令和5(ワ)70615 債務不存在確認請求事件

裁判年月日・裁判所
令和7年2月18日 東京地方裁判所
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判決文本文73,855 文字)

令和7年2月18日判決言渡同日原本領収裁判所書記官令和5年(ワ)第70615号債務不存在確認請求事件令和6年(ワ)第70110号損害賠償請求反訴事件口頭弁論終結日令和7年1月23日判決 本訴原告兼反訴被告東日本高速道路株式会社(以下「原告」という。) 同訴訟代理人弁護士岩瀬ひとみ 紋谷崇俊山 﨑 泰和 本訴被告兼反訴原告有限会社PXZ (以下「被告」という。) 同訴訟代理人弁護士鷹見雅和同訴訟代理人弁理士森哲也同補佐人弁理士田中秀喆 主文 原告の本訴請求に係る訴えのうち、原告の別紙原告設備目録記載の各原告設備の設置及び使用について、被告が原告に対して別紙特許権目録記載1及び3の各特許権に基づく各500万円及びこれに対する令和5年10月31日から支払済みまで年3パーセントの割合による金額の損害賠償請求権並びに別紙特許権目録記載2の特許権に基づく損害賠償請求権、不当利得返還請求権及び差 止請求権をいずれも有しないことの確認請求に係る訴えをいずれも却下する。 原告の別紙原告設備目録記載の各原告設備の設置及び使用について、被告が原告に対して別紙特許権目録記載1の特許権に基づく500万円及びこれに対する令和5年10月31日から支払済みま る。 原告の別紙原告設備目録記載の各原告設備の設置及び使用について、被告が原告に対して別紙特許権目録記載1の特許権に基づく500万円及びこれに対する令和5年10月31日から支払済みまで年3パーセントの割合による金額を超える損害賠償請求権、不当利得返還請求権並びに差止請求権をいずれも有しないことを確認する。 原告の別紙原告設備目録記載の各原告設備の設置及び使用について、被告が原告に対して別紙特許権目録記載3の特許権に基づく500万円及びこれに対する令和5年10月31日から支払済みまで年3パーセントの割合による金額を超える損害賠償請求権、不当利得返還請求権並びに差止請求権をいずれも有しないことを確認する。 被告の反訴請求をいずれも棄却する。 訴訟費用は、本訴反訴を通じてこれを3分し、その1を原告の負担とし、その余を被告の負担とする。 事実及び理由 第1 請求 本訴請求原告の別紙原告設備目録記載の各原告設備の設置及び使用について、被告が原告に対して別紙特許権目録記載の各特許権に基づく損害賠償請求権、不当利得返還請求権及び差止請求権をいずれも有しないことを確認する。 反訴請求 原告は、被告に対し、1000万円及びこれに対する令和5年10月31日から支払済みまで年3パーセントの割合による金員を支払え。 第2 事案の概要等事案の要旨(1) 本訴事件 本訴事件は、原告が、発明の名称を「車両誘導システム」とする別紙特許 権目録記載1の特許第4379879号の特許(以下「親出願特許」という。)、同目録記載2の特許第5769141号の特許(以下「第4世代特許」という。)、同目録記載3の特許第6159845号の特許(以下「第7世代特許」といい、これらの特許を併 以下「親出願特許」という。)、同目録記載2の特許第5769141号の特許(以下「第4世代特許」という。)、同目録記載3の特許第6159845号の特許(以下「第7世代特許」といい、これらの特許を併せて「本件各特許」という。)に係る各特許権(以下、併せて「本件各特許権」という。)を有する被告に対し、 別紙原告設備目録記載1及び2の各原告設備(以下、それぞれ「原告設備1」、「原告設備2」といい、これらを総称して「原告各設備」という。)の設置及び使用は、親出願特許の特許請求の範囲の請求項1に係る発明(以下「本件発明1」という。)、同請求項5に係る発明(以下「本件発明2」という。)、第4世代特許の特許請求の範囲の請求項1及び請求項2に係る 発明(以下、それぞれ「本件発明3-1」及び「本件発明3-2」といい、併せて「本件発明3」という。)、第7世代特許の特許請求の範囲の請求項1及び2に係る発明(以下、それぞれ「本件発明4-1」及び「本件発明4-2」といい、併せて「本件発明4」といい、そして、これら本件発明1ないし4を併せて「本件各発明」という。)の技術的範囲に属さず、原告各設 備の設置及び使用は本件各特許権を侵害していないと主張して、被告が原告に対して本件各特許権に基づく損害賠償請求権、不当利得返還請求権及び差止請求権をいずれも有しないことの確認を求める事案である。 (2) 反訴事件反訴事件は、被告が、原告各設備は、親出願特許の請求項5に係る発明 (本件発明2)及び第7世代特許の請求項1及び2に係る発明(本件発明4)の技術的範囲に属し、原告各設備の設置及び使用は親出願特許及び第7世代特許に係る特許権を侵害すると主張して、原告に対し、民法709条に基づき、特許法102条3項により算定された損害の一部請求として1 の技術的範囲に属し、原告各設備の設置及び使用は親出願特許及び第7世代特許に係る特許権を侵害すると主張して、原告に対し、民法709条に基づき、特許法102条3項により算定された損害の一部請求として1000万円及びこれに対する令和5年10月31日から支払済みまで民法所定の年3 パーセントの割合による遅延損害金の支払を求める事案である。 前提事実(当事者間に争いのない事実並びに後掲の各証拠(以下、特記しない限り枝番を含む。)及び弁論の全趣旨により容易に認定できる事実)(1) 当事者原告は、日本道路公団(以下「道路公団」という。)が分割民営化されて、平成17年10月1日に発足した法人であり、高速道路の新設、改 築、維持、修繕その他の管理を効率的に行うこと等により、道路交通の円滑化を図り、もって国民経済の健全な発展と国民生活の向上に寄与することを目的とする株式会社である。 原告は、国土交通大臣の監督の下、高速道路事業に従事し、高速道路と一般道路を繋ぐETC(ElectronicTollColle ctionSystem)専用のインターチェンジであるスマートインターチェンジ(以下「SIC」という。)を設置し、使用している。 イ被告は、平成15年6月18日に設立された、知的財産権の取得、譲渡、使用許諾、斡旋及び管理等を行うことを目的とする営利法人である。 (2) 本件各特許(甲1ないし6、12、20ないし23、30ないし35) 親出願特許被告代表者は、平成16年9月13日(以下「本件原出願日」という。)、発明の名称を「車両誘導システム」とする発明について、親出願に係る特許出願(特願2004-300749号。以下「本件親出願」という。)をし、その後、本件親出願につき、数次に渡っ 出願日」という。)、発明の名称を「車両誘導システム」とする発明について、親出願に係る特許出願(特願2004-300749号。以下「本件親出願」という。)をし、その後、本件親出願につき、数次に渡って補正を行い、 平成21年10月2日、親出願特許に係る特許権の設定登録(請求項の数9)を受けた(以下、親出願特許に係る明細書及び図面を「本件親出願明細書」といい、本件親出願の願書に最初に添付した明細書及び図面を「当初明細書」という。)。 第4世代特許 被告代表者は、本件親出願につき、別紙分割一覧のとおり分割出願を 繰り返し、親出願特許の特許請求の範囲の請求項5の下位概念として、平成26年4月23日、第3世代に当たる特願2013-24483号の出願の一部を特願2014-89069号として分割出願し、平成27年7月3日、第4世代特許に係る特許権として設定登録(請求項の数2)を受けた。 第7世代特許被告代表者は、平成26年12月2日、前記イの特願2014-89069号の出願の一部を特願2014-243621号として分割出願(第5世代)した後、平成27年5月13日、その一部を特願2015-98590号として分割出願し(第6世代)、平成28年4月4日、更 にその一部を特願2016-75107号として分割出願して、平成29年6月16日、第7世代特許に係る特許権として設定登録(請求項の数2)を受けた(以下、第7世代特許に係る明細書及び図面を「本件明細書7」といい、「親出願明細書」と「本件明細書7」を併せて「本件各明細書」という。また、以下、明細書の段落又は図面を示す場合、特に 断わらない限り、親出願明細書と本件明細書7とで共通する段落又は図面を示すものである。)。 親出願特許に係る特許権について 明細書」という。また、以下、明細書の段落又は図面を示す場合、特に 断わらない限り、親出願明細書と本件明細書7とで共通する段落又は図面を示すものである。)。 親出願特許に係る特許権については平成22年9月22日を受付日として、第4世代特許及び第7世代特許に係る各特許権については平成30年3月14日を受付日として、被告代表者から、被告に対し、特定承 継による本権の移転を原因とする特許権移転登録が経由された。 (3) 本件各発明に係る特許請求の範囲本件発明1親出願特許の特許請求の範囲の請求項1の記載は、以下のとおりである。 「一般道路と有料道路との間の料金所にETC車用レーンを有するイン ターチェンジに利用される車両誘導システムに於いて、 路側アンテナと車載器との間で通信不能又は通信不可が発生したとき、車両が前記ETC車用レーンから離脱しえる手段と、第1の遮断機、第1の車両検知装置、ゲート前アンテナ、第2の車両検知装置、第2の遮断機、第3の車両検知装置、第3の遮断機、第5の車両検知装置及びETCゲートとを備え、 前記第1の車両検知装置が車両の進入を検知すると、前記第1の遮断機を閉じて後続車との間を一定の間隔を空けるようにし、前記第2の車両検知装置が進入車両を検知すると、車両が前記ゲート前アンテナを通過したことを確認して、このタイミングで前記ゲート前アンテナとの間で通信可能又は通信不能・不可のいずれであるかを判定 し、前記第3の車両検知装置が進入車両を検知すると、前記第2の遮断機を閉じて前記第3の遮断機を開き、前記第5の車両検知装置が進入車両を検知すると、前記第3の遮断機を閉じる、ことを特徴とする、システム。」 本件発明2親出願特許の特許請求の範囲の請求項5 閉じて前記第3の遮断機を開き、前記第5の車両検知装置が進入車両を検知すると、前記第3の遮断機を閉じる、ことを特徴とする、システム。」 本件発明2親出願特許の特許請求の範囲の請求項5の記載は、以下のとおりである。 「有料道路料金所、サービスエリア又はパーキングエリアに設置されている、ETC車専用出入口から出入りをする車両を誘導するシステムで あって、前記有料道路料金所、サービスエリア又はパーキングエリアに出入りをする車両を検知する第1の検知手段と、車両に搭載されたETC車載器とデータを通信する通信手段と、前記通信手段によって受信したデータを認識して、ETCによる料金 徴収が可能か判定する判定手段と、 前記判定手段により判定した結果に従って、ETCによる料金徴収が可能な車両を、ETCゲートを通って前記有料道路料金所、サービスエリア又はパーキングエリアに入る、または前記有料道路料金所、サービスエリア又はパーキングエリアから出るルートへ誘導し、ETCによる料金徴収が不可能な車両を、再度前記ETC車専用出入口手前へ戻るル ート又は一般車用出入口へ誘導する誘導手段を備え、前記第1の検知手段により車両の進入が検知された場合、前記車両が通過した後に、第1の遮断機を下ろすことにより、進入した車両のバック走行、逆走及び後続の車両の進入を防ぐことを特徴とする、システム。」 本件発明3第4世代特許の特許請求の範囲の請求項1及び2の記載は、以下のとおりである。 (ア) 請求項1有料道路料金所、サービスエリア又はパーキングエリアに設置されて いる、ETC車専用出入口から出入りをする車両を誘導するシステムであって、前記有料道路料金所、サービスエリア又はパーキングエリ 料道路料金所、サービスエリア又はパーキングエリアに設置されて いる、ETC車専用出入口から出入りをする車両を誘導するシステムであって、前記有料道路料金所、サービスエリア又はパーキングエリアに出入りをする車両を検知する第1の検知手段と、前記第1の検知手段に対応して設置された第1の遮断機と、 車両に搭載されたETC車載器とデータを通信する通信手段と、前記通信手段によって受信したデータを認識して、ETCによる料金徴収が可能か判定する判定手段と、前記判定手段により判定した結果に従って、ETCによる料金徴収が可能な車両を、ETCゲートを通って前記有料道路料金所、サービス エリア又はパーキングエリアに入る、または前記有料道路料金所、サ ービスエリア又はパーキングエリアから出るルートへ通じる第1のレーンへ誘導し、ETCによる料金徴収が不可能な車両を、再度前記ETC車専用出入口手前へ戻るルート又は一般車用出入口に通じる第2のレーンへ誘導する誘導手段と、を備え、前記誘導手段は、前記第1のレーンに設けられた第2の遮断機と、前 記第2のレーンに設けられた第3の遮断機と、を含み、さらに、前記第2の遮断機を通過した車両を検知する第2の検知手段と、前記第3の遮断機を通過した車両を検知する第3の検知手段と、を備え、さらに、前記ETCゲートを通って前記有料道路料金所、サービスエ リア又はパーキングエリアに入った位置または前記有料道路料金所、サービスエリア又はパーキングエリアから出た位置に第4の遮断機と車両を検知する第4の検知手段とを設け、それにより、前記第2の遮断機と前記第4の遮断機との間に閉鎖区間を形成し、前記第1の検知手段により車両の進入が検知された場合、前記車両が 通過した後に、前記第1 する第4の検知手段とを設け、それにより、前記第2の遮断機と前記第4の遮断機との間に閉鎖区間を形成し、前記第1の検知手段により車両の進入が検知された場合、前記車両が 通過した後に、前記第1の遮断機を下ろし、前記第2の検知手段により車両の通過が検知された場合、前記車両が通過した後に、第2の遮断機を下ろし、前記第4の検知手段により車両の通過が検知された場合、該車両が通過した後に、前記第4の遮断機を下ろすことを特徴とする車両誘導システム。 (イ) 請求項2請求項1のシステムにおいて、さらに、前記第3の検知手段により車両の通過が検知された場合、前記車両が通過した後に、第3の遮断機を下ろすことを特徴とする車両誘導システム。 本件発明4 第7世代特許の特許請求の範囲の請求項1及び2の記載は、以下のとお りである。 (ア) 請求項1有料道路料金所、サービスエリア又はパーキングエリアに設置されている、ETC車専用出入口から出入りをする車両を誘導するシステムであって、 前記有料道路料金所、サービスエリア又はパーキングエリアに出入りをする車両を検知する第1の検知手段と、前記第1の検知手段に対応して設置された第1の遮断機と、車両に搭載されたETC車載器とデータを通信する通信手段と、前記通信手段によって受信したデータを認識して、ETCによる料金 徴収が可能か判定する判定手段と、前記判定手段により判定した結果に従って、ETCによる料金徴収が可能な車両を、ETCゲートを通って前記有料道路料金所、サービスエリア又はパーキングエリアに入る、または前記有料道路料金所、サービスエリア又はパーキングエリアから出るルートへ通じる第1のレ ーンへ誘導し、ETCによる料金徴収が不可能 道路料金所、サービスエリア又はパーキングエリアに入る、または前記有料道路料金所、サービスエリア又はパーキングエリアから出るルートへ通じる第1のレ ーンへ誘導し、ETCによる料金徴収が不可能な車両を、再度前記ETC車専用出入口手前へ戻るルート又は一般車用出入口に通じる第2のレーンへ誘導する誘導手段と、を備え、前記誘導手段は、前記第1のレーンに設けられた第2の遮断機と、前記第2のレーンに設けられた第3の遮断機と、を含み、 さらに、前記第2の遮断機を通過した車両を検知する第2の検知手段と、前記第3の遮断機を通過した車両を検知する第3の検知手段と、を備え、前記第1の検知手段により車両の進入が検知された場合、前記車両が通過した後に、前記第1の遮断機を下ろし、前記第2の検知手段によ り車両の通過が検知された場合、前記車両が通過した後に、前記第2 の遮断機を下ろすことを特徴とする車両誘導システム。 (イ) 請求項2請求項1のシステムにおいて、さらに、前記第3の検知手段により車両の通過が検知された場合、前記車両が通過した後に、前記第3の遮断機を下ろすことを特徴とする車両誘導システム。 (4) 構成要件の分説前記(3)の請求項は、次の構成要件に分説することができる(以下、各構成要件につき、頭書の符号に従って「構成要件1A」などという。)。 本件発明11A 一般道路と有料道路との間の料金所にETC車用レーンを有するイ ンターチェンジに利用される車両誘導システムに於いて、1B 路側アンテナと車載器との間で通信不能又は通信不可が発生したとき、車両が前記ETC車用レーンから離脱しえる手段と、1C 第1の遮断機、第1の車両検知装置、ゲート前アンテナ、第2の車両検知装置、第 アンテナと車載器との間で通信不能又は通信不可が発生したとき、車両が前記ETC車用レーンから離脱しえる手段と、1C 第1の遮断機、第1の車両検知装置、ゲート前アンテナ、第2の車両検知装置、第2の遮断機、第3の車両検知装置、第3の遮断 機、第5の車両検知装置及びETCゲートとを備え、1D 前記第1の車両検知装置が車両の進入を検知すると、前記第1の遮断機を閉じて後続車との間を一定の間隔を空けるようにし、1E 前記第2の車両検知装置が進入車両を検知すると、車両が前記ゲート前アンテナを通過したことを確認して、このタイミングで前 記ゲート前アンテナとの間で通信可能又は通信不能・不可のいずれであるかを判定し、1F 前記第3の車両検知装置が進入車両を検知すると、前記第2の遮断機を閉じて前記第3の遮断機を開き、前記第5の車両検知装置が進入車両を検知すると、前記第3の遮断機を閉じる、ことを特徴 とする、 1G システム。 本件発明22A 有料道路料金所、サービスエリア又はパーキングエリアに設置されている、ETC車専用出入口から出入りをする車両を誘導するシステムであって、 2B 前記有料道路料金所、サービスエリア又はパーキングエリアに出入りをする車両を検知する第1の検知手段と、2C 車両に搭載されたETC車載器とデータを通信する通信手段と、2D 前記通信手段によって受信したデータを認識して、ETCによる料金徴収が可能か判定する判定手段と、 2E 前記判定手段により判定した結果に従って、ETCによる料金徴収が可能な車両を、ETCゲートを通って前記有料道路料金所、サービスエリア又はパーキングエリアに入る、または前記有料道路料金所、サービスエリア又はパーキングエリアから出る って、ETCによる料金徴収が可能な車両を、ETCゲートを通って前記有料道路料金所、サービスエリア又はパーキングエリアに入る、または前記有料道路料金所、サービスエリア又はパーキングエリアから出るルートへ誘導し、ETCによる料金徴収が不可能な車両を、再度前記ETC車 専用出入口手前へ戻るルート又は一般車用出入口へ誘導する誘導手段を備え、2F 前記第1の検知手段により車両の進入が検知された場合、前記車両が通過した後に、第1の遮断機を下ろすことにより、進入した車両のバック走行、逆走及び後続の車両の進入を防ぐことを特徴と する、2G システム。 本件発明3(ア) 本件発明3-13A 有料道路料金所、サービスエリア又はパーキングエリアに設置 されている、ETC車専用出入口から出入りをする車両を誘導す るシステムであって、3B 前記有料道路料金所、サービスエリア又はパーキングエリアに出入りをする車両を検知する第1の検知手段と、3C 前記第1の検知手段に対応して設置された第1の遮断機と、3D 車両に搭載されたETC車載器とデータを通信する通信手段と、 3E 前記通信手段によって受信したデータを認識して、ETCによる料金徴収が可能か判定する判定手段と、3F 前記判定手段により判定した結果に従って、ETCによる料金徴収が可能な車両を、ETCゲートを通って前記有料道路料金所、サービスエリア又はパーキングエリアに入る、または前記有料道 路料金所、サービスエリア又はパーキングエリアから出るルートへ通じる第1のレーンへ誘導し、ETCによる料金徴収が不可能な車両を、再度前記ETC車専用出入口手前へ戻るルート又は一般車用出入口に通じる第2のレーンへ誘導する誘導手段と、を備え、 ートへ通じる第1のレーンへ誘導し、ETCによる料金徴収が不可能な車両を、再度前記ETC車専用出入口手前へ戻るルート又は一般車用出入口に通じる第2のレーンへ誘導する誘導手段と、を備え、 3G 前記誘導手段は、前記第1のレーンに設けられた第2の遮断機と、前記第2のレーンに設けられた第3の遮断機と、を含み、3H さらに、前記第2の遮断機を通過した車両を検知する第2の検知手段と、前記第3の遮断機を通過した車両を検知する第3の検知手段と、を備え、 3I さらに、前記ETCゲートを通って前記有料道路料金所、サービスエリア又はパーキングエリアに入った位置または前記有料道路料金所、サービスエリア又はパーキングエリアから出た位置に第4の遮断機と車両を検知する第4の検知手段とを設け、それにより、前記第2の遮断機と前記第4の遮断機との間に閉鎖区間を 形成し、 3J 前記第1の検知手段により車両の進入が検知された場合、前記車両が通過した後に、前記第1の遮断機を下ろし、前記第2の検知手段により車両の通過が検知された場合、前記車両が通過した後に、第2の遮断機を下ろし、前記第4の検知手段により車両の通過が検知された場合、該車両が通過した後に、前記第4の遮断 機を下ろすことを特徴とする3K 車両誘導システム。 (イ) 本件発明3-23L 請求項1のシステムにおいて、さらに、前記第3の検知手段により車両の通過が検知された場合、前記車両が通過した後に、第3 の遮断機を下ろすことを特徴とする車両誘導システム。 本件発明4(ア) 本件発明4-14A 有料道路料金所、サービスエリア又はパーキングエリアに設置されている、ETC車専用出入口から出入りをする車両を誘導す るシステムであって、 本件発明4(ア) 本件発明4-14A 有料道路料金所、サービスエリア又はパーキングエリアに設置されている、ETC車専用出入口から出入りをする車両を誘導す るシステムであって、4B 前記有料道路料金所、サービスエリア又はパーキングエリアに出入りをする車両を検知する第1の検知手段と、4C 前記第1の検知手段に対応して設置された第1の遮断機と、4D 車両に搭載されたETC車載器とデータを通信する通信手段と、 4E 前記通信手段によって受信したデータを認識して、ETCによる料金徴収が可能か判定する判定手段と、4F 前記判定手段により判定した結果に従って、ETCによる料金徴収が可能な車両を、ETCゲートを通って前記有料道路料金所、サービスエリア又はパーキングエリアに入る、または前記有料道 路料金所、サービスエリア又はパーキングエリアから出るルート へ通じる第1のレーンへ誘導し、ETCによる料金徴収が不可能な車両を、再度前記ETC車専用出入口手前へ戻るルート又は一般車用出入口に通じる第2のレーンへ誘導する誘導手段と、を備え、4G 前記誘導手段は、前記第1のレーンに設けられた第2の遮断機 と、前記第2のレーンに設けられた第3の遮断機と、を含み、4H さらに、前記第2の遮断機を通過した車両を検知する第2の検知手段と、前記第3の遮断機を通過した車両を検知する第3の検知手段と、を備え、4I 前記第1の検知手段により車両の進入が検知された場合、前記 車両が通過した後に、前記第1の遮断機を下ろし、前記第2の検知手段により車両の通過が検知された場合、前記車両が通過した後に、前記第2の遮断機を下ろすことを特徴とする4J 車両誘導システム。 (イ) 本件発明4-2 4K 下ろし、前記第2の検知手段により車両の通過が検知された場合、前記車両が通過した後に、前記第2の遮断機を下ろすことを特徴とする4J 車両誘導システム。 (イ) 本件発明4-2 4K 請求項1のシステムにおいて、さらに、前記第3の検知手段により車両の通過が検知された場合、前記車両が通過した後に、前記第3の遮断機を下ろすことを特徴とする車両誘導システム。 (5) 原告が設置するSIC用のETC設備の概要等ETCとは、無線通信技術を使って自動的に有料道路の通行料金の支 払いを行うシステムをいう。 イ原告が設置するSICには、①高速道路本線と一般道路との間に設けられるSIC(以下「本線直結型SIC」という。)と②サービスエリア及びパーキングエリア(以下、両者を併せて「SAPA」という。)と一般道路との間に設けられるSIC(以下「SAPA接続型SIC」という。) の2種類が存在する(甲7の1及び2)。 ウ原告が設置するSIC用のETC設備については、原告の名義による設計要領が存在し、その一つである「設計要領第8集通信施設編第10編追補1 スマートIC用ETC設備」(以下、「本件設計要領」という。)は、自動車専用道路においてSIC用のETCを整備するために適用されるものであって、SIC用のETCを構成する各設備及び これらの設備の配置設計が記載されている。(甲11、弁論の全趣旨)(6) 原告による原告各設備の設置及び使用の状況原告は、原告が管理する自動車専用道路に、以下のSICを設置し、使用している(乙3、4)。 横手北SIC 原告は、令和元年8月4日、秋田自動車道に設けられた横手北SIC(Aiに所在)の運用を開始し、業として使用している。横手北SIC し、使用している(乙3、4)。 横手北SIC 原告は、令和元年8月4日、秋田自動車道に設けられた横手北SIC(Aiに所在)の運用を開始し、業として使用している。横手北SICは、秋田自動車道の上り線及び下り線をまとめて、一般道路との間の入口及び出口(合計2か所)が設けられた「本線直結型SIC」であり、別紙原告設備目録記載1の(1)及び(2)の設備(以下、「原告設備1-1」及び 「原告設備1-2」といい、これらを併せて「原告設備1」という。)を備えている。 矢巾SIC原告は、平成30年3月24日、東北自動車道に設けられた矢巾パーキングエリア(上りがBi、下りがCiに所在。以下「矢巾PA」とい う。)において矢巾SICの運用を開始し、業として使用している。矢巾SICは、東北自動車道の上り線及び下り線に接続する各パーキングエリアにそれぞれ入口及び出口(合計4か所)が設けられた「SAPA接続型SIC」であり、別紙原告設備目録記載2の(1)ないし(4)の設備(以下、「原告設備2-1」ないし「原告設備2-4」といい、これら を併せて「原告設備2」という。)が設けられている。 (7) 原告各設備(甲11、弁論の全趣旨)原告設備1-1について(ア) 原告設備1-1の構成配置等原告設備1-1は、一般道路から秋田自動車道に乗り入れるために設置された横手北SICの入口用設備であり、原告設備1-1の模式図、 原告設備1-1を構成する各設備の名称、各設備の用途・目的、模式図との対応関係は、別紙原告設備図目録の「原告設備1-1」のとおりである(以下、原告各設備に設置された設備につき、同目録の模式図記載の番号等と各設備の名称とを用いて(例えば、「①発進制御機1」などのように)表記す 、別紙原告設備図目録の「原告設備1-1」のとおりである(以下、原告各設備に設置された設備につき、同目録の模式図記載の番号等と各設備の名称とを用いて(例えば、「①発進制御機1」などのように)表記する。)。 (イ) 原告設備1-1の作動手順(ステップ)原告設備1-1は、同設備を通行する車両に対し、以下のとおり作動する。 a ステップ1一般道路から高速道路へ乗り入れる車両は、レーンaに進入し、㋐ 車両検知器(SS1)を通過した上、㋑車両検知器(SS2)設置部に至り、①発進制御機1手前で一時停止する(その時点で①発進制御機1、④発進制御機2及び⑤発進制御機3の開閉バーはいずれも閉じている。)。 b ステップ2 ㋑車両検知器(SS2)が車両の通行を検知すると、③路側無線装置の通信機能が稼動し、③路側無線装置と車両に搭載されたETC車載器との間で無線通信が行われ、車載器情報がチェックされて、無線通信が可能な場合は、課金のための入口情報が書き込まれる。 c ステップ3 ③路側無線装置にて無線通信が可能な場合は、⑤発進制御機3の開 閉バーは閉じたまま、①発進制御機1と④発進制御機2の開閉バーが開くとともに、⑧路側表示器に通行可の表示がされることで、車両は、レーンbを経由して、高速道路と接続するレーンcを通行する。 d ステップ4③路側無線装置にて無線通信が不能又は不可の場合は、①発進制御 機1の開閉バーは閉じたままとなり、係員は、運転手に対して、①発進制御機1手前に設置されたインターホンによる通話等により、ETCカードの再挿入案内や、通行券発券ないし課金等処理を行う。なお、かかる課金等処理後には、具体的状況に応じた事後処理として、係員が、手動操作によって、①発進制御機1の開閉バーと、 通話等により、ETCカードの再挿入案内や、通行券発券ないし課金等処理を行う。なお、かかる課金等処理後には、具体的状況に応じた事後処理として、係員が、手動操作によって、①発進制御機1の開閉バーと、④発進制御機 2又は⑤発進制御機3の開閉バーのいずれかとを、同時に開くとともに、⑧路側表示器に通行可の表示又は退出路及び矢印の表示がされることにより、車両は、レーンbを経由して、レーンc又は一般道路と接続するレーンdを通行する。 ステップ3及び4においては、①発進制御機1、④発進制御機2及 び⑤発進制御機3と、②車両検知器(SS1)、⑥車両検知器(SS4)及び⑦車両検知器(SS5)とが、それぞれ対になっており、各車両検知器が車両の通過を検知すると、対応する各発進制御機の開閉バーが自動的に閉じる。 e ステップ5 ステップ3で、レーンcを通行した車両は、高速道路に合流する。 ステップ4でレーンdを通行した車両は、一般道路に合流する。レーンdには、道路標示として、車両が進行することができる方向を示す路面標示(以下「進行方向の路面標示」という。)があり、車両は、レーンd又は一般道路においてUターンをしない限り、横手北SIC の入口に戻ることはできない。 原告設備1-2について(ア) 原告設備1-2の構成配置等原告設備1-2は、秋田自動車道から一般道路に出るために設置された横手北SICの出口用設備であり、原告設備1-2の模式図、原告設備1-2を構成する各設備の名称、各設備の用途・目的、模式図と の対応関係は、別紙原告設備図目録の「原告設備1-2」のとおりである。 (イ) 原告設備1-2の作動手順(ステップ)原告設備1-2は、同設備を通行する車両に対し、以下のとおり作動経する。 関係は、別紙原告設備図目録の「原告設備1-2」のとおりである。 (イ) 原告設備1-2の作動手順(ステップ)原告設備1-2は、同設備を通行する車両に対し、以下のとおり作動経する。 a ステップ1高速道路から一般道路へ出る車両は、レーンaに進入し、㋑車両検知器(SS2)設置部に至り、①発進制御機1手前で一時停止する(その時点で、①発進制御機1、④発進制御機2及び⑤発進制御機3の開閉バーは、いずれも閉じている。)。 b ステップ2㋑車両検知器(SS2)が車両の通過を検知すると、③路側無線装置の通信機能が稼動し、③路側無線装置と車両に搭載されたETC車載器との間で無線通信が行われ、車載器情報がチェックされて、無線通信が可能な場合は、課金情報が書き込まれる。 c ステップ3③路側無線装置にて無線通信が可能な場合は、⑤発進制御機3の開閉バーは閉じたまま、①発進制御機1と④発進制御機2の開閉バーが開くとともに、⑧路側表示器に通行可の表示がされることで、車両は、レーンbを経由して、一般道路と接続するレーンcを通行する。 d ステップ4 ③路側無線装置にて無線通信が不能又は不可の場合は、①発進制御機1の開閉バーは閉じたままとなり、係員は、運転手に対して、①発進制御機1手前に設置されたインターホンによる通話等により、ETCカードの再挿入案内や、通行券発券ないし課金等処理を行う。なお、かかる課金等処理後には、具体的状況に応じた事後処理として、係員 が、手動操作によって、①発進制御機1の開閉バーと、④発進制御機2又は⑤発進制御機3の開閉バーのいずれかとを、同時に開くとともに、⑧路側表示器に通行可の表示又は退出路及び矢印の表示がされることにより、車両は、レーンbを経由して、レーンc又は ーと、④発進制御機2又は⑤発進制御機3の開閉バーのいずれかとを、同時に開くとともに、⑧路側表示器に通行可の表示又は退出路及び矢印の表示がされることにより、車両は、レーンbを経由して、レーンc又は高速道路と接続するレーンdを通行する。 ステップ3及び4においては、①発進制御機1、④発進制御機2及び⑤発進制御機3と、②車両検知器(SS3)、⑥車両検知器(SS4)及び⑦車両検知器(SS5)とが、それぞれ対になって設置されており、各車両検知器が車両の通過を検知すると、対応する各発進制御機の開閉バーが自動的に閉じる。 e ステップ5ステップ3で、レーンcを通行した車両は、一般道路に合流する。 ステップ4でレーンdを通行した車両は、横手北SICより進行方向先の高速道路に合流することになるため、横手北SICの出口に戻ることはできない。 原告設備2-1について(ア) 原告設備2-1の構成配置等原告設備2-1は、一般道路から東北自動車道(上り線)に設けられた矢巾PAに入るために設置された矢巾SICの入口用設備であり、原告設備2-1の模式図、原告設備2-1を構成する各設備の名称、 各設備の用途・目的、模式図との対応関係は、別紙原告設備図目録の「原告設備2-1」のとおりである。 (イ) 原告設備2-1の作動手順(ステップ)原告設備2-1は、同設備を通行する車両に対し、以下のとおり作動する。 a ステップ1ないし4前記ア(イ)の原告設備1-1のステップ1ないし4と同じ(ただし、ステップ1の「一般道路から高速道路」を「一般道路から矢巾PA」、ステップ3の「高速道路と接続する」を「矢巾PAと接続する」と読み替える。)。 b ステップ5ステップ3で、レーンcを通行した車両は、 一般道路から高速道路」を「一般道路から矢巾PA」、ステップ3の「高速道路と接続する」を「矢巾PAと接続する」と読み替える。)。 b ステップ5ステップ3で、レーンcを通行した車両は、矢巾PAに合流する。 ステップ4でレーンdを通行した車両は、一般道路に合流する。レーンdには、指定方向外進行禁止の道路標識や進行方向の路面標示があり、車両は、レーンd又は一般道路においてUターンをしない限り、 矢巾SICの入口に戻ることはできない。 原告設備2-2について(ア) 原告設備2-2の構成配置等原告設備2-2は、東北自動車道(上り線)に設けられた矢巾PAから一般道路に出るために設置された矢巾SICの出口用設備であり、 原告設備2-2の模式図、原告設備2-2を構成する各設備の名称、各設備の用途・目的、模式図との対応関係は、別紙原告設備図目録の「原告設備2-2」のとおりである。 (イ) 原告設備2-2の作動手順(ステップ)原告設備2-2は、同設備を通行する車両に対し、以下のとおり作動 する。 a ステップ1ないし4前記イ(イ)の原告設備1-2のステップ1ないし4と同じ(ただし、ステップ1の「高速道路から一般道路」を「矢巾PAから一般道路」、ステップ4の「高速道路と接続する」を「矢巾PAと接続する」と読み替える。)。 b ステップ5ステップ3で、レーンcを通行した車両は、一般道路に合流する。 ステップ4でレーンdを通行した車両は、矢巾PA内の道路に合流する。レーンdには、進行方向の路面標示に加えて、区画線(白線)上にポールが続いており、また、矢巾PA内の道路には、進行方向の路 面標示があり、車両は、レーンd又は矢巾PA内の道路においてUターンをしない限り、矢巾SICの出口に に加えて、区画線(白線)上にポールが続いており、また、矢巾PA内の道路には、進行方向の路 面標示があり、車両は、レーンd又は矢巾PA内の道路においてUターンをしない限り、矢巾SICの出口に戻ることはできない。 原告設備2-3について(ア) 原告設備2-3の構成配置等原告設備2-3は、一般道路から東北自動車道(下り線)に設けられ た矢巾PAに入るために設置された矢巾SICの入口用設備であり、原告設備2-3の模式図、原告設備2-3を構成する各設備の名称、各設備の用途・目的、模式図との対応関係は、別紙原告設備図目録の「原告設備2-3」のとおりである。 (イ) 原告設備2-3の作動手順(ステップ) 原告設備2-3は、同設備を通行する車両に対し、以下のとおり作動する。 a ステップ1ないし4前記ア(イ)原告設備1-1のステップ1ないし4と同じ(ただし、ステップ1の「一般道路から高速道路」を「一般道路から矢巾PA」、 ステップ3の「高速道路と接続する」を「矢巾PAと接続する」と読 み替える。)。 b ステップ5ステップ3で、レーンcを通行した車両は、矢巾PAに合流する。 ステップ4でレーンdを通行した車両は一般道路に合流する。レーンdには、進行方向の路面標示があり、車両は、レーンd又は一般道路 においてUターンをしない限り、矢巾SICの入口に戻ることはできない。 原告設備2-4(ア) 原告設備2-4の構成配置等原告設備2-4は、東北自動車道(下り線)に設けられた矢巾PAか ら一般道路に出るために設置された矢巾SICの出口用設備であり、原告設備2-4の模式図、原告設備2-4を構成する各設備の名称、各設備の用途・目的、模式図との対応関係は、別紙被告設備図目録2-4のとお 一般道路に出るために設置された矢巾SICの出口用設備であり、原告設備2-4の模式図、原告設備2-4を構成する各設備の名称、各設備の用途・目的、模式図との対応関係は、別紙被告設備図目録2-4のとおりである。 (イ) 原告設備2-4の作動手順(ステップ) 原告設備2-4は、同設備を通行する車両に対し、以下のとおり作動する。 a ステップ1ないし4前記イ(イ)の原告設備1-2のステップ1ないし4と同じ(ただし、ステップ1の「高速道路から一般道路」を「矢巾PAから一般道路」、 ステップ4の「高速道路と接続する」を「矢巾PAと接続する」と読み替える。)。 b ステップ5ステップ3で、レーンcを通行した車両は、一般道路に合流する。 ステップ4でレーンdを通行した車両は、矢巾PA内の道路に合流す る。矢巾PA内の道路には、進行方向の路面標示があり、車両は、レ ーンd又は矢巾PA内の道路においてUターンをしない限り、矢巾SICの出口に戻ることはできない。 (8) 原告各設備の構成要件充足性原告各設備は、本件発明1に係る構成要件を充足せず、本件発明1の技術的範囲に属さない。 原告各設備は、本件発明2に係る構成要件のうち2C及び2Dを充足する。 原告各設備は、本件発明3に係る構成要件を充足せず、本件発明3の技術的範囲に属さない。 原告各設備は、本件発明4に係る構成要件のうち4D、4E及び4H を充足する。 (9) 関連訴訟被告は、平成31年、東京地方裁判所に対し、原告を被告として、原告が設置する佐野SICが第4世代特許及び第7世代特許に係る特許権を侵害すると主張して損害賠償を求める訴えを提起した。同裁判所は、上記佐野S ICに設置された原告各設備は第4世代特許及び 、原告が設置する佐野SICが第4世代特許及び第7世代特許に係る特許権を侵害すると主張して損害賠償を求める訴えを提起した。同裁判所は、上記佐野S ICに設置された原告各設備は第4世代特許及び第7世代特許に係る各特許権を侵害しないとして、被告の請求をいずれも棄却したが(東京地方裁判所平成31年(ワ)第7178号)、知的財産高等裁判所は、令和4年7月6日、上記佐野SIC(下り線)の入口用設備の設置は、第4世代特許及び第7世代特許に係る各特許権を侵害するとして、被告の請求を2693万03 17円及びこれに対する遅延損害金の支払を認める限度で認容する判決(以下「前訴控訴審判決」という。)を言い渡し(知的財産高等裁判所令和2年(ネ)第10042号。以下、上記東京地方裁判所平成31年(ワ)第7178号と併せて「前訴」という。)、同判決は確定した(乙1、弁論の全趣旨)。 争点 (1) 確認の利益の有無(争点1)(2) 原告各設備が本件発明2及び4の技術的範囲に属するか(争点2)(3) 無効の抗弁の成否(争点3)(4) 被告による特許権の行使が権利濫用に当たるか(争点4)(5) 損害の発生の有無及びその額(争点5) 争点に関する当事者の主張(1) 争点1(確認の利益の有無)について(原告の主張)原告各設備の構成は本件各発明の技術的範囲に含まれないばかりか、本件各特許は無効である上、被告による本件各特許権の行使は権利濫用 にも該当する。 したがって、原告は、被告に対し、本件各特許権の侵害による損害賠償義務等を負っていない。 イ被告は、自ら本件各発明を実施しておらず、今後も実施する可能性がない不実施主体であるが、以前から親出願特許に係る特許権に基づいて法的 措置を取る 害による損害賠償義務等を負っていない。 イ被告は、自ら本件各発明を実施しておらず、今後も実施する可能性がない不実施主体であるが、以前から親出願特許に係る特許権に基づいて法的 措置を取ることを示唆して権利主張を行い、分割特許である第4世代特許及び第7世代特許に係る特許権に基づいて前訴を提起した上、和解協議において前訴の対象外である原告が設置し使用するSICを含めて20億円もの多額の金銭の支払を要求したことに鑑みれば、原告と被告との間で本件各特許権の侵害に基づく権利行使につき深刻な法律紛争が生じているこ とは明らかであり、確認の利益がある。 (被告の主張)被告は、原告に対し、親出願特許の特許請求の範囲の請求項1(本件発明1)に基づく権利行使をしたことはない。また、被告は、第4世代特許(本件発明3)に基づき、佐野SICの下り線の入口用設備を対象としてのみ権 利行使したものであって、原告各設備において本件発明3を実施しているこ とを確認していないし、権利行使する予定もない。したがって、原告による本件発明1及び本件発明3に係る債務不存在確認の請求に関しては、そもそも争いが生じておらず、確認の利益がない。 (2) 争点2(原告各設備が本件発明2及び4の技術的範囲に属するか)について (被告の主張)ア本件発明4に係る構成要件充足性の判断について原告各設備は、いずれも高速道路もしくは高速道路に併設されたパーキングエリアの出入口に設置されており、設置箇所及び入口か出口かの違いがあるものの、その構成は、前提事実(7)のとおり、ステップ5を除 き同一である。 