平成12(行ウ)1 損害賠償請求

裁判年月日・裁判所
平成14年11月21日 新潟地方裁判所
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判決文本文25,826 文字)

平成14年11月21日判決言渡同日原本領収裁判所書記官平成12年(行ウ)第1号損害賠償請求事件(甲事件)平成12年(行ウ)第8号損害賠償請求事件(乙事件)(口頭弁論終結日平成14年9月20日)判決 主文 1 原告の請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は甲事件,乙事件を通じて原告の負担とする。 事実及び理由 第1 当事者の求めた裁判 1 原告の請求(甲事件)(1) 被告は,六日町に対し,金582万7500円及び平成11年12月11日から支払済みに至るまで年5分の割合による金員を支払え。 (2) 訴訟費用は被告の負担とする。 (3) (1)につき仮執行宣言(乙事件)(1) 被告は,六日町に対し,金308万5950円及び平成11年12月11日から支払済みに至るまで年5分の割合による金員を支払え。 (2) 訴訟費用は被告の負担とする。 (3) (1)につき仮執行宣言 2 被告の答弁(甲事件)(1) 原告の請求を棄却する。 (2) 訴訟費用は原告の負担とする。 (乙事件に係る本案前の答弁)(1) 本件訴えを却下する。 (2) 訴訟費用は原告の負担とする。 (乙事件に係る本案の答弁)(1) 原告の請求を棄却する。 (2) 訴訟費用は原告の負担とする。 第2 事案の概要新潟県南魚沼郡六日町(以下「六日町」という。)はAとの間でB小学校屋体棟(以下「本件建物」という。)の解体工事契約(請負代金額764万4000円)を締結したが,工事に着手した後に本件建物にアスベストが使われている可能性のあることが原告からの指摘で判明したため,六日町は,Aに対し,解体工事を中断してアスベスト粉じんの飛散防止のために解体箇所をシートで覆う措置をとらせ,平成11年 建物にアスベストが使われている可能性のあることが原告からの指摘で判明したため,六日町は,Aに対し,解体工事を中断してアスベスト粉じんの飛散防止のために解体箇所をシートで覆う措置をとらせ,平成11年7月1日,同社との間で仮囲い工事及び覆い工事に関する変更契約を増額代金582万7500円で締結し,同年10月20日に仮囲い破損箇所の復旧費用等を内容とする再変更契約を増額代金308万5950円で締結した。 原告は,上記変更契約及び再変更契約は違法であると主張し,六日町町長である被告に対し,地方自治法(平成14年法律第4号による改正前のもの。以下同じ。)242条の2第1項4号前段に基づいてその工事費582万7500円(甲事件)及び308万5950円(乙事件)の損害賠償を求めている(附帯請求は両工事の代金支出後の日である平成11年12月11日から支払済みまで民法所定年5分の割合による遅延損害金)。 1 前提となる事実(以下の事実のうち,証拠等を掲記したもの以外は当事者間に争いのない事実である。)(1) 原告は,六日町の住民であり,被告は,町長である。 (2) 被告は,六日町を代表して,平成11年5月20日,Aとの間で,本件建物の解体撤去工事(以下「本件工事」という。)に係る請負契約を代金764万4000円,完成期限同年6月30日で締結した(以下「本件工事契約」という。)〔請負代金額につき《証拠略》〕。 同工事は,同月31日に開始された。 (3) 原告及び新潟県教育庁の指摘により,本件建物の天井に吹き付けられているロックウールには,アスベスト(石綿)が含まれている可能性があることが判明したため,六日町は,平成11年6月3日,Aに指示し,本件工事を一時中止させた。 (4) 平成11年7月1日,被告は六日町を代表して,Aとの間 アスベスト(石綿)が含まれている可能性があることが判明したため,六日町は,平成11年6月3日,Aに指示し,本件工事を一時中止させた。 (4) 平成11年7月1日,被告は六日町を代表して,Aとの間で,アスベスト粉じんの飛散を防止するための仮囲い工事及び解体部覆い工事により,本件工事契約の代金を582万7500円増額するとともに完成期限を同年10月31日に延長した(以下「本件変更契約」という。)〔《証拠略》〕。 (5) 平成11年7月19日,六日町は,Cとの間で,本件建物のアスベストを除去する工事請負契約を締結した〔《証拠略》〕。 (6) 平成11年10月20日,被告は六日町を代表して,Aとの間で,下記アないしカを理由として本件工事契約の代金を308万5950円増額する旨の契約を締結した(以下「本件再変更契約」という。)〔《証拠略》〕。 ア風雨による仮囲い(プール脇)及び解体部覆い(切断部・その他)の部分復旧費用イ工事中止による待機料(1日分)ウ工事中止時・アスベスト除去前及びアスベスト除去後の重機運搬費用エ解体部覆い部の一部単管パイプ全損費用オ仮囲い(4か月)及び解体部覆い(3か月)の足場損料の追加カアスベスト除去工事で実施した天井仕上材撤去に係る費用の減少(7) 六日町は,Aに対し,本件工事契約に係る代金のほか本件変更契約及び本件再変更契約に係る代金を平成11年12月10日までに支払った〔弁論の全趣旨〕。 (8) 原告は,平成11年10月20日,本件変更契約締結及びそれによる582万7500円の支出は違法ないし不当であると主張し,六日町監査委員に対し,監査請求をした〔《証拠略》〕。これに対し,六日町監査委員は,原告の監査請求を棄却する旨の決定をし,同年12月16日付けでこ 万7500円の支出は違法ないし不当であると主張し,六日町監査委員に対し,監査請求をした〔《証拠略》〕。これに対し,六日町監査委員は,原告の監査請求を棄却する旨の決定をし,同年12月16日付けでこれを原告に通知し,原告は,同月17日にこれを受領した〔《証拠略》〕。 原告は,平成12年1月17日,甲事件に係る訴えを提起した(なお,出訴期間については,監査の結果の通知があった日から30日目に当たる平成12年1月15日は土曜日であるから,行政事件訴訟法7条,民事訴訟法95条3項により,同月17日に満了することになる。)。 (9) また,原告は,平成12年4月14日,本件再変更契約締結及びそれによる308万5950円の支出も違法ないし不当であると主張し,六日町監査委員に対し,監査請求をした〔《証拠略》〕。これに対し,六日町監査委員は,原告の監査請求を棄却する旨の決定をし,同年6月9日付けでこれを原告に通知し,原告は同月10日にこれを受領した〔《証拠略》〕。 原告は,平成12年7月10日,乙事件に係る訴えを提起した(なお,出訴期間については,甲事件と同様,行政事件訴訟法7条,民事訴訟法95条3項により,平成12年7月10日に満了することになる。)。 2 争点及び当事者の主張原告は,本件変更契約及び本件再変更契約の締結は地方自治法2条14号等に違反する違法な契約であると主張し,六日町を代表してこれらの契約を締結した被告に対し,地方自治法242条の2第1項4号前段に基づき,本件変更契約(甲事件)及び本件再変更契約(乙事件)により増額された代金の六日町への支払を求める。 これに対し,被告は,乙事件の訴えは適法な監査請求の前置を欠く違法な訴えであると主張して却下を求め,さらに,本件変更契約及び本件再変更契約の締結には違法は された代金の六日町への支払を求める。 これに対し,被告は,乙事件の訴えは適法な監査請求の前置を欠く違法な訴えであると主張して却下を求め,さらに,本件変更契約及び本件再変更契約の締結には違法はないと主張する。 