主文 1 本件控訴を棄却する。 2 控訴費用は控訴人の負担とする。 事実及び理由 第1 当事者の求めた裁判 1 控訴の趣旨(1) 原判決中控訴人敗訴部分を取り消す。 (2) 被控訴人の請求を棄却する。 (3) 訴訟費用は第1,2審とも被控訴人の負担とする。 2 控訴の趣旨に対する答弁主文同旨第2 事案の概要 1 被控訴人は,税理士である控訴人との間で,被控訴人の税務申告等に関する(準)委任契約を締結していた(以下「本件契約」という。ただしその内容については争いがある。)ところ,控訴人が,被控訴人の平成7年度分及び平成8年度分の所得税の申告について,本件契約の本旨に従った履行を怠ったため,適正納税額以外の無申告加算税,延滞税等の追徴を受けることを余儀なくされたとして,控訴人に対し現に課税された税金額と適正納税額との差額について,債務不履行に基づく損害賠償として242万2400円及びこれに対する遅延損害金の支払を求めた。 控訴人は,本件契約に基づく義務内容について争い,かつ,本件契約の不履行と被控訴人主張の損害との因果関係がないこと及び過失相殺を主張して,これを争った。 原審は,被控訴人の主張する損害を全て認めたが,過失相殺をして,被控訴人の請求の一部を認容した。 2 前提となる事実(1)ア控訴人は,税理士として,他人の求めに応じ,租税に関し,税務代理の規定に基づく申告,申請又は当該申告等若しくは税務官公署の調査若しくは処分に関し,税務官公署に対してする主張又は陳述につき,代理し,又は代行すること(税理士法2条1項1号)及び税務書類の作成(同項2号)を行うことを業とする者である。 イ被控訴人は昭和59年から平成9年7月末まで,その税務申告等を控訴 述につき,代理し,又は代行すること(税理士法2条1項1号)及び税務書類の作成(同項2号)を行うことを業とする者である。 イ被控訴人は昭和59年から平成9年7月末まで,その税務申告等を控訴人に委任してきた(その内容等については争いがある。)。 ウ控訴人には,被控訴人の確定申告を適正に行う義務があり,また,控訴人は,本件契約に基づき,総勘定元帳,仕訳帳,貸借対照表,損益計算書を作成することになっていた。 (2)ア控訴人は,A税務署に対して,被控訴人の平成7年度の所得税について,別紙A表の「申告欄」記載のとおりの確定申告書を,申告期限経過後の平成8年3月28日に提出した。 イ控訴人は,A税務署に対して,被控訴人の平成8年度の所得税について,別紙B表の「申告欄」記載のとおりの確定申告書を,申告期限最終日である平成9年3月17日(15,16日は行政機関の休日であった。)に提出した。 (3) 被控訴人は,平成9年12月,平成7年度及び平成8年度の所得税確定申告について,A税務署の税務調査を受け,その結果,以下の事実に基づき,後記(4)記載のとおり,被控訴人は所得税等を追徴された。 ア平成7年度の申告について(ア) 平成8年3月15日を期限とする申告が同月28日になされたため,無申告の扱いとなった。 (イ) 控訴人は同年度の事業専従者給与額を被控訴人の父及び妻の2人分金156万円としていたが,昭和60年2月23日に妻Bの専従者申出書を提出していたのみであったため,専従者控除はB分の84万円しか認められなかった。 なお,控訴人は,平成9年3月17日に平成8年度の申告書を提出した際に被控訴人の父母を専従者とする変更申出書を提出した。 (ウ) 控訴人は,Bを事業専従者として控除対象とし った。 なお,控訴人は,平成9年3月17日に平成8年度の申告書を提出した際に被控訴人の父母を専従者とする変更申出書を提出した。 (ウ) 控訴人は,Bを事業専従者として控除対象としながら,さらに所得控除欄中「配偶者控除及び配偶者特別控除」にも記入して,申告した。 (エ) 控訴人は,平成6年度所得税申告までは,青色申告特別控除35万円を申告していたが,平成7年度はこの控除を申告せず,青色申告控除10万円のみを申告した。 (オ) 控訴人は,所得控除中「社会保険料,生命保険料,損害保険料」について一切の控除をせずに申告した。 イ平成8年度の申告について(ア) 控訴人は被控訴人の父母及び妻の事業専従者控除として576万円を申告していたが,変更届出書が提出されておらず,B分84万円のみが認められた。 (イ) 控訴人は青色申告特別控除35万円を申告していたが,所得税法施行規則所定の青色申告者が備え付けるべき帳簿書類が不備であるとして,青色申告控除10万円(租税特別措置法25条の2第1項)しか認められなかった。 (4) 被控訴人は税務調査の結果を示され,A税務署署員に別紙A表及びB表の「修正申告」欄記載の内容の平成7年度及び平成8年度の修正申告書を作成してもらい,被控訴人の署名押印のうえ,同税務署に提出した。その結果次のとおり追徴分を含めた税金及び加算税の支払を余儀なくされた(甲6,7。甲10ないし19(枝番を含む。))