平成15(ネ)4172

裁判年月日・裁判所
平成15年12月17日 東京高等裁判所
ファイル
hanrei-pdf-10641.txt

キーワード

判決文本文4,087 文字)

平成15年(ネ)第4172号損害賠償等請求控訴事件(原審・東京地方裁判所平成14年(ワ)第15435号)口頭弁論終結日平成15年11月19日判決控訴人特定非営利活動法人家庭教師派遣業自主規制委員会同訴訟代理人弁護士澤田保夫被控訴人株式会社校外教育研究会同訴訟代理人弁護士松岡宏同森本耕太郎 主文 1 本件控訴を棄却する。 2 控訴費用は控訴人の負担とする。 事実及び理由 第1 当事者の求めた裁判 1 控訴人(1) 原判決中,名誉毀損による損害金100万円並びに理事負担金12万5825円及びこれに対する遅延損害金の支払請求(請求の趣旨1項の一部)に係る部分を取り消す。 (2) 被控訴人は,控訴人に対し,100万円を支払え。 (3) 被控訴人は,控訴人に対し,12万5825円及びこれに対する平成13年11月9日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 (4) 訴訟費用は,第1,2審とも被控訴人の負担とする。 (5) 仮執行の宣言 2 被控訴人主文と同旨第2 事案の概要 1 本件は,控訴人らが被控訴人に対し,被控訴人が虚偽の事実を内容とする宣伝広告をしたことにより控訴人の信用が失墜させられたとする不法行為に基づく損害賠償請求等多数の請求をした事案である。 原判決は,控訴人らの上記請求をいずれも棄却したのに対し,控訴人のみが,原判決のうち,後 により控訴人の信用が失墜させられたとする不法行為に基づく損害賠償請求等多数の請求をした事案である。 原判決は,控訴人らの上記請求をいずれも棄却したのに対し,控訴人のみが,原判決のうち,後記3記載の損害金並びに理事負担金及びこれに対する遅延損害金の支払請求に係る部分の取消しを求めて本件控訴を提起した。 2 前提となる事実は,原判決の「事実及び理由」欄の「第2 事案の概要等」の「1 前提となる事実」(1),(3)ないし(5)記載のとおりであるから,これを引用する(但し,原判決3頁16行目の「甲42,43,」を「甲43,」と改める。)。 3 控訴人の請求原因(不服申立てに係る部分)(1) 名誉毀損による損害金100万円ア控訴人は,被控訴人に対し,平成13年12月20日,AAA審査の最終審査会の結果,被控訴人が不合格となった旨通知したが,被控訴人は,最終審査会が開かれる前から,また,最終審査の結果,AAA審査に不合格となったにもかかわらず,被控訴人の経営する平成学院スパルタ塾の,静岡新聞及びタウンページの広告において,被控訴人が控訴人からAAAの認定を受けた優良業者である旨の虚偽の事実を掲載した。 イ控訴人は,被控訴人の上記宣伝広告により,自己の信用を失墜させられた。すなわち,控訴人の行うAAA審査及びAAA認定は,控訴人の存在目的に関わる重要事項であるから,AAA認定を受けていない者が無断でAAA認定を受けた旨宣伝広告することは,それ自体で控訴人のNPO活動を妨害し,控訴人の信用を失墜させる行為である。そのことは,悪質な家庭教師派遣業者がそのような行為を行った場合を考えれば,明らかである。 ウ控訴人は,被控訴人の上記違法行為により,自己の信用を失墜させられ,100万円相当の損害を被 そのことは,悪質な家庭教師派遣業者がそのような行為を行った場合を考えれば,明らかである。 ウ控訴人は,被控訴人の上記違法行為により,自己の信用を失墜させられ,100万円相当の損害を被った。 (2) 理事負担金12万5825円控訴人は,平成13年11月8日開催の第4回理事会及び同年12月20日開催の第3回臨時総会において,控訴人の理事が12万5825円を負担すべき旨の決議を行った。上記決議は被控訴人が控訴人の理事に在任中行われたものである。 Aは,個人としてではなく,あくまで被控訴人代表者として,控訴人委員会の理事の活動を行ってきたものであるから,被控訴人が上記理事負担金の支払義務を負担すべきである。 4 請求原因に対する被控訴人の認否(1) 請求原因(1)の事実のうち,被控訴人が控訴人主張の通知を受けたこと,被控訴人が,最終審査会が開かれる前から控訴人主張の広告を掲載したことは認め,その余は否認する。被控訴人は,第一次審査も第二次審査も,審査内容は同じであると知らされていたため,第二次審査も合格すると見込み,平成13年11月初めころ,インターネットのホームページ等において,控訴人が主張する内容の広告を掲載するなどしたが,上記掲載の点は,同月8日に開催された控訴人の理事会での協議を受けて,掲載を中止するなどして既に決着している。したがって,被控訴人の行為は,何ら違法なものではない。 (2) 同(2)の事実は否認する。平成13年11月8日開催の第4回理事会において,控訴人が主張する決議がされた事実はない。