転管理業務は,本件運転管理契約により,本件共同企業体が平成21年1月1日以 降10年間行うこととなっていたところ,その途中である平成27年に本件破砕施設が運転不能の事態に陥り,これに対処する必要が 業務は,本件運転管理契約により,本件共同企業体が平成21年1月1日以 降10年間行うこととなっていたところ,その途中である平成27年に本件破砕施設が運転不能の事態に陥り,これに対処する必要が生じた。 本件共同企業体以外の事業者が本件工事を請け負う場合,本件工事中に外部委託に伴う粗大ごみの搬出作業が発生するため,粗大ごみの搬出作業に係る動線,場内での本件工事に係る動線及び住民のごみの搬入に係る動 線が重なることになり,この動線の重なりにより事故が起きた場合,どこに責任があるのかを究明するまでの間,住民のごみの搬入以外の作業が止まってしまい,本件工事の工期に影響が出るおそれがあった。また,本件工事の日程や工程が急に変更されることも起こり得るところ,住民やごみ収集業者によるごみの搬入時の安全確保,本件工事やE町クリーンセンタ ーの運転管理の作業への影響等について,誰がどの部分の責任を負うのかをあらかじめ決めることは非常に難しい問題であった。 また,本件共同企業体以外の事業者が本件工事を施行すると,本件工事完了後に,破砕した可燃性粗大ごみの組成が悪く焼却炉全体に影響を及ぼすなどの事態が生じた場合,あるいは,本件破砕施設の機械・設備に不具 合が生じた場合に,運転管理が原因なのか,本件工事が原因なのかが判然とせず,責任の所在が不明確になるおそれがあった。すなわち,本件破砕施設の機械・設備の故障には,多種多様な故障箇所,故障内容等があり,製造業者と運転管理業者のいずれの責任に基づく故障であるのかを容易に区別できない場合や,両者の責任が競合し,その責任割合を確定すること が容易でない場合等があることも十分予測されたところであり,製造業者 と運転管理業者との間で責任分岐について調整,協議ができずに,E町の 責任が競合し,その責任割合を確定すること が容易でない場合等があることも十分予測されたところであり,製造業者 と運転管理業者との間で責任分岐について調整,協議ができずに,E町のごみ焼却事業に影響が生ずるおそれもあった。本件共同企業体が本件工事を施行すれば,そのような懸念を回避することができた。 これに対し,原告は,責任分岐を明確化した契約書の作成等についての助言を得ることにより,競争入札に付すことができた旨主張するが,本件 のように粗大ごみの処理が不可能となったという緊急事態に対応するために時間的な余裕がない場合には妥当しないものであり,また,あらゆる場合にも対応することができる責任分岐の条項を定めることは極めて困難であるから,原告の上記主張は理由がない。 エ本件工事に当たり,本件共同企業体が有していた特殊な技術,企業秘密 が用いられたこと本件共同企業体は,本件破砕施設の機械・設備を構成する各製品や部品等の製造を外注したものの,これらの部品等は,本件共同企業体において作成した設計図を基に製造しており,外注業者に製造させた機械・設備及び部品には,既製品ではなく,特別に製造させたものが含まれていた。 また,本件共同企業体は,特許ではないものの,企業秘密等の特殊な技術を用いて,本件破砕施設に適合するよう改造等を行った。 オ原告の主張に対する反論(ア) 契約の相手方が固定化し,契約締結が情実に左右され,公正を妨げる事態が生じていたことについて Cは,生活環境課職員から十分な説明を受け,協議を重ねた上で,上記ア~エの事情等に照らし,本件契約が地方自治法施行令167条の2第1項2号所定の「その性質又は目的が競争入札に適しないもの」に該当すると判断したのであって ら十分な説明を受け,協議を重ねた上で,上記ア~エの事情等に照らし,本件契約が地方自治法施行令167条の2第1項2号所定の「その性質又は目的が競争入札に適しないもの」に該当すると判断したのであって,本件共同企業体に決め打ちで本件契約を随意契約の方法により締結したわけではない。 したがって,原告の主張は理由がない。 (イ) 本件工事の受注者としてBは不要であることについて①Bは,本件工事に係る現場調査や設計支援,粗大ごみ搬入車両・工事車両の誘導,部品搬入時の対応等を担当していたこと,②Bは,E町クリーンセンターの運転管理業務において,主に運転管理及び軽微な修繕・点検・土木工事等の役割を担っていること,③本件工事の発注が, E町とJ議員との癒着によるものであったとはいえないこと,④E町は,本件運転管理契約をF及びBで構成される本件共同企業体との間で締結したこと等からすれば,本件工事の受注者としてBが不要であるとはいえない。 したがって,原告の主張は理由がない。 (ウ) 本件共同企業体の実際の履行内容である建設工事は本件契約全体の約1割の約1530万円にとどまる上,それすら下請業者が行っていたことについて本件共同企業体は,本件工事に係る仕様書どおりの機械・設備を製造するために設計図を作成し,その設計図に基づく機械・設備を製造する ことができる事業者に外注し,完成した機械・設備の性能確認を行った後,E町クリーンセンターに搬入し,据付けを行ったのであって,本件共同企業体の実際の履行内容が本件契約全体の約1割の約1530万円にとどまるなどとはいえない。 したがって,原告の主張は理由がない。 (エ) E町クリーンセンターにおける本件工事と同様の建設工事の発 の実際の履行内容が本件契約全体の約1割の約1530万円にとどまるなどとはいえない。 したがって,原告の主張は理由がない。 (エ) E町クリーンセンターにおける本件工事と同様の建設工事の発注において競争入札を実施していたことについて平成11年に競争入札を実施したE町クリーンセンターダイオキシン類恒久対策工事は,本件工事と異なり,機械等に故障が生じ,全く運転することができない状態となり,速やかに対応することが求められるよ うな状況になかったのであるから,平成11年の工事に係る契約が競争 入札の方法により締結されたことを理由に本件契約が随意契約の方法で締結されたことが違法であるとはいえない。 したがって,原告の主張は理由がない。 (2) 争点2(本件契約の違法性の有無〔その他の違法事由の有無〕)について(原告の主張) ア随意契約理由書の添付漏れについてCは,本件契約を随意契約の方法により締結することを決裁した際に,本件契約の締結に関する起案文書(忠生環第268号)に随意契約理由書を添付していなかった。これは決裁手続上の重大な瑕疵であるから,当該決裁手続及び本件契約は,違法かつ無効である。 イ E町契約規則37条違反の有無についてCは,本件契約を締結するに当たって,本件共同企業体からしか見積書を徴取しなかった。したがって,本件契約は,E町契約規則37条に違反し,違法かつ無効である。 ウ E町契約規則36条,15条違反の有無について E町契約規則36条,15条が予定価格調書の作成をE町に義務付けている趣旨は,E町の価格決定の過程を記録に残すことによってその適正さと公平さを後日検証可能にすること,一度定めた価格の変更を不可能にすることにあり,これに付 条が予定価格調書の作成をE町に義務付けている趣旨は,E町の価格決定の過程を記録に残すことによってその適正さと公平さを後日検証可能にすること,一度定めた価格の変更を不可能にすることにあり,これに付随して重要なことは,随意契約の相手方に予定価格を知らせないことである。それにもかかわらず,C及び生活環境課職員 は,本件契約を随意契約の方法により締結するに当たり,予定価格調書を作成せず,交渉に際して予定価格を秘していなかった。したがって,本件契約は,E町契約規則36条,15条に違反し,違法かつ無効である。 これに対し,被告は,見積書審査報告書に基づいて予定価格を決定しており,E町契約規則36条,15条に形式的に違反するにすぎない旨主張 する。しかしながら,平成27年度文書件名簿(甲1の1〔62/90頁, 63/90頁〕)によれば,Dが,見積書審査報告書が添付された収受文書(忠生環第269号)の収受日及び決裁日を過去の日付に遡って記載したこと,見積書審査報告書は平成27年7月20日以降に収受されたことが認められるから,E町は,予定価格を決定せずに本件共同企業体と本件契約を締結したことが認められる。また,E町クリーンセンター関係のコン サルタント業務に長年携わっているNが作成した見積書審査報告書は,本件共同企業体が作成した見積書のほぼ全項目にほぼ0.93を乗じるだけという形式的なものであって,価格の適正さを裏付ける実質的な検討がされた形跡が全くないものであった。したがって,C及び生活環境課職員は,交渉に際して予定価格を秘していなかっただけでなく,予定価格を決定せ ずに本件共同企業体の見積金額をそのまま受け入れたのであるから,実質的にもE町契約規則36条,15条に違反する。被告の上記主張は理由がない。 ていなかっただけでなく,予定価格を決定せ ずに本件共同企業体の見積金額をそのまま受け入れたのであるから,実質的にもE町契約規則36条,15条に違反する。