そして、原告各設備は、原告が規定している本件設計要領(甲11)に従っているため、道路形状以外全て同一の仕様・構成が採用されており、そ 提事実(7)のとおり、ステップ5を除 き同一である。 そして、原告各設備は、原告が規定している本件設計要領(甲11)に従っているため、道路形状以外全て同一の仕様・構成が採用されており、そこで使用されている技術内容は同一である。 したがって、原告各設備が本件発明4の構成要件を充足するか否かに ついては、前訴控訴審判決と同一の判断をすべきである。 構成要件2A、2G、4A、4J及び4Kについて構成要件2Aと構成要件4Aの文言は、同一であり、構成要件4Jの文言は、構成要件2Gに「車両誘導」の文言がないことを除き、同一であるところ、原告各設備は、いずれも、高速道路もしくは高速道路に併 設されたパーキングエリアの出入口に設置されており、一般道路ないしパーキングエリアから高速道路に合流する又は高速道路ないしパーキングエリアから一般道路に合流する車両を誘導するための「車両誘導システム」であるから、2A、2G、4A及び4Jを充足する。 また、原告各設備は、⑦車両検知器(SS5)が車両を検知し、当該 車両が通過した後に⑤発進制御機3の開閉バーを閉じるものであって、 上記のとおり「車両誘導システム」に当たるから、原告各設備は、構成要件4Kも充足する。 構成要件2B、2F、4B、4C及び4Iについて(ア) 構成要件2B、2F、4B、4C及び4Iを充足すること構成要件2Bと構成要件4Bの文言は同一であるところ、原告各設備 においては、高速道路に入る、もしくは一般道路に出る車両を検知する②車両検知器(SS3)が設置されており、料金徴収が可能で②車両検知器(SS3)を通過した車両は、原告各設備を通って高速道路に入る、もしくは一般道路に出ることになるから、原告設備の②車両検知器(SS3)が「第1の検知手段 設置されており、料金徴収が可能で②車両検知器(SS3)を通過した車両は、原告各設備を通って高速道路に入る、もしくは一般道路に出ることになるから、原告設備の②車両検知器(SS3)が「第1の検知手段」に該当し、構成要件2B及び 4Bを充足する。 また、原告各設備は、車両通過の際に②車両検知器(SS3)が車両を検知すると①発進制御機1の開閉バーを閉じるのであるから、第1の検知手段である②車両検知器(SS3)に対応して①発進制御機1が設けられている。よって、原告設備の①発進制御機1が「第1の検 知手段」に対応して設置された「第1の遮断機」に該当し、構成要件2F及び4Cを充足する。 さらに、原告各設備は、②車両検知器(SS3)が車両を検知し、当該車両が通過した後に①発進制御機1の開閉バーを閉じ、⑥車両検知器(SS4)が車両を検知し、当該車両が通過した後に④発進制御機 2の開閉バーを閉じるところ、上記のとおり、②車両検知器(SS3)は「第1の検知手段」、①発進制御機1は「第1の遮断機」に当たり、⑥車両検知器(SS4)は「第2の検知手段」、④発進制御機2は「第2の遮断機」に当たるから、原告各設備は、構成要件4Iも充足する。 (イ) 原告の主張に対する反論 原告は、本件各発明の技術的意義を本件各明細書中に記載された実施形態のみに限定し、請求項の文言を不当に狭く限定解釈した上で、原告各設備では、「第1の遮断機」及びこれに対応する「第1の検知手段」が存在せず、車両は①発進制御機1の手前で一旦停止するため、原告各設備は本件各発明の技術的範囲には属さないなどと主張する。 しかし、原告は、前訴において、本件発明4につき、「通信手段」と「第1の遮断機」の位置関係、①発進制御機1の手前で車両 するため、原告各設備は本件各発明の技術的範囲には属さないなどと主張する。 しかし、原告は、前訴において、本件発明4につき、「通信手段」と「第1の遮断機」の位置関係、①発進制御機1の手前で車両が停止すること、各遮断機の開閉タイミング等について争ったものの、当該主張は前訴控訴審判決において全て排斥されているから、原告の上記主張のうち、本件発明4については実質的な確定判決の内容を争うもの であって、前訴の不当な蒸し返しである。 また、原告は、本件発明2及び4では、ETCゲートがレーンdの前方(分岐の先)にあることが前提であると主張するが、本件発明2及び4の構成要件は、ETCゲートの位置を何ら特定していないし、本件各明細書には、「路側アンテナであるゲート前アンテナ3とETC ゲート5を一緒にして、ゲート前アンテナ3の地点に設置し、無線通信が可能であるか否かの判定と可能な場合に入口情報の送信とを一度に実行してもよい。」(【0043】)との記載があり、分岐の手前にETCゲートを設けることも許容しているから、原告の主張は、その前提が誤っている。 さらに、原告は、上記のETCゲートの位置を前提として、本件発明2及び4では、ETCゲートの手前に「第1の遮断機」及び迂回路Eという車両誘導システムを形成しているのに対し、原告各設備では、進行方向手前に①発進制御機1を配置しており、レーンdはその先に設けられているので、バック走行という課題が生じず、当該課題の解 決もされないと主張する。しかし、ETCゲートの位置が限定されて いないことは上記のとおりである。そして、原告各設備において、ETCによる料金徴収が不可能な車両は、①発進制御機1の手前で一旦停止するものの、その後に①発進制御機1を通過してレーンbに進入 いないことは上記のとおりである。そして、原告各設備において、ETCによる料金徴収が不可能な車両は、①発進制御機1の手前で一旦停止するものの、その後に①発進制御機1を通過してレーンbに進入するものであり、当該車両は、本来進行を意図していたレーンc方向の④発進制御機2の開閉バーが閉まっているため、当該方向へは進め ず、レーンaへバック走行して戻ろうとする可能性を否定できない。 本件発明2及び4の課題は、ETCシステムで開閉バーが下りて車両が前進走行できない場合に当該車両がバック走行をする危険に鑑みたものであると同時に、不正車両の逆走も防止するものである。このような課題を解決するため、本件発明2及び4では、各遮断機に対応す るように検知器を設け、車両が検知器を通過したことを検知した後に遮断機を下ろすという構成を採用したのであるところ、原告各設備においても、②車両検知器(SS3)は、車両が通過したことを検知すると①発進制御機1の開閉バーを閉じることにより、後続車両との衝突を回避している。したがって、原告各設備においても、本件発明2 及び4と同様の課題が存在し、かつ、課題解決もされている。 加えて、原告は、本件発明2及び4では、車両が「第1の遮断機」の手前で一旦停止しないのに対し、原告各設備では、①発進制御機1の手前で、車両は一旦停止すると主張する。しかし、車両が「第1の遮断機」の手前で一旦停止するか否かについては、構成要件中では何ら 規定されていないし、本件各明細書の段落【0042】の記載は、「第1の遮断機」手前で車両が一旦停止することを許容している。 以上のとおり、原告の上記主張は、いずれも理由がない。 構成要件2E及び4Fについて(ア) 構成要件2Eと4Fの解釈 SICにおいて、ETCによ 両が一旦停止することを許容している。 以上のとおり、原告の上記主張は、いずれも理由がない。 構成要件2E及び4Fについて(ア) 構成要件2Eと4Fの解釈 SICにおいて、ETCによる料金徴収が不可能な車両は、別の一般 車用出入口を利用することになるところ、このような車両が隣接施設に設置された一般車用出入口を利用せざるを得ないことは、出願当時及び現在における当業者の技術常識である。本件各明細書の【図11】に示される実施形態では、当該誘導先について文章による直接的な明記はしていないものの、当業者の技術常識をもって同実施形態を理解 すれば、隣接施設に設置された一般車用出入口へ誘導していることが記載されていると同視できるから、構成要件2E及び4Fの「一般車用出入口」については、原告各設備そのものに設置されている必要はなく、他のインターチェンジに設置された一般車用出入口をも含むものと解釈できる。これに対し、原告は、何処の一般車用出入口への誘 導かが特定されておらず、第三者の一般道路まで誘導手段に取り込んでいるなどと反論しているが、非ETC車は、必然的に他のインターチェンジの一般車用出入口を使用せざるを得ないから、どこのインターチェンジの出入口かなどと特定する必要はない。 また、構成要件2Eでは、「一般車用出入口へ誘導する誘導手段」と 表現されているのに対し、構成要件4Fでは、「又は一般車用出入口に通じる第2のレーンへ誘導する誘導手段」と表現されており、「に通じる第2のレーン」という文言が追加されているものの、単に表現が違うだけであって、同じ技術的事項を意味しているというのが正しい解釈である。そして、構成要件2Eでは、「一般車用出入口へ直接 誘導する誘導手段」と記載されておらず、出願当時の当業 、単に表現が違うだけであって、同じ技術的事項を意味しているというのが正しい解釈である。そして、構成要件2Eでは、「一般車用出入口へ直接 誘導する誘導手段」と記載されておらず、出願当時の当業者であれば、上記の【図11】に示される実施形態には、隣接施設に設置された一般車用出入口へ誘導していることが記載されていると理解できるから、本件各明細書には、【図7】に示される実施形態のように一般車用出入口へ直接誘導する態様に加え、【図11】に示される実施形態のよ うに一般車用出入口へ間接的に誘導する態様も開示されていることを 理解できる。したがって、本件発明2に係る構成要件2Eの「一般車用出入口へ誘導する誘導手段」とは、一般車用出入口に間接的に誘導する態様も含んでいるといえる。以上によれば、本件発明2に係る構成要件2Eの「一般車用出入口へ誘導する」は、本件発明4に係る構成要件4Fの「又は一般車用出入口に通じる第2のレーンへ誘導する」 の上位概念であって、前者を充足するものは後者も充足する。 (イ) 構成要件2E及び4Fのあてはめ前記(ア)を前提として検討すると、原告各設備は、③路側無線装置によって受信したデータでETCによる料金徴収が可能と判断(無線通信が可能と判断)された場合、①発進制御機1の開閉バーが開き、⑧ 路側表示器に「通行可直進」と表示され、それと同時にレーンb前方の④発進制御機2の開閉バーが開くが、その際、⑤発進制御機3の開閉バーは閉じたままであるので、当該車両は、⑧路側表示器、①発進制御機1及び④発進制御機2の開閉状態に従って、レーンa、b及びcを通行し、一般道路、高速道路ないしパーキングエリアへ合流す る。つまり、原告各設備は、ETCによる料金徴収が可能な車両を、③路側無線装置を通っ 制御機2の開閉状態に従って、レーンa、b及びcを通行し、一般道路、高速道路ないしパーキングエリアへ合流す る。つまり、原告各設備は、ETCによる料金徴収が可能な車両を、③路側無線装置を通って、一般道路、高速道路ないしパーキングエリアへ通じるレーンa、b及びcへ誘導しているので、⑧路側表示器、①発進制御機1及び④発進制御機2が「誘導手段」(構成要件2E及び4F)に、レーンa、b及びcが、「ETCゲートを通って前記有 料道路料金所、サービスエリア又はパーキングエリアに入る、または前記有料道路料金所、サービスエリア又はパーキングエリアから出るルート」(構成要件2E及び4F)に、それぞれ該当する。 また、③路側無線装置によって受信したデータでETCによる料金徴収が不可と判断(無線通信が不能又は不可と判断)された場合、⑧路 側表示器に「ETCカード挿入異常」、「インターホンでご案内しま す」、「STOP 停車お待ち下さい」などと表示され、①発進制御機1の開閉バーが開き、⑧路側表示器に「退出路」及び矢印の表示がされ、それと同時にレーンd手前に設置された⑤発進制御機3の開閉バーが開く。他方、④発進制御機2の開閉バーは閉じたままであるので、当該車両は、路側表示器⑧、①発進制御機1及び⑤発進制御機3 の開閉状態に従って、再度ETC車専用出入口手前へ戻るルート又は他のインターチェンジの一般車用入口に通じるレーンa、b及びdを通行するので、⑧路側表示器、①発進制御機1及び⑤発進制御機3が「誘導手段」(構成要件2E及び4F)に、レーンa、b及びdが、「再度前記ETC車専用出入口手前へ戻るルート又は一般車用出入口 へ誘導する」(構成要件2E)ルート又は「再度前記ETC車専用出入口手前へ戻るルート又は一般 び4F)に、レーンa、b及びdが、「再度前記ETC車専用出入口手前へ戻るルート又は一般車用出入口 へ誘導する」(構成要件2E)ルート又は「再度前記ETC車専用出入口手前へ戻るルート又は一般車用出入口に通じる第2のレーン」(構成要件4F)に、それぞれ該当する。 したがって、原告各設備は、構成要件2E及び4Fを充足する。 (ウ) 原告の主張に対する反論 原告は、レーンdは単なる迂回路であって「再度前記ETC車専用出入口手前へ戻るルート又は一般車用出入口へ誘導」(構成要件2E)、「再度前記ETC車専用出入口手前へ戻るルート又は一般車用出入口に通じる第2のレーンへ誘導」(構成要件4F)していないと主張するが、原告設備1-1及び2-1ないし2-4においては、レーンdを 通った車両は、いずれかの地点でUターンをすれば再度前記ETC車専用出入口に戻ることが可能であるし、原告各設備のいずれにおいても、Uターンをしない車両は、レーンdを通って、隣接インターチェンジの一般車用出入口まで走行し、同一般車用出入口を利用することが可能である。原告設備1-1及び2-1ないし2-4においては、 レーンdを通った車両は、再度対面通行となる地点まで戻ることがで き、当該道路は、一方通行ではなく指定方向外進行禁止であって、Uターンは禁止されていないから、車両の運転手が望めば、他の交通に注意して転回を行うことは可能である。また、原告設備1-2については、レーンdを通った車両は、再度前記ETC車専用出入口手前へ戻ることはできないものの、隣接する他のインターチェンジの一般車 用出口を使用することになるから、原告設備1-2は、「一般車用出入口へ誘導する」(構成要件2E)及び「一般車用出入口に通じる第2のレーンへ誘導する」(構成要 接する他のインターチェンジの一般車 用出口を使用することになるから、原告設備1-2は、「一般車用出入口へ誘導する」(構成要件2E)及び「一般車用出入口に通じる第2のレーンへ誘導する」(構成要件4F)構成を有している。以上によれば、原告各設備の道路の形状であっても、構成要件2E及び4Fの充足性は否定されない。仮に、上記ようにいえなかったとしても、少なくと も原告設備1-1、2-1及び2-3では、レーンdを通って一般道路まで戻された車両が、その一般道路上でUターンしてETC車専用出入口に再び入ることは可能であって、レーンdはETC車専用出入口手前へ戻るルートに当たるから、構成要件2E及び4Fを充足する。 また、原告は、原告各設備では係員の人的操作によって遮断機を開 閉するから、「前記判定手段による判定した結果に従って」「誘導する誘導手段」を備えていないと主張するが、本件発明2及び4は、誘導手段に人的操作が加わることを排除していない。したがって、ETCによる料金徴収が不可能な車両が、人的操作に拠ったとしても、①発進制御機1及び⑤発進制御機3の開閉バーを開き、④発進制御機2 の開閉バーを閉じたままとすることで、レーンdへと誘導される選択肢が存在することに変わりはない。 以上のとおり、原告の上記主張は、いずれも理由がない。 構成要件4Gの充足性前記エ(イ)のとおり、原告各設備において、④発進制御機2及び⑤発進 制御機3は、車両を誘導するものであって、それぞれ、レーンc及びレ ーンdに設けられているから、④発進制御機2は「第2の遮断機」、⑤発進制御機3は「第3の遮断機」に該当する。したがって、原告各設備は、構成要件4Gを充足する。 小括以上より、原告各設備は、本件発明2及び4の全ての から、④発進制御機2は「第2の遮断機」、⑤発進制御機3は「第3の遮断機」に該当する。したがって、原告各設備は、構成要件4Gを充足する。 小括以上より、原告各設備は、本件発明2及び4の全ての構成要件を充足 し、本件発明2及び4の技術的範囲に属する。 (原告の主張)本件各発明の技術的意義と本件各発明の問題点本件発明2及び4は、いずれも本件各明細書の【図4】に示される実施形態に係るものであるところ、そもそも本件各発明に係る構成物に被告 の貢献は皆無であり、【図4】に示される実施形態を構成する遮断機、迂回路及びETC通信に至るまで、全て国や道路公団(原告の前身)が主導して作り上げた我が国のETC関連技術又は公知技術に係る構成である。SICは、本件各特許の出願前に国や道路公団において検討されており、【図4】に示される実施形態のように、遮断機及び迂回路を併 置し、手前にETCゲートを配置し、分岐先の直進路及び迂回路にもゲートを配置した構成(以下「ダブルゲート構成」という。)は、「平成14年度ETC技術を活用したスマートICの調査検討報告書」(甲9。 以下「甲9文献」という。)に開示されているように、公知技術である。 さらに、遮断機が、交通を遮断する以上、バック走行防止のみならず、 逆進入防止の効果を有することも、昔から知られた物本来の機能である。 それゆえ、本件各発明は、従来型のETCゲート手前に、迂回誘導分岐とバック等防止のための遮断機を加えた有機的一体のシステムとして特許権の設定登録を受けたのであって、本件各明細書や上記の公知技術を参酌して本件各発明に係る有機的一体のシステムを解釈すれば、本件各 発明の特徴は、構成物それ自体ではなく、自ずと、そのフロー、タイミ ング、位置関係など 件各明細書や上記の公知技術を参酌して本件各発明に係る有機的一体のシステムを解釈すれば、本件各 発明の特徴は、構成物それ自体ではなく、自ずと、そのフロー、タイミ ング、位置関係などの有機的一体の相互関係(実質的なビジネス方法)に限られるというべきである。本件各発明が、本件親出願以降、補正や分割出願を繰り返すことにより、本来有機的一体であるシステムの発明につき、有機的関係を抹消分断させて、当初明細書の記載に基づかない不明確な広すぎるクレームに変容させられていることは、以下の(ア)及び (イ)のとおりである。このように不明確な広すぎるクレームを前提として、各構成要件の充足性を主張する被告の主張は、失当である。フロー、タイミング、位置関係などの有機的一体の相互関係を超えて、単なる公知物の寄せ集めや、物本来の機能に独占を拡大することは許されないし、たとえ構成物自体は同じままでも、これら有機的関係を抹消分断するこ とは、一見明細書に依拠するように見えても、実際は恣意的な上位概念化であって、認められない。 (ア) 本件発明2本件発明2は、当初明細書において、【図4】に示される実施形態の作用効果であったバック走行防止と、【図9】に示される実施形態の 作用効果であった不正車両の逆進入防止という、異なるシステムに基づく異なる作用効果を、逆走車なる上位概念に取り込み、【図4】に示される実施形態の「遮断機1」のみで、【図9】に示される実施形態の作用効果も実現するものに変容させている。また、本件発明2において、遮断機は一つしかない上、遮断機については、本件発明1に係 る構成要件とは異なり、タイミングその他の構成相互間の関係の記載がなく、時系列においても完全に切り離されて、構成要件2Fとして置かれたため、当初明細 ない上、遮断機については、本件発明1に係 る構成要件とは異なり、タイミングその他の構成相互間の関係の記載がなく、時系列においても完全に切り離されて、構成要件2Fとして置かれたため、当初明細書記載の課題解決原理であるバック等防止のための遮断機と誘導手段である迂回路との関係が分断された。これにより、本件発明2は、当初の技術思想と異なり、上記【図9】に示さ れる実施形態のアイディア部分のみを取り込み、当初明細書に矛盾し、 かつ、その裏付けがない上位概念化を実現したものであるが、このような上位概念化は許されないものである。 (イ) 本件発明4本件発明4は、親出願特許の特許請求の範囲の請求項5に係る発明の下位概念と称して、補正や分割出願を繰り返して成立したものであり、 原告に対して権利行使することを念頭に、原告各設備が採用するダブルゲート構造に類する構成を取り込んだものである。本件発明4は、一見、本件発明2に更なる構成を追加して権利範囲を限定したかのごとく見えるが、構成要件2Fにあった「第1の遮断機を下ろすことにより、進入した車両のバック走行、逆走及び後続の車両の進入を防ぐ ことを特徴とする」を削除することで、遮断機と誘導手段等の有機的一体のシステム構成が完全に分断され、単に遮断機を下ろすという物本来の機能を発明に取り込んでおり、権利範囲が更に拡張されている。 本件発明2及び4の構成要件の解釈前記アによれば、本件発明2及び4については、当初明細書及び本件 各明細書の記載や公知技術等の参酌により、発明の技術的範囲につき合理的な解釈をすべきである。以上によれば、本件発明2及び4は、ETCにおいて、「無線通信が不能又は不可と判断された」車両の誤進入を課題とし、同車両は進行方向分岐前方の「ETCゲー 技術的範囲につき合理的な解釈をすべきである。