したがって,本件の争点は,(1) 乙事件に係る訴えが適法な監査請求を経た適法な訴えであるか否か(争点1)(2) 本件変更契約及び本件再変更契約の締結が違法であるか否か(争点2)であり,争点に関する当事者の主張は以下のとおりである。 (1) 争点1(乙事件に係る訴えが適法な監査請求を経た適法な訴えであるか否か)について(被告の主張)原告は乙事件に係る訴えにおいて,本件再変更契約の理由のそれぞれについて支出すべきでない理由を個々に挙げて支出の違法性を主張する。 しかし,原告の監査請求は,ほかの契約と重複しているということを理由としていたのであるから,原告が主張する違法事由について監査委員の判断は行われていない。 したがって,乙事件に係る訴えは監査委員の監査を経ないで行われたものであって,不適法な訴えである。 (原告の主張)監査請求の対象とした行為又は怠る事実と住民訴訟において審理の対象となる行為等との間に同一性があれば適法な監査請求を経た適法な訴えというべきであり,個々の違法事由について監査委員の判断を経たことまでは必要とされていない。 本件ではこのような同一性が認められるから,適法な監査請求の前置を経た適法な訴えである。 (2) 争点2(本件変更契約及び本件再変更契約の締結が違法であるか否か)について(原告の主張)本件工事契約は後記アのとおり違法な契約であり,本件変更契約及び本件再変更契約の締結は,後記イウの各(ア)(イ)のとおり,(ア)本 契約の締結が違法であるか否か)について(原告の主張)本件工事契約は後記アのとおり違法な契約であり,本件変更契約及び本件再変更契約の締結は,後記イウの各(ア)(イ)のとおり,(ア)本件工事契約の違法性を承継し,又は(イ)不必要な工事であって違法である。なお,本件工事契約の違法性については,その違法性を承継することにより本件変更契約及び本件再変更契約が違法になるとの限度で主張するものであり,本件工事契約の締結が違法であることに基づいて本件損害賠償請求をするものではない。 ア本件工事契約の違法性本件建物にはアスベストが使用されていたのであるから,大気汚染防止法,環境基本法,労働安全衛生規則等に従い,アスベストに対する管理を行い,これを除去した上で解体工事を行わなければならなかった。 しかし,被告は,原告や入札関係者からの指摘があったにもかかわらず,本件建物にアスベストが使用されていることを看過して,アスベストに対する管理・除去等を欠く本件工事契約を締結したものである。 地方公共団体は,法令に違反してその事務を処理してはならず,これに違反して行った地方公共団体の行為はこれを無効とするとされている(地方自治法2条16項,17項)から,本件工事契約は違法との評価を免れない。 イ本件変更契約の違法(ア) 前記アのとおり,本件工事契約は違法であるが,本件工事契約を適法に締結していれば本件変更契約は不要であった。 本件変更契約に係る費用は,地方自治法242条1項,243条1項により,被告が償うべきものであり,違法行為の後始末のための契約であるから,本件変更契約は違法である。 (イ) 本件変更契約の内容である仮囲い工事及び解体部覆い工事は,下記のとおり,いずれも本件工事 告が償うべきものであり,違法行為の後始末のための契約であるから,本件変更契約は違法である。 (イ) 本件変更契約の内容である仮囲い工事及び解体部覆い工事は,下記のとおり,いずれも本件工事契約等と重複する不要な工事であり,六日町に不必要な支出をさせるものであるから,①地方公共団体は,その事務を処理するに当たっては,最少の経費で最大の効果を挙げなければならないと規定する地方自治法2条14項,②地方公共団体の経費は,その目的を達成するための必要かつ最少の限度をこえて支出してはならないと定める地方財政法4条2項に反する違法な契約である。 a 仮囲い工事についてシートフェンスの設置は,本件工事の施行に当たって危険防止,騒音防止等の観点から当然行わなければならないものであり,本件工事契約自体に含まれるものである。 b 解体部覆い工事について本件工事契約締結前に本件建物にアスベストが使用されているかどうかの調査を行い,本件工事に着手する前にアスベスト除去工事を済ませておけば不要であった。 また,六日町がCとの間で締結したアスベストを除去する工事請負契約に含まれるもので不要なものである。 ウ本件再変更契約の違法(ア) 前記イ(ア)同様,本件再変更契約に係る費用は,被告が償うべきものであり,違法行為の後始末のための契約であるから,本件再変更契約は違法である。 (イ) 本件再変更契約の内容である仮囲い復旧の工事等は,下記のとおり,いずれも本件工事契約等と重複する不要な工事であり,その費用を六日町が負担するとする本件再変更契約は,前記イ(イ)同様,地方自治法2条14項,地方財政法4条2項に反する違法な契約である。 a 風雨による仮囲い(プール脇)及び解 工事であり,その費用を六日町が負担するとする本件再変更契約は,前記イ(イ)同様,地方自治法2条14項,地方財政法4条2項に反する違法な契約である。 a 風雨による仮囲い(プール脇)及び解体部覆い(切断部及びその他)の部分復旧工事費用,解体部覆い部の一部単管パイプ全損費用,並びに仮囲い及び解体部覆いの足場損料の追加について本件工事の工期が平成11年10月31日までに延長されたのはその間にアスベスト除去工事を行うためであり,本件変更契約の時点で,本件工事は相当期間待機を余儀なくされることや仮囲い等が長期間存置することが見込まれたはずであるから,その期間耐久する資材を使用すべきであり,改めて本件再変更契約により復旧工事や足場損料,単管パイプ全損について六日町が費用を負担をする必要はない。 b 工事中止による待機について本件変更契約による延長後の工期は平成11年10月31日であるから,その期間内にある同年6月3日の待機料は本件変更工事契約の増額代金額に含まれているはずである。 c 工事中止時・アスベスト除去前及びアスベスト除去後の重機運搬に係る費用について本件工事はCが行うアスベスト除去工事の間を縫って行われることは明白であって,これによる重機の搬出入の増加も予想の範囲内であるから再変更契約でその費用を六日町が負担する必要はない。 (被告の主張)ア本件工事契約に違法性がないことについて本件建物は昭和45年3月に完成し,保温・吸音効果の向上を目的として天井に吹き付けロックウール(使用した商品の名称は,「スプレーテックス」であった。)を使用した。 昭和62年7月ころ,本件建物にアスベストが吹き付けられているとの指摘が原告からなされ,同月10 吹き付けロックウール(使用した商品の名称は,「スプレーテックス」であった。)を使用した。 昭和62年7月ころ,本件建物にアスベストが吹き付けられているとの指摘が原告からなされ,同月10日に教室及び体育館において浮遊物の調査を行ったが,同月24日付けの測定結果報告によるとアスベストは含有されていないとのことであった。 また,同月17日,新潟県教育庁財務課長から県内の各市町村教育委員会に宛て公立学校の建物について吹き付けアスベストが使用されているか否かを報告するようにとの依頼があったが,その際に添付された書面によると,「スプレーテックス」は吹き付けアスベストではない旨の記載があった。 このように,被告ら六日町の関係者はいずれも本件建物に使用されていた「スプレーテックス」はアスベストではないと認識していたのであるから,そのような認識を前提として締結された本件工事契約に何ら違法な点はない。 