被告の上記主張は理由がない。 エ地方自治法117条違反の有無について本件工事に係るE町議会の議事に参与したJ議員の三男であるKは,B の役員ではなく従業員であるとされているが,これは,BがE町にとって大口の受注業者であることから,地方自治法117条等の制約から免れるため,商業登記簿上,Kを役員から外したものにすぎないと思料される。 Kは,I株式会社の事実上の代表取締役であることや,I株式会社,B及び株式会社Hの3社がJ議員の親族らのみで経営していた同族企業である という実態等からすれば,Bの役員と同等の立場であったといえる。 そうすると,J議員は,地方自治法117条が定める除斥事由があったにもかかわらず,上記議事に参与したことになる。そして,仮にJ議員が議事に参与していなければ議会の議決を得ることはできなかったはずであるから,本件契約に係る議決は,同条に違反し,違法かつ無効である。 (被告の主張) ア随意契約理由書の添付漏れについてCは,本件契約を随意契約の方法により締結するに当たり,本件契約の締結に関する起案文書(忠生環第268号)に随意契約理由書を添付していなかったが,本件工事の見積徴取に関する起案文書(忠生環第239号)には,随意契約であることを前提にその理由を記載し,地方自治法施行令 167条の2第1項2号に該当することを示していたのであるから,決裁手続上の重大な瑕疵があるとはいえず,当該決裁手続及び本件契約が違法かつ無効であるとはいえない。 イ E町契約規則37条違反の有無についてE町契約規則37条は,「な 示していたのであるから,決裁手続上の重大な瑕疵があるとはいえず,当該決裁手続及び本件契約が違法かつ無効であるとはいえない。 イ E町契約規則37条違反の有無についてE町契約規則37条は,「なるべく2人以上の者から見積書を徴すべき」 と規定しているにすぎず,必ず2人以上とは規定していないから,本件契約は,同条に違反するとはいえない。 ウ E町契約規則36条,15条違反の有無についてそもそも,E町契約規則36条,15条は,随意契約によろうとするときは,当該事項に関する仕様書,設計書等によって予定価格を定めなけれ ばならないことを規定するものであって,予定価格調書の作成及びそれを封書にして開札場所に置くことまでは義務付けていない。 また,E町には専門職を置いていない所管課(生活環境課を含む。)があり,そのような所管課では,専門知識の必要な契約を随意契約の方法により締結する際に,予定価格の基となる設計書を作成することができなかっ たため,当該随意契約予定先から提出された見積書が適正な価格であるか否かについて,コンサルタント会社に審査を依頼し,その結果報告書をもって「設計書」とし,これを基に予定価格を決定していた。本件では,E町が作成した仕様書と,コンサルタント会社であるNから提出された見積書審査報告書を「設計書」とし,これらに基づき予定価格を1億3569 万0462円と決定した。C及び生活環境課職員は,見積書審査報告書に 基づいて予定価格を決定し,その価格は見積書審査報告書に明記されていたことから,実質的には予定価格を恣意的に変更されること等による不都合は防止されていたため,E町契約規則36条に違反するとはいえない。 これに対し,原告は,見積書審査報告書は平成27年7月20日以降に収受さ ,実質的には予定価格を恣意的に変更されること等による不都合は防止されていたため,E町契約規則36条に違反するとはいえない。 これに対し,原告は,見積書審査報告書は平成27年7月20日以降に収受されたことが認められる旨主張するが,Dが同報告書の提出があった 当日に文書管理システムに入力して収受文書を作成するのを失念し,後日,本件契約の締結に関する起案文書(忠生環第268号)を作成した際に,見積書審査報告書受領の日付を実際に受領した日付として収受文書(忠生環第269号)を作成したにすぎず,事実に反する事務処理を行ったわけではないから,原告の上記主張は理由がない。 また,原告は,見積書審査報告書の内容自体,本件共同企業体が作成した見積書のほぼ全項目にほぼ0.93を乗じるだけという形式的なものであって,価格の適正さを裏付ける実質的な検討がされた形跡が全くないものである旨主張するが,機械・設備の製造,購入,重機の借上げ等の見積書審査については,コンサルタント会社の専門的見地からこの事案では査 定比率の0.93を用いて計算されており,機械・設備の据付工事等の作業に係る人件費の見積書審査については,公共工事設計労務単価,廃棄物点検補修工事積算要領等の判断材料を用いて査定されており,形式的なものではないから,原告の上記主張は理由がない。 エ地方自治法117条違反の有無について Bの代表者であったGは,J議員の「父母,祖父母,配偶者,子,孫若しくは兄弟姉妹」(地方自治法117条)ではない。また,仮に,J議員の三男であるKがBの従業員であったとしても,KがBにおいて常時支配力を有する地位にあったとは認められないから,本件工事に係る議案は,「子の従事する業務に直接の利害関係のある事件」(同条)に該当しない。 がBの従業員であったとしても,KがBにおいて常時支配力を有する地位にあったとは認められないから,本件工事に係る議案は,「子の従事する業務に直接の利害関係のある事件」(同条)に該当しない。 したがって,本件契約に係る議決は,地方自治法117条に違反するも のではなく,違法かつ無効であるとはいえない。 (3) 争点3(本件契約が無効であるか否か)について(原告の主張)F担当者,B担当者,C及びDは,本件契約が地方自治法施行令167条の2第1項2号所定の「その性質又は目的が競争入札に適しないもの」に該 当せず,競争入札に付されるべきものであることを知りながら,本件共同企業体と被告との間で本件契約を随意契約の方法によって締結したのであるから,本件契約は無効である。 また,Cによる違法な随意契約締結の指示は,公務員,行政機関の長として到底許されるものではなく,憲法15条2項の「全体の奉仕者」という公 務員の根幹に反しているから,このような違憲状態の公務員によって経済性や公共の利益等を無視してされた本件契約は,地方自治法2条14項,同条16項,同法234条及びE町契約規則に反するものであって,地方自治法2条17項により当然に無効である。 さらに,本件契約は,本件共同企業体に高い技術や熟練度があるなどとい った虚偽の説明の下で締結されたものであって,民法90条(平成29年法律第44号による改正前のもの)により無効である。 したがって,本件契約は無効であり,本件契約の請負人である本件共同企業体の構成員であるF(Fを吸収合併したA)及びBは法律上の原因なく請負代金相当額の利益を受け,そのためにE町に損失を及ぼしたことになるか ら,A及びBは,E町に対してそれぞれ不当利得返還義務を負う。 (被告の主 Fを吸収合併したA)及びBは法律上の原因なく請負代金相当額の利益を受け,そのためにE町に損失を及ぼしたことになるか ら,A及びBは,E町に対してそれぞれ不当利得返還義務を負う。 (被告の主張)本件契約が地方自治法施行令167条の2第1項2号所定の「その性質又は目的が競争入札に適しないもの」に該当しないとしても,本件契約の効力を無効としなければ随意契約の締結に制限を加えた地方自治法及び同法施 行令の趣旨を没却する結果となる特段の事情が認められる場合に限り,私法 上無効となると解されるところ,本件では上記特段の事情は認められない。 原告のその余の主張は,いずれも争う。 (4) 争点4(A,B,C及びDの不法行為責任の有無)について(原告の主張)ア不法行為の内容について F担当者,B担当者,C及びDは,本件契約が地方自治法施行令167条の2第1項2号所定の「その性質又は目的が競争入札に適しないもの」に該当せず,競争入札に付されるべきものであることを知りながら,本件共同企業体と被告との間で本件契約を随意契約の方法によって締結したのであるから,F担当者,B担当者,C及びDは,E町に対してそれぞれ不 法行為責任(民法709条)を負い,F(同社を吸収合併したA)及びBは,F担当者及びB担当者の各不法行為につきそれぞれ使用者責任(民法715条)を負う。 イ損害の発生及びその額について(ア) E町は,上記不法行為によって,F及びBに対して支払った請負代 金相当額1億3500万円の損害を被った。 (イ) Fは,本件工事と同種の工事に関して施工実績があり,自ら単独で受注することができたこと,Bは,本件工事と同種の工事に関して施工実績があったわけではなく,実際に本件工事に係る作業 を被った。 (イ) Fは,本件工事と同種の工事に関して施工実績があり,自ら単独で受注することができたこと,Bは,本件工事と同種の工事に関して施工実績があったわけではなく,実際に本件工事に係る作業をしたことが確認できないことからすれば,本件契約の相手方としてBは不要であった。 したがって,E町は,少なくとも,Bに対して支払われた5400万円の損害を被った。 (ウ) 本件工事は,その主たる部分が本件製造工程に対応する「機械・設備の製造」であり,それに付随した最後の本件設置工程のみが「建設工事」に当たるところ,「機械・設備の製造」は,本件共同企業体の下請業 者が行っており,また,本件共同企業体の実際の履行内容である「建設 工事」は,本件契約全体の約1割の約1530万円にとどまる上,それすら下請業者が行っていた。そうすると,本件共同企業体は,中間マージン相当額を不法に領得したことになるから,E町は,少なくとも,請負代金額のうち中間マージン相当額の損害を被った。 (被告の主張) ア不法行為の内容について本件契約は,上記争点1における(被告の主張)のとおり,随意契約の方法により締結することができる場合に該当することから,F担当者,B担当者,C及びDに財務会計法規上の義務違反行為はない。 イ損害の発生及びその額について 本件工事は,本件共同企業体により適正に施行されたため,E町に損害は発生していない。 第3 当裁判所の判断 1 認定事実前記前提事実に加え,各掲記の証拠及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実 が認められる。 (1) 本件破砕施設の運転停止等ア本件破砕施設の故障生活環境課職員は,平成26年頃まで,昭和63年に新設された本件破砕施設の れば,以下の事実 が認められる。 (1) 本件破砕施設の運転停止等ア本件破砕施設の故障生活環境課職員は,平成26年頃まで,昭和63年に新設された本件破砕施設の老朽化が著しく,本件破砕施設の機械・設備を更新する必要性を 認識していたものの,E町の財政状況が厳しかったことから,機械・設備の更新に要する費用を予算に計上することが困難な状況が続き,部分的な修理を行うにとどまっていた。E町は,平成26年12月に本件破砕施設の切断機の油圧ポンプが経年劣化により破損したため,本件共同企業体に対し,切断機の更新を行った場合の見積りを依頼したところ,平成27年 1月26日,5596万7652円(消費税等込み)を要する旨の見積書 が提出された。生活環境課職員は,当該見積金額や本件破砕施設の故障状況等に照らし,切断機のみを更新する方法以外も検討する必要があったため,応急的に修繕を行い対処することとした。 そうしたところ,本件破砕施設は,平成27年3月9日,切断機の配電盤及び破砕機の制御盤の不具合等により,全て運転停止となった。複数の 機械・設備が同時に故障をしたため,当初はその原因がはっきりしない状態であった。 生活環境課職員は,これを受けて,上記故障に対する対応の方法(制御盤のみ更新工事をするのか,切断機及び制御盤のみ更新するのか,本件破砕施設の主な機械・設備を全て更新等するのか等)や,それに伴う関連業 務(粗大ごみを粗切断する前処理業務等)の方法を検討するとともに,平成27年3月のE町議会で,上記故障について報告を行い,破砕処理をすることができずに積み置かれた粗大ごみの仮置場の確保,粗大ごみ排出抑制への取組等の対応を行った。(以上につき,甲43,49,乙14の1・2,22,2 議会で,上記故障について報告を行い,破砕処理をすることができずに積み置かれた粗大ごみの仮置場の確保,粗大ごみ排出抑制への取組等の対応を行った。(以上につき,甲43,49,乙14の1・2,22,23,証人D,弁論の全趣旨) イ本件破砕施設の故障後の状況本件破砕施設の故障により,粗大ごみを処理することができなくなり,E町クリーンセンターの敷地内に粗大ごみが山積みにされていたが,その後も住民等による粗大ごみの持込みは続いていたため,粗大ごみを早急に処理する必要があった。 本件破砕施設の供給ホッパ,切断機,制御盤は,全く作動しなかったが,粗大ごみ供給コンベア,破砕機,破砕ごみ搬送コンベアは,制御盤による制御が機能しないものの個別に作動させることができる状態であった。また,粗大ごみの焼却処理を外部委託した場合,受け入れた粗大ごみの外部への搬出作業や外部施設での焼却作業等の業務委託費用が別途必要になる 上,本件焼却施設における焼却処理の性能上,焼却に当たり,高質ごみで ある粗大ごみを一般可燃ごみと混ぜ合わせるか,又は相当の工夫をすることが必要となり困難が伴うことが予想された。 そこで,E町は,粗大ごみを安価に処理するとともに,高質ごみである粗大ごみの投入を絶やさないようにして可燃性粗大ごみを含む一般可燃ごみの焼却処理を継続して行うために,平成27年5月7日,Oに対し,委 託期間を同月18日から同年7月17日まで,業務委託料を月額172万8000円(消費税等込み)として,作動しない切断機の代わりに重機による粗大ごみの前処理(粗切断)を業務委託した。そして,Oが前処理した粗大ごみを,本件共同企業体が重機を用いて本件破砕施設まで運搬し,手作業で粗大ごみ供給コンベアに投入することで,粗大ごみの処理を行 よる粗大ごみの前処理(粗切断)を業務委託した。そして,Oが前処理した粗大ごみを,本件共同企業体が重機を用いて本件破砕施設まで運搬し,手作業で粗大ごみ供給コンベアに投入することで,粗大ごみの処理を行っ た。 E町は,平成27年7月18日,本件製造工程期間を約6か月と見込んでいたことから,Oに対し,委託期間を同日から平成28年1月17日まで,業務委託料を月額172万8000円(消費税等込み)として,作動しない切断機の代わりに重機による粗大ごみの前処理(粗切断)を改めて 業務委託した(なお,E町とOは,同月15日,委託期間を同年2月17日まで延長する旨の合意をした。)。 (以上につき,甲43の1~4,証人D,弁論の全趣旨)ウ本件共同企業体による見積書等の提出生活環境課職員は,本件破砕施設を全部更新するか部分改修等にするか の方針を決定するに当たり,長期包括整備運営管理事業の受託者である本件共同企業体に対し,本件破砕施設を全部更新すべきか否かに関する報告書を提出するように求めるとともに,平成27年6月のE町議会において,本件工事を行う場合に要する費用を補正予算に計上するために,同費用の見積りを提出するように求めた。 本件共同企業体は,E町に対し,平成27年6月4日,見積価格を1億 4584万7714円(消費税等込み)とする見積書を提出し,同月15日,「粗大ごみ破砕処理施設更新について」と題する書面(各機械・設備や部品の耐用年数が超過し,故障が頻繁に発生している状況であり,切断機が故障により運転不可能で早急な復旧が必要であること等から,本件工事を行う必要がある旨が記載された書面)を提出した。また,E町は,本件 共同企業体から,本件工事の期間として少なくとも約9か月を要するとい より運転不可能で早急な復旧が必要であること等から,本件工事を行う必要がある旨が記載された書面)を提出した。また,E町は,本件 共同企業体から,本件工事の期間として少なくとも約9か月を要するといった報告を受けた。(以上につき,甲43の1~4,乙14の1・2・6,30,証人D,弁論の全趣旨)エ本件工事の方針決定生活環境課職員は,上記ウの見積書及び報告を受けて,本件工事をする 方針を決定し,これに要する費用を補正予算に計上し,平成27年6月25日にE町議会においてその議決を得る予定であったが,本件工事について慎重に審議することが必要であるとの理由により総務事業常任委員会に付託され,同委員会の審査を経て,同年7月7日に補正予算案の議決が行われた(甲46の1,弁論の全趣旨)。 (2) 本件契約の締結に至る経緯ア見積書審査E町は,平成27年7月7日,本件破砕施設に係る見積書審査等の業務委託契約を締結するに当たり,同業務に対する見積りを複数の事業者から徴取することとし(忠生環第258号),同月9日,本件共同企業体から提 出された見積価格が適正であるか否かを判断するため,本件破砕施設に係る見積書審査等につき,最低見積価格業者であるNとの間で,業務委託契約を締結した(忠生環第259号)。上記の審査結果は,同月13日にE町に提出される予定であった(なお,平成27年度文書件名簿によれば,Dは,上記各起案文書の作成を同月17日頃に行ったことが認められるもの の,本件破砕施設に係る見積書審査等について各社から提出された見積書 の日付が同月8日又は9日であること〔乙5〕からすれば,文書の作成よりも実際の作業を優先したために上記各起案文書の起案日及び決裁日を過去の日付に遡って記 ついて各社から提出された見積書 の日付が同月8日又は9日であること〔乙5〕からすれば,文書の作成よりも実際の作業を優先したために上記各起案文書の起案日及び決裁日を過去の日付に遡って記載したにすぎない旨のD証言を信用することができる。)。(甲1の1〔62/90頁〕,35,乙5,証人D)イ見積書の依頼 (ア) 見積書の徴取の決裁Cは,平成27年7月9日,本件共同企業体に対して本件工事の正式な見積りを徴取することを決裁した(忠生環第239号)。 