以上によれば、本件発明2及び4は、ETCにおいて、「無線通信が不能又は不可と判断された」車両の誤進入を課題とし、同車両は進行方向分岐前方の「ETCゲート5」へ「開閉バー4-1が下り進行できなくなる」ため(【0035】)、当該ゲート手前 に「バック走行」等防止のため「遮断機1」(閉鎖区間)を設けると共に(【0040】、【0042】)、かかる閉鎖区間から、「通信判定」に基づく誘導で、通信可能なら「ETCゲート5」へ直進、通信不能不可ならゲート分岐手前の「迂回路E」に誘導する(【0040】、【0041】)、「バック防止・通信判定誘導方式」による有機的一体の「車両を安 全に誘導する車両誘導システム」(【0001】、【0010】、【0 027】)と解釈すべきであり、上記を前提として各構成要件の充足性を検討すると、原告各設備は、本件発明2及び4の技術的範囲に属さない。 構成要件2A、2G、4A、4J及び4Kを充足しないこと原告各設備では、通信不能不可の場合、人的操作により、具体的状況 次第で、ETC車線への直進を認めており、通信判定結果に従って車両を誘導するものではないから、「車両を誘導するシステム」(構成要件2A及び4A)、「システム」(構成要件2G)及び「車両誘導システム」(構成要件4J及び4K)に該当しない。本件発明2及び4は、「ゲート前アンテナ3との間で無線通信が不能又は不可と判定されたと き」の課題を「再進入レーン」に安全な迂回誘導することによって「危険をシステム的に解決」する発明(【0035】)である以上、かかる有機的一体の「車両誘導システム」の本質部分について、全て人的処理に委ねる構成も含まれるというのであれば、それは「発明」たり得ないし、かつ ステム的に解決」する発明(【0035】)である以上、かかる有機的一体の「車両誘導システム」の本質部分について、全て人的処理に委ねる構成も含まれるというのであれば、それは「発明」たり得ないし、かつ、そのような構成を備える設備は、本件発明2及び4のフロー ないし相互関係を有しない以上、そもそも権利が及ぶものでない。また、本件各明細書においては、「ETCシステム」を「ノンストップ料金自動支払いシステム」と定義した上(【0002】)、「係員を呼び出す必要・・・により・・・ETCの本来の目的が達成できない」(【0008】、【0035】)、「一般車がスマートインターチェンジに進入して立ち 往生した場合に備えて係員が常駐していなければならないので、経済的でない」(【0063】)等の従来技術の課題が記載されているところ、原告各設備では上記従来技術の課題を解決できていないことは、原告各設備において人的操作で車両誘導をしていることから明らかである。 構成要件2B、2F、4B、4C及び4Iを充足しないこと (ア) 「第1の遮断機」(構成要件2F、4C及び4I)及びこれに対応す る「第1の検知手段」(構成要件2B及び4B)がないこと本件発明2及び4では、「出入りする車両を検知する第1の検知手段」(構成要件2B及び4B)に対応して「第1の遮断機」(構成要件2F、4C及び4I)が設けられているが、原告各設備で「出入りをする車両を検知する」のは、㋐車両検知機(SS1)又はETC通信を開始する ㋑車両検知器(SS2)であって、これらの設備は、被告が「第1の遮断機」であると主張する①発進制御機1の開閉バーを下ろすものではないから、「第1の遮断機を下ろす」(構成要件2F及び4I)ための「第1の検知手段」(構成要件2B及び4B) の設備は、被告が「第1の遮断機」であると主張する①発進制御機1の開閉バーを下ろすものではないから、「第1の遮断機を下ろす」(構成要件2F及び4I)ための「第1の検知手段」(構成要件2B及び4B)に該当しない。また、被告が「第1の遮断機」の開閉のための「第1の検知手段」であると主張する ②車両検知器(SS3)は、㋐車両検知機(SS1)、㋑車両検知器(SS2)の遙か前方にあるため、「出入りする車両を検知する」検知手段(構成要件2B及び4B)には該当しない。また、前記イのとおり、本件発明2及び4は、「バック走行」防止のため、「第1の検知手段」に対応する「第1の遮断機」を手前に設け、「第2の検知手段」に対応す る「ゲート前アンテナ」におけるETC通信判定に基づき、通信可能なら「ETCゲートを通」る(構成要件2E及び4F)構成を採用することにより「車両を安全に誘導する車両誘導システム」を形成する発明であるところ、原告各設備では、ETC通信判定に基づく安全な誘導の前提となる、手前の「第1の遮断機」がない。そもそも、原告各設備は、 本件各発明のごとく「予め開いている遮断機1を通り、車両検知装置2aにより検知され」(【0033】)といった事態を想定しておらず、システム構成の前提が本件発明2及び4と異なるから、①発進制御機1は、「第1の遮断機」(構成要件2F、4C及び4I)に該当しない。 (イ) 被告の主張に対する反論 被告は、構成要件2F及び4Iは、遮断機に対応するように検知器を 設け、車両が検知器を通過したことを検知した後に遮断機を下ろすという構成を採用したものであって、一つの遮断機でもバック走行及び不正車両の逆進入(逆走行)防止の作用効果を奏すると主張する。しかし、被告が主張する上記構成自体は、既にET 知した後に遮断機を下ろすという構成を採用したものであって、一つの遮断機でもバック走行及び不正車両の逆進入(逆走行)防止の作用効果を奏すると主張する。しかし、被告が主張する上記構成自体は、既にETC関連技術でも使用されてきた技術常識で、パブリックドメインであるし、遮断機に被告 の主張する逆進入の防止の作用効果があるのも、昔から知られた物本来の機能にすぎない。また、被告は、本件各明細書の「ゲート前アンテナ3とETCゲート5を一緒にして、ゲート前アンテナ3の地点に設置し…てもよい」(【0043】)との記載を根拠に、ETCゲートの位置は分岐の手前に設けることも許容していると主張するが、本 件各発明が、全て分岐先のETCゲートの存在を前提としていることは、本件各特許の特許請求の範囲の請求項(構成要件2E、4F等)において、通信可能な場合は「ETCゲートを通って…入る/出るルートへ誘導」と明記し、通信不能及び不可の場合は、あえてその記載がなく「再度前記ETC車専用出入口手前へ戻るルート」等に「誘導す る」として、明らかに両者を対置していること、本件親出願当初の特許請求の範囲の請求項12において、「通信可能と判断された時、第2のゲートを開けてETCゲート及び第3の車両検知装置に導き、所望の道路に送り出し、」と記載されていたことに加え、本件各明細書において「ここで、ルートA→DはETCゲート5を通り有料道路7 へ進むルートであり、ルートA→Eは料金所9へ再進入するためのレーンである。」(【0032】)、「ゲート前アンテナ3との間で無線通信が可能と判定されたとき、誘導装置4-2は閉じたままで誘導装置4-1が開き、車両検知装置2cの側を通り、路側アンテナ(ETCゲート)5から車載器に対する入口情報を受信して、車両は有料 無線通信が可能と判定されたとき、誘導装置4-2は閉じたままで誘導装置4-1が開き、車両検知装置2cの側を通り、路側アンテナ(ETCゲート)5から車載器に対する入口情報を受信して、車両は有料 道路7へと進むことが出来る。」(【0034】)との記載や【図4】 に示される実施形態からしても、明らかである。仮に被告のように本件各明細書の段落【0043】に基づいて考えても、原告各設備は、本件各明細書の【図4】等に明示されている背後の「遮断機1」を備えていないことに変わりはない。本件各発明は、車両の背後の「遮断機1を閉じ」る手段を備え、閉鎖区間において、本件各発明の中核とな る通信判定に基づく「迂回路E」への誘導を行うことにより、誤進入の際に、前方の「開閉バー4-1が下り進行できなく」なった車両が「バック走行」することを防止するという課題を、解決している(【0040】)。これに対し、原告各設備では①発進制御機1手前にある③路側無線装置においてETC通信判定がされるから、その際、 背後に「遮断機1」が存在しないことは明らかである。 また、被告は、原告各設備の構成であっても、車両が①発進制御機1の手前で一旦停止するものの、その後に①発進制御機1を通過してレーンbに進入した際、ETCによる料金徴収が不可能な車両は、本来進行を意図していたレーンc方向の④発進制御機2の開閉バーが閉ま っているため、当該方向へは進めず、当該車両はレーンaへバック走行して戻ろうとする可能性が否定できないから、②車両検知器(SS3)が車両通過を検知すると①発進制御機1の開閉バーを閉じることにより、後続車両との衝突を回避していると主張する。しかし、本件各発明は背後に「遮断機1」を下ろした状態(閉鎖区間)における通 信判定によって「安 知すると①発進制御機1の開閉バーを閉じることにより、後続車両との衝突を回避していると主張する。しかし、本件各発明は背後に「遮断機1」を下ろした状態(閉鎖区間)における通 信判定によって「安全な誘導」を実現するものであるところ、原告各設備においては、通信不能又は不可であっても、係員が、発券処理や課金処理等を確認の上、予め直進又は戻りを案内する。このため、本件各発明において想定されている閉鎖区間における誘導は、上記①発進制御機1手前で既に完了していることになる。事実、原告各設備で は、係員が、手動で、①発進制御機1の開閉バーと④発進制御機2又 は⑤発進制御機3の開閉バーとを同時に開閉するから、開いているゲートを、指示通りに進めばよく、閉鎖区間が形成されることはない。 しかも、本件発明2及び4と異なり、原告各設備においては、車両の運転者は、係員の指示が気に入らなければ、係員との相談中にバック走行をすることが可能である。逆に、車両の運転者がいったん前進の 判断をすれば、当該車両は二つの遮断機をあっという間に通過するにすぎない。上記のとおり、原告各設備では、本件発明2及び4とは異なり、当該「閉鎖区間」において通信判定に基づく誘導はされておらず、①発進制御機1手前において進路が決まっている以上、通信誘導の際、背後の遮断機も閉鎖区間も存在しないことに変わりはないし、 「予め開いている遮断機1を通り」(【0033】)という事態も生じず、また、誤進入も生じない。以上のように、原告各設備は、本件発明2及び4の課題解決手段、すなわち、誘導手段「迂回路」等にバック等防止のための「遮断機1」を有機的に組み合わせた「システム」として「バック走行」防止の「安全な誘導」(同【0001】、【0010】) を実現するものでない わち、誘導手段「迂回路」等にバック等防止のための「遮断機1」を有機的に組み合わせた「システム」として「バック走行」防止の「安全な誘導」(同【0001】、【0010】) を実現するものでない。なお、被告は「不正車両の逆走防止」の作用効果について論じるが、そもそも、「不正車両の逆走防止」は、本件発明2及び4の基本形態である本件各明細書の【図4】に示される実施形態の作用効果と解されないことは、前記ア及びイのとおりである。 構成要件2E、4F及び4Gを充足しないこと (ア) 通信不能・不可の車両もETCゲートを通過していること構成要件2E及び4Fでは、路側アンテナと車載器との間で通信可能な場合のみ「ETCゲートを通って」とあるが、原告各設備では、通信可能、路側アンテナと車載器との間で通信不能及び不可のいずれの場合も「ETCゲートを通」る点において、両者は相違している。 (イ) 通信不能又は不可の場合は人的操作により誘導すること 本件発明2及び4では、通信判定結果に従い、通信可能ならETCゲートを通って料金所等に入る又は出る、通信不能又は不可なら再度戻るルート等へ誘導する「誘導手段」(構成要件2E及び4F)が規定されているところ、原告各設備では、無線通信が不能又は不可の場合、①発進制御機1の開閉バーは閉じ、係員が、インターホン通話等など で事前協議を行い、ETCカードの再挿入案内、通行券発券ないし課金等処理を指示し、具体的状況に応じて、①発進制御機1の開閉バー及び④発進制御機2又は⑤発進制御機3の開閉バーを開閉する。すなわち、原告各設備では、通信判定結果にかかわらず、人的操作により、通信可能と通信不能又は不可のいずれの場合も、ETC通信ゲート (①発進制御機1、③路側無線装置及び係員 閉バーを開閉する。すなわち、原告各設備では、通信判定結果にかかわらず、人的操作により、通信可能と通信不能又は不可のいずれの場合も、ETC通信ゲート (①発進制御機1、③路側無線装置及び係員と通話するインターホンをいう。)を通過させ、具体的状況次第ではETC車線への直進を認め、柔軟な車両通行を許容しているから、本件各発明に係る「車両誘導システム」の中核といえる通信手段による判定に関し、「判定した結果に従って、」「料金徴収が可能な車両を、ETCゲートを通っ て・・・出るルート」「料金徴収が不可能な車両を、再度前記ETC車専用出入口手前へ戻るルート」等「へ誘導する」(構成要件2E及び4F)というシステムとしての誘導が行われていないため、「誘導手段」(構成要件2E、4F及び4G)を有しない。 (ウ) 「再度前記ETC車専用出入口手前へ戻るルート又は一般車用出入 口へ誘導」及び「再度前記ETC車専用出入口手前へ戻るルート又は一般車用出入口に通じる第2のレーンへ誘導」していないこと前提事実(7)のとおり、原告設備1-2において、ETCによる料金徴収が不可能な車両が通行する道路は、原告設備1-2のある横手北SICを超えた地点に合流するから、「前記ETC車専用出入口に戻 る」ことはそもそも不可能である。また、その余の原告各設備におい て、ETCによる料金徴収が不可能な車両が通行する道路には、ポールや方向標識があり、再度ETC車専用出入口手前に戻る誘導は存在しないし、Uターンを伴うものは誘導に当たらない。そもそも、原告各設備の道路の形状上、Uターンは想定されておらず、スペース上も途中でUターンをすることはできない。 これに対し、被告は、SICでは、ETCを利用できない車両が隣接する他のインターチェ 原告各設備の道路の形状上、Uターンは想定されておらず、スペース上も途中でUターンをすることはできない。 これに対し、被告は、SICでは、ETCを利用できない車両が隣接する他のインターチェンジを利用するほかないことは当業者の技術常識であるから、構成要件2E及び4Fの「一般車用出入口」には、同一施設外の一般車用出入口も含まれ、同一施設外の一般車用出入口へ間接的に誘導する態様も「誘導手段」に含まれると主張する。しかし、 本件各発明は「車両を安全に誘導する車両誘導システム」(【0001】、【0010】等)に係る課題解決手段を採用したものであって、本件各明細書上も、その構成として同一施設内における物的構造物のみが開示されており、SICの構成に係る唯一の段落である【0064】においても、【図11】の迂回路E等の誘導手段の役割について 「図3、4、6及び7のそれと同じである」と明言している。そうすると、被告の主張は、行き先次第で異なる他のインターチェンジ出入口や、そこに至る第三者の管理する「一般道路」まで「誘導手段」に取り込んでおり、上記に述べた本件各発明の具体的な課題解決手段の構成を無視するものである。本件各明細書の【図11】に示されるSI Cの実施形態は、同じ場所をぐるぐる回り続けるだけで、一般道路から高速道路もしくは高速道路から一般道路に誘導する手段たり得ず、実質的には無意味な構成を開示するにすぎないから、発明としての体を成さないし、そもそもETC車専用出入口が使用できない車両が、当該ETC車専用出入口手前に敢えて再度戻ること自体が背理であり、 誰もこのようなシステムを使わないから、必然的に原告各設備は本件 発明2及び4のその技術的範囲に属さないこととなる。また、被告が、構成要件2Eと4Fにつ 戻ること自体が背理であり、 誰もこのようなシステムを使わないから、必然的に原告各設備は本件 発明2及び4のその技術的範囲に属さないこととなる。また、被告が、構成要件2Eと4Fについて、単に表現が違うだけであって、同じ技術的事項を意味しており、構成要件4Fが2Eの下位概念であることを認めている以上、新規事項の追加禁止(特許法17条の2第3項)に反しないよう、構成要件4Fも2Eと同様に「前記ETC車専用出 入口手前へ戻るルート又は一般車用出入口へ誘導する誘導手段」という構成を備えるものでなければならない。しかし、ETCによる料金徴収が不可能な車両が通行する道路は、前記ETC車専用出入口に戻るものではなく、原告各設備には一般車用出入口がないから、一般車用出入口へ誘導する誘導手段を備えるものでもないことは、上記のと おりである。被告は、一般道路にまで戻らずにその途中でUターンしてETC車専用出入口手前へ戻ることも可能であるなどと主張するが、可能か否かではなく誘導に当たるか否かが争点であって、レーンdは、「一般車用出入口へ誘導」していない。被告は、構成要件2E及び4Fの文言から離れて、戻り路に誘導していれば足りるなどと主張して おり失当である。 小括以上によれば、原告各設備は、本件発明2及び4の技術的範囲に属しない。 (3) 争点3(無効の抗弁の成否)について (原告の主張)補正及び分割要件違反(ア) 本件発明2に係る補正要件違反当初明細書では、(A)「遮断機1」により構成される閉鎖区間と通信誘導手段「迂回路E」によりバック走行等を防止する【図4】に示さ れる実施形態と、(B)【図4】の閉鎖区間に更なる閉鎖区間を追加 して「逆進入」を防止する【図9】に示さ 鎖区間と通信誘導手段「迂回路E」によりバック走行等を防止する【図4】に示さ れる実施形態と、(B)【図4】の閉鎖区間に更なる閉鎖区間を追加 して「逆進入」を防止する【図9】に示される実施形態との2種類が峻別され、これらの(A)及び(B)を、それぞれ、有機的一体の「システム」構成として開示していた。そして、本件発明2及び4は、いずれも、上記(A)に該当するものである。しかし、その後の補正や分割出願を経て登録に至った本件発明2及び4は、【図4】に示される 実施形態の作用効果であったバック走行防止と、【図9】に示される実施形態の作用効果であった不正車両の逆進入防止という異なる作用効果とを、逆走車なる上位概念に取り込み、【図4】に係る本件発明2及び4のシステム構成を無視し、本来異なるシステム構成の異なる遮断機が実現する二つの作用効果を、【図4】に示される実施形態の 「遮断機1」のみで実現するものへと変容させた。上記補正は、システムの有機的一体の構成を分断し、相容れない【図4】に示される実施形態と【図9】に示される実施形態とを混同することで、本件発明2及び4を上位概念化するものであって、新規事項の追加に該当し、補正要件(特許法17条の2第3項)に違反するものである。 (イ) 本件発明4に係る分割要件違反本件発明4は、親出願特許の請求項5(本件発明2)の下位概念と称し、親出願特許に基づく原告への権利行使後の交渉経過を踏まえ、更なる権利行使を目的として原告各設備のダブルゲート構成に類する構成を取り込むために、本件親出願から分割出願されたものである。 上記のとおり、本件発明4は、本件発明2の下位概念と称して補正及び分割出願がされているから、前記(ア)と同様の新規事項追加の問題を有する。さらに、本 本件親出願から分割出願されたものである。 上記のとおり、本件発明4は、本件発明2の下位概念と称して補正及び分割出願がされているから、前記(ア)と同様の新規事項追加の問題を有する。さらに、本件発明4では、「第1の遮断機を下ろす」構成に関し、本件発明2の構成要件2Fにあった「進入した車両のバック走行、逆走及び後続の車両の進入を防ぐことを特徴とする」との機能 (作用効果)的記載も削除されている。このため、課題解決手段であ る遮断機と迂回路などの誘導手段等の有機的一体のシステム構成が完全に分断され、単に「第1の遮断機を下ろす」(構成要件4J)という物本来の機能を取り込んだ広範なクレームとなっており、新規事項の追加に該当する。 (ウ) 分割出願の繰り返しに係る分割要件違反 さらに、被告は、原告に対して権利行使するためにのみ、親出願から第4世代に至るまで、10年以上の長期にわたり、何ら変更を加えることなく当初明細書のまま分割を繰り返しており、「二以上の発明を包含する特許出願の一部を…・新たな特許出願とする」という分割出願に係る特許法の趣旨に反するため(特許法44条1項違反)、分割要 件違反となる。 (エ) 小括以上によれば、親出願特許については、前記(ア)のとおり、補正要件に違反する無効事由があり、第7世代特許については、前記(イ)のとおり、分割要件に違反するために出願日が遡及しないことから、親出願 特許の公開公報に基づき新規性が欠如する無効理由がある。さらに、第7世代特許については、前記(ウ)のとおり、分割出願の繰り返しに係る分割要件違反の無効理由もある。 記載要件違反前記(2)(原告の主張)ア(ア)及び上記ア(ア)のとおり、本件発明2につ いて、当初明細書記載の「バック走 、分割出願の繰り返しに係る分割要件違反の無効理由もある。 記載要件違反前記(2)(原告の主張)ア(ア)及び上記ア(ア)のとおり、本件発明2につ いて、当初明細書記載の「バック走行」という語に加え、補正によって特許請求の範囲に「逆走」という文言等を挿入することで、当初明細書とは異なる曖昧かつ広いクレームに変容せしめるとともに、矛盾を生じ、文言が不明確となっているから、当該特許請求の範囲の記載は明細書に開示された範囲を超えるものとしてサポート要件に違反する上、明確性要件及び 実施可能要件にも違反する(特許法36条6項2号、1号、同条4項1 号)。 