平成18(あ)2339 殺人,銃砲刀剣類所持等取締法違反被告事件

裁判年月日・裁判所
平成20年4月24日 最高裁判所第一小法廷 判決 棄却 東京高等裁判所
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判決文本文1,154 文字)

- 1 - 主文 本件上告を棄却する。 理由 弁護人小田成光,同鷲野忠雄の上告趣意のうち,死刑制度に関して憲法13条,31条,36条違反をいう点は,死刑制度がその執行方法を含め憲法のこれらの規定に違反するものでないことは当裁判所の判例(最高裁昭和22年(れ)第119号同23年3月12日大法廷判決・刑集2巻3号191頁,最高裁昭和26年(れ)第2518号同30年4月6日大法廷判決・刑集9巻4号663頁,最高裁昭和32年(あ)第2247号同36年7月19日大法廷判決・刑集15巻7号1106頁)とするところであるから,理由がなく,その余は,事実誤認,単なる法令違反,量刑不当の主張であって,適法な上告理由に当たらない。 なお,所論にかんがみ記録を調査しても,刑訴法411条を適用すべきものとは認められない。 付言すると,本件は,暴力団幹部である被告人が,同じ組織に所属する幹部5名を,所携のけん銃で次々と射殺するなどした事案であるところ,犯行態様は計画的かつ残虐であり,5名もの尊い人命を奪った罪質は誠に悪く,遺族らの処罰感情は極めて厳しい。また,白昼,住宅街にある暴力団事務所において敢行された本件犯行が,地域社会に与えた衝撃も計り知れない。被告人は,中学校卒業後間もなく,暴力団の世界に身を投じ,それ以降,短期間を除いて暴力団員として活動を続けてきたものであるが,殺人未遂等で懲役4年となったものを含め,粗暴犯によるものを中心とした相当数の前科も有しており,規範意識が鈍麻しているといわざるを得ない。所論は,本件当時,被害者らにおいて,被告人の殺害計画を立てており,そ- 2 -の実行時期が切迫していたことから,被告人は先手を取って本件犯行に及んだものである旨 鈍麻しているといわざるを得ない。所論は,本件当時,被害者らにおいて,被告人の殺害計画を立てており,そ- 2 -の実行時期が切迫していたことから,被告人は先手を取って本件犯行に及んだものである旨主張するが,所論の殺害計画が実在したとしても,適法な手段により身の危険を回避すべきであって,けん銃で先制攻撃を加えて相手を射殺することにより問題の解決を図るなどといった発想や行動は,是認することができない。 以上のような諸事情に照らすと,被告人が,犯行直後に自首し,その後も一貫して事実を認めていることなど,酌むべき事情を考慮しても,被告人の刑事責任は余りに重大であり,原判決が維持した第1審判決の死刑の科刑は,当裁判所もこれを是認せざるを得ない。 よって,刑訴法414条,396条により,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。 検察官内尾武博公判出席(裁判長裁判官才口千晴裁判官横尾和子裁判官甲斐中辰夫裁判官泉徳治裁判官涌井紀夫)

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