この起案文書には,①理由書(乙14の1),②本件共同企業体作成の平成27年6月15日付け「粗大ごみ破砕処理施設更新について」と題 する書面(乙14の2),③同年7月10日付けE町長C作成の「粗大ごみ破砕施設の更新工事の見積書提出について(依頼)」と題する文書(乙14の3),④同月にE町が作成した本件工事の発注仕様書(乙14の5),⑤同年6月4日付け本件共同企業体作成の見積書(乙14の6)が添付されていた。 この起案文書に添付された上記①の理由書には,要旨,㋐本件破砕施設のライン全てが停止したこと,㋑本件破砕施設が経年劣化しており,本件共同企業体が調査した結果,今回故障している電気系統及び油圧系統のほかに,供給ラインや破砕機本体にも経年劣化による回転軸の摩耗や,ケーシングの劣化等があり,施設全体の更新が必要な時期であると の判断結果を得たことから,E町においても現場調査等により更新が必要であるとの結論に至り緊急に対応するものであること,㋒本件破砕施設がごみピット(本件焼却施設)と連結していることから,事業者選定について,現在本件破砕施設の運転管理を行っている事業者以外の者が実施した場合,効率性,信頼性等の観点,ごみ焼却業務 と,㋒本件破砕施設がごみピット(本件焼却施設)と連結していることから,事業者選定について,現在本件破砕施設の運転管理を行っている事業者以外の者が実施した場合,効率性,信頼性等の観点,ごみ焼却業務やごみ運搬業務 にも著しく支障を来すおそれもあり,他業者参入による責任分岐等の困 難を考慮し,ごみ焼却業務等の執行に当たり種々の対応にも有利と思われることから,地方自治法施行令167条の2第1項2号に基づき本件共同企業体と随意契約を締結するため見積りを徴するものであること,が記載されていた。(以上につき,甲35,乙14,証人D)(イ) 見積書の依頼 生活環境課職員は,平成27年7月10日,本件共同企業体に対し,上記決裁に基づき,発注仕様書に基づく本件工事の見積りを依頼し,同月17日までに見積書を提出するよう求めた。生活環境課職員は,上記アの審査結果が,同月13日にE町に提出される予定であったことから,本件共同企業体には同日以後に見積書を提出するように求めた。 (以上に つき,甲35,乙14,弁論の全趣旨)ウ本件契約の仮契約の締結に至る経緯(ア) 見積書審査報告書Nは,平成27年7月13日,E町に対し,審査見積価格を1億3569万0462円(消費税等込み)とする見積書審査報告書を提出した (忠生環第269号。甲1の1〔55/90頁~60/90頁〕,35,証人D)。 (イ) その後の交渉生活環境課職員は,見積書審査報告書の内容を踏まえて,本件共同企業体との間で交渉を行い,本件共同企業体は,平成27年7月16日, E町に対し,本件工事の見積額を1億3500万円(消費税等込み)とする見積書を提出した(甲35,乙6)。 本件共同企業体との間で交渉を行い,本件共同企業体は,平成27年7月16日, E町に対し,本件工事の見積額を1億3500万円(消費税等込み)とする見積書を提出した(甲35,乙6)。 (ウ) 本件契約を締結する旨の決裁Cは,平成27年7月22日,本件工事に関する契約の締結について,見積書審査報告書の見積書審査の結果をもって再度本件共同企業体と交 渉し見積りを再提出させた結果,上記(イ)の見積金額を適正価格と判断 したとして,随意契約の方法により本件契約を締結する旨の決裁を行った(忠生環第268号)。ただし,上記決裁を行った起案文書には,随意契約理由書が添付されていなかった。また,生活環境課職員は,本件共同企業体以外の事業者から本件工事に係る見積書を徴取せず,予定価格調書を作成しなかった。(乙6,弁論の全趣旨) (エ) 本件契約の仮契約の締結Cは,平成27年7月22日,E町長として,本件共同企業体との間で,工事内容を本件工事とし,工期を議決日の翌日から平成28年3月31日までとし,請負代金額を1億3500万円(消費税等込み)とする旨の工事請負契約 (本件契約)の仮契約を,随意契約の方法により締 結した(前記前提事実(5)ア)。 エ E町議会等での生活環境課の説明等(ア) E町生活環境課長の説明等E町生活環境課長は,平成27年8月7日,総務事業常任委員会協議会において,本件契約について地方自治法施行令167条の2第1項2 号に該当するので随意契約の方法により締結することができる旨説明し,その理由として,①E町クリーンセンターは,本件共同企業体の多くの特殊技術,独自製品,ノウハウ等が詰め込まれたもので,その性能を維持するためには,既存 契約の方法により締結することができる旨説明し,その理由として,①E町クリーンセンターは,本件共同企業体の多くの特殊技術,独自製品,ノウハウ等が詰め込まれたもので,その性能を維持するためには,既存設備の構造や性能に精通した事業者に一体的に請け負わせる必要があること,②本件破砕施設の停止期間を最短化し,か つ,確実な履行を求めるには当該施設を熟知している必要があること,③本件共同企業体は,平成22年の大規模改修以来,継続して定期整備修繕をしており,各機械・設備の経年劣化を把握し,対応しているため,設計性能を維持し長期安定稼働を可能にしている信頼と実績があること,④既存設備の運転管理を行っている本件共同企業体以外の者が本件工事 をした場合,効率性,信頼性等の観点から,正常な運転に著しい支障が 生ずるおそれがあると判断されること,⑤他業者参入による責任分岐等の困難を考慮する必要があること,⑥本件工事の執行に当たり確実かつ低価格が期待でき,種々の対応にも有利と思われること等を挙げた。 また,Cは,平成27年8月7日,総務事業常任委員会協議会において,本件共同企業体との間で本件契約の契約金額を下げていく協議を行 うことができることや,E町では本件工事のような案件を随意契約で行ってきた慣行があったこと等から,生活環境課職員に対して本件契約を随意契約の方法により締結するように指示した旨説明した。 (以上につき,甲46の2,47)。 (イ) E町総務課長の説明等 E町総務課長は,平成27年8月10日,E町議員全員協議会において,E町では随意契約の方法により契約を締結する場合,慣例により予定価格調書を作成しなかったものの,本件契約のように,コンサルタント会社による見積書を基に随意契約における ,E町議員全員協議会において,E町では随意契約の方法により契約を締結する場合,慣例により予定価格調書を作成しなかったものの,本件契約のように,コンサルタント会社による見積書を基に随意契約における予定価格としている旨説明した。また,E町住民部長は,仮に本件工事について競争入札をした場 合,随意契約の場合と比較しておおむね半年以上余計に期間を要する見込みであった旨説明した。(甲46の3)(ウ) E町住民部長の説明E町住民部長は,平成27年8月12日,E町議会臨時会での本件契約締結に係る議案の審議において,本件契約について地方自治法施行令 167条の2第1項2号に該当するので随意契約の方法により締結することができる旨説明し,その理由として,①本件共同企業体以外の事業者に本件工事を担当させた場合に運転管理上の支障が生ずること,②前処理した粗大ごみを本件破砕施設まで運搬し,作動させることができる破砕機等を個別に作動させ,運搬したごみを粗大ごみ供給コンベアに手 作業で投入するといった作業については,本件共同企業体以外に頼める 事業者が存在しないこと,③日々のごみ焼却を安定的に行いつつ本件工事を行う必要があったこと,④本件工事を競争入札の方法によって行う場合,設計等の作業に半年程度を要する見込みである上,設計等に別途費用を要することになること等を挙げた(甲1の1〔33~53頁〕,46の4)。 (エ) 本件契約の締結に関する議決E町議会は,平成27年8月12日,地方自治法96条1項5号,議会の議決に付すべき契約及び財産の取得又は処分に関する条例(昭和39年E町条例第13号)2条に基づき,本件契約の締結に関して議決を行い,本件契約の効力が生じた(前記前提事実(5 法96条1項5号,議会の議決に付すべき契約及び財産の取得又は処分に関する条例(昭和39年E町条例第13号)2条に基づき,本件契約の締結に関して議決を行い,本件契約の効力が生じた(前記前提事実(5)イ)。 (3) 本件工事の内容等ア本件破砕施設の故障状況等本件共同企業体が,平成27年3月9日の本件破砕施設の運転停止後に故障状況等について確認したところ,①切断機については,送り装置とレールの変形・摩耗による過負荷停止,切断刃の摩耗・刃こぼれによる切断 不良・過負荷停止,油圧配管油漏れにより切断機の運転停止,油圧シリンダの故障により切断機の運転停止,②破砕機については,回転刃の摩耗による破砕能力の低下及び過負荷停止の頻発,長期操業による腐食や振動の影響でケーシング及び架台の強度低下等,③粗大ごみ供給コンベア及び破砕ごみ搬送コンベアについては,エプロン及びチェーンの摩耗・変形によ る過負荷停止,ケーシングの腐食,④電気計装設備については,故障による運転停止,電気部品の経年劣化による動作不良等が認められた(乙14の1・2)。 