新規性及び進歩性欠如(ア) 本件発明2に係る新規性欠如前記(2)(原告の主張)アのとおり、本件各発明の特徴部分は、構成物それ自体ではなく、そのフロー、タイミング、位置関係などの有機 的一体の相互関係(実質的なビジネス方法)に限られるところ、被告は、本件各発明を「物の発明」と称して、有機的構成を無視し、本来の発明の構成を離れた上位概念化を主張することで、本件発明2は、原告各設備と同様の甲9文献記載の既存のダブルゲート構成も包含すると主張している。このような被告主張によれば、本件発明2は、構成要件 全てについて、甲9文献に記載の発明との間に相違点がなく、新規性を欠く。 すなわち、甲9文献は、平成15年2月の報告書で、本線接続型とPA等既存設備を用いたSICを対象とし、一般車の誤進入対策である復帰車線の形態として、料金所の先で一般車を復帰車線に誘導する第 1案と料金所手前で一般車を復帰車線に誘導する第2案及び第3案を開示したものであるが、甲9文献記載の第1案と本件発明2とを対比すると、甲9文献記載の第1案は、一般車と判定された車両 導する第 1案と料金所手前で一般車を復帰車線に誘導する第2案及び第3案を開示したものであるが、甲9文献記載の第1案と本件発明2とを対比すると、甲9文献記載の第1案は、一般車と判定された車両について、料金所で一旦停止させ、インターホン等音声による対応の後、復帰車線に誘導するものであり、コンピュータプログラムによる制御を前提 とする本件発明2の車両誘導システムと異なるものの、本件発明2が遮断機の開閉による一旦停止や誘導手段における人的操作を排除しているわけではないとの被告主張を前提とすれば、甲9文献記載の第1案も「車両を誘導するシステム」(2A)に含まれる。 次に、甲9文献記載の第1案は、ETC料金所機器が設置されている 箇所に「発進制御機H1」を、ETCにより料金処理がされた車両が 通行するレーンに「発進制御機H2」を、一般車が通行する復帰車線に「発進制御機H3」を、それぞれ備えるものであり、本件発明2がETCゲートの位置関係や一時停止等を問わないとの被告主張によれば、「発進制御機H1」は「第1の遮断機」(構成要件2F)に相当する。そして、当該発進制御機の制御のための車両検知器も、出入口 との位置関係を問わず、パーキングエリアに出入りする車両を検知するものであれば「出入りをする車両を検知する」(構成要件2B)に該当するとの被告主張によれば、「発進制御機H1」の制御のための車両検知器は「第1の検知手段」(構成要件2B及び2F)に相当する。また、甲9文献記載の第1案の「ETC料金所機器」は、「車両 に搭載されたETC車載器とデータを通信する通信手段」(構成要件2C)に相当し、一旦停止やインターホン等音声の対応による復帰車線への誘導も、誘導手段に人的操作が加わることを排除しておらず、復帰車線へ誘 載されたETC車載器とデータを通信する通信手段」(構成要件2C)に相当し、一旦停止やインターホン等音声の対応による復帰車線への誘導も、誘導手段に人的操作が加わることを排除しておらず、復帰車線へ誘導される選択肢が存在することに変わりがないとの被告主張によれば、甲9文献記載の第1案は、「誘導手段」(構成要件2 E)に相当する構成を備えることになる。 さらに、甲9文献記載の第1案の「発進制御機H1」は、通常時は「閉」であり、ETC車両を通行させるために「開」となるから、車両が通行した後には閉じることが明らかであり、また、「バック走行」や「逆走行」防止の作用効果は遮断機を閉じることで生じるとの被告 主張によれば、甲9文献記載の第1案は、「第1の検知手段により車両の進入が検知された場合、前記車両が通過した後に、前記第1の遮断機を下ろす」(構成要件2F)に相当する構成も備える。 上記は、甲9文献記載の第1案に代えて第2案を引用例としても同様である。 したがって、本件発明2には、新規性違反(特許法29条1項3号) の無効理由がある。 (イ) 本件発明4に係る進歩性欠如構成要件2Aないし2Dは、構成要件4A、4B、4D及び4Eと同じであるから、甲9文献記載の第1案は、本件発明4-1に係る構成要件4A、4B、4D及び4Eに相当する構成を備えている。そし て、甲9文献記載の第1案の「発進制御機H1」は、本件発明4の「第1の遮断機」(構成要件4C)に相当する。また、「誘導手段」(構成要件4F)は、構成要件2Eに文言が追加されているが、被告はいずれも同様に誘導することは明らかであると主張しており、実質的な差異はないから、甲9文献記載の第1案は、構成要件4Fに相当 する構成を備えている。さらに、甲9文献 が追加されているが、被告はいずれも同様に誘導することは明らかであると主張しており、実質的な差異はないから、甲9文献記載の第1案は、構成要件4Fに相当 する構成を備えている。さらに、甲9文献記載の第1案の「発進制御機H2」及び「発進制御機H3」は、それぞれ本件発明4の「第2の遮断機」及び「第3の遮断機」(構成要件4G及び4H)に相当し、甲9文献記載の第1案の「発進制御機H2」及び「発進制御機H3」の制御のための車両検知器は、それぞれ本件発明4-1の「第2の検 知手段」及び「第3の検知手段」(構成要件4H)に相当する。そうすると、相違点は、構成要件4Iの「第2の遮断機」のゲートの開閉のみであるところ、甲9文献記載の第1案では、「発進制御機H2」は、通常時及びETC車通行時は開いており、一般車通行時には閉じる点で、本件発明4-1の構成要件4Iの「第2の遮断機」の動作と は異なるが、車両が通行を検知して遮断機を下ろす構成(構成要件4I)は、当時からETCゲート等で我々も日常的に目にする技術常識ないし周知技術にすぎない。しかも、建設省、道路公団等の作成に係る平成8年8月付け「ノンストップ自動料金収受システム共同研究報告書」(甲36)には、発進制御機の動作について、「常時開方式」、 「常時開方式」及び「進入時閉方式」の3つの選択肢が記載されてい るところ、いずれの動作方式の発進制御機を採用するかは、車線の道路状況、車線を通過する車両の流れ、安全性などの観点から当業者が適宜選択する設計上の事項ないし技術常識にすぎない。車両が通行を検知して遮断機を下ろす構成(構成要件4I)は、「設計要領第8集通信施設編第10編 ETC設備」(甲10)等においても用 いられている。 また、本件発明4-2は、本件発明 。車両が通行を検知して遮断機を下ろす構成(構成要件4I)は、「設計要領第8集通信施設編第10編 ETC設備」(甲10)等においても用 いられている。 また、本件発明4-2は、本件発明4-1と比較し、構成要件4Kの構成のみ異なるため、相違点も上記と同様になる。以上によれば、本件発明4は、いずれも甲9文献に記載の第1案に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、進歩性欠 如(特許法29条2項)の無効理由がある。 (被告の主張)補正及び分割要件違反について(ア) 原告の主張が前提を欠いていること原告は、本件各明細書の【図4】に示した実施形態と【図9】に示し た実施形態は、相容れない作用効果、異なる技術思想を有するものであって、逆走防止の効果は【図9】に示した実施形態のみが備えており、【図4】に示した実施形態では、逆走の効果は奏しないと指摘するが、かかる主張は誤りであるから、原告の補正及び分割要件違反に関する主張は前提を欠いている。確かに、本件各明細書の【0054】 には、「…図4で説明した実施形態では、料金不払いなどを目的とした不正車両が、ETC車用レーンの出口や離脱レーンの出口から遡ってETC車用レーンに逆進入することを防ぐことが出来ないという問題点を有している。」という記載はあるが、「不正車両の逆走を一つも防ぐことが出来ない」とまでは記載されていないし、読み取れもし ない。その一方で、【0054】の冒頭には「…(逆進入防止機能を 充実させたインターチェンジ)…」と記載されている。同様の記載は、「先ず、有料道路の入口料金所で使用するETCシステムを利用した車両誘導システムについて説明し、次に出口料金所で使用する車両誘導システム、更に応用例(逆走防 ジ)…」と記載されている。同様の記載は、「先ず、有料道路の入口料金所で使用するETCシステムを利用した車両誘導システムについて説明し、次に出口料金所で使用する車両誘導システム、更に応用例(逆走防止機能を充実させたインターチェンジ、スマートインターチェンジ、駐車場等)について説明する。」 (【0030】)、「図9は、図4の変形例であり、逆進入防止機能を充実させたインターチェンジの構成を示す図である。」(【0055】)にもある。これらを勘案すれば、本件各明細書の発明の詳細な説明では、逆走防止機能に関して、【図9】に示した実施形態の方が【図4】に示した実施形態よりも充実しているという説明になってい ることが分かる。また、【図4】に示した実施形態では、「…また先行車がレーンAを逆走するのを阻止できる。」(【0040】)と記載されていることからも分かるように、正しい方向に走行している車両の運転者が何らかの理由で「遮断機1」を通過した後で後退しようとしても、「遮断機1」が閉じている以上、「遮断機1」を破損して も構わないとでも考えない限り、逆走を防ぐことができるという効果を得られることが理解できる。正しい方向に走行している車両が後退することを防止できる【図4】に示される実施形態が、不正車両の逆走を全く阻止できないとは考え難く、むしろ、不正車両の逆走をある程度は防止できると考える方が自然である。さらに、【図4】に示さ れる実施形態では、「ゲート前アンテナ3との間で無線通信が可能と判定されたとき、誘導装置4-2は閉じたままで誘導装置4-1が開き…・」(【0034】)と記載されていることから、先行車両が「遮断機4-1」を通過した後に「遮断機4-1」が閉じたということが分かるところ、「遮断機4-1」が閉じていれば、逆走しよう 置4-1が開き…・」(【0034】)と記載されていることから、先行車両が「遮断機4-1」を通過した後に「遮断機4-1」が閉じたということが分かるところ、「遮断機4-1」が閉じていれば、逆走しようとする 不正車両にとって妨げになることは明らかである。つまり、【図4】 に示される実施形態は、「遮断機1」及び「遮断機4-1」の閉制御を適宜行うことで、正しい方向に走行している車両が「遮断機1」を通過した後で後退しようとすることを阻止する効果が期待できるだけではなく、それら二段の遮断機による不正車両の逆走防止効果も期待できると容易に理解できる。 そもそも、本件発明2は、通行量の少ないインターチェンジやサービスエリア接続型のSIC等では、遮断機を通過した後でバック走行する車両や、不正走行を意図して料金所を逆走してしまう車両等が現れることが懸念されることから、バック走行や逆走を防止するために車両が通過した後で遮断機を閉じる構成を採用したものであって、本件 発明2では逆走防止効果が奏されないということを根拠としている原告の主張は、全て誤りである。さらに、原告は、「逆走」、「バック走行」及び「不正車両の逆進入」は、完全に別物であるような主張をしているが、「逆走」と「バック走行」とは、車両が前進走行かバック走行かの違いがあるだけで、遮断機に対して正しい走行方向とは逆 側から向かうという点は同じであって、車両誘導システムから見て本質的な違いがあるわけではなく、その動き自体を禁止したいという観点では全く同じものである。また、「逆走」と「不正車両の逆進入」とは、不正の意図の有無で違いがあるかもしれないが、車両の外部から第三者が見たら全く同じものである。そして、これらの文言に多少 の違いがあったとしても、本件各発 「逆走」と「不正車両の逆進入」とは、不正の意図の有無で違いがあるかもしれないが、車両の外部から第三者が見たら全く同じものである。そして、これらの文言に多少 の違いがあったとしても、本件各発明は、「逆走」、「バック走行」及び「不正車両の逆進入」を区別して検出する構成を備えているとか、検出された車両の動作に応じて制御内容を変えるといった構成を備えているわけではないので、「逆走」か、「バック走行」か又は「不正車両の逆進入」かで、技術的範囲が違ってくるわけではない。すなわ ち、遮断機が閉まってしまえば、バック走行、逆走及び不正車両の逆 進入のいずれもできないようになり、遮断機が開いていれば、それら三つの行為いずれもが可能となる。したがって、原告による「逆走」、「バック走行」及び「不正車両の逆進入」の三つの文言の概念の違いを根拠としている主張は、全て誤りである。 (イ) 本件発明2に補正要件違反がないこと 原告は、本件発明2について、審査段階で請求項5に「、逆走」という文言を追加した補正が新規事項の追加に該当すると主張しているが、失当である。そもそも、本件各明細書の【図4】に示される実施形態と【図9】で示される実施形態が相容れないシステムであるという前提が誤っていることは、前記(ア)のとおりである。そして、当初明細書の 【0054】においては、「逆走」についての記載があり、【0054】は、【図9】に示される実施形態の説明に関する部分であるものの、同実施形態も「遮断機1」を備えており、「遮断機1」が車両通過後に閉じることで逆走防止の効果が期待できることは、前記(ア)のとおりであるから、当該補正によって、当初明細書に記載されていなかった文言を 請求項に追加したことにはならない。また、当該補正時の請求項 じることで逆走防止の効果が期待できることは、前記(ア)のとおりであるから、当該補正によって、当初明細書に記載されていなかった文言を 請求項に追加したことにはならない。また、当該補正時の請求項5には、「進入した車両のバック走行」と「後続の車両の進入」とを防ぐことが既に記載されていたところ、前記(ア)のとおり、車両誘導システムからみて車両の挙動に関する「逆走」、「バック走行」及び「不正車両の逆進入」の三つに本質的な違いはないから、「逆走」を防ぐことを追加した としても、特許請求の範囲及び明細書に新たな技術事項を追加したことにはならない。よって、本件発明2に関して、新規事項の追加を理由とした補正要件違反の無効理由があるとの原告の主張は、誤りである。 (ウ) 本件発明4に分割要件違反がないこと本件発明4には「進入した車両のバック走行、逆走及び後続の車両の 進入を防ぐ」という文言は含まれていないが、その文言の有無で本件 発明4の技術的範囲は変わらない。すなわち、車両誘導システムからみて、遮断機を下ろすことによって阻止している車両の行為が、一旦遮断機を通過した車両の「バック走行」なのか、不正走行を企んだ車両の「逆走」なのかは、区別がつかないし、また、一方が可能であるのに他方が不可能ということはなく、さらに、遮断機を下げれば「後 続の車両の進入」も防止できることは明らかである。よって、本件発明4の構成が不明瞭になっているとの原告の指摘は、誤りである。したがって、原告指摘の分割要件違反は存在しない。 また、原告は、【図4】及び【図9】に示される実施形態の作用効果の混同により権利範囲の拡大が生じていると主張するが、両者の作用 効果が別であるとの原告の主張はそもそも誤りであるから、原告が主張するような権利範 4】及び【図9】に示される実施形態の作用効果の混同により権利範囲の拡大が生じていると主張するが、両者の作用 効果が別であるとの原告の主張はそもそも誤りであるから、原告が主張するような権利範囲の拡大も生じていない。 さらに、原告は、本件発明4は公知な遮断機や迂回路といった構成の寄せ集めにすぎないと主張するが、構成要件の一つ一つが仮に公知の技術であったとしても、進歩性を否定するためには、各構成要件を組 み合わせる動機付けが開示された証拠が必要である。 以上によれば、本件発明4の分割要件違反はないから、本件発明4に係る出願の遡及効が認められない結果として、本件親出願の公開公報の存在により、新規性欠如の無効理由があるという原告の主張は、誤りである。 (エ) 分割出願を繰り返すことは分割出願要件違反にはならないこと特許法上、分割出願に回数制限は設けられていないから、回数制限なしに分割出願することが認められているといえる。したがって、分割出願を繰り返したこと自体が分割出願要件に違反するものではない。 記載要件違反について 原告が主張する明確性要件違反、サポート要件違反及び実施可能要件 違反は、いずれも「逆走」と「バック走行」の概念の違いを理由とするものであるが、前記ア(ア)のとおり、「逆走」と「バック走行」は、車両が遮断機に対して逆側から向かうという点は同じであって、車両誘導システムから見て本質的な違いがあるわけではなく、その動き自体を禁止したいという観点では全く同じものであるから、そもそもの原告の主張 は根本的なところが誤っている。 よって、本件発明2は、明確であるから特許法36条6項2号の規定には違反しておらず、発明の詳細な説明に記載したものであるから同項1号の規定にも違反 原告の主張 は根本的なところが誤っている。 よって、本件発明2は、明確であるから特許法36条6項2号の規定には違反しておらず、発明の詳細な説明に記載したものであるから同項1号の規定にも違反していないし、本件各明細書の詳細な説明に当業者がその実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載したものであ るから同条4項1号の規定にも違反していない。以上によれば、本件発明2が記載要件違反の無効理由を有するとの原告の主張は、誤りである。 本件発明2に係る新規性欠如について原告は、甲9文献に記載の第1案を根拠に、本件発明2に、新規性がないと主張している。しかし、甲9文献は頒布日が明らかでないため、 これを公知文献と認定することはできない。すなわち、甲9文献の表紙(1枚目)には、「平成15年2月」という日付と「平成14年度 ETC技術を活用したスマートICの調査検討報告書」というタイトル、「日本道路公団高速道路部」、「財団法人道路システム高度化推進機構」という作成者が記載されている。このことから、甲9文献は、原告の前 身である道路公団内の一組織「高速道路部」と、平成6年当時の建設省及び道路四公団(原告の前身である道路公団を含む)が設立した「財団法人道路システム高度化推進機構」とが、道路公団宛に作成した報告書であることが分かるところ、これは実質的に原告の内部資料にすぎないし、報告書を作成した側も受け取った側も、報告書の取扱いに関しては 守秘義務が課されているはずである。したがって、甲9文献は、頒布さ れる性質の文献ではないし、実際に頒布されていない可能性が高く、インターネットにおいて「ETC技術を活用したスマートICの調査検討」をキーワードにして検索しても、甲9文献は発見できない。よって、甲9文 性質の文献ではないし、実際に頒布されていない可能性が高く、インターネットにおいて「ETC技術を活用したスマートICの調査検討」をキーワードにして検索しても、甲9文献は発見できない。よって、甲9文献を証拠として本件発明2及び4の新規性や進歩性を否定する原告の主張は、誤りである。このことは、原告が過去に請求した本件各特許 に対する無効審判において、甲9文献を証拠として用いなかったことからも裏付けられる。 エ本件発明4に係る進歩性欠如について前記ウのとおり、原告が本件発明4の進歩性欠如の根拠とする甲9文献は、公知文献ではないから、無効理由の基礎にはならない。また、甲 9文献記載の第1案の発進制御機H2は、原告も認めるとおり、常時開であるため、本件発明4とは本質的な相違点がある。本件発明4のように遮断機が常時閉の構成において「遮断機が閉じるタイミングを適切に制御する」ことと、甲9文献記載の第1案のように常時開方式の発進制御機H2を閉じることとは、全く異なる技術的事項であるため、後者の 閉じるタイミングを調整すれば前者と同じになるということはあり得ない。原告は、前訴の際に、原告各設備が本件発明4の技術的範囲に属するという心証が裁判所から示された後も、本件発明4-1と技術的に大差ないと原告が考える甲9文献に記載の第1案に改造をしていない。これは、本件発明4の方が甲9文献に記載の第1案よりも優れていること を原告自ら証明したことと等価であり、仮に甲9文献に記載の第1案が公知技術であったとしても、本件発明4の進歩性が否定できないことを証明していることに他ならない。したがって、本件発明4は進歩性が欠如するため無効理由があるとの原告の主張は、誤りである。 (4) 争点4(被告による特許権の行使が権利濫用に当たるか)につ ないことを証明していることに他ならない。したがって、本件発明4は進歩性が欠如するため無効理由があるとの原告の主張は、誤りである。 (4) 争点4(被告による特許権の行使が権利濫用に当たるか)について (原告の主張) 特許権は、発明への貢献に対し、その公開の代償として与えられる。しかるに、被告は、権利行使のため、国及び道路公団(原告の前身)による開発実施に係るETC通信ゲートや遮断機や迂回路等の技術をそのまま取り込んだ公知物のみから構成されるシステム発明(実質的なビジネス方法発明)を出願するとともに、本件親出願当初の特許請求の範囲及び当初明細書から乖 離し、自らの貢献が存しない公知物ないし物本来の機能を対象とした寄せ集め発明にすぎない広すぎるクレームを主張すべく、補正や分割を錬金術のように用いて、いわば「後出しじゃんけん」のごとく計画的かつ意図的な権利行使を行っている。