令和3年4月15日判決言渡平成31年(行ウ)第203号(以下「第1事件」という。)令和元年(行ウ)第286号(以下「第2事件」という。)令和元年(行ウ)第287号(以下「第3事件」という。)令和元年(行ウ)第288号(以下「第4事件」という。) 令和元年(行ウ)第289号(以下「第5事件」という。)令和元年(行ウ)第290号(以下「第6事件」という。)令和元年(行ウ)第291号(以下「第7事件」という。)令和元年(行ウ)第292号(以下「第8事件」という。)令和元年(行ウ)第293号(以下「第9事件」という。) 令和元年(行ウ)第294号(以下「第10事件」という。)令和元年(行ウ)第295号(以下「第11事件」という。)令和元年(行ウ)第296号(以下「第12事件」という。)令和元年(行ウ)第297号(以下「第13事件」という。)厚生年金保険料納入告知等取消請求事件 判決当事者の表示別紙1当事者目録記載のとおり主文 1 本件訴えのうち,別紙3却下部分目録記載の各部分をいずれも却下する。 2 別紙4取消対象目録記載の各処分をいずれも取り消す。 3 原告らのその余の請求をいずれも棄却する。 4 訴訟費用の負担は,別紙5訴訟費用負担目録記載のとおりとする。 事実 及び理由第1 請求別紙6請求目録記載のとおり 第2 事案の概要 運送業等を営むグループ会社である原告らは,原告ら各社が雇用する従業員の一部を,香港に所在する海外法人(以下「本件海外法人」という。)に転籍させた上,本件海外法人から原告ら各社に出向させ,給与の一部を原告ら各社が支払い,その余の給与及び賞与を本件海外法人が支払うという手法(以下「本件手 る海外法人(以下「本件海外法人」という。)に転籍させた上,本件海外法人から原告ら各社に出向させ,給与の一部を原告ら各社が支払い,その余の給与及び賞与を本件海外法人が支払うという手法(以下「本件手法」という。)を導入していた。 これに対し,被告機構は,原告らから本件海外法人に転籍した従業員(以下「本件従業員ら」という。)について,本件海外法人名義で支払われた給与及び賞与を報酬月額及び賞与額に算入して標準報酬月額及び標準賞与額(以下,これらを併せて「標準報酬」といい,その算定の基礎となる報酬月額及び賞与額を併せて「報酬額」という。)を決定すべきであるとして,原告らに対し, 別紙7処分目録記載のとおり,健康保険・厚生年金保険の被保険者標準報酬月額に係る決定又は改定及び標準賞与額の決定(以下,併せて「本件各標準報酬決定」という。)をした。そして,厚生労働省年金局事業管理課長は,原告らに対し,これを前提に,健康保険料,厚生年金保険料及び子ども・子育て支援法上の拠出金(以下,併せて「社会保険料」という。)を計算し直した額と納 付済みの社会保険料額との差額分(以下「遡及分」ということがある。)の納入の告知(原告Aを除く原告らについては,遡及分に平成30年9月分の社会保険料額を合算したものの納入の告知。以下「本件各社会保険料納入告知」という。)及び遡及分に係る督促(以下「本件各社会保険料督促」という。)をした。 一方,群馬労働局長は原告B,同C,同D及び同Aに対し,また福島労働局長は原告E及び同Fに対し,本件従業員らについて,本件海外法人名義で支払われた給与等を賃金総額に算入して労働保険料を決定すべきであり,これによると平成28年度の労働保険料に不足が生じているとして,それぞれ同年度の労働保険料の認定決定(以下「本件各 件海外法人名義で支払われた給与等を賃金総額に算入して労働保険料を決定すべきであり,これによると平成28年度の労働保険料に不足が生じているとして,それぞれ同年度の労働保険料の認定決定(以下「本件各認定決定」という。)及び追徴金の徴収 決定(以下「本件各追徴金徴収決定」という。),不足額に係る労働保険料の 納入の告知及び追徴金の納入の告知(以下,併せて「本件各労働保険料等納入告知」という。),不足額に係る労働保険料の督促(以下「本件各労働保険料督促」という。)をした。 本件は,①原告らが,被告機構を相手に,本件各標準報酬決定のうち自己に関するものの取消しを求めるとともに,被告国を相手に,本件各社会保険料納 入告知及び本件各社会保険料督促のうち自己に関するものの取消しを求め,②原告Gを除く原告らが,被告国を相手に,本件各認定決定,本件各追徴金徴収決定,本件各労働保険料等納入告知及び本件各労働保険料督促のうち自己に関するものの取消しを求める事案である。 1 関係法令の定め 関係法令の定めは,別紙8-1から8-8までのとおりである(なお,これらの別紙中で定義した略称等は,以下の本文においても同様に用いるものとする。)。 2 前提事実(証拠等を掲げていない事実は当事者間に争いがない。)(1) 当事者等 原告らは,群馬県所在の訴外H株式会社を親会社とするグループ会社(以下「本件グループ」という。)に属し,運送業等を営む株式会社であり(弁論の全趣旨),健保法3条3項及び厚年法6条にいう「適用事業所」であるとともに,徴収法3条,4条,労災保険法3条1項及び雇用保険法5条1項にいう「適用事業」の事業主である。 原告らは,平成24年頃から,一部の従業員を香港に所在する海外法人(本件海外法人)に転籍させ 徴収法3条,4条,労災保険法3条1項及び雇用保険法5条1項にいう「適用事業」の事業主である。 原告らは,平成24年頃から,一部の従業員を香港に所在する海外法人(本件海外法人)に転籍させた上,本件海外法人から原告ら各社に出向させ,給与の一部を原告ら各社が支払い,その余の給与及び賞与を本件海外法人が支払うという手法(本件手法)を採用しており,被告機構に対し,当該従業員の報酬額について,本件海外法人名義で支払われていた給与及び賞与を除 く形で届出を行っていたが,平成29年9月支払分から本件手法をやめ,原 告Aを除き,同年12月を改定月として,本件海外法人名義で支払われた給与を含めた金額を報酬月額とする月額変更届を被告機構に提出した(甲1~7,乙20,21,丙3〔いずれも枝番を含む。〕,弁論の全趣旨)。 (2) 本件各標準報酬決定,本件各認定決定等に至る経緯ア平成29年9月,本件グループにおいて,従業員を海外の架空会社に転 籍させた上,海外の事業所からの出向扱いとし,厚生年金保険料の納付を免れている旨の匿名の通報があったことを契機として,同月以降,原告らにつき,前橋年金事務所,郡山年金事務所,群馬労働局及び福島労働局による合同調査等が実施された(乙5~10,12~15,丙4~12,21,26〔いずれも枝番を含む。〕)。 イ本件各標準報酬決定について(ア) 本件従業員らについて原告らから自主的な報酬訂正の届出がされなかったことから,健保法204条,厚年法100条の4により厚生労働大臣から権限の委任を受けた被告機構は,平成30年10月1日から同月11日にかけて,職権により,本件従業員らにつき,本件海外法人名 義で支払われた給与及び賞与を算入した額を報酬額とすることを前提に,別紙7処分目録のとお 告機構は,平成30年10月1日から同月11日にかけて,職権により,本件従業員らにつき,本件海外法人名 義で支払われた給与及び賞与を算入した額を報酬額とすることを前提に,別紙7処分目録のとおり,健康保険・厚生年金保険の被保険者標準報酬月額に係る決定又は改定及び標準賞与額の決定(本件各標準報酬決定)を行い,同月16日以降,原告らそれぞれに対し,上記決定に係る通知書(以下「本件各標準報酬決定通知書」という。)を送付した(甲1~ 7〔枝番を含む。〕,乙15)。 (イ) すなわち,本件従業員らについては,①従前,原告らが本件海外法人支払分の給与を除いた額を報酬月額とする月額変更届出を行い,被告機構は上記届出に基づき随時改定によって標準報酬月額の等級を引き下げ,②その後,毎年の定時決定においても,原告らから本件海外法人支 払分の給与を除いた報酬月額の届出がされ,被告機構はこれに基づき標 準報酬月額を決定していたが,③平成29年9月支払分から本件手法が採られなくなり,原告Aを除く原告らが同年12月を改定月として本件海外法人支払分の給与を含めた額を報酬月額とする月額変更届出を行ったことから,被告機構はこれに基づき標準報酬月額の等級を引き上げる随時改定を行った。また,④原告らは,本件従業員らにつき,本件手法 が採られなくなるまでは賞与額の届出をしていなかった(甲1~7〔枝番を含む。〕,丙3〔枝番を含む。〕,弁論の全趣旨)。 本件各標準報酬決定は,上記①及び③の随時改定をいずれも取り消し,上記②につき,平成28年及び平成29年の定時決定を取り消して,本件海外法人名義で支払われた給与を算入した報酬月額に基づき定時決定 をし直すとともに,被保険者資格取得時から本件海外法人名義で支払われていた給与を除いた報酬月額に基づ 定時決定を取り消して,本件海外法人名義で支払われた給与を算入した報酬月額に基づき定時決定 をし直すとともに,被保険者資格取得時から本件海外法人名義で支払われていた給与を除いた報酬月額に基づいて標準報酬月額が決定されていた従業員につき,上記給与を算入する形で被保険者資格取得時の標準報酬月額を訂正し,上記④については,本件海外法人名義で支払われた賞与額を前提に平成28年及び平成29年の標準賞与額を登録するという ものであった(甲1~7〔枝番を含む。〕,弁論の全趣旨)。 (ウ) 厚生労働省所管会計事務取扱規程3条により厚生労働大臣から事務の委任を受けた歳入徴収官である厚生労働省年金局事業管理課長は,原告らに対し,平成30年10月22日付けで,本件各標準報酬決定による標準報酬の訂正に伴って発生した未払分(遡及分)の社会保険料及び 同年9月分の社会保険料(原告Aについては上記未払分(遡及分)の社会保険料のみ。)について,納入の告知(本件各社会保険料納入告知)をし,原告Aを除く原告らは,遡及分を除く社会保険料を支払った。その金額は,別紙9のとおりである(甲8~11の各枝番1,甲12,甲13及び14の各枝番1,甲15~21,乙17〔枝番を含む。〕,弁 論の全趣旨)。 (エ) 前記(ウ)のとおり厚生労働大臣から事務の委任を受けた厚生労働省年金局事業管理課長は,原告らに対し,平成30年11月19日付けで,指定期限を同月29日とする社会保険料の督促(本件各社会保険料督促)をした(ただし,督促額は,原告Aを除き,原告らが遡及分を除く部分を支払った後の残額であり,具体的には,別紙9の1から4まで,6及 び7の各(2)のうち「遡及分」の額のとおりである。)。 ウ労働保険料の認定決定等(ア) 歳入徴収官である群馬労 除く部分を支払った後の残額であり,具体的には,別紙9の1から4まで,6及 び7の各(2)のうち「遡及分」の額のとおりである。)。 ウ労働保険料の認定決定等(ア) 歳入徴収官である群馬労働局長及び福島労働局長(厚生労働省所管会計事務取扱規程3条)は,原告Gの従業員らを除く本件従業員らについて,本件海外法人名義で支払われた給与及び賞与を賃金総額に算入し て労働保険料を決定すべきであり,これによると平成28年度の労働保険料に不足が生じているとして,原告E及び同Fについては福島労働局長が平成30年10月22日付けで,原告B,同C,同D及び同Aについては群馬労働局長が同月23日付けで,それぞれ平成28年度の労働保険料の認定決定及びこれに係る追徴金の徴収決定(本件各認定決定, 本件各追徴金徴収決定)を行い(甲22~27,乙5~10の各枝番1の2),同日又は同月24日,上記各原告らに対して,本件各認定決定及び本件各追徴金徴収決定に係る通知書を送付又は交付するとともに,労働保険料の不足額及び追徴金について納入の告知(本件各労働保険料等納入告知)をした。 本件各認定決定における労働保険料の額及び本件各追徴金徴収決定における追徴金の額は,別紙10のとおりである(甲22~27,乙5~10の各枝番1の2)。 (イ) 上記(ア)の労働保険料の不足額及び追徴金が納付されなかったことから,福島労働局長は原告E及び同Fに対し,群馬労働局長は原告B, 同C,同D及び同Aに対し,それぞれ平成31年1月15日付けで,労 働保険料の督促(本件各労働保険料督促)及び追徴金の督促をした(甲32~35,43,44,乙19の1・2)。 (3) 審査請求等ア原告らは,平成30年11月6日,本件各標準報酬決定及び本件各社会保険料 督促(本件各労働保険料督促)及び追徴金の督促をした(甲32~35,43,44,乙19の1・2)。 (3) 審査請求等ア原告らは,平成30年11月6日,本件各標準報酬決定及び本件各社会保険料納入告知を不服として審査請求をした。 イ原告Gを除く原告らは,平成30年11月5日,本件各認定決定及び本件各追徴金徴収決定を不服として審査請求をした。 (4) 原告らは,上記(3)の各審査請求から2か月以上が経過したとして,平成31年4月22日,本件訴えを提起した(顕著な事実)。 3 本件の争点は,下記(1)から(4)までのとおりである。なお,争点(2)における 被告らの主張を前提とした場合に,①本件従業員らの標準報酬が本件各標準報酬決定における金額となり,原告らが納付すべき社会保険料の額が本件各社会保険料納入告知における金額となること,②原告Gを除く原告らが納付すべき労働保険料の金額及び追徴金の金額が,本件各認定決定及び本件各追徴金徴収決定のとおりとなることについては,当事者間に争いがない。 (1) 社会保険料の納入の告知並びに労働保険料及び追徴金の納入の告知が抗告訴訟の対象となる処分か否か(2) 本件各標準報酬決定,本件各認定決定及び本件各追徴金徴収決定が実体上適法であるか否か(3) 本件各標準報酬決定,本件各認定決定及び本件各追徴金徴収決定につき, 行政手続法14条1項本文所定の理由の提示を欠く違法があるか否か(4) 本件各社会保険料納入告知及び本件各社会保険料督促が適法であるか否か,また,本件各労働保険料等納入告知及び本件各労働保険料督促が適法であるか否か 4 争点(1)(社会保険料の納入の告知並びに労働保険料及び追徴金の納入の告知 が抗告訴訟の対象となる処分か否か)に関する当事者の主張 等納入告知及び本件各労働保険料督促が適法であるか否か 4 争点(1)(社会保険料の納入の告知並びに労働保険料及び追徴金の納入の告知 が抗告訴訟の対象となる処分か否か)に関する当事者の主張 (原告らの主張)(1) 納入の告知とは,一般に,債務者に対して国の歳入についてその納付すべき金額,納付期日,納付場所等を通知する対外的な行為をいうが,一部の歳入については,これによって金銭の納付義務を課する行政行為としての性質を有するものがあるところ,この場合の納入の告知は一種の下命行為であり, その内容に従って法律上の効果を生ずるものといえる。 (2) 社会保険料の納入の告知については,通常の納付者は,標準報酬決定等によっては支払うべき社会保険料の具体的な金額を認知することができず,納入告知書によって初めてこれを知ることができるのであるから,納入の告知によって初めて社会保険料の具体的金額についての納付義務が生じるといえ る。社会保険料の納入告知書においては不服申立手続の教示が行われており,処分性があることが前提とされている。 したがって,社会保険料の納入の告知は,抗告訴訟の対象となる処分に当たる。 (3) 労働保険料及び追徴金の納入の告知についても,これによって初めて認定 決定によって定められた金額を納付する具体的義務が生じるものといえるから,抗告訴訟の対象となる処分に当たる。 (被告国の主張)(1) 社会保険料及び労働保険料(追徴金を含む。)の納入の告知の効果は,各保険料等に係る請求権の消滅時効の中断効であり,納入の告知の性質は,私 法上の催告に類似するものである。 社会保険料及び労働保険料(追徴金を含む。)については,国税通則法36条の規定が準用されるところ,同条に関する裁判例の中には, り,納入の告知の性質は,私 法上の催告に類似するものである。 社会保険料及び労働保険料(追徴金を含む。)については,国税通則法36条の規定が準用されるところ,同条に関する裁判例の中には,源泉徴収による所得税の納税の告知について処分性を認めるものもあるが(最高裁昭和43年(オ)第258号同45年12月24日第一小法廷判決・民集24巻 13号2243頁。