1 令和3年11月17日判決言渡令和3年(ネ)第10038号,第10068号 損害賠償請求本訴・請負代金等支払請求反訴控訴事件,同附帯控訴事件(原審・東京地方裁判所平成30年(ワ)第20127号(本訴),令和元年(ワ)第19525号(反訴))口頭弁論終結日 令和3年9月13日判 決控訴人兼附帯被控訴人 株式会社YH-Gカンパニー(以下「1審原告会社」という。)控訴人 X(以下「1審原告X」という。)上記両名訴訟代理人弁護士 鈴木みき井上裕貴被控訴人 株式会社アニバーサリー(以下「1審被告会社」という。)同訴訟代理人弁護士 岡田洋介長 谷 健太郎被控訴人兼附帯控訴人 Y(以下「1審被告Y」という。)同訴訟代理人弁護士 川﨑公司同訴訟復代理人弁護士 大澤 光中野和馬主 文1 1審原告らの控訴に基づき,原判決主文第1 項及び第3項を次のとおり変更する。 ⑴ 1審被告Yは,1審原告会社に対し,12万円及びこれに対する平成292 年11月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 ⑵ 1審被告Yは,1審原告Xに対し,26万円及びうち1万円に対する平成29年11月1日から,うち25万円に対する同月28日から各支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 ⑶ 1審原告会社は,1審被告Yに対し,462万5 し,26万円及びうち1万円に対する平成29年11月1日から,うち25万円に対する同月28日から各支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 ⑶ 1審原告会社は,1審被告Yに対し,462万5674円及びこれに対する令和元年7月30日から支払済みまで年6分の割合による金員を支払え。 ⑷ 1審原告らのその余の請求及び1審被告Yのその余の反訴請求をいずれも棄却する。 2 1審被告Yの附帯控訴を棄却する。 3 訴訟費用は,第1,2審を通じて,これを10分し,その9を1審原告らの負担とし,その余を1審被告らの負担とする。 4 この判決の第1項⑴ないし⑶は,仮に執行することができる。 事実及び理由第1 当事者の求めた裁判1 1 審原告らの控訴の趣旨⑴ 原判決主文第1項及び第3項を次のとおり変更する。 ⑵ 1審被告らは,1審原告会社に対し,連帯して2035万円及びこれに対する平成29年11月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 ⑶ 1審被告らは,1審原告Xに対し,連帯して576万5177円及びこれに対する平成29年11月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 ⑷ 1審被告Yの反訴請求を棄却する。 2 1審被告Yの附帯控訴の趣旨⑴ 原判決主文第3項を次のとおり変更する。 ⑵ 1審原告会社は,1審被告Yに対し,909万0276円及びこれに対す3 る令和元年7月30日から支払済みまで年6分の割合による金員を支払え。 第2 事案の概要(略称は,特に断りのない限り,原判決に従う。)1 事案の要旨本件の本訴は,生命保険の募集に関する業務等を業とする1審原告会社及びその代表者である1審原告Xが,1審被告会社の代表者である1 審被告Y,1審原告会社の元従業員のA(以下「 )1 事案の要旨本件の本訴は,生命保険の募集に関する業務等を業とする1審原告会社及びその代表者である1審原告Xが,1審被告会社の代表者である1 審被告Y,1審原告会社の元従業員のA(以下「A」という。),B(以下「B」という。)及びC(以下「C」という。)が共同で,1審原告Xを脅迫して,1審原告会社と1審被告会社との間で1審原告会社取扱いの保険契約を1審被告会社に移管する合意をさせ,1審原告会社の営業秘密である顧客名簿等のデータを搭載したパソコンを含む1審原告会社の備品及び1審原告Xの所有物を無断で持ち去り,また,1審被告会社が1審原告会社の取引先である保険会社に対し,1審原告会社の信用を毀損する内容の告知を行うなどした行為が,1審原告会社との関係では,営業秘密の不正取得及び営業上の信用毀損の不正競争行為(不正競争防止法(以下「不競法」という。)2条1項4号,5号,21号)及び不法行為に該当し,1審原告Xとの関係では,不法行為に該当する旨主張して,1審原告会社が1審被告らに対し,不競法4条,民法709条,719条に基づき,4235万円の損害賠償金及び遅延損害金の連帯支払を求め,1審原告Xが1審被告らに対し,民法709条,719条に基づき,576万5177円の損害賠償金及び遅延損害金の連帯支払を求める事案である。 また,本件の反訴は,1審被告Yが,1審原告会社に対し,主位的に,1審被告Yと1審原告会社間の保険契約の顧客紹介に係る業務委託契約に基づく未払報酬909万0276円及び遅延損害金の支払を求め,予備的に,同額の不当利得金の返還及び遅延損害金の支払を求める事案である。 原審は,1審原告らの本訴請求をいずれも棄却し,1審被告Yの反訴請求のうち,1審原告会社に対し,未払報酬として571万1449円及びこれに対する令和元年7月 び遅延損害金の支払を求める事案である。 原審は,1審原告らの本訴請求をいずれも棄却し,1審被告Yの反訴請求のうち,1審原告会社に対し,未払報酬として571万1449円及びこれに対する令和元年7月30日から支払済みまで商事法定利率年6分の割合による遅4 延損害金の支払を求める限度で一部認容し,その余の反訴請求をいずれも棄却した。 そこで,1審原告らは,控訴の趣旨の限度で原判決を不服として控訴を提起し,1審被告Yは,附帯控訴の趣旨の限度で原判決を不服として附帯控訴を提起した。 2 前提事実以下のとおり訂正するほか,原判決の「事実及び理由」の第2の1記載のとおりであるから,これを引用する。 ⑴ 原判決5頁20行目から6頁7行目までを次のとおり改める。 「ア 1審原告会社は,平成2年2月16日に設立された,損害保険代理業,生命保険の募集に関する業務等を目的とする株式会社である。 1 審原告Xは,平成29年2月6日,1 審原告会社の代表取締役に就任した。また,1 審原告Xは,平成23年8月15日に設立された,人材育成のための教育研修事業,経営及び営業に関するコンサルティング事業,生命保険の募集に関する業務,損害保険代理業務等を目的とする訴外YHイノベーション株式会社(以下「訴外イノベーション」という。)の代表取締役である(甲1,2)。 イ 1 審被告会社は,平成29年9月20日に設立された,生命保険の募集に関する業務等を目的とする株式会社である。1 審被告会社の設立当時の代表取締役はAであったが,平成30年4月1日,Aが同代表取締役を辞任し,1 審被告Yが同代表取締役に就任した(甲4)。」⑵ 原判決6頁8行目の「オ」を「ウ」と,同頁11行目の「カ」を「エ」と,同頁14行目の「キ」を「オ」と,同頁19行目から2 同代表取締役を辞任し,1 審被告Yが同代表取締役に就任した(甲4)。」⑵ 原判決6頁8行目の「オ」を「ウ」と,同頁11行目の「カ」を「エ」と,同頁14行目の「キ」を「オ」と,同頁19行目から20行目にかけての「D」を「当時の1審原告会社の代表取締役であったD」と,同頁末行の「(本件金銭消費貸借契約)。」を「(以下「本件金銭消費貸借契約」という。)。」と改める。 5 ⑶ 原判決7頁8行目の「貸し付けた」から11行目末尾までを「貸し付けた。」と改め,同頁15行目から末行までを削る。 ⑷ 原判決8頁2行目の「本件事務所内」を「1審原告会社の事務所(以下「本件事務所」という。)