平成12(ワ)630 損害賠償請求

裁判年月日・裁判所
平成14年1月30日 神戸地方裁判所 尼崎支部
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判決文本文8,808 文字)

判決平成14年1月30日判決言渡神戸地方裁判所尼崎支部平成12年(ワ)第630号損害賠償請求事件 主文 1 被告は,原告に対し,金660万9489円及びこれに対する平成8年7月24日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 2 原告のその余の請求を棄却する。 3 訴訟費用は,これを3分し,その1を原告の,その余を被告の各負担とする。 4 この判決は,原告勝訴部分に限り,仮に執行することができる。 事実及び理由 第1 請求被告は,原告に対し,金1813万7593円及びこれに対する平成8年7月24日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え(仮執行宣言の申立て)。 第2 事案の概要本件は,原告が後記交通事故(以下,「本件事故」という。)の発生を理由に,被告に対し,民法709条又は自動車損害賠償保障法3条に基づき,原告に生じた損害の賠償金1813万7593円及びこれに対する同事故の日である平成8年7月24日から支払済みまで民法所定年5分の割合による遅延損害金の支払を求めた事案である。 1 争いのない事実(1) 本件事故の発生ア日時平成8年7月24日午後9時40分ころイ場所兵庫県尼崎市AB丁目C番先の交差点(以下,「本件交差点」という。)路上ウ加害車両普通乗用自動車(神戸ABあCDEF。以下,「被告車」という。」)エ上記ウの運転者被告オ被害車両普通乗用自動車(神戸GHいIJEL。以下,「原告車」という。)カ上記オの運転者原告(2) 本件事故及び被告の過失の各態様被告は,被 オ被害車両普通乗用自動車(神戸GHいIJEL。以下,「原告車」という。)カ上記オの運転者原告(2) 本件事故及び被告の過失の各態様被告は,被告車を運転して北進中,本件交差点南西詰で駐車中の車両を避けるため,道路右側(東側)に進出して,同交差点内を南から北に向けて進行するに当たり,折から同交差点北側道路の対向車線上を北から南に向かい同交差点内に進行して来る原告運転の原告車を前方約30.6メートルの地点に認めたのであるから,上記駐車中の車両を追い抜いた後,速やかに道路左側(西側)に進路変更して,原告車との衝突を未然に防止すべき注意義務があるのにこれを怠り,上記駐車中の車両を追い越すことにのみ気を奪われ,原告車との安全を十分確認しないまま,漫然と時速約50キロメートルの速度で道路右側(東側)部分にはみ出して進行した過失により,対向車線上を南進中の原告車右前部に被告車右前部を衝突させた。 (3) 本件事故による傷害の程度及びその内容原告は,本件事故により,右足関節挫傷及び右脛骨内果骨折等の傷害を負った。 (4) 被告の責任被告は,民法709条又は自動車損害賠償保障法3条に基づき,本件事故により生じた原告の損害につき賠償する責任がある。 (5) 過失相殺なお,原告にも,本件事故につき2割の割合で過失責任があり,本件事故により生じた原告の損害のうち同割合で過失相殺する。 (6) 損益相殺原告は,本件事故により生じた原告の損害に充当する金員として,被告から金200万円,自賠責保険金581万円及び労災保険金308万9831円の合計金1089万9831円を受領済みであり,同金員につき,同損害と損益相殺する。 た原告の損害に充当する金員として,被告から金200万円,自賠責保険金581万円及び労災保険金308万9831円の合計金1089万9831円を受領済みであり,同金員につき,同損害と損益相殺する。 2 争点(1) 後遺障害の有無及びその程度(2) 本件事故と因果関係ある損害の範囲及びその額(3) 示談合意の有無 3 争点に対する当事者の主張(1) 後遺障害の有無及びその程度(原告の主張)ア原告は,本件事故による右足関節骨折のため,膝が本来有している可動領域が制限されることとなり,症状固定した平成9年7月29日,自動車保険料率算定会(以下,「自算会」という。)