。 ア平成7年度について(ア) 国税所得税57万3000円,無申告加算税8万5500円及び延滞税4万1800円の合計70万0300円(イ) 地方税市県民税37万2000円及び事業税18万円の合計55万2000円イ平 00円,無申告加算税8万5500円及び延滞税4万1800円の合計70万0300円(イ) 地方税市県民税37万2000円及び事業税18万円の合計55万2000円イ平成8年度について(ア) 国税所得税121万2000円,過少申告加算税12万3500円及び延滞税5万3200円の合計138万8700円(イ) 地方税市県民税76万4000円及び事業税32万5400円の合計108万9400円 3 当事者の主張【被控訴人】(1) 控訴人は,被控訴人に対し,前記のとおり,総勘定元帳,仕訳帳,貸借対照表,損益計算書を作成する義務を負っていたところ,上記各帳簿類を作成する前提となる会計日記帳については,被控訴人が作成していたこともあったが,平成5年分以降は,控訴人から伝票などを持参するだけでよいと伝えられたため,2か月に1回位の割合で(12月分は遅くとも翌年1月15日までに),被控訴人が伝票や領収書類を控訴人事務所に持参し,これに基づき控訴人が会計日記帳を作成していた。 また,控訴人は,被控訴人に対し,青色事業専従者給与に関する変更届出書(以下「変更届出書」)を,平成7年分確定申告につき同年3月15日までに,平成8年分につき同年3月15日までに各提出することを約束した。 (2) ところが,控訴人は,本件契約の本旨に反し,平成7年分の会計日記帳及び総勘定元帳を作成せず,そのため平成7年度分所得税確定申告の申告期限を徒過し,かつ,平成7,8年分所得税についての申告内容も,売上金額・経費の誤記,社会保険料等の無記載,本来計上できない配偶者控除等の記載,35万円が控除できる青色申告特別控除額の過少記載など,誤りだらけである上,事業専従者変更の届出を怠っていた。 ,売上金額・経費の誤記,社会保険料等の無記載,本来計上できない配偶者控除等の記載,35万円が控除できる青色申告特別控除額の過少記載など,誤りだらけである上,事業専従者変更の届出を怠っていた。 これらは,本件契約にかかる義務の債務不履行であり,当該債務不履行によって,被控訴人は,修正申告を余儀なくされ,本来支払う必要のなかった税金を納付せざるを得ないという損害を被った。 よって,控訴人は上記損害を賠償すべき義務がある。 (3) 控訴人が本件契約の本旨に従った適正な申告手続を履行していた場合に被控訴人が納付すべき適正納税額は,別紙A表及び同B表記載の「本来の納税額」欄記載のとおりであって,被控訴人が現実に納付した税金額(前提となる事実(4))との差額は次のとおりである。 ア平成7年分(ア) 適正納税額所得税37万9000円,地方税41万9000円の合計79万8000円(イ) 差額 45万4300円イ平成8年分(ア) 適正納税額所得税23万7100円,地方税27万2900円の合計51万円(イ) 差額 196万8100円(4) よって,被控訴人は控訴人に対し,債務不履行に基づく損害賠償として,上記合計242万2400円及びこれに対する請求の後である平成10年9月29日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める。 【控訴人】(1) 本件契約では被控訴人が会計日記帳を日々記入して持参し,控訴人はその内容をコンピュータに入力することにより,総勘定元帳,仕訳帳,貸借対照表,損益計算書を作成し,さらに青色申告書を作成・提出することとなっていた。 控訴人は,被控訴人に対し会計日記帳を作成するよう指導していたのであり,その作成を引き受けた 元帳,仕訳帳,貸借対照表,損益計算書を作成し,さらに青色申告書を作成・提出することとなっていた。 控訴人は,被控訴人に対し会計日記帳を作成するよう指導していたのであり,その作成を引き受けたことはないし,控訴人の事務所はそのような業務を行う体制にはなかった。 ところが,被控訴人は,不十分な会計日記帳と原始記録を,申告書提出期限の直前になって控訴人に預けて申告を依頼するため,控訴人としてはやむを得ず不備を補正して,申告書を作成したものである。 したがって,申告期限を徒過したことも,その内容が適正を欠くものであったとしても,それはひとえに被控訴人の責めに帰すべき事由によるものであって,控訴人には何ら責任はない。 (2) 事業専従者控除については,被控訴人の主張は,その実績や額に疑問があって,そもそも税務署がこれを認めるとは考えられない上,控訴人はその変更届出等の依頼を受けたこともないから,この点に起因する被控訴人の納税負担は損害とはなり得ない。 特に平成8年分の事業専従者控除として被控訴人が主張する576万円については,被控訴人の従前の売上げ等の実績(平成7年度の修正前の申告にかかる売上げは約630万円であった。)