内」と,同頁7行目の「本件貸金の返済の関係で,同人の協力を得るべく面会を求め,」を削り,同頁16行目の「原告会社の」から17行目の「傘立て等)」までを「本件事務所内で使用されていた1審原告会社所有の備品(冷蔵庫1台,デスクトップパソコン2台,姿鏡1個,傘立て1個,応接セット1組,移動式引き出し1台,文房具一式)及び1審原告X所有のテレビ及びDVDプレイヤー各1台」と,同頁23行目の「署名押印」を「記名押印」と,同頁25行目の「被告Aは」を「1審被告会社の代表取締役のAは,」と改める。 ⑸ 原判決9頁1行目の「連帯保証人欄の記載」を「連帯保証人欄のA名義の記載部分」と改める。 3 争点⑴ 1審被告らによる不競法2条1項4号及び5号の不正競争行為の成否(争点1-1)⑵ 1審被告会社による不競法2条1項21号の不正競争行為の成否(争点1-2)⑶ 1審被告Y,A及びB(以下,上記3名を併せて「1審被告Yら」という場合がある。)による脅迫等の不法行為の成否(争点2)⑷ 1審原告らの損害額(争点3)⑸ 1審原告会社と1審被告Y間の業務委託 被告Y,A及びB(以下,上記3名を併せて「1審被告Yら」という場合がある。)による脅迫等の不法行為の成否(争点2)⑷ 1審原告らの損害額(争点3)⑸ 1審原告会社と1審被告Y間の業務委託契約の締結の有無等(争点4)(反訴・主位的請求関係)⑹ 1審被告Yの1審原告会社に対する不当利得返還請求権の成否(争点5)(反訴・予備的請求関係)4 争点に関する当事者の主張6 ⑴ 争点1-1(1審被告らによる不競法2条1項4号及び5号の不正競争行為の成否)について次のとおり訂正するほか,原判決の「事実及び理由」の第2の3⑴記載のとおりであるから,これを引用する。 ア 原判決9頁21行目から23行目までを次のとおり改める。 「 1 審被告らは,以下のとおり,1 審原告会社の営業秘密を不正の手段によって取得した。」イ 原判決10頁10行目,15行目及び11頁1行目の各「被告ら」をいずれも「1 審被告Yら」と改める。 ⑵ 争点1-2(1審被告会社による不競法2条1項21号の不正競争行為の成否)について次のとおり原判決を訂正し,当審における1審原告らの補充主張を付加するほか,原判決の「事実及び理由」の第2の3⑵記載のとおりであるから,これを引用する。 ア 原判決の訂正原判決11頁9行目の「被告Aは,」を「Aは,平成29年11月頃,」と,同頁10行目の「記載は,」を「A名義の記載部分は,」と,同頁13行目の「代理署名をした」を「代理署名をし,押印した」と,同頁23行目の「不正競争行為」を「1審被告会社の不正競争行為」と,同頁25行目の「[被告らの主張]」を「[1審被告会社の主張]」と改める。 イ 当審における1審原告らの補充主張本件オートクレジット契約書の連 為」を「1審被告会社の不正競争行為」と,同頁25行目の「[被告らの主張]」を「[1審被告会社の主張]」と改める。 イ 当審における1審原告らの補充主張本件オートクレジット契約書の連帯保証人欄に顕出された印影は,Aの実印によるものであるから,当該印影はAの意思に基づいて顕出されたものと推定される。1審被告会社は,1審原告会社に保管されていたAの実印が無断で使用された旨を主張するが,上記実印が無断で使用されたことを裏付ける客観的な証拠はなく,上記主張は失当である。かえって,Aは,7 本件オートクレジット契約書に添付された同人の実印に係る印鑑登録証明書を自ら取得し,提出している。 そうすると,本件オートクレジット契約書の連帯保証人欄のA名義の記載部分は,Aの意思に基づいて作成されたものであるから,1審被告会社の役員であるAが,オリックス生命に対し,上記記載部分が1審原告Xに偽造されたものである旨告知したことは,虚偽の事実の告知に当たり,これによって1審原告会社の信用が著しく棄損された。 ⑶ 争点2(1審被告Yらによる脅迫等の不法行為の成否)について以下のとおり原判決を訂正するほか,原判決の「事実及び理由」の第2の3⑶記載のとおりであるから,これを引用する。 ア 原判決12頁22行目の「被告ら」を「1審被告Yら」と改める。 イ 原判決13頁3行目及び4行目の各「被告Aら」をいずれも「A及びB」と改め,同頁9行目から11行目までを次のとおり改める。 「(イ) 1審被告Yは,平成29年9月27日から同年11月28日にかけて,1審原告Xに対し,「労基署に連絡した」,「保険会社から委託契約解除の要請が来ている」,「警察に行く」,「保険営業できなくしてやった」,「刑務所の可能性がある」などといった内容 1月28日にかけて,1審原告Xに対し,「労基署に連絡した」,「保険会社から委託契約解除の要請が来ている」,「警察に行く」,「保険営業できなくしてやった」,「刑務所の可能性がある」などといった内容のSNSのメッセージを送信して脅迫した。 また,1審被告Yは,同年9月28日から同年11月6日にかけて,1審原告Xに対し,電話で,「娘も巻き込む」,「家族にも迷惑がかかる」,「保険会社から委託解除したいと言われている」,「業界から抹殺してやる」,「警察に行く」,「金融庁にいう」,「刑事事件にする」などといった発言をして脅迫した。」ウ 原判決13頁20行目の「被告Bら」を「B」と改める。 エ 原判決14頁2行目の「署名押印」を「記名押印」と,同頁5行目の「被告ら」を「1審被告Yら」と改め,同頁7行目末尾に行を改めて次のとおり8 加える。 「ウ Aは,1審被告Yの指示を受け,オリックス生命に対し,本件オートクレジット契約書の連帯保証人欄のA名義の記載部分が1審原告Xによって偽造されたものである旨の虚偽の事実を伝え,1審原告らの信用を棄損した。」オ 原判決14頁8行目の「[被告らの主張]」を「[1審被告Yの主張]」と,同頁9行目の「被告ら」を「1審被告Yら」と,同頁11行目の「原告会社の従業員」を「Bを含む1審原告会社の従業員」と,同頁12行目の「原告Xが」から13行目の「契約して」までを「1審原告XがAに無断で同人を連帯保証人,1審原告会社を「契約者」とするオートクレジット契約を締結して」と改める。 カ 原判決14頁16行目及び18行目の各「被告ら」をいずれも「1審被告Yら」と,同頁24行目及び25行目の各「被告ら」を「A及びB」と改める。 キ 原判決15頁2行目及び3行目の各「被告ら」をいずれも「1審被告Yら」と び18行目の各「被告ら」をいずれも「1審被告Yら」と,同頁24行目及び25行目の各「被告ら」を「A及びB」と改める。 キ 原判決15頁2行目及び3行目の各「被告ら」をいずれも「1審被告Yら」と改める。 ⑷ 争点3(1審原告らの損害額)について[1審原告らの主張]ア 1審原告会社の損害額(ア) 1審原告会社は,1審被告らの不正競争行為及び不法行為によって,以下のとおりの損害を被った。 a 1審被告Yらの不競法2条1項4号及び5号の不正競争行為による財産的損害(1審原告会社が本件顧客情報を利用することができなくなったことによる逸失利益) 500万円b 1審被告会社の不競法2条1項21号の不正競争行為による無形的損害 300万円9 c 1審被告Yらの脅迫等の不法行為による損害(a) 1審原告会社が媒介した保険契約の移管合意の強要に係る損害(上記保険契約によって将来得られるはずであった手数料相当額の逸失利益) 2500万円⒝ 業務妨害,A及びBを含む1審原告会社の従業員の一斉退職による損害 500万円⒞ 1審原告会社所有の備品の無断持ち去りによる損害 50万円d 弁護士費用 185万円(イ) よって,1審原告会社は,不競法4条,民法709条,719条に基づき,1審被告らに対し,前記(ア)の損害額の一部である2035万円(前記(ア)aのうち300万円,bのうち200万円,c(a)のうち1000万円,c(b)のうち300万円,c(c)の50万円,dの185万円の合計額)及びこれに対する不法行為の後である平成29年11月1日から支払済みまで平成29年法律第44号による改正前の民法所定(以下「改正前民法所定」という。)