昭和60(行ウ)5 都市計画火葬場決定承認の無効確認請求事件

裁判年月日・裁判所
昭和60年9月30日 福島地方裁判所 公用負担・公用収用など
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【DRY-RUN】- 1 - ○ 主文 本件訴えをいずれも却下する。 訴訟費用は原告らの負担とする。 ○ 事実 一 当事者双方の求める裁判 1 原告ら 被告が昭和五六年一二月九日付福島県指令第九三五号をもつてなした相馬

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判決文本文4,165 文字)

- 1 - ○ 主文 本件訴えをいずれも却下する。 訴訟費用は原告らの負担とする。 ○ 事実 一 当事者双方の求める裁判 1 原告ら 被告が昭和五六年一二月九日付福島県指令第九三五号をもつてなした相馬都市計画火葬場 決定の承認は無効であることを確認する。 訴訟費用は被告の負担とする。 2 被告 (一) 本案の申立て 主文と同旨。 (二) 本案に対する申立て 原告らの請求をいずれも棄却する。 訴訟費用は原告らの負担とする。 二 請求原因 1 相馬市が昭和五六年一〇月二七日付五六相都第五二六号の文書(以下第五二六号文書 ) 、 ( ) 、 、 という をもつて 相馬都市計画火葬場 以下本件都市計画という につき 被告に対し 都市計画法(以下法という)一九条一項による承認を申請し、被告は同年一二月九日福島 県指令都第九三五号の文書(以下第九三五号文書という9をもつて、その承認(以下本件 承認という)をした。 2 本件承認に至る経緯 (一) 相馬市は、本件火葬場の設置計画について、同年一〇月二七日、福島県土木部長 に対し、事前協議の照会をし、同年一一月五日、被告から相馬市長に対し、右協議の件に ついては異存がない旨の回答を得たうえ、同年同月一一日、本件都市計画の案の公告・縦 覧をした。 (二) 地域住民は、本件火葬場の設置に反対の運動を起したが、当該火葬場の経営を企 図する相馬方部衛生組合は、同年同月二七日、同組合の建設促進特別委員会において、地 域住民から提出された本件火葬場の建設反対の陳情書について審議をしたところ、賛否両 論があり、継続審議とする旨を決定した。 (三) 次いで本件都市計画案を付議された相馬市都市計画審議会は、同年一二月一日、 地域住民から提出された意見書の趣旨を十分にくみとり、地域住民の協力を得られるよう に最大の努力をすべきである旨の附帯決議をもつて、原案に 都市計画案を付議された相馬市都市計画審議会は、同年一二月一日、 地域住民から提出された意見書の趣旨を十分にくみとり、地域住民の協力を得られるよう に最大の努力をすべきである旨の附帯決議をもつて、原案に同意する旨の答申をした。 (四) しかるに相馬市は、右の附帯決議にある地域住民の協力を得るについて何らの努 力も措置もしないまま、翌二日、五六相都第五八三号をもつて、被告に対し、本件都市計 画案の承認を申請した。 3 本件承認の無効理由 (一) 福島県都市計画地方審議会(以下県審議会という)は、昭和五六年一二月三日、 被告から付議された本件都市計画案について、原案に同意する旨の答申をしたとされてい る。しかしながら右審議会の議決は違法であつて、無効である。 - 2 - (1) 右審議会は右同日開催されたのであるから、その招集手続は少なくとも数日前に なされたものというべく、したがつて右審議会招集の議題に、本件都市計画案が入つてい た筈はない。 (2) 知事は都市計画の案を都市計画地方審議会に付議しようとするときは、法一七条 二項に基づき提出された意見書の要旨を同審議会に提出しなければならない(同法一八条 二項。 ) 本件都市計画案については、その縦覧期間中地域住民及び利害関係人百数十人から意見書 の提出がなされていたものであるにも拘らず、被告は右意見書の要旨を県審議会に提出し ていない。 県審議会は、会議の当日、突然に議題とされた本件都市計画案について、実質的な調査、 審議をする余裕はなくまた実質的審議をすることなく、前記同意する旨の答申の議決をし た旨の体裁をとつたもので、右議決は無効である。 (二) 本件承認は、右無効の議決を前提とするものであるから、本件承認も、当然無効 である。 (三) 仮に右議決が有効であるとしても、本件承認は次の理由により無効である。 ( ) 、 、 は無効である。 (二) 本件承認は、右無効の議決を前提とするものであるから、本件承認も、当然無効 である。 (三) 仮に右議決が有効であるとしても、本件承認は次の理由により無効である。 ( ) 、 、 1 本件承認は 第五二六号文書をもつてなされた申請に対しなされたものであるが 右申請は、福島県土木部長に対する事前協議に関するものであるから、本件都市計画案の 承認とはいえない。 (2) もつとも被告はその後の昭和五七年三月八日、本件承認に関し、五六都第九三五 号「相馬都市計画火葬場決定の承認について」と題する文書をもつて、相馬市長に対し、 第九三五号文書中「昭和五六年一〇月二七日付五六相都第五二六号で申請のあつた」との 部分は「昭和五六年一二月二日付五六相都第五八三号で申請のあつた」の誤りである旨 、 通 知した。