に照らしても極めて過大な金額であって,到底そのまま認められるはずがなく,この点からしても損害としての因果関係を欠く。 また,青色申告特別控除35万円については,これが認められるためには,貸借対照表等の作成が必要であるところ,被控訴人がこれを作成していなかったことは前記のとおりであって,そもそも控除として認められることはないから,これも損害としての因果関係を欠く。 4 争点(1) 会計日記帳は誰が作成すべきであったか。 (2) 控訴人に変更届出書を提出する義務があったか。 (3) て認められることはないから,これも損害としての因果関係を欠く。 4 争点(1) 会計日記帳は誰が作成すべきであったか。 (2) 控訴人に変更届出書を提出する義務があったか。 (3) 平成7,8年度の確定申告に関して,控訴人に債務不履行があったか。 (4) 因果関係のある損害の算定及び過失相殺第3 証拠原審及び当審記録中の証拠関係目録に記載のとおりであるから,これを引用する。 第4 争点に対する判断 1 事実関係前提となる事実,証拠(甲3,5,21,24,25の1ないし4,26の1ないし3,27ないし31,原審証人B,原審控訴人本人(ただし,各証拠中後記信用しない部分を除く。))及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 (1) 木工業を営む被控訴人は,昭和59年頃から控訴人に税務申告を依頼していた。一時営業を止めて,申告を依頼しない時期もあったが,平成元年頃から再び依頼するようになり,報酬として毎月1万2360円を控訴人に支払っていた。 (2) 控訴人の事務所は,一般に会計日記帳の作成を引き受けることはなく,顧客から会計日記帳の提出を受け,これをコンピュータに入力して総勘定元帳等必要な書類を作成するという体制であった。また,被控訴人程度の規模の事業者であれば,毎月中旬ころまでに,前月分の帳簿や資料を持参して貰い,12月分も1月中旬までに持参して貰って,税務申告の代行事務を行っていた。 (3) 控訴人は,被控訴人から前記依頼を受けるに際し,被控訴人に会計日記帳用紙(日毎に1枚にまとめる様式のもの。)を交付してこれに記帳するよう指導し,平成4年分(甲24)までは被控訴人の妻Bが,1か月分を1枚の用紙にまとめる形式で会計日記帳を記載していた。ただ,この間も,Bの記帳に不備があった場合には,控訴 を交付してこれに記帳するよう指導し,平成4年分(甲24)までは被控訴人の妻Bが,1か月分を1枚の用紙にまとめる形式で会計日記帳を記載していた。ただ,この間も,Bの記帳に不備があった場合には,控訴人事務所の事務員が記載を補充することが少なからずあった。 (4) 控訴人は,昭和60年2月23日,被控訴人が事業専従者であるBに毎月7万円の給与を支払っている旨の青色事業専従者給与に関する届出書(甲3)をA税務署に提出した。Bを事業専従者とすれば,その給与を経費として扱えることを教示したのは控訴人であった。 (5) Bは,子宮ガンのため平成4年8月中頃から3週間ほどE病院に入院し,退院後は1か月ほど自宅療養をした。また,被控訴人とBの間の長男は難病のため平成4年11月から平成6年1月まで入院し,その後同年5月から再度入院したが同年12月4日死亡した。 (6) 被控訴人は平成5,6年分の会計日記帳を作成せず,請求書・領収証・納品書・銀行預金通帳等の原始資料(以下「原始資料」という。)のまま控訴人事務所に持参し,控訴人事務所の事務員において上記原始資料に基づき上記各年分の会計日記帳(1冊に31日分の用紙が綴じられた簿冊。甲25の1ないし4,26の1ないし3)を作成し,それに基づく総勘定元帳等の作成を行い,確定申告書を提出した。なお,平成5年以降も,控訴人が受け取る前記の報酬額に変動はなかった。 (7) 平成4年頃,控訴人とBとの間で,被控訴人の父であるCを事業専従者とすることについての話が出た。その結果,Bは,平成4年分の会計日記帳(甲24)の1月から6月までの分に,専従者給与をCとBの2人に支給している趣旨で「6万円」及び「7万円」と分けて記入した(月額計13万円。年額にすると156万円)。Bは7月分以降も現金収支は記載したが,専従 の1月から6月までの分に,専従者給与をCとBの2人に支給している趣旨で「6万円」及び「7万円」と分けて記入した(月額計13万円。年額にすると156万円)。Bは7月分以降も現金収支は記載したが,専従者給与の支給を記載していなかったので,控訴人事務所の事務員においてBと同様の記載をし,平成5,6年度の会計日記帳を控訴人事務所の事務員において作成した際も,同様に,CとBの専従者給与が月額6万円と7万円の計13万円である旨を記載した。そして控訴人は少なくとも平成6年度の確定申告書(甲5。