の認定に基づき,後遺障害等級10級11号相当の後遺障害が残存した。 イなお,被告が提出した乙6号証の4及び5の各レントゲン写真の画像上,原告の右足関節面に,可動域の運動制限の原因となる不整が認められないことは認める。 (被告の主張)ア原告の後遺障害に関する主張は否認ないし争う。 イ原告の右足関節面を撮影したレントゲン写真(乙6の4及び5)上,同関節面に不整がなく,同関節面に不整がある旨指摘してなされた自算会の後遺障害認定は信用できない。 ウ原告の右足関節の運動制限は,本件事故後,次第に軽快していたものであり,原告主張の運動制限は容易に信用し難い。 (2) 本件事故と因果関係ある損害の範囲及びその額(原告の主張)ア治療費金122万1282円イ入院雑費金6万8900円(東青木診療所に入院した53日間に1日あたり金1300円を乗じた金員)ウ通院交通費金30万0400円(東青木診療所に通院した135日間に1日あ イ入院雑費金6万8900円(東青木診療所に入院した53日間に1日あたり金1300円を乗じた金員)ウ通院交通費金30万0400円(東青木診療所に通院した135日間に1日あたり自宅から同病院間の往復タクシー代金2400円のうち金2000円を乗じた金員並びに大阪赤十字病院に通院した38日間に1日あたりの自宅の最寄り駅であるJR尼崎駅からJR大阪駅までの往復交通費金340円及び地下鉄東梅田駅から同病院の最寄り駅である地下鉄谷町9丁目駅までの往復交通費金460円の合計金800円を乗じた金員)エ入通院慰謝料金184万7600円オ休業損害金145万0666円カ逸失利益金2430万7931円(全年齢月額平均賃金41万9600円×12か月×0.27<労働能力喪失率>×17.880<症状固定時の原告の年齢21歳に対応するライプニッツ係数>)キ後遺障害慰謝料金510万円ク弁護士費用金160万円(被告の主張)原告の損害に関する主張は全て否認ないし争う。 (3) 示談合意の有無(被告の主張)ア原告代理人と被告代理人間で,平成11年9月ころ,本件事故に関する損害賠償金として被告が原告に対し金200万円を支払い,原告はその余の請求を放棄する旨の示談合意がなされた。 イ仮に,上記アの合意が認められないとしても,原告と被告は,平成11年9月27日,被告が原告に対し上記アの金200万円にさらに100万円を追加して支払い,原告はその余の請求を放棄する旨の示談合意がなされた。 (原告の主張)ア被告の金200万円での示談合意の主張は否認ないし争う。 イ原告は,被 を追加して支払い,原告はその余の請求を放棄する旨の示談合意がなされた。 (原告の主張)ア被告の金200万円での示談合意の主張は否認ないし争う。 イ原告は,被告から,金200万円を受領した際,さらに金100万円を一括で支払うことで,原告はその余の請求を放棄してほしい旨の申し入れを受けたが,これを拒否したにすぎない。 第3 争点に関する当裁判所の判断 1 争点(1)(後遺障害の有無及びその程度)について(1) 本件事故により生じた原告の右足関節挫傷及び右脛骨内果骨折の傷害に関して,自算会は,平成9年7月29日に症状固定し,その時点における後遺障害の内容として,原告の右足関節の機能に著しい傷害が残存し,その程度として,後遺障害等級第10級11号相当である旨認定したこと,同認定は,その資料として原告から提出された,原告の右脛骨内果骨折につき平成8年7月26日に東青木診療所においてなされた観血的骨接合手術の後,撮影されたレントゲン写真の画像上,原告の右足関節面に不整が残っているとの所見から,同関節面に可動域制限があると判断し,その程度についても,同資料として同じく提出された,同関節面の可動域測定結果が通常の2分の1以下に制限されていることを根拠とするものであったこと(以上につき,甲7,8,17,乙4,自算会に対する調査嘱託の結果),が認められる。 (2) しかしながら,原告の右足関節につき,症状固定時(平成9年7月29日)に最も近い時点で撮影されたレントゲン写真(撮影日,平成9年7月15日。 