イ本件変更契約及び本件再変更契約に違法性がないことについて本件工事契約を締結し,本件工事に着手した後の平成11年6月2日に新潟県教育庁財務課からの連絡により「スプレーテックス」にアスベストが含まれている可能性があることを知り,アスベスト除去に必要な本件変更契約及び本件再変更契約を締結したものであり,これらに違法性はない。 また,原告の主張するような本件変更契約・本件再変更契約と本件工事契約やCが行ったアスベスト除去工事との間に重複する点はない。 第3 当裁判所の判断 1 争点1(乙事件に係る訴えが適法な監査請求を経た適法な訴えであるか否か)について地方自治法242条の2第1項は,住民訴訟につき,普通地方公共団体の住民が同法242条1項の規定によって監査請求をした場合において,監査委員の監査の結 を経た適法な訴えであるか否か)について地方自治法242条の2第1項は,住民訴訟につき,普通地方公共団体の住民が同法242条1項の規定によって監査請求をした場合において,監査委員の監査の結果に不服があるときに住民訴訟を提起することができるものとし,監査請求を前置すべき旨を定める。 この住民監査請求の制度は,住民訴訟の前置手続として,まず当該普通地方公共団体の監査委員に住民の請求に係る行為又は怠る事実について監査の機会を与え,当該行為又は怠る事実の違法,不当を当該普通地方公共団体の自治的,内部的処理によって予防,是正させることを目的とするものであると解せられ,監査委員は,監査請求の対象とされた行為又は怠る事実につき違法,不当事由が存するか否かを監査するに当たり,住民が主張する事由以外の点にわたって監査することができないとされているものではなく,また,請求内容に拘束されることなく,自由に必要な措置を講ずべきことを勧告できるものと解される。そして,地方自治法242条の2第1項は,「普通地方公共団体の住民は,前条第1項の規定による監査請求をした場合において,・・・裁判所に対し,同条第1項の請求に係る違法な行為又は怠る事実につき,訴えを持って次の各号に掲げる請求をすることができる。」と規定し,住民訴訟は監査請求の対象とした違法な行為又は怠る事実についてこれを提起すべきものとされているのであって,監査の結果の当否を争うものではないから,当該行為又は当該怠る事実について監査請求を経た以上,訴訟において,監査請求の理由として主張した以外の違法事由を主張することは何ら禁止されていないものと解される(最高裁昭和62年2月20日第二小法廷判決・民集41巻1号122頁参照)。 これを本件についてみるに,《証拠略》によると,原告は,監査請求に を主張することは何ら禁止されていないものと解される(最高裁昭和62年2月20日第二小法廷判決・民集41巻1号122頁参照)。 これを本件についてみるに,《証拠略》によると,原告は,監査請求において,「六日町町長Dは,平成11年10月20日,B小学校屋体棟解体撤去工事の建設工事変更契約を請負代金3,085,950円でAと結びました。契約内容について調査した結果,平成11年5月20日にAと結んだ建設工事請負契約書の内容と重複していると思われます。」と記載しており,本件再変更契約の違法ないし不当を問題としていることは明らかである。 そうすると,本件再変更契約について監査請求を経ているのであるから,乙事件に係る訴えが適法な監査請求を経た適法な訴えであることは明らかであり,被告の主張には理由がない。 2 争点2(本件変更契約及び本件再変更契約の締結が違法であるか否か)について(1) 地方自治法242条の2の規定に基づく住民訴訟は,普通地方公共団体の執行機関又は職員による同法242条1項所定の財務会計上の違法な行為又は怠る事実の予防又は是正を裁判所に請求する権能を住民に与え,もって地方財務行政の適正な運営を確保することを目的とするものである。そして,同法242条の2第1項4号の規定に基づく代位請求に係る当該職員に対する損害賠償請求訴訟は,このような住民訴訟の一類型として,財務会計上の行為を行う権限を有する当該職員に対し,職務上の義務に違反する財務会計上の行為による当該職員の個人としての損害賠償義務の履行を求めるものにほかならない。したがって,当該職員の財務会計上の行為をとらえて同号の損害賠償責任を問うことができるのは,たとえこれに先行する原因行為に違法事由が存在する場合であっても,その原因行為を前提としてされた当該職員の行為自体 って,当該職員の財務会計上の行為をとらえて同号の損害賠償責任を問うことができるのは,たとえこれに先行する原因行為に違法事由が存在する場合であっても,その原因行為を前提としてされた当該職員の行為自体が財務会計法規上の義務に違反する違法なものであるときに限られると解するのが相当である(最高裁平成4年12月15日第三小法廷判決・民集46巻9号2753頁参照)。 原告は,本件工事契約が違法であることを前提として,本件工事契約を締結した際に本件建物にアスベストが使用されていることを看過していたことから必要となった本件変更契約及び本件再変更契約は当然に違法となると主張するようである。しかし,上記のとおり,住民訴訟において地方自治法242条の2第1項4号前段に基づいて損害賠償請求を行うことができる根拠は,当該職員に財務会計法規上の義務違反が認められるからであって,本件訴えの成否を検討するに当たっては,原告が違法な契約の締結であると主張している本件変更契約及び本件再変更契約を締結するに当たって,被告に財務会計法規上の義務違反が存在するか否かという観点から検討すべきである。 この点について,原告は,上記の理が妥当するのは先行行為が地方公共団体の長から独立した権限を有する行政委員会のような者によってなされた場合に限られる旨の主張をする。しかし,先行行為がどのような者によって行われたかということは,財務会計法規上いかなる範囲の義務を負うかにかかわるにすぎないというべきであり(例えば,違法な処分を前提とした契約の締結を想定した場合,①契約の締結を行う当該職員に処分を取り消す権限がなければ,財務会計法規上,処分を取り消す義務までは認められず,契約の締結に財務会計法規上の義務違反がないとされるが,②その権限があれば,財務会計法規上,処分を取り消す 該職員に処分を取り消す権限がなければ,財務会計法規上,処分を取り消す義務までは認められず,契約の締結に財務会計法規上の義務違反がないとされるが,②その権限があれば,財務会計法規上,処分を取り消す義務が認められて,契約の締結に財務会計法規上の義務違反があるとされることがあり得る。),当該職員が財務会計行為を行う際に直面する財務会計法規上の義務の違反がないにもかかわらず地方自治法242条の2第1項4号前段による損害賠償義務を負うとすることは,当該職員に財務会計法規上の義務以上の義務を課すものであって相当ではない。 そこで,以下,本件変更契約及び本件再変更契約の締結に当たって,被告に上記のような財務会計法規上の義務違反があるか否かについて検討する。 (2) 前記第2の1記載の事実に証拠(《証拠略》及び以下に記載のもの。)及び弁論の全趣旨を総合すると,以下の事実が認められる。 アアスベストの定義等(《証拠略》)アスベスト(石綿)とは,繊維状の鉱物を綿のようにもみほぐしたものであり,工業的に使われているのは蛇紋岩系のクリソタイル(白石綿),角閃石系のアモサイト(茶石綿),及びクロシドライト(青石綿)である。吹き付けアスベストとは,アスベストへ結合材を一定量混入し,水を加え,壁・天井等の防耐火・吸音性能等を確保するために吹き付け施工されたものである。