平成20(ワ)1606 商標権侵害差止等請求事件

裁判年月日・裁判所
平成21年9月17日 大阪地方裁判所
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判決文本文21,619 文字)

平成21年9月17日判決言渡同日原本交付裁判所書記官平成20年(ワ)第1606号商標権侵害差止等請求事件口頭弁論終結日平成21年6月23日判決原告セインダイレクトコンパニー(以下「原告セイン」という)。 原告株式会社オークローンマーケティング(以下「原告OLM」という)。 原告ら訴訟代理人弁護士松尾眞同兼松由理子同岩波修同竹村朋子被告株式会社河合本店同訴訟代理人弁護士加瀬野忠吉同小松原玲子主文 被告は,別紙被告標章目録記載の被告標章1ないし4を付した電気掃除機(その容器又は包装に当該標章を付する場合,当該容器又は包装を含み,当。),,該容器又は包装に同梱された電気掃除機附属品も含むを製造し譲渡し引き渡し,譲渡もしくは引渡しのために展示し,又は輸入してはならない。 被告は,別紙被告標章目録記載の被告標章1及び3を付した電気掃除機用充電池(その容器又は包装に当該標章を付する場合,当該容器又は包装を含む)を製造し,譲渡し,引き渡し,譲渡もしくは引渡しのために展示し,。 又は輸入してはならない。 被告は,別紙被告標章目録記載の被告標章1ないし4を付した電気掃除機(その容器又は包装に当該標章を付する場合,当該容器又は包装を含み,当該容器又は包装に同梱された電気掃除機附属品も含む)を廃棄せよ。 。 被告は,別紙被告標章目録記載の被告標章1及び3を付した電気掃除機用充電池(その容器又は包装に当該標章を付する場合,当該容器又は包装を含む)を廃棄せよ。 。 被告は,別紙被告標章目録記載の被告標章1及び3を,電気掃除機用充電池に関する広告,価格表又は取引書類に付して展示し,又はこれらを内容とする情報に付して電磁的方法により提供してはならな よ。 。 被告は,別紙被告標章目録記載の被告標章1及び3を,電気掃除機用充電池に関する広告,価格表又は取引書類に付して展示し,又はこれらを内容とする情報に付して電磁的方法により提供してはならない。 被告は,原告セインに対し,70万7481円及びこれに対する平成20年2月20日から支払済みまで年5%の割合による金員を支払え。 被告は,原告OLMに対し,5620万8723円及びこれに対する平成20年2月20日から支払済みまで年5%の割合による金員を支払え。 原告セインのその余の請求を棄却する。 訴訟費用は,被告の負担とする。 この判決は,1項ないし7項に限り,仮に執行することができる。 事実及び理由 第1当事者の求めた裁判 原告ら(1) 主文1項ないし5項及び7項と同旨(2) 被告は,原告セインに対し,145万7480円及びこれに対する平成20年2月20日から支払済みまで年5%の割合による金員を支払え。 (3) 仮執行宣言 被告 (1) 原告らの請求をいずれも棄却する。 (2) 訴訟費用は,原告らの負担とする。 第2事案の概要 前提事実(1) 当事者ア原告ら(ア) 原告セイン原告セインは,米国法人である訴外オンテルプロダクツコーポレーションが製造するヘッド部分が自由に回転する電気掃除機以下原,(「告商品」という)について,同社との契約に基づき,独占的販売権。 を有する会社である(甲1。 )(イ) 原告OLM原告OLMは,原告セインとの契約に基づき,原告商品について,日本国内における独占的販売権を有する株式会社である(甲2。 )イ被告被告は被服製造及び繊維製品の売買等を主たる業としインターネッ,,(。)。 トを通じて雑貨品等の販売も行っている株式会社である争いがない(2) 本件 有する株式会社である(甲2。 )イ被告被告は被服製造及び繊維製品の売買等を主たる業としインターネッ,,(。)。 トを通じて雑貨品等の販売も行っている株式会社である争いがない(2) 本件商標ア原告セインの商標権原告セインは,次の商標権(以下「本件商標権」といい,その登録商標を「本件商標」という)を有している(甲3の1・2。 。 )登録番号第5078868号出願年月日平成18年1月20日登録年月日平成19年9月21日商品の区分第7類指定商品化学機械器具,繊維機械器具,乗物用洗浄機,業務用攪 はん混合機,業務用皮むき機,業務用食器洗浄機,業務用切さい機,業務用電気洗濯機,業務用電気式ワックス磨き機,業務用電気掃除機,家庭用食器洗浄機,家庭用電気式ワックス磨き機,家庭用電気洗濯機,家庭用電気掃除機,電気ミキサー登録商標(標準文字)SWIVELSWEEPERイ原告OLMの独占的通常使用権原告OLMは,原告セインとの契約に基づき,本件商標の独占的通常使用権を有している(甲2。 )(3) 原告各商品表示原告OLMは,原告商品について,別紙原告標章目録記載の原告商品表示1(以下「原告商品表示1」という)を包装箱に付し,同目録記載の。 原告商品表示2(以下「原告商品表示2」という)を本体に付して,展。 示・販売している(弁論の全趣旨。 )原告OLMは,別紙原告標章目録記載の原告商品表示3(以下「原告商品表示3」といい,原告商品表示1ないし3を併せて「原告各商品表示」。),(,,というを原告商品の宣伝広告に使用している甲10の1甲2539。 )(4) 被告による被告各標章の使用被告は,ヤフー株式会社や楽天株式会社などが運営する複数のインターネット上のショッピングサイト!ショッピン 宣伝広告に使用している甲10の1甲2539。 )(4) 被告による被告各標章の使用被告は,ヤフー株式会社や楽天株式会社などが運営する複数のインターネット上のショッピングサイト!ショッピング楽天市場ビッ(,,Yahooターズにおいて雑貨天国の名称で通信販売業を行っているヤフー),「」(株式会社及び楽天株式会社におけるサイトについては争いなく,ビッターズについては弁論の全趣旨。 )平成18年1月から平成19年2月までの間,被告は,別紙被告標章目録記載の被告標章1あるいは3を包装箱に付し,同目録記載の被告標章2 (,「」あるいは4を本体に付した以下同目録記載の被告標章を被告標章1ないし「被告標章4」といい,併せて「被告各標章」という,ヘッド。)部分が自由に回転する電気掃除機及びその附属品(以下「被告商品」という)を輸入し,上記「雑貨天国」において,展示・販売した(弁論の全。 