乙6の4及び5)の画像上,上記認定の根拠となっている同関節面の不整が認められないこと(甲16,乙10,平成12年11月9日採用にかかる大阪赤十字病院に対する調査嘱託の結果)から,同認定をそのまま妥当なも 4及び5)の画像上,上記認定の根拠となっている同関節面の不整が認められないこと(甲16,乙10,平成12年11月9日採用にかかる大阪赤十字病院に対する調査嘱託の結果)から,同認定をそのまま妥当なものと認めることはできない。 (3) そこで,さらに検討すると,原告は,本件事故直後,右足関節挫傷及び右脛骨内果骨折の治療のため,東青木診療所に入院したこと(乙4),診断の結果,平成8年7月26日,同骨折部に2本の釘を入れて固定する観血的骨接合手術を受けたこと(乙4,7の3及び4),平成8年9月14日まで53日間入院治療を受けた後,平成9年3月17日まで同診療所に延べ135日通院したこと(甲5),翌18日から大阪赤十字病院に通院するようになり(乙6の3及び6,8),同21日における同関節可動域測定値は,背屈5度,底屈35度,平成9年4月10日及び同年5月20日における同測定値は,いずれも背屈15度,底屈50度と通常程度にまで回復が見られたこと(大阪赤十字病院に対する2回の調査嘱託の各結果),そのため,同年6月10日の同関節部レントゲン検査結果を踏まえて,同月27日,上記手術で同骨折部を固定するために入れた釘の抜釘手術を受けたこと(乙6の1及び2,8),同年7月15日の同関節部レントゲン検査の結果,原告の右足関節面に不整が認められなかったため(乙6の4及び5,乙10,平成12年11月9日採用にかかる大阪赤十字病院に対する調査嘱託の結果),平成9年7月29日に同病院医師の症状固定の診断を受け,その際の原告の自覚症状は,正座及び歩行が困難な状況であり,同関節可動域測定値は,背屈0度(他動+5度),底屈20度(他動25度),内反(内かえし)35度(他動40度),外反(外かえし)10度(他動15度)であったこと(甲7,乙8),その後も,同関節部に ,同関節可動域測定値は,背屈0度(他動+5度),底屈20度(他動25度),内反(内かえし)35度(他動40度),外反(外かえし)10度(他動15度)であったこと(甲7,乙8),その後も,同関節部に痛みがあり,歩行が困難な状況で,自宅療養を継続し(原告本人),平成13年4月25日に渡辺病院で受けた同関節可動域測定値は,背屈5度,底屈25度であったこと(甲15),同病院医師は原告の同関節面に不整は認められないが,上記可動域制限は,同関節腔内組織の損傷によるものとの所見を有していること(甲16),原告に対して上記治療がなされたとしても,上記骨折が同関節内に及んでいたことから同関節包の損傷があり,これに伴い同関節の可動域が悪くなることがあること(平成12年11月9日採用にかかる大阪赤十字病院に対する調査嘱託の結果),が認められる。 (4) そうであれば,原告の右足関節部につき,その症状固定時(平成9年7月29日)において,痛みが残存し,これが継続していること,同関節痛は,本件事故により生じた原告の右足関節挫傷及び右脛骨内果骨折に関する上記治療の結果,残存した後遺障害であること,が推認でき,同関節痛から生じる運動制限の程度につき,痛みに対する受忍限度について個人差があることから同関節可動域測定値についても個人差が生じ得ることを考慮しても,上記(3)の5回にわたる同測定値からすると,同関節の機能に著しい障害が残存する程度とは言えないが,少なくとも,障害が残存すると言える程度の痛みがあり,後遺障害等級第12級7号相当の後遺障害があると認定するのが相当である。 (5) この点,被告は,レントゲン写真の画像上,同関節面に不整がなく,かつ,平成9年4月10日及び同年5月20日における上記各同関節可動域測定値が,いずれも背屈15度,底屈50 当である。 (5) この点,被告は,レントゲン写真の画像上,同関節面に不整がなく,かつ,平成9年4月10日及び同年5月20日における上記各同関節可動域測定値が,いずれも背屈15度,底屈50度と通常程度であることを理由に,同関節部に後遺障害はない旨主張するが,上記各測定値は,いずれも,観血的骨接合手術により骨折部を2本の釘で固定した状況におけるものであることからすると,同釘を抜いたため,上記(4)で認定したとおり,同関節部を動かす際に痛みが生じ,それにより,少なくとも,同関節可動域が背屈5度,底屈25度の程度に制限される状況(平成13年4月25日時点での測定値。