イ本件工事の内容本件工事の概要は,①切断機の更新,②粗大ごみ供給コンベアの更新, ③破砕機の更新,④破砕ごみ搬送コンベアの更新,⑤シュート,デッキ類 の更新及び改造,⑥建築設備・電気計装設備の改修であり,主な工事内容は,次のとおりであった(前記前提事実(6),乙7,14の5)。 (ア) ①切断機a 形式受入ホッパ直接投入,油圧式切断機b 数量 1基 c 主要項目⒜ 切断能力 0.7t/Hr⒝ 切断力 150ton⒞ 切断寸法最大500㎜幅,最少100㎜⒟ 供給口寸法 105 基 c 主要項目⒜ 切断能力 0.7t/Hr⒝ 切断力 150ton⒞ 切断寸法最大500㎜幅,最少100㎜⒟ 供給口寸法 1050㎜幅×1400㎜高さ×2500㎜長さ ⒠ 主要部材質本体 SS(一般構造用圧延鋼材)刃耐摩耗特殊鋼⒡ 送り装置チェーン式(3.7kW)⒢ 油圧ユニット常用圧力 24.5MPaタンク 250ℓ 電動機 30kW,440Vd 施工内容⒜ 切断機本体,油圧ユニットを更新。 ⒝ 切断力を100ton から150ton に変更。 (イ) ②粗大ごみ供給コンベア a 形式投入ホッパ付傾斜コンベアb 数量 1基c 主要項目⒜ 搬送能力 1.0t/Hr⒝ コンベア幅 1000㎜ ⒞ 機長及び傾斜角機長:延べ4.8m,傾斜角:40° ⒟ 搬送速度 3.0m/min⒠ 電動機 2.2kW,440Vd 施工内容コンベア本体,電動機を更新。 (ウ) ③破砕機 a 形式回転せん断式破砕機(供給口フード付)b 数量 1基c 主要項目⒜ 処理能力 1.0t/Hr⒝ 供給口寸法 900㎜幅×750㎜奥行 ⒞ 破砕寸法 150㎜以下⒟ 回転数 40rpm(回転毎分)⒠ 主要部材質本体 SS(一般構造用圧延鋼材)刃耐摩耗特殊鋼⒡ 電動機 150㎜以下⒟ 回転数 40rpm(回転毎分)⒠ 主要部材質本体 SS(一般構造用圧延鋼材)刃耐摩耗特殊鋼⒡ 電動機 90kW,440V ⒢ 操作方法押銘操作⒣ 付帯機器排気ブロワ及びダクトd 施工内容⒜ 破砕機本体,減速機,電動機を更新。 ⒝ 電動機容量を75kW から90kW に変更。 (エ) ④破砕ごみ搬送コンベアa 形式バケット付エプロンコンベアb 数量 1基c 主要項目⒜ 搬送能力 1.0t/Hr ⒝ コンベア幅 700㎜ ⒞ 機長及び傾斜角機長:延べ12m,傾斜角:65°⒟ 搬送速度 10.0m/min⒠ 電動機 3.0kW,440Vd 施工内容コンベア本体,電動機を更新。 ウ本件工事における本件共同企業体の履行内容本件共同企業体は,本件工事を行うに当たり,本件破砕施設の機械・設備の設計図が存在しなかったことから,本件破砕施設の機械・設備を確認して,新たに設計図を作成した。本件破砕施設の機械・設備は,本件共同企業体が作成した設計図を基に,本件共同企業体の代表企業であるFが外 注した事業者数社が製造した。 本件共同企業体及びその外注業者は,本件破砕施設内に存在する既存の機械・設備を解体撤去し,新たに製造した機械・設備を本件破砕施設内に設置する工事を行った。(以上につき,甲4,26,42の3・4,証人D,弁論の全趣旨) 2 争点1(本件契約の違法性の有無〔地方自治法234条2項,地方自治法施行令167条の2第1項2号違反の る工事を行った。(以上につき,甲4,26,42の3・4,証人D,弁論の全趣旨) 2 争点1(本件契約の違法性の有無〔地方自治法234条2項,地方自治法施行令167条の2第1項2号違反の有無〕)について(1) 判断枠組みそもそも,工事請負契約は,地方自治法施行令167条の2第1項2号所定の「その他の契約」に含まれると解するのが相当である。 そして,地方自治法施行令167条の2第1項2号に掲げる「その性質又は目的が競争入札に適しないものをするとき」とは,競争入札の方法によること自体が不可能又は著しく困難とはいえないが,不特定多数の者の参加を求め競争原理に基づいて契約の相手方を決定することが必ずしも適当ではなく,当該契約自体では多少とも価格の有利性を犠牲にする結果になるとして も,普通地方公共団体において当該契約の目的,内容に照らしそれに相応す る資力,信用,技術,経験等を有する相手方を選定しその者との間で契約の締結をするという方法をとるのが当該契約の性質に照らし又はその目的を究極的に達成する上でより妥当であり,ひいては当該普通地方公共団体の利益の増進につながると合理的に判断される場合も該当するものと解すべきであるところ,このような場合に該当するか否かは,契約の公正及び価格の有利 性を図ることを目的として普通地方公共団体の契約締結の方法に制限を加えている地方自治法及び地方自治法施行令の趣旨を勘案し,個々具体的な契約ごとに,当該契約の種類,内容,性質,目的等諸般の事情を考慮して当該地方公共団体の契約担当者の合理的な裁量判断により決定されるべきものと解するのが相当である(最高裁昭和62年判決参照)。 (2) 検討上記の見解に立って,本件契約の地方自治法234条2項,地方自治法施 当者の合理的な裁量判断により決定されるべきものと解するのが相当である(最高裁昭和62年判決参照)。 (2) 検討上記の見解に立って,本件契約の地方自治法234条2項,地方自治法施行令167条の2第1項2号違反の有無について,以下検討する。 ア早期に本件工事を行う必要性,緊急性が高く,本件共同企業体が本件工事を行うことにより,効率性,信頼性が確保され,確実かつ迅速に本件工 事を完成させることを期待することができたこと(ア) 早期に本件工事を行う必要性,緊急性が高かったこと前記前提事実(2),(6),上記認定事実(1)イ,(3)によれば,本件工事において更新の対象とされた本件破砕施設は,本件焼却施設と物理的に連結し,本件焼却施設におけるごみの焼却業務の前段階として粗大ごみ を破砕する役割を担う施設であって,ごみ焼却業務を支障なく行うに当たって必要不可欠な施設であったことが認められるから,E町民の生活の維持に欠かすことができない公共性が高い施設であったということができる。 また,前記前提事実(2),(7)ア,上記認定事実(1)ア~ウによれば,本 件製造工程期間中に行われた,Oによる粗大ごみの粗切断,本件共同企 業体による粗切断した粗大ごみの運搬,手作業での投入といった前処理作業は,本件共同企業体が行っていた通常の粗大ごみ処理業務(運転管理業務)とは異なるものであり,飽くまで本件工事が完成するまでの間に限り緊急で対応するものであって,上記前処理作業による粗大ごみの破砕処理を長期間にわたって行うことは想定されていなかったことが認 められる。この事実に,手作業での投入といった危険性が伴う作業に従事する本件共同企業体作業員の安全確保,本件破砕施設の劣化状況や再度の故障・運転停止の可 行うことは想定されていなかったことが認 められる。この事実に,手作業での投入といった危険性が伴う作業に従事する本件共同企業体作業員の安全確保,本件破砕施設の劣化状況や再度の故障・運転停止の可能性等の観点をも考え合わせると,上記前処理作業を長期間にわたり行うことが相当であるとはいえなかったというべきである。 これらの事情に照らせば,早期に本件工事を行う必要性,緊急性が高かったということができる。 (イ) 随意契約の方法と競争入札の方法との比較上記認定事実(2)エ(イ),(ウ)によれば,E町は,本件契約を競争入札の方法により締結する場合,随意契約の場合と比較しておおむね半年以 上余計に期間を要する見込みであった(設計等の作業に半年程度を要する見込みであった)上,設計等に別途費用を要することになること等を随意契約の方法により本件契約を締結する理由としていたことが認められる。また,証拠(乙25,30,33~37,証人D)及び弁論の全趣旨によれば,本件契約を競争入札の方法により締結する場合,本件工 事に要する費用の予算を確保するために本件工事に関する設計書及び仕様書(以下「設計書等」という。)が必要となるところ,E町が補正予算案の議決を得た上で本件工事に関する設計書等の作成を競争入札の方法によりコンサルタント会社に業務委託する期間として約2か月を,コンサルタント会社が設計書等を完成させる期間として約3,4か月を要す る見込みであったことが認められる。 そうすると,C及び生活環境課職員は,本件契約を随意契約の方法により締結することで本件契約を競争入札の方法により締結する場合と比較して約5,6か月短縮することができると見込んでいたのであって,早期に本件工事を行う必要性,緊急 職員は,本件契約を随意契約の方法により締結することで本件契約を競争入札の方法により締結する場合と比較して約5,6か月短縮することができると見込んでいたのであって,早期に本件工事を行う必要性,緊急性が高かった状況下において(上記(ア)),このように本件契約を競争入札の方法により締結する場合に追加 で要することとなる期間を考慮して,本件契約を随意契約の方法により締結したことには,相応の合理性があったということができる(なお,競争入札を実施するために必要となる仕様書としてE町が作成した発注仕様書〔乙14の5〕を用いることができた可能性はあるものの,その場合も競争入札に当たって設計書が必要であったことから,当該作業に 約1か月を要したとして,少なくとも約3か月は短縮することができたものと認められる。)