主文 一本件控訴を棄却する。 二控訴人が当審において追加した訴えを却下する。 三控訴費用は控訴人の負担とする。 事実及び理由 第一当事者が求めた裁判一控訴人 1 原判決を取り消す。 2 被控訴人千葉県八日市場土地改良事務所長(以下「被控訴人土地改良事務所長」という。)が昭和五一年二月二八日にした、(一)控訴人に対する原判決別紙物件目録一の「従前地」欄記載の1、4及び5の各土地をそれぞれ「換地」欄記載の1、4及び5の各土地に換地する旨の換地処分(ただし、右4の土地についての被換地処分通知者名はAであり、同5の土地についてのそれは亡Bである。)、(二)被控訴人Cに対する同目録の「従前地」欄記載の2及び3の各土地をそれぞれ「換地」欄記載の2及び3の各土地に換地する旨の換地処分は、いずれも無効であることを確認する。 3 被控訴人土地改良事務所長は、控訴人及び被控訴人Cに対してした昭和五一年二月二八日付換地処分につき、原判決別紙登記目録記載の1ないし4の各土地について「所有者」欄記載の者に対してした各換地処分を、「新所有者」欄記載の者に対する各換地処分に変更せよ(当審で追加した請求)。 4 被控訴人土地改良事務所長は、控訴人に対し、原判決別紙登記目録記載の1ないし5の各土地について千葉地方法務局八日市場支局昭和五四年一月四日受付第一号をもってされた土地改良法による換地処分による所有権登記につき、錯誤を原因として、同目録記載の「所有者」欄記載の各所有者を「新所有者」欄記載の各所有者に変更する変更登記嘱託手続をせよ。 5 被控訴人Cは、控訴人に対し、被控訴人土地改良事務所長が4項の変更登記嘱託手続をすることを承諾せよ。 6 訴訟費用は第一、二審とも被控訴人らの負担とする。 二被控訴人ら主文一、三項同旨第二事案の概要 は、控訴人に対し、被控訴人土地改良事務所長が4項の変更登記嘱託手続をすることを承諾せよ。 6 訴訟費用は第一、二審とも被控訴人らの負担とする。 二被控訴人ら主文一、三項同旨第二事案の概要一本件事案の概要及び当事者双方の主張は、次項のとおり付加するほかは、原判決の「事実及び理由」欄の「第二事案の概要」に記載されているとおりであるから、これを引用する。 二原判決一一頁四行目の「全くなく、」の次に「被控訴人土地改良事務所長がこれを怠っている本件においては、裁判所は、同被控訴人に対し、右のような換地処分の変更を行うことを義務付ける判決をすることができるまでに紛争が熟しているものと言うべきである。よって、控訴人は、当審において、前記控訴人の控訴の趣旨3記載の請求を追加する。」を加え、同二一頁七行目の次に行を改めて「4 換地処分の変更の義務付けを求める請求について被控訴人土地改良事務所長は、地方自治法一五三条一項に基づき、千葉県知事からの事務委任を受けて行政庁として本件換地処分を行ったものであるから、権利義務の主体ではない同被控訴人に対する本件訴えは、当事者適格を欠き不適法である。のみならず、法八六条、八七条の各一項、八九条の二第一項の規定からすると、換地処分をするか否か、どのような換地計画を定めるかは、県知事が決定すべき事柄であって、右の決定については、県知事の第一次的判断権が尊重されるべきである。したがって、本件の場合は、行政庁の判断に代えて裁判所が自ら判断できる場合に当たらないから、控訴人の右の請求は理由がない。」を加え、同八行目の「4」を「5」に改める。 第三当裁判所の判断一総説当裁判所も、控訴人の本件換地処分の無効確認を求める請求については、右換地処分がいずれも違法であることを宣言するにとどめ、これを棄却す 行目の「4」を「5」に改める。 第三当裁判所の判断一総説当裁判所も、控訴人の本件換地処分の無効確認を求める請求については、右換地処分がいずれも違法であることを宣言するにとどめ、これを棄却すべきものと、また、被控訴人土地改良事務所長に対し換地処分の変更を行うことを求める当審で追加された訴えについては、不適法な訴えとして却下すべきものと、さらに、同被控訴人に対し登記嘱託手続を求める請求及び被控訴人Cに対し右被控訴人土地改良事務所長の登記嘱託手続の承諾を求める各請求については、いずれも理由がなく、これを棄却すべきものと判断するが、その理由は、原判決四四頁一行目の「確定した」を「決定した」に改め、次項のとおり、当審で追加された本件換地処分の義務付けを求める訴えの適否に関する当裁判所の判断を付加するほかは、原判決が「事実及び理由」欄の「第三当裁判所の判断」で説示するとおりであるから、右説示を引用する。 二義務付け訴訟(当審で追加された訴え)の適否について控訴人が求める本件換地処分の変更は、要するに、本件第二工区について昭和五一年二月二八日にされた換地処分のうち本件換地処分に限定して、これをやり直すことを求めるものであり、法八九条の二第五項にいう「換地計画の変更」に該当するものというべきところ、右換地計画の変更をするには、関係権利者である控訴人及び被控訴人Cの出席の下に換地会議を開催し、変更に係る部分の決議をすることを要するものとされており、被控訴人土地改良事務所長の一存でこれを行うことができるものでないことは明らかである。また、仮に本件において換地計画の変更に関し換地会議を開催してみても、本件の訴訟経過に照らし、控訴人が求めるような内容の換地計画の変更の決議が行われる可能性が少ないことは、原判決がその五四頁五行目から同五五頁末行 おいて換地計画の変更に関し換地会議を開催してみても、本件の訴訟経過に照らし、控訴人が求めるような内容の換地計画の変更の決議が行われる可能性が少ないことは、原判決がその五四頁五行目から同五五頁末行にかけて説示しているとおりである。加えて、そもそも、換地処分を行うか否か、換地処分を行うとしてもいかなる計画を定めるかは、土地改良事業の施行者が諸般の事情を勘案して決定すべきこととされており、この点の判断については、施行者の第一次的判断権が尊重されるべきものと解されるのであって、このことは、換地計画変更処分であっても異なるところはないものというべきである。 そうすると、控訴人の右の訴えは、処分要件が一義的に明確に定まっており、裁量の余地がなく、第一次的判断権を行政庁に留保する必要性がない場合に該当するなどの、いわゆる義務付け訴訟が許される要件を充たしていないものであることが明らかであるから、右訴えは、不適法なものとして却下を免れないものというべきである。 三結論以上の次第で、当審で追加された訴えは不適法であるから、これを却下し、その余の各請求に関する原判決は相当であるから、本件控訴を棄却することとし、主文のとおり判決する。 東京高等裁判所第一五民事部裁判長裁判官涌井紀夫裁判官増山宏裁判官合田かつ子
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