趣旨。 )また,被告は,被告商品用の充電池を輸入し「雑貨天国」において,,被告標章1及び3を広告等に使用して,展示・販売した(甲5の1,甲26の3・5,甲29の1。 ) 原告らの請求(1) 原告セインの請求原告セインは,被告に対し,本件商標権に基づき,ア被告標章1及び2を本体や包装等に付した電気掃除機の差止及び廃棄を,イ被告標章1及び3を本体や包装等に付した電気掃除機用充電池について譲渡等の差止及び廃棄を,ウ被告標章1及び3を電気掃除機用充電池に係る広告等へ使用することの禁止を,エ145万7480円の損害賠償(民法709条)及びこれに対する平成20年2月20日(訴状送達の日の翌日)から支払済みまで年5%の割合による遅延損害金の支払を,それぞれ求めている。 (2) 原告OLMの請求原告O 円の損害賠償(民法709条)及びこれに対する平成20年2月20日(訴状送達の日の翌日)から支払済みまで年5%の割合による遅延損害金の支払を,それぞれ求めている。 (2) 原告OLMの請求原告OLMは,被告に対し,不正競争防止法2条1項1号違反を理由として,ア被告標章1ないし4を本体や包装等に付した電気掃除機の差止及び廃棄を, イ被告標章1及び3を本体や包装等に付した電気掃除機用充電池について譲渡等の差止及び廃棄を,ウ被告標章1及び3を電気掃除機用充電池に係る広告等へ使用することの禁止を,エ5620万8723円の損害賠償(民法709条)及びこれに対する平成20年2月20日(訴状送達の日の翌日)から支払済みまで年5%の割合による遅延損害金の支払を,それぞれ求めている。 争点 (1) 原告セインの差止及び廃棄請求(本件商標権の侵害)に係る争点ア本件商標と被告各標章の類否(争点1)イ本件商標は,商品の品質の表示(商標法3条1項3号)にあたり,無効とされるべきものか(争点2)ウ被告標章1ないし3は,商品の品質の表示(商標法26条1項2号)にあたるか(争点3)(2) 原告OLMの差止及び廃棄請求(不正競争防止法違反)に係る争点ア原告各商品表示の周知性(争点4)イ原告各商品表示と被告各標章の類否(争点5)ウ誤認混同のおそれ(争点6)エ故意又は過失(争点7)()オ被告各標章の使用は普通名称の使用不正競争防止法19条1項1号にあたるか(争点8)(3) 原告らの損害(争点9)第3争点に関する当事者の主張 争点1(原告商標と被告各標章の類否)について【原告セインの主張】 以下のとおり,被告標章1ないし3は,本件商標と称呼及び観念が同一であり,電気掃除機及び電気掃除機用充電池 する当事者の主張 争点1(原告商標と被告各標章の類否)について【原告セインの主張】 以下のとおり,被告標章1ないし3は,本件商標と称呼及び観念が同一であり,電気掃除機及び電気掃除機用充電池について使用された場合,需要者らにおいて,商品の出所につき誤認混同を生じるおそれが高く,類似性が認められる。 (1) 称呼本件商標は,取引において「スイブルスイーパー」と称呼されるとこ,ろ,被告標章1ないし3からも,同一の称呼が生じる。 (2) 観念本件商標からは「回転する掃除機」との観念が生じるところ,被告標,章1及び2は本件商標の片仮名表記であり,被告標章3は本件商標と同じ欧文字表記であるから,同一の観念が生じる。 【被告の主張】否認する。 争点2(本件商標は,商品の品質の表示にあたり,無効とされるべきものか)について【被告の主張】本件商標は「回転する」を意味する英単語「」と「掃除機」,,SWIVELを意味する英単語「」で構成されているところ「スイーパー」SWEEPER,は,掃除機等の清掃用機器を表す言葉として普通に使用されている。 したがって,本件商標は,指定商品のうち「業務用電気掃除機,家庭用電気掃除機」について使用される場合「回転する掃除機」という商品の品質,を普通に表示するに過ぎないから,商標登録無効審判により無効にされるべきものである。 【原告セインの主張】「」は,日本人には馴染みのない英単語であり,需要者が,本SWIVEL件商標を「回転する掃除機」の意味にとる可能性は低いから,本件商標は, 商品の品質を普通に用いられる方法で表示するものではない。 争点3(被告標章1ないし3は,商品の品質の表示にあたるか)について【被告の主張】被告標章1ないし3は,ヘッド部分が自由に回転する掃除機の品質を 質を普通に用いられる方法で表示するものではない。 争点3(被告標章1ないし3は,商品の品質の表示にあたるか)について【被告の主張】被告標章1ないし3は,ヘッド部分が自由に回転する掃除機の品質を普通に表示するに過ぎないから,本件商標権の効力は及ばない。 【原告セインの主張】,,,被告標章1ないし3は本件商標と同じ態様で使用されており需要者が被告標章1ないし3を品質の表示として受け取ることは考え難い。被告自身も,被告標章1ないし3を商品名として使用している。 したがって,被告標章1ないし3は,商品の品質を普通に表示したものとはいえない。 争点4(原告各商品表示の周知性)について【原告OLMの主張】以下の事情からすれば,原告各商品表示は,平成17年10月には,原告商品の商品表示として,需要者らに広く周知されていたといえる。 (1) 原告商品の特徴原告商品は,ペーパーモップと電気掃除機の長所を兼ね備えた画期的な掃除器具として,需要者らから継続的に高い評価を受けている。 (2) 販売状況原告商品は,テレビショッピング及びインターネットでの通信販売によってのみ販売されているにもかかわらず,平成17年8月の販売開始から平成19年11月までの間に,110万9414台(120億8585万4997円分)が売れた。 しかも,平成17年9月の受注は135件に過ぎなかったところ,周知,,性を獲得した同年10月は4万1184件同年11月は6万0083件同年12月は最多の6万6084件を受注している。 (3) 宣伝広告等の状況,,,原告商品の宣伝広告には情報番組形式で15分ないし60分を使い視聴者に強い印象を与える演出で,1つの商品だけを紹介する「インフォマーシャル」が使用され,平成17年8月の放送開始から平成19年10月までの間に 宣伝広告には情報番組形式で15分ないし60分を使い視聴者に強い印象を与える演出で,1つの商品だけを紹介する「インフォマーシャル」が使用され,平成17年8月の放送開始から平成19年10月までの間に,ほぼ全国で,4万5324回(1万5656.8時間分)。 ,,が放映された特に平成17年10月から平成18年12月までの間は集中的な放映が行われており,1か月の放映時間は500時間を超え,1000時間を超える月もあった。 また,原告商品については,各種雑誌にも多数の宣伝広告がされた。 ,,「」()さらに原告商品は平成18年6月号の日経トレンディ甲23に「話題の商品」として取り上げられ,同年10月4日号の「生活情報,誌読売ファミリー(甲24)にも「読者のお勧め商品」として取り上」,げられている。 【被告の主張】原告各商品表示は,商品の品質を示すものであって,自他識別力を有していないし原告商品と同様の掃除機は被告商品以外にもスイブルスイー,,,「」,。 パーの名称で多数販売されていたから原告各商品表示には周知性がない 争点5(原告各商品表示と被告各標章の類否)について【原告OLMの主張】以下のような,外観の同一性ないし類似性,称呼及び観念の同一性からすれば,被告各標章と原告各商品表示は,取引者及び需要者が時と場所を異にして接した場合,全体的に同一のものとして受け取られるおそれが高く,類似性が認められる。 (1) 被告標章1及び2についてア外観(ア) 原告商品表示1と被告標章1 原告商品表示1は「」と赤色で記載された文字列,SwivelSweeperを,白色を間に挟んで黒色及び灰色で縁取りする構成になっているところ,被告標章1は,原告商品表示1の称呼である「スイブルスイーパー」の片仮名 と赤色で記載された文字列,SwivelSweeperを,白色を間に挟んで黒色及び灰色で縁取りする構成になっているところ,被告標章1は,原告商品表示1の称呼である「スイブルスイーパー」の片仮名文字を,同様の配色で記載したものである。 (イ) 原告商品表示2と被告標章2原告商品表示2は「」と白色で記載された文字列,SwivelSweeperと,その下に白色で描かれた,文字列先頭を上にしてS字カーブを描く流線型モチーフで構成されているところ,被告標章2は,原告商品表示2の称呼である「スイブルスイーパー」の片仮名文字を,上記図形と共に,同様の構成で記載したものである。 (ウ) 原告商品表示3と被告標章1及び2原告商品表示3,被告標章1,被告標章2の文字部分は,いずれも片仮名文字の「スイブルスイーパー」であり,同一又は極めて類似する。 イ称呼原告商品表示1,その片仮名表記である原告商品表示3,原告商品表示2の文字部分は,取引において,いずれも「スイブルスイーパー」と称呼されるところ,被告標章1及び被告標章2の文字部分も,同一の称呼である。 ウ観念原告商品表示1,その片仮名表記である原告商品表示3,原告商品表示2の文字部分は,いずれも「回転する掃除機」との観念を生じさせるところ,被告標章1及び被告標章2の文字部分からも,同一の観念が生じる。 (2) 被告標章3及び4についてア外観 (ア) 原告商品表示1と被告標章3原告商品表示1の外観は上記(1)ア(ア)のとおりであるところ,被告標章3も同一の外観である。 (イ) 原告商品表示2と被告標章4原告商品表示2の外観は上記(1)ア(イ)のとおりであるところ,被告標章4も同一の外観である。 イ称呼原告商品表示1,その片仮名表記である原告商品表示3,原告商品表示2の文字部 示2と被告標章4原告商品表示2の外観は上記(1)ア(イ)のとおりであるところ,被告標章4も同一の外観である。 イ称呼原告商品表示1,その片仮名表記である原告商品表示3,原告商品表示2の文字部分は,取引において,いずれも「スイブルスイーパー」と称呼されるところ,被告標章3及び被告標章4の文字部分も,同一の称呼である。 ウ観念原告商品表示1,その片仮名表記である原告商品表示3,原告商品表示2の文字部分は,いずれも「回転する掃除機」との観念を生じさせるところ,被告標章3及び被告標章4の文字部分からも,同一の観念が生じる。 【被告の主張】否認する。 争点6(誤認混同のおそれ)について【原告OLMの主張】被告各標章は,原告各商品表示と同一の出所を想起させるし,被告標章3及び4を付した被告商品は,原告商品のデッド・コピーである。また,原告商品と被告商品及びその充電池は,共に,インターネットでの通信販売が行われている。 したがって,需要者の誤認混同のおそれは高い。 【被告の主張】 原告商品はテレビでの宣伝広告を通じて販売され,被告商品及びその充電池はインターネットでの宣伝広告を通じて販売されているから,それぞれの需要者層は異なり,誤認混同のおそれは生じていない。 争点7(故意又は過失)について【原告OLMの主張】原告OLMは,平成18年10月以降,被告に対し,被告商品が偽造品である旨の通告を行ってきたが,被告は販売を継続した。 ,,,また被告は原告商品のインフォマーシャルの画像を広告に使用したり被告標章1及び2のみならず被告標章3及び4を使用したり「スイブルス,イーパー」の商標登録出願を行うなど,明らかに原告各商品表示にただ乗りしようとしている。 したがって,被告には故意があるか,少なくとも重大な過失がある。 【被 標章3及び4を使用したり「スイブルス,イーパー」の商標登録出願を行うなど,明らかに原告各商品表示にただ乗りしようとしている。 したがって,被告には故意があるか,少なくとも重大な過失がある。 【被告の主張】被告は,貿易商から被告商品を並行輸入品として扱わないかと勧誘され,販売するようになったものであるし,販売開始当時,被告商品と同様の掃除機は多数市販されており,本件商標は登録されていなかった。 ,,したがって原告OLMから通告を受けた平成18年10月28日までは被告には,不正競争につき故意も過失もない。 争点8(被告各標章は普通名称の使用にあたるか)について【被告の主張】被告は,被告各標章を,ヘッド部分が自由に回転する掃除機の普通名称として使用したに過ぎないから,被告各標章に不正競争防止法2条1項1号は適用されない。 【原告OLMの主張】原告OLMは,原告各商品表示を商品名としてのみ使用しており,商品の普通名称として使用していない。 被告は,原告と全く同じ態様で被告各標章を使用している。 ,,,,したがって被告各標章は商品の普通名称ではないしその使用態様も普通に用いられる方法で使用するものとはいえない。 