しかし右五六都第九三五号なる文書、番号は理解不能の表示であるうえ、このよ うな誤りの訂正の通知によつて、本件承認の瑕疵が治癒されることはない。 4 本件承認の実質的内容は、本件都市計画案の許可であつて、地域住民であり、その附 近に農地を所有する原告らにとつて、重大なる利害関係を有する。 5 よつて原告らは被告に対し、本件承認が無効であることの確認を求める。 三 本案前の主張理由 抗告訴訟の対象となるべき行政処分とは、公権力の主体たる国又は公共団体が行う行為の うち、その行為によつて、直接国民の権利義務を形成し又はその範囲を確定することが法 律上認められているものをいうと解せられる。 本件のように市町村が都市計画を決定するに当つて都道府県知事の承認を受けるべきこと とされているのは、都市計画が国の事務や公共団体の事務を含む総合的なものであること にかんがみ、これを市町村限りで定めることとせず、都道府県知事が後見的監督をするこ とにより適正かつ合理的な都市計画が定めら れているのは、都市計画が国の事務や公共団体の事務を含む総合的なものであること にかんがみ、これを市町村限りで定めることとせず、都道府県知事が後見的監督をするこ とにより適正かつ合理的な都市計画が定められるようにするためと、市町村の定める都市 計画が都道府県知事の定める都市計画に適合しているか否かについて十分検討し、計画の 一体性を確保することが必要であることから調整手続として要求されているものである。 したがつて右都道府県知事の承認は、行政機関相互の内部的行為にすぎない性質のもので あり、直接国民の権利義務に変動を及ぼすものではない。 - 3 - したがつて、本件承認は抗告訴訟の対象となるべき行政処分ではなく、本件訴えは不適法 なものとして、却下されるべきである。 四 本案前の主張理由に対する原告らの反論 本件のような無効確認の訴えは、処分が無効であるにも拘らず、行政庁がこれに続いて処 分をする危険があるような場合に、これを防止するための一種の予防訴訟的な機能を営む べきものである。 本件都市計画に関しては、本件承認に基づき昭和五八年四月一四日福島県原町保健所長名 をもつて、相馬方部衛生組合管理者に対し、本件火葬場の経営許可があり、次いで昭和六 〇年四月一六日相馬市長は本件火葬場の予定地を農業振興地域の農用地から除外するため の計画変更案を公告しているものであつて、本件承認は原告らの権利義務の変動に重大な 影響があるのであつて、本件承認は抗告訴訟の対象となるべきものである。 五 請求原因に対する被告の認否 1 請求原因1は認める。 2 同2の(一)のうち公告の日を争う、その余は認める。公告の日は昭和五六年一一月 一三日である。 同2の(二 (三)はいずれも不知。 )、 同2の(四)のうち、本件承認の申請に関する事実は認める、その余は不知。 3 同3のうち、県審議会が昭和五六 認める。公告の日は昭和五六年一一月 一三日である。 同2の(二 (三)はいずれも不知。 )、 同2の(四)のうち、本件承認の申請に関する事実は認める、その余は不知。 3 同3のうち、県審議会が昭和五六年一二月三日に開催され、本件都市計画原案に対し 同意がなされたことは認める、その余は争う。 4 同4は争う。 六 証拠関係(省略) ○ 理由 一 被告が本件都市計画案について、第九三五号文書をもつて、本件承認をしたことは、 当事者間に争いがない。 二 法一九条一項は、市町村が都市計画を決定する場合、同条二項の規定による場合を除 き、 都道府県知事の承認を受けなければならない旨規定している。右法意は、都市計画が当該 市町村のみならず隣接市町村の都市計画及び都道府県の都市計画と関連を有するものであ り、したがつて各都市計画は全体として整合性をもつことが好ましく、また都道府県知事 は法五条に規定する都市計画区域を指定し、都市計画区域についておおむね五年ごとに建 設省令で定めるところにより、人口規模、産業分類別の就業人口の規模、市街地の面積、 土地利用、交通量その他建設省令で定める事項に関する現況及び将来の見通しについての 調査を行うものであるから、都道府県知事が後見的監督により、適正かつ合理的な都市計 画が定められるようにし、各都市計画との整合性を確保するための調整手続として、右承 認を行うものであると解せられる。そして都道府県知事の右承認は、行政機関相互の内部 的行為であつて、これにより直接国民の権利義務を形成し又はその範囲を確定するもので はないから、本件承認は抗告訴訟の対象となるべき行政処分ではない。 そうすると本件訴えは、右の点においてすでに不適法として却下を免れない。 三 よつて原告らの本件訴えをいずれも却下することとし、訴訟費用の負担につき行政事 件訴訟法七条、民事訴訟法 き行政処分ではない。 そうすると本件訴えは、右の点においてすでに不適法として却下を免れない。 三 よつて原告らの本件訴えをいずれも却下することとし、訴訟費用の負担につき行政事 件訴訟法七条、民事訴訟法八九条、九三条一項本文を適用して、主文のとおり判決する。 - 4 - (裁判官 小林茂雄 山口 忍 寺内保惠)

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