の年5分の割合による遅延損害金の連帯支払を求める。 イ 1審原告Xの損害額( 成29年11月1日から支払済みまで平成29年法律第44号による改正前の民法所定(以下「改正前民法所定」という。)の年5分の割合による遅延損害金の連帯支払を求める。 イ 1審原告Xの損害額(ア) 1審原告Xは,1審被告らの不法行為によって,以下のとおりの損害を被った。 a 1審被告Yらの不法行為によって罹患したうつ病の治療に係る治療費,通院費及び交通費 4万1070円b 1審原告X所有のテレビ及びDVDプレイヤーの持ち去りによる財産的損害 20万円c 1審被告Yらの脅迫行為等による精神的損害(慰謝料)500万円d 弁護士費用 52万4107円10 (イ) よって,1審原告Xは,民法709条,719条に基づき,1審被告らに対し,前記(ア)の損害額の合計576万5177円及びこれに対する不法行為の後である平成29年11月1日から支払済みまで改正前民法所定の年5分の割合による遅延損害金の連帯支払を求める。 [1審被告らの主張]1審原告らの主張は争う。 ⑸ 争点4(1審原告会社と1審被告Y間の業務委託契約の締結の有無等)について(反訴・主位的請求関係)[1審被告Yの主張]ア(ア) 1審被告Yと1審原告会社は,平成29年8月,1審原告会社が1審被告Yに対し保険契約の顧客の紹介業務(以下「本件業務」という場合がある。)を委託し,1審被告Yが紹介及び担当した顧客が1審原告会社を保険代理店とする保険契約を締結した場合,1審原告会社が1審被告Yに対し,その締結月の翌月に,当該保険契約に係る保険会社から1審原告会社に対し支払われる手数料(以下「本件手数料」という場合がある。)及びその消費税相当額の合計額の80%に相当する額の報酬(以下「本件コミッション報酬」という場合がある。)を支払う旨の から1審原告会社に対し支払われる手数料(以下「本件手数料」という場合がある。)及びその消費税相当額の合計額の80%に相当する額の報酬(以下「本件コミッション報酬」という場合がある。)を支払う旨の業務委託契約(以下「本件業務委託契約」という。)を締結した。 (イ) その後,1審原告会社と1審被告Yは,平成29年8月分及び9月分の本件コミッション報酬を本件手数料及びその消費税相当額の合計額の90%に相当する額に変更する旨の合意(以下「本件変更合意⑴」という。)をし,さらに,同年11月分の本件コミッション報酬を本件手数料及びその消費税相当額の合計額の98%に相当する額に変更する旨の合意(以下「本件変更合意⑵」という。)をした。 イ 1審被告Yの平成29年10月分及び11月分の本件業務委託契約(本件変更合意⑵を含む。)に基づく本件コミッション報酬は,以下のとおり,11 合計909万0276円となる。 (ア) 平成29年10月分の本件手数料1審被告Yの紹介した顧客が1審原告会社を保険代理店とする保険契約を締結したことにより,保険会社から1審原告会社に対し支払われた本件手数料の合計額593万2606円(内訳・三井住友海上あいおい生命保険株式会社(以下「三井住友海上あいおい生命」という。)25万円,オリックス生命52万1498円,アクサ生命保険株式会社(以下「アクサ生命」という。)130万円,東京海上日動あんしん生命保険株式会社(以下「東京海上日動あんしん生命」という。)386万1108円)(イ) 平成29年11月分の本件手数料1審被告Yの紹介した顧客が1審原告会社を保険代理店とする保険契約を締結したことにより,保険会社から1審原告会社に対し支払われた本件手数料の合計額374万5752円(内訳・オリックス生命31万 1審被告Yの紹介した顧客が1審原告会社を保険代理店とする保険契約を締結したことにより,保険会社から1審原告会社に対し支払われた本件手数料の合計額374万5752円(内訳・オリックス生命31万2599円,アクサ生命180万円,東京海上日動あんしん生命163万3153円)(ウ) 本件コミッション報酬の額前記(ア)及び(イ)に基づいて,平成29年10月分及び11月分の1審被告Yの本件コミッション報酬を算定すると,909万0276円となる。 (計算式)593万2606円×1.08(うち消費税分0.08)×0. 8+374万5752円×1.08(うち消費税分0.08)×0.98=909万0276円ウ よって,1審被告Yは,本件業務委託契約に基づき,1審原告会社に対し,平成29年10月分及び11月分の本件コミッション報酬として,909万0276円及びこれに対する令和元年7月30日から支払済みまで12 商事法定利率年6分の割合による遅延損害金の支払を求める。 [1審原告会社の主張]以下のとおり訂正するほか,原判決20頁21行目から22頁6行目までに記載のとおりであるから,これを引用する。 ア 原判決20頁21行目を削り,同頁22行目の「(ア)」を「ア(ア)」と改める。 イ 原判決21頁9行目を削り,同頁10行目の「(ア)」を「イ(ア)」と,同頁12行目から13行目にかけての「472万2911円」を「471万2910円」と,同頁14行目の「49万2869円」を「48万2869円」と,同頁15行目の「357万5101円」を「357万5100円」と,同頁22行目から23行目にかけての「538万7118円」を「433万5949円」と,同頁24行目の「472万2911円」を「471万2 15行目の「357万5101円」を「357万5100円」と,同頁22行目から23行目にかけての「538万7118円」を「433万5949円」と,同頁24行目の「472万2911円」を「471万2910円」と,同頁25行目の「434万4590円」を「433万5949円」と改める。 ウ 原判決21頁末行から22頁6行目までを次のとおり改める。 「ウ 1審被告Yが訴外イノベーションとの間の業務委託契約に基づ き訴外イノベーションに対して有する本件業務に係る報酬の額は,平成29年8月分が591万2332円,同年9月分が185万0133円であるところ,訴外イノベーションは,1審被告Yに対し,同年10月26日に650万円,同年11月27日に201万5266円を支払った。 したがって,同年8月分及び9月分の本件業務に係る報酬について75万2801円の過払が生じている(591万2332円+185万0133円-650万円-201万5266円)。 そうすると,仮に1審被告Y主張の1審被告Yと1審原告会社間の本件業務に係る委託契約締結の事実が認められる場合には,上記過払13 報酬75万2801円は,前記イ(イ)の未払報酬433万5949円から控除されるべきであり,その残額は,358万3148円となる。」⑹ 争点5(1審被告Yの1審原告会社に対する不当利得返還請求権の成否)について(反訴・予備的請求関係)原判決の「事実及び理由」の第2の3⑿記載のとおりであるから,これを引用する。 第3 当裁判所の判断1 認定事実以下のとおり訂正するほか,原判決の「事実及び理由」の第3の1記載のとおりであるから,これを引用する。 ⑴ 原判決22頁25行目の「変更して,」の次に「同年9月頃,」を加え,23頁5行目の「弁論の全趣 おり訂正するほか,原判決の「事実及び理由」の第3の1記載のとおりであるから,これを引用する。 ⑴ 原判決22頁25行目の「変更して,」の次に「同年9月頃,」を加え,23頁5行目の「弁論の全趣旨」を「甲1ないし3,弁論の全趣旨」と改める。 ⑵ 原判決23頁25行目の「乙22」を「乙5,22」と改める。 ⑶ 原判決24頁末行の「第2⑶ア」を「第2の1⑶ア」と改める。 ⑷ 原判決25頁15行目の「上記」の次に「の説明」を加え,同頁16行目の「前記のとおり」から18行目末尾までを「当該顧客に係る手数料の一部として合計60万1784円を支払った。」と,同頁25行目の「本件軍資金」を「「軍資金」との名目」と改める。 ⑸ 原判決26頁4行目から5行目までを削り,同頁12行目の「その筆跡は」から21行目末尾までを「同欄は1審原告Xが記載したものであり,また,「携帯電話」の番号として記載されたものは,1審原告Xの使用している携帯電話の番号であった(甲32,乙2,弁論の全趣旨)。」と改める。 ⑹ 原判決27頁8行目から25行目までを「⑸ 1審原告XとAらとの関係悪化」と,同頁末行の「(ア)」を「ア」と,同行の「本件軍資金」を「「軍資金」との名目」と改める。 ⑺ 原判決28頁1行目の「本件貸金」を「本件金銭消費貸借契約」と改め,同14 頁12行目末尾に次のとおり加える。 「その後,Aは,1審原告Xに対する不信感・不満感から1審原告会社を退社しようと決意し,同様に1審原告会社を退社予定のB,C及び1審被告Yと新しい会社を立ち上げようと企図し,同月20日,1審被告会社を設立し,その代表取締役に就任した。」⑻ 原判決28頁13行目冒頭の「(イ)」を「イ」と改め,同頁25行目から29頁16行目までを削る。 ⑼ 原判決2 うと企図し,同月20日,1審被告会社を設立し,その代表取締役に就任した。」⑻ 原判決28頁13行目冒頭の「(イ)」を「イ」と改め,同頁25行目から29頁16行目までを削る。 ⑼ 原判決29頁17行目冒頭に「ウ」を加え,同頁20行目の「取り付け。」を「取り付け,」と,同頁24行目の「返済への協力」を「新しく設立した会社のために資金が必要であるとして,1審原告Xの娘に対し,勤務先から借入れをしてBに対して貸し付けることなど」と改める。 ⑽ 原判決30頁2行目の「出された。」を「出され,1審原告Xの娘は,上記の求めに応じなかった。」と改め,同行目の「甲24」を削り,同頁3行目末尾に行を改めて次のとおり加える。 「⑹ 1審原告Xと1被告Yとの間の事実経過等ア 1審被告Yは,平成29年7月頃,当時取締役を務めていた会社を退社し,同会社に対して負担した約800万円の弁済金が必要な状況にあったところ,1審原告Xから,1審原告会社の委託により1審原告会社を保険代理店とする保険契約の顧客紹介に係る業務(本件業務)を行うことを勧誘され,その申出を受け入れた。その際,1審原告Xは,1審被告Yから,本件業務の委託に係る報酬は保険会社から1審原告会社に支払われた手数料の80%とすること,その支払時期を翌月払とすることを求められ,これを了承した。また,その際,1審被告Yは,1審原告Xから,上記報酬の支払について,訴外イノベーションの口座から振り込むことを求められ,これを了承した。 そして,1審被告Yは,同年8月から,1審原告会社で本件業務を15 開始した(乙ロ9,1審被告Y本人)。 イ(ア) 1審被告Yは,平成29年9月27日頃,同年8月分の本件業務に係る報酬が支払われていなかったことから,1審原告Xに連絡して抗議したが,1審原 開始した(乙ロ9,1審被告Y本人)。 イ(ア) 1審被告Yは,平成29年9月27日頃,同年8月分の本件業務に係る報酬が支払われていなかったことから,1審原告Xに連絡して抗議したが,1審原告Xは,報酬は「翌々月払だと思っていた」などと答えた(乙ロ9)。 1審被告Yは,同年9月27日,1審原告Xに対し,SNSで,「労基は明日連絡して税務署と午後からの家宅捜査入ります」,「詐欺師なので,刑事事件と民事事件…動いてます」,「どちらにしても保険業界では,無理な結論になっていますので・あしからず」などといったメッセージ(甲11)を送信した。 (イ) 1審被告Yは,平成29年9月28日,1審原告Xに対し,再度,同年8月分の本件業務に係る報酬の支払を求めた際,1審原告Xが同年10月末に支払う旨述べたことから,「この業界からさらしてやる」,「保険会社のメンバーも,業務委託解除,この話次第でするっていう話になっている」,「労基に行って警察に行って全部やる」,「あなたより僕の方が影響力あるんで,保険会社に関しては」などと述べ,直ちに報酬を支払うよう求めた(甲19の1)。 その後,1審被告Yは,1審原告会社内で定期的に行われた1審原告XとA及びBとの協議に同席し,1審原告Xに対し,自らへの本件業務に係る報酬の支払やBへの本件金銭消費貸借に係る貸金の返済を求めるなどした(乙21,乙ロ9)。 また,1審被告Yは,同年10月頃から,同年9月20日に設立した1審被告会社の新たな事務所の開設に向けて準備を始めた(甲19の1ないし3,弁論の全趣旨)。 ウ(ア) 1審被告Yは,平成29年10月10日,1審原告Xに電話をし,全保険会社から1審原告会社との委託契約を解除したいと言わ16 れているが,委託解除 19の1ないし3,弁論の全趣旨)。 ウ(ア) 1審被告Yは,平成29年10月10日,1審原告Xに電話をし,全保険会社から1審原告会社との委託契約を解除したいと言わ16 れているが,委託解除になったらまずいので,Bからの貸金を平成30年2月までに支払うよう求めた。 1審被告Yは,平成29年10月13日,1審原告Xに電話をし,「お前は,この業界からいられない,いさせない」,「もう警察行くっていうふうに段取りなっている」,「絶対に業界から抹殺してやる」などと述べたところ,1審原告Xは,「早急にします」などと述べ,1審原告Xが依頼していた弁護士に連絡してから電話をする旨告げて,一旦電話を切った。 1審被告Yは,同日,再度1審原告Xに電話をし,皆が「許さないって決めたんで,金融庁と,あと弁護士か,警察には明日行きます」などと告げたところ,1審原告Xは,「それはしないでください。お願いします。」などと応答した(甲19の3)。 (イ) 1審被告Yは,平成29年10月17日,1審原告Xに電話をし,1審被告Yとの業務委託契約書の作成や報酬の支払について話をした際に,「保険会社が委託解除しようとしている」,「みんな絶対許さないって言ってる」,「損害賠償も決まった」などと述べた。 これに対し,1審原告Xは,1審被告Yが求める月々の支払に応じ,1審被告Yから求められた1審原告会社とソニー損害保険株式会社間の業務委託契約の解除に応じる旨を述べた。 また,1審被告Yは,同日,電話で,1審原告Xに対し,1審原告会社で使用されていた備品等を1審被告会社の事務所に持ち出すことを承諾するよう促した上,持ち出す備品等には付箋を付したので,確認するよう求めた。 その電話の後,1審原告Xは,本件事務所 使用されていた備品等を1審被告会社の事務所に持ち出すことを承諾するよう促した上,持ち出す備品等には付箋を付したので,確認するよう求めた。 その電話の後,1審原告Xは,本件事務所において,1審原告会社の備品等に付箋が貼られていることを目にしたが,持ち出しを了承できないものに貼られていた付箋を全て剥がした(甲14,1917 の3,34,1審原告X本人)。 エ 1審原告Xは,平成29年10月19日,精神科クリニックへの通院を開始し,同月25日には中度ないし重度のうつ病と診断され,投薬治療を受けるようになった(甲13の1ないし3)。 オ(ア) 平成29年10月26日,訴外イノベーションの預金口座から,1審被告Yの預金口座へ650万円が振り込まれた(甲27,乙ロ2)。 (イ) 1審被告Yは,平成29年10月27日,1審原告Xに電話をし,同年9月分の本件業務に係る報酬等の支払を求めた際に,1審原告Xがもし予定どおりの支払ができなかった場合にどうなるのかを尋ねたところ,「一生保険業界いれないんじゃないかなっていうだけじゃなくて,家族に迷惑かかります」,「やばいことが起きる,ほんとに。」,「520だけはマストで用意していただきたい」,「そうしたら,僕が彼らを治めます」などと述べ,上記報酬等の支払を求めた。 1審原告Xは,同年10月30日の昼頃,1審被告Yに電話をし,同日中に約束の振込みができなくなった旨伝えたところ,1審被告Yは,「520万,耳そろえて今日中にそろえろよ」,「やるんだよ,やるしか選択肢ねえんだよ,あなたには」,「お前,娘にも頼んだかよ」,「今から娘んとこ行こうとしてるよ,みんな。お前,口だけで生き延びるのは,もう終わりだから」などと述べた。 1審原告Xは,同日夜,1審被告Yに電話をし,翌日に確実に 」,「お前,娘にも頼んだかよ」,「今から娘んとこ行こうとしてるよ,みんな。お前,口だけで生き延びるのは,もう終わりだから」などと述べた。 1審原告Xは,同日夜,1審被告Yに電話をし,翌日に確実に融資が得られるか分からない旨述べたところ,1審被告Yは,1審原告Xに対し,「明日入金できなかったら,この業界にいなくていいですよね」,「明日の朝…警察に行くから,出頭一緒にしてくれ」,「追い詰められたことないだろ。ここまで。」,「明日の10時までに着金さ18 れない以上,お前はこの業界からいない。…お前の娘も,お客様相談室に言う」などと述べ,翌日の午前10時までに300万円を入金することなどを求めた。1審原告Xは,その電話の際,業務ができなくなるため,1審原告会社の備品等の荷物を持っていかないよう要請した(甲19の3)。 (ウ) 平成29年10月31日,1審被告Yが手配した運送業者が,1審原告会社の備品等を運び出し,1審被告会社の事務所内に搬入した。その際に運び出されたものの中に,1審原告会社所有の備品(冷蔵庫1台,デスクトップパソコン2台(本件パソコンを含む。),姿鏡1個,傘立て1個,応接セット1組,移動式引き出し1台,文房具一式),1審原告X所有のテレビ及びDVDプレイヤー各1台,本件申込書の控えが含まれていた(甲14,34,1審原告X本人,弁論の全趣旨)。 カ(ア) 1審被告Yは,平成29年11月6日,1審原告Xに電話をし,「フジテレビからインタビューのオファーが来てる」,「週刊新潮も来てたんで…インタビュー受けるような感じになりました」,「今回の件で弁護士に色々相談して刑事事件にしたら執行猶予なし…で罪状10個ある」,「懲役10年は確定している」,「法的手続とかみんな出てます」などと述べ,520万円を早急に な感じになりました」,「今回の件で弁護士に色々相談して刑事事件にしたら執行猶予なし…で罪状10個ある」,「懲役10年は確定している」,「法的手続とかみんな出てます」などと述べ,520万円を早急に支払うよう求めた(甲19の3)。 1審被告Yは,同月13日,1審原告Xに対し,SNSで「Bは民事,Aは刑事での訴訟になる手続を明日致します。」というメッセージ(甲11)を送信した。 (イ) 平成29年11月27日,訴外イノベーションの預金口座から,1審被告Yの預金口座へ201万5266円が振り込まれた(甲27,乙ロ2)。 19 (ウ) 1審被告Yは,平成29年11月28日,1審原告Xに対し,SNSで「相当やばいことになるので覚悟しとけよ」,「とりあえず保険営業できなくしてやりましたので報告まで」,「切実な対応しないと還暦まで刑務所の可能性あります」などという内容のメッセージ(甲11)を送信した。」⑾ 原判決30頁5行目の「前記第2の1⑷」を「前記第2の1⑷ウ」と,同頁15行目の「原告X」から16行目末尾までを「1審原告Xは,特に異議を述べることなく,保険会社から届けられた移管合意書に記名押印した。」と改める。 ⑿ 原判決30頁18行目から31頁15行目までを削り,同頁16行目の「⑽」を「⑼」と改め,32頁6行目から14行目までを削る。 2 争点1-1(1審被告らによる不競法2条1項4号及び5号の不正競争行為の成否)について以下のとおり訂正するほか,原判決の「事実及び理由」の第3の2記載のとおりであるから,これを引用する。 ⑴ 原判決32頁20行目冒頭の「ア」を削る。 ⑵ 原判決34頁5行目から10行目までを次のとおり改める。 「 したがって,その余の点について判断するまでもなく, であるから,これを引用する。 ⑴ 原判決32頁20行目冒頭の「ア」を削る。 ⑵ 原判決34頁5行目から10行目までを次のとおり改める。 「 したがって,その余の点について判断するまでもなく,1審原告主張の1審被告らによる不競法2条1項4号及び5号の不正競争行為の事実を認めることはできない。」3 争点1-2(1審被告会社による不競法2条1項21号の不正競争行為の成否)について以下のとおり訂正するほか,原判決の「事実及び理由」の第3の3記載のとおりであるから,これを引用する。 ⑴ 原判決34頁12行目冒頭から15行目の「いわざるを得ない。」までを次のとおり改める。 20 「⑴ 平成28年12月4日付けの本件オートクレジット契約書の連帯保証人欄には「A」名義の署名の横にAの実印による印影(印鑑登録されている印影)が顕出されていることが認められる(甲32,乙2)。 しかしながら,他方で,①上記連帯保証人欄の「A」名義の署名及び住所欄等の記載は,1審原告Xが行ったものであること,②Aの上記実印は,同年12月当時,1審原告会社の本件事務所内で用いる事務機器のリース契約などの業務上必要な契約締結の際にAが連帯保証人となることがあったため,本件事務所内で管理されていたものであること(乙20,分離前被控訴人兼附帯控訴人A本人),③本件オートクレジット契約書に係る契約は,1審原告会社が1審原告Xに使用させる車両本体価格964万1910円の本件外国車を購入することを目的とするクレジット契約であるところ,本件外国車の車両本体価格が高額であること,上記契約が締結された当時,1審原告XのAに対する貸付金債務(総額220万円)の返済が遅滞していたことに照らすと,Aが上記契約に係る1審原告会社の連帯保証人となる 車の車両本体価格が高額であること,上記契約が締結された当時,1審原告XのAに対する貸付金債務(総額220万円)の返済が遅滞していたことに照らすと,Aが上記契約に係る1審原告会社の連帯保証人となることを了承すべき合理的な理由は見当たらないことからすれば,上記印影は,Aの意思に基づいて顕出されたものと推定することはできない。かえって,1審原告XがAに無断で本件オートクレジット契約書の連帯保証人欄にA名義の署名をし,Aの実印を押印したものと認めるのが相当である。」⑵ 原判決34頁22行目の「本件オートクレジット契約書」から35頁2行目の「などからすれば,」までを「前記⑴の認定事実に照らすと,本件オートクレジット契約書の連帯保証人欄について,当初はAが自ら記載したが,再提出となったため,新たに1審原告XがAの了承を得て代筆して作成した旨の」と改める。 ⑶ 原判決35頁8行目から10行目までを次のとおり改める。 「 したがって,1審被告会社の代表取締役であったAによる前記告知行為21 は,1審原告会社の信用を毀損する行為には当たるものとはいえないから,1審原告会社主張の1審被告会社による不競法2条1項21号の不正競争行為の事実を認めることができない。」