以下「昭和45年最判」という。),昭和45年最判が あることから,同条に基づく納税告知一般について直ちに処分性が肯定されるということにはならない。 (2) 労働保険料及び追徴金については,納入の告知の前段階である,事業主等を名宛人とした労働保険料の認定決定及び追徴金の徴収決定にそれぞれ処分性が認められ,しかも,これにより事業主等は処分者側の算定の考え方及び それにより負担を余儀なくされる具体的金額を知り得るという意味において,納入の告知がなくとも,これらの各決定について争う機会を付与されているということができる。このように,労働保険料及び追徴金の場合,昭和45年最判とは法律の仕組みを異にしており,その納入の告知について,あえて処分性を肯定する必要はない。 (3) 社会保険料については,労働保険料の場合と異なり,事業主等を名宛人とした徴収に係る決定を経ているものではなく,行政実務においても,処分性があることを前提とした手続教示が行われているところではあるが,納入の告知の前段階においても,標準報酬が確定すれば社会保険料の額は自動的に定まり,かかる標準報酬の決定については処分性が認められているのであっ て,事業主等において争う機会が付与されているから,昭和45年最判とは法律の仕組みを異にしており,直ちに処分性を肯定することには疑義がある。 5 争点(2 ては処分性が認められているのであっ て,事業主等において争う機会が付与されているから,昭和45年最判とは法律の仕組みを異にしており,直ちに処分性を肯定することには疑義がある。 5 争点(2)(本件各標準報酬決定,本件各認定決定及び本件各追徴金徴収決定が実体上適法であるか否か)に関する当事者の主張(被告機構の主張(本件各標準報酬決定について)) (1) 健保法3条1項,厚年法9条にいう適用事業所に「使用される」者とは,必ずしも事業主との間に法律上の雇用関係が存在することを必要とせず,従業員が事実として労務を提供し,これに対して事業主が一定の報酬を支払う事実上の使用関係があれば足りるものであるが,単に名目的な雇用関係があっても事実上の使用関係がない場合,「使用される」者には当たらないとい うべきである。そして,上記事実上の使用関係の有無は,実態としての指揮 監督,労務の提供及びその対償としての報酬の支払等の関係の有無を基準に判断すべきである。 また,「報酬」とは,労働者が労働の対償として受ける全てのものをいうところ,ここにいう労働の対償とは,被保険者が事業所で労務に服し,その対償として事業主より受ける報酬の支払又は受け得る利益をいうのであり, その支給形態又は名称のいかんを問わず,その実態が経常的実質的収入の意義を有するものであれば,報酬に当たるというべきであって,海外事業所から支給されている給与等であっても,適用事業所の給与規程や出向規程等により,実質的に適用事業所から支払われていることを確認することができる場合には,報酬に含まれるというべきである。 (2) 原告らについては,調査によって,①本件従業員らは形式上転籍,出向という雇用形態であったが,実態は国内の事業所のみで労務に従事してい きる場合には,報酬に含まれるというべきである。 (2) 原告らについては,調査によって,①本件従業員らは形式上転籍,出向という雇用形態であったが,実態は国内の事業所のみで労務に従事していたこと,②本件海外法人が本件従業員らに支払う給与等は,原告らが本件海外法人に対して支払う出向料によって負担される取決めとなっていたこと,③源泉所得税の基となる報酬は,本件海外法人から支払われる報酬も合算して申 告等がされていたこと,④本件従業員らについて,転籍前後で業務内容に相違はなく,転籍した従業員と転籍していない従業員についても業務内容に相違がないことが判明した。また,本件グループの最高経営責任者(CEO)であり,本件海外法人の社長であるI(以下「I」という。)は,聴き取り調査において,本件海外法人の活用を検討したことはあっても,具体化には 至っておらず,表面上稼働していない旨を述べたほか,従業員は本件海外法人で働いている認識はないと思う旨を述べた。 このように,本件従業員らについては,本件海外法人への転籍という形をとってはいるものの,出向先である原告らの就業規則に従って原告らに対して労務を提供しており,その労務の対償となる報酬に関しても,本件海外法 人が本件従業員らに対して支払う給与等は,原告らが実質的に負担していた ものである。 以上に照らせば,本件海外法人名義で本件従業員らに支払われた給与等は,実質的には適用事業所である原告らが支払ったものと同視することができるから,本件従業員らについては,本件海外法人名義で支払われた給与と適用事業所である原告らが支払った給与を合算したもの及び本件海外法人名義で 支払われた賞与を,報酬額とすべきである。 (3) 憲法84条違反の主張について原告らは,健保法 支払われた給与と適用事業所である原告らが支払った給与を合算したもの及び本件海外法人名義で 支払われた賞与を,報酬額とすべきである。 (3) 憲法84条違反の主張について原告らは,健保法等の関係法令が憲法84条に反する旨主張するが,被告機構は,本件海外法人が「適用事業所」に該当するとしたものではなく,本件従業員らに対して本件海外法人名義で支払われている給与等は原告らが支 払っているに等しい実態であると判断して,本件各標準報酬決定をしたものであって,原告らの主張は,その前提を誤るものである。 (4) 信義則違反との主張について原告らは,本件手法を導入するに当たり,年金事務所に適法であるかを確認したなどと主張するが,そもそも海外勤務者や事業所の形態は様々である ため,詳細かつ具体的な照会でなければ適切な回答は困難であるところ,原告らからそのような照会があった形跡はない。また,原告らが本件手法を導入していることを年金事務所が事前に把握することは困難であり,年金事務所等がこれを黙認してきた事実はない。したがって,原告らの主張は失当である。 (5) 裁量権の範囲の逸脱の主張について原告らは,本件各標準報酬決定が裁量権の範囲を逸脱するものである旨主張する。しかしながら,原告らについて法律上保護されるべき利益が存したり,被告機構において信頼保護の原則に反するような事実が存したりすることはない。また,仮に内部通報がされなかった他の事業所において不足分の 保険料を徴収されることがなかったとしても,適用事業所間の平等原則は, そのような事業所との比較で論じられるべきものではなく,法律の規定に基づいて正しい届出を行っている大多数の適用事業所との比較において,原告らについても正しく標準報酬を決定し直すこ 等原則は, そのような事業所との比較で論じられるべきものではなく,法律の規定に基づいて正しい届出を行っている大多数の適用事業所との比較において,原告らについても正しく標準報酬を決定し直すことが,平等原則の趣旨に沿うものである。したがって,原告らの主張は理由がない。 (6) 以上によれば,本件各標準報酬決定は,実体上適法である。 (被告国の主張)(1) 本件従業員らについては,本件海外法人への転籍及び原告らへの出向という形がとられているものの,①就業場所,業務内容に何ら変更は生じていないこと,②賃金についても,出向先である原告らから本件海外法人に出向料として支払われる額と,出向先である原告らから本件従業員らに直接支払わ れる支払額の合計は,本件従業員らが書類上転籍,出向する前に受領していた給与額と同一であること,③本件海外法人と本件従業員らとの雇用契約書には,本件海外法人において支払う賃金について条件が示されておらず,不明瞭な契約書であること,④Iは,前橋年金事務所職員に対し,本件海外法人が実態のない法人であることを認めていたことからすれば,本件海外法人 は,原告らの労働者(被保険者,従業員)に対する給与支払を行った形を書面上作るために用いられた,実態のない法人であるといわざるを得ない。 また,本件従業員らに対する指揮命令系統も人事権も,従前のとおり原告らが有していたことは明らかであるし,賃金台帳等の書類上は,原告らと本件海外法人が分担して給与を支払った形式となっていたものの,結局のとこ ろ全給与の原資は原告らから出されており,本件海外法人を迂回させているにすぎないことからすれば,本件従業員らの給与を原告らが全て支払っていたことは明らかである。 以上によれば,標準報酬の算定に当たっては,国内 は原告らから出されており,本件海外法人を迂回させているにすぎないことからすれば,本件従業員らの給与を原告らが全て支払っていたことは明らかである。 以上によれば,標準報酬の算定に当たっては,国内事業者から支払われた分と本件海外法人名義で支払われた分を合算した額を本件従業員らの報酬額 とすることが相当であり,労働保険料の決定に当たっても,同様に,本件海 外法人名義で支払われた分を合算した額を基にすべきである。 (2) 課税要件明確主義に反する旨の主張について社会保険料及び労働保険料は,健保法等における「特別の給付」に対する反対給付として徴収されるものであるから,憲法84条の規定が直接に適用されることはない。また,健保法,厚年法,支援法及び徴収法においては, いずれも,労働者(被保険者,従業員)に支払われる報酬(賃金)を前提として,一定の係数を掛けて保険料が算出されることが明記されており,賦課,算定要件が明確であることは明らかである。 原告らは,従業員を転籍扱いとした本件海外法人が上記各法の適用外である海外事業所に該当するか否かが不明瞭であったなどと主張するが,本件は, いかなる海外法人が上記各法の適用外となるかが問題とされる事案ではなく,当該労働者が原告ら各社において雇用され,その労働の対価として賃金が支払われていたか否かという事実認定が問題となる事案にすぎない。 また,原告らは,健保法及び厚年法における「使用される」者との文言について,事実上の使用関係がない場合は該当しないという解釈が一義的に読 み取れないなどとも主張するが,「使用される」者等の文言の意義は明確であり,原告らの主張は理由がない。 (3) 信義則違反の主張について海外勤務の形態は多種多様であり,事業主から詳細な勤務形態や雇 れないなどとも主張するが,「使用される」者等の文言の意義は明確であり,原告らの主張は理由がない。 (3) 信義則違反の主張について海外勤務の形態は多種多様であり,事業主から詳細な勤務形態や雇用関係について説明がされなければ,照会に対して適切な回答をすることはできな い。年金事務所においては,具体的な事例について具体的な照会がされた場合,被告機構の本部に照会し,同本部においても判断することができない場合には,更に厚生労働省年金局と協議した上で回答がされることとなるが,本件については,このような照会がされたことすらない。 原告らは,本件手法を年金事務所等が黙認してきたとも主張する。しかし ながら,厚年法等一連の法律は,事業主に対して届出を義務付け,虚偽の届 出につき罰則を定めており,実際の運用においては,事業主から適正な届出が行われるという前提の下,原則として基礎資料となる賃金台帳や雇用契約書等の提出を求めることはしていない。原告らが導入した本件手法についても,単に原告らから被保険者の資格並びに報酬額に係る届出がされただけでは,各年金事務所においてその適法性を的確に判断するだけの資料がなく, 事業所調査において実態を把握するほかないのであり,年金事務所等が本件手法の実態を把握しつつ長年放置していたというものではない。したがって,原告らのいう信頼保護は,その前提を欠くものである。 そもそも,従前と全く同一の労働を従業員に行わせていながら,実態のない本件海外法人に書類上転籍等をさせるだけで社会保険料等の支払を免れる というスキーム自体,健全な社会常識をもって判断すれば,適法でないことは明らかであって,原告らの信義則違反の主張は,前提を誤るものというほかない。 (4) 裁量権の範囲の逸脱の主張について というスキーム自体,健全な社会常識をもって判断すれば,適法でないことは明らかであって,原告らの信義則違反の主張は,前提を誤るものというほかない。 (4) 裁量権の範囲の逸脱の主張について原告らは,本件各標準報酬決定,本件各認定決定及び本件各追徴金徴収決 定について,裁量権の範囲の逸脱がある旨主張する。しかしながら,上記各処分については,行政庁に裁量はない。この点をおくとしても,違法性の認識の有無は上記各処分の適法性を左右する関係にはないし,一般人の健全な社会常識に照らし,本件手法が違法であることを認識することは十分可能である。また,行政庁としては,違法行為を捕捉することができない事業主に 対して標準報酬月額の訂正等の対応を行うことができないことは明らかであり,そのような事業所との比較を理由とする原告らの平等原則違反の主張は理由がない。 (5) 以上によれば,本件各標準報酬決定,本件各認定決定及び本件各追徴金徴収決定は,いずれも実体上適法である。 (原告らの主張) (1) 本件海外法人は「適用事業所」に該当せず,本件海外法人の事業は「適用事業」に該当しないこと本件海外法人は,原告らが,その事業である運送業につき,荷送料の低額化,ドライバー不足等の国内事業状況の打開のため,ベトナム,ミャンマー等の国外事業への進出を目指す海外拠点とされた事業所である。本件海外法 人は,海外の拠点として運営され,現にミャンマーでの事業進出を達成し,原告らは従業員をミャンマーに赴任させていた。このように,本件海外法人については,原告らの経営戦略上有用な事業目的及び事業実態が存在していたのであるから,本件海外法人は,健保法3条3項及び厚年険法6条にいう「適用事業所」に該当しないし,本件海外法人の事業は, 外法人については,原告らの経営戦略上有用な事業目的及び事業実態が存在していたのであるから,本件海外法人は,健保法3条3項及び厚年険法6条にいう「適用事業所」に該当しないし,本件海外法人の事業は,徴収法3条,4条, 労災保険法3条1項及び雇用保険法5条1項にいう「適用事業」に該当しない。 したがって,本件従業員らに対する本件海外法人支払分の給与及び賞与に関しては,被告国は,社会保険料及び労働保険料の賦課徴収権を有しないから,本件各標準報酬決定,本件各認定決定及び本件各追徴金徴収決定は,い ずれも違法である。 (2) 憲法84条違反ア社会保険料の徴収は,国が事業主に対して,事業主が雇用する被保険者たる国民の健康保険及び厚生年金保険の資金に充てるため,強制的に徴収するものである。また,労働保険料も,国が国民の労働保険の資金に充て るため,強制的に徴収するものである。そして,これらは,事業主にとっては特別の給付に対する反対給付としてではなく,強制的に徴収されるものであるから,憲法84条に規定する「租税」に当たるべきものである。 したがって,事業主との関係では,社会保険料及び労働保険料の徴収につき憲法84条が直接適用され,仮にそうでないとしても,少なくとも同 条の趣旨が及ぶというべきである。 イ社会保険料が,日本の社会保障制度として,国家が公権力に基づいて強制的に賦課徴収するものであることに照らすと,健保法3条3項及び厚年法6条にいう「適用事業所」とは,日本において事業を行う事業所又は事務所と解するのが自然かつ合理的である。また,労働保険料についても,日本の社会保障制度である労働保険の保険料を国家が公権力に基づいて強 制的に賦課徴収するものであることに照らすと,徴収法3条,4条,労災保険 が自然かつ合理的である。また,労働保険料についても,日本の社会保障制度である労働保険の保険料を国家が公権力に基づいて強 制的に賦課徴収するものであることに照らすと,徴収法3条,4条,労災保険法3条1項,雇用保険法5条1項にいう「適用事業」とは,労働者を日本において雇用する事業と解するのが自然かつ合理的である。 ところが,本件においては,本件海外法人に在籍する従業員について,社会保険料及び労働保険料の納付義務の対象となるものとされた。 