【DRY-RUN】主 文 本件上告を棄却する。 上告費用は上告人の負担とする。 理 由 上告代理人中条政好の上告理由第一点(審理未尽の違法)の一について。 記録を調
主 文 本件上告を棄却する。 上告費用は上告人の負担とする。 理 由 上告代理人中条政好の上告理由第一点(審理未尽の違法)の一について。 記録を調査するに、原審の昭和三八年一月一六日の口頭弁論において、上告人の 訴訟代理人は同日附準備書面に基づき陳述しているが、同書面中で引用する第一審 の昭和三七年四月二五日附弁論再開申請書においても、論旨のような審査決定の瑕 疵を理由とする更正処分の違法または無効を主張した事実は認めがたい。従つて、 原判決には、所論のような上告人の主張についての判断遺脱は存しないのみならず、 審査決定の瑕疵をもつて本件更正処分の瑕疵とする所論は、独自の見解というほか なく、採用のかぎりでない。 同第一点(審理未尽の違法)の二について。 原判決は、所得税法五一条二項(昭和三七年法律第六七号による削除前のもの、 以下同じ)による出訴期間の起算の基準を、審査決定に係る通知が請求人の了知し うべき状態に置かれた日と解し、本件においては、東京国税局長の審査決定通知書 が書留郵便によつて昭和三六年二月二二日上告人の住所に配達済みである事実を確 定し、右配達の日をもつて右決定通知を了知しうべき状態を生じたものと判断した ものであつて、上告人の右決定通知書の配達はなかつたものとする主張を否定する とともに、上告人が実際右通知を何時了知したかは、出訴期間の進行には関係がな いものとしていることは明らかである。従つて、原判決が、上告人の通知了知の時 期いかんにつき、特に判示するところのないのは当然であり、また通知了知の日か ら出訴期間を算定すべきものとする上告人の主張を排斥していることも、その判文 上明白であつて、所論のような審理不尽は存せず、論旨は理由がないものといわな - 1 - ければならない。 同第二点(理 か ら出訴期間を算定すべきものとする上告人の主張を排斥していることも、その判文 上明白であつて、所論のような審理不尽は存せず、論旨は理由がないものといわな - 1 - ければならない。 同第二点(理由不備)の一について。 原判決が、所得税法五一条二項所定の出訴期間起算の基準たる「審査の決定に係 る通知を受けた日」をもつて右決定通知書が郵便によつて配達された日と解したこ とは、正当といわなければならない。判決には争点の判断に必要な限度において法 律解釈上の見解を示せば足り、そのような解釈をとらなければならない理由ないし 他の解釈のとれない理由まで説示することを要するものではない。論旨は採用しが たい。 同第二点(理由不備)の二について。 原判決は、本件更正処分にはこれを無効とするに足りる瑕疵は認めがたく、しか も右処分は出訴期間の経過のため形式的確定力を生じ、右処分の有効なこと、従つ てその効果としての租税債権の存在も、もはや否定しえないところと解し、右租税 債権の徴収のための滞納処分に対し国税徴収法一六六条及び一六九条(昭和三七年 法律第六七号による削除前のもの)によつて救済を求めるにあたつても、右租税債 権の不存在をその理由とすることはできないものと断じ、これを可能とする上告人 の主張の失当である旨を判示しているのである。右判示によれば、その判断は正当 であり、これに所論のような理由不備は認めがたく、論旨は理由がないものといわ なければならない。 よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと おり判決する。 最高裁判所第三小法廷 裁判長裁判官 横 田 正 俊 裁判官 石 坂 修 一 裁判官 五 鬼 上 堅 磐 裁判長裁判官 横 田 正 俊 裁判官 石 坂 修 一 裁判官 五 鬼 上 堅 磐 - 2 - 裁判官 柏 原 語 六 裁判官 田 中 二 郎 - 3 -
▼ クリックして全文を表示