4 争点2(1審被告Yらによる脅迫等の不法行為の成否)について1審原告らは,①1審被告Yは,平成29年9月25日及び同日以降毎週月曜日及び木曜日に定期的に,1審原告会社の本件事務所内で,A及びBとともに,1審原告Xに対し,威圧的な態度でかつ執拗に,支払期日の到来していないAらに対する給与等の前払をすること,保険契約の締結を媒介した際にAらが1審原告会社から取得するコミッションの率を上げること,1審原告会社が取り扱っている保険契約を1審被告会社に移管すること,1審原告Xを保 する給与等の前払をすること,保険契約の締結を媒介した際にAらが1審原告会社から取得するコミッションの率を上げること,1審原告会社が取り扱っている保険契約を1審被告会社に移管すること,1審原告Xを保険契約者,1審原告会社を受取人とする生命保険に加入することを要求した,②1審被告Yは,同年9月27日から同年11月28日にかけて,1審原告Xに対し,SNS又は電話で,「労基署に連絡した」,「保険会社から委託契約解除の要請が来ている」,「警察に行く」,「保険営業できなくしてやった」,「刑務所の可能性がある」,「娘も巻き込む」,「家族にも迷惑がかかる」,「保険会社から委託解除したいと言われている」,「業界から抹殺してやる」などと述べて脅迫した,③1審原告Xは,1審被告Yらによる連日にわたる執拗な脅迫行為に耐えきれず,同年10月中旬頃,上記内容の生命保険に加入し,また,同月下旬頃には,うつ病と診断され,さらには,上記脅迫行為及びこれに起因する精神疾患の影響から,1審被告Yらに対し逆らうことができない状況に陥り,同月から11月にかけて,順次,保険会社から郵送され,又は保険会社担当者が持参した1審原告会社取扱いの保険契約を1審被告会社に移管する旨の移管合意書に署名押印をした,④1審被告らは,同年10月31日,1審原告らに無断で,1審被告会社の依頼を受けた運送業者をして,1審原告会社の本件事務所内から,1審原告会社の備品(冷蔵庫,応接セット,本件申込書控,本件パソコンなど),1審原告X所有のテレビ及びDVDプレイヤー各1台を運び出させて,これら22 を窃取した,⑤Aは,同年11月頃,1審被告Yの指示を受け,オリックス生命に対し,本件オートクレジット契約書の連帯保証人欄のA名義の記載部分が1審原告Xによって偽造されたものである旨の虚偽の事実を伝え 窃取した,⑤Aは,同年11月頃,1審被告Yの指示を受け,オリックス生命に対し,本件オートクレジット契約書の連帯保証人欄のA名義の記載部分が1審原告Xによって偽造されたものである旨の虚偽の事実を伝え,1審原告らの信用を棄損したなどとして,1審被告Yの上記一連の行為は,1審原告らに対する不法行為を構成する旨主張するので,以下において判断する。 ⑴ ①及び③についてア 1審原告Xの供述及び陳述書(甲34)中には,1審原告Xは,1審被告Yらの脅迫により正常な判断がおよそできない状況下で,1審原告会社が媒介した保険契約に係る移管合意書に押印しなければ,1審被告Yらから更に脅迫され続け,顧客に迷惑がかかることになるため,移管合意書に押印するほか手段がなく,その署名押印を強要された旨の供述部分及び記載部分がある。 しかしながら,前記1⑻認定のとおり,保険契約の移管手続は,保険契約を獲得した担当者が他の保険代理店に移籍する場合に選択される手続であり,これを原則的な取扱いとする保険代理店が存在すること,本件移管合意に基づく移管手続は,1審原告会社の従業員であったA及びBらが退職して,1審被告会社に就職することに伴うものであり,その当否について関係者間で疑問が呈されたことはなく,1審原告Xにおいても,特に異議を述べたことはなく,保険会社から届けられた移管合意書に署名押印したことが認められることに照らすと,1審原告Xの上記供述部分及び記載部分は措信することができない。 他に1審被告Yらが1審原告Xに対し上記移管合意書に署名押印することを強要したとの事実を認めるに足りる証拠はない。 イ また,本件証拠によっても,1審原告Xが1審被告Yらによる連日にわたる執拗な脅迫行為に耐えきれず,平成29年10月中旬頃,1審原告会社を受取人とする生命保 実を認めるに足りる証拠はない。 イ また,本件証拠によっても,1審原告Xが1審被告Yらによる連日にわたる執拗な脅迫行為に耐えきれず,平成29年10月中旬頃,1審原告会社を受取人とする生命保険に加入した事実を認めるに足りない。 23 ⑵ ②についてア 前記1⑹の認定事実によれば,1審被告Yは,平成29年9月27日,同日までに本件業務に係る同年8月分の報酬が支払われなかったことから,同年9月27日以降,1審原告Xに対し,その支払を強く要求するようになったこと,上記要求に当たっては,単に支払を求めるのみならず,同日から同年11月28日までの2か月間にわたり,1審原告Xが保険業界にいられないようにする,保険会社から1審原告会社との業務委託の解除を求められている,絶対に業界から抹殺してやる,1審被告Yらが法的手続を行い,刑務所に行くことになる,1審原告Xの娘のほか家族に迷惑がかかる,マスコミから取材を申し込まれているなどと,電話やSNS等で繰り返し述べていたことが認められる。このような1審被告Yの言動は,1審原告Xを畏怖させるに足りる害悪の告知として脅迫行為に当たるものと認められる。加えて,1審原告Xは,上記脅迫行為が開始された後の同年10月19日,精神科クリニックへの通院を開始し,同月25日には中度ないし重度のうつ病と診断され,投薬治療を受けるようになったことをも考慮すると,1審被告Yの上記言動は,社会的相当性を逸脱した違法な脅迫行為であるというべきであり,1審被告Yが上記報酬の支払を受けていなかったとしても,その権利行使として正当化されるものではない。 したがって,1審被告Yが1審原告Xに対して行った上記脅迫行為は不法行為を構成するものと認めるのが相当である。 イ これに対し1審被告Yは,1審原告 正当化されるものではない。 したがって,1審被告Yが1審原告Xに対して行った上記脅迫行為は不法行為を構成するものと認めるのが相当である。 イ これに対し1審被告Yは,1審原告Xにおいては,使途不明の金員を,1審原告会社の従業員に消費者金融で借りさせてその返済をしないこと,1審原告XがAを無断で連帯保証人として1審原告会社名義で契約して本件外国車を私的に利用していたこと,1審被告Yに対する本件業務に係る報酬の未払があったことなどについての重大な責任があり,これらが発覚した以上,一定の追及を1審被告Yらから受けることは必然であって,一24 定限度では1審原告Xはこれを甘受すべき法的義務があったものというべきであること,1審原告Xの1審原告会社における立場が「代表者」として1審被告Yらよりも上であったことなども勘案すれば,1審被告Yの行為が脅迫等の違法な行為に当たるものと評価することはできない旨主張する。 しかしながら,前記ア認定の1審被告Yの1審原告Xに対する脅迫行為の内容,態様等に照らすと,1審原告Xにこれを甘受すべき法的義務があったものとはいえないから,1審被告Yの上記主張は採用することができない。 ⑶ ④について1審被告Yの供述及び陳述書(乙ロ9)中には,1審被告Yは,1審原告Xに対し,Bらが1審原告会社を退社するに伴い,1審原告会社で使用していた備品の一部を持っていくという話をし,1審原告Xの了承を得て,付箋を貼った備品のみを持ち出した旨の供述部分及び記載部分がある。 しかしながら,前記1⑹ウ(イ),オ(イ)及び(ウ)認定のとおり,1審被告Yは,自らが主導して,本件事務所から1審原告会社の備品(冷蔵庫,応接セット,本件申込書控,本件パソコンなど),1審原告X所有のテレビ及びD 前記1⑹ウ(イ),オ(イ)及び(ウ)認定のとおり,1審被告Yは,自らが主導して,本件事務所から1審原告会社の備品(冷蔵庫,応接セット,本件申込書控,本件パソコンなど),1審原告X所有のテレビ及びDVDプレイヤー各1台を運び出しているところ,1審原告Xは,上記備品等が運び出される前に,上記備品等に貼られた付箋を剥がして持ち出しを拒否する意思を示していること,1審原告Xが,1審被告Yに対し,電話でも荷物を持っていかないように要請していることからすれば,1審原告らが上記備品等の持ち去りを容認していたものとは認め難い。 