このような権利行使は、特許法の目的である「産業の発達」(同法1条)を阻害するおそれがある上、発明にその実質的価値以上の 保護を与えることになることから、実質的にみて、特許権者に不当な利益を与え、発明を実施する者に不当な不利益を与えるものであって、衡平の理念に反する結果となるものであるため、権利濫用に当たる。 本件の権利行使は、①平成16年に本件親出願を行い、不明瞭な補正をするとともに、当初明細書を引き写した記載のまま長期にわたる分割を繰り返 して、原告に対する権利行使に備え、②平成25年に親出願特許の有効活用等と称して原告に近づいて交渉を開始し、交渉結果を取り込むべく更なる補正や分割を行い、③第4及び第7世代特許取得後に後知恵による権利行使を行ったという三つのフェーズに分けられる。最後の③のみではなく、①②の諸事情も併せみれ 渉を開始し、交渉結果を取り込むべく更なる補正や分割を行い、③第4及び第7世代特許取得後に後知恵による権利行使を行ったという三つのフェーズに分けられる。最後の③のみではなく、①②の諸事情も併せみれば、以下のとおり、権利行使の手段として補正や分割出願 制度を濫用し、結果として公知技術ないし物本来の機能に係る技術を不当に独占し、行為として計画的かつ意図的に一連の濫用が行われているという権利濫用を基礎付ける事実が認められる。 補正及び分割出願の濫用被告は、親出願特許の補正、次いで、原告との交渉結果を反映すべく第 4世代特許の補正と第5世代の分割出願において、巧妙に、各構成要件を 分断して記載箇所を微妙にずらし、異なる表現を用い、構成相互の関係を曖昧にすることで、それぞれ当初明細書に開示されていない曖昧かつ広い特許請求の範囲に書き換えた。当該補正ないし分割出願が、補正要件及び分割出願要件のいずれにも違反していることは、前記(3)(原告の主張)のとおりである。補正や分割出願は、公開の代償として、親出願当初の特 許請求の範囲及び当初明細書に記載された範囲において許容されるにもかかわらず、本件では、法目的に反し、後知恵で他者の構成を取り込む、いわば「後出しじゃんけん」の目的で、補正や分割出願が錬金術のごとく用いられており、補正及び分割要件違反であるとともに、権利濫用に該当する。 二重特許の禁止被告は、当初出願後、第1世代から第4世代まで、本件親特許出願から10年間(分割出願開始から6年間)もの長期間、当初明細書の記載を何ら変かえずに分割出願を繰り返し、原告との交渉で原告SIC設備の構成を知得するや、これを分割出願に取り込んで特許権を取得し前訴提起に及 んでいる。しかし、分割出願は「二以 当初明細書の記載を何ら変かえずに分割出願を繰り返し、原告との交渉で原告SIC設備の構成を知得するや、これを分割出願に取り込んで特許権を取得し前訴提起に及 んでいる。しかし、分割出願は「二以上の発明を包含する特許出願」の一部を新たな別出願にするものであり(特許法44条1項)、単なる引き延ばしの便法や、いわんや「後出しじゃんけん」のごとく、交渉相手の情報を後知恵で後日取り込んで更なる権利行使を行うための手段などではない。 「二以上の発明」があるなら、速やかに分割出願に反映すべきであるが、 長期間それができなかったということは、分割すべき技術思想がなく、親出願と実質的に同一であったということに他ならず、かかる本来の趣旨に反する分割は、分割要件違反であるとともに、二重特許を許さない法の趣旨から分割出願は不適法として権利行使を権利濫用とした東京高等裁判所平成6年(ネ)第3790号同9年9月10日判決(以下「キルビー事件 控訴審判決」という。)の趣旨等に徴すれば、権利濫用に該当するといわ ざるを得ない。公知技術ないし物本来の機能(非発明)の不当な独占被告は、「遮断機を下ろす」(構成要件2F、4I)等という単なる「物本来の機能」や「人為的な取り決め」についての独占を主張し、構成や技術的意義を全く異にする原告各設備に対して権利を主張している。 また、対象となる原告各設備自体は、そもそも公知技術から構成されるため、本件では、前記(3)(原告の主張)の特許無効の抗弁のみならず、公知技術の抗弁も構成することになる。このような本来発明として効力が認められないパブリックドメインの領域まで広く侵害を主張するというものであるならば、「発明にその実質的価値以上の保護を与えること になり、妥当ではない」(キルビー事件控 な本来発明として効力が認められないパブリックドメインの領域まで広く侵害を主張するというものであるならば、「発明にその実質的価値以上の保護を与えること になり、妥当ではない」(キルビー事件控訴審判決)との判示に基づき、権利濫用に当たることとなる。計画的かつ意図的な一連の濫用行為本件各発明は、構成物に被告の貢献が皆無であり、そのフロー、タイミング、位置関係などの有機的一体の構成物相互関係のみに特徴を有する実 質的なビジネス方法発明と解さざるを得ない。ところが、被告は、その特徴部分の有機的一体のシステム構成を意図的に無視して権利主張をし、当初明細書と異なる将来の後知恵の権利行使に備え、曖昧かつ広い特許請求の範囲に書き換える補正及び分割出願を行うとともに、親出願特許について当初明細書のまま長期にわたり何世代も分割を重ね、極めて計画的な布 石を行っている。加えて、「有効活用」と称して原告に近づき、交渉を持ちかけた上、その結果に基づき、後知恵に基づく権利行使のため、補正及び分割出願を引き続き利用することで、当初明細書にない「寄せ集め発明」を対象とする特許を作り上げている。その結果、被告は、何ら高速道路事業に従事しておらず、自ら本件各特許に係る発明を実施することも、今後 も実施する可能性もない営利企業であるにもかかわらず、高速道路に係る 公共性を有する国及び原告の開発実施するETC関連技術を取り込んだ特許に基づき、その断片にすぎない遮断機という公知の構成の単なる道具の本来の機能に独占を主張し、公共性を有する事業を差し止めて多額の賠償金を支払わせるようなおそれを生じせしめている。被告によるかかる権利行使が権利濫用(民法1条3項)に該当することは明らかである。 (被告の主張)原告は、被告が高 事業を差し止めて多額の賠償金を支払わせるようなおそれを生じせしめている。被告によるかかる権利行使が権利濫用(民法1条3項)に該当することは明らかである。 (被告の主張)原告は、被告が高速道路事業に携わっておらず、不実施主体であるからという理由で、極めて失礼な主張をしているが、被告代表者は、町の発明家であり、個人で種々の分野の特許発明につき出願及び登録を行っているのであって、何ら原告から非難されるべきいわれはない。 また、原告は、被告による分割出願及び補正を「後知恵」、「後出しじゃんけん」などと非難するが、当初明細書に記載があるからこそ分割出願及び補正が許されたのであり、原告の主張は何の根拠もない単なる非難にすぎない。原告は、権利濫用の根拠として、各構成要素及び「ダブルゲート構成」は全て公知である等と主張するが、本件各発明は単に遮断機と検知器のみで 構成されているのではないし、甲10は令和2年のもの、甲9文献はその公知性の立証がなされていないから、原告主張の公知性には何らの裏付けもない。 分割出願を繰り返して権利行使に有利な権利を取得するという方策は、従来から様々な権利者(企業等)が行っている、ごく普通の特許実務である。 そもそも、分割出願には、出願人や特許権者のニーズとして、①原出願の拒絶理由を解消して確実な権利化を目指すが、将来の被疑侵害品に備え分割出願をしておきたい(バックアップ)、②分割出願では、被疑侵害品を含むよう、原出願の特許発明より広い範囲(構成要件の削除等)又は原出願の特許発明とは異なる構成(構成要件の置換)で特許を取得したい(他社製品対策) というものがあることは、周知の事実である。また、これらのニーズに基づ き特許出願(分割出願)を行うことは、特許制度に則って 構成(構成要件の置換)で特許を取得したい(他社製品対策) というものがあることは、周知の事実である。また、これらのニーズに基づ き特許出願(分割出願)を行うことは、特許制度に則って行う以上、何ら不正なものでも非難されるべきものでもない。このように、特許権者が、権利行使を容易にするために被疑侵害品の構成に鑑みて、分割出願を行ったり特許請求の範囲を補正したりすることは、当初明細書に記載されている等の法定の範囲内において行う限り、一般的な特許権者の行為であって、権利濫用 に当たらない。 このように、原告による権利濫用の主張は特許実務に明白に反する内容であることは明らかであるから、これは本訴訟における審理を不当に遅延させることを目的としたことに該当し、却下されるべきである(特許法104条の3第2項)。 (5) 争点5(損害の発生の有無及びその額)について(被告の主張)原告各設備の売上金額(ア) 原告各設備の車両通行量原告は、原告設備1につき令和元年8月4日以降、原告設備2につき 平成30年2月24日以降、これらを継続的に使用して、両原告設備を通過する車両から利用料を徴収した。雑誌「高速道路と自動車」(公益財団法人高速道路調査会発行)において現時点で把握可能な令和5年10月分までの車両通行量は、原告設備1については約133万台を、原告設備2については555万台を、それぞれ下らない。 (イ) 原告の売上金額原告各設備の使用による売上金額は、通行車両から徴収する利用料であり、その額は以下のとおり算定される。 a ターミナルチャージ原告が、各有料道路を通行する各車両につき徴収するターミナルチ ャージ150円のうち75円(原告各設備を利用して有料道路を使用 する車両 おり算定される。 a ターミナルチャージ原告が、各有料道路を通行する各車両につき徴収するターミナルチ ャージ150円のうち75円(原告各設備を利用して有料道路を使用 する車両は、原告各設備の「入」又は「出」に際し、150円の半分である75円を負担するものとして計算。)が売上金額算定の基礎となる。 b 走行距離に応じた通行料金原告は、走行距離に応じて料金を徴収しており、その額は有料道路 であれば、原則24.6円/kmである。そして、少なくとも、原告各設備を利用する車両が支払う走行料金のうち、原告各設備と一つ隣のインターチェンジとの間を走行することによる料金部分(すなわちこの走行距離に応じて支払う料金の最低額)については、原告各設備の売上げとみなすことができるから、原告各設備の利用による売上金 額として考慮される。 (ウ) 原告各設備の売上金額原告設備1を使用した令和元年8月4日以降令和5年10月31日迄の売上金額及び原告設備2を使用した平成30年2月24日から令和5年10月31日までの売上金額は、前記(ア)の車両通行量に1台当た りの平均的な徴収金額(原告設備1は332円、原告設備2は210円である。)を乗じると、原告設備1の売上金額は約4億4148万円であり、原告設備2の売上金額は約11億6584万円である。 実施料相当額本件発明2及び本件発明4の使用に対し被告が受けるべき金銭の額は、 通過車両の徴収利用料金の7.5パーセントを下らない。仮に前訴控訴審判決に倣い2パーセントが相当であると解したとしても、原告が前訴控訴審判決確定後も、対象システムをそのまま使用し続けて特許権侵害行為を継続し、一向に当該特許権の侵害行為を改めようとしなかったことを考慮すると、本件発 ントが相当であると解したとしても、原告が前訴控訴審判決確定後も、対象システムをそのまま使用し続けて特許権侵害行為を継続し、一向に当該特許権の侵害行為を改めようとしなかったことを考慮すると、本件発明4の実施料相当額は、通過車両の徴収利用料 金の5パーセントを下らない。また、同様に本件発明2についても実施 料相当額は通過車両の徴収利用料金の5パーセントを下らないと解すべきであるが、二つの権利を同時に侵害する本件においては、単純に加算するのではなく、同種の権利であることに鑑み、全体として実施料相当額は7.5パーセントを下らないとすべきである。 また、知的財産権の侵害に基づく損害賠償金は、消費税の課税対象と なるから、上記売上金額に消費税相当額を上乗せするのが相当である。 したがって、被告が受けるべき実施料相当額は、原告設備1について3639万円及び原告設備2について9581万円の合計1億3220万円を下らない。 弁護士費用 前記イの損害賠償金額10パーセントである1322万円が相当である。 損害合計額以上によれば、被告による原告の親出願特許及び第7 世代特許に係る各特許権の侵害に基づく損害の額の合計は、1億4542万円を下らない。 よって、被告は、原告に対し、前記エの損害合計額の一部について、親出願特許及び第7世代特許に係る各特許権の侵害による損害賠償として各500万円(合計1000万円)の支払を求める。 (原告の主張)争う。 第3 当裁判所の判断争点1(確認の利益の有無)について本訴は、原告各設備の設置及び使用について、被告が原告に対して本件各特許権に基づく損害賠償請求権、不当利得返還請求権及び差止請求権をいずれも有しないことの確認を求めるものであるところ、確 について本訴は、原告各設備の設置及び使用について、被告が原告に対して本件各特許権に基づく損害賠償請求権、不当利得返還請求権及び差止請求権をいずれも有しないことの確認を求めるものであるところ、確認の訴えについては、原告 の権利又はその法律上の地位に現に危険、不安が存在すること、その不安が被 告に起因すること、そしてその不安の除去のために、求められている確認の対象について判決することが必要かつ適切である場合に確認の利益が認められるものと解される。 これを本件についてみると、まず、第4世代特許に係る特許権については、前提事実(8)のとおり、原告各設備が第4世代特許の特許請求の範囲の請求項 1及び2(本件発明3-1及び3-2)の構成要件を充足しないことに争いがなく、当該各請求項は、第4世代特許に係る請求項の全部であるから、被告は、原告各設備が、第4世代特許に係る特許権を侵害しないことを争っていないものと認められる。以上によれば、第4世代特許に係る特許権侵害について損害賠償請求等の各債務の不存在の確認を求める訴えは、原告の権利又はその法律 上の地位に現に危険、不安が存在すると認められないから、確認の利益を欠く。 次に、親出願特許については、前提事実(8)のとおり、被告は、原告各設備が親出願特許の特許請求の範囲の請求項1(本件発明1)の構成要件を充足しないことは争っていないものの、同請求項5(本件発明2)については、原告各設備が同請求項5の構成要件を充足しているとして、反訴として損害賠償請 求をしている。そして、特許権侵害訴訟の訴訟物は、請求項単位ではなく特許権単位で決せられるから、被告において、親出願特許の請求項5に係る発明(本件発明2)の構成要件を充足していると主張している以上、親出願特許に係る原 、特許権侵害訴訟の訴訟物は、請求項単位ではなく特許権単位で決せられるから、被告において、親出願特許の請求項5に係る発明(本件発明2)の構成要件を充足していると主張している以上、親出願特許に係る原告の権利又はその法律上の地位に現に危険、不安が存在すると認められる。よって、親出願特許に係る特許権侵害について損害賠償請求等の各債務の 不存在の確認を求める訴えについては、確認の利益が認められる。もっとも、被告は、反訴において親出願特許に係る特許権侵害による損害賠償請求の一部として500万円及びこれに対する遅延損害金の支払を求めているから、親出願特許に係る特許権侵害に係る債務不存在確認の訴えのうち、損害賠償請求については、反訴の提起によって、500万円及びこれに対する遅延損害金の支 払債務の不存在の確認を求める限度で確認の利益を欠くに至ったものである。 同様に、第7世代特許についても、被告は、原告各設備が同特許の請求項1に係る発明(本件発明4-1)及び同2に係る発明(本件発明4-2)の構成要件を充足していると主張しているから、第7世代許に係る特許権侵害について損害賠償債務等の不存在の確認を求める訴えは、確認の利益が認められる。もっとも、第7世代特許に係る特許権侵害に係る債務不存在確認の訴えのうち、 損害賠償債務の不存在確認請求については、被告の反訴提起により、500万円及びこれに対する遅延損害金の支払債務の不存在の確認を求める限度で確認の利益を欠くに至ったものである。 以上によれば、本件本訴請求のうち、別紙特許権目録記載2の特許権(第4世代特許に係る特許権)に基づく損害賠償請求権、不当利得返還請求権及び差 止請求権をいずれも有しないことの確認を求める訴え並びに別紙特許権目録記載1及び3の特許権(親出願特 載2の特許権(第4世代特許に係る特許権)に基づく損害賠償請求権、不当利得返還請求権及び差 止請求権をいずれも有しないことの確認を求める訴え並びに別紙特許権目録記載1及び3の特許権(親出願特許及び第7世代特許に係る特許権)に基づく損害賠償請求権につき各500万円及びこれに対する遅延損害金の支払債務の不存在の確認を求める訴えについては、確認の利益が認められないから、不適法として却下するのが相当である。 争点2(原告各設備が本件発明2及び4の技術的範囲に属するか)について(1) 本件親出願明細書及び本件明細書7の記載事項等本件親出願明細書(甲2)には、以下の記載がある(下記記載中に引用する図面については、別紙本件各明細書図面目録参照。)。 【技術分野】 【0001】本発明は車両誘導システムに関し、更に具体的には有料道路の出入口に設置されたETC車用出入口に利用される車両を安全に誘導する車両誘導システムに関する。 【背景技術】 【0002】 近年、有料道路の料金所にETCシステム(ElectronicTollCollectionSystem:ノンストップ料金自動支払いシステム)が設置されるようになってきた。図1に示すように、ETCシステムは、料金所ゲートに設置した路側アンテナ3、5と、車両14に装着した車載器20との間で無線通信を用いて自動的に通行料金の決済 を行ない、料金所をノンストップで通行することができるシステムである。・・・【発明が解決しようとする課題】【0006】しかし、現時点では全車両がETCシステム対応車ではないので、有料 道路の料金所のレーンには、「ETC専用」と表示されたETC車専用レーンと、「E ようとする課題】【0006】しかし、現時点では全車両がETCシステム対応車ではないので、有料 道路の料金所のレーンには、「ETC専用」と表示されたETC車専用レーンと、「ETC一般」と表示されたETC車も一般車も混在して通れるレーンと、「一般」と表示されたETCシステムを利用出来ないレーンとが混在している。このため、一般車が誤ってETC車専用レーンに進入する場合が起こり得る。なお、この出願書類では、「ETC車」とは、ET Cによる料金徴収が可能な車両をいい、「一般車」とは、ETCシステムを利用出来ない車両を言う。 【0007】更に、ETC車であっても、その車載器が路側アンテナと正常通信が出来ない場合も起こり得る。例えば、車載器に対するETCカードの未挿入、 不完全挿入、直前挿入等の場合である。 【0008】このような場合、開閉バーが下りて進行出来なくなるので、車両を止めてインターホンで係員を呼び出す必要がある。これにより、料金所の渋滞が助長され、ETCの本来の目的に沿わなくなる。また、開閉バーが下り て通行を止められた車両が、レーンからバック走行をして出ようとすると、 後続の車両と衝突するおそれもあり、非常に危険である。 【課題を解決するための手段】【0010】従って、本発明は、一般車がETC車用出入口に進入した場合又はETC車に対してETCシステムが正常に動作しない場合(路側アンテナと車 載器の間で通信不能・不可)であっても、車両を安全に誘導する車両誘導システムを提供することを目的とする。 【0011】更に本発明は、ETCシステムを利用した車両誘導システムにおいて、例えば、逆走車の走行を許さず、或いは先行車と後続車の 導する車両誘導システムを提供することを目的とする。 【0011】更に本発明は、ETCシステムを利用した車両誘導システムにおいて、例えば、逆走車の走行を許さず、或いは先行車と後続車の衝突を回避し得 る、安全な車両誘導システムを提供することを目的とする。 【0012】上記目的に鑑みて、本発明に係る一般道路と有料道路との間の料金所にETC車用レーンを有するインターチェンジに利用される車両誘導システムは、路側アンテナと車載器との間で通信不能又は通信不可が発生したと き、車両がETC車用レーンから離脱しえる手段と、第1の遮断機、第1の車両検知装置、ゲート前アンテナ、第2の車両検知装置、第2の遮断機、第3の車両検知装置、第3の遮断機、第5の車両検知装置及びETCゲートとを備え、第1の車両検知装置が車両の進入を検知すると、第1の遮断機を閉じて後続車との間を一定の間隔を空けるようにし、第2の車両検知 装置が進入車両を検知すると、車両がゲート前アンテナを通過したことを確認して、このタイミングでゲート前アンテナとの間で通信可能又は通信不能・不可のいずれであるかを判定し、第3の車両検知装置が進入車両を検知すると、第2の遮断機を閉じて第3の遮断機を開き、第5の車両検知装置が進入車両を検知すると、第3の遮断機を閉じる、ことを特徴とする。 