吹き付けアスベストは,昭和50年の特定化学物質等障害予防規則の改正に伴い,それ以降は施工されていない。昭和50年以前に施工された吹き付けアスベストについては,劣化や損傷のある吹き付けアスベスト層から発生する粉じんによる,建物使用者等の健康及び環境への影響並びに吹き付けアスベスト層の除去等の作業時に発生する粉じんによる施工業者等への健康及び環境への影響が指摘されている。 けアスベスト層から発生する粉じんによる,建物使用者等の健康及び環境への影響並びに吹き付けアスベスト層の除去等の作業時に発生する粉じんによる施工業者等への健康及び環境への影響が指摘されている。 ロックウール(岩綿)とは,珪酸質岩石,玄武岩,石灰石,スラグなどを熱溶解させ,これを繊維化したものであり,吹き付けロックウールとはロックウールへ結合材を一定量混入し,水を加え,壁・天井等の防耐火・吸音性能等を確保するために吹き付け施工されたものである。昭和55年以前に生産された吹き付けロックウールにはアスベストが含有されているものがあった。ただし,アスベストを含有するとされている吹き付けロックウールの商品であっても一部の商品ではアスベストを含有していないケースもあった。 イ本件建物への吹付材について(《証拠略》)本件建物は,昭和45年3月に完成したものであるが,その講堂及び体育館の壁及び天井,並びに控室の天井には,吹き付けロックウール(商品名「スプレーテックス」)が使用されていた。 ウ昭和62年の浮遊調査実施について(《証拠略》)六日町教育委員会は,昭和62年7月ころ,原告からB小学校の校舎及び本件建物の天井にアスベストが吹き付けられているとの指摘を受けたため,Eに依頼し,同月10日に,校舎内の教室及び本件建物内で調査を行った。この調査は,作業環境測定基準(昭和51年労働省告示第46号)に従い,サンプリング(標本採集)を行い,Eにおいて,アスベストの繊維が浮遊しているか否かを測定,分析する方法で行われた。サンプリングは,校舎の2階,3階,4階に位置する教室,本件建物(講堂及び体育館)で行われた。 Eは,採集した標本を測定した結果,いずれからもアスベストが検出されなかった旨を同年7月24日付け プリングは,校舎の2階,3階,4階に位置する教室,本件建物(講堂及び体育館)で行われた。 Eは,採集した標本を測定した結果,いずれからもアスベストが検出されなかった旨を同年7月24日付けで六日町教育委員会に報告した。 エ文部省からの依頼により昭和62年7月に行われた公立学校建物仕上げ調査及び本件建物にアスベストが使用されているかどうかについての六日町の判断について(《証拠略》)新潟県教育庁は,文部省から,昭和51年以前に建設された非木造建物を保有する公立の小学校等を調査対象として,壁,天井の表面仕上げのうち,「吹き付け石綿」が使用されていると判断される室数の調査依頼を受けた。そこで,新潟県教育庁財務課長名の昭和62年7月17日付け「公立学校建物仕上げ調査について(依頼)」と題する書面により,各市町村教育委員会に宛てて,調査方法等を指定して調査依頼がなされた。 上記書面に添付されていた「吹き付け石綿の判定方法」と題する書面では,設計図書を参照し,特記仕様書,矩形図等により吹き付け石綿が使用されているか判断すべき旨が記載されていたが,さらに,「次の製品は吹き付け石綿でないので注意すること」として,「スプレーテックス」が挙げられていた。ここでは,昭和55年以前に製造された吹き付けロックウールにはアスベストが含まれている可能性があるとの注記等はされていなかった。 六日町は,スプレーテックスが吹き付け石綿ではないとの上記記載および前記ウの調査結果から,本件建物に使用されているものがアスベストではないと判断した。 なお,昭和62年7月23日付けの新潟日報は,アスベストが吹き付けられているとの疑いがもたれていた本件建物に使用されていたのはアスベストではなくてロックウールであることが判明した旨の た。 なお,昭和62年7月23日付けの新潟日報は,アスベストが吹き付けられているとの疑いがもたれていた本件建物に使用されていたのはアスベストではなくてロックウールであることが判明した旨の記事を載せ,さらに,「スプレーテックスはFの商品。同社や業界団体のロックウール工業会(東京)によれば,石綿と岩綿は外見や用途が似ているのでよく混同されるが,石綿が天然鉱産物で細い繊維なのに対して,岩綿は工業製品で繊維径も百倍ぐらい太い。このため危険性もはるかに低く,肺癌などの発生例はないという。」と報じた。 その後,①同年11月18日付けで,新潟県教育庁財務課長から六日町教育委員会教育長に宛てて,「アスベスト(石綿)による大気汚染の未然防止等について(通知)」が,②昭和63年7月19日付けで同課長から,同教育長に宛てて,「吹き付けアスベスト(石綿)粉じん飛散防止処理技術に関する参考資料について(通知)」が,それぞれ,文部省,環境庁,労働省等の関係行政機関が作成した関係文書を添付して発出されたが,いずれの文書にもロックウールにアスベストが含まれている可能性を指摘するものはなかった。 オ本件工事契約の締結に至る経過について(《証拠略》)(ア) 六日町では,本件建物を解体することとし,平成11年5月10日に請負工事執行伺が起案された。 同月14日には,B小学校において本件工事に係る現地説明会が実施された。 その際,Gの担当者から,本件建物に使用されている天井吹付材はアスベストではないかとの質問がされたが,現地説明会に立ち会っていた六日町教育委員会学校教育課主任のH主任は,前記エの新聞報道により,本件建物に使用されていたスプレーテックスがロックウールであり,アスベストではないと考えていたため,その旨返答した。H主任は ていた六日町教育委員会学校教育課主任のH主任は,前記エの新聞報道により,本件建物に使用されていたスプレーテックスがロックウールであり,アスベストではないと考えていたため,その旨返答した。H主任は,その日の夕方に,念のため昭和62年当時の資料を確認した。 (イ) 平成11年5月17日に,再び,Gの担当者から,本件建物に使用されているスプレーテックスはアスベストではないのかとの問い合わせがされたが,H主任は,アスベストではなくロックウールであると返答した。 (ウ) 本件工事について,Aほか4社から六日町に対して見積書が提出された。その業者と見積金額は次のとおりであった。①I株式会社,900万円,②A,728万円,③株式会社J,1860万円,④有限会社K,1760万円,⑤G,750万円。いずれの業者も本件建物にはアスベストが使用されていないとの前提でアスベスト粉じんの飛散防止のための措置は講じない内容の見積書を提出していた。 六日町は,平成14年5月20日,見積金額がもっとも低額であったAと本件工事契約を締結した。 (エ) Aの見積の内容は,①体育館・鉄骨造(本体),②体育館・コンクリート造(便所,用具庫),③渡り廊下・コンクリート造,④渡り廊下・木造,⑤中庭倉庫・ブロック造,⑥付帯構造物・国旗掲揚塔,⑦体育館ステージ下倉庫内不要備品の解体撤去であり,工事費698万円,諸経費30万円の合計728万円(消費税を含めて764万4000円)であった。 (オ) 本件工事契約の仕様書では,バリケード等の設置により工事区域を明確にすることされていた。また,Aが六日町町長に提出した特定建設作業実施届出書(騒音規制法14条の規定により届け出るもの)では,騒音防止の方法として,作業部の周囲をシートで囲むとしていた。 域を明確にすることされていた。