もっとも,1審原告Xは,上記備品等が持ち去られた後,1審被告らに対し返還を求めるなどの行動に出ていないが,1審原告Xが1審被告Yから前記⑵ア認定の脅迫行為を受けていたことからすれば,上記行動をとることができなかったとしても不自然ではない。 25 そうすると,1審被告Yの上記供述部分及び記載部分は措信することができない。他に1審原告Xが上記備品等を持ち去ることを了承していたことを認めるに足りる証拠はない。 したがって,1審被告Yが上記備品等を持ち去ったことは,1審原告らとの関係で,不法行為を構成するものと認めるのが相当である。 一方,当時,1審被告Yは1審被告会社の代表者ではなかったことからすれば,上記持ち去りについて,1審被告Yと1審被告会社との共同不法行為の成立を認めることはできない。 ⑷ ⑤について前記3で説示したとおり,Aは,平成29年11月頃,オリックス生命に対し,本件オートクレジット契約書の連帯保証人欄のA名義の記載部分が1審原告Xによって偽造されたものである旨述べたことは虚偽の事実の告知に当たらないから,仮に1審被告YがAに対し上記告知をするように指示をしたとしても ジット契約書の連帯保証人欄のA名義の記載部分が1審原告Xによって偽造されたものである旨述べたことは虚偽の事実の告知に当たらないから,仮に1審被告YがAに対し上記告知をするように指示をしたとしても,そのことは,1審原告会社との関係で,不法行為を構成するものではない。 ⑸ まとめ以上によれば,1審原告らの前記主張は,②及び④に係る1審被告Yの行為が不法行為を構成するという限度で理由がある。 5 争点3(1審原告らの損害額)について⑴ 1審原告会社の損害額ア 1審原告会社は,1審被告Yの1審原告会社所有の備品の無断持ち去りの不法行為によって50万円の損害を被った旨主張する。 そこで検討するに,1審被告Yが持ち去った1審原告会社の備品は,冷蔵庫1台,デスクトップパソコン2台,姿鏡1個,傘立て1個,応接セット1組,移動式引き出し1台及び文房具一式であるところ(前記1⑹オ(ウ)),証拠(甲14,34)及び弁論の全趣旨によれば,上記備品の時価相当額は26 合計10万円と認められる。 したがって,1審被告Yの上記不法行為による1審原告会社の損害額は,10万円と認めるのが相当である。 イ 次に,本件事案の性質・内容,本件の認容額,原審及び当審の審理経過等諸般の事情を斟酌すると,1審被告Yの不法行為と相当因果関係のある弁護士費用相当額の1審原告会社の損害額は,2万円と認めるのが相当である。 ⑵ 1審原告Xの損害額ア 1審原告Xは,①1審被告Yの脅迫等の不法行為によってうつ病に罹患し,その治療に係る治療費,通院費及び交通費として4万1070円及び精神的損害(慰謝料)として500万円の損害を被り,②1審被告Yの1審原告X所有の備品の無断持ち去りの不法行為によって20万円の損害を被った旨主張する 療費,通院費及び交通費として4万1070円及び精神的損害(慰謝料)として500万円の損害を被り,②1審被告Yの1審原告X所有の備品の無断持ち去りの不法行為によって20万円の損害を被った旨主張する。 (ア) ①についてa 1審原告Xに係る医師E作成の平成29年10月25日付け診断書(甲13の1)には,「病名 うつ病」,「中度~重度の病状であり,平成29年10月19日より通院加療を継続中である。通常の勤務をするのは困難な状態であり,軽快まで2~3ヶ月を要する。」との記載がある。 しかしながら,他方で,上記診断書には,1審原告Xがうつ病を発症した時期及びその原因についての記載はないこと,当時,1審原告XがA,Bらの1審原告会社からの退職などをめぐり様々な問題を抱えていたことに照らすと,上記診断書から直ちに,1審原告Xがうつ病を発症したことと1審被告Yの前記脅迫行為との間に相当因果関係があるものと認めることはできない。他にこれを認めるに足りる証拠はない。 27 そうすると,1審原告X主張のうつ病の治療に係る治療費,通院費及び交通費(4万1070円)は,1審被告Yの不法行為によって被った損害と認めることはできない。 b 前記4⑵アの1審被告Yの1審原告Xに対する脅迫行為の内容及び態様,その脅迫期間が2か月に及ぶこと,上記脅迫行為の内容のうち,全ての保険会社が1審原告会社との業務委託の解除を求めた事実や,1審被告Yらが警察に相談した事実は存在しなかったこと(1審被告Y本人),その他本件に現れた諸般の事情に鑑みると,1審被告Yの脅迫行為により1審原告Xが受けた精神的苦痛に対する慰謝料は,20万円と認めるのが相当である。 (イ) ②について1審被告Yが持ち去った1審原告X所有の備品は,テレビ及びDVDプレイヤー各1 為により1審原告Xが受けた精神的苦痛に対する慰謝料は,20万円と認めるのが相当である。 (イ) ②について1審被告Yが持ち去った1審原告X所有の備品は,テレビ及びDVDプレイヤー各1台であるところ(前記1⑹オ(ウ)),証拠(甲14,34)及び弁論の全趣旨によれば,上記備品の時価相当額は合計1万円と認められる。 したがって,1審被告Yの上記不法行為による1審原告Xの損害額は,1万円と認めるのが相当である。 イ 次に,本件事案の性質・内容,本件の認容額,原審及び当審の審理経過等諸般の事情を斟酌すると,1審被告Yの不法行為と相当因果関係のある弁護士費用相当額の1審原告Xの損害額は,5万円と認めるのが相当である。 ⑶ 小括以上によれば,1審原告会社は,1審被告Yに対し,不法行為に基づく損害賠償として12万円(前記⑴の合計額)及びこれに対する不法行為の後である平成29年11月1日から支払済みまで改正前民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を,1審原告Xは,1審被告Yに対し,不法行為に基づく損害賠償として26万円及びうち1万円に対する不法行為(1審原告28 X所有物の無断持ち去り行為)の後である同日から,うち25万円に対する不法行為(1審被告Yの一連の脅迫行為)の終了日である同月28日から各支払済みまで改正前民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求めることができる。 6 争点4(1審原告会社と1審被告Y間の業務委託契約の締結の有無等)について(反訴・主位的請求関係)以下のとおり訂正するほか,原判決の「事実及び理由」の第3の8記載のとおりであるから,これを引用する。 ⑴ 原判決40頁22行目から43頁末行までを次のとおり改める。 「⑴ 前記1⑹アの認定事実によれば,1審 か,原判決の「事実及び理由」の第3の8記載のとおりであるから,これを引用する。 ⑴ 原判決40頁22行目から43頁末行までを次のとおり改める。 「⑴ 前記1⑹アの認定事実によれば,1審被告Yと1審原告会社は,平成29年8月,1審原告会社が1審被告Yに対し保険契約の顧客の紹介業務(本件業務)を委託し,1審被告Yが紹介及び担当した顧客が1審原告会社を保険代理店として保険契約を締結した場合,1審原告会社が1審被告Yに対し,その締結月の翌月に,当該保険契約に係る保険会社から1審原告会社に対し支払われる手数料(本件手数料)の80%に相当する金額の報酬を支払う旨の合意(以下「本件業務に係る契約」という。)