上記各条文上,海外に所在する事業所において雇用される者についても社会保険料及び労働保険料の納付義務の対象となる場合があることや,いかなる場合に対象となるかということが,客観的,一義的に明確であるとはいえないことからすると,上記各条文は,憲法84条の課税要件明確主義に違反するというべきである。 したがって,上記各法令に基づいてされた本件各標準報酬決定,本件各認定決定及び本件各追徴金徴収決定は違法である。 ウ被告らは,「使用される」者(健保法3条1項,厚年法9条)について,法的雇用関係が存在することを要せず,事実上の使用関係があれば足りる旨主張するが,原告らは,このような解釈が法令上一義的に読み取れない ことが問題であると主張するものである。上記各条文における「報酬」の文言や,労働保険料に係る法令の文言についても同様である。 (3) 信義則に反すること本件手法のように海外に所在する事業所から報酬を支払うことで標準報酬を低額に抑える手法は,平成29年8月30日付け年管管発0830第5号 厚生労働省年金局事業管理課長通知「適用事業所の報酬調査の徹底について」 が発出される以前は,多くの社会保険労務士によって,いわば合法的節税手法として,多くの事業主に導入さ 30第5号 厚生労働省年金局事業管理課長通知「適用事業所の報酬調査の徹底について」 が発出される以前は,多くの社会保険労務士によって,いわば合法的節税手法として,多くの事業主に導入されていた。原告らも,平成24年7月頃,社会保険労務士に原告らの事業の海外展開を見据えた組織再編とそれに伴う新たな給与制度として提案されたことから,本件手法を導入するに至った。 原告らは,本件手法の導入に当たって,法令の解釈上不適切となる可能性を 考慮して年金事務所に問い合わせをしたところ,年金事務所の担当者は,不適当,不適法とまではいい難い旨回答した。原告らは,年金事務所長との意見交換の機会にも本件手法について質問したが,同様の回答であった。 本件各標準報酬決定,本件各認定決定及び本件各追徴金徴収決定は,関係機関において,原告らが本件手法を導入するに当たり何度も問い合わせた際 には不適法と断言せず,導入から5年もの間黙認してきたにもかかわらず,上記通知が発出されたことを契機として,遡って増額された社会保険料及び労働保険料の納付義務等を課すものである。 このように,本件各標準報酬決定,本件各認定決定及び本件各追徴金徴収決定は,原告らの予測可能性を著しく害するものであり,信義則に反すると いうべきである。 (4) 裁量権の範囲の逸脱等前記(2)のとおり,本件に関係する各法令の文言は漠然曖昧としており,標準報酬の決定の際に海外法人からの報酬を報酬額に含めるのか否か,また,含めなくてよい場合,海外法人にどの程度の実態が必要であるのかが全く不 明であるという状況の中,原告らは,社会保険労務士という専門家の助言に従って届出を行っていたから,その金額が誤ったものであることを認知する機会がなく,内部通報後に年金事務所から誤り が全く不 明であるという状況の中,原告らは,社会保険労務士という専門家の助言に従って届出を行っていたから,その金額が誤ったものであることを認知する機会がなく,内部通報後に年金事務所から誤りを指摘されるまで是正の機会がなかった。 また,本件手法と同様の手法を導入していた事業所のうち,内部通報等が されずに年金事務所から覚知されていない事業所については,遡って過去の 社会保険料及び労働保険料の不足分の徴収がされないことからすると,原告らに対する本件各標準報酬決定,本件各認定決定及び本件各追徴金徴収決定は,適用事業所間の平等に反する。 本件各標準報酬決定,本件各認定決定及び本件各追徴金徴収決定は,年金事務所側において,調査不足や,海外法人がどの程度の実態を有するもので あれば当該海外法人からの報酬を含めて標準報酬を算定するべきなのかについての周知不足があるにもかかわらず,納付義務者である原告らに責任を転嫁するものであって,その予測可能性を大きく害するものであり,信義則,平等原則に反して行政裁量を著しく逸脱するものであるから,違法である。 6 争点(3)(本件各標準報酬決定,本件各認定決定及び本件各追徴金徴収決定に つき,行政手続法14条1項本文所定の理由の提示を欠く違法があるか否か)に関する当事者の主張(原告らの主張)(1) 本件各標準報酬決定通知書並びに本件各認定決定及び本件各追徴金徴収決定に係る通知書には,理由の提示が一切ない。したがって,本件各標準報酬 決定,本件各認定決定及び本件各追徴金徴収決定は,行政手続法14条1項本文所定の理由の提示を欠き,違法である。 (2) 本件各標準報酬決定についてア標準報酬の決定は,標準報酬を確定するものであり,これに法令上定められた保険料率を 収決定は,行政手続法14条1項本文所定の理由の提示を欠き,違法である。 (2) 本件各標準報酬決定についてア標準報酬の決定は,標準報酬を確定するものであり,これに法令上定められた保険料率を乗じることにより自動的に社会保険料の額が定まる仕組 みであることからすると,標準報酬の決定は,行政手続法2条4号にいう「不利益処分」に当たるというべきである。 そうしたところ,本件各標準報酬決定通知書の記載からは,本件各標準報酬決定の根拠法令,その解釈の合理的根拠,被告機構の調査結果及びそのうち事実認定に利用した資料,処分の基礎となる事実認定の結果を理解 することはできず,本件各標準報酬決定通知書は,いかなる事実関係に基 づき,いかなる法規を適用して処分がされたかを具体的に了知させるものではないから,理由の提示として不備がある。 イ被告らの主張について(ア) 被告機構は,本件各標準報酬決定通知書に注釈として「届書年月日の標準報酬月額(算定記録)を訂正しました」等の補正内容の記載があ ることをもって,理由が示されている旨主張し,被告国も,理由が示されていることを前提に,その程度が十分であるか否かを論じている。 しかしながら,理由の提示において示されるべき「不利益処分の理由」とは,行政庁がその不利益処分を行うべきであるとの最終的な判断に至った論理的プロセスをいうところ,本件各標準報酬決定通知書の記載は, 補正内容(結果)を記載するものにすぎず,補正の原因となった理由について記載するものではない。したがって,本件各標準報酬決定は,理由の提示の程度が十分であるか否かを論じるまでもなく,理由の記載が欠けたものとして取消しを免れない。 (イ) 被告機構は,標準報酬を決定するまでの一連の過程が法令に明記さ 準報酬決定は,理由の提示の程度が十分であるか否かを論じるまでもなく,理由の記載が欠けたものとして取消しを免れない。 (イ) 被告機構は,標準報酬を決定するまでの一連の過程が法令に明記さ れていること,及び,調査等の過程において本件各標準報酬決定の理由が説明済みであることを主張するが,行政庁の恣意の抑制及び不服申立ての便宜という理由の提示制度の趣旨に鑑みれば,被告機構の主張する事情によって理由の提示の不備が治癒されるものではない。 (ウ) 被告らは,本件各標準報酬決定について,行政庁の恣意が入る余地 が極めて乏しいなどとも主張する。 しかしながら,本件各標準報酬決定は,事業主の届出に基づいて行われたものではなく,被告機構が届出と異なる事実関係を認定の上,職権で訂正又は取消しを行ったものであり,上記の職権による訂正及び取消しは,健保法や厚年法に明記されているものではなく,厚生労働省が職 権によっても可能であると解釈した結果行われたものにすぎない。また, 事実認定においても行政裁量は働くのであり,理由の提示制度の趣旨である恣意抑制機能が軽視されるべき事情はない。特に,本件においては,原告らの担当者や顧問社会保険労務士らが,何度も根拠法令及び違法の理由を示すよう伝えており,原告らにとって根拠規定及び処分理由は明らかでなかった。調査を経ているからといって,理由の提示の程度が軽 減されるものではなく,むしろ原告らの言い分を踏まえて理由を提示することこそが,理由の提示制度の趣旨に適うものである。 (エ) 被告国は,本件各標準報酬決定に係る資料や事実関係を原告らが把握しているとして,理由の提示の程度が軽減される旨主張するが,理由の提示の程度は,処分の名宛人の認識によって軽減されるものではない。 (オ) 各標準報酬決定に係る資料や事実関係を原告らが把握しているとして,理由の提示の程度が軽減される旨主張するが,理由の提示の程度は,処分の名宛人の認識によって軽減されるものではない。 (オ) 被告国は,本件各標準報酬決定が取り消された場合の本件従業員らの被る損害について主張するが,理由の提示とは無関係の事情である。 本件従業員らと原告らとの関係は,取消訴訟によって調整されるべき事情ではなく,本件従業員らと原告らとの間の私法上の法律関係の中で調整すべき事情である。 (被告機構の主張(本件各標準報酬決定について))(1) 標準報酬月額を決定又は改定する処分は,飽くまで,定時決定,被保険者の資格を取得した際の決定又は随時改定が行われる時点における被保険者の標準報酬月額を個別に確定することを目的とした処分にすぎない。また,例えば被保険者数に異動が生じた場合には,定時決定によって決定した標準報 酬月額に基づくその年の9月分以降の社会保険料は再計算されることになるから,定時決定によって決定された標準報酬月額に基づいて事業主が負担する社会保険料額が直接確定するわけではない。 このように,定時決定等により標準報酬月額が決定したこと自体によって直接に社会保険料の負担義務が課せられるわけではなく,特定の者に義務を 課したり,その権利を制限したりするような効果は生じないから,標準報酬 月額の決定又は改定は,行政手続法2条4号にいう「不利益処分」には当たらない。このことは,標準賞与額の決定についても同様である。 したがって,本件各標準報酬決定に行政手続法14条は適用されず,理由の提示は不要である。 (2) 仮に,標準報酬の決定が「不利益処分」に該当するとしても,処分の性質 と理由の提示を命じた法律の規定の趣旨及び 件各標準報酬決定に行政手続法14条は適用されず,理由の提示は不要である。 (2) 仮に,標準報酬の決定が「不利益処分」に該当するとしても,処分の性質 と理由の提示を命じた法律の規定の趣旨及び目的に照らし,本件各標準報酬決定通知書の理由の提示は十分である。 すなわち,本件各標準報酬決定通知書には,注釈として「届書年月日の標準報酬月額(算定記録)を訂正しました。」などと処分理由が記載され,処分前と処分後の標準報酬が表示されて補正内容が明らかとなっており,各記 載を見れば,標準報酬の額を決定又は訂正したことは明らかであって,容易にその内容を把握することができる。 そして,定時決定等によって標準報酬を決定するまでの一連の過程は法律の規定に明記されており,報酬が定まれば標準報酬はおのずと定まるものであるところ,事業主のした届出の基礎となる事実関係に誤りがあるなどの場 合,被告機構において,事業主に確認するなどの手順を踏んだ上で,職権により訂正又は取消しの処分を行っており,標準報酬の決定において行政庁の恣意的判断が介在する余地はない。 加えて,被告機構の担当者は,本件各標準報酬決定が行われた理由,つまり,何が原因で標準報酬が変更されるに至ったかについて,原告らに繰り返 し説明しており,原告らもこれを十分認識することができていたはずであるから,不服申立てに際し便宜を与えるという理由の提示の趣旨にも合致している。 このように,原告らは,本件各標準報酬決定通知書の記載内容から本件各標準報酬決定の内容を正確に確認することができ,また,原告らの不当な届 出を否定するために行われた本件各標準報酬決定と,これが行われるまでの 被告機構と原告らとの間の長期にわたるやり取りの内容からすれば,原告らにおいて ことができ,また,原告らの不当な届 出を否定するために行われた本件各標準報酬決定と,これが行われるまでの 被告機構と原告らとの間の長期にわたるやり取りの内容からすれば,原告らにおいて本件各標準報酬決定が行われた理由を十二分に認識することができる状況にあったことは明らかであって,これらの事情に鑑みると,本件各標準報酬決定通知書の記載をもって,行政手続法が定める理由の提示の程度を満たしていないということはできない。 (被告国の主張)(1) 本件各標準報酬決定についてア標準報酬の決定は,基本的に,機械的かつ画一的にその内容が確定する上,定期的に大量処理が予定されている処分である。また,標準報酬の決定より前に事業主の社会保険料の納付義務は発生しており,同決定は, 個々の被保険者ごとに仮定的な納付額を算出することを可能とするものにすぎない。 また,標準報酬は,被保険者の報酬額に対応して機械的,画一的に定まるものであって,行政庁の恣意が入る余地は極めて乏しいし,標準報酬を確定するために必要な資料は処分の名宛人である事業主が全て保有し,標 準報酬の確定に必要な事実関係も事業主が全て把握している。さらに,標準報酬の決定については,事業主からの届出により大半の事務処理がされていることからすれば,事業主は,標準報酬の決定に係る根拠規定やその決定方法についても一般的に認識しているものと認められる。 以上の標準報酬の決定に係る法制度や特色を踏まえるならば,理由の提 示の程度は,その趣旨を満たす最低限のもので足りるというべきである。 イ本件においては,原告らが,本件各標準報酬決定の理由について具体的かつ的確に把握している。すなわち,本件各標準報酬決定の理由を端的にいえば,本件海外法人が被保険者であ 足りるというべきである。 イ本件においては,原告らが,本件各標準報酬決定の理由について具体的かつ的確に把握している。すなわち,本件各標準報酬決定の理由を端的にいえば,本件海外法人が被保険者である本件従業員らに支払っているとされた報酬は,実質的に原告らにおいて支払っていることが認められたとい うことに尽きる。被告機構の担当者は,調査の結果判明した上記の点を繰 り返し原告らに伝え,自主的に標準報酬月額の届出をするよう求めていた。 しかも,原告らは,本件海外法人の実情に何ら変更がないにもかかわらず,平成29年9月以降の本件従業員らの報酬については全て原告らが負担していることを前提に,同年12月を改定月とする報酬月額変更届出をした。 このように,本件では,本件各標準報酬決定における理由の提示によって, 原告らにおいて,本件各標準報酬決定に係る根拠規定も,その具体的な理由(本件海外法人が被保険者に支払っているとされた報酬は,実質的に原告らが支払っていると認められたこと)についても,十二分に把握することができたという特段の事情があった。 ウ以上のとおり,標準報酬は報酬額が決まれば機械的に定まるものである 上,報酬の具体的な金額は処分の名宛人である事業主が当然に把握しているものであり,処分に当たって行政庁の恣意が入る余地はほとんどない。 また,標準報酬は,通常事業主の届出が契機となって機械的に決定されるものであり,通知された標準報酬から逆算すれば行政庁が認定した報酬額がおおむね判明するものである上,本件においては,調査の際に,被告機 構の担当者が原告らに決定の理由を十分に説明している。 さらに,仮に本件各標準報酬決定が理由の提示の不備により取り消された場合,社会保険料を徴収する権利が時効によって消滅したときは,被 構の担当者が原告らに決定の理由を十分に説明している。 さらに,仮に本件各標準報酬決定が理由の提示の不備により取り消された場合,社会保険料を徴収する権利が時効によって消滅したときは,被保険者である本件従業員らやその家族は,実際に支払われた正当な報酬額に対応する年金額を受け取ることができなくなり,妥当なものとはいい難い。 労働者及び家族の生活の安定と福祉の向上への寄与という健保法及び厚年法の目的を参酌するならば,標準報酬の決定等の理由の提示の程度は,なおさら必要最小限のもので足りるというべきである。 したがって,本件の事実関係等を前提とした場合,本件各標準報酬決定についての理由の提示の程度は,行政庁の恣意抑制及び名宛人の不服申立 ての便宜付与という行政手続法14条1項の趣旨を満たすものといえるか ら,違法ではない。 (2) 本件各認定決定及び本件各追徴金徴収決定について徴収法37条は,同法の規定による処分について行政手続法第2章及び第3章の規定は適用しない旨規定しており,労働保険料の徴収に係る処分について理由の提示がなかったとしても,同法違反となる余地はない。 もっとも,本件各認定決定に係る通知書には,「差額を生じた理由」が記載されている。 7 争点(4)(本件各社会保険料納入告知及び本件各社会保険料督促が適法であるか否か,また,本件各労働保険料等納入告知及び本件各労働保険料督促が適法であるか否か)に関する当事者の主張 (被告国の主張)(1) 本件各標準報酬決定,本件各認定決定及び本件各追徴金徴収決定は適法であるから,原告らについて,社会保険料及び労働保険料(追徴金を含む。)の納付義務が生じていたことは明らかである。それにもかかわらず,原告らはこれらの納付をしなかったの び本件各追徴金徴収決定は適法であるから,原告らについて,社会保険料及び労働保険料(追徴金を含む。)の納付義務が生じていたことは明らかである。それにもかかわらず,原告らはこれらの納付をしなかったのであるから,本件各社会保険料納入告知,本 件各社会保険料督促,本件各労働保険料等納入告知及び本件各労働保険料督促が適法であることは明らかである。 (2) 理由の提示についてア本件各社会保険料納入告知及び本件各社会保険料督促について前記4(被告国の主張)のとおり,社会保険料に係る納入の告知につい ては処分性がないが,この点をおくとしても,納入の告知は,標準報酬に法令で定めた保険料率を乗じて算出された額を納付すべき保険料額として通知するものにすぎず,納付義務を課すものではないから,行政手続法2条4号にいう「不利益処分」に当たらず,理由の提示を問題とする余地はない。 社会保険料の督促についても,上記手続により算出される社会保険料に ついて,事業主が納期限を徒過して支払わない場合にその旨を伝える手続にすぎず,「不利益処分」に当たらないから,理由の提示を問題とする余地はない。 イ本件各労働保険料等納入告知及び本件各労働保険料督促について前記6(被告国の主張)(2)のとおり,徴収法37条により,労働保険料 の徴収に係る処分については,理由の提示をせずにされたとしても,行政手続法違反に当たる余地はない。 (原告らの主張)(1) 前記5の(原告らの主張)と同様の理由により,本件各社会保険料納入告知,本件各社会保険料督促,本件各労働保険料等納入告知及び本件各労働保 険料督促も違法である。 (2) 理由の提示に不備があることア本件各社会保険料納入告知,本件各社会保険料督促,本件各労働保険料 会保険料督促,本件各労働保険料等納入告知及び本件各労働保 険料督促も違法である。 (2) 理由の提示に不備があることア本件各社会保険料納入告知,本件各社会保険料督促,本件各労働保険料等納入告知及び本件各労働保険料督促に係る書面には,理由の提示が一切ないから,上記各処分は,行政手続法14条1項本文に反し,違法である。 イ社会保険料の納入の告知及び労働保険料の納入の告知は,前記4(原告らの主張)のとおり,納付者に具体的な納付義務を生じさせるものであるから,行政手続法2条4号にいう「不利益処分」に当たる。 なお,被告機構は,本件各標準報酬決定が「不利益処分」でない旨主張するが,仮にそうであれば,後続処分である納入の告知が「不利益処分」 に当たることは明らかである。 第3 当裁判所の判断 1 争点(1)(社会保険料の納入の告知並びに労働保険料及び追徴金の納入の告知が抗告訴訟の対象となる処分か否か)について(1) 社会保険料の納入の告知について 社会保険料は,標準報酬月額の決定又は改定及び標準賞与額の決定により 確定した標準報酬の額に,法令で定められた保険料率(支援法上の拠出金については拠出金率。以下同じ。)を乗じて算出されるものであり,標準報酬の額が確定すれば,特別な手続を要することなく納付すべき額が定まるものである。そして,納入の告知は,このように納付すべき額の確定した社会保険料について,納期限を指定してその履行を請求する行為にすぎず,これに よって納付すべき社会保険料の額が確定するものということはできない。 もっとも,標準報酬決定に係る通知書には,納付すべき社会保険料の額が記載されず(甲1~7〔枝番を含む。〕,弁論の全趣旨),納付すべき社会保険料の額がいくらであるかについての行 うことはできない。 もっとも,標準報酬決定に係る通知書には,納付すべき社会保険料の額が記載されず(甲1~7〔枝番を含む。〕,弁論の全趣旨),納付すべき社会保険料の額がいくらであるかについての行政庁の見解が初めて公にされるのは,納入の告知がされた段階であるといえる。そうすると,納付義務者であ る事業所が,標準報酬の額から社会保険料の額を算出する計算過程に誤りがあるなどとして社会保険料の額を不服とすることが想定されるから,当該額による社会保険料の徴収を防止するため,抗告訴訟を提起することができるものと解するのが相当である(昭和45年最判参照)。実務において,社会保険料の納入の告知の際に不服申立ての手続が教示されていること(甲45, 46,乙16)も,このような理解に基づくものと解される。 以上によれば,社会保険料の納入の告知は,抗告訴訟の対象となる「処分」に当たるというべきであるから,原告らの本件各社会保険料納入告知の取消しを求める訴えは適法である。 (2) 労働保険料及び追徴金の納入の告知について 労働保険料及び追徴金の具体的な納付義務は,労働保険料の認定決定及び追徴金の徴収決定によって確定するものであり,納入の告知は,このように納付すべき額の確定した労働保険料及び追徴金について,納期限を指定してその履行を請求する行為にすぎない。また,納付すべき労働保険料及び追徴金の額は,労働保険料の認定決定及び追徴金の徴収決定によって明らかにさ れており,納入の告知によってこれらの金額についての行政庁の見解が初め て明らかにされるというものでもない。 以上によれば,労働保険料等の納入の告知は,抗告訴訟の対象となる「処分」に当たらないというべきであり,原告Gを除く原告らの本件各労働保険料等納入告知の取消し て明らかにされるというものでもない。 以上によれば,労働保険料等の納入の告知は,抗告訴訟の対象となる「処分」に当たらないというべきであり,原告Gを除く原告らの本件各労働保険料等納入告知の取消しを求める訴えは不適法である。 2 争点(2)(本件各標準報酬決定,本件各認定決定及び本件各追徴金徴収決定が 実体上適法であるか否か)について(1) 認定事実前記前提事実,後掲各証拠及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 ア原告らにおいては,平成24年頃から本件手法が採用されていたところ, 平成29年9月,本件グループについて,海外に架空会社を作り出して従業員を海外の事業所からの出向扱いとし,厚生年金保険料の納付を免れている旨の通報があったことを契機に,原告らに対し,前橋年金事務所,郡山年金事務所,群馬労働局及び福島労働局の合同調査等が実施されることとなった(前記前提事実(1)及び(2)ア)。 イ本件従業員らについては,本件手法が採用されていたところ,本件手法においては,①原告らとの間に雇用契約が成立している従業員に対し,本件海外法人への転籍命令が発令され,当該従業員と本件海外法人との間で雇用契約書が締結され,その上で,本件海外法人において当該従業員に対して原告らへの出向が命じられ,同一日付で当該従業員と原告らとの間で 本件海外法人との間の上記雇用契約と同一条件の雇用契約書が締結されていた。また,②賃金の支払については,原告らが一定額を当該従業員に直接支払い,本件海外法人が当該従業員に「その他の給与」(雇用契約書において合意された賃金額から原告らが支払うものとされた上記一定額を控除した金額)及び賞与を支払うものとされていた。そして,③本件海外法 人と原告らとの間の出向協定書において,原告 雇用契約書において合意された賃金額から原告らが支払うものとされた上記一定額を控除した金額)及び賞与を支払うものとされていた。そして,③本件海外法 人と原告らとの間の出向協定書において,原告らが,出向料として,上記 ②において本件海外法人が当該従業員に支払うものとされた一定額の給与及び賞与に相当する額を負担する旨定められていた(乙20〔枝番を含む。〕,21,丙22~25,弁論の全趣旨)。 ウ本件グループのCEOであり,本件海外法人の社長でもあるIは,平成29年10月25日,前橋年金事務所の職員による聴取の際,本件海外法 人に関して,「現地に従業員はいません。海外法人の活用を検討したことはありますが,具体化には至っておらず,表面上稼働していません。」,「従業員は,海外法人で働いているといった認識はないと思います。」と述べていた(丙5〔1,3頁〕)。 エ本件海外法人の所在地である事業所の家賃は相場の100分の1程度で あるところ,その理由は,複数の企業で当該事業所を借り受け,その家賃を負担しているからであった(乙15〔4頁〕,丙11〔3頁〕)。 (2) 検討ア標準報酬は被保険者の「報酬」及び「賞与」の額によって定まり,労働保険料は労働者の「賃金総額」によって定まるものであるところ(健保法 40条1項,45条1項,厚年法20条1項,24条の4第1項,徴収法11条2項),上記「報酬」,「賞与」及び「賃金」は,名称のいかんを問わず労働の対償として受けるもの又は支払われるものとされている(健保法3条5項,6項,厚年法3条1項3号,4号,徴収法2条2項)。 そして,健保法及び厚年法は,「被保険者」とは適用事業所に「使用さ れる」者等をいうとし,被保険者及び「被保険者を使用する事業主」はそれぞれ保険 年法3条1項3号,4号,徴収法2条2項)。 そして,健保法及び厚年法は,「被保険者」とは適用事業所に「使用さ れる」者等をいうとし,被保険者及び「被保険者を使用する事業主」はそれぞれ保険料額の2分の1を負担し,事業主は「その使用する被保険者」及び自己の負担する保険料を納付する旨規定している(健保法3条1項,161条1項,2項,厚年法9条,82条1項,2項)。また,徴収法は,事業主はその保険年度に「使用する」あるいは「使用した」全ての労働者 に係る労働保険料を支払う旨規定している(15条1項,19条1項,5 項)。 そうすると,本件においては,本件海外法人名義で支払われていた給与及び賞与が,原告らの業務に対する労働の対価として,原告らによって支払われていたといえるか否かが問題となるというべきである。 イ前記認定事実ウ及びエに照らせば,本件海外法人は,実態の伴った事業 所であったとはおよそいい難く,本件従業員らについては,契約書等の書類上,本件海外法人に転籍した上で,原告らに出向するという形式が採られていたものの,上記転籍前後を通じて本件従業員らの業務内容に変更があったわけではなく,原告らの業務に引き続き従事しており,上記転籍後も本件従業員らに対して指揮監督権を有していたのは原告らであったもの と推認されるところ,これを覆すに足りる証拠はない。 そして,本件従業員らに支給されていた給与及び賞与についてみても,前記認定事実イ②及び③のとおり,形式上は,給与のうち一定額を原告らが支払い,その余の給与及び賞与は本件海外法人名義で支払われていたものの,本件海外法人の負担分については,「出向料」という名目で原告ら から本件海外法人に支払われていたのである。そうすると,本件海外法人名義で本件従業員らに 本件海外法人名義で支払われていたものの,本件海外法人の負担分については,「出向料」という名目で原告ら から本件海外法人に支払われていたのである。そうすると,本件海外法人名義で本件従業員らに支払われていた給与及び賞与は,上記のとおり実態のない本件海外法人を迂回させる方法により,実質的には原告らが支払っていたものとみるのが相当である。 以上の事情に照らせば,本件従業員らが支払を受けていた給与及び賞与 は,本件海外法人名義で支払われていた分も含めて,全て原告らへの労働の対価として原告らが支払っていたものと認められる。 したがって,本件従業員らの標準報酬の算定においては,本件海外法人名義で支払われていた分を報酬額に算入するのが相当であるし,労働保険料の算定においても,同様にこれを賃金総額に算入するのが相当である。 (3) 原告らの主張について ア原告らは,本件海外法人について,原告らの経営戦略上有用な事業目的及び事業実態が存在していた旨主張する。しかしながら,本件海外法人が実際に稼働していたことを示す証拠は見当たらないばかりか,本件海外法人の社長であるI自身が,本件海外法人が実態のないものであったことを裏付ける発言をしていたこと(前記認定事実ウ)に照らすと,上記主張を 採用することはできない。 また,原告らは,本件海外法人が健保法及び厚年法にいう「適用事業所」に該当せず,本件海外法人の事業は徴収法等にいう「適用事業」に該当しない旨主張するが,本件各標準報酬決定は健保法及び厚年法にいう「報酬」及び「賞与」について,本件各認定決定は徴収法等にいう「賃金」につい て,いずれも本件海外法人名義で支払われていた分を原告らが支払ったものとして算入すべきであるとしたものであり,本件海外法人やその事業が について,本件各認定決定は徴収法等にいう「賃金」につい て,いずれも本件海外法人名義で支払われていた分を原告らが支払ったものとして算入すべきであるとしたものであり,本件海外法人やその事業が「適用事業所」や「適用事業」に該当するとしたものではないから,原告らの主張は前提を欠くものというべきである。 イ原告らは,健保法,厚年法,徴収法等にいう「適用事業所」,「適用事 業」,「使用される」者,「報酬」といった文言からは,海外に所在する事業所において雇用される者が社会保険料及び労働保険料の納付義務の対象となる場合があることや,いかなる場合に対象となるのかといったことが客観的,一義的に明確であるとはいえず,憲法84条に違反するから,本件各標準報酬決定及び本件各認定決定が違法である旨主張する。 そこで検討すると,国又は地方公共団体が,課税権に基づき,その経費に充てるための資金を調達する目的をもって,特別の給付に対する反対給付としてではなく,一定の要件に該当する全ての者に対して課する金銭給付は,その形式いかんにかかわらず,憲法84条に規定する租税に当たり,租税以外の公課であっても,賦課徴収の強制の度合い等の点において租税 に類似する性質を有するものについては,同条の保障が及ぶと解すべきで あるところ(最高裁平成12年(行ツ)第62号,同年(行ヒ)第66号同18年3月1日大法廷判決・民集60巻2号587頁参照),社会保険料及び労働保険料は,健保法,厚年法,児童手当法,支援法,労災保険法及び雇用保険法における特別の給付に対する反対給付として徴収されるものであるから,租税には当たらず,同条が直接適用されることはないが, 租税に類似する性質を有するものとして同条の保障が及ぶものということができる。 もっとも, 対する反対給付として徴収されるものであるから,租税には当たらず,同条が直接適用されることはないが, 租税に類似する性質を有するものとして同条の保障が及ぶものということができる。 もっとも,原告らの主張は,本件において,海外に所在する事業所において雇用される者が社会保険料及び労働保険料の納付義務の対象となる場合があるとされたことを前提に,上記各文言からはそのような場合がある こと等が明らかでない旨をいうものと解される。しかるところ,本件手法の下においては,国内事業所が海外法人に従業員を形式上転籍させ,海外法人名義で給与等が支払われていたが,従業員は引き続き国内事業所の業務に従事し,国内事業所が海外法人に対して上記給与等と同額の負担をしていたのであり,原告らの主張は,そのような場合における標準報酬や労 働保険料の算定方法を法文上明記しなければ憲法84条やその趣旨に反する旨をいうものに等しいというべきであって,上記各文言の意義が不明確であることにより同条の趣旨に反するものということはできない。 