昭和25(う)392 偽証教唆被告事件

裁判年月日・裁判所
昭和26年1月23日 札幌高等裁判所 棄却
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【DRY-RUN】主    文      本件控訴を棄却する。      当審における訴訟費用は被告人の負担とする。          理    由  弁護人の控訴趣意は別紙のとおりである。  第一点  本件記録に徴す

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判決文本文1,972 文字)

主文 本件控訴を棄却する。 当審における訴訟費用は被告人の負担とする。 理由 弁護人の控訴趣意は別紙のとおりである。 第一点本件記録に徴すれば原審が釧路地方裁判所網走支部昭和二十五年刑公第二号被告人Aに対する偽証被告事件記録編綴の一、 昭和二十四年十月二十日附Aの検察官に対する供述調書(同月十九日附検察事務官作成のAの供述調書引用)二、 同年同月二十一日附検察官件成のAの供述調書三、 同日附検察官作成のAの第一回供述調書を夫々証拠として採用し、且つ右二、の書証を原判決が証拠として引用したことは所論のとおりである弁護人は右書証はいずれも証拠とすることに異議があつたものであるから之を証拠として採用し且引用することは違法である旨を主張するので先ず右(一)乃至(三)の書証の証拠能力につき検討して見ると本件記録によれば原審証人Aは其の第二回公判期日において検察官の要証事項につき種々証言中検察官の「其のときBより何か話しがありましたか」との問に対し同証人は「其の事については起訴されて居て有罪判決を受けるおそれがあるので拒否します」と述べ次に裁判官の「どうゆう点が違つて居ましたか」との問に対し同証人は「其の点について私が起訴されて居るので答えられません」と述べたので検察官は其の後の公判期日において其の他の証拠書類と共に右一乃至三の各供述調書の証拠調を請求したところ弁護人より右各供述調書について証拠と<要旨>することに異議があつたため原審は右異議を却下し右各供述調書の証拠調をしたことが明白である刑事訴訟法</要旨>第三百二十一条第一項第二号前段によれば検察官の面前における供述を録取した書面についてはその供述者が死亡、精神若しくは身体の故障、所在不明若しくは国外にいたため公判準備若し ある刑事訴訟法</要旨>第三百二十一条第一項第二号前段によれば検察官の面前における供述を録取した書面についてはその供述者が死亡、精神若しくは身体の故障、所在不明若しくは国外にいたため公判準備若しくは公判期日において供述することができないときは之を証拠とすることができる旨を規定しているのであつてかかる規定を設けた法の精神は事実発見といふ刑事訴訟本来の目的を達するためには個人の有する証人に対する反対尋問権も或る程度の制限を受くることも亦已むを得ないとしたためであると解せられこの精神を推すと本件A証人の前記の如き経緯において其の供述の一部が再現不可能となつたような場合は右の規定に準じて考へ右各供述調書の証拠能力を認めるのが相当であると思料されるしかも右各供述調書の形式、内容と其の他原審の取調べた他の証拠と対比しても君各供述調書はその任意性及び信用性の点においていささかも欠くるところがないのみならず当審の事実取調べにおける証人Aの供述及び取寄せに係るAの偽証被告事件記録を綜合して前記判断の正当性を裏づけ得るところであるしからば原審が前記各供述調書を証拠として採用したことは何等訴訟手続に違背するものではなく且つ右二の書証を原判決が証拠として引用することも亦支障のないことである従つて論旨は独自の見解に基ずき右各供述調書の証拠能力を否定するものであつて理由がない第二点及び第四点原判決の証拠として引用した昭和二十四年十二月二十一日附検察官作成のAの供述調書が証拠能力を具有する書証であり且つその信用性あることは前記第一点において説示したとおりであつて原判示事実は其の引用に係る証拠により之を認むるに足り原判決は証拠に基ずかずして原判示事実を認めたものではなく又記録を精査するも原審が重要なる証拠を逸脱して事実認定をしたとは思はれない所論は独自の見 判示事実は其の引用に係る証拠により之を認むるに足り原判決は証拠に基ずかずして原判示事実を認めたものではなく又記録を精査するも原審が重要なる証拠を逸脱して事実認定をしたとは思はれない所論は独自の見解に立ち原審の専権に属する証拠の取捨選択及び其の価値判断を攻撃するものであつて理由がない第三点原審の公判手続は公判調書によつてのみ証明し得るところであつて原審公判調書を通覧するも原審第四回公判調書の記載を除き弁護人所論の如き事実の記載はなく原審が起訴しない事実につき判決したとは見られないしかも前項において説示のとおり原判示事実はその挙示の証拠によつて認定するに足りるのであつて所論は独自の見解に基ずき原審の証拠の取捨及びその価値判断を攻撃するものであり採用に値しないよつて被告人の本件控訴は理由がないから刑事訴訟法第三百九十六条により之を棄却すべきものとし刑事訴訟法第百八十一条第一項に則り当審における訴訟費用は被告人の負担とし主文のとおり判決する。 (裁判長判事黒田俊一判事猪股薫判事鈴木進)

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