をしたことが認められる。 この点に関し1審被告Yは,1審被告Yと1審原告会社は,同月,1審被告Yが紹介及び担当した顧客が1審原告会社を保険代理店とする保険契約を締結した場合,1審原告会社が1審被告Yに対し,その締結月の翌月に,本件手数料及びその消費税相当額の合計額の80%に相当する額の報酬(本件コミッション報酬)を支払う旨の本件業務委託契約を締結した旨主張し,上記報酬算定の基礎となる金額が本件手数料及びその消費税相当額の合計額とする合意をしたことの立証として,保険会社から1審原告会社に支払われる手数料に係る書面(乙ロ5)を証拠として提出する。 29 しかしながら,乙ロ5は,保険会社が課税事業者である1審原告会社に対し保険手数料と共にその消費税を支払っていることを示したものにすぎず,乙ロ5から1審原告会社と1審被告Yが上記合意をしたことを認めることはできない。他にこれを認めるに足りる証拠はない。 そうすると,1審原告会社と1審被告Yとの間で,1審被告Yが主張する報酬の定めのある本件業務委託契約が成立したものと ことを認めることはできない。他にこれを認めるに足りる証拠はない。 そうすると,1審原告会社と1審被告Yとの間で,1審被告Yが主張する報酬の定めのある本件業務委託契約が成立したものと認めることはできないが,本件審理の経過に鑑みると,1審被告Yは,上記認定の本件業務に係る契約についても黙示的に主張しているものと解される。 ⑵ 次に,1審被告Yは,1審原告会社と1審被告Yとの間で,平成29年8月分及び同年9月分の本件業務に係る報酬を本件手数料及びその消費税相当額の合計額の90%に相当する額に変更する旨の合意(本件変更合意⑴)をし,さらに,同年11月分の本件業務に係る報酬を本件手数料及びその消費税相当額の合計額の98%に相当する額に変更する旨の合意(本件変更合意⑵)をした旨主張し,これに沿う証拠として1審原告X作成の乙ロ7の1を提出する。 そこで検討するに,乙ロ7の1は,1審被告Yと訴外イノベーションを当事者とする「業務委託契約書」と題する契約書案であり,「業務委託費」の欄に「生保案件紹介成約案件の初年度手数料の98%(税込)とする。」との記載があることが認められる。 しかしながら,他方で,同年10月19日に1審原告Xから1審被告Yに送信された乙ロ7の1が添付されたメール(乙ロ7の2)中には,「先ずは,修正点ございましたら,ご連絡ください。」,「顧問弁護士には,まだ確認とっていないのですが,前回の内容を紙に落としました。ご確認くださいませ。」との記載があることが認められる。上記記載によれば,乙ロ7の1は,1審原告Xと1審被告Yとの交渉経過において作成された検討資料にとどまり,確定的な契約の申込みではなく,また,当事者30 の一方が1審原告会社ではなく,訴外イノベーションと記載されていることに照らすと,乙ロ7の1 との交渉経過において作成された検討資料にとどまり,確定的な契約の申込みではなく,また,当事者30 の一方が1審原告会社ではなく,訴外イノベーションと記載されていることに照らすと,乙ロ7の1から1審原告会社と1審被告Yとの間に本件変更合意⑴又は⑵が成立したものと認めることはできない。そして,上記主張に沿う1審被告Yの供述も客観的な裏付けに欠けるものといわざるを得ないから,これを採用することはできない。他に上記主張を認めるに足りる証拠はない。 したがって,1審被告Yの上記主張は理由がない。」⑵ 原判決44頁2行目の「前記⑴ウ」を「前記⑴」と改め,同頁3行目の「前記1⑸のとおり,」を削り,同頁6行目の「平成29年10月分」から11行目末尾までを次のとおり改める。 「証拠(甲29,30,乙ロ4の1,4の3,4の6,4の10,8)及び弁論の全趣旨によれば,平成29年10月分が541万9934円,同年11月分が130万3160円と認められる。そうすると,本件業務に係る契約の1審被告Yの同年10月分及び11月分の報酬の額は,537万8475円となる。 (計算式)(541万9934円+130万3160円)×0.8=537万8475円」⑶ 原判決44頁12行目の「本件業務委託契約」を「本件業務に係る契約」と,同頁16行目の「甲18」を「甲15の3」と,同頁17行目の「前記書面の」から「明らかではなく,」までを「上記退職届の作成の経緯や趣旨は明らかではなく,上記退職届から本件業務に係る契約が同年10月30日に終了したものと認めることはできず,」と,同頁21行目の「本件業務契約」を「本件業務に係る契約」と改める。 ⑷ 原判決44頁25行目から45頁7行目までを次のとおり改める。 が同年10月30日に終了したものと認めることはできず,」と,同頁21行目の「本件業務契約」を「本件業務に係る契約」と改める。 ⑷ 原判決44頁25行目から45頁7行目までを次のとおり改める。 「 ウ 証拠(甲28,乙ロ3の2,4)及び弁論の全趣旨によれば,本件業務に係る契約の1審被告Yの平成29年8月分の報酬の額は591万31 2332円,同年9月分の報酬の額は185万0133円と認められる。 そして,本件業務に係る契約の1審被告Yの同年10月分及び11月分の報酬の額は537万8475円と認められること(前記ア),訴外イノベーションの預金口座から1審被告Yの預金口座に合計851万5266円が振り込まれていること(前記1⑹オ(ア)及びカ(イ))からすると,本件業務に係る契約の1審被告Yの同年10月分及び11月分の未払報酬の額は,上記報酬の額から上記振込額を控除した,462万5674円となる。 (計算式)(591万2332円+185万0133円+537万8475円)-851万5266円=462万5674円⑷ 小括よって,1審被告Yは,1審原告会社に対し,本件業務に係る契約に基づく未払報酬として462万5674円及びこれに対する令和元年7月30日(反訴状送達の日の翌日)から支払済みまで商事法定利率年6分の割合による遅延損害金の支払を求めることができる。」7 争点5(1審被告Yの1審原告会社に対する不当利得返還請求権の成否)について(反訴・予備的請求関係)原判決45頁9行目,10行目,15行目,25行目及び46頁1行目の各「上記8」をいずれも「前記6」と訂正するほか,原判決の「事実及び理由」の第3の9記載のとおりであるから,これを引用する。 第 原判決45頁9行目,10行目,15行目,25行目及び46頁1行目の各「上記8」をいずれも「前記6」と訂正するほか,原判決の「事実及び理由」の第3の9記載のとおりであるから,これを引用する。 第4 結論以上によれば,1審原告会社の本訴請求は,1審被告Yに対し,12万円及びこれに対する平成29年11月1日から支払済みまで年5分の割合による金員の支払を求める限度で理由があり,また,1審原告Xの本訴請求は,1審被告Yに対し,26万円及びうち1万円に対する同日から,うち25万円に対す32 る同月28日から各支払済みまで年5分の割合による金員の支払を求める限度で理由があり,その余は理由がないから棄却すべきものである。 そして,1審被告Yの反訴請求は,462万5674円及びこれに対する令和元年7月30日から支払済みまで年6分の割合による金員の支払を求める限度で理由があり,その余は理由がないから棄却すべきものである。 したがって,原判決は一部不当であって,1審原告らの控訴は一部理由があるから,1審原告らの控訴に基づき,原判決を本判決主文第1項のとおり変更することとし,1審被告Yの附帯控訴は理由がないからこれを棄却することとして,主文のとおり判決する。 知的財産高等裁判所第1部 裁判長裁判官 大 鷹 一 郎 裁判官 小 林 康 彦 裁判官 小 川 卓 逸
▼ クリックして全文を表示