また,Aが六日町町長に提出した特定建設作業実施届出書(騒音規制法14条の規定により届け出るもの)では,騒音防止の方法として,作業部の周囲をシートで囲むとしていた。 カ本件工事の開始と中止について(《証拠略》)(ア) 本件工事の開始Aは,平成11年5月20日から準備工事を開始し,同月31日から本件工事(解体工事)を開始した。 (イ) 本件工事の中止に至る経緯平成11年6月2日,原告は,本件工事が行われていることを知り,午前10時30分ころにB小学校校長に,午前11時ころには六日町総務課のL課長に対し,本件建物にはアスベストが使用されていることを指摘した。 これに対し,L課長は,本件建物に使用されているのはアスベストではなくロックウールである旨の回答をした。 そこで,原告は,新潟県教育庁に対し,本件建物にはアスベストが使用されていることを指摘したところ,同日午後2時ころ,同庁財務課のM主任がH主任に電話をし,原告から本件建物にアスベストが使用されている指摘があったことを伝え,実態はどうなっているのかを問い合わせた。これに対し,H主任は,昭和62年の文部省調査の調査要項では,本件建物に使用されている「スプレーテックス」はアスベストではなくロックウールであるとされていたことを説明し,M主任は一旦了承した。 しかし,同日午後5時ころ,再び,M主任はH主任に電話をし,昭和55年以前の吹き付けロックウールにはアスベストが含まれている場合もあるので調査を行った方がよい旨の指摘をし,建設省住宅局建築指導課・建設大臣官房官庁営繕部監督課監修に係る「既存建築物の吹付けアスベスト粉じん飛散防止処理技術指針・同解説」の抜粋をファックスで送信した。そ 調査を行った方がよい旨の指摘をし,建設省住宅局建築指導課・建設大臣官房官庁営繕部監督課監修に係る「既存建築物の吹付けアスベスト粉じん飛散防止処理技術指針・同解説」の抜粋をファックスで送信した。そこには,「アスベストを含有する吹付けロックウールの商品名」として,「スプレーテックス」が掲げられていた。 H主任は,M主任からの上記指摘を受け,同日午後5時30分ころから,六日町総務課長等と協議を行い,町長である被告に経過を説明し,対応についての最終的な判断を仰ぐために,翌同月3日の早朝に再協議を行うこととした。 同月3日,午前7時30分から,被告,助役,総務課長らが協議を行い,本件工事を同日から一時中止し,保健所の指示を仰いで対策をとることとした。そこで,同日午前9時ころ,H主任が学校教育課長及び同課長補佐と一緒に六日町保健所へ赴き,経過を説明すると共に,保健所の職員から,スプレーテックスは資料によるとアスベストの含有が疑わしい吹き付け材であり,メーカーに確認をした方がよいこと,アスベストの含有率1パーセントを超えるロックウールは現在ではアスベスト製品として取り扱われていること,アスベストの含有の有無が明らかになるまでの間は粉じん飛散防止のために周囲にフェンスを設置し,解体箇所はシートで覆うようにとの指導を受けた。 そこで,H主任は,Aに対し,即日(平成11年6月3日)工事の中止を命じ,また,本件工事の施工範囲の外周にブルーシートによるフェンスを設置すること(仮囲い工事),解体部をブルーシートで覆い,接合部はガムテープによって目張りすること(覆い工事),これらに係る経費についての見積書を提出することを指示した。Aは,H主任の指示に応じて,仮囲い工事及び覆い工事を実施した。 また,H主任は,スプ ープによって目張りすること(覆い工事),これらに係る経費についての見積書を提出することを指示した。Aは,H主任の指示に応じて,仮囲い工事及び覆い工事を実施した。 また,H主任は,スプレーテックスの製造業者であるN株式会社に問い合わせたところ,昭和50年4月以前に製造されたスプレーテックスにはアスベストが5パーセントから10パーセント程度含まれているとの回答を得た。そして,同社にサンプル検査を依頼した。 このサンプル検査の結果,本件建物の吹き付けロックウールにアスベストであるクリソタイル(白石綿)6パーセントが含有することが判明し,N株式会社から六日町教育委員会に対し,平成11年6月8日付けの書面で報告され,六日町教育委員会は,同月12日にこれを受領した。 キ本件変更契約の締結について(《証拠略》)(ア) Aの見積書の提出等Aは,H主任の指示に従い,仮囲い工事及び覆い工事に係る経費の見積書を提出した。 仮囲い工事に関する費用については,当初の本件工事契約においても任意仮設として施工されているため,H主任は,この任意仮設費を算出して,本件変更契約における仮囲い工事費から控除することとした。そこで,H主任は,財団法人経済調査会発行の「建築施工単価」を参照して,任意仮設費用相当額が約45万9000円であると算出した(高さ3メートル,存置期間3か月のシート張り工事の新潟における単価が1メートルあたり1620円であり,本件の仮囲いは272メートルに渡って施工されたため,1620円×272メートル=44万0640円に,本件工事契約における経費率約4.3%を加えて45万9000円と算出した。)。そして,この計算に基づき,Aと本件変更契約を締結する際に,50万4520円を値引きとして控除 トル=44万0640円に,本件工事契約における経費率約4.3%を加えて45万9000円と算出した。)。そして,この計算に基づき,Aと本件変更契約を締結する際に,50万4520円を値引きとして控除することとした。 また,シートフェンスの設置については,本件変更契約の締結時には必要期間が明確となっていなかったため,足場損料は当面1か月分とし,後に締結される本件再変更契約で清算することとした。 (イ) 本件変更契約の締結平成11年7月1日,被告は六日町を代表して,Aとの間でアスベスト粉じんの飛散を防止するため,下記a及びbを内容とする本件変更契約(増額代金額582万7500円)を締結した。増額代金額は,本件工事契約の直接工事費698万円に下記a及びbの工事金額を加えた直接工事費合計1224万4800円から前記(ア)の50万4520円を値引きし,諸経費108万9720円及び消費税64万1500円を加えた1347万1500円と本件工事契約の請負代金額764万4000円との差額582万7500円である。 本件変更契約では,ある程度の余裕をみて,完成期限を同年10月31日とした。 a 仮囲い工事(工事金額218万3800円)・ブルーシートによる高さ4.5メートルのシートフェンスを設置する。 ・基本的には枠組み足場とし,控柱は単管パイプとする。 b 解体部覆い工事(工事金額308万1000円)・解体部(講堂部分)脇に枠組足場とブルーシートによる高さ4.5メートルのシートフェンスを設置し,上記足場から屋根軒先までを単管パイプ及びブルーシートで覆う。 ・講堂で屋根の残っている部分(中央部間仕切り壁から1スパン)は,単管パイプ及びブルーシート ルのシートフェンスを設置し,上記足場から屋根軒先までを単管パイプ及びブルーシートで覆う。 ・講堂で屋根の残っている部分(中央部間仕切り壁から1スパン)は,単管パイプ及びブルーシートで側面を覆う。 ・屋根陥没部は,単管パイプ及びブルーシートで覆う。 ・基本的には枠組み足場とし,控柱は単管パイプとする。 ・ブルーシートの接合部はガムテープによる目張りを行う。 クアスベスト除去工事契約の締結及び同工事の施工について(《証拠略》)六日町は,平成11年6月19日,Cとの間で,本件建物のアスベスト除去工事に係る工事請負契約を請負代金額4305万円で締結した。 この工事の完成期限は,同年9月15日であり,Cは,見積書に,養生・清掃費(材工共),換気設備費(除塵・負圧・換気),環境測定費,飛散防止剤費,除去作業費,噴霧機材費,消耗品費,廃棄物運搬,諸経費及び作業のための準備工事費を計上していた。