。 (ウ) 確実かつ迅速に本件工事の完成が期待できたこと前記前提事実(3)ア,イ,エによれば,F(昭和63年以降)又は本件共同企業体(平成21年以降)が本件焼却施設と本件破砕施設を一体と して運転管理していたことが認められる。そうすると,本件共同企業体は,長年にわたり,本件焼却施設及び本件破砕施設の運転管理,点検・補修・修繕を行ってきた実績があるとともに,既存機械・設備の構造,機能及び性能に精通していたことから,本件破砕施設の機械・設備の設計図の作成,製造,既存機械・設備の解体撤去,製造した機械・設備の 設置といった一連の本件工事内容について,確実かつ迅速に本件工事を完成させることを期待することができたといえる。 (エ) このように,Cが,早期に本件工事を行う必要性,緊急性が高く,確実かつ迅速に本件工事を完成させるといった本件契約の目的を達成する上で,当該目的に相応する信用,技術,経験等を有する相手方と (エ) このように,Cが,早期に本件工事を行う必要性,緊急性が高く,確実かつ迅速に本件工事を完成させるといった本件契約の目的を達成する上で,当該目的に相応する信用,技術,経験等を有する相手方として 本件共同企業体を選定し,随意契約の方法により締結したことには相応 の合理性があったということができる。 イ他業者参入による責任分岐の問題を回避することができたこと前記前提事実(3)エのとおり,本件共同企業体は,平成31年3月31日までの間,本件焼却施設及び本件破砕施設の運転管理業務を行う予定であったことが認められるところ,本件工事後の運転管理・保守管理を効率的 に支障なく行う必要があった。 仮に,本件共同企業体以外の事業者が本件工事を施行すると,破砕した可燃性粗大ごみの組成が悪く焼却炉全体に影響を及ぼすなどの事態が本件工事完了後に生じた場合,又は,本件破砕施設の運転に不具合が生じた場合に,当該事業者が施工した機械・設備に問題があるのか,本件共同企業 体による運転管理に問題があるのか等といった責任分岐の問題が生ずる可能性があった。これに対し,E町,本件共同企業体及び競争入札の方法により本件工事を施行することとなった事業者の間で,責任分岐に関して契約内容を詳細に詰めるなどといった作業,過程を経ることでこの問題を解決するといった方法をとった場合,三者間で責任分岐に関する契約内容の 協議及び合意を行うのに一定程度の時間を要したであろうことは否定し難く,また,契約内容を詳細に詰めたとしても,責任の所在が不明確となり,ひいてはごみ焼却業務の運営に著しい支障が生ずる懸念を完全に払拭することはできなかった。 そうすると,Cが,本件工事の施行後も本件焼却施設及び本件破砕施設 の運転管理業務を行う予 確となり,ひいてはごみ焼却業務の運営に著しい支障が生ずる懸念を完全に払拭することはできなかった。 そうすると,Cが,本件工事の施行後も本件焼却施設及び本件破砕施設 の運転管理業務を行う予定であった本件共同企業体に本件工事を施行させることにより,上記懸念を払拭し,他業者参入による責任分岐の問題を回避する必要があると判断したことには合理性があったということができる。 ウ小括以上によれば,C及び生活環境課職員において,多少の価格の有利性を 犠牲にする結果になるとしても,早期に本件工事を行う必要性,緊急性に 応え,本件破砕施設の停止期間の最短化及び本件工事の確実な履行を図り,本件工事後の運転管理・保守管理を効率的に支障なく行うために,本件共同企業体との間で本件契約を随意契約の方法により締結することがより妥当であり,ひいてはE町の利益の増進につながる,と判断したことには相応の合理性があったということができる。これらの事情に鑑みれば,本件 共同企業体以外の事業者が本件工事を請け負う場合,本件工事期間中に,ごみ焼却業務やごみ運搬業務等の運営に著しい支障が生ずるおそれがあったとまではいえないこと(本件工事を本件共同企業体が行うことで,破砕機の電気系統の一時修繕,粗切断した粗大ごみの運搬・手作業での投入等の業務を当該業務に対する対価を支払うことなく行わせることができたに すぎない〔甲43の1,46の2[10頁],弁論の全趣旨〕。),被告が本件工事に当たり用いられたと主張する本件共同企業体が有していた特殊な技術,企業秘密の具体的内容が明らかではなく,これを認めることができないことを踏まえてもなお,上記判断が合理性を欠くものであったとまではいえない。 したがって,本件契約を随意契約の方法により締 ,企業秘密の具体的内容が明らかではなく,これを認めることができないことを踏まえてもなお,上記判断が合理性を欠くものであったとまではいえない。 したがって,本件契約を随意契約の方法により締結したことが,地方自治法234条2項,地方自治法施行令167条の2第1項2号に反し,違法であるとはいえない。 (3) 原告の主張について上記の点に関する原告の主張について,以下検討する。 ア原告は,①C及び生活環境課職員が,平成27年3月頃よりも前の平成26年12月頃から本件工事を含めて何らかの対応が必要な故障が生じていることを認識していたにもかかわらず,緊急性を口実に本件共同企業体との間で本件契約を随意契約の方法により締結するために,故障に何ら対応せず,故意に放置していたこと,②切断機が故障した状態であっても電 気系統を回復させれば本件破砕施設を稼働させながら粗大ごみの処理を行 うことは可能であったし,また,本件工事を行うとしても切断機の更新のみを先行していれば本件破砕施設を一定期間にわたり稼働させることが可能であったこと等からすれば,本件工事に関して競争入札を行う期間を確保することができたといえるから,本件工事を随意契約の方法により締結することの緊急性があったとはいえない旨主張する。 しかしながら,上記①については,上記認定事実(1)ア,イによれば,C及び生活環境課職員が,本件破砕施設の機械・設備の故障や老朽化に対して,状況を把握した上で,対応方法を検討し,最善であると判断した方法により対応していたといえるから,緊急性を口実に本件共同企業体との間で本件契約を随意契約の方法により締結するために,故障に何ら対応せず, 故意に放置していたとはいえない。また,上記②については により対応していたといえるから,緊急性を口実に本件共同企業体との間で本件契約を随意契約の方法により締結するために,故障に何ら対応せず, 故意に放置していたとはいえない。また,上記②については,早期に本件工事を行う必要性,緊急性が高かったことや,切断機及び制御盤のみを更新した場合の不都合性(更新しなかった他の機械・設備に負荷がかかり故障が頻繁に起きる可能性や,更新しなかった他の機械・設備を更新する際の作業効率や経費等)を考慮しないものにすぎない。 したがって,原告の上記主張は採用することができない。 イ原告は,Cが,随意契約によるべき必要性,競争入札実施の可能性,経済性等について客観的に検討することなく,E町と本件共同企業体との間にE町クリーンセンターの日々の運転管理業務等を通じた以前からの長い付き合いがあるため,本件契約についても,気心の知れた本件共同企業体 に受注させれば価格等について話がしやすいことや,E町では古くからごみ処理プラントに係る建設工事の発注について随意契約の方法により発注をする慣例があることといった,法令の存在を無視した理由により,本件共同企業体に決め打ちで本件契約を随意契約の方法により締結したのであって,契約の相手方が固定化し,契約締結が情実に左右され,公正を妨げ る事態が生じていたというべきである旨主張する。 しかしながら,上記認定事実(2)エ(ア)のとおり,Cが,本件契約を随意契約の方法により締結するに当たり,本件共同企業体との間で本件契約の契約金額を下げていく協議を行うことができることや,E町では本件工事のような案件を随意契約で行ってきた慣行があったこと等から,生活環境課職員に対し,本件契約を随意契約の方法により締結するように指示した ことが認めら 議を行うことができることや,E町では本件工事のような案件を随意契約で行ってきた慣行があったこと等から,生活環境課職員に対し,本件契約を随意契約の方法により締結するように指示した ことが認められるものの,上記(2)で説示したとおり,Cが,多少の価格の有利性を犠牲にする結果になるとしても,早期に本件工事を行う必要性,緊急性に応え,本件破砕施設の停止期間の最短化及び本件工事の確実な履行を図り,本件工事後の運転管理・保守管理を効率的に支障なく行うために,本件共同企業体との間で本件契約を随意契約の方法により締結するこ とがより妥当であり,ひいてはE町の利益の増進につながる,と判断したことが合理性を欠くものであったとまではいえず,E町における慣行等のみを理由に本件契約を随意契約の方法により締結するように指示したわけではない。