したがって,原告らの上記主張は理由がない。 ウ原告らは,本件手法の導入に当たって年金事務所に問い合わせをしたと ころ,担当者から不適当,不適法とまではいい難い旨回答があり,行政庁は長年これを黙認してきたなどとして,本件各標準報酬決定及び本件各認定決定は信義則に反する旨主張する。 しかしながら,原告らが本件手法の詳細な内容を明らかにして問合せ等をしたことを認めるに足りる証拠はなく,関係行政庁が,本件グループに 関する内部通報を受ける以前において,本件海外法人の実態や原告らと本 件海外法人との間の本件従業員らに対する給与等の取扱いといった,本件手法に関する個別具体的な事情を知りながらこれを放置していたものと 部通報を受ける以前において,本件海外法人の実態や原告らと本 件海外法人との間の本件従業員らに対する給与等の取扱いといった,本件手法に関する個別具体的な事情を知りながらこれを放置していたものといえるような事情は見当たらないから,信義則に反する旨の原告らの主張は前提を欠き,採用することができない。 エ原告らは,①社会保険労務士の助言に従って届出をしていたにすぎず, その金額が誤ったものであることを認知する機会がなかった,②本件手法と同様の手法を導入していたが内部通報等がされなかった事業所は,過去の社会保険料及び労働保険料の不足分の徴収を免れており,平等原則に反する,③海外法人にどの程度の実態が必要であるかについて十分な周知がなく,予測可能性を害するなどとして,本件各標準報酬決定及び本件各認 定決定が裁量権の範囲を逸脱するものである旨主張する。 しかしながら,標準報酬は被保険者に支払われた報酬額に基づき,労働保険料は賃金額に基づき,それぞれ機械的に定まるものであるから,標準報酬決定や労働保険料の認定決定をする際に行政庁の裁量が認められることを前提とした原告らの主張は,理由がないといわざるを得ない。 この点をおくとしても,上記①及び③については,実態のない海外法人を介することによって社会保険料や労働保険料の負担を免れることが脱法行為に当たることは,健全な社会常識に照らし明らかであり,上記②については,行政庁において同様の手法を採用している事業所を覚知し得ない以上,職権による標準報酬決定等をすることができないにすぎず,そのこ とを理由に原告らに対して是正措置を講ずることが平等原則に反するなどといえないことは明らかであるから,いずれにしても,原告らの主張を採用することはできない。 (4) 以上によれば, そのこ とを理由に原告らに対して是正措置を講ずることが平等原則に反するなどといえないことは明らかであるから,いずれにしても,原告らの主張を採用することはできない。 (4) 以上によれば,本件各標準報酬決定及び本件各認定決定は,実体上適法であり,本件各認定決定を前提としてされた本件各追徴金徴収決定も,実体上 適法である。 3 争点(3)(本件各標準報酬決定,本件各認定決定及び本件各追徴金徴収決定につき,行政手続法14条1項本文所定の理由の提示を欠く違法があるか否か)について(1) 本件各標準報酬決定についてア行政手続法2条4号の「不利益処分」に当たるか否かについて 行政手続法における「不利益処分」とは,行政庁が,法令に基づき,特定の者を名宛人として,直接にこれに義務を課し又はその権利を制限する処分をいう(同法2条4号本文)。 事業者が納付すべき社会保険料の額は,標準報酬の額に一定の保険料率を乗じて算定されるものであり,その標準報酬の額は,標準報酬の決定に よって確定するものであることからすると,いったんこれらの決定がされれば,事業者は,当該決定が取り消されない限り,これに応じた社会保険料を納付する義務を負うこととなるといえる。このような性質に鑑みると,標準報酬の決定は,事業主を名宛人として,直接にこれに義務を課す処分に当たるというべきであるから,行政手続法2条4号の「不利益処分」に 当たることになる。 これに対し,被告機構は,例えば被保険者数に異動が生じた場合には,定時決定によって決定した標準報酬月額に基づくその年の9月分以降の社会保険料は再計算されることになるなどとして,定時決定によって決定された個別の被保険者の標準報酬月額に基づいて事業主が負担する社会保険 料額が 定した標準報酬月額に基づくその年の9月分以降の社会保険料は再計算されることになるなどとして,定時決定によって決定された個別の被保険者の標準報酬月額に基づいて事業主が負担する社会保険 料額が直接確定するわけではない旨主張する。しかしながら,被告機構が主張するような被保険者数の異動が生じた場合でも,事業所全体の社会保険料の額の算定に当たり,異動のない被保険者に係る定時決定によって決定された標準報酬月額は変更されることなく,再計算の要素とされるものと考えられるから,被告機構の主張する点は,上記判断を左右するものと はいえない。 イ(ア) 行政手続法14条1項本文が,不利益処分をする場合に同時にその理由を名宛人に示さなければならないとしているのは,名宛人に直接に義務を課し又はその権利を制限するという不利益処分の性質に鑑み,行政庁の判断の慎重と合理性を担保してその恣意を抑制するとともに,処分の理由を名宛人に知らせて不服の申立てに便宜を与える趣旨に出たも のと解されるのであり,同項本文に基づいてどの程度の理由を提示すべきかは,上記のような同項本文の趣旨に照らし,当該処分の根拠法令の規定内容,当該処分に係る処分基準の存否及び内容並びに公表の有無,当該処分の性質及び内容,当該処分の原因となる事実関係の内容等を総合考慮してこれを決定すべきである(最高裁平成21年(行ヒ)第91 号同23年6月7日第三小法廷判決・民集65巻4号2081頁)。 そして,上記のような行政手続法14条1項本文の趣旨に鑑みれば,同項本文による理由の提示は,特段の事情のない限り,いかなる事実関係に基づきいかなる法規を適用して不利益処分がされたのかを,処分の相手方においてその記載自体から了知し得るものでなければならないと いうべきである( 示は,特段の事情のない限り,いかなる事実関係に基づきいかなる法規を適用して不利益処分がされたのかを,処分の相手方においてその記載自体から了知し得るものでなければならないと いうべきである(最高裁昭和45年(行ツ)第36号同49年4月25日第一小法廷判決・民集28巻3号405頁等参照)。 (イ) 前記前提事実(2)イ(ア)及び(イ)のとおり,本件各標準報酬決定は,本件海外法人名義で支払われていた給与及び賞与を報酬額に算入すべきであるとして,原告らの届出に基づく当初の標準報酬月額の決定を職権 で訂正し,賞与については,原告らが支払ったものとして標準賞与額の登録をするというものである。 そして,本件各標準報酬決定通知書には,個々の従業員ごとに補正前及び補正後の標準報酬の額,届書年月日等が記載され,「補正内容」欄には,「届書年月日の標準報酬月額(算定記録)を訂正しました。」, 「標準報酬月額(算定記録)を登録したため,届書年月日の標準報酬月 額(月額変更記録)を取り消しました。」,「届書年月日の標準報酬月額(月額変更記録)を取り消しました。」,「届書年月日の標準賞与額を登録しました。」等の記載があり(甲1~7〔枝番を含む。〕),個々の従業員について,補正前の標準報酬決定に係る報酬額が誤りであって,補正後の標準報酬に係る報酬額が正しいものとされたということ については,その記載自体から了知することが可能であるといえる。 しかしながら,本件各標準報酬決定通知書には,なぜ補正前の標準報酬決定に係る報酬額が誤っており,補正後の標準報酬に係る報酬額が正しいものとされたのかに関する事情,すなわち,本件海外法人名義で支払われていた給与や賞与を報酬額に算入すべきものとされたという,本 件各標準報酬決定の基因となっ 正後の標準報酬に係る報酬額が正しいものとされたのかに関する事情,すなわち,本件海外法人名義で支払われていた給与や賞与を報酬額に算入すべきものとされたという,本 件各標準報酬決定の基因となった事実について記載された箇所はなく,これを了知させる手がかりとなる記載も一切ない(甲1~7〔枝番を含む。〕)。 そうすると,本件各標準決定通知書の記載は,本件従業員らについて,いかなる事実関係に基づいて,同通知書記載の日に行った届出に基づく 標準報酬の決定等が訂正されたり,標準賞与額が登録されたりしたのかを,その記載自体から了知することができるものとはいえないから,行政手続法14条1項の要求する理由の提示を欠くものといわざるを得ない。 (ウ) これに対し,被告機構は,本件各標準報酬決定通知書の記載内容か ら処分内容を理解することが可能である旨主張するところ,上記(イ)のとおり,個々の従業員について,補正後の標準報酬に係る報酬額が正しいものとされたという処分の結果については,その記載自体から了知することが可能といえる。また,標準報酬額から逆算すれば被告機構が認定したおおよその報酬額を把握することはできるから,報酬額に関する 資料を保有する原告らにおいて,補正後の標準報酬の記載等に当該資料 の情報を併せることによって,本件海外法人名義で支払われた給与及び賞与を報酬の額に算入すべきものとされたという事実を推知することは,可能であったと考えられる。 しかしながら,上記(イ)のとおり,本件各標準報酬決定通知書自体には,上記の本件各標準報酬決定の基因となった事実を了知させる手がか りとなる記載すらないのであるから,いかなる事実関係に基づいて本件各標準報酬決定がされたかについて,その記載自体から了知することはできな 本件各標準報酬決定の基因となった事実を了知させる手がか りとなる記載すらないのであるから,いかなる事実関係に基づいて本件各標準報酬決定がされたかについて,その記載自体から了知することはできないといわざるを得ない。 (エ) 被告らは,本件各標準報酬決定が行政庁の恣意的判断が介在する余地のない処分である旨主張し,被告国は,理由の提示の程度は標準報酬 の決定に係る法制度や特色の趣旨を満たす最低限のもので足りる旨主張する。 この点について,確かに,報酬額が定まれば標準報酬の額は一義的に定まるものであり,その報酬額がいくらであるかは基本的に事実認定の問題であることからすると,標準報酬の決定等については,いわゆる裁 量処分と比較して行政庁の恣意が介在する余地が類型的に乏しいということができる。そして,報酬額を認定するために必要な資料等を処分の名宛人である事業主が保有していることにも照らせば,事業主のした届出に基づく当初の標準報酬決定の訂正等をする標準報酬決定に係る通知書において示されるべき理由は,必ずしも詳細なものでなくとも,行政 庁の判断の慎重と合理性を担保するとともに不服申立ての便宜を与えるという,前記(ア)の理由の提示制度の趣旨を満たすものと評価して差し支えないと考えられる(例えば,本件各認定決定に係る通知書の「差額を生じた理由」欄にある「賃金総額への算入漏れ」,「雇用保険申告に海外法人支払分未算入のため」といった記載(甲22~27)の程度で あっても足りるというべきである。)。 しかしながら,本件各標準報酬決定は,届出に基づいて行われた当初の決定を職権により訂正等するものであるから,上記の理由の提示制度の趣旨に鑑みれば,少なくともその基因となった事実関係,すなわち,本件海外法人からの支払分 標準報酬決定は,届出に基づいて行われた当初の決定を職権により訂正等するものであるから,上記の理由の提示制度の趣旨に鑑みれば,少なくともその基因となった事実関係,すなわち,本件海外法人からの支払分を報酬に算入すべきものとしたことについては,何らかの形で書面上に示される必要があったというべきである。に もかかわらず,前記(イ)のとおり,本件各標準報酬決定通知書には,これを了知し得る手がかりとなる記載すらないのであるから,理由の提示として不備があるものといわざるを得ない。 被告らは,被告機構の担当者が原告らに対し,調査の過程で本件各標準報酬決定の基因となる事実を説明していることに照らせば,原告らは 本件各標準報酬決定の理由を十分認識することができており,理由の提示の趣旨は満たされているとも主張する。しかしながら,前記(ア)のとおり,行政手続法14条1項本文は,処分の名宛人に不服申立ての便宜を与えるのみならず,行政庁の判断の慎重と合理性を担保してその恣意を抑制する趣旨に出たものであるから,原告らの認識や,原告らにおい て処分を受けたこと自体からこれを推知することができたか否かにかかわらず,本件各標準報酬決定通知書において,上記に説示した程度の理由が示されていなければならないというべきである。 (オ) 被告国は,標準報酬決定について定期的に大量処理が予定されている処分である旨を指摘するが,本件各標準報酬決定は,届出に基づいて 行われた当初の決定を職権により訂正等するものであるから,定期的に大量処理が予定されているものということは困難である。 また,被告国は,本件従業員らに責任を転嫁することはできない旨主張するが,被告国の指摘する事情は,本件各標準報酬決定が理由の提示を欠くものであるか否かの判断に関連する事情であ ことは困難である。 また,被告国は,本件従業員らに責任を転嫁することはできない旨主張するが,被告国の指摘する事情は,本件各標準報酬決定が理由の提示を欠くものであるか否かの判断に関連する事情であるとはいい難い。 ウ以上によれば,本件各標準報酬決定における理由の記載は,行政手続法 14条1項本文の理由の提示を欠くものであり,本件各標準報酬決定は,同項に違反するものといわざるを得ない。 (2) 本件各認定決定及び本件各追徴金徴収決定について徴収法37条によれば,労働保険料の認定決定及び追徴金の徴収決定について,行政手続法14条1項の規定は適用されないから,本件各認定決定及 び本件各追徴金徴収決定が同項に反する旨の原告らの主張は,前提を欠くものとして採用することができない。 4 本件各標準報酬決定,本件各認定決定及び本件各追徴金徴収決定の適否上記3のとおり,本件各標準報酬決定は,行政手続法14条1項に反するものとして違法であるから,取り消されるべきである。他方,前記2及び3によ れば,本件各認定決定は適法であり,これを前提とした本件各追徴金徴収決定もまた適法である。 5 争点(4)(本件各社会保険料納入告知及び本件各社会保険料督促が適法であるか否か,また,本件各労働保険料等納入告知及び本件各労働保険料督促が適法であるか否か)について (1) 本件各社会保険料納入告知及び本件各社会保険料督促についてア上記4のとおり,本件各標準報酬決定は違法であり,取消しを免れないから,その余の点について判断するまでもなく,本件各標準報酬決定を前提にされた本件各社会保険料納入告知(ただし,遡及分に係る部分に限る。)及び本件各社会保険料督促は違法であり,取消しを免れない。 イ一方,遡及分を除いた本 でもなく,本件各標準報酬決定を前提にされた本件各社会保険料納入告知(ただし,遡及分に係る部分に限る。)及び本件各社会保険料督促は違法であり,取消しを免れない。 イ一方,遡及分を除いた本件各社会保険料納入告知については,平成30年の定時決定等を前提としたものであり,本件各標準報酬決定を前提としたものではないところ,上記定時決定等の効力は争われていないから,本件各社会保険料納入告知は,実体上適法である。なお,原告らは,遡及分を除いた本件各社会保険料納入告知が信義則に反する旨主張するものと解 されるが,これらは本件手法と無関係の上記定時決定等に基づくものであ り,信義則に反する事情は見当たらない。 また,原告らは,遡及分を除いた本件各社会保険料納入告知についても,理由提示の不備がある旨主張する。しかしながら,社会保険料の納入の告知は,定時決定等により定められた標準報酬に法令で定めた保険料率を乗じて算出された額を納付すべき保険料額として通知するものにすぎず,こ れによって社会保険料の納付義務を課すものではないから,行政手続法2条4号の「不利益処分」には当たらない。