また,Cは,足場や仕切面をAが設置したブルーシートを利用して設置することとした。 ケ本件再変更契約の締結(《証拠略》)平成11年10月20日,被告は六日町を代表して,Aとの間で,下記(ア)ないし(カ)を理由とする本件再変更契約(増額代金額308万5950円)を締結した。 (ア) 仮囲い(プール脇)及び解体部覆い(切断部・その他)の復旧工事費用(増加金額91万7000円)アスベスト除去工事の実施により工事期間が延長になったため,風雨により破損した部分の復旧工事費用である。具体的には,同年9月末の強風により,利用していたプール脇の日よけ用屋根の支柱が倒れたため復旧が必要となった。また,梅雨の降雨により,水平部分のブルーシートに次第に水がたまり,その重 事費用である。具体的には,同年9月末の強風により,利用していたプール脇の日よけ用屋根の支柱が倒れたため復旧が必要となった。また,梅雨の降雨により,水平部分のブルーシートに次第に水がたまり,その重さにより単管パイプが破損したためその復旧も必要となった。 (イ) 工事中止による1日分の待機料(増加金額48万7800円)同年6月3日の早朝に本件工事の一時中止を決定したため,既に手配済みであった従業員6名,大工等作業員7名,重機(ユンボ,つかみ,ブレーカ各1台,バケット2台),発電機及び箱ダンプ10トンを基準に算出した待機料。 (ウ) 工事中止時・アスベスト除去前及びアスベスト除去後の重機運搬費用(増加金額20万8000円)搬入・搬出を各1回とする当初契約以外で町の指示により生じた以下の搬入・搬出に係る費用である。 a 同月3日,工事中止命令後に,工事中止期間が長期になるための搬出b 同年8月上旬ころ,アスベスト除去工事着手のために解体済み部材を撤去する際の搬入・搬出c 同年10月初旬ころ,アスベスト除去工事完了後,本件工事再開時の搬入(エ) 解体部覆い部の一部単管パイプ全損費用(増加金額9万8500円)単管パイプがリースであったため,破損した場合には弁償しなければならないところ,一部に破損が生じたため,その相当代金額。 (オ) 仮囲い(4か月)及び解体部覆い(3か月)の足場損料の追加(増加金額91万7400円)本件変更契約では,損料を1か月分としていたため,本件工事完了までの足場損料を追加した。その内訳は,以下のとおり。 a 仮囲い工事に係る足場損料解体工事完了までの4か月分を追加(7月分から10月分) 分としていたため,本件工事完了までの足場損料を追加した。その内訳は,以下のとおり。 a 仮囲い工事に係る足場損料解体工事完了までの4か月分を追加(7月分から10月分)b 解体部覆い工事に係る足場損料アスベスト除去工事完了までの3か月分を追加(7月分から9月分)(カ) アスベスト除去工事で実施した天井仕上材撤去に係る費用の減少(減少金額7万2800円)本件工事契約に含まれていた屋根下の鉄骨の下に貼ってあった天井仕上材をアスベスト除去工事で実施したため,不要になった工事相当額を減額した。 (3) 検討前記(1)に説示したとおり,当該職員の財務会計上の行為をとらえて地方自治法242条の2第1項4号の損害賠償責任を問うことができるのは,当該職員の行為自体が財務会計法規上の義務に違反する違法なものであるときに限られると解するのが相当である。 そこで,本件で被告がどのような財務会計法規上の義務を負うのか,また,本件変更工事契約及び再変更工事契約の締結をしたことが財務会計法規上の義務違反となるか否かを検討する。 ア本件変更契約について(ア) 前記(2)に認定したとおり,本件変更契約は,本件工事が開始した後に本件建物にアスベストが使用されていることが判明したことから,アスベスト粉じんの飛散防止対策として,六日町がAに対し工事の中止と仮囲い工事及び覆い工事を命じたことから発生した増加費用に関する契約であるところ,解体中の建物にアスベストが使用されていることが判明した場合,その飛散防止対策をとることは必要不可欠であるから迅速にAに対する仮囲い工事及び覆い工事を命じたことは適切であったというべきである。 そこで,上記の措置により発生した費 とが判明した場合,その飛散防止対策をとることは必要不可欠であるから迅速にAに対する仮囲い工事及び覆い工事を命じたことは適切であったというべきである。 そこで,上記の措置により発生した費用を六日町が負担することとした本件変更契約を締結することが財務会計法規上の義務に違反しないかどうか検討する。 まず,本件工事契約は,六日町が本件建物にはアスベストが使用されていないという前提で締結したものであるから,私法上,Aが自らの費用と責任でアスベスト粉じんの対策をとる義務を負うということはできない。そうすると,本件のような場合に,被告がAの費用でアスベスト粉じんの対策を行わせる義務を負うものではなく,このような観点から本件変更契約の締結をしてはならないという財務会計法規上の義務を負っていると解することはできない。 次に,原告が主張するように,結果的に本件建物にアスベストが使用されていることを看過して本件工事契約が締結されていることから,被告に自らの費用で仮囲い工事等のアスベスト対策をすべき財務会計法規上の義務があるか否かについて検討する。 a 本件のように,アスベストの存在を看過してアスベストに対する対策を欠く解体工事契約を締結したことによりその後にアスベストに対する対策が必要となった場合に,当初の解体工事契約を締結した職員の費用でその対策をとるべきであるとの財務会計法規上の義務があるとはいい難い。なぜなら,仮に当初からアスベストの存在が明らかであれば,当初の解体工事契約でその対策のための費用が発生するのであるから,後に当該有害物質の存在が判明したことによって必要となった費用の全てが損害ということはできず,当初の解体工事契約をした職員に何らかの落ち度があったとしてもその対策のために必要となる費用の全額 から,後に当該有害物質の存在が判明したことによって必要となった費用の全てが損害ということはできず,当初の解体工事契約をした職員に何らかの落ち度があったとしてもその対策のために必要となる費用の全額を負担する義務を負うものとは認められないこと,アスベストの存在が明らかになった以上,早急にアスベスト粉じんの飛散防止対策をとる必要があり,損害額の確定や当初の契約をした職員に対する請求等をしていると迅速な行政事務処理を阻害することになるから,変更契約を締結する者にアスベストの存在が明らかになった場合に,当初の解体工事契約の締結に何らかの落ち度があり,それによって地方公共団体に損害が発生したような場合に別途損害賠償請求をすべき義務が生じうることは格別,当初の解体工事契約を締結した者にその費用を支出させるべき財務会計上の義務があるということはできないというべきである。そして,損害額を確定し難い等の事情は当初の解体工事契約を締結した者と当該職員が同一である場合でも異なることはないのであるから,そのような場合であっても上記の理が妥当する。 そうすると,本件でも,被告は仮囲い工事及び覆い工事を自らの費用で行わなければならないという財務会計法規上の義務はなく,本件変更契約の締結について財務会計法規上の義務違反はないというべきである。 b また,仮に,原告が主張するように本件工事契約の締結が違法である場合には,本件変更契約も違法になると解することができるとしても,以下のとおり,本件工事契約の締結には違法等が存在しないので,いずれにしても本件変更契約に違法性はないというべきである。 (a) 前記(2)イ,エのとおり,本件建物に使用されていたのは「スプレーテックス」であったが,昭和62年に新潟県教育庁財務課長から各市町村教 件変更契約に違法性はないというべきである。 (a) 前記(2)イ,エのとおり,本件建物に使用されていたのは「スプレーテックス」であったが,昭和62年に新潟県教育庁財務課長から各市町村教育委員会に宛てて発出された文書に添付されていた書面に,本件建物に使用されていた「スプレーテックス」はロックウールであってアスベストではないと記載され,しかも,同文書には,昭和55年以前に製造された吹き付けロックウールにはアスベストが含有されている可能性がある旨の注記等もされていなかったのであるから,六日町としては,その時点で本件建物に使用されていた「スプレーテックス」がアスベストではないと判断することもやむを得ないものである。そして,前記(2)ウのとおり,同年7月ころに実施されたサンプリング調査においても,本件建物内に浮遊するアスベストの存在は検出されなかったことも併せて考えてみると,六日町が本件建物にはアスベストが使用されていないと判断したことは合理的なものであるというべきである。さらに,前記(2)エのとおり,その後,新潟県教育庁財務課長から送付された書類及び添付資料にもロックウールにアスベストが含まれている可能性を指摘するものはなかったのであるから,このような判断をそのまま維持したことにもなんら落ち度はないというべきである。 そして,上記のような判断を前提として,本件工事契約の締結に当たっても,本件建物にはアスベストが使用されていないことを前提としたのであるから,本件工事契約を締結した被告は,財務会計法規上要求される注意義務を果たしたものというべきであり,本件建物にアスベストが使用されていないことを前提として本件工事契約を締結したことが違法な契約の締結になるということはできない。 (b) この点について,原告 たしたものというべきであり,本件建物にアスベストが使用されていないことを前提として本件工事契約を締結したことが違法な契約の締結になるということはできない。 (b) この点について,原告は,本件工事契約の締結に先立って,Gの担当者が本件建物にアスベストが使用されていることを指摘したことなどを主張し,被告は本件建物にアスベストが使用されていることを知り得たのであるから本件工事契約の締結が違法であるなどと主張する。 しかし,前記(2)(オ)に認定したとおり,Gの担当者は本件建物にアスベストが使用されていないのかどうかを確認しただけであり,本件建物にアスベストが使用されていることまでを指摘したものとは認め難い。仮にGの担当者が「スプレーテックス」がアスベストであることを明確に指摘するのであれば,昭和55年以前に製造された吹き付けロックウールにはアスベストが含まれている可能性があることを指摘し,また,その旨の資料等を示すことが考えられるが,そのようなことをしたとの証拠はなく,あくまでも確認の域を出なかったものと考えざるを得ない。そして,H主任においても,前記のとおり,新潟県教育庁から送付された文書やアスベスト浮遊調査の結果を根拠としてアスベストが使用されていないと判断していたものであって,その判断には合理的な根拠があるというべきであるから,それらを覆すような資料等(例えば,「スプレーテックス」はロックウールであるが,昭和50年以前に製造されたものにはアスベストが含まれている旨記載された文献や製造業者の報告等)がない以上,これに応じなかったとしても財務会計法規上の注意義務違反はないというべきである。 また,原告は,本人尋問及び陳述書(《証拠略》)で昭和62年7月に実施されたサンプリング調査の後,本件建 れに応じなかったとしても財務会計法規上の注意義務違反はないというべきである。 また,原告は,本人尋問及び陳述書(《証拠略》)で昭和62年7月に実施されたサンプリング調査の後,本件建物に使用されているのが「スプレーテックス」であることを教えられ,製造会社に確認したところ,昭和50年以前に製造された「スプレーテックス」にはアスベストが含まれていることを知り,その結果を六日町教育委員会の教育長とO学校教育課長に伝えた旨,また,平成9年の夏ころに教育長に「B小学校の天井に吹き付けられている物質が何であるか分析してきますので,私に吹き付けられている物質を100グラムください。」との申し入れをした旨を供述する。原告が昭和62年7月ころ及び本件工事が開始された平成11年6月2日に本件建物にアスベストが使用されている可能性を指摘したことに照らすと,原告が,その間にも本件建物についてアスベストが使用されている可能性を指摘したことは認められるが,「スプレーテックス」にはアスベストが含まれていることを製造会社に問い合わせて確認したことを教育長らに伝えたことについては,①原告自身はっきりしないと供述していること,②原告が平成9年9月22日に教育長に申し入れたときに提出したとする書面には,「スプレーテックス」にアスベストが含まれていることには全くふれられていないこと(《証拠略》)にかんがみると,原告が,「スプレーテックス」にアスベストが含まれていることを具体的に指摘したとは認め難いし,そのような指摘を被告が認識していたことを認めるに足りる証拠もない。 さらに,原告は,六日町教育委員会の教育長がP教育長から引き継がれた際に,本件建物のアスベスト対策をとるべき旨引き継がれたとの主張をするが,教育長事務引継書(《証拠略》)にはその 。 さらに,原告は,六日町教育委員会の教育長がP教育長から引き継がれた際に,本件建物のアスベスト対策をとるべき旨引き継がれたとの主張をするが,教育長事務引継書(《証拠略》)にはそのような記載はなく,この主張も認めることができない。 その他,原告は,六日町がアスベストに関する参考資料を購入していなかったことから必要な注意義務を果たしていないかのような主張をするが,いったん合理的な根拠をもってアスベストが使用されていないと判断したのであるから,それ以上に参考資料等を検索する義務があるとするのは,不必要な調査を強いることとなり,地方公共団体の事務の効率化の観点からも妥当でない。 以上のとおり,本件変更契約を締結するに際し,被告には,Aや被告自らの費用で本件変更契約を締結すべきとの財務会計法規上の義務は認められず,本件変更契約の締結が違法であるということはできない。 (イ) さらに,原告は,本件変更契約の内容をなす仮囲い工事及及び覆い工事は本件工事契約と重複するなど不必要な工事であるから,本件変更契約は地方自治法2条14項等に違反する違法な契約であると主張するので,この点について判断する。 a まず,原告は,シートフェンスの設置は本件工事の施行に当たって危険防止,騒音防止等の観点から当然行わなければならないものであり,本件工事契約自体に含まれるものであるから仮囲い工事は不必要な工事であると主張する。 しかし,前記(2)オ(オ)のとおり,本件工事契約の仕様書には,バリケード等の設置により工事区域を明確にすることとされているにすぎず,本件変更契約で必要とされた仮囲いと同等程度のものを設置することが本件工事契約の内容になっていたと認めることはできない。そして,前記(2)キの 置により工事区域を明確にすることとされているにすぎず,本件変更契約で必要とされた仮囲いと同等程度のものを設置することが本件工事契約の内容になっていたと認めることはできない。