昭和32(オ)1027 法人税審査決定取消請求

裁判年月日・裁判所
昭和35年9月9日 最高裁判所第二小法廷 判決 その他 名古屋高等裁判所
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【DRY-RUN】主    文      原判決中昭和二三年一月一一日から同二四年一月一〇日までの事業年度 の所得金額に関する被上告人の審査決定の取消を求める請求に関する控訴を棄却し た部分を破棄し、これに関する事件を

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判決文本文2,857 文字)

主    文      原判決中昭和二三年一月一一日から同二四年一月一〇日までの事業年度 の所得金額に関する被上告人の審査決定の取消を求める請求に関する控訴を棄却し た部分を破棄し、これに関する事件を名古屋高等裁判所に差し戻す。      その余の部分に関する上告を棄却する。      前項に関する訴訟費用は、上告人の負担とする。          理    由  上告代理人窪田稔及び上告本人の上告理由について。  一、 元年計算における所得金額に関する論旨について。  原判決を検討するに、  (イ) 原判決理由中二の(一)の判示は、上告人が製造工程に半年以上を要す る醤油(上告人のいう普通醤油)のみを製造していたことを前提とするものである ことは明らかである。しかし、本件に現われた証拠のうちには、上告人がこれより 製造工程のはるかに短かい醤油(上告人のいう代用醤油)を製造していたことを認 めるに足りる証拠は一、二(例えば乙第二一号証、同第二二号証等)にとどまらな い。されば原審が、これらの証拠について上告人が普通醤油以外の代用醤油を製造 していたかどうかの点を審理判断することなく、漫然上告人が普通醤油のみを製造 していたことを前提として原判決の如く判示したのは、審理不尽のそしりを免れな い。  (ロ) 原判決理由二の(二)、(三)の判示は、乙第一八号証(昭和二三年度 仕込調書)に掲げられた仕込物の桶番号のうちに現存の腐敗モロミの桶番号が一つ もないことをもつて現存の腐敗モロミが昭和二三年度の仕込物の腐敗物でないこと の認定の一つの根拠としようとしたものと解される。しかし、同号証は、これに掲 げられた仕込原料等からみても、正規の製造工程による普通醤油の仕込状況のみを - 1 - 掲げたもので、代用醤油の仕込状況は、これに記帳もれとなつているものとも解さ れないではないにかか 証は、これに掲 げられた仕込原料等からみても、正規の製造工程による普通醤油の仕込状況のみを - 1 - 掲げたもので、代用醤油の仕込状況は、これに記帳もれとなつているものとも解さ れないではないにかかわらず、原審がこの点につき審理判断した形跡はない。され ば、原審が、漫然、同号証は代用醤油を含むすべての醤油の仕込状況をもれなく記 帳しているものであることを前提とし、これを基礎として現存の腐敗モロミが昭和 二三年度の仕込物の腐敗物でないとの推論を下したことは違法というべきである。  (ハ) 原判決理由二の(四)の判示中乙第二一号証及び同第七号証に関する判 示は、乙第二一号証に掲げられた原料塩の合計量と製造された醤油の合計量との比 率が乙第七号証によつて証明された原料塩と製造醤油との比率に符合する等のこと から、昭和二三年度中に投下された原料塩は全部有効に製品化したものと認むべき であるとの趣旨と解される。  しかし、乙第二一号証における原料塩と製造醤油との比率が乙第七号証における 同様の比率に単純に符合するとは計算上認めがたいので、この点に関する原判示も 首肯するに足りない。  (ニ) 原判決理由二の(六)の判示中「大量の腐敗の運命にあつた不良な仕込 物に昭和二三年中に三千百八十五瓩なる大量の塩が投下され腐敗の為め浪費に終つ たというようなことはなく従つて特段の反証なき限り此の塩は醤油製造に効果的に 使用され且販売されたものと認めるのが相当である」との判示は、現存の腐敗モロ ミが期首引継当時においてすでに全部腐敗に帰すべきことが明らかな状態にあつた ということを前提として、かかる状態のものに三、一八五瓩という大量の塩を無駄 に投下することは常識上考えられないとの趣旨と解される。しかし、現存の腐敗モ ロミが期首引継当時においてすでに全部腐敗に帰すべきことが明らかな状態にあつ た 状態のものに三、一八五瓩という大量の塩を無駄 に投下することは常識上考えられないとの趣旨と解される。しかし、現存の腐敗モ ロミが期首引継当時においてすでに全部腐敗に帰すべきことが明らかな状態にあつ たということは、本件において当事者間に争があるにかかわらず、「原判決及びそ の引用する一審判決中いずれの箇所にも、右争ある事実を証拠により確定した箇所 は見当らない。されば、原審が、漫然、現存の腐敗モロミが期首引継当時すでに全 - 2 - 部腐敗に帰すべきことが明らかな状態にあつたとの事実を前提として原判示の如き 推論を下したことは違法といわねばならない。  以上を要するに、問題の記帳もれ塩三、一八五瓩が昭和二三年度中に有効に醤油 の仕込に使用されて醤油の売上を生じたとの原審の推認は、上告人が普通醤油のみ を製造していたこと、乙第一八号証の記帳が代用醤油を含むすべての醤油の仕込状 況をもれなく記載しているものであること、乙第二一号証に示された原料塩による 製造効率が乙第七号証のそれに符合すること、及び現存の腐敗モロミが期首引継当 時すでに全部腐敗に帰すべきことが明らかな状態にあつたことを前提とするもので あり、もし、これらの前提が覆えれば、問題の塩三、一八五瓩が現存の腐敗モロミ に投入され無駄に帰したとの認定に到達する可能性もないではない。してみると、 原審が漫然右諸前提を基礎として、問題の塩三、一八五瓩が昭和二三年度中に有効 に使用され醤油の売上を生じたとの推論を下したことは、審理不尽乃至理由不備の そしりを免れず、この点に関する上告論旨は、理由があるものというべきである。 されば、原判決中、元年計算における所得(昭和二三年一月一一日から同二四年一 月一〇日までの事業年度の所得)金額に関する被上告人の審査決定の取消を求める 請求に関する控訴を棄却した部分は、その他の論旨の判断に 、原判決中、元年計算における所得(昭和二三年一月一一日から同二四年一 月一〇日までの事業年度の所得)金額に関する被上告人の審査決定の取消を求める 請求に関する控訴を棄却した部分は、その他の論旨の判断にまつまでもなく、右述 の点において破棄を免れない。  二、 半年計算における所得金額に関する論旨について。  論旨は、すべて、原判決に影響を及ぼすことの明らかな法令の違背を主張するも のと認められない。  よつて、民訴四〇七条、三九六条、三八四条、九五条、八九条を適用し、裁判官 全員の一致で、主文のとおり判決する。      最高裁判所第二小法廷          裁判長裁判官    小   谷   勝   重 - 3 -             裁判官    藤   田   八   郎             裁判官    池   田       克             裁判官    河   村   大   助             裁判官    奥   野   健   一 - 4 -

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