これ以前の申告書控えは証拠として提出されていない。)には,事業専従者給与額を年額156万円と記入して提出し,平成7年分申告書にも同様に記載した。 (8) 被控訴人方では平成7年分も会計日記帳を作成せず,原始資料のまま控訴人事務所に持参した。 この年,控訴人は,申告期限を約2週間徒過した平成8年3月28日に別紙A表記載の「申告」欄記載の内容の確定申告書をA税務署に提出した。しかも,この年は,控訴人は会計日記帳を作成せず,総勘定元帳等も作らず,大幅に遅れて提出した申告書の記載内容は前年の申告数字を適当に変更した数字に過ぎなかった。ただ,被控訴人には,提出日を3月15日と記載した申告書控え(甲8の1ないし3)を渡していた。 (9) Bは,平成8年分については,控訴人から渡された用紙(簿冊。毎日記載する様式のもの)で会計日記帳を作成し(甲21はその抜粋),原始資料とともに控訴人事務所に持参した。 Bの記載したこの会計日記帳には,専従者給与が記載されていなかったが,控訴人事務所では,毎月末日分の頁の支出欄に,専従者給与として,「C20万円,B20万円,D8万円」と追記した。そして,その記載に即応して専従者給与の合計額を576万円と記載した平成8年分 ったが,控訴人事務所では,毎月末日分の頁の支出欄に,専従者給与として,「C20万円,B20万円,D8万円」と追記した。そして,その記載に即応して専従者給与の合計額を576万円と記載した平成8年分の確定申告書(甲9の1ないし3)を作成し,合わせて,上記記載に沿って,平成8年1月にさかのぼってBとCの給与が各月額20万円,被控訴人の母であるDの給与が月額8万円(合計月額48万円。年額にすると576万円)と変更した旨の専従者変更届出書(甲4)をも作成し,両書面を,前記のとおり平成9年3月17日にA税務署に提出した。 もっとも,青色専従者給与が経費として認められるためには,当該年度の3月15日までに(即ち前年分の確定申告期限までに)専従者変更届を提出しておかねばならないから,当該年度の確定申告と同時にした上記届出は無意味であった。 (10) 平成9年12月に,被控訴人は控訴人立ち会いの下,税務調査を受けたが,その際,被控訴人は控訴人から平成7年分の原始資料をビニール袋入りのまま(即ち他の年度は会計日記帳に原始資料を貼り付けて整理されているが,そのような整理がされていない。)返して貰った。そして控訴人が帰ってしまったあと,税務署係官の指導の下,Bにおいてこれを整理し,月毎にまとめた出納帳(甲27)を作成し,これに基づいて係官が計算したところに従って,Bは,平成7年度について別紙A表「修正申告」欄のとおり修正申告書を作成提出した。また,平成8年度についても,係官の調査の結果に従い,別紙B表「修正申告」欄のとおり修正申告書を提出した。 2 争点(1)(会計日記帳は誰が作成すべきであったか。)について(1) 被控訴人は,控訴人が会計日記帳を控訴人事務所において作成することを約束したと主張し,Bの原審証言,同人作成の陳述書(甲28)に 点(1)(会計日記帳は誰が作成すべきであったか。)について(1) 被控訴人は,控訴人が会計日記帳を控訴人事務所において作成することを約束したと主張し,Bの原審証言,同人作成の陳述書(甲28)にはこれに沿う部分がある。 (2) しかし,会計日記帳は,本来,事業者が日々記載すべきものであること,控訴人事務所の事務処理体制が前記認定のとおりであること,平成元年から控訴人に対する報酬額に変化がなかったことなどのほか,控訴人の主張する約束の時期が,その主張やBの証言そして同人作成の甲28の陳述書との間で食い違いがあることなどからすると,控訴人が被控訴人(B)に対し,平成5年分から会計日記帳の作成を明瞭な約束をして引き受けたと認定するのは躊躇せざるを得ない。 (3) けれども,控訴人の供述の如く,家族の病気入院など被控訴人家庭の前記のような事情に同情した結果であるとしても,平成5,6年分の会計日記帳は,持参された原始資料に基づき控訴人事務所の事務員において作成したこと,控訴人が平成7年分についてBに会計日記帳を作成するよう指示したとは認められないこと(控訴人本人尋問の結果中には,Bに作成するよう指示したのに,Bは不服を言うだけで記載してこなかったという部分があるが,Bは,平成4年は7月以降も,入院・療養の時期があったにもかかわらず,ある程度記帳していたことや,平成8年度には,Bが控訴人から渡された会計日記帳用紙を用いて記帳していたことに照らして,信用できない。),これらの事実からして,平成7年度についても,控訴人は少なくとも黙示的には,原始資料を持参すればその後の税務申告までの処理を行うことを引き受けていたものというべく,控訴人において会計日記帳の記帳代行義務を負うものというべきである。 