【0013】 更に、上述の車両誘導システムにおいて、前記ETC車用レーンから離脱しえる手段は、前記ETC車用レーンから分岐して前記車両が前記料金所へ再進入するレーン又は一般者用レーンへ誘導されるレーンとすることができる。 【0015】 その車両誘導システムは、少なくとも1つの誘導装置を有し、ゲート前アンテナが車載器との間で通信可能又 レーン又は一般者用レーンへ誘導されるレーンとすることができる。 【0015】 その車両誘導システムは、少なくとも1つの誘導装置を有し、ゲート前アンテナが車載器との間で通信可能又は通信不可・不能と判定したとき、その判定結果に基づいて誘導装置により車両を所定の誘導先に誘導するようにしてもよい。 【0016】 また、本発明に係るETC車載器搭載車が一般道路と有料道路との出入りをする時に、ETC車専用出入口から出入りをする車両を誘導するシステムは、一般道路と有料道路との出入りをする車両を検知する検知手段と、車両に搭載されたETC車載器とデータを通信する通信手段と、通信手段によって受信したデータを認識して、ETCによる料金徴収が可能か判定 する判定手段と、判定手段により判定した結果に従って、ETCによる料金徴収が可能な車両を、ETCゲートを通って一般道路から有料道路へ入る、または有料道路から一般道路へ出るルートへ誘導し、ETCによる料金徴収が不可能な車両を、再度出入口手前へ戻るルート又は一般車用出入口へ誘導する誘導手段を備え、検知手段により車両の進入が検知された場 合、車両が通過した後に、遮断機を下ろすことにより、進入した車両のバック走行、逆走及び後続の車両の進入を防ぐことを特徴とする。 【0017】また、本発明に係る有料道路料金所、サービスエリア又はパーキングエリアに設置されている、ETC車専用出入口から出入りをする車両を誘導 するシステムは、有料道路料金所、サービスエリア又はパーキングエリア に出入りをする車両を検知する第1の検知手段と、車両に搭載されたETC車載器とデータを通信する通信手段と、通信手段によって受信したデータを認識して、ETCによる料金徴収が可 キングエリア に出入りをする車両を検知する第1の検知手段と、車両に搭載されたETC車載器とデータを通信する通信手段と、通信手段によって受信したデータを認識して、ETCによる料金徴収が可能か判定する判定手段と、判定手段により判定した結果に従って、ETCによる料金徴収が可能な車両を、ETCゲートを通って有料道路料金所、サービスエリア又はパーキングエ リアに入る、または有料道路料金所、サービスエリア又はパーキングエリアから出るルートへ誘導し、ETCによる料金徴収が不可能な車両を、再度ETC車専用出入口手前へ戻るルート又は一般車用出入口へ誘導する誘導手段を備え、第1の検知手段により車両の進入が検知された場合、車両が通過した後に、第1の遮断機を下ろすことにより、進入した車両のバッ ク走行、逆走及び後続の車両の進入を防ぐことを特徴とする。 【発明の効果】【0027】本発明によれば、一般車がETC車用出入口に進入した場合又はETC車に対してETCシステムが正常に動作しない場合であっても、車両を安 全に誘導する車両誘導システムを提供することが出来る。 【0028】更に本発明によれば、ETCシステムを利用した車両誘導システムにおいて、例えば、逆走車の走行を許さず、或いは先行車と後続車の衝突を回避し得る、安全な車両誘導システムを提供することが出来る。 【発明を実施するための最良の形態】【0030】 先ず、有料道路の入口料金所で使用するETCシステムを利用した車両誘導システムについて説明し、次に出口料金所で使用する車両誘導システム、更に応用例(逆走防止機能を充実させたインターチェンジ、スマート インターチェンジ、駐車場等)について説明する。 【003 て説明し、次に出口料金所で使用する車両誘導システム、更に応用例(逆走防止機能を充実させたインターチェンジ、スマート インターチェンジ、駐車場等)について説明する。 【0032】車両は、一般道路8から有料道路7に向かって進行し、その間に料金所9が設けられている。従来、料金所9には、3つのレーンが用意されていた。レーン(A→D)はETC専用、レーンB、Cは一般車用である。本実施形態では、新たにAから分岐するレーンE(「再進入レーン」ともい う。)が用意されている。ここで、ルートA→DはETCゲート5を通り有料道路7へ進むルートであり、ルートA→Eは料金所9へ再進入するたのためのレーンである。 【0033】レーンA→Dには、基本的には、路側アンテナ3、5が備えられ、車載 器との間で無線通信を行なっている。図4はレーンA→D、A→Eの詳細を示し、これに沿って更に説明する。車両が、一般道路8から進入して、予め開いている遮断機1を通り、車両検知装置2aにより検知され、無線通信が可能か否かを判定する路側アンテナ(ゲート前アンテナ)3の側を通過し、車両検知装置2bにより検知される。 【0034】ゲート前アンテナ3との間で無線通信が可能と判定されたとき、誘導装置4-2は閉じたままで誘導装置4-1が開き、車両検知装置2cの側を通り、路側アンテナ(ETCゲート)5から車載器に対する入口情報を受信して、車両は有料道路7へと進むことが出来る。 【0035】ゲート前アンテナ3との間で無線通信が不能又は不可と判定されたとき、誘導装置4-1は閉じたままで誘導装置4-2が開き、レーンEに進んで、車両検知装置2dの側を通り、再度レーンA、B、Cのいずれかを選択する地点に戻る との間で無線通信が不能又は不可と判定されたとき、誘導装置4-1は閉じたままで誘導装置4-2が開き、レーンEに進んで、車両検知装置2dの側を通り、再度レーンA、B、Cのいずれかを選択する地点に戻る。従来、再進入レーンEが存在しなかったので、開閉バー4 -1が下りて進行出来なくなると、車両を止めてインターホン等で係員を 呼び出す必要があった。これにより、料金所9の渋滞が助長され、ETCの本来の目的が達成できない状態となる。また、開閉バー4-1が下りて通行を止められた車両が、レーンDからバック走行をしてレーンAから出ようとすると、後続の車両と衝突するおそれもあり、非常に危険であった。 しかし、再進入レーンEを設けることで、このような不具合、危険をシス テム的に解決することができる。 【0036】ここで、図7のように(これは出口料金所の例であるが)、無線通信が不能・不可の車両がレーンAから、レーンEを通って、レーンB又はCの通行券発券ボックス6より前の地点に合流するような構成にしてもよ い。なお、レーンB、Cは一般車用レーンであり、通行券発券ボックス6が夫々設けられている。 【0037】図4に戻り、ゲート前アンテナ3には、車両に搭載されたETC車載器とデータを通信する通信手段および受信したデータを認識して、ET Cによる料金徴収が可能か判定する判定手段とが備えられている。 【0038】誘導装置4-1、4-2としては、例えば遮断機の形態にし、ルートDへ誘導する時にはルートD側の遮断機を開けてルートE側の遮断機を閉じ、ルートEへ誘導する時にはルートE側の遮断機を開けてルートD側の遮断 機を閉じて誘導する方法がある。また、表示パネルの形態にし、それぞれのルートで「通行可能」「 けてルートE側の遮断機を閉じ、ルートEへ誘導する時にはルートE側の遮断機を開けてルートD側の遮断 機を閉じて誘導する方法がある。また、表示パネルの形態にし、それぞれのルートで「通行可能」「通行不可」などの文字を表示させてもよいし、通行可能なルートには「↑」(矢印)、通行不可能なルートには「×」(バツ印)などの記号や絵を表示させてもよい。また、「ETC読み取り不能」等のルートEへ誘導する理由を表示させてもよい。また、遮断機形 式と表示パネル形式とを併用してもよい。 【0040】図4に示す複数個の車両検知装置2a、2b、2c、2dの機能について着目しながら、図5に示すフローを使って、図3、4の車両誘導システムの誘導方法を簡単に説明する。最初の車両検知装置2aが車両の進入を検知すると(ステップS02)、遮断機1を閉じて後続車との間を一定の 間隔を空けるようにしている(ステップS03)。遮断機1は、後述するように、車両検知装置2c又は2dが車両を検知しないと開かないので、先行車と後続車の衝突が回避でき、また先行車がレーンAを逆走するのを阻止できる。2番目の車両検知装置2bが進入車両を検知すると(ステップS05)、車両がゲート前アンテナ3を通過したことを確認し、このタ イミングで通信可能又は通信不能・不可のいずれであるかを判定する(ステップS06、S07)。・・・【0041】通信可能であれば、誘導装置4-1が開きレーンDに誘導され有料道路7に進む(ステップS08)。反対に、通信不能・不可であれば、誘導装 置4-2が開きレーンEに誘導され、再度レーンA、B、Cを選択する場所に戻る(ステップS13)。ここで、「通信不能・不可」には、一般車が誤って進入した場合、及びETC車が 可であれば、誘導装 置4-2が開きレーンEに誘導され、再度レーンA、B、Cを選択する場所に戻る(ステップS13)。ここで、「通信不能・不可」には、一般車が誤って進入した場合、及びETC車が何らかの理由で無線通信に成功しなかった場合を含んでいる。 【0042】 3番目の車両検知装置2cが進入車両を検知すると(ステップS09)、この車両はレーンA→Dから脱出しつつあるので遮断機1を開き(ステップS10)、同様に、4番目の車両検知装置2dが進入車両を検知すると(ステップS14)、レーンA→Eから脱出しつつあるので遮断機1を開くようにしている(ステップS15)。これにより、1台の車両が、遮断 機1から車両検知装置2c、2dの区間に進入しているときはこの区間は 一種の閉鎖領域となり、1台の車両のみの存在が許されるようになっている。このため、この閉鎖領域では先行車と後続車の衝突は起こらない。なお、ETCシステムが正常に働いている限り、遮断機1が閉じている時間は、車両が遮断機1からETCゲート5を通過するまでの時間であり、ほんの数秒であり、ETCシステム本来のノンストップ走行は実質的に確保 されている。 【0043】なお、路側アンテナであるゲート前アンテナ3とETCゲート5を一緒にして、ゲート前アンテナ3の地点に設置し、無線通信が可能であるか否かの判定と可能な場合に入口情報の送信とを一度に実行してもよい。 【0046】この実施形態によれば、次のような効果が得られる。 (1)本実施例は、従来のインターチェンジに大幅な変更を加えることなく、新たに再進入レーンEを用意するだけで実現できる。 (2)ETCレーンに進入した後、ETC無線通信が不能・不可であっても 再 本実施例は、従来のインターチェンジに大幅な変更を加えることなく、新たに再進入レーンEを用意するだけで実現できる。 (2)ETCレーンに進入した後、ETC無線通信が不能・不可であっても 再進入レーンEが用意されているので渋滞が発生しない。 (3)車両検知装置2aが進入車両を検知すると遮断機1を閉じ、その後車両検知装置2c、2dが進入車両を検知しないと遮断機1を開けないので、進入車両の不法な逆方向走行を阻止することができる。 (4)更に、遮断機1と車両検知装置2c、2dの間にある車両は1台限定 されるので、進入車両と後続車両との間で衝突事故が回避できる。 【0047】[出口料金所用のETCシステム利用車両誘導システム]図6は出口料金所におけるETCシステムを利用した車両誘導システムを示す。 【0048】 車両は、有料道路7から一般道路8向かって進行し、その間に料金所9が設けられている。従来、料金所には、3つのレーンが用意されていた。レーン(A→D)はETC専用、レーンB、Cは一般車用である。 本実施形態では、新たに再進入レーンEが用意されている。 【0049】 図6の出口料金所用のETCシステム利用車両誘導システムは、基本的に、図3、4のそれと同じである。 【0050】・・・通信可能であれば、誘導装置4-1が開きレーンDに誘導され一般道路8に進む。反対に、通信不能・不可であれば、誘導装置4-2が開 き再進入レーンEに誘導され、再度レーンA、B、Cを選択する場所に戻る。なお、図7に示すように、一般車レーンB又はCに誘導するようにしてもよい。 【0054】[その他の応用例] (逆進入防止機能を充実させたインターチェン 、Cを選択する場所に戻る。なお、図7に示すように、一般車レーンB又はCに誘導するようにしてもよい。 【0054】[その他の応用例] (逆進入防止機能を充実させたインターチェンジ)しかしながら図4で説明した実施例では、料金不払いなどを目的とした不正車両が、ETC車用レーンの出口や離脱レーンの出口から遡ってETC車用レーンに逆進入することを防ぐことが出来ないという問題点を有している。これを解決するため、次に説明する実施形態では、レーンD及び レーンEの各々に対して、同様に遮断機と車両検知装置の組み合わせによる逆走防止手段を設けている。 【0055】図9は、図4の変形例であり、逆進入防止機能を充実させたインターチェンジの構成を示す図である。図10は、図9の車両誘導システムの誘導 方法を説明するフローチャートである。 【0056】図9のインターチェンジの構成を、図4のそれと比較すると、図4で説明した閉鎖区間(遮断機1~遮断機4-1、4-2の区間)に加えて、閉鎖区間F(遮断機1-2~遮断機4-1の区間)と閉鎖区間G(遮断機1-3~遮断機4-2の区間)とを形成している。図9に示すように、閉鎖 区間Fを形成するため、新たに遮断機1-2、車両検知装置2e、閉鎖区間センサー16を設け、また、閉鎖区間Gを形成するため、新たに遮断機1-3、車両検知装置2f、閉鎖区間センサー17を設け、更に閉鎖区間センサー18を設けている。 【0063】 (スマートインターチェンジの車両誘導システム) 図11は、変形例を示し、具体的には、スマートインターチェンジに本発明の車両誘導システムを導入した例である。スマートインターチェンジとは、高速道路のパーキング-エリアやサ システム) 図11は、変形例を示し、具体的には、スマートインターチェンジに本発明の車両誘導システムを導入した例である。スマートインターチェンジとは、高速道路のパーキング-エリアやサービス-エリアにETCゲートを設置して一般道路と接続する、ETC車専用のインターチェンジ(料金所)のことで、2004年から実験的に導入が計画されている。従来のイ ンターチェンジに比べ低費用で建設・管理できるのが特徴で、高速道路の利便性の向上や、周辺地域の活性化が期待されている。しかしながら、一般車がスマートインターチェンジに進入して立ち往生した場合に備えて係員が常駐していなければならないので、経済的でない。 【0064】 図11に示すように、一般道路8と有料道路7との間に、パーキングエリア又はサービス-エリア11が設けられている。一般道路8から有料道路7に入るための入口料金所12と、反対に有料道路7から一般道路8に出るための出口料金所13がある。一般車レーンB、Cが無いことを除き、入口料金所12のレーン(A→D)と(A→E)の役割、及び出口料金所 13のレーン(A→D)と(A→E)の役割は、図3、4、6及び7のそ れと同じである。 【図面の簡単な説明】【0071】【図3】本発明の実施形態に係る入口料金所用のETCシステム利用車両誘導システムの構成を示す図である。 【図4】図3の車両誘導システムの部分拡大図である。 【図6】本発明の実施形態に係る出口料金所用のETCシステム利用車両誘導システムの構成を示す図である。 【図7】図6の変形例である。 【図9】図4の変形例であり、逆進入防止機能を充実させたインターチェ ンジの構成を示す図である。 【図11】本発 導システムの構成を示す図である。 【図7】図6の変形例である。 【図9】図4の変形例であり、逆進入防止機能を充実させたインターチェ ンジの構成を示す図である。 【図11】本発明の応用例であり、スマートインターチェンジに応用した例を示す図である。 本件明細書7(甲6)には、前記ア【0012】、【0016】、【0017】及び以下の記載を除き、前記アと同内容の記載がある(ただし、 前記ア【0015】は【0016】に記載されている。また、下記記載中に引用する図面については、別紙本件各明細書図面目録参照。)。 【0012】上記目的に鑑みて、本発明に係る車両誘導システムは、一般道路と有料道路との間の料金所にETC車用レーンを有するインターチェンジに 利用される車両誘導システムであって、路側アンテナと車載器と間で通信不能又は通信不可が発生したとき、車両が前記ETC車用レーンから離脱しえる手段を設けたことを特徴とする。 【0015】更に、上述の車両誘導システムにおいて、前記システムは、遮断機、 第1の車両検知装置、ゲート前アンテナ、第2の車両検知装置、誘導手 段、第3の車両検知装置、第4の車両検知装置及びETCゲートを有し、前記第1の車両検知装置が車両の進入を検知すると、前記遮断機を閉じて後続車との間を一定の間隔を空けるようにし、前記第2の車両検知装置が進入車両を検知すると、車両がゲート前アンテナを通過したことを確認して、このタイミングで通信可能又は通信不能・不可のいずれであ るかを判定し、前記第3又は第4の車両検知装置が進入車両を検知すると、後続車のために前記遮断機を開くようにすることもできる。 【0017】更に、本発明に係る車両誘導システムは、ETC車載器搭載車が一般道路 前記第3又は第4の車両検知装置が進入車両を検知すると、後続車のために前記遮断機を開くようにすることもできる。 【0017】更に、本発明に係る車両誘導システムは、ETC車載器搭載車が一般道路と有料道路との出入りをする時に、ETC車専用出入口から出入り をする車両を誘導するシステムであって、一般道路と有料道路との出入りをする車両を検知する検知手段と、車両に搭載されたETC車載器とデータを通信する通信手段と、前記通信手段によって受信したデータを認識して、ETCによる料金徴収が可能か判定する判定手段と、前記判定手段により判定した結果に従って、ETCによる料金徴収が可能な車 両を、ETCゲートを通って一般道路から有料道路へ入る、または有料道路から一般道路へ出るルートへ誘導し、ETCによる料金徴収が不可能な車両を、再度出入口手前へ戻るルート又は一般車用出入口へ誘導する誘導手段を備え、前記検知手段により車両の進入が検知された場合、遮断機を下ろすことにより、進入した車両のバック走行と後続の車両の 進入を防ぐことを特徴とする。 【0018】更に、上述の車両誘導システムを有料道路料金所、サービスエリア又はパーキングエリアに設置することもできる。 前記ア及びイの記載事項並びに親出願特許及び第7世代特許の各特許 請求の範囲の記載によれば、本件親出願明細書及び本件明細書7には、 本件発明2及び4に関し、以下のとおりの開示があると認められる。 (ア) 近年、有料道路の料金所にETCが設置されるようになってきたが、現時点では、全車両がETCシステム対応車ではないので、有料道路の料金所のレーンには、「ETC専用」と表示されたETC車専用レーンと、「ETC一般」と表示されたETC車も一般車も混在して通れる レー では、全車両がETCシステム対応車ではないので、有料道路の料金所のレーンには、「ETC専用」と表示されたETC車専用レーンと、「ETC一般」と表示されたETC車も一般車も混在して通れる レーンと、「一般」と表示されたETCシステムを利用出来ないレーンとが混在しているため、一般車が誤ってETC車専用レーンに進入する場合が起こり得るし、ETC車であっても、その車載器が路側アンテナと正常通信が出来ない場合も起こり得る(本件親出願明細書及び本件明細書7の【0002】、【0006】及び【0007】)。このよ うな場合、開閉バーが下りて進行出来なくなるので、車両を止めてインターホンで係員を呼び出す必要があるが、これにより、料金所の渋滞が助長され、ETCの本来の目的に沿わなくなり、また、開閉バーが下りて通行を止められた車両がレーンからバック走行をして出ようとすると、後続の車両と衝突するおそれもあり、非常に危険である (同【0008】)。 (イ) 本件発明2及び4は、前記(ア)の課題を解決するため、一般車がETC車用出入口に進入した場合又はETC車に対してETCシステムが正常に動作しない場合であっても、車両を安全に誘導し、ETCシステムを利用した車両誘導システムにおいて、例えば、逆走車の走行を 許さず、或いは先行車と後続車の衝突を回避し得る、安全な車両誘導システムを提供することを目的とするものである(同【0010】及び【0011】)。 そして、上記目的を達成するため、本件発明2は、一つの遮断機、検知手段、通信手段、ETCによる料金徴収が不可能な車両の退避路及 び同退避路への誘導手段を設置する親出願特許の特許請求の範囲の請 求項5に係る構成を採用したものであり(本件親特許明細書の【0013】、【0015】 金徴収が不可能な車両の退避路及 び同退避路への誘導手段を設置する親出願特許の特許請求の範囲の請 求項5に係る構成を採用したものであり(本件親特許明細書の【0013】、【0015】、【0016】【0017】、【0038】)、また、本件発明4は、複数の遮断機、複数の検知手段、通信手段及びETCによる料金徴収が不可能な車両の退避路及び同退避路への誘導手段を設置する第7世代特許の特許請求の範囲の請求項1及び2に係 る構成を採用したものである(本件明細書7の【0012】、【0013】、【0017】、【0018】、【0038】)。 