そうすると,上記認定事実をもって直ちに公正を妨げる事態が生じていたとはいえないから,本件契約を随意契約の方法により締結した ことが,地方自治法234条2項,地方自治法施行令167条の2第1項2号に反し,違法であるとはいえない。 したがって,原告の上記主張は採用することができない。 ウ原告は,①Bは,本件工事と同種の工事に関して施工実績があったわけではなく,実際に本件工事に係る作業をしたことが確認できないこと,② 被告も,BがE町クリーンセンターの運転管理業務においてどのような役割を担っているのか把握していないこと,③本件工事の発注がB(J議員の同族企業)を構成企業とする本件共同企業体に対して行われたのは,E町とJ議員との癒着によるものであったこと等からすれば,本件工事の受注者としてBは不要である旨主張する。 しかしながら,上記①~③については,いずれもこれを認めるに足りる 証 町とJ議員との癒着によるものであったこと等からすれば,本件工事の受注者としてBは不要である旨主張する。 しかしながら,上記①~③については,いずれもこれを認めるに足りる 証拠はない上,Bは,本件共同企業体の構成企業としてE町クリーンセンターの運転管理業務を担当していたのであるから(前記前提事実(3)エ),本件工事の受注者としてBが不要であるとはいえない。 したがって,原告の上記主張は採用することができない。 エ原告は,本件工事の主たる部分が本件製造工程に対応する「機械・設備 の製造」であり,それに付随した最後の本件設置工程のみが「建設工事」に当たるところ,「機械・設備の製造」は本件共同企業体の下請業者が行っており,また,本件共同企業体の実際の履行内容である「建設工事」は本件契約全体の約1割の約1530万円にとどまる上,それすら下請業者が行っていたことからすれば,本件共同企業体以外の事業者でも本件工事を 受注することができた旨主張する。 しかしながら,本件工事における本件共同企業体の履行内容は,上記認定事実(3)ウのとおりであり,原告の上記主張はその前提を誤るものである。 また,上記(2)ア(ウ)で説示したとおり,本件共同企業体は,長年にわたり,本件焼却施設及び本件破砕施設の運転管理,点検・補修・修繕を行ってき た実績があるとともに,既存機械・設備の構造,機能及び性能に精通していたことから,本件破砕施設の機械・設備の設計図の作成,製造,既存機械・設備の解体撤去,製造した機械・設備の設置といった一連の本件工事内容について,確実かつ迅速に本件工事を完成させることを期待することができたのであって,本件共同企業体が外注した事業者において,機械・ 設備の製造,既存機械の解体撤去,製造した機械・設備 工事内容について,確実かつ迅速に本件工事を完成させることを期待することができたのであって,本件共同企業体が外注した事業者において,機械・ 設備の製造,既存機械の解体撤去,製造した機械・設備の設置を行ったのだとしても,本件共同企業体の管理の下で共同してこれらの作業を行ったということができるから,このことから直ちに本件共同企業体以外の事業者でも本件工事を受注することができたとはいえない。 したがって,原告の上記主張は採用することができない。 オ原告は,E町は,過去において,E町クリーンセンターにおける本件工 事と同様の建設工事の発注について競争入札を実施していたことからすれば,本件共同企業体以外の事業者でも本件工事を受注することができた旨主張する。 しかしながら,証拠(乙28)及び弁論の全趣旨によれば,原告が主張するE町クリーンセンターダイオキシン類恒久対策工事は,当該工事を早 期に行うべき必要性・緊急性が,本件工事におけるのと同程度に高かったとは認められないから,本件工事とは状況が異なるというべきである。 したがって,原告の上記主張は採用することができない。 カ原告は,その他にも,更新前のものと同一品を製造・設置する必要がなかった,ごみ処理量の減少により旧機種より小規模化すべきであったなど とも主張するが,いずれも採用することができない。 (4) まとめ以上によれば,Cにおいて,本件契約について地方自治法施行令167条の2第1項2号所定の「その性質又は目的が競争入札に適しないもの」に該当すると判断したことが合理性を欠くということはできず,したがって,本 件契約を随意契約の方法によって締結したことが,地方自治法234条2項,地方自治法施行令167条の2第1項2号に反し,違法で すると判断したことが合理性を欠くということはできず,したがって,本 件契約を随意契約の方法によって締結したことが,地方自治法234条2項,地方自治法施行令167条の2第1項2号に反し,違法であるとはいえない。 3 争点2(本件契約の違法性の有無〔その他の違法事由の有無〕)について(1) 随意契約理由書の添付漏れについて上記認定事実(2)ウ(ウ)のとおり,Cが本件共同企業体との間で本件契約を 随意契約の方法により締結するための決裁を行った際,上記決裁を行った起案文書に随意契約理由書が添付されていなかったことが認められる。 しかしながら,随意契約の方法により契約を締結する際に作成する起案文書に随意契約理由書を添付することを定めた規定はない上,本件工事の見積徴取に関する起案文書(忠生環第239号)に,本件工事に係る契約を随意 契約の方法により締結すること及び地方自治法施行令167条の2第1項2 号に該当すると判断した理由を記載していたことを踏まえると,上記決裁を行った起案文書に随意契約理由書が添付されていなかったことは,決裁手続上の重大な瑕疵とはいえず,本件契約に違法事由があったとはいえない。 (2) E町契約規則37条違反の有無についてア上記認定事実(2)ウ(ウ)のとおり,生活環境課職員は,本件共同企業体と の間で本件契約を随意契約の方法により締結するに当たり,本件共同企業体以外の事業者から本件工事に係る見積書を徴取しなかったことが認められる。 イ(ア) E町契約規則37条本文は,随意契約によろうとするときは,契約条項その他見積りに必要な事項を示し,なるべく2人以上の者から見積 書を徴さなければならない旨規定するところ,同条は2人以上の者から見積書を徴することが必 ,随意契約によろうとするときは,契約条項その他見積りに必要な事項を示し,なるべく2人以上の者から見積 書を徴さなければならない旨規定するところ,同条は2人以上の者から見積書を徴することが必須であると規定するものではないから,上記アの事実をもって直ちに同条に違反するものということはできない。 (イ) また,E町契約規則37条本文の趣旨は,随意契約の方法による場合には,契約相手方の選定が一部の者に偏り,不利な価格で契約を締結 されるおそれがないとはいえないことから,なるべく2人以上の者から見積書を徴することで,公正かつ妥当な価格を期することにあると解されるが,「なるべく」2人以上の者から見積書を徴さなければならない旨規定していることに照らすと,例外事由を定める同条ただし書に該当しない場合であっても,上記趣旨や契約の種類,内容,性質,目的等諸般 の事情を考慮して,合理的な裁量判断により2人以上の者から見積書を徴取しないことも許容されていると解するのが相当である。 これを本件についてみると,上記2(2)ウで説示したとおり,C及び生活環境課職員において,多少の価格の有利性を犠牲にする結果になるとしても,早期に本件工事を行う必要性,緊急性に応え,本件破砕施設の 停止期間の最短化及び本件工事の確実な履行を図り,本件工事後の運転 管理・保守管理を効率的に支障なく行うために,本件共同企業体との間で本件契約を随意契約の方法により締結することがより妥当であり,ひいてはE町の利益の増進につながる,と判断したことには相応の合理性があったということができる上,上記認定事実(2)ア,ウのとおり,E町は,本件共同企業体から提出された見積価格が適正であるか否かを判断 するため,コンサルタント会社であるNとの間で,本件破砕施 があったということができる上,上記認定事実(2)ア,ウのとおり,E町は,本件共同企業体から提出された見積価格が適正であるか否かを判断 するため,コンサルタント会社であるNとの間で,本件破砕施設に係る見積書審査等に関する業務委託契約を締結し,Nから提出された見積書審査報告書の見積書審査の結果をもって再度本件共同企業体と交渉し見積りを再提出させ,同見積金額が適正価格であると判断して本件契約を随意契約の方法により締結したことからすれば,本件共同企業体以外の 事業者から本件工事に係る見積書を徴取しなかったことが,裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用するものであったとはいえない。 ウしたがって,本件契約が,E町契約規則37条本文に違反するとはいえない。 (3) E町契約規則36条,15条違反の有無について ア上記認定事実(2)ウ(イ),(ウ)のとおり,E町は,Nから提出された見積書審査報告書の見積書審査の結果をもって再度本件共同企業体と交渉し見積りを再提出させ,同見積金額が適正価格であると判断して本件契約を随意契約の方法により締結したこと,本件契約を随意契約の方法により締結するに当たり,予定価格調書が作成されなかったことが認められる。 