3 争点(2)(控訴人に変更届出書を提出する義 を持参すればその後の税務申告までの処理を行うことを引き受けていたものというべく,控訴人において会計日記帳の記帳代行義務を負うものというべきである。 3 争点(2)(控訴人に変更届出書を提出する義務があったか。)について(1) まず,平成7年分の申告に関して,Cを事業専従者として月額6万円を支給する旨の届出について見る。 ア控訴人は原審本人尋問において,Cを事業専従者とすることについては,平成4年頃Bと話をしたが,そうするとCが厚生年金を受給するうえで支障がある旨助言し,その話は立ち消えになった旨供述し,Bも,原審証言において,時期は判然としないものの,控訴人から専従者給与と年金の関係につき聴いたことを認めている。そして当時Cが65歳になっておらず,同人に専従者給与を支給すると,年金受給上の支障があったことからすると,この話題が立ち消えたことは自然であったといえる。 イたしかに,前記のとおり,Bは平成4年1月以降,会計日記帳に2人分の専従者給与を記載しており,同年7月以降は,控訴人事務所の事務員において引き続き同旨の記載をしており,平成5,6年の会計日記帳及び平成6年度及び平成7年度の確定申告書に,専従者給与を156万円と記載している。しかし変更届出書を提出せずに確定申告書に変更後の専従者給与の控除を記載しても明らかに無意味であり,むしろCの年金受給に支障があるのであるから,税理士である控訴人が上記申告書の記載内容を理解してこのような申告をするとは考え難い。この点については,BがCを事業専従者とすることを念頭において平成4年度の前半の記載をしていたところ,その話が沙汰やみになり,Bが記載を止めたにもかかわらず,控訴人事務所の事務員が機械的にこれを踏襲して会計日記帳の記載を補充し,その記載内容をコンピュータに入力して 度の前半の記載をしていたところ,その話が沙汰やみになり,Bが記載を止めたにもかかわらず,控訴人事務所の事務員が機械的にこれを踏襲して会計日記帳の記載を補充し,その記載内容をコンピュータに入力して総勘定元帳(甲29)等を作成し,これに基づき確定申告書の記載をしたものであることが考えられ,控訴人の原審供述によると,控訴人は事務員の作成した書類の内容を十分に把握していなかったことが窺える。 ウしたがって,平成4年時点では,控訴人が変更届出をしなかったことは債務不履行とはならない。 エしかし,専従者給与の変更届出は,継続的に税務申告を受任している税理士にとっては,ある年度の確定申告を行う際に,次年度の専従者の数や給与額の変更を依頼者が決定していた場合,その旨の届出を行うよう特段の依頼がなくとも,その専門性からして,進んで行う義務があるというべきである(Bに関する届出も控訴人が行っている。)。 オそうすると,控訴人は,話があった当初は沙汰やみになったとはいえ,平成6年度以降はCが65歳に達して,年金受給に支障がなくなったのであるから,控訴人においてその届出をする義務があったというべきである。ことに被控訴人の家庭事情からとはいえ会計日記帳の作成を引き受けており,現に平成4年以降はCに対する月額6万円の支給を記帳し,少なくとも平成6年度はその旨記載して申告し,その控えを被控訴人に渡しているのであるから,被控訴人(B)において,変更を改めて申し入れて,届出をしてもらう必要があることに気づくはずもなく,控訴人の事務処理のミスで届出がなされずにいたというほかない。仮に変更届出がなされていないことに控訴人が気づかなかったとしても,それは前年度までの申告で誤って変更があったものとして申告をしていたことに原因があるというべきであるから, ずにいたというほかない。仮に変更届出がなされていないことに控訴人が気づかなかったとしても,それは前年度までの申告で誤って変更があったものとして申告をしていたことに原因があるというべきであるから,控訴人は,自己の履行補助者の誤った処理を見落とした以上,債務不履行責任を免れるものではない。 カそして収入(売上げ)金額からして,変更届出さえ了していれば,平成7年の支給は経費として容認されたものといえる。 (2) 次に,平成8年度の申告に関しての,変更届出の義務について見る。 ア被控訴人は,平成7年中に,控訴人とBとの間で,税金を納めなくても済むように,翌年度からC,Bの給与を月額各20万円とし,Dの給与を月額8万円とすることが話し合われた旨主張し,Bの原審証言中にはこれに沿った供述がある。 そして,甲4,甲9の1ないし3,甲21,30,原審控訴人本人によると,同年度の会計日記帳に控訴人事務所の事務員において,上記の給与を支給した旨の記載を補充したうえ,総勘定元帳にも月額48万円の専従者給与が計上され,専従者給与の合計が576万円(月額48万円)と記載された平成8年分の確定申告書及び変更届出書が作成されて平成9年3月17日にA税務署に提出されたことが認められる。 