本件発明2及び4によれば、一般車がETC車用出入口に進入した場合又はETC車に対してETCシステムが正常に動作しない場合であっても、車両を安全に誘導する車両誘導システムを提供することがで き、さらに、ETCシステムを利用した車両誘導システムにおいて、例えば、逆走車の走行を許さず、或いは先行車と後続車の衝突を回避し得る、安全な車両誘導システムを提供することができるとの作用効果を奏する(本件親出願明細書及び本件明細書7の【0027】及び【0028】)。 (2) 構成要件2E及び4Fの充足性について事案に鑑み、構成要件2E及び4Fの充足性から検討する。 構成要件2Eの充足性(ア) 「ETCによる料金徴収が不可能な車両を、再度前記ETC車専用出入口手前へ戻るルート又は一般車用出入口へ誘導する誘導手段」の 解釈親出願特許の特許請求の範囲の請求項1には、「有料道路料金所、サービスエリア又はパーキングエリアに設置されている、ETC車専用出入口から出入りをする車両を誘導するシステム」(構成要件2A)、「前記有料道路料金所、サービスエリア又はパーキ 、「有料道路料金所、サービスエリア又はパーキングエリアに設置されている、ETC車専用出入口から出入りをする車両を誘導するシステム」(構成要件2A)、「前記有料道路料金所、サービスエリア又はパーキングエリアに出入 りをする車両」(構成要件2B)、「ETCゲートを通って前記有料 道路料金所、サービスエリア又はパーキングエリアに入る、または前記有料道路料金所、サービスエリア又はパーキングエリアから出るルート…前記ETC車専用出入口手前へ戻るルート又は一般車用出入口」(構成要件2E)との記載がある。そして、「システム」とは、一般に、「複数の要素が有機的に関係しあい、全体としてまとまった機能 を発揮している要素の集合体」を意味する(甲13)。これらによれば、本件発明2の「ETC車専用出入口から出入りする車両を誘導するシステム」は、複数の要素が有機的に関係し合い、全体としてまとまった機能を発揮する要素の集合体として、「有料道路料金所、サービスエリア又はパーキングエリアに設置されている」ものであり、 「ETC車専用出入口」は、通常、有料道路やサービスエリア又はパーキングエリアに入ったり、それらから出たりするためのものとして、「有料道路料金所、サービスエリア又はパーキングエリア」ごとに設置されるものであることから、「ETC車専用出入口」を要素として含む上記「システム」も、「有料道路料金所、サービスエリア又はパ ーキングエリア」に設置された「ETC車専用出入口」ごとに設置されるものと理解できる。そして、本件発明2の「車両を誘導するシステム」(構成要件2A)が「誘導する誘導手段を備え」(構成要件2E)るものとされていることからすると、構成要件2Eの「誘導する誘導手段」も、「車両を誘導するシステム」と同様に、上記の「 誘導するシステム」(構成要件2A)が「誘導する誘導手段を備え」(構成要件2E)るものとされていることからすると、構成要件2Eの「誘導する誘導手段」も、「車両を誘導するシステム」と同様に、上記の「ET C車専用出入口」ごとに設置されているものと理解できる。 また、構成要件2Eは、「誘導手段」が「ETCによる料金徴収が不可能な車両」を「誘導する」先について、「再度前記ETC車専用出入口手前へ戻るルート又は一般車用出入口」としているところ、その誘導先の一つである「ETC車専用出入口手前へ戻るルート」について は、「ETC車専用出入口」に「前記」という文言が付されており、こ れが構成要件2Aの「ETC車専用出入口」を指すことは明らかであるから、当該「有料道路料金所、サービスエリア又はパーキングエリア」に「車両」が進入した「ETC車専用出入口」の「手前へ戻るルート」を意味するものと理解できる。これに対し、もう一つの誘導先である「一般車用出入口」については、「前記」といった文言が付され ていないことから、どの「一般車用出入口」を指すのか、直ちには明らかではない。 そこで、本件親出願明細書を参酌すると、同明細書には、「前記ETC車用レーンから離脱しえる手段は、前記ETC車用レーンから分岐して前記車両が前記料金所へ再進入するレーン又は一般者車用レーン へ誘導されるレーンとすることができる。」(【0013】)との記載のほか、【図3】に示される実施形態についての「従来、料金所9には、3つのレーンが用意されていた。レーン(A→D)はETC専用、レーンB、Cは一般車用である。本実施形態では、新たにAから分岐するレーンE(「再進入レーン」ともいう。)が用意されている。ここで、 …ルートA→Eは料金所9へ再進入す A→D)はETC専用、レーンB、Cは一般車用である。本実施形態では、新たにAから分岐するレーンE(「再進入レーン」ともいう。)が用意されている。ここで、 …ルートA→Eは料金所9へ再進入するためのレーンである。」(【0033】)との記載、【図6】に示される実施形態についての「レーン(A→D)はETC専用、レーンB、Cは一般車用である。本実施形態では、新たに再進入レーンEが用意されている。」(【0048】)、「通信不能・不可であれば、誘導装置4-2が開き再進入レーンEに 誘導され、再度レーンA、B、Cを選択する場所に戻る。なお、図7に示すように、一般車レーンB又はCに誘導するようにしてもよい。」(【0050】)との記載、【図7】に示される実施形態についての「ここで、図7のように(これは出口料金所の例であるが)、無線通信が不能・不可の車両がレーンAから、レーンEを通って、レーンB又はC の通行券発券ボックス6より前の地点に合流するような構成にしても よい。」(【0036】)との記載及びSICに係る【図11】に示される実施形態についての「図11に示すように、一般道路8と有料道路7との間に、パーキング-エリア又はサービス-エリア11が設けられている。一般道路8から有料道路7に入るための入口料金所12と、反対に有料道路7から一般道路8に出るための出口料金所13がある。 一般車レーンB、Cが無いことを除き、入口料金所12のレーン(A→D)と(A→E)の役割、及び出口料金所13のレーン(A→D)と(A→E)の役割は、図3、4、6及び7のそれと同じである。」(【0064】)との記載がある。これらの記載並びに本件親出願明細書の【図3】、【図6】、【図7】及び【図11】によれば、構成要件2 Eの「再度前記ET 3、4、6及び7のそれと同じである。」(【0064】)との記載がある。これらの記載並びに本件親出願明細書の【図3】、【図6】、【図7】及び【図11】によれば、構成要件2 Eの「再度前記ETC車専用出入口手前へ戻るルート又は一般車用出入口へ誘導する」とは、ETC車用レーンに、無線通信が不能・不可の車両が進入した場合に、当該車両がETC車用レーンから離脱できるようにする手段として、上記ETC車用レーンから分岐するレーンを設け、当該レーンへ誘導するものであって、かつ、当該レーンは、 その誘導先がETC車専用出入口手前へ戻るルート又は一般車用出入口のいずれであっても、当該車両が直前に進入を試みた有料道路料金所やサービスエリア又はパーキングエリアに進入するための出入口へ誘導するものといえる。他方、本件親出願明細書上、上記車両がETC車用レーンから離脱できるようにする手段として、当該ETC車用 レーンから分岐するレーン以外の手段が開示又は示唆されているとは認められないし、ETC車用レーンから分岐するレーンが、当該車両が直前に進入を試みた有料道路料金所やサービスエリア又はパーキングエリアの出入口以外の出入口に設置されているものまで含んでいるとも認められない。 以上によれば、構成要件2Eの「ETCによる料金徴収が不可能な車 両を、再度前記ETC車専用出入口手前へ戻るルート又は一般車用出入口へ誘導する誘導手段」とは、ETC車専用出入口ごとに設置された誘導手段であって、ETCによる料金徴収が不可能な車両がETC車用レーンに進入してきた場合に、当該車両をETC車用レーンから離脱させ、再度当該車両が進入したETC車専用出入口の手前へ戻る レーンへ誘導するか、又は同ETC車専用出入口が設置された有料道路料金所や ンに進入してきた場合に、当該車両をETC車用レーンから離脱させ、再度当該車両が進入したETC車専用出入口の手前へ戻る レーンへ誘導するか、又は同ETC車専用出入口が設置された有料道路料金所やサービスエリア又はパーキングエリアと同じ有料料金所やサービスエリア又はパーキングエリアに設置された一般車両出入口へ誘導するものであると解される。 (イ) 原告各設備へのあてはめ a 「再度前記ETC車専用出入口手前へ戻るルート」「へ誘導する誘導手段」について前提事実(7)のとおり、原告各設備においては、ETC車載器との無線通信が不能又は不可の場合、すなわち、ETCによる料金徴収が不可能な場合に、インターホンによる係員との通話等を通じて、課金 等処理を行い、係員が手動操作によって、①発進制御機1の開閉バーと、④発進制御機2又は⑤発進制御機3の開閉バーのいずれかを、同時に開くとともに、⑧路側表示器に「通行可」の表示又は「退出路」及び矢印の表示がされることにより、車両はレーンbを経由してレーンc又はレーンdを通行する。そうすると、原告各設備においては、 ETC車載器との無線通信が不能又は不可の場合、すなわち、ETCによる料金徴収が不可能であっても、インターホンによる係員との通話等の結果、課金等処理を行うことができた車両については、レーンcに誘導される場合もあるといえるものの、レーンdに誘導される車両は、上記処理を行うことができなかった車両と解され、当該車両は、 ETC車載器との無線通信が不能又は不可の場合、すなわち、ETC による料金徴収が不可能な車両であるから、原告各設備は、ETCによる料金徴収が不可能な車両につき、①発進制御機1、⑤発進制御機3及び⑧路側表示器により、レーンdに誘導しているといえる。 による料金徴収が不可能な車両であるから、原告各設備は、ETCによる料金徴収が不可能な車両につき、①発進制御機1、⑤発進制御機3及び⑧路側表示器により、レーンdに誘導しているといえる。 しかし、他方で、前提事実(7)アのとおり、原告設備1-1において、レーンdは、一般道路に接続してはいるものの、一般道路に合 流するためだけの道路であって、レーンdを通行するに至った車両は、再度、進入してきたETC車専用出入口の手前に戻るものではなく、原告設備1―1を構成する各発進制御機や⑧路側表示器によって、ETC車専用出入口手前に導かれるわけではない。したがって、「再度前記ETC車専用出入口手前へ戻るルート」「へ誘導」し ているとはいえない。 次に、原告設備1-2についてみても、前提事実(7)イのとおり、レーンdは、原告設備1-2が設置された横手北SICより進行方向先の地点の高速道路に合流するため、レーンdを通行するに至った車両が、再度、進入してきたETC車両専用出入口へ戻ることは不可能 であるから、レーンdが「再度前記ETC車専用出入口手前へ戻るルート」に該当しないことは明らかである。そして、原告設備2-1ないし2-4についてみても、前提事実(7)ウないしカのとおり、いずれもレーンdは一般道路か高速道路に併設されたパーキングエリア内の道路に合流するだけであって、レーンdを通行するに至った車両が 一般道路ないしパーキングエリア内の道路に合流しても、再度、進入してきたETC車専用出入口手前に導かれるわけではないから、「再度前記ETC車専用出入口手前へ戻るルート」「へ誘導」しているとはいえない。 よって、原告各設備が「再度前記ETC車専用出入口手前へ戻るル ート」「へ誘導する誘導手段」を有していると認める 度前記ETC車専用出入口手前へ戻るルート」「へ誘導」しているとはいえない。 よって、原告各設備が「再度前記ETC車専用出入口手前へ戻るル ート」「へ誘導する誘導手段」を有していると認めることはできない。 これに対し、被告は、原告設備1-1及び原告設備2-1ないし2-4について、レーンdから一般道路ないしパーキングエリア内の道路に合流した車両は、Uターンすれば進入してきたETC車専用出入口に戻ることが可能であるから、レーンdへ誘導する誘導手段は、「再度前記ETC車専用出入口手前へ戻るルート」「へ誘導する誘導 手段」に当たると主張する。 しかし、誘導とは、目的に向かっていざない導くことであるところ、前提事実(7)のとおり、原告各設備内にUターンをするよう示唆する標識等は存在しておらず、Uターンをするか否かは運転者の意思に委ねられているものであって、そのような運転者の意思のみに基づく運 転操作による車両の通行について、誘導によるものと評価するのは無理がある。 以上によれば、原告各設備は、いずれも「再度前記ETC車専用出入口手前へ戻るルート」「へ誘導する誘導手段」(構成要件2E)を備えていると認めることはできないというべきである。 b 「一般車用出入口へ誘導する誘導手段」について前提事実(6)のとおり、原告各設備は、いずれも一般車用出入口が存在しないSICに設置されており、当該車両が進入したETC車専用出入口が設置された有料道路料金所やサービスエリア又はパーキングエリアと同じ有料料金所やサービスエリア又はパーキングエリアに 設置された一般車両出入口は存在しない以上、車両を「一般車用出入口へ誘導する」ということ自体が想定できない。したがって、原告各設備は、構成要件2Eの「一般車用出入口へ 又はパーキングエリアに 設置された一般車両出入口は存在しない以上、車両を「一般車用出入口へ誘導する」ということ自体が想定できない。したがって、原告各設備は、構成要件2Eの「一般車用出入口へ誘導する誘導手段」を備えているとは認められない。 これに対し、被告は、無線通信が不能又は不可の車両は、レーンd を通行した上で、隣接する他のインターチェンジの一般車用出入口を 利用することが可能であり、無線通信が不能又は不可の車両が隣接する他のインターチェンジの一般車用出入口を利用することは、当業者の技術常識であるから、隣接する他の一般車用出入口は、構成要件2Eの「一般車用出入口」に含まれており、レーンdは隣接する他の一般車用出入口に間接的に誘導していると主張する。 しかし、ETC車載器を搭載しておらず無線通信が不能な車両は、SICを利用できないため、隣接する他のインターチェンジの一般車用出入口を利用することが自明であるとしても、前記のとおり、本件親出願明細書上、ETC車用レーンから離脱することができる手段として、当該ETC車用レーンから分岐するレーン以外が開示又は示唆 されているとは認められないし、誘導のための設備についても、遮断機の開閉と表示パネルによる表示は開示されているものの(【0038】)、それ以外の設備については開示も示唆もされていないことからすると、【図11】に示される実施形態に接した当業者において、構成要件2Eの「一般車用出入口」には、【図11】に示される実施形 態に記載されていない、当該SICとは異なる場所に別の施設として設置されている一般車用出入口が含まれるものと理解することはできないというべきである。また、仮に、隣接する他の一般車用出入口を構成要件2Eの「一般車用出入口」に含むと とは異なる場所に別の施設として設置されている一般車用出入口が含まれるものと理解することはできないというべきである。また、仮に、隣接する他の一般車用出入口を構成要件2Eの「一般車用出入口」に含むと解したとしても、前記(ア)のとおり、構成要件2Aにおいて、「有料道路料金所、サービスエ リア又はパーキングエリアに設置されている」「システム」と規定されおり、構成要件2Eにおいて、上記「システム」が「一般車用出入口へ誘導する誘導手段を備え」るものと規定されていることから、「一般車用出入口へ誘導する誘導手段」は、高速道路やサービスエリア又はパーキングエリアに「設置されている」上記「システム」を構 成する設備として、高速道路やサービスエリア又はパーキングエリア に設置されていることが当然の前提となっているものと解される。したがって、一般車用出入口へ誘導する誘導手段自体は、原告各設備にそれぞれ設置されている必要がある。ところが、原告各設備は、ETCによる料金徴収が不可能な車両をレーンdに誘導する誘導手段を備えてはいるものの、レーンdは、一般道路もしくは高速道路に合流す るのみであって、一般車用出入口へは合流せず、本件全証拠によっても、原告各設備において、原告各設備に隣接する他の一般車用出入口に誘導する標識等が存在するとは認められない。したがって、原告各設備が「一般車用出入口へ」「誘導する誘導手段」を備えているということはできない。 (ウ) 小括以上によれば、原告各設備は、いずれも、構成要件2Eの「ETCによる料金徴収が不可能な車両を、再度前記ETC車専用出入口手前へ戻るルート又は一般車用出入口へ誘導する誘導手段を備え」ているとは認められず、構成要件2Eを充足するとはいえない。 構成要件4Fの充 徴収が不可能な車両を、再度前記ETC車専用出入口手前へ戻るルート又は一般車用出入口へ誘導する誘導手段を備え」ているとは認められず、構成要件2Eを充足するとはいえない。 構成要件4Fの充足性構成要件2Eでは、「ETCによる料金徴収が不可能な車両を、再度前記ETC車専用出入口手前へ戻るルート又は一般車用出入口へ誘導する誘導手段」とされているのに対し、構成要件4Fでは、「ETCによる料金徴収が不可能な車両を、再度前記ETC車専用出入口手前へ戻るルー ト又は一般車用出入口に通じる第2のレーンへ誘導する誘導手段」とされており、「に通じる第2のレーン」という文言が追加されている。 もっとも、被告は、構成要件2Eと構成要件4Fは、単に表現が違うだけであって、同じ技術的事項を意味していると理解するのが正しい解釈であって、親出願特許に係る構成要件2Eの「一般車用出入口へ誘導 する」は、第7世代特許に係る構成要件4Fの「又は一般車用出入口に 通じる第2のレーンへ誘導する」の上位概念であって、前者を充足するものは後者も充足するものであると主張している。 このような被告の主張を前提とすれば、前記ア(イ)及び(ウ)のとおり、原告各設備が構成要件2Eを充足するとは認められない以上、構成要件2Eの下位概念である構成要件4Fの充足も当然に認められないという べきである。 以上によれば、原告各設備は、構成要件2E及び4Fを充足しない。 (3) 小括前記(2)のとおり、原告各設備が構成要件2E及び4Fを充足するとはいえないから、その余の点について判断するまでもなく、原告各設備が本件発 明2及び4の技術的範囲に属するとは認められない。 第4 結論以上によれば、原告の本訴請求のうち、主文第1項で掲げる請求 ないから、その余の点について判断するまでもなく、原告各設備が本件発明2及び4の技術的範囲に属するとは認められない。 第4 結論 以上によれば、原告の本訴請求のうち、主文第1項で掲げる請求については確認の利益がないから却下し、その余については理由があるから認容することとし、被告の反訴請求は理由がないから、これを棄却することとして、主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第29部 裁判官 間明宏充 裁判官 塚田久美子 裁判長裁判官國分隆文は、差支えにつき署名押印することができない。 裁判官 塚田久美子 (別紙)特許権目録 1 親出願特許特許番号特許第4379879号発明の名称車両誘導システム 出願日平成16年(2004年)9月13日出願番号特願2004-300749公開番号特開2006-79580登録日平成21年(2009年)10月2日 2 第4世代特許 特許番号特許第5769141号発明の名称車両誘導システム原出願日平成16年(2004年)9月13日分割出願日平成26年(2014年)4月23日出願番号特願2014-89069 公開番号特開2014-142963登録日平成2 平成16年(2004年)9月13日分割出願日平成26年(2014年)4月23日出願番号特願2014-89069 公開番号特開2014-142963登録日平成27年(2015年)7月3日 3 第7世代特許特許番号特許第6159845号発明の名称車両誘導システム 原出願日平成16年(2004年)9月13日分割出願日平成28年(2016年)4月4日出願番号特願2016-75107公開番号特開2016-154030登録日平成29年(2017年)6月16日 以上 (別紙)原告設備目録 1 横手北SIC(1) 横手北SICのETC車専用入口(2) 横手北SICのETC車専用出口 2 矢巾SIC(1) 矢巾SIC・上りのETC車専用入口(2) 矢巾SIC・上りのETC車専用出口(3) 矢巾SIC・下りのETC車専用入口(4) 矢巾SIC・下りのETC車専用出口 以上 (別紙) 分割一覧 親出願特許 (本件発明1及び2)第4世代特許 (本件発明3-1及び3-2)第7世代特許 (本件発明4-1及び4-2)

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