したがって,社会保険料の納入の告知について,同法14条1項の適用はないから,遡及分を除いた本件各社会保険料納入告知が理由の提示を欠いたことにより違法となることはない。 よって,遡及分を除いた本件各社会保険料納入告知は,適法である。 (2) 本件各労働保険料督促について前記4のとおり,本件各認定決定は適法であるから,これを前提としてされた本件各労働保険料督促も適法である。 なお,原告ら(原告Gを除く。)は,本件各労働保険料督促について,争 点(2)に係る(原告らの主張)と同様の理由により違法である旨主張するが,前記2と同様 件各労働保険料督促も適法である。 なお,原告ら(原告Gを除く。)は,本件各労働保険料督促について,争 点(2)に係る(原告らの主張)と同様の理由により違法である旨主張するが,前記2と同様の理由により理由がない。また,上記原告らは,本件各労働保険料督促における理由の提示に不備がある旨主張するが,前記3(2)のとおり,労働保険料の徴収については行政手続法14条1項の適用はないから,上記主張は失当である。 なお,本件各労働保険料等納入告知については,その取消しを求める訴えは不適法であるから(前記1),その適法性については検討を要しない。 6 結論以上によれば,本件訴えのうち,本件各労働保険料等納入告知の取消しを求める部分は,いずれも不適法であるから却下し,本件各標準報酬決定,本件各 社会保険料納入告知のうち遡及分に関する部分及び本件各社会保険料督促の取 消請求はいずれも理由があるから認容し,原告らのその余の請求はいずれも理由がないから棄却することとして,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第2部 裁判長裁判官森 英明 裁判官小川弘持及び裁判官三貫納有子は,転補のため署名押印することができない。 裁判長裁判官森 英明 (別紙3)却下部分目録 1 第2事件に係る訴えのうち以下の部分(1) 群馬労働局長が平成30年10月23日付けで原告Bに対してした労働保険料の納入の告知の取消しを求める部分 (2) 群馬労働局長が平成30年10月23日付けで原告Bに対してした労働保険料に係る追徴金の納入の告知の取消しを求める部分 2 第4事件に係る訴えのうち以下の部分(1) 群馬労働局長が平成30年10月23日付 局長が平成30年10月23日付けで原告Bに対してした労働保険料に係る追徴金の納入の告知の取消しを求める部分 2 第4事件に係る訴えのうち以下の部分(1) 群馬労働局長が平成30年10月23日付けで原告Cに対してした労働保険料の納入の告知の取消しを求める部分 (2) 群馬労働局長が平成30年10月23日付けで原告Cに対してした労働保険料に係る追徴金の納入の告知の取消しを求める部分 3 第6事件に係る訴えのうち以下の部分(1) 群馬労働局長が平成30年10月23日付けで原告Dに対してした労働保険料の納入の告知の取消しを求める部分 (2) 群馬労働局長が平成30年10月23日付けで原告Dに対してした労働保険料に係る追徴金の納入の告知の取消しを求める部分 4 第9事件に係る訴えのうち以下の部分(1) 群馬労働局長が平成30年10月23日付けで原告Aに対してした労働保険料の納入の告知の取消しを求める部分 (2) 群馬労働局長が平成30年10月23日付けで原告Aに対してした労働保険料に係る追徴金の納入の告知の取消しを求める部分 5 第11事件に係る訴えのうち以下の部分(1) 福島労働局長が平成30年10月22日付けで原告Eに対してした労働保険料の納入の告知の取消しを求める部分 (2) 福島労働局長が平成30年10月22日付けで原告Eに対してした労働保 険料に係る追徴金の納入の告知の取消しを求める部分 6 第13事件に係る訴えのうち以下の部分(1) 福島労働局長が平成30年10月22日付けで原告Fに対してした労働保険料の納入の告知の取消しを求める部分(2) 福島労働局長が平成30年10月22日付けで原告Fに対してした労働保 険料に係る追徴金の納入の告知の取消しを求める部分以上 対してした労働保険料の納入の告知の取消しを求める部分(2) 福島労働局長が平成30年10月22日付けで原告Fに対してした労働保 険料に係る追徴金の納入の告知の取消しを求める部分以上 (別紙4)取消対象目録 1 第1事件に関する処分(1) 被告機構が平成30年10月9日付けで原告Bに対してした健康保険・厚生年金保険被保険者標準報酬決定 (2) 被告機構が平成30年10月9日付けで原告Bに対してした健康保険・厚生年金保険標準賞与額決定(3) 被告機構が平成30年10月9日付けで原告Bに対してした健康保険・厚生年金保険被保険者標準報酬改定(4) 厚生労働省年金局事業管理課長が平成30年10月22日付けで原告Bに 対してした健康保険料,厚生年金保険料及び子ども・子育て拠出金に係る納入の告知のうち1013万2046円を超える部分(5) 厚生労働省年金局事業管理課長が平成30年11月19日付けで原告Bに対してした健康保険料,厚生年金保険料及び子ども・子育て拠出金に係る督促 2 第3事件に関する処分 (1) 被告機構が平成30年10月10日付けで原告Cに対してした健康保険・厚生年金保険被保険者標準報酬決定(2) 被告機構が平成30年10月9日付けで原告Cに対してした健康保険・厚生年金保険被保険者標準報酬決定(3) 被告機構が平成30年10月5日付けで原告Cに対してした健康保険・厚 生年金保険被保険者標準報酬決定(4) 被告機構が平成30年10月10日付けで原告Cに対してした健康保険・厚生年金保険標準賞与額決定(5) 被告機構が平成30年10月9日付けで原告Cに対してした健康保険・厚生年金保険標準賞与額決定 (6) 被告機構が平成30年10月5日付け した健康保険・厚生年金保険標準賞与額決定(5) 被告機構が平成30年10月9日付けで原告Cに対してした健康保険・厚生年金保険標準賞与額決定 (6) 被告機構が平成30年10月5日付けで原告Cに対してした健康保険・厚 生年金保険標準賞与額決定(7) 被告機構が平成30年10月10日付けで原告Cに対してした健康保険・厚生年金保険被保険者標準報酬改定(8) 被告機構が平成30年10月9日付けで原告Cに対してした健康保険・厚生年金保険被保険者標準報酬改定 (9) 被告機構が平成30年10月5日付けで原告Cに対してした健康保険・厚生年金保険被保険者標準報酬改定(10) 厚生労働省年金局事業管理課長が平成30年10月22日付けで原告Cに対してした健康保険料,厚生年金保険料及び子ども・子育て拠出金に係る納入の告知のうち891万7115円を超える部分 (11) 厚生労働省年金局事業管理課長が平成30年11月19日付けで原告Cに対してした健康保険料,厚生年金保険料及び子ども・子育て拠出金に係る督促 3 第5事件に関する処分(1) 被告機構が平成30年10月11日付けで原告Dに対してした健康保険・厚生年金保険被保険者標準報酬決定 (2) 被告機構が平成30年10月10日付けで原告Dに対してした健康保険・厚生年金保険被保険者標準報酬決定(3) 被告機構が平成30年10月5日付けで原告Dに対してした健康保険・厚生年金保険被保険者標準報酬決定(4) 被告機構が平成30年10月10日付けで原告Dに対してした健康保険・ 厚生年金保険標準賞与額決定(5) 被告機構が平成30年10月5日付けで原告Dに対してした健康保険・厚生年金保険標準賞与額決定(6) 被告機構が平成30年10月10日付け た健康保険・ 厚生年金保険標準賞与額決定(5) 被告機構が平成30年10月5日付けで原告Dに対してした健康保険・厚生年金保険標準賞与額決定(6) 被告機構が平成30年10月10日付けで原告Dに対してした健康保険・厚生年金保険被保険者標準報酬改定 (7) 被告機構が平成30年10月5日付けで原告Dに対してした健康保険・厚 生年金保険被保険者標準報酬改定(8) 厚生労働省年金局事業管理課長が平成30年10月22日付けで原告Dに対してした健康保険料,厚生年金保険料及び子ども・子育て拠出金に係る納入の告知のうち83万6912円を超える部分(9) 厚生労働省年金局事業管理課長が平成30年11月19日付けで原告Dに 対してした健康保険料,厚生年金保険料及び子ども・子育て拠出金に係る督促 4 第7事件に関する処分(1) 被告機構が平成30年10月5日付けで原告Gに対してした健康保険・厚生年金保険被保険者標準報酬決定(2) 被告機構が平成30年10月5日付けで原告Gに対してした健康保険・厚 生年金保険標準賞与額決定(3) 被告機構が平成30年10月5日付けで原告Gに対してした健康保険・厚生年金保険被保険者標準報酬改定(4) 厚生労働省年金局事業管理課長が平成30年10月22日付けで原告Gに対してした健康保険料,厚生年金保険料及び子ども・子育て拠出金に係る納入 の告知のうち184万2948円を超える部分(5) 厚生労働省年金局事業管理課長が平成30年11月19日付けで原告Gに対してした健康保険料,厚生年金保険料及び子ども・子育て拠出金に係る督促 5 第8事件に関する処分(1) 被告機構が平成30年10月5日付けで原告Aに対してした健康保険・厚 生年金保険被保険者標準報酬決定 険料,厚生年金保険料及び子ども・子育て拠出金に係る督促 5 第8事件に関する処分(1) 被告機構が平成30年10月5日付けで原告Aに対してした健康保険・厚 生年金保険被保険者標準報酬決定(2) 被告機構が平成30年10月5日付けで原告Aに対してした健康保険・厚生年金保険標準賞与額決定(3) 厚生労働省年金局事業管理課長が平成30年10月22日付けで原告Aに対してした健康保険料,厚生年金保険料及び子ども・子育て拠出金に係る納入 の告知 (4) 厚生労働省年金局事業管理課長が平成30年11月19日付けで原告Aに対してした健康保険料,厚生年金保険料及び子ども・子育て拠出金に係る督促 6 第10事件に関する処分(1) 被告機構が平成30年10月4日付けで原告Eに対してした健康保険・厚生年金保険被保険者標準報酬決定 (2) 被告機構が平成30年10月1日付けで原告Eに対してした健康保険・厚生年金保険被保険者標準報酬決定(3) 被告機構が平成30年10月1日付けで原告Eに対してした健康保険・厚生年金保険標準賞与額決定(4) 被告機構が平成30年10月1日付けで原告Eに対してした健康保険・厚 生年金保険被保険者標準報酬改定(5) 厚生労働省年金局事業管理課長が平成30年10月22日付けで原告Eに対してした健康保険料,厚生年金保険料及び子ども・子育て拠出金に係る納入の告知のうち21万2838円を超える部分(6) 厚生労働省年金局事業管理課長が平成30年11月19日付けで原告Eに 対してした健康保険料,厚生年金保険料及び子ども・子育て拠出金に係る督促 7 第12事件に関する処分(1) 被告機構が平成30年10月1日付けで原告Fに対してした健康保険・厚生年金保険被保険者標準報酬決定 健康保険料,厚生年金保険料及び子ども・子育て拠出金に係る督促 7 第12事件に関する処分(1) 被告機構が平成30年10月1日付けで原告Fに対してした健康保険・厚生年金保険被保険者標準報酬決定(2) 被告機構が平成30年10月1日付けで原告Fに対してした健康保険・厚 生年金保険標準賞与額決定(3) 被告機構が平成30年10月1日付けで原告Fに対してした健康保険・厚生年金保険被保険者標準報酬改定(4) 厚生労働省年金局事業管理課長が平成30年10月22日付けで原告Fに対してした健康保険料,厚生年金保険料及び子ども・子育て拠出金に係る納入 の告知のうち865万0087円を超える部分 (5) 厚生労働省年金局事業管理課長が平成30年11月19日付けで原告Fに対してした健康保険料,厚生年金保険料及び子ども・子育て拠出金に係る督促以上 (別紙5)訴訟費用負担目録 1 原告Bの負担とする費用(1) 原告Bに生じた費用の20分の3(2) 被告国に生じた費用の100分の5 2 原告Cの負担とする費用(1) 原告Cに生じた費用の20分の3(2) 被告国に生じた費用の100分の3 3 原告Dの負担とする費用(1) 原告Dに生じた費用の20分の3 (2) 被告国に生じた費用の100分の1 4 原告Gの負担とする費用(1) 原告Gに生じた費用の20分の3(2) 被告国に生じた費用の100分の1 5 原告Aの負担とする費用 (1) 原告Aに生じた費用の20分の1(2) 被告国に生じた費用の100分の1 6 原告Eの負担とする費用(1) 原告Eに生じた費用の20分の5(2) 被告国に生じた費用の100分の1 7 原告 用の20分の1(2) 被告国に生じた費用の100分の1 6 原告Eの負担とする費用(1) 原告Eに生じた費用の20分の5(2) 被告国に生じた費用の100分の1 7 原告Fの負担とする費用(1) 原告Fに生じた費用の20分の3(2) 被告国に生じた費用の100分の3 8 被告国の負担とする費用(1) 原告B,同C,同D及び同Gに生じた費用の各20分の7 (2) 原告Aに生じた費用の20分の8 (3) 原告Eに生じた費用の20分の6(4) 原告Fに生じた費用の20分の7(5) 被告国に生じた費用の100分の85 9 被告機構の負担とする費用(1) 原告B,同C,同D及び同Gに生じた費用の各20分の10 (2) 原告Aに生じた費用の20分の11(3) 原告Eに生じた費用の20分の9(4) 原告Fに生じた費用の20分の10(5) 被告機構に生じた費用の全部以上 (別紙6)請求目録 1 第1事件(1) 別紙4取消対象目録記載1(1)から(3)まで及び(5)の各処分をいずれも取り消す。 (2) 厚生労働省年金局事業管理課長が平成30年10月22日付けで原告Bに対してした健康保険料,厚生年金保険料及び子ども・子育て拠出金に係る納入の告知を取り消す。 2 第2事件(1) 群馬労働局長が平成30年10月23日付けで原告Bに対してした労働保 険料の認定決定のうち不足額を257万2030円とする部分及び追徴金の徴収決定を取り消す。 (2) 群馬労働局長が平成30年10月23日付けで原告Bに対してした労働保険料の納入の告知を取り消す。 (3) 群馬労働局長が平成30年10月23日付けで原告Bに対 徴金の徴収決定を取り消す。 (2) 群馬労働局長が平成30年10月23日付けで原告Bに対してした労働保険料の納入の告知を取り消す。 (3) 群馬労働局長が平成30年10月23日付けで原告Bに対してした労働保 険料に係る追徴金の納入の告知を取り消す。 (4) 群馬労働局長が平成31年1月15日付けで原告Bに対してした労働保険料の督促を取り消す。 3 第3事件(1) 別紙4取消対象目録記載2(1)から(9)まで及び(11)の各処分をいずれも取 り消す。 (2) 厚生労働省年金局事業管理課長が平成30年10月22日付けで原告Cに対してした健康保険料,厚生年金保険料及び子ども・子育て拠出金に係る納入の告知を取り消す。 4 第4事件 (1) 群馬労働局長が平成30年10月23日付けで原告Cに対してした労働保 険料の認定決定のうち不足額を184万9331円とする部分及び追徴金の徴収決定を取り消す。 (2) 群馬労働局長が平成30年10月23日付けで原告Cに対してした労働保険料の納入の告知を取り消す。 (3) 群馬労働局長が平成30年10月23日付けで原告Cに対してした労働保 険料に係る追徴金の納入の告知を取り消す。 (4) 群馬労働局長が平成31年1月15日付けで原告Cに対してした労働保険料の督促を取り消す。 5 第5事件(1) 別紙4取消対象目録記載3(1)から(7)まで及び(9)の各処分をいずれも取り 消す。 (2) 厚生労働省年金局事業管理課長が平成30年10月22日付けで原告Dに対してした健康保険料,厚生年金保険料及び子ども・子育て拠出金に係る納入の告知を取り消す。 6 第6事件 (1) 群馬労働局長が平成30年10月23日付けで原告Dに対してした労働保険 に対してした健康保険料,厚生年金保険料及び子ども・子育て拠出金に係る納入の告知を取り消す。 