イたしかに,確定申告書と変更届出書を同時に提出してもその確定申告との関係では明らかに無意味であり,税理士である控訴人がこのような申告をするとは考え難いところであるが,控訴人は何故このような記載をし,変更届出書を提出したかを合理的に説明できない。逆に,控訴人が被控訴人との間に何の約束もしていなければ,その旨説明すれば足りるはずであるし,仮に,収入が急に増えたことから経費を増額しようとして被控訴人が懇請したとしても,控訴人の指示も受けずに事務員が一存で 被控訴人との間に何の約束もしていなければ,その旨説明すれば足りるはずであるし,仮に,収入が急に増えたことから経費を増額しようとして被控訴人が懇請したとしても,控訴人の指示も受けずに事務員が一存でこのような大幅な増額を会計日記帳に記載し,申告書や変更届を提出するとは考えられない。 ウまた,平成7年度の当初申告のとおり同年度の収入額(売上げ額)が629万円余であることを前提とすると,年額576万円という専従者給与は過大に過ぎ,その支給を控訴人が了解するとは考えられないが,この申告収入額が根拠のない数字であることは前記認定のとおりであり,平成7年度の実際の収入は修正申告によれば1057万円余であり,この修正申告の基礎となった原始資料を控訴人が被控訴人から預かっていて,売り上げの増大を知ることができたことからすると,Bが証言するとおり,控訴人が被控訴人の売り上げが急に増大したことから,翌平成8年度の申告に備えて,専従者給与を増やせば経費を増やすことができることを告げてそうするよう助言したとすれば,金額の点も不自然なことではない。 エ結局,Bの証言を否定すると,控訴人事務所が行った会計日記帳,申告書の記載や変更届書の作成提出の事実が理解できないことになり,Bの証言どおり,控訴人との間で,Dも専従者に加え,給与総額を増やすことの了解ができたものと認めるのが相当である。 そして,それにもかかわらず,平成7年度の確定申告が遅れる何らかの事情が生じ,これと同時に提出すべき変更届出を提出することができなかったために,これを取り繕うために無駄な記載,届出とは知りつつ,あえて,平成8年分の申告の際に変更届出書を提出したものと解するよりほかに理解のしようがない。 オなお,実際にC,Dが被控訴人の事業の手伝いをしていたことは原審証 駄な記載,届出とは知りつつ,あえて,平成8年分の申告の際に変更届出書を提出したものと解するよりほかに理解のしようがない。 オなお,実際にC,Dが被控訴人の事業の手伝いをしていたことは原審証人Bの証言するところである。 4 争点(3)(平成7年,8年度の申告についての債務不履行の有無)について(1) 平成7年度の無申告,会計帳簿の不作成についてア申告書の提出が遅れたことにつき,控訴人は,原審本人尋問において,会計日記帳を作成するのは依頼主である被控訴人が行うべきことであるのに,被控訴人はこれを作成せず原始資料を持参するため,やむなく控訴人事務所においてこれを作成していたが,平成7年度については申告期限の2,3日前というほどではないものの,期限直前になって,Bが原始資料を持参したため,会計日記帳そして総勘定元帳以下の会計帳簿を作成する暇がなく,原始資料と前年の貸借対照表等を基に申告書を作成したが,申告が遅れてしまった旨供述する。 しかし,その供述によっても,現実に原始資料の持参がどの程度遅れたというのかは具体的ではなく,ことに,控訴人の供述では,前年,前々年も同様に被控訴人が一括して期限間近に原始資料を持参したというが,それらと比べてどの程度遅れたのかは不明である。仮に申告期限に遅れてしまう可能性のある時期に原始資料が持参されたのであれば,税理士としてはむしろ同年分の税務申告の代行を断るべきであろうが,控訴人は,期限内に提出したかの如き申告書写しを被控訴人に渡しており,提出が遅れてしまったことを被控訴人に連絡した形跡もない。 イむしろ,Bの病気入院や療養のあった時期を含む平成4年分も,子供が平成6年1月まで入院していた平成5年分も,いずれも申告が期限に遅れたことを窺わせる証拠はなく,子供が平成6年12月 ない。 イむしろ,Bの病気入院や療養のあった時期を含む平成4年分も,子供が平成6年1月まで入院していた平成5年分も,いずれも申告が期限に遅れたことを窺わせる証拠はなく,子供が平成6年12月に亡くなったという事情のある平成6年分も,期限最終日である平成7年3月15日には申告が済まされていること(甲5)に照らせば,そうした特段の事情も窺えない平成7年分についてのみ,被控訴人(B)が原始資料を控訴人事務所に持参するのが遅れたとは考えにくい。 