そして,前記(2)キのとおり,本件工事契約で予定されていた任意仮設と一部重複することから,仮囲い工事に必要な費用の全額を六日町が負担することは過剰な負担であるとして,Aの見積額から任意仮設費用相当額を減額した上で本件再変更契約を締結しているのであるから,本件の仮囲い工事が不必要な工事であるということはできないし,その費用を六日町が負担することが不必要な費用負担であるということもできない。 b 次に,原告は,本件工事契約締結前に本件建物にアスベストが使用されているかどうかの調査を行い,本件工事に着手する前にアスベスト除去工事を済ませておけば覆い工事は不必要であったと主張する。 しかし,覆い工事は本件建物にアスベストが使用されていることが判明したことにより必要となったものであって,本件工事契約に含まれないことは明らかであるし,本件工事に着手する前にはアスベスト除去工事は行われていないのであるから,覆い工事が不必要であったということはできない。 c さらに,原告は,覆い工事は六日町がCとの間で締結したアスベストを除去する工事請負契約に含まれるものであるから不必要であると主張する。 しかし,アスベスト粉じんの飛散を防止するために緊急に必要となるものであるから,Cのアスベスト除去工事の着手を待つのではなく緊急に行う必要があるし,前記(2)クのとおり,アスベスト除去工事においてもAが設置した仮囲い及び覆いが生かされているのであるから,アスベスト除去工事と重複する不要なものであるということはできない。 イ本件再変更契約について クのとおり,アスベスト除去工事においてもAが設置した仮囲い及び覆いが生かされているのであるから,アスベスト除去工事と重複する不要なものであるということはできない。 イ本件再変更契約について本件再変更契約は,アスベスト除去のために本件工事の工事期間が延長されたことによりAに生じた増加費用を六日町が負担することを内容とする契約であり,具体的には,前記(2)ケの(ア)ないし(カ)の増加・減少費用についての契約である。 本件変更契約において検討したのと同様,被告は,被告自身又はAの費用でアスベスト除去のために要した費用を負担すべき財務会計法規上の義務を負うものではなく,その点で,本件再変更契約に違法はない。 そうすると,アスベスト除去のために本件工事の工事期間が延長されたことにより生じた費用を合理的な範囲内で六日町が負担することもやむを得ないものであるが,原告は,本件再変更契約の内容をなす足場損料の負担等が本件変更契約と重複するなどと主張し,本件再変更契約が違法であると主張するので,以下,検討する。 (ア) 風雨による仮囲い及び覆いの破損復旧工事費用及びその破損に伴う単管パイプ全損費用について原告は,本件変更契約の時点で本件工事が長期間待機を余儀なくされることや仮囲い等が長期間存置することが見込まれたはずであるから,その期間耐久する資材を使用すべきであり,破損部分の復旧のための費用を六日町が負担することは違法であると主張する。 しかし,弁論の全趣旨によると,①復旧を行った箇所の大部分は,解体部の覆いの水平部分であって,通常の建設工事の仮設足場のように躯体に隣接して垂直に設置しているものではなく,しかも,覆いの設置には緊急を要し,応急的に設置したものであったため,結果として雨 は,解体部の覆いの水平部分であって,通常の建設工事の仮設足場のように躯体に隣接して垂直に設置しているものではなく,しかも,覆いの設置には緊急を要し,応急的に設置したものであったため,結果として雨水がたまりやすい形状になってしまったことがやむを得ないと判断されたこと,②復旧箇所は,地上から見えない場所であり通常の管理の範囲を超えていることなどから破損部分の復旧に係る費用を六日町が負担することもやむを得ないと判断したことが認められる。 このような判断は,地方公共団体の長の合理的な裁量に属するといえ,上記のような判断も不合理ということはできない。 また,前記(2)ケ(ア)のとおり,仮囲いの破損は,アスベスト除去工事の実施により工事期間が延長になったために風雨により破損したものであるところ,六日町側の事情で工事期間が延長になったことによる破損であるから,これを六日町が負担するとしたことも不合理ということはできない。 したがって,上記費用を六日町が負担するとした本件再変更契約が違法ということはできない。 (イ) 足場損料の追加について原告は,本件工事の工期が本件変更契約によって平成11年10月31日まで延長されたことにより,足場損料も本件変更契約に含まれるため,本件再変更契約でその追加をする必要はないと主張する。 しかし,前記(2)キ,ケのとおり本件変更契約では,ある程度の余裕をみて工期を平成11年10月31日までとしたものの,シートフェンスの設置については必要期間が明確となっていなかったことから,本件変更契約の段階では,1か月分だけの足場損料を負担することとし,本件再変更契約で最終的な清算をすることとしたのであるから,原告が主張するように足場損料は変更契約に含まれるために本件 たことから,本件変更契約の段階では,1か月分だけの足場損料を負担することとし,本件再変更契約で最終的な清算をすることとしたのであるから,原告が主張するように足場損料は変更契約に含まれるために本件再変更契約でその追加をする必要がないなどということはできない。 (ウ) 工事中止による待機について原告は,平成11年6月3日の待機料は本件変更契約の増額代金額に含まれるはずであるから,待機料を六日町が負担することは違法であると主張する。 この待機料は,前記(2)カ,ケ(イ)のとおり,原告の指摘等により平成11年6月3日の早朝に本件工事の中止が急に決定されたため,同日すでに手配していた労務及び重機等が無駄になったことに伴うものであるが,六日町が急遽本件工事の中止を指示したことにより,Aは当初予定していた工事を行うことができず,手配済みの重機等に係る費用相当額の損害がAに発生するのであるから,その分の費用を六日町が負担することも不合理とはいえず,これを違法ということはできない。 (エ) 重機運搬費用について原告は,本件変更契約によって,本件工事はアスベスト除去工事の間を縫って行われることが明白であり,それに伴う重機の搬出入の増加も予想の範囲内であるから六日町が重機運搬費用を負担することは違法であると主張する。 しかし,前記(2)キのとおり,本件変更契約は,仮囲い工事及び解体部覆い工事による増加費用分のみを対象としていたにすぎず,アスベスト除去工事が行われることによる重機の運搬費用の増加分を想定して本件変更契約を締結しているものとはいえないから,本件変更契約と重複する不必要な契約であるということはできない。そして,本件契約では予定されていなかった作業により費用が増加したのであるから, 定して本件変更契約を締結しているものとはいえないから,本件変更契約と重複する不必要な契約であるということはできない。そして,本件契約では予定されていなかった作業により費用が増加したのであるから,これを六日町が負担するとすることも不合理とはいえない。 したがって,重機運搬費用を六日町が負担することとしたことに違法はないというべきである。 以上のとおり,本件再変更契約にはいずれも違法はないというべきであり,原告の主張を採用することはできない。 第4 結論よって、原告の本件請求は理由がないから、いずれも棄却することとし、訴訟費用の負担について、行政事件訴訟法7条、民事訴訟法61条を適用して主文のとおり判決する。 新潟地方裁判所第2民事部裁判長裁判官犬飼眞二裁判官大野和明裁判官加藤聡

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