また,被控訴人は,平成13年12月20日開催の第3回臨時総会において,理事辞任届を提出した。したがって,被控訴人が理事負担金の支払義務を負担すべき理由はない。 第3 当裁判所の判 された事実はない。また,被控訴人は,平成13年12月20日開催の第3回臨時総会において,理事辞任届を提出した。したがって,被控訴人が理事負担金の支払義務を負担すべき理由はない。 第3 当裁判所の判断 1 請求原因(1)について(1) 前記「前提となる事実」によれば,控訴人は,平成11年10月ころ,家庭教師派遣業者のサービス評価をして格付けを行い,優良業者を「AAA」と認定する制度(AAA認定制度)の運営の準備を始め,AAA審査委員会を設置したこと,被控訴人は,平成13年9月8日,上記AAA審査委員会から,第一次審査合格通知書の送付を受けたところ,同通知書には,第二次審査に合格した業者を「優良業者AAA」と認定することなどが記載されていたこと,被控訴人は控訴人に対し,上記AAA審査の審査料・認定料を支払ったこと,控訴人は被控訴人に対し,平成13年12月20日付け「『サービス評価』審査結果通知状(C)」と題する書面により,同月5日に開催された家庭教師派遣業者・個別指導教室「サービス評価」認定審査委員会・第三次認定審査会(最終審査会)の結果,被控訴人が不合格となった旨を通知したこと,以上の各事実が認められる。 そして,当事者間に争いのない事実及び証拠(甲4,5,38)によれば,被控訴人は,上記最終審査会が開かれる前から,自ら経営する平成学院スパルタ塾の広告において,静岡新聞(平成13年11月2日付け)紙上では「NPO法人家庭教師派遣業自主規制委員会認可,AAAの優良業者です」と掲載し,また,タウンページ(平成14年2月から平成15年1月までの期間用のもの。掲載情報は平成13年11月8日現在。)では「AAAの優良業者です。NPO家庭教師派遣業自主規制委員会認定」と掲載したことが認められる。 (2) 上記の認定事実によれば, までの期間用のもの。掲載情報は平成13年11月8日現在。)では「AAAの優良業者です。NPO家庭教師派遣業自主規制委員会認定」と掲載したことが認められる。 (2) 上記の認定事実によれば,被控訴人は,控訴人によるAAA審査の最終審査が終了する前に,被控訴人が控訴人からAAAの認定を受けた優良業者である旨の宣伝広告を行ったものであり,その内容は真実に合致したものということはできないから,上記行為は社会通念上相当なものとはいい難い。 しかしながら,被控訴人の上記行為の結果,控訴人のNPO活動が妨害され,控訴人の信用が失墜したとの事実を認めるに足りる的確な証拠はない。 なお,控訴人は,「AAA認定を受けていない者が無断でAAA認定を受けた旨宣伝広告することは,それ自体で控訴人のNPO活動を妨害し,控訴人の信用を失墜させる行為であることは,悪質な家庭教師派遣業者がそのような行為を行った場合を考えれば,明らかである。」旨主張する。確かに,悪質な家庭教師派遣業者が控訴人主張のような行為を行った場合には,消費者(家庭・生徒)から控訴人に苦情が申し立てられるなどの事態が発生し,その結果,控訴人の業務が妨害され,同人の信用が失墜することも考えられる。しかしながら,上記のような結果が生じるか否かは当該事案の具体的事情によるから,「AAA認定を受けない者が無断でAAA認定を受けた旨宣伝広告すること自体が,控訴人の活動を妨害し,同人の信用を失墜させる。」と直ちにいうことはできない。 したがって,控訴人の上記主張は理由がない。 2 請求原因(2)について控訴人は,被控訴人が控訴人の理事であることを前提として,理事会及び臨時総会の決議に基づく理事負担金12万5825円の支払を求めている。 しかしながら,被 。 2 請求原因(2)について控訴人は,被控訴人が控訴人の理事であることを前提として,理事会及び臨時総会の決議に基づく理事負担金12万5825円の支払を求めている。 しかしながら,被控訴人自身が控訴人の理事に就任したことを認めるに足りる的確な証拠はない。かえって,控訴人作成の「ご入会案内」(甲1)における役員名簿には「副理事長 A(静岡県家庭教師センター学長)」と記載され,また,同様に控訴人作成の「委嘱状」(乙10)には,控訴人の会長に委嘱された者として,「静岡県家庭教師センター所長 A」と記載されており,被控訴人自身ではなくA個人の名前が理事とされていることが認められ,上記事実によれば,被控訴人会社代表者のA個人が控訴人の理事に就任したと認められる。 3 以上によれば,控訴人の被控訴人に対する本訴請求はいずれも理由がない。 よって,同請求をいずれも棄却すべきものとした原判決は相当であって,本件控訴は理由がないから,これを棄却することとし,主文のとおり判決する。 東京高等裁判所第3民事部裁判長裁判官北山元章裁判官青柳馨裁判官沖中康人

▼ クリックして全文を表示

🔍 類似判例を検索𝕏 でシェア← 一覧に戻る