この点につきBは原審証言において,2ヶ月に1回位の割合で原始資料を控訴人事務所に持参していた,12月分は控訴人から指示されているとおり翌年1月15日までには持参していた,平成5年からは被控訴人の家庭事情を見た控訴人から,原始資料を持ってくればこちらでやっておくからといって貰ったので,原始資料のみを持参し,会計日記帳は控訴人の方で作ってもらったが,平成8年からは,控訴人から,もう落ち着いたろうから以前のように自分で作成するようにと指示されて会計日記帳用紙を渡されたので,自分で記帳した旨供述するところ,その供述は自然で実際に作成された会計日記帳の存在に照らしても信用できる。 ウそのうえ,控訴人は原審本人尋問で,平成7年分は会計日記帳は作成しなかったが,総勘定元帳等は後日作成してコンピュータに入力している旨供述していたものの,税務調査に対しても本訴においても,結局同年度の総勘定元帳をプリントアウトして提出することができずに終わり,当審において最終的に入力していないことを認めたこと,したがって,平成7年度に控訴人のした申告は,その数字上の根拠は不明なままであること,しかも申告収入額は,同じ原始資料から作成されたはずの修正申告における収入額の約60パーセントと隔たりが極めて大きいこと(平成 成7年度に控訴人のした申告は,その数字上の根拠は不明なままであること,しかも申告収入額は,同じ原始資料から作成されたはずの修正申告における収入額の約60パーセントと隔たりが極めて大きいこと(平成8年分の申告額は修正申告の約97パーセントと近似している。),平成7年分の申告にかかる収入額は前年の申告収入額の約17パーセント増であることなどからすると,平成7年分について原始資料を基に申告書を作成した旨の控訴人の前記供述は信用できず,前年の申告書の数字を適当に変更しただけのものであったと認めるほかない。 エそうすると,控訴人が申告期限内に申告書を提出することができずに終わり,総勘定元帳以下の決算書類も作成しなかったのが,被控訴人が自ら記帳すべき会計日記帳を記載せず,原始資料を持参するのが遅れたためであるとは認められない。 したがって,被控訴人が会計日記帳を作成しなかったことが,申告遅延の原因であるとはいえないし,原始資料の持参が遅れたとも認められないから,同年度の会計会計日記帳を作成せず,申告を期限内に行わず,被控訴人が無申告の事態に陥ったことは,控訴人の債務不履行の結果である。 また,控訴人が平成7年分の会計会計日記帳の記帳義務を負っていたのは前記2で説示したとおりであり,これから税務申告に必要な会計帳簿(総勘定元帳,仕訳帳,損益計算書,貸借対照表)を作成することは控訴人の本来の義務であったこと,控訴人が総勘定元帳等を作成しなかったことにつき被控訴人の責めに帰すべき事情があるとは認められないことから,控訴人が平成7年分の会計帳簿を作成しなかったため,被控訴人が青色申告者の特典を享受することができない事態に至ったとすれば,それもまた控訴人の債務不履行の結果というべきである。 (2) 平成7年度の申告における過誤 会計帳簿を作成しなかったため,被控訴人が青色申告者の特典を享受することができない事態に至ったとすれば,それもまた控訴人の債務不履行の結果というべきである。 (2) 平成7年度の申告における過誤なお,平成7年度の申告内容は,社会保険料,生命保険料,損害保険料が所得から控除できるのにこれをしておらず,逆にBを事業専従者として給与を控除する場合,配偶者控除,配偶者特別控除を行うことはできないのにこれを行っており,初歩的な誤りの多いものであった。 (3) 青色申告専従者給与変更届出の懈怠控訴人が,平成7年度についてはBとC合わせて156万円の,平成8年度についてはその期限までにB,C,D合わせて576万円の,各給与を支給すべき旨の,青色申告専従者給与変更届出をすべきところ,これを失念していたか,何らかの事情によりこれを怠っていたことは前記のとおりである。 (4) そうすると,控訴人は両年度の確定申告につき,本件契約の本旨に従った履行をしなかった債務不履行があったといわねばならない。 5 争点(4)(損害)について(1) そこで,控訴人の債務不履行による被控訴人の損害,即ち,控訴人が適正な処理をした場合に納めるべきであった税額と,現に修正申告により被控訴人が納めた税額との差額を見るに,控訴人が適正な処理をした場合に納めるべきであった税額は,修正申告によって明らかになった各種所得控除の金額のほか,各種税法によれば,被控訴人主張のとおり,平成7年度は別紙A表の,平成8年度は別紙B表の,各「本来の納税額」欄のとおりであったと認められる。 (2) 上記の理由を付言する。 ア青色申告控除について平成7年度については,控訴人が専従者にCを加え,合計給与額を156万円とする変更届出を提出すべき義務を負っ 認められる。 (2) 上記の理由を付言する。 ア青色申告控除について平成7年度については,控訴人が専従者にCを加え,合計給与額を156万円とする変更届出を提出すべき義務を負っていたがこれを提出していなかったこと,提出されていれば,全額が妥当な経費として認容されたであろうことは前記のとおりである。 