6 第6事件 (1) 群馬労働局長が平成30年10月23日付けで原告Dに対してした労働保険料の認定決定のうち不足額を19万8495円とする部分及び追徴金の徴収決定を取り消す。 (2) 群馬労働局長が平成30年10月23日付けで原告Dに対してした労働保険料の納入の告知を取り消す。 (3) 群馬労働局長が平成30年10月23日付けで原告Dに対してした労働保険料に係る追徴金の納入の告知を取り消す。 (4) 群馬労働局長が平成31年1月15日付けで原告Dに対してした労働保険料の督促を取り消す。 7 第7事件 (1) 別紙4取消対象目録記載4(1)から(3)まで及び(5)の各処分をいずれも取り 消す。 (2) 厚生労働省年金局事業管理課長が平成30年10月22日付けで原告Gに対してした健康保険料,厚生年金保険料及び子ども・子育て拠出金に係る納入の告知を取り消す。 8 第8事件 主文第2項(第8事件に係る部分)に同旨 9 第9事件(1) 群馬労働局長が平成30年10月23日付けで原告Aに対してした労働保険料の認定決定のうち不足額を4万7476円とする部分及び追徴金の徴収決定を取り消す。 (2) 群馬労働局長が平成30年10月23日付けで原告Aに対してした労働保険料の納入の告知を取り消す。 (3) 群馬労働局長が平成30年10月23日付けで原告Aに対してした労働保険料に係る追徴金の納入の告知を取り消す。 (4) 群馬労働局長が平成31年1月15日付けで原告Aに対してした労働保険 料の督促を取り消す。 第10事件(1) 別紙4取消対象目録記載6(1)から(4)まで及び 取り消す。 (4) 群馬労働局長が平成31年1月15日付けで原告Aに対してした労働保険 料の督促を取り消す。 第10事件(1) 別紙4取消対象目録記載6(1)から(4)まで及び(6)の各処分をいずれも取り消す。 (2) 厚生労働省年金局事業管理課長が平成30年10月22日付けで原告Eに 対してした健康保険料,厚生年金保険料及び子ども・子育て拠出金に係る納入の告知を取り消す。 11 第11事件(1) 福島労働局長が平成30年10月22日付けで原告Eに対してした労働保険料の認定決定のうち不足額を2万6851円とする部分及び追徴金の徴収決 定を取り消す。 (2) 福島労働局長が平成30年10月22日付けで原告Eに対してした労働保険料の納入の告知を取り消す。 (3) 福島労働局長が平成30年10月22日付けで原告Eに対してした労働保険料に係る追徴金の納入の告知を取り消す。 (4) 福島労働局長が平成31年1月15日付けで原告Eに対してした労働保険 料の督促を取り消す。 12 第12事件(1) 別紙4取消対象目録記載7(1)から(3)まで及び(5)の各処分をいずれも取り消す。 (2) 厚生労働省年金局事業管理課長が平成30年10月22日付けで原告Fに 対してした健康保険料,厚生年金保険料及び子ども・子育て拠出金に係る納入の告知を取り消す。 13 第13事件(1) 福島労働局長が平成30年10月22日付けで原告Fに対してした労働保険料の認定決定のうち不足額を134万4722円とする部分及び追徴金の徴 収決定を取り消す。 (2) 福島労働局長が平成30年10月22日付けで原告Fに対してした労働保険料の納入の告知を取り消す。 (3) 福島労働局長が平成30年1 円とする部分及び追徴金の徴 収決定を取り消す。 (2) 福島労働局長が平成30年10月22日付けで原告Fに対してした労働保険料の納入の告知を取り消す。 (3) 福島労働局長が平成30年10月22日付けで原告Fに対してした労働保険料に係る追徴金の納入の告知を取り消す。 (4) 福島労働局長が平成31年1月15日付けで原告Fに対してした労働保険料の督促を取り消す。 以上 (別紙7)処分目録 1 第1事件に関する処分(1) 別紙4取消対象目録記載1(1)から(3)まで及び(5)の各処分(2) 厚生労働省年金局事業管理課長が平成30年10月22日付けで原告Bに 対してした健康保険料,厚生年金保険料及び子ども・子育て拠出金に係る納入の告知 2 第3事件に関する処分(1) 別紙4取消対象目録記載2(1)から(9)まで及び(11)の各処分(2) 厚生労働省年金局事業管理課長が平成30年10月22日付けで原告Cに 対してした健康保険料,厚生年金保険料及び子ども・子育て拠出金に係る納入の告知 3 第5事件に関する処分(1) 別紙4取消対象目録記載3(1)から(7)まで及び(9)の各処分(2) 厚生労働省年金局事業管理課長が平成30年10月22日付けで原告Dに 対してした健康保険料,厚生年金保険料及び子ども・子育て拠出金に係る納入の告知 4 第7事件に関する処分(1) 別紙4取消対象目録記載4(1)から(3)まで及び(5)の各処分(2) 厚生労働省年金局事業管理課長が平成30年10月22日付けで原告Gに 対してした健康保険料,厚生年金保険料及び子ども・子育て拠出金に係る納入の告知 5 第8事件に関する処分別紙4取消対象目録記載5の各処分 6 第10事件に 10月22日付けで原告Gに対してした健康保険料,厚生年金保険料及び子ども・子育て拠出金に係る納入の告知 主文 第8事件に関する処分別紙4取消対象目録記載5の各処分 第10事件に関する処分 (1) 別紙4取消対象目録記載6(1)から(4)まで及び(6)の各処分 (2) 厚生労働省年金局事業管理課長が平成30年10月22日付けで原告Eに対してした健康保険料,厚生年金保険料及び子ども・子育て拠出金に係る納入の告知 第12事件に関する処分 (1) 別紙4取消対象目録記載7(1)から(3)まで及び(5)の各処分 (2) 厚生労働省年金局事業管理課長が平成30年10月22日付けで原告Fに対してした健康保険料,厚生年金保険料及び子ども・子育て拠出金に係る納入の告知以上(別紙8-1) ○健康保険法(以下「健保法」という。) (定義) 第三条 この法律において「被保険者」とは、適用事業所に使用される者及び任意継続被保険者をいう。ただし、次の各号のいずれかに該当する者は、日雇特例被保険者となる場合を除き、被保険者となることができない。 一以下 略 略 この法律において「適用事業所」とは、次の各号のいずれかに該当する事業所をいう。 一 次に掲げる事業の事業所であって、常時五人以上の従業 次の各号のいずれかに該当する事業所をいう。 一 次に掲げる事業の事業所であって、常時五人以上の従業員を使用するもの イ以下 略 二 略 略 この法律において「報酬」とは、賃金、給料、俸給、手当、賞与その他いかなる名称であるかを問わず、労働者が、労働の対償として受けるすべてのものをいう。ただし、臨時に受けるもの及び三月を超える期間ごとに受けるものは、この限りでない。 この法律において「賞与」とは、賃金、給料、俸給、手当、賞与その他いかなる名称であるかを問わず、労働者が、労働の対償として受けるすべてのもののうち、三月を超える期間ごとに受けるものをいう。 ~ 略 (資格取得の時期) 第三十五条 被保険者(任意継続被保険者を除く。以下この条から第三十八条までにおいて同じ。)は、適用事業所に使用されるに至った日若しくはその使用される事業所が適用事業所となった日又は第三条第一項 、適用事業所に使用されるに至った日若しくはその使用される事業所が適用事業所となった日又は第三条第一項ただし書の規定に該当しなくなった日から、被保険者の資格を取得する。 (標準報酬月額) 第四十条 標準報酬月額は、被保険者の報酬月額に基づき、次の等級区分(次項の規定により等級区分の改定が行われたときは、改定後の等級区分)によって定める。 (表 略) , 略 (定時決定) 第四十一条 保険者等は、被保険者が毎年七月一日現に使用される事業所において同日前三月間(〔括弧内略〕)に受けた報酬の総額をその期間の月数で除して得た額を報酬月額として、標準報酬月額を決定する。 前項の規定によって決定された標準報酬月額は、その年の九月から翌年の八月までの各月の標準報酬月額とする。 第一項の規定は、六月一日から七月一日までの間に被保険者の資格を取得した者及び第四十三条、第四十三条の二又は第四 定は、六月一日から七月一日までの間に被保険者の資格を取得した者及び第四十三条、第四十三条の二又は第四十三条の三の規定により七月から九月までのいずれかの月から標準報酬月額を改定され、又は改定されるべき被保険者については、その年に限り適用しない。 (被保険者の資格を取得した際の決定) 第四十二条 保険者等は、被保険者の資格を取得した者があるときは、次に掲げる額を報酬月額として、標準報酬月額を決定する。 一~四 略 前項の規定によって決定された標準報酬月額は、被保険者の資格を取得した月からその年の八月(六月一日から十二月三十一日までの間に被保険者の資格を取得した者については、翌年(別紙8-1) の八月)までの各月の標準報酬月額とする。 (改定) 第四十三条 保険者等は、被保険者が現に使用される事業所において継続した三月間(各月とも、報酬支払の基礎となった日数が、十七日以上でなければならな れる事業所において継続した三月間(各月とも、報酬支払の基礎となった日数が、十七日以上でなければならない。 )に受けた報酬の総額を三で除して得た額が、その者の標準報酬月額の基礎となった報酬月額に比べて、著しく高低を生じた場合において、必要があると認めるときは、その額を報酬月額として、その著しく高低を生じた月の翌月から、標準報酬月額を改定することができる。 前項の規定によって改定された標準報酬月額は、その年の八月(七月から十二月までのいずれかの月から改定されたものについては、翌年の八月)までの各月の標準報酬月額とする。 (標準賞与額の決定) 第四十五条 保険者等は、被保険者が賞与を受けた月において、その月に当該被保険者が受けた賞与額に基づき、これに千円未満の端数を生じたときは、これを切り捨てて、その月における標準賞与額を決定する。 〔以下略〕 略 (届出) 第四十八条 適用事業所の事業 て、その月における標準賞与額を決定する。 〔以下略〕 略 (届出) 第四十八条 適用事業所の事業主は、厚生労働省令で定めるところにより、被保険者の資格の取得及び喪失並びに報酬月額及び賞与額に関する事項を保険者等に届け出なければならない。 (通知) 第四十九条 厚生労働大臣は、第三十三条第一項の規定による認可を行ったときは、その旨を当該事業主に通知するものとし、保険者等は、第三十九条第一項の規定による確認又は標準報酬(標準報酬月額及び標準賞与額をいう。以下同じ。)の決定若しくは改定を行ったときは、その旨を当該事業主に通知しなければならない。 ~ 略 (保険料) 第百五十五条 保険者等は、健康保険事業に要する費用(前期高齢者納付金等及び後期高齢者支援金等並びに介護納付金並びに健康保険組合においては、第百七十三条の規定による拠出金の納付に要する費用を含む。)に充てるため、保険料を徴収 組合においては、第百七十三条の規定による拠出金の納付に要する費用を含む。)に充てるため、保険料を徴収する。 略 (被保険者の保険料額) 第百五十六条 被保険者に関する保険料額は、各月につき、次の各号に掲げる被保険者の区分に応じ、当該各号に定める額とする。 一 介護保険法第九条第二号に規定する被保険者(以下「介護保険第二号被保険者」という。)である被保険者 一般保険料額(各被保険者の標準報酬月額及び標準賞与額にそれぞれ一般保険料率(基本保険料率と特定保険料率とを合算した率をいう。)を乗じて得た額をいう。以下同じ。)と介護保険料額(各被保険者の標準報酬月額及び標準賞与額にそれぞれ介護保険料率を乗じて得た額をいう。以下同じ。)との合算額 二 介護保険第二号被保険者である被保険者以外の被保険者 一般保険料額 略 (保険料の負担及び納付義務) 第百六十一条 被保険者及び被保険者を使用 一般保険料額 略 (保険料の負担及び納付義務) 第百六十一条 被保険者及び被保険者を使用する事業主は、それぞれ保険料額の二分の一を負担する。(ただし書き略) (別紙8-1) 事業主は、その使用する被保険者及び自己の負担する保険料を納付する義務を負う。 略 (保険料等の督促及び滞納処分) 第百八十条 保険料その他この法律の規定による徴収金(第二百四条の二第一項及び第二百四条の六第一項を除き、以下「保険料等」という。)を滞納する者(以下「滞納者」という。)があるときは、保険者等(〔括弧内略〕)は、期限を指定して、これを督促しなければならない。(ただし書き略) 前項の規定によって督促をしようとするときは、保険者等は、納付義務者に対して、督促状を発する。 ~ 略 (徴収に関する通則) 第百八十三条 保険料等は、この法律に別段の規定があるものを除き、国税徴収の例 (徴収に関する通則) 第百八十三条 保険料等は、この法律に別段の規定があるものを除き、国税徴収の例により徴収する。 (別紙8-2) ○厚生年金保険法(以下「厚年法」という。) (用語の定義) 第三条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。 一,二 略 三 報酬 賃金、給料、俸給、手当、賞与その他いかなる名称であるかを問わず、労働者が、労働の対償として受ける全てのものをいう。ただし、臨時に受けるもの及び三月を超える期間ごとに受けるものは、この限りでない。 四 賞与 賃金、給料、俸給、手当、賞与その他いかなる名称であるかを問わず、労働者が労働の対償として受ける全てのもののうち、三月を超える期間ごとに受けるものをいう。 略 (適用事業所) 第六条 次の各号のいずれかに該当する事業所若しくは事務所(以下単に「事業所」という。)又は船舶を適用事業所とする。 条 次の各号のいずれかに該当する事業所若しくは事務所(以下単に「事業所」という。)又は船舶を適用事業所とする。 一 次に掲げる事業の事業所又は事務所であって、常時五人以上の従業員を使用するもの イ以下 略 二,三 略 ~ 略 (被保険者) 第九条 適用事業所に使用される七十歳未満の者は、厚生年金保険の被保険者とする。 (資格取得の時期) 第十三条 第九条の規定による被保険者は、適用事業所に使用されるに至った日若しくはその使用される事業所が適用事業所となった日又は前条の規定に該当しなくなった日に、被保険者の資格を取得する。第十条第一項の規定による被保険者は、同項の認可があった日に、被保険者の資格を取得する。 (標準報酬月額) 第二十条 標準報酬月額は、被保険者の報酬月額に基づき、次の等級区分(次項の規定により等級区分の改定が行われたときは、改定後の等級区分)によつ 月額に基づき、次の等級区分(次項の規定により等級区分の改定が行われたときは、改定後の等級区分)によつて定める。 〔表 略〕 略 (定時決定) 第二十一条 実施機関は、被保険者が毎年七月一日現に使用される事業所において同日前三月間(〔括弧内略〕)に受けた報酬の総額をその期間の月数で除して得た額を報酬月額として、標準報酬月額を決定する。 前項の規定によつて決定された標準報酬月額は、その年の九月から翌年の八月までの各月の標準報酬月額とする。 第一項の規定は、六月一日から七月一日までの間に被保険者の資格を取得した者及び第二十三条、第二十三条の二又は第二十三条の三の規定により七月から九月までのいずれかの月から標準報酬月額を改定され、又は改定されるべき被保険者については、その年に限り適用しない。 (被保険者の資格を取得した際の決定) 第二十二条 実施機関は、被保険者の資格を取得した者 しない。 (被保険者の資格を取得した際の決定) 第二十二条 実施機関は、被保険者の資格を取得した者があるときは、次の各号に規定する額を報酬月額として、標準報酬月額(別紙8-2) を決定する。 一~四 略 前項の規定によつて決定された標準報酬月額は、被保険者の資格を取得した月からその年の八月(六月一日から十二月三十一日までの間に被保険者の資格を取得した者については、翌年の八月)までの各月の標準報酬月額とする。 (改定) 第二十三条 実施機関は、被保険者が現に使用される事業所において継続した三月間(各月とも、報酬支払の基礎となつた日数が、十七日以上でなければならない。 )に受けた報酬の総額を三で除して得た額が、その者の標準報酬月額の基礎となつた報酬月額に比べて、著しく高低を生じた場合において、必要があると認めるときは、その額を報酬月額として、その著しく高低を生じた月の翌月から、標準報酬月 て、必要があると認めるときは、その額を報酬月額として、その著しく高低を生じた月の翌月から、標準報酬月額を改定することができる。 前項の規定によつて改定された標準報酬月額は、その年の八月(七月から十二月までのいずれかの月から改定されたものについては、翌年の八月)までの各月の標準報酬月額とする。 (標準賞与額の決定) 第二十四条の四 実施機関は、被保険者が賞与を受けた月において、その月に当該被保険者が受けた賞与額に基づき、これに千円未満の端数を生じたときはこれを切り捨てて、その月における標準賞与額を決定する。 〔以下略〕 略 (届出) 第二十七条 適用事業所の事業主又は第十条第二項の同意をした事業主(〔括弧内略〕)は、厚生労働省令で定めるところにより、被保険者(〔括弧内略〕)の資格の取得及び喪失(〔括弧内略〕)並びに報酬月額及び賞与額に関する事項を厚生労働大臣に届け出なければならない 得及び喪失(〔括弧内略〕)並びに報酬月額及び賞与額に関する事項を厚生労働大臣に届け出なければならない。 (通知) 第二十九条 厚生労働大臣は、第八条第一項、第十条第一項若しくは第十一条の規定による認可、第十八条第一項の規定による確認又は標準報酬の決定若しくは改定(第七十八条の六第一項及び第二項並びに第七十八条の十四第二項及び第三項の規定による標準報酬の改定又は決定を除く。)を行ったときは、その旨を当該事業主に通知しなければならない。 ~ 略 (保険料) 第八十一条 政府等は、厚生年金保険事業に要する費用(基礎年金拠出金を含む。)に充てるため、保険料を徴収する。 保険料は、被保険者期間の計算の基礎となる各月につき、徴収するものとする。 保険料額は、標準報酬月額及び標準賞与額にそれぞれ保険料率を乗じて得た額とする。 保険料率は、次の表の上欄に掲げる月分の保険料について、 それぞれ保険料率を乗じて得た額とする。 保険料率は、次の表の上欄に掲げる月分の保険料について、それぞれ同表の下欄に定める率とする。 (表 略) (保険料の負担及び納付義務) 第八十二条 被保険者及び被保険者を使用する事業主は、それぞれ保険料の半額を負担する。 事業主は、その使用する被保険者及び自己の負担する保険料を納付する義務を負う。 ~ 略 (保険料等の督促及び滞納処分) 第八十六条 保険料その他この法律の規定による徴収金を滞納する者があるときは、厚生労働大臣は、期限を指定して、これを(別紙8-2)督促しなければならない。 ただし、前条の規定により保険料を徴収するときは、この限りでない。 前項の規定によつて督促をしようとするときは、厚生労働大臣は、納付義務者に対して、督促状を発する。 ~ 略 (徴収に関する通則) 第八十九条 保険料その他この法律の規定による徴収 促状を発する。 ~ 略 (徴収に関する通則) 第八十九条 保険料その他この法律の規定による徴収金は、この法律に別段の規定があるものを除き、国税徴収の例により徴収する。 (別紙8-3) ○子ども・子育て支援法(平成三十年法律第十二号による改正前のもの。以下「支援法」という。) (拠出金の徴収及び納付義務) 第六十九条 政府は、児童手当の支給に要する費用(児童手当法第十八条第一項に規定するものに限る。次条第二項において「拠出金対象児童手当費用」という。)、地域子ども・子育て支援事業(第五十九条第二号、第五号及び第十一号に掲げるものに限る。)に要する費用(次条第二項において「拠出金対象地域子ども・子育て支援事業費用」という。)及び仕事・子育て両立支援事業に要する費用(同項において「仕事・子育て両立支援事業費用」という。)に充てるため、次に掲げる者(次項において「一般事業主」という。) ・子育て両立支援事業費用」という。に充てるため、次に掲げる者(次項において「一般事業主」という。)から、拠出金を徴収する。 主文 厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)第八十二条第一項に規定する事業主(次号から第四号までに掲げるものを除く。) 一般事業主は、拠出金を納付する義務を負う。 (拠出金の額) 第七十条 拠出金の額は、厚生年金保険法に基づく保険料の計算の基礎となる標準報酬月額及び標準賞与額(〔括弧内略〕)に拠出金率を乗じて得た額の総額とする。 (拠出金の徴収方法) 第七十一条 拠出金の徴収については、厚生年金保険の保険料その他の徴収金の徴収の例による。 (別紙8-4) ○労働保険の保険料の徴収等に関する法律(ただし、第十一条、十二条、十五条、十九条については、平成二十八年法律第十七号による改正前のもの。以下「徴収法」という。) 二条,十五条,十九条については,平成二十八年法律第十七号による改正前のもの。以下「徴収法」という。 (定義) 第二条 この法律において「労働保険」とは、労働者災害補償保険法(昭和二十二年法律第五十号。以下「労災保険法」という。)による労働者災害補償保険(以下「労災保険」という。)及び雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号)による雇用保険(以下「雇用保険」という。)を総称する。この法律において「賃金」とは、賃金、給料、手当、賞与その他名称のいかんを問わず、労働の対償として事業主が労働者に支払うもの(通貨以外のもので支払われるものであって、厚生労働省令で定める範囲外のものを除く。)をいう。 (保険関係の成立) 第三条 労災保険法第三条第一項の適用事業の事業主については、その事業が開始された日に、その事業につき労災保険に係る労働保険の保険関係(以下「保険関係」という。)が の事業が開始された日に、その事業につき労災保険に係る労働保険の保険関係(以下「保険関係」という。 )が成立する。 第四条 雇用保険法第五条第一項の適用事業の事業主については、その事業が開始された日に、その事業につき雇用保険に係る保険関係が成立する。 (保険関係の成立の届出等) 第四条の二 前二条の規定により保険関係が成立した事業の事業主は、その成立した日から十日以内に、その成立した日、事業主の氏名又は名称及び住所、事業の種類、事業の行われる場所その他厚生労働省令で定める事項を政府に届け出なければならない。 保険関係が成立している事業の事業主は、前項に規定する事項のうち厚生労働省令で定める事項に変更があつたときは、厚生労働省令で定める期間内にその旨を政府に届け出なければならない。 (保険関係の消滅) 第五条 保険関係が成立している事業が廃止され、又は終了したときは、その事業についての 険関係の消滅) 第五条 保険関係が成立している事業が廃止され、又は終了したときは、その事業についての保険関係は、その翌日に消滅する。 (労働保険料) 第十条 政府は、労働保険の事業に要する費用にあてるため保険料を徴収する。前項の規定により徴収する保険料(以下「労働保険料」という。)は、次のとおりとする。 一 一般保険料 二~五 略 (一般保険料の額) 第十一条 一般保険料の額は、賃金総額に第十二条の規定による一般保険料に係る保険料率を乗じて得た額とする。前項の「賃金総額」とは、事業主がその事業に使用するすべての労働者に支払う賃金の総額をいう。 略 (一般保険料に係る保険料率) 第十二条 一般保険料に係る保険料率は、次のとおりとする。 一 労災保険及び雇用保険に係る保険関係が成立している事業にあつては、労災保険率と雇用保険率とを加えた率 二,三 略 (別紙8-4) 保険関係が成立している事業にあつては、労災保険率と雇用保険率とを加えた率 二,三 略 (別紙8-4) ~ 略 (概算保険料の納付) 第十五条 事業主は、保険年度ごとに、次に掲げる労働保険料を、その労働保険料の額その他厚生労働省令で定める事項を記載した申告書に添えて、その保険年度の六月一日から四十日以内(〔括弧内略〕)に納付しなければならない。 一 次号及び第三号の事業以外の事業にあつては、その保険年度に使用するすべての労働者(保険年度の中途に保険関係が成立したものについては、当該保険関係が成立した日からその保険年度の末日までに使用するすべての労働者)に係る賃金総額(その額に千円未満の端数があるときは、その端数は、切り捨てる。 以下同じ。 )の見込額(厚生労働省令で定める場合にあつては、直前の保険年度に使用したすべての労働者に係る賃金総額)に当該事業についての第十二条の規定による一般保険料に 保険年度に使用したすべての労働者に係る賃金総額)に当該事業についての第十二条の規定による一般保険料に係る保険料率(以下「一般保険料率」という。 )を乗じて算定した一般保険料 二,三 略 略 政府は、事業主が前二項の申告書を提出しないとき、又はその申告書の記載に誤りがあると認めるときは、労働保険料の額を決定し、これを事業主に通知する。 前項の規定による通知を受けた事業主は、納付した労働保険料の額が同項の規定により政府の決定した労働保険料の額に足りないときはその不足額を、納付した労働保険料がないときは同項の規定により政府の決定した労働保険料を、その通知を受けた日から十五日以内に納付しなければならない。 (確定保険料) 第十九条 事業主は、保険年度ごとに、次に掲げる労働保険料の額その他厚生労働省令で定める事項を記載した申告書を、次の保険年度の六月一日から四十日以内(〔括弧内略〕)に 他厚生労働省令で定める事項を記載した申告書を、次の保険年度の六月一日から四十日以内(〔括弧内略〕)に提出しなければならない。 一 第十五条第一項第一号の事業にあつては、その保険年度に使用したすべての労働者(保険年度の中途に保険関係が成立し、又は消滅したものについては、その保険年度において、当該保険関係が成立していた期間に使用したすべての労働者)に係る賃金総額に当該事業についての一般保険料率を乗じて算定した一般保険料 二,三 略 , 略 政府は、事業主が第一項又は第二項の申告書を提出しないとき、又はその申告書の記載に誤りがあると認めるときは、労働保険料の額を決定し、これを事業主に通知する。 前項の規定による通知を受けた事業主は、納付した労働保険料の額が同項の規定により政府の決定した労働保険料の額に足りないときはその不足額を、納付した労働保険料がないときは同項の規定により政府の した労働保険料の額に足りないときはその不足額を、納付した労働保険料がないときは同項の規定により政府の決定した労働保険料を、その通知を受けた日から十五日以内に納付しなければならない。 ただし、厚生労働省令で定める要件に該当する場合は、この限りでない。 略 (追徴金) 第二十一条 政府は、事業主が第十九条第五項の規定による労働保険料又はその不足額を納付しなければならない場合には、その納付すべき額(その額に千円未満の端数があるときは、その端数は、切り捨てる。 )に百分の十を乗じて得た額の追徴金を徴収する。 ただし、事業主が天災その他やむを得ない理由により、同項の規定による労働保険料又はその不足額を納付しなければならなくなつた場合は、この限りでない。 前項の規定にかかわらず、同項に規定する労働保険料又はその不足額が千円未満であるときは、同項の規定による追徴金を徴収しない。 (別紙8-4) 第十 険料又はその不足額が千円未満であるときは、同項の規定による追徴金を徴収しない。 (別紙8-4) 第十七条第二項の規定は、第一項の規定により追徴金を徴収する場合について準用する。 (督促及び滞納処分) 第二十七条 労働保険料その他この法律の規定による徴収金を納付しない者があるときは、政府は、期限を指定して督促しなければならない。 前項の規定によつて督促するときは、政府は、納付義務者に対して督促状を発する。 この場合において、督促状により指定すべき期限は、督促状を発する日から起算して十日以上経過した日でなければならない。 第一項の規定による督促を受けた者が、その指定の期限までに、労働保険料その他この法律の規定による徴収金を納付しないときは、政府は、国税滞納処分の例によつて、これを処分する。 (徴収金の徴収手続) 第三十条 労働保険料その他この法律の規定による徴収金は、この法律に別段の 徴収金の徴収手続 第三十条 労働保険料その他この法律の規定による徴収金は、この法律に別段の定めがある場合を除き、国税徴収の例により徴収する。 行政手続法の適用除外 第三十七条 この法律(第三十三条第二項及び第四項を除く。)の規定による処分については、行政手続法(平成五年法律第八十八号)第二章及び第三章の規定は、適用しない。 別紙8-5 ○労働者災害補償保険法 適用事業の範囲 第三条 この法律においては、労働者を使用する事業を適用事業とする。 略 別紙8-6 ○雇用保険法 適用事業 第五条 この法律においては、労働者が雇用される事業を適用事業とする。適用事業についての保険関係の成立及び消滅については、労働保険の保険料の徴収等に関する法律(昭和四十四年法律第八十四号。以下「徴収法」という。)の定めるところによる。 関する法律(昭和四十四年法律第八十四号。以下「徴収法」という。)の定めるところによる。 (別紙8-7) ○国税通則法(平成三十年法律第十六号による改正前のもの。) (納税の告知) 第三十六条 税務署長は、国税に関する法律の規定により次に掲げる国税(その滞納処分費を除く。以下次条において同じ。)を徴収しようとするときは、納税の告知をしなければならない。 一~四 略 前項の規定による納税の告知は、税務署長が、政令で定めるところにより、納付すべき税額、納期限及び納付場所を記載した納税告知書を送達して行う。ただし、担保として提供された金銭をもって消費税等を納付させる場合その他政令で定める場合には、納税告知書の送達に代え、当該職員に口頭で当該告知をさせることができる。 (別紙8-8) 〇行政手続法 (定義) 第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に 8) 〇行政手続法 (定義) 第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。 一 略 二 処分 行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為をいう。 三 略 四 不利益処分 行政庁が、法令に基づき、特定の者を名あて人として、直接に、これに義務を課し、又はその権利を制限する処分をいう。ただし、次のいずれかに該当するものを除く。 イ 事実 上の行為及び事実上の行為をするに当たりその範囲、時期等を明らかにするために法令上必要とされている手続としての処分 ロ 申請により求められた許認可等を拒否する処分その他申請に基づき当該申請をした者を名あて人としてされる処分 ハ 名あて人となるべき者の同意の下にすることとされている処分 ニ 許認可等の効力を失わせる処分であって、当該許認可等の基礎となった事実が消滅した旨の届出があったことを理由としてされるもの 五~八 略 て、当該許認可等の基礎となった事実が消滅した旨の届出があったことを理由としてされるもの 五~八 略 (不利益処分の理由の提示) 第十四条 行政庁は、不利益処分をする場合には、その名あて人に対し、同時に、当該不利益処分の理由を示さなければならない。 ただし、当該理由を示さないで処分をすべき差し迫った必要がある場合は、この限りでない。 行政庁は、前項ただし書の場合においては、当該名あて人の所在が判明しなくなったときその他処分後において理由を示すことが困難な事情があるときを除き、処分後相当の期間内に、同項の理由を示さなければならない。 不利益処分を書面でするときは、前二項の理由は、書面により示さなければならない
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