甲15)が残存する事態が生じることは何ら不自然,不合理なものではなく,かつ,原告は,東青木診療所及び大阪赤十字病院における入通院中に,担当医の指示に従わず,同関節可動域回復のための訓練を十分に受けなかったという状況は認められないこと(乙4,5,8),からすると,同主張を採用することはできない。 2 争点(2)(本件事故と因果関係ある損害の範囲及びその額)について(1) 治療費原告は,本件事故により生じた右足関節挫傷及び右脛骨内果骨折の治療のため,東青木診療所及び大阪赤十字病院に入通院し,その治療費として金122万1282円を支出したこと(甲12,乙4,5,8,9)から,その全額を本件事故と因果関係ある損害と認める。 (2) 入院雑費原告は,本件事故により生じた右足関節挫傷及び右脛骨内果骨折の治療のため,東青木診療所に平成8年7月24日から同年9月14日まで53日間入院していたこと(甲5,乙4)から,同期間に1日あたり金1300円を乗じた金6万8900円全額を本件事故と因果関係ある損害と認める。 (3) 通院交通費 日から同年9月14日まで53日間入院していたこと(甲5,乙4)から,同期間に1日あたり金1300円を乗じた金6万8900円全額を本件事故と因果関係ある損害と認める。 (3) 通院交通費ア原告は,本件事故により生じた右足関節挫傷及び右脛骨内果骨折の治療のため,平成8年9月15日から平成9年3月17日までのうち延べ135日間,上記原告住所地の自宅から兵庫県尼崎市AB丁目C番D号にある東青木診療所まで,同自宅から最寄りのバス停留所に同骨折のため徒歩で行くことが困難であったため,交通手段として往復ともタクシー(往復運賃2400円)を用いて通院していたこと(甲5,乙4,原告本人,弁論の全趣旨)から,同期間に1日あたり金2000円を乗じた金27万円全額を本件事故と因果関係ある損害と認める。 イ原告は,本件事故により生じた右足関節挫傷及び右脛骨内果骨折の治療のため,平成9年3月18日から平成9年7月29日までのうち延べ38日間,上記原告住所地の自宅の最寄り駅であるJR尼崎駅から同病院の最寄り駅である地下鉄谷町9丁目駅まで,JR尼崎駅とJR大阪駅間(往復運賃340円)はJR線,地下鉄東梅田駅と同谷町9丁目駅間(往復運賃460円)は地下鉄線を各用いて通院していたこと(甲6,乙8,原告本人,弁論の全趣旨)から,同期間に1日あたり上記各運賃合計額金800円を乗じた金3万0400円全額を本件事故と因果関係ある損害と認める。 ウよって,上記ア及びイの各合計金30万0400円全額を本件事故と因果関係ある損害と認める。 (4) 入通院慰謝料(請求額金184万7600円)上記(2),(3)ア及び同イで各認定した入通院期間及び上記1(3)で認定した事実を含め,証拠(乙4,5,8)により認められる治 (4) 入通院慰謝料(請求額金184万7600円)上記(2),(3)ア及び同イで各認定した入通院期間及び上記1(3)で認定した事実を含め,証拠(乙4,5,8)により認められる治療経過を総合考慮すると,本件事故と因果関係ある入通院慰謝料は,金150万円が相当と認める。 (5) 休業損害原告は,1日あたり金7253.33円(金21万7600円<20歳の月額平均賃金>÷30日)を基礎収入として,本件事故後200日間の休業損害を主張するところ,原告は,本件事故当時,自動車部品の販売をする株式会社の正社員として勤務し,その直近3か月間における平均給与収入が上記基礎収入を超えるものであったこと(甲10,乙4,原告本人),上記1(3)で認定したとおり,原告は,平成8年7月25日から平成9年2月9日までの200日間,本件事故により生じた右足関節挫傷及び右脛骨内果骨折の治療のため,同勤務を休み,東青木診療所へ入通院を余儀なくされたことから,少なくとも,上記基礎賃金の200日分である金145万0666円全額につき,本件事故と因果関係ある損害と認める。 (6) 逸失利益(請求額金2430万7931円)原告は,上記1で認定した後遺障害の症状固定時(平成9年7月29日),21歳(昭和51年4月19日生)であり,本件事故の当時に勤務していた会社からの直近3か月間における給与収入は,21歳男子の平成9年の統計による平均月収に相応するものであり(甲10,乙4,原告本人),その後,全生涯を通じて,平成9年の統計による男子全年齢平均賃金程度の収入を得られる蓋然性が認められるから,基礎収入を同賃金575万0800円とし,これに上記1で認定した後遺障害等級第12級に相当する労働喪失率0.14及び症状固定時21歳から 男子全年齢平均賃金程度の収入を得られる蓋然性が認められるから,基礎収入を同賃金575万0800円とし,これに上記1で認定した後遺障害等級第12級に相当する労働喪失率0.14及び症状固定時21歳から67歳まで46年間の労働能力喪失期間に対応する年5分の割合によるライプニッツ係数17.880を各乗じた金1439万5402円の範囲で,本件事故と因果関係ある逸失利益と認める。 (7) 後遺障害慰謝料(請求額金510万円)上記1で認定した原告の後遺障害の内容及びその程度に基づき,原告の右足関節部の痛みの程度には,上記1(4)のとおり,個人差があり得ること,原告は,現在,歩行困難な状態であるが,後遺障害の内容といえない左足関節部の痛みもその一因であること(原告本人)からすると,本件事故と因果関係ある後遺障害慰謝料として,金220万円の範囲で認めるのが相当である。 (8) よって,上記(1)ないし(7)の合計は金2113万6650円となるところ,本件事故において原告にも2割の過失があることは当事者間に争いがない(上記第2,1(5))ことから,同割合で過失相殺した後の金1690万9320円に,上記第2,1(6)のとおり当事者間に争いのない損益相殺金1089万9831円を控除した金600万9489円の範囲で,被告に支払義務があると認められる。 (9) 弁護士費用上記(8)で認定した額を基礎として,本件事故と相当因果関係ある弁護士費用相当の損害額は,60万円と認めるのが相当である。 3 争点(3)(示談合意の有無)について(1) 被告は,原告及び被告各代理人間で,平成11年9月ころ.200万円での示談合意をした旨主張し,これに副う示談書(乙1)が作成されようとしたことは認められるが,かえって, 無)について(1) 被告は,原告及び被告各代理人間で,平成11年9月ころ.200万円での示談合意をした旨主張し,これに副う示談書(乙1)が作成されようとしたことは認められるが,かえって,同示談書に双方が調印しなかったことが認められること(被告本人)から,同主張を認めることができず,他に,同主張を認めるに足る証拠もない。 (2)ア次に,被告は,原告に対し,平成11年9月27日,金300万円で示談が成立した旨主張し,同示談の申し入れにつき,原告からそれでいいと言われた旨供述するが,同供述に副う証拠が全くないことから,同供述をそのまま信用することができず,他に,同主張を認めるに足る証拠はない。 イかえって,その後,被告が送付した示談書に原告が署名押印しなかったため,被告は,原告に対し,上記同日に200万円を支払った残金100万円につき未払いの状況であること(甲11,原告本人)から,上記申し入れの際,原告から,300万円支払の後,月々少しずつでもいいから払って下さいとの再度の申し入れ(原告本人)に対して,被告が具体的な回答をしなかったため,示談合意に至らなかったことを推認することができ,原告からそのような申し入れはなかった旨の被告の供述を信用することができない。 (3) そうすると,争点(3)に関する被告の抗弁主張を認めることができない。 4 結語したがって,原告の請求は,上記2(8)及び同(9)で認定した総額金660万9489円及びこれに対する本件事故の日である平成8年7月24日から支払済みまで民法所定年5分の割合による遅延損害金の限度で理由があるから,主文のとおり判決する。 神戸地方裁判所尼崎支部 裁判官坂 法所定年5分の割合による遅延損害金の限度で理由があるから,主文のとおり判決する。 神戸地方裁判所尼崎支部 裁判官坂上文一

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