イ E町契約規則36条,15条が,予定価格調書を作成の上,予定価格をあらかじめ定めておくことを要求している趣旨は,随意契約の方法による場合には,契約相手方の選定が一部の者に偏り,不利な価格で契約を締結されるおそれがないとはいえないことから,相手方の申し出た価格の適否の判断基準をあらかじめ定めておくことで公正かつ妥当な価格を期するた めであると解される。なお,随意契約における予定価格は,競争入札にお ける予定価格と異なり,契約金額の一応の基準とな 断基準をあらかじめ定めておくことで公正かつ妥当な価格を期するた めであると解される。なお,随意契約における予定価格は,競争入札にお ける予定価格と異なり,契約金額の一応の基準となるものにすぎず,必ずしも予定価格の制限内で契約を締結する必要はないものと解されるから,予定価格調書を封書にすることまで求めているとは解されない。 そして,上記認定事実(2)ア,ウのとおり,E町は,本件共同企業体から提出された見積価格が適正であるか否かを判断するため,コンサルタント 会社であるNとの間で,本件破砕施設に係る見積書審査等に関する業務委託契約を締結し,Nから提出された見積書審査報告書の見積書審査の結果をもって再度本件共同企業体と交渉し見積りを再提出させ,同見積金額が適正価格であると判断して本件契約を随意契約の方法により締結したことからすれば,E町は,見積書審査報告書に記載された見積書審査後の金額 をもって予定価格をあらかじめ定めていたということができる。そうすると,予定価格調書が作成されておらず,また,本件共同企業体との間で予定価格を踏まえた交渉を行い,本件契約金額を決定したとしても,相手方の申し出た価格の適否の判断基準をあらかじめ定めておくことで公正かつ妥当な価格を期することとしたE町契約規則36条,15条の上記趣旨に 反するとはいえない。 したがって,本件契約が,E町契約規則36条,15条に違反するとはいえない。 ウこれに対し,原告は,平成27年度文書件名簿(甲1の1〔62/90頁,63/90頁〕)によれば,Dが,見積書審査報告書が添付された収受 文書(忠生環第269号)の収受日及び決裁日を過去の日付に遡って記載したこと,見積書審査報告書は平成27年7月20日以降に収受されたことが認められるから, ,見積書審査報告書が添付された収受 文書(忠生環第269号)の収受日及び決裁日を過去の日付に遡って記載したこと,見積書審査報告書は平成27年7月20日以降に収受されたことが認められるから,E町は予定価格を決定せずに本件共同企業体と本件契約を締結したことが認められる旨主張する。 しかしながら,Nが作成した見積書審査報告書の作成日付が平成27年 7月13日であること(甲1の1〔55/90頁~60/90頁〕)や,本 件契約の締結に至る経緯に関するDの証言等(甲35)に沿う起案文書(乙6,14の1)があること等からすれば,Dは,文書の作成よりも実際の作業を優先したために,見積書審査報告書を添付した収受文書の作成が遅れ,後日,収受文書(忠生環第269号)の収受日及び決裁日を過去の日付に遡って記載したにすぎない旨のD証言を信用することができ,見積書 審査報告書が同月20日以降に収受されたとは認められないから,原告の上記主張は採用することができない。 また,原告は,E町クリーンセンター関係のコンサルタント業務に長年携わっているNが作成した見積書審査報告書は,本件共同企業体が作成した見積書のほぼ全項目にほぼ0.93を乗じるだけという形式的なもので あって,価格の適正さを裏付ける実質的な検討がされた形跡が全くないものであること等から,予定価格を決定せずに本件共同企業体の見積金額をそのまま受け入れたものであり,実質的にもE町契約規則36条,15条に違反する旨主張する。 しかしながら,証拠(甲1の1〔91/96頁~95/96頁〕)及び弁 論の全趣旨によれば,E町が平成21年から平成27年7月までの間に発注したE町クリーンセンターに関するコンサルタント業務は全部で8件あり,そのうち7件をNが受託したことが認めら 頁〕)及び弁 論の全趣旨によれば,E町が平成21年から平成27年7月までの間に発注したE町クリーンセンターに関するコンサルタント業務は全部で8件あり,そのうち7件をNが受託したことが認められるものの,契約方法として競争入札の方法によるものが4件,随意契約の方法によるものが4件であることや,本件全証拠によっても見積書審査の公正性や価格の適正さに 疑念を抱くような事情は認められないことからすれば,Nが作成した見積書審査報告書には一般的な信用性が認められるというべきであるし,見積書審査報告書の内容をみても,実質的な検討がされた形跡が全くないものとはいえない。そして,上記イで説示したとおり,E町は,見積書審査報告書に記載された見積書審査後の金額をもって予定価格をあらかじめ定め ていたということができるのであって,本件共同企業体の見積金額をその まま受け入れたものとはいえないことから,原告の上記主張は採用することができない。 (4) 地方自治法117条違反の有無について原告は,J議員は,地方自治法117条が定める除斥事由があったにもかかわらず,本件工事に係るE町議会の議事に参与していたから,本件契約に 係る議決は,同条に違反し,違法かつ無効である旨主張する。 しかしながら,Kが,本件契約当時,Bにおいて役員と同等の立場であるなど,常時支配力を有する地位にあったことや,本件契約の締結に関する業務に従事していたことを認めるに足りる証拠はないから,本件契約に係る議決は,J議員の「子…の従事する業務に直接の利害関係のある事件」(地方自 治法117条本文)であるとはいえない。そうすると,原告の上記主張は採用することができない。 したがって,本件契約に係る議決が,地方自治法117条に違反するとはいえな のある事件」(地方自 治法117条本文)であるとはいえない。そうすると,原告の上記主張は採用することができない。 したがって,本件契約に係る議決が,地方自治法117条に違反するとはいえない。 4 争点3(本件契約が無効であるか否か)について 上記2及び3で説示したとおり,本件契約は,地方自治法234条2項,地方自治法施行令167条の2第1項2号に違反するとはいえず,また,その他の違法事由があるともいえないから,無効であるとはいえない。 なお,原告は,①Cによる違法な随意契約締結の指示は,公務員,行政機関の長として到底許されるものではなく,憲法15条2項の「全体の奉仕者」と いう公務員の根幹に反しているから,このような違憲状態の公務員によって経済性や公共の利益等を無視してされた本件契約は,地方自治法2条14項,同条16項,同法234条及びE町契約規則に反するものであって,地方自治法2条17項により当然に無効である旨,②本件契約は,本件共同企業体に高い技術や熟練度があるなどといった数々の虚偽の説明の下で締結されたもので あって,民法90条(平成29年法律第44号による改正前のもの)により無 効である旨主張する。しかしながら,原告の上記①の主張は,本件契約を随意契約の方法により締結したことが,地方自治法234条2項,地方自治法施行令167条の2第1項2号に違反することを前提とした主張であり,この点については,既に前記2で説示したとおりである。また,原告の上記②の主張については,前記2,3において説示したところに照らせば,契約締結時の状況 に照らしても,本件契約が公序良俗に反するとまではいえない。そうすると,原告の上記①及び②の主張はいずれも採用することができない。 したがって,本件契約が無 ところに照らせば,契約締結時の状況 に照らしても,本件契約が公序良俗に反するとまではいえない。そうすると,原告の上記①及び②の主張はいずれも採用することができない。 したがって,本件契約が無効であるとはいえないから,その余の点について判断するまでもなく,A及びBがE町に対して不当利得返還義務を負うとはいえない。 5 争点4(A,B,C及びDの不法行為責任の有無)について上記2~4で説示したとおり,本件契約が違法かつ無効であるとはいえないから,その余の点について判断するまでもなく,A,B,C及びDがE町に対して不法行為責任を負うとはいえない。 6 まとめ したがって,本件契約が違法かつ無効な随意契約であるとはいえないから,A及びBがE町に対して不法行為責任又は不当利得返還義務を負うとはいえず,また,C及びDがE町に対して不法行為責任を負うとはいえないことになる。 第4 結論 以上によれば,原告の本件請求はいずれも理由がないから棄却することとして,主文のとおり判決する。 大阪地方裁判所第7民事部 裁判長裁判官山地修 裁判官新宮智之 裁判官渡邊直樹は,退官のため署名押印することができない。 裁判長裁判官山地修
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