争点9(原告らの損害)について【原告OLMの主張】(1) 逸失利益被告は,別紙一覧表記載のとおり,平成18年1月から平成20年3月までの間に,被告商品について1億1697万8575円,被告商品の充電池について930万6533円を売り上げ,被告商品について5812万8513円,被告商品の充電池について626万9775円の仕入代金を支払い,輸入諸経費として717万8097円を支払っている。 したがって,被告の限界利益は,売上額合計から仕入額合計と輸入諸経費を控除した5470万8723円となり,これが原告OL 75円の仕入代金を支払い,輸入諸経費として717万8097円を支払っている。 したがって,被告の限界利益は,売上額合計から仕入額合計と輸入諸経費を控除した5470万8723円となり,これが原告OLMの損害と推定される。 (2) 弁護士費用被告の不正競争行為により原告OLMが支払を余儀なくされた弁護士費用は,150万円を下らない。 【原告セインの主張】(1) 損害の発生原告セインは,原告商品の独占的販売権を有しており,日本での独占的,(),販売権を与えた原告OLMに対し原告商品を供給販売しているから被告の本件商標権侵害行為により,原告商品の販売減少による逸失利益相当額の損害を被った。 (2) 損害額ア逸失利益別紙一覧表記載の売上額,仕入額,輸入諸経費に基づき,原告OLM と同様に計算すると,本件商標が登録された平成19年9月21日から平成20年3月までの被告の限界利益は45万7480円であり,これが原告セインの損害と推定される(平成19年9月分については日割計算。 )イ弁護士費用被告の本件商標権侵害行為により原告セインが支払を余儀なくされた弁護士費用は,100万円を下らない。 【被告の主張】(1) 原告セインの損害の不発生原告セインは,原告OLMに本件商標の独占的通常使用権を与え,日本において自ら原告商品を販売していない。 したがって,原告セインは,本件商標を市場で使用しておらず,原告商品の販売減少による逸失利益を観念できない。 (2) 損害額についてア原告らの損害と推定されるのは,被告の純利益と解すべきであり,少なくとも,被告の利益を算定するにあたっては,仕入額及び輸入諸経費に加え,別紙一覧表記載の広告費及び人件費も控除すべきである。 原告らの損害額合計が,被告の上記利益を超えることはない。 イ弁護士 少なくとも,被告の利益を算定するにあたっては,仕入額及び輸入諸経費に加え,別紙一覧表記載の広告費及び人件費も控除すべきである。 原告らの損害額合計が,被告の上記利益を超えることはない。 イ弁護士費用は争う。 第4争点に対する判断 争点1(原告商標と被告各標章の類否)について(1) 本件商標ア外観標準文字の欧文字で,横一列に「」と記載したSWIVELSWEEPERものである。 イ称呼 本件商標については「スイベルスイーパー「スウイベルスウイー,」,パー」との称呼も生じるが(甲3の2,取引においては「スイブル),スイーパー」と称呼されている(甲10の1。 )ウ観念「」「」,「」SWIVELSWEEPERは回転するを意味する英単語でありは「掃除機」を意味する英単語であるが,両者に軽重はなく,対等に結合していると認められる。 したがって,本件商標は,全体として「回転する掃除機」との観念,を生じている。 エ要部本件商標は,2つの英単語「」と「」とが結合SWIVELSWEEPERした商標であるが,両者の間隔は表記上わずかであり,両者が結びついた言葉として表記されているから,全体が要部であると認められる。 (2) 被告各標章ア被告標章1(ア) 外観被告標章1の外観は,別紙被告標章目録記載の被告標章1のとおりであり「スイブルスイーパー」の片仮名太文字を,赤色で横一列に,記載し,白色で縁取りし,さらにその周囲を黒色及び灰色で細く縁取りする構成になっている。 (イ) 称呼被告標章1は「スイブルスイーパー」との称呼を生じる。 ,(ウ) 観念「スイブル」は「回転する」を意味する英単語「」の片SWIVELS仮名表記であり「スイーパー」は「掃除機」を意味する英単語「,の は「スイブルスイーパー」との称呼を生じる。 ,(ウ) 観念「スイブル」は「回転する」を意味する英単語「」の片SWIVELS仮名表記であり「スイーパー」は「掃除機」を意味する英単語「,の片仮名表記であるから被告標章1は全体として回WEEPE」,,,「 転する掃除機」との観念を生じていると認められる。 (エ) 要部被告標章1は「回転する」を意味する英単語「」の片仮,SWIVEL名表記と「掃除機」を意味する英単語「」の片仮名表記,SWEEPERとが結合した標章であるが,1つの言葉として表記され,一気に発音できるから,全体が要部であると認められる。 イ被告標章2(ア) 外観被告標章2の外観は,別紙被告標章目録記載の被告標章2のとおりであり「スイブルスイーパー」の片仮名文字を,白色で横一列に記,載し,その下に,緩やかな曲線で細長く描かれたS字様図形を左に90度回転させて右端部分を扇状に広げた図形を,白色で記載して配置したものである。 (イ) 称呼及び観念被告標章2の要部からは,被告標章1と同様「スイブルスイー,パー」との称呼及び「回転する掃除機」との観念を生じていると認められる。 (ウ) 要部被告標章2は,文字と図形とが組み合わされた結合標章であるが,上記図形は抽象的なモチーフであり,出所識別標識としては機能していないと認められるから,文字部分のみが,被告標章1と同様,全体として要部であると認められる。 ウ被告標章3(ア) 外観被告標章3の外観は,別紙被告標章目録記載の被告標章3のとおりであり「」の欧太文字を,赤色で横一列に記載し,,SwivelSweeper 白色で縁取りし,さらにその周囲を黒色及び灰色で細く縁取りする構成になっている。 (イ) 称呼「」「」,, 「」の欧太文字を,赤色で横一列に記載し,,SwivelSweeper 白色で縁取りし,さらにその周囲を黒色及び灰色で細く縁取りする構成になっている。 (イ) 称呼「」「」,,SwivelSweeperととの間にはわずかに間隔があるものの一気に発音できるため,被告標章3からは「スイブルスイーパー,,」「スイベルスイーパー「スウイベルスウイーパー」などの称呼が」,生じると認められる。 (ウ) 観念「」は「回転する」を意味する英単語であり「」SwivelSweeper,は「掃除機」を意味する英単語であるから,被告標章3は,全体として「回転する掃除機」との観念を生じていると認められる。 ,(エ) 要部被告標章3は,2つの英単語「」と「」とが結合しSwivelSweeperた標章であるが,両者の間隔は表記上わずかであり,両者が結びついた言葉として表記されているから,全体が要部であると認められる。 (3) 類否判断ア被告標章1について被告標章1と本件商標は,称呼及び観念が同一であり,外観も,2つの同じ英単語を欧文字表記するか片仮名表記するかの違いがあるに過ぎず,この違いは同一性の認定を妨げるものではないから,全体として類似していると認められる。 イ被告標章2について,,,被告標章2の要部と本件商標は称呼及び観念が同一であり外観も2つの同じ英単語を欧文字表記するか片仮名表記するかの違いがあるに過ぎず,この違いは同一性の認定を妨げるものではないから,全体として類似していると認められる。 ウ被告標章3について被告標章3と本件商標は,称呼及び観念が同一であり,外観も,被告標章3は,各単語の頭文字のみが大文字,その余は小文字で構成され,本件商標は大文字のみで構成されているとい ウ被告標章3について被告標章3と本件商標は,称呼及び観念が同一であり,外観も,被告標章3は,各単語の頭文字のみが大文字,その余は小文字で構成され,本件商標は大文字のみで構成されているという違いはあるものの,綴りは同じであるから,全体として類似していると認められる。 争点2(本件商標は,商品の品質の表示にあたり,無効とされるべきものか)について被告は,本件商標は「回転する掃除機」という商品の品質を普通に表示,するに過ぎないと主張する。 SWIVELSWEEPしかしながら,日本における英語教育水準からして「,」が「回転する掃除機」との商品の品質表示として認識されるとは認めER,難く,本件商標は,商品の品質を普通に用いられる方法で表示するものとはいえない。 争点3(被告標章1ないし3は,商品の品質の表示にあたるか)について被告は,被告標章1ないし3は,ヘッド部分が自由に回転する掃除機である被告商品の品質を普通に表示するに過ぎないと主張する。 しかしながら,上記2で述べたところに加え,被告が,被告標章1ないし3を被告商品の商品名として使用していることからしても(甲4の1,甲5の1,甲26の1~5,甲27の1~4,甲29の1・2,被告標章1な),。 いし3は商品の品質を普通に用いられる方法で表示するものとはいえない 原告セインの差止及び廃棄請求(本件商標権の侵害)に係るまとめ以上のとおりであるから,被告標章1ないし3は,本件商標権を侵害すると認められるところ,被告は,被告標章1を包装箱に付し,被告標章2を本体に付した電気掃除機を販売するなどし,被告標章1及び3を電気掃除機用充電池に係る広告に使用するなどしているのであるから(前提事実(4) ,)侵害の停止及び侵害の行為を組成した物の廃棄の必要性が認められる。 電気掃除機を販売するなどし,被告標章1及び3を電気掃除機用充電池に係る広告に使用するなどしているのであるから(前提事実(4) ,)侵害の停止及び侵害の行為を組成した物の廃棄の必要性が認められる。 なお,被告が,電気掃除機用充電池のみを販売する際に,被告標章1及び3を本体や包装等に付しているかは,証拠上明らかでないが,電気掃除機用充電池の販売に係る広告に被告標章1及び3を使用していること,充電池が附属している電気掃除機を販売する際に被告標章1及び3を包装箱に付していることからして(前提事実(4) ,電気掃除機用充電池のみの販売につい)ても,被告標章1及び3を使用している可能性は高く,同標章の使用による侵害の停止及び侵害の行為を組成した物の廃棄の必要性が認められる。 争点4(原告各商品表示の周知性)について(1) 原告商品に係る広告宣伝及び販売の状況原告商品の広告宣伝は,主として,全国的に放送されるテレビショッピ(),,ング番組インフォマーシャルで行われていたところその放映状況は平成17年8月は2回1.0時間同年9月は4回1.9時間であっ(),()たものが,同年10月には1423回(658.4時間)と急激に増え,同年11月には3427回(1335.0時間,同年12月には418)5回(1444.8時間)となっており,このときが,回数的にも時間的にもピークである(甲9。 )そして,原告商品及びその充電池の受注台数も,上記放映状況に連動する形で伸びており,平成17年8月は28台,同年9月は135台に過ぎなかったものが,同年10月には4万1184台と急激に増え,同年11月には6万0083台,同年12月には6万6084台に達しており,このときがピークである(甲41。 )(2) 被告商品及びその充電池に ったものが,同年10月には4万1184台と急激に増え,同年11月には6万0083台,同年12月には6万6084台に達しており,このときがピークである(甲41。 )(2) 被告商品及びその充電池に係る広告宣伝及び販売の状況被告は,平成18年1月から「雑貨天国」において,被告商品及びそ,の充電池の販売を開始したものであるが,これらの宣伝広告に関し,同年2月27日時点で「TV通販で大人気!!! 「「テ,」,」,ASSEENONTV。」,「」レビショッピングなどでも話題の人気商品ですTV通販でも話題! などと表示している(甲26の1・3・4。 )そして,被告商品及びその充電池の受注台数は,平成18年1月は56台及び31個であったものが,同年2月には678台及び248個,同年,()3月には5386台及び2511個と急激に増えこのときが売上高額のピークである(乙1。そのため,被告商品は,楽天市場において「パ),ソコン・家電・AV」及び「50代以上」の2ジャンルで,同年1月28,「」,日の人気ナンバーワンアイテムパソコン・家電・AVのジャンルで同年2月1日更新の週間ランキング1位,同月8日更新の週間ランキング2位,同月15日更新の週間ランキング1位,同月22日更新の週間ランキング1位,また,同月9日分総合ランキング3位となっている(甲26の2,甲27の1。 ),,,,,なおこの間被告が行った広告は同年1月26日同年2月23日同年3月2日,同月9日,同月23日に発行された,楽天スーパーポイント明細メールにおける広告,同年2月6日から同月14日,同月17日から同月27日,同年3月3日から同月9日の間に掲載された,楽天市場が行う広告中での広告のみである(乙11。