平成8年度については,前年に比して一見過大に見えるが,前年の実際の収入額からすると奇異な金額ではなく,被控訴人との間でそうすることが話し合われたものと認められることは,前記のとおりであって,変更届出が提出されていれば,年間576万円の支給額が経費として控除できたと認められる。 従って,控訴人が昭和60年にBにつき84万円と届け出た分しか控除できなかったのは,債務不履行による損害となる。 イ青色申告特別控除の可否次に青色申告特別控除の可否につき,控訴人は,被控訴人が青色申告者として作成し保存すべき会計帳簿を作成しなかったから,同控除を受けることはできないという。 しかし,平成7年分の会計帳簿が作成されていないため,青色申告者の特典を受けることができなくなることが控訴人の債務不履行の結果であることは既に説示したとおりであり,平成6年分までは会計会計日記帳の作成が契約上の義務であるか否かはともかく,現実には会計会計日記帳の作成等の事務を控訴人において処理し,税務申告に必要な会計帳簿(総勘定元帳,仕訳帳,損益計算書,貸借対照表)を作成したうえで,平成6年度にはこの青色申告特別控除をした申告をしていること(甲5)からして,控訴人が平成7年度においても,会計会計日記帳の作成を初めとして,前年,前々年どおりの処理をしていれば,この控除は可能であったと認められる。 平成8年度につい ていること(甲5)からして,控訴人が平成7年度においても,会計会計日記帳の作成を初めとして,前年,前々年どおりの処理をしていれば,この控除は可能であったと認められる。 平成8年度については,被控訴人が会計会計日記帳をある程度記載しており,これに控訴人事務所において補充のうえ,総勘定元帳を作成したことは前記のとおりであって,同年度の申告については控訴人もこの青色申告特別控除を記載しているから,これが修正申告の際に認められなかったのは,主として平成7年度分の会計帳簿が一切作成されておらず,申告内容の根拠となる数字も不明という事態から,平成8年度についても,同年度の収益把握に必要な,前年度の会計帳簿の作成保存がなかったためと認められ,やはり,控訴人の債務不履行がなければ,この特別控除35万円を控除することができたと認められる。 ウ平成7年度の当初申告が,社会保険料,生命保険料及び損害保険料の各所得控除を行っていなかったことは前記のとおりである。控除できた額は,社会保険料は,市県民税においても全額であるから,別紙A表の「修正申告」欄記載のとおりとなる。生命保険料は,所得税の修正申告では限度額の5万円とされているから,市県民税では限度額の3万5000円と認められる。損害保険料は,所得税の修正申告では限度額の1万円とされているから,市県民税では限度額の7000円と認められる。なお,平成8年度は控訴人が申告書に記載した金額と同じである。 エ上記のとおり平成7年度は期限に遅れた以上,無申告加算税を課せられたのはやむを得ないし,平成8年度は,届出をしていない専従者変更を前提とする申告であったことを主な理由として,過少申告加算税が課せられたのは当然のことである。 オそうすると,被控訴人は控訴人の債務不履行により,別紙A表及 度は,届出をしていない専従者変更を前提とする申告であったことを主な理由として,過少申告加算税が課せられたのは当然のことである。 オそうすると,被控訴人は控訴人の債務不履行により,別紙A表及びB表のとおり,「本来の納税額」と修正申告額との差額,平成7年度については45万4300円,平成8年度については196万8100円の,各損害を被ったことになる。 6 争点(4)(過失相殺)について特に控訴人の平成7年分の処理が極めて杜撰であり,控訴人自身が処理したとは考えられないほどのものであったことや,平成8年度についても,申告と同時に変更届出をするというおよそ税理士の行う処理とは考えられないものであったことなどを考慮すると,控訴人の報酬が1か月1万余であったこと,被控訴人が,自ら事業を営んで青色申告を認められているのに,会計帳簿の記帳の必要や帳簿の保存等につき無関心に過ぎ,控訴人任せにしすぎたきらいのあることを考慮しても,被控訴人の過失として認容しうるのは10パーセントを相当とする。 7 原判決は,上記と同じ損害242万2400円の損害を認定したうえ25パーセントの過失相殺をして181万6800円の限度で被控訴人の請求を認容したものであるから,控訴人の控訴は理由がない。被控訴人からの不服申立てはないから,不利益に変更することはできない。 よって,本件控訴を棄却することとし,控訴費用の負担につき民訴法67条1項,61条を適用して,主文のとおり判決する。 広島高等裁判所第3部裁判長裁判官下司正明裁判官檜皮高弘裁判官齋藤憲次 明裁判官 檜皮高弘 裁判官 齋藤憲次
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