また,これが被告商品及 ント明細メールにおける広告,同年2月6日から同月14日,同月17日から同月27日,同年3月3日から同月9日の間に掲載された,楽天市場が行う広告中での広告のみである(乙11。また,これが被告商品及びそ)の充電池に係るものであるかは明らかでない。 (3) 検討ア上記(1)のとおり,原告商品は,テレビショッピング番組により短期間で集中的に宣伝広告がされ,そのために急激に売上げを伸ばしたものといえる。また,原告商品は,消耗品ではなく,1つの世帯が複数個を購入する種類のものでもないから,上記平成17年10月以降の売上げは,非常に高いものであったと評価できる。 一方,被告商品及びその充電池は,原告商品の販売台数がピークに達した直後に販売が開始されたものであるし,上記(2)のとおり,販売にあたって,テレビショッピング番組で紹介されている人気商品であるこ と,すなわち原告商品と同じもの(原告商品そのもの)であることが謳われ,その知名度が利用されている。 そして,被告商品及びその充電池もまた,販売開始から程なくして急激に売上げを伸ばしているが,この間,特に強力な宣伝活動が行われたわけではなく,原告商品が被告商品及びその充電池の販売開始以前から広く知られていたからこそ,すぐに売上げを伸ばすことができたと考えられる。 これらのことからすれば,原告商品は,強力な宣伝広告によって,その知名度が急速に高まり,被告商品の販売が開始された平成18年1月時点においては「テレビショッピングで話題のスイブルスイーパー」,といえば原告商品のことであると理解されるほどに,需要者に知られていたと認められる。 イもっとも,原告商品に係るテレビショッピング番組は,時間をかけて商品の機能を説明し,その利便性や優位性を強調して,購入意欲をかきたてるものであり,通常のコ ,需要者に知られていたと認められる。 イもっとも,原告商品に係るテレビショッピング番組は,時間をかけて商品の機能を説明し,その利便性や優位性を強調して,購入意欲をかきたてるものであり,通常のコマーシャルのように,わずかな時間で商品の存在をアピールし,多くの同種商品が並ぶ店頭においても当該商品を選択してもらえるよう,商品のパッケージやロゴを強調するものではない。そのため,原告商品表示1や,原告商品に付された原告商品表示2は,上記番組の画面上に映し出されることはあるものの,その文字態様やデザイン自体は,視聴者に印象づけられているとはいえない(甲10の1。 )また「Sweeper」はともかく「」は,日本では馴染みのない,,Swivel英単語であり,上記番組で繰り返される「スイブルスイーパー」という言葉を,視聴者が「」として認識しているかも疑問でSwivelSweeperある。 さらに,雑誌広告においては,原告商品について「スイブルスイー, パー」との片仮名表記がされているだけである(甲11~24。 )ウこれらのことからすれば,原告各商品表示のうち,平成18年1月1日の時点で周知性を獲得しているのは「スイブルスイーパー」との片,仮名表記がされている原告商品表示3のみであると認められる。 争点5(原告各商品表示と被告各標章の類否)について以下のとおり,原告商品表示3と被告各標章とは,いずれも類似していると認められる。 (1) 原告商品表示3ア外観原告商品表示3の外観は,別紙原告標章目録記載の原告商品表示3のとおりであり「スイブルスイーパー」の片仮名太文字を,濃淡をつけ,た灰色で,横一列に記載し,白色で縁取りし,さらにその周囲を黒色で細く縁取りする構成になっている(甲10の2~4。 )イ称呼及び観念ス あり「スイブルスイーパー」の片仮名太文字を,濃淡をつけ,た灰色で,横一列に記載し,白色で縁取りし,さらにその周囲を黒色で細く縁取りする構成になっている(甲10の2~4。 )イ称呼及び観念スイブルスイーパーとの称呼を生じ,被告標章1と同様の理由(前記1(2)ア(ウ))から,回転する掃除機との観念を生じる。 ウ要部被告標章1と同様の理由(前記1(2)ア(エ))から,全体が要部であると認められる。 (2) 被告標章1との類否判断被告標章1の外観,称呼,観念は,前記1(2)ア(ア)ないし(ウ)のとおりであり,原告商品表示3とは,称呼及び観念が同一であり,外観も,配色こそ異なるものの,字体は同一であって,全体として類似しているといえる。 (3) 被告標章2との類否判断被告標章2の外観,称呼,観念は,前記1(2)イ(ア)及び(イ)のとおり であり,原告商品表示3とは,称呼及び観念が同一であり,外観も,文字態様は異なるものの「スイブルスイーパー」の片仮名文字を横一列に記,載している点で一致しており,全体として類似しているといえる。 (4) 被告標章3との類否判断被告標章3の外観,称呼,観念は,前記1(2)ウ(ア)ないし(ウ)のとおりであり,原告商品表示3とは,称呼及び観念が同一であり,外観も,2つの同じ英単語を欧文字表記するか片仮名表記するかの違いがあるに過ぎず,この違いは同一性の認定を妨げるものではないから,全体として類似していると認められる。 (5) 被告標章4との類否判断ア被告標章4(ア) 外観被告標章4の外観は,別紙被告標章目録記載の被告標章4のとおりであり「」の欧太文字を,白色で横一列に記載し,,SwivelSweeperその下に,緩やかな曲線で細長く描かれたS字を左に90度回転させて右端部分を扇状に広げた 目録記載の被告標章4のとおりであり「」の欧太文字を,白色で横一列に記載し,,SwivelSweeperその下に,緩やかな曲線で細長く描かれたS字を左に90度回転させて右端部分を扇状に広げた図形を,白色で記載して配置したものである。 (イ) 称呼及び観念被告標章4の称呼及び観念は被告標章3と同様の理由前記1(2),(ウ(イ)及び(ウ))から「スイブルスイーパー「スイベルスイー,」,パー「スウイベルスウイーパー」などの称呼及び「回転する掃除」,機」との観念を生じると認められる。 (ウ) 要部被告標章4は,被告標章2と同様の理由(上記1(2)イ(ウ)及びウ(エ))から,図形部分は要部でなく,文字部分は全体が要部であると認められる。 イ類否判断,,被告標章4の要部は原告商品表示3と称呼及び観念が同一であるし被告標章3と同様の理由(前記(4))から,外観の違いは同一性の認定を妨げるものではなく,全体として類似していると認められる。 争点6(誤認混同のおそれ)について原告商品と被告商品は,いずれも家庭用品である電気掃除機であり,その需要者は一般消費者である。そして,原告商品は,テレビショッピング番組で紹介されつつも,被告商品及びその充電池と同じくインターネットでの通信販売が行われているし(甲10の16,甲25,テレビショッピング及)びインターネットでの通信販売は,共に一般消費者に広く普及しているといえるから,原告商品と被告商品及びその充電池の需要者層に違いはない。 また,被告各標章は,いずれも,原告商品表示3と同じく「スイブルス,イーパー」と称呼され「回転する掃除機」との観念を生じ,実際に,ヘッ,ド部分が回転する電気掃除機に付されている。 したがって,被告各標章の使用によって,需要者には,商品の出所に じく「スイブルス,イーパー」と称呼され「回転する掃除機」との観念を生じ,実際に,ヘッ,ド部分が回転する電気掃除機に付されている。 したがって,被告各標章の使用によって,需要者には,商品の出所について,誤認混同のおそれが生じると認められる。 争点7(故意又は過失)について上記5で述べたように,被告は,周知性を獲得していた原告商品の知名度,,を利用して被告商品及びその充電池の販売を開始したものと認められるし被告各標章は,配色,字体,緩やかで細長いS字を左に90度回転させて右端部分を扇状に広げた図形の使用などが,原告各商品表示を意識したものとなっている。 したがって,被告は,被告各標章について,周知性を獲得していた原告商品表示3と類似し,誤認混同を生じさせるものであることを,認識していたものと認められる。 なお,被告は,被告商品は並行輸入品であると認識していた旨の主張をす るが,被告商品が真正品の並行輸入品であることを認める証拠は全くなく,,,被告が何らかの調査をした事実も窺われないから輸入品の販売業者として少なくとも過失があったと認められる。 争点8(被告各標章は普通名称の使用にあたるか)について被告は,被告各標章について,商品の普通名称として使用していたに過ぎないから,不正競争防止法2条1項1号は適用されないと主張するが,上記2及び3で述べたのと同じ理由から,採用できない。 原告OLMの差止及び廃棄請求(不正競争防止法違反)に係るまとめ以上のとおりであるから,被告標章1ないし4の使用は,原告OLMの営業上の利益を侵害する不正競争行為であると認められるところ,被告は,被告標章1あるいは3を包装箱に付し,被告標章2あるいは4を本体に付した電気掃除機を販売するなどし,被告標章1及び3を電気掃除機の充電池に係る広 害する不正競争行為であると認められるところ,被告は,被告標章1あるいは3を包装箱に付し,被告標章2あるいは4を本体に付した電気掃除機を販売するなどし,被告標章1及び3を電気掃除機の充電池に係る広告に使用するなどしているから(前提事実(4) ,侵害の停止及び侵害)の行為を組成した物の廃棄の必要性が認められる。 なお,電気掃除機用充電池についても侵害の停止及び侵害の行為を組成した物の廃棄の必要性が認められることは,前記4で述べたとおりである。 争点9(原告らの損害)について(1) 原告OLMの損害ア逸失利益不正競争防止法5条2項にいう「利益の額」とは,純利益ではなく限界利益であると解するのが相当であり,その算定にあたっては,不正競争行為に直接必要な変動経費は控除の対象となるが,当該行為をしなくても発生する費用は控除の対象とすべきではない。 そして,被告商品及びその充電池について,仕入額並びに輸入諸経費が控除の対象となること,その額が別紙一覧表記載の額であることは,当事者間に争いがないが,被告は,これに加え,広告費及び人件費も控 除の対象となると主張するので,以下検討する。 (ア) 広告費について被告は,平成18年1月から平成19年11月までの間に行った広告について,別紙一覧表「広告費」欄記載の金額を超える広告掲載料を支払っている(乙4。上記別紙一覧表の広告費は,被告が楽天株式会社に支払った広告料を,被告商品と他の主力商品の売上割合に応じて算出したものである。 。)しかしながら,この広告掲載料の支払が,被告商品及びその充電池に係るものであることを認めるに足りる証拠はない。むしろ,楽天株式会社発行の平成18年2月16日付ないし平成20年1月18日付被告宛請求明細書(乙11)をみると,広告掲載料の明細が記載されており,こ 係るものであることを認めるに足りる証拠はない。むしろ,楽天株式会社発行の平成18年2月16日付ないし平成20年1月18日付被告宛請求明細書(乙11)をみると,広告掲載料の明細が記載されており,これらのうち「楽天スーパーポイント明細メール(平成【】」18年1月:70万円,同年2月2件:合計60万円,同年3月4件:合計210万円,同年4月2件:70万円,同年5月2件:70万円,同年6月:25万円,同年8月4件:130万円,同年9月3件:105万円,同年10月3件:90万円「15,000ショッ,),【プ突破記念!大感謝セール】上部枠(平成18年2月:70万円,」)「特典付き!春の新作&決算セール】最終処分!決算セール枠(平【」SPEC成18年2月:63万円「GO!GO!楽天イーグルス応援),!激安ダッシュ!安さ爆発応援(平成18年3月:28万円)IAL」,。 は商品の種類に関係なく支出された広告掲載料であると考えられるまた「楽天モバイル特別広告枠(ビューティー「楽天モバイル,)」,ビューティーニュース特別広告」という広告は,商品の種類を限定したものであることが推認されるが(美容関連もしくは清掃用品関連の商品と推測される,そのうち,どの程度を被告商品が占めるかは。)不明である。 したがって,別紙一覧表「広告費」欄記載の広告費は,原告商品及びその充電池に係るものであることを証拠上認めることができず,被告の限界利益を算定するにあたり控除すべき費用とは認められない。 (イ) 人件費について被告の人件費の推移(乙14の1~4)をみても,被告商品及びその充電池の販売期間について,特に人件費が増加した事実は認められない。被告は,全売上額に占める被告商品及びその充電池の売上額の割合に相当する人件費は控除さ (乙14の1~4)をみても,被告商品及びその充電池の販売期間について,特に人件費が増加した事実は認められない。被告は,全売上額に占める被告商品及びその充電池の売上額の割合に相当する人件費は控除されるべきであると主張するが,上記のとおり被告商品及びその充電池の販売に伴って人件費が増加した事実がない以上,相当因果関係がある費用とはいえない。 そして,被告商品及びその充電池の販売に係る被告の作業は,パッケージされた商品の輸入,インターネット上の大手ショッピングサイトを利用した,既設ウェブショップにおける販売,宅配業者を利用しての配送(甲4の4,甲5の4)であり,被告において,部品の箱詰め作業や,販売に係る営業活動,配達業務などを行っていた事実は認められない。また,輸入された商品が被告の下に送付されるのは,毎月0回から3回程度に過ぎないし(乙9の1,販売に係るウェブサ)イトの整備や,取引に際してのメール処理も,コンピュータを利用した定型的な作業であって,被告商品の数量に応じて変動する費用とは認められない。 したがって,本件において被告の主張する人件費は,被告の限界利益を算定するにあたり控除すべき費用とは認められない。 イ逸失利益の計算上記判断を前提にすると,原告OLMが請求している平成18年1月から平成20年3月までの被告の限界利益は,次の①及び②の合計額から③ないし⑤を控除した5470万8723円となり,これが原告OL Mの逸失利益と推定される。 ①被告商品の売上額1億1697万8575円②被告商品の充電池の売上額930万6533円③被告商品の仕入額5812万8513円④被告商品の充電池の仕入額626万9775円⑤輸入諸経費717万8097円ウ弁護士費用本件における審理の経過,審理の内容及び難易度,そ 3円③被告商品の仕入額5812万8513円④被告商品の充電池の仕入額626万9775円⑤輸入諸経費717万8097円ウ弁護士費用本件における審理の経過,審理の内容及び難易度,その他本件における一切の事情を考慮すれば,被告の不法行為と相当因果関係のある弁護士費用は150万円と認める。 (2) 原告セインの損害ア逸失利益被告は,本件商標を使用せず原告商品を販売していない原告セインには,逸失利益は存在しないと主張する。 しかしながら,原告セインは,原告商品の製造元から,原告商品の独占的販売権を与えられ,日本における独占的販売権を与えた原告OLMに対し,現実に原告商品を供給(販売)していると認められる(甲1,)。 ,。 そして原告商品の販売にあたっては本件商標が使用されているしたがって,原告セインは,被告の商標権侵害行為により,原告商品の販売数が減少するという不利益を受ける立場にあるといえるのであって,逸失利益は存在する。 イ逸失利益の計算上記(1)の判断を前提にすると,本件商標の登録日である平成19年9月21日から平成20年3月までの被告の限界利益は,次の①及び②の合計額から③ないし⑤を控除した45万7481円となり,これが原告セインの逸失利益と推定される(いずれも円未満切捨て。 ) ①被告商品の売上額102万3875円9月分6万0744円(18万2232円÷30日×10日)10月以降96万3131円②被告商品の充電池の売上額2160円9月分1万0800円(3万2400円÷30日×10日)10月以降マイナス8640円③被告商品の仕入額50万8779円計算式:5812万8513円(総仕入額)×102万3875円(①)÷1億1697万8575円(総売上額)④被告商品の充電池の仕入額 月以降マイナス8640円③被告商品の仕入額50万8779円計算式:5812万8513円(総仕入額)×102万3875円(①)÷1億1697万8575円(総売上額)④被告商品の充電池の仕入額1455円計算式:626万9775円(総仕入額)×2160円(②)÷930万6533円(総売上額)⑤輸入諸経費5万8320円計算式:717万8097円(総輸入諸経費)×(102万3875円(①)+2160円(②))÷(1億1697万8575円+930万6533円(総売上額))ウ弁護士費用本件における審理の経過,審理の内容及び難易度,その他本件における一切の事情を考慮すれば,被告の不法行為と相当因果関係のある弁護士費用は25万円と認める。 (3) 原告らの損害賠償請求権相互の関係原告らは,それぞれの権利に基づいて,各自,被告に損害賠償を請求しているが,その内容は,いずれも「被告商品及びその充電池の販売によ,り被告の得た利益」という同一の利益である。 そして,被告が,1つしか存在しない利益に相当する額について,二重に支払を行う理由はないから,原告らの損害賠償請求権は,重複する逸失 利益の限度において,連帯債権となる。 原告らの損害賠償請求に係るまとめ(1) 原告セインの請求について上記11(2)のとおり,原告セインの請求は,70万7481円の限度で理由がある(遅延損害金の起算日とされている平成20年2月20日(訴状送達の日の翌日)は,不法行為の後であると認められる。 。)もっとも,原告セインの損害賠償請求権のうち,被告の利益相当額である45万7481円分については,原告OLMの損害賠償請求権と連帯債権の関係に立つ。 (2) 原告OLMの請求について原告OLMは,被告の不正競争行為(不法行為)に基づき,損害賠償とし 相当額である45万7481円分については,原告OLMの損害賠償請求権と連帯債権の関係に立つ。 (2) 原告OLMの請求について原告OLMは,被告の不正競争行為(不法行為)に基づき,損害賠償として5620万8723円を請求しているところ,これは,上記11(1)で認定した損害額を超えないから原告OLMの請求は全て理由がある遅,(延損害金の起算日とされている平成20年2月20日(訴状送達の日の翌日)は,不法行為の後であると認められる。 。)もっとも,原告OLMの損害賠償請求権のうち,被告の利益相当額として原告セインにも損害賠償請求権が認められる45万7481円分については,原告セインの損害賠償請求権と連帯債権の関係に立つ。 ,(,,「」 よって主文のとおり判決するなお主文1項2項及び5項の展示には,インターネット上の展示も含まれる。 。)大阪地方裁